説明

ナビゲーション装置、地図データ更新システム、地図データ更新方法

【課題】部分的に地図データを更新可能なナビゲーション装置において、推奨経路周辺以外の地域についても地図データを更新できる方法を提供する。
【解決手段】自車両の燃料残量が所定値以下になると、そのときの燃料残量に基づいて、自車両の現在位置30を中心とし、その時点の自車両の燃料残量値に応じた距離範囲を半径として、円形の走行可能範囲41を地図上に設定する。この走行可能範囲41を含むメッシュM1〜M6およびM8を更新対象地域に設定する。そして、メッシュM1〜M6およびM8についての更新地図データを更新地図データ配信センターからナビゲーション装置にダウンロードして、HDDに記録されている地図データを部分的に更新する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に記憶されている地図データを更新する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
設定された目的地によって検索された推奨経路の周辺の地図データを部分的に最新の内容に更新するナビゲーション装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−75174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるナビゲーション装置では、推奨経路周辺以外の地域については更新対象地域とすることができず、地図データを最新の内容に更新することができない。しかし、推奨経路周辺以外の地域であっても、ユーザが利用する可能性が高い地域や地図変化の大きい地域などについては、その状況に応じて更新対象地域に設定し、地図データを最新の内容に更新することが望ましい。このように、部分的に地図データを更新可能なナビゲーション装置において、推奨経路周辺以外の地域についても状況に応じて適切な更新対象地域を設定し、地図データを更新できる方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、記憶している地図データに基づいて地図を表示し、その地図データを外部の更新地図データ送信装置から送信される地図データの最新版を用いて部分的に更新可能なナビゲーション装置であって、所定の地域範囲ごとに設定された地図データを記憶する地図記憶手段と、自車両の燃料残量に基づいて走行可能範囲を設定する範囲設定手段と、範囲設定手段により設定された走行可能範囲に基づいて、地図データを部分的に更新するときの更新対象地域を設定する更新地域設定手段と、更新地域設定手段により設定された更新対象地域について、地図記憶手段に記憶されている地図データの最新版を更新地図データ送信装置に要求する要求手段と、その要求に応じて更新地図データ送信装置から送信される地図データの最新版を取得する更新地図データ取得手段と、更新地図データ取得手段により取得された地図データの最新版を用いて、地図記憶手段に記憶されている地図データを部分的に更新する地図データ更新手段とを備えるものである。
請求項6の発明は、記憶している地図データに基づいて地図を表示し、その地図データを部分的に更新可能なナビゲーション装置と、ナビゲーション装置に記憶されている地図データを部分的に更新するための地図データの最新版をナビゲーション装置へ送信する更新地図データ送信装置とを有する地図データ更新システムであって、
ナビゲーション装置は、所定の地域範囲ごとに設定された地図データを記憶する地図記憶手段と、自車両の燃料残量に基づいて走行可能範囲を設定する範囲設定手段と、範囲設定手段により設定された走行可能範囲に基づいて、地図データを部分的に更新するときの更新対象地域を設定する更新地域設定手段と、更新地域設定手段により設定された更新対象地域について、地図記憶手段に記憶されている地図データの最新版を更新地図データ送信装置に要求する要求手段と、その要求に応じて更新地図データ送信装置から送信される地図データの最新版を取得する更新地図データ取得手段と、更新地図データ取得手段により取得された地図データの最新版を用いて、地図記憶手段に記憶されている地図データを部分的に更新する地図データ更新手段とを備え、
更新地図データ送信装置は、要求手段による要求に応じて、更新対象地域についての地図データの最新版をナビゲーション装置へ送信する送信手段を備えるものである。
請求項7の発明は、記憶している地図データに基づいて地図を表示し、その地図データを部分的に更新可能なナビゲーション装置と、ナビゲーション装置に記憶されている地図データを部分的に更新するための地図データの最新版をナビゲーション装置へ送信する更新地図データ送信装置とを有する地図データ更新システムにおいて用いられる地図データ更新方法であって、所定の地域範囲ごとに設定された地図データをナビゲーション装置により記憶し、自車両の燃料残量に基づいて走行可能範囲を設定し、設定された走行可能範囲に基づいて、地図データを部分的に更新するときの更新対象地域を設定し、設定された更新対象地域について、地図データの最新版を更新地図データ送信装置に要求し、その要求に応じて、更新対象地域についての地図データの最新版を更新地図データ送信装置からナビゲーション装置へ送信して、ナビゲーション装置により取得し、取得された地図データの最新版を用いて、ナビゲーション装置により記憶されている地図データを部分的に更新するものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ナビゲーション装置において自車両の燃料残量に基づいて走行可能範囲を設定し、設定された走行可能範囲に基づいて更新対象地域を設定して、設定された更新対象地域について地図データの最新版を更新地図データ送信装置に要求する。この要求に応じて更新地図データ送信装置から送信される地図データの最新版をナビゲーション装置において取得し、この地図データの最新版を用いて、ナビゲーション装置の地図データを部分的に更新する。このようにしてナビゲーション装置の地図データを部分的に更新することとしたので、推奨経路周辺以外の地域についても状況に応じて適切な更新対象地域を設定し、地図データを更新することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施形態による地図更新システムを図1に示す。このシステムは、車両100に搭載されているナビゲーション装置(車載機)1、通信端末2、移動体通信網3および更新地図データ配信センター4によって構成されている。ナビゲーション装置1と通信端末2が互いに接続されており、移動体通信網3と更新地図データ配信センター4が互いに接続されている。
【0008】
ナビゲーション装置1は、内部のHDD(ハードディスク)に記録されている地図データに基づいて、現在地の周辺について地図を表示すると共に、ユーザに設定された目的地までの推奨経路を探索し、その推奨経路にしたがって車両100を目的地まで誘導する。なお、ナビゲーション装置1のHDDに記憶されている地図データは、更新地図データ配信センター4から送信される更新地図データを受信することにより、地域単位で部分的に更新することができる。
【0009】
通信端末2には携帯電話などが用いられており、指定された電話番号の発信先に対して電話発信を行うと共に、他の電話からの電話着信を受けることができる。通信端末2において電話の発着信が行われる際には、通信端末2と移動体通信網3が無線接続されて通話回線が確立される。これにより、ユーザは外部の電話との間で通話を行うことができるようになる。なお、ナビゲーション装置1はハンズフリー通話制御機能を有しており、通信端末2における電話の発着信を制御すると共に、その通話履歴、すなわち発信先や着信元の電話番号の履歴を記録しておくことができる。
【0010】
さらに通信端末2は、上記の電話機能の他にデータ通信機能も有しており、ナビゲーション装置1からの出力データを更新地図データ配信センター4へ送信すると共に、更新地図データ配信センター4から送信されるデータをナビゲーション装置1へ出力することができる。その際、通信端末2はナビゲーション装置1の制御によって、移動体通信網3と無線接続される。通信端末2と移動体通信網3が無線接続されることにより、ナビゲーション装置1と更新地図データ配信センター4の間で通信回線が確立され、データの送受信が可能となる。
【0011】
なお、上記のように通話時やデータ通信時において通信端末2と移動体通信網3が無線接続される際には、不図示の無線基地局が用いられる。この無線基地局は、その周囲の所定の通信エリア内にある通信端末2と無線通信することが可能であり、全国各地に散在している。また、ナビゲーション装置1と通信端末2との接続には、ケーブル等による有線接続に限らず、たとえば赤外線などの無線接続を用いてもよい。
【0012】
ナビゲーション装置1のHDDに記憶されている地図データを更新する場合は、上記で説明した通信端末2のデータ通信機能を用いて、ナビゲーション装置1から更新地図データ配信センター4へ更新地図データの配信要求が送信される。すなわち、ナビゲーション装置1の制御によって通信端末2が移動体通信網3に無線接続され、ナビゲーション装置1と更新地図データ配信センター4の間で通信回線が確立される。この状態で、ナビゲーション装置1から通信端末2へ更新地図データの配信要求が出力され、通信端末2から更新地図データ配信センター4へと送信される。これにより、更新地図データの配信を更新地図データ配信センター4に要求する。
【0013】
さらに、上記のように更新地図データの配信要求を送信する際には、その更新対象の地域を特定するための情報(以下、地域特定情報という)がナビゲーション装置1において作成される。そして、更新地図データの配信要求と共に、ナビゲーション装置1から更新地図データ配信センター4へ送信される。なお、地域特定情報の作成方法については、後で詳しく説明する。
【0014】
更新地図データ配信センター4には、最新の地図データが記憶されている地図サーバが備えられている。上記のようにして、ナビゲーション装置1から更新地図データの配信要求と地域特定情報が送信されると、更新地図データ配信センター4は、この地図サーバに記憶されている最新の地図データに基づいて、更新地図データを作成する。その際、受信した地域特定情報の内容に基づいて更新対象地域を特定し、その地域を対象とする更新地図データを作成する。作成された更新地図データは、更新地図データ配信センター4からナビゲーション装置1へ送信される。
【0015】
ナビゲーション装置1は、上記の更新地図データを更新地図データ配信センター4から受信すると、それを用いて、HDDに記録されている地図データを地域単位で部分的に更新する。このようにして、地図データの更新が行われる。
【0016】
ナビゲーション装置1の構成を図2に示す。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、入力装置17、およびHDD18を有している。
【0017】
制御回路11は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行することで、ナビゲーション装置1を動作させるための様々な処理や制御を行う。制御回路11には通信端末2が接続されており、地図データの更新時には制御回路11から通信端末2を制御することで、図1の更新地図データ配信センター4に対して更新地図データの配信要求と地域特定情報が送信される。これに応じて更新地図データ配信センター4から送信される更新地図データを通信端末2を介して受信することで、HDD18の地図データが部分的に更新される。
【0018】
制御回路11には、自車両において検出された燃料残量信号が入力される。この燃料残量信号によって自車両の現在の燃料残量が表される。たとえば、ガソリン車であればガソリン残量が燃料残量として表され、電気自動車であれば電池残量が燃料残量として表される。なお、この燃料残量信号は、自車両において燃料計の指示値を制御するためにも用いられている。
【0019】
現在地検出装置14は、自車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、自車両の進行方向を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14c等からなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された自車両の現在地に基づいて、推奨経路を探索するときの経路探索開始点を決定することができる。
【0020】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを一時的に格納する。この画像データは、地図を画像表示するための道路地図描画用データや各種の図形データ等からなり、制御回路11において、HDD18に記録されている地図データに基づいて作成される。この画像メモリ15に格納された画像データを用いて、自車位置周辺の地図が表示モニタ16に表示される。
【0021】
入力装置17は、ユーザからの操作入力を受け付けるための各種入力スイッチを有し、これは操作パネルやリモコン、タッチパネルなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16に表示される画面指示に従って入力装置17を操作することにより、目的地に指定する施設の住所や施設名称などを入力することができる。ユーザが住所や施設名称などを入力すると、それに該当する施設が目的地候補としてナビゲーション装置1において検索され、その目的地候補の中からユーザの選択したものが目的地に設定される。こうして目的地が設定されることにより、その目的地までの推奨経路がナビゲーション装置1において探索される。
【0022】
HDD18には、前述のように地図データが記録されている。すなわち、ナビゲーション装置1は、HDD18により地図データを記憶している。なお、ここではHDDを用いた例を説明しているが、他の書き換え可能な不揮発性の記録デバイス、たとえばDVD−RAM等の書き換え可能な記録ディスクや、フラッシュメモリなどをHDDに替えて用いてもよい。
【0023】
HDD18に記録されている地図データには、主に推奨経路を演算するために用いられる経路計算データや、交差点名称、道路名称など、主に推奨経路に従って自車両を目的地まで案内するために用いられる経路誘導データ、主に道路形状を表すために用いられる道路データ、さらには海岸線や河川、鉄道、建物など、道路以外の地図形状を表す背景データなどが含まれている。また、各種施設の名称や位置、種類、電話番号などを表すPOI(Point Of Interest)データも、地図データの中に含まれている。なお、経路計算データ以外の地図データは、メッシュと呼ばれる地図上に決められた所定の地域範囲ごとに設定されており、メッシュ単位で別々にファイル化されている。そのため、経路計算データ以外の地図データについては、ファイルごとに書き換えて地域単位で部分的に更新することができる。
【0024】
道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれている。すなわち、各道路は所定の道路区間ごとに設定された複数のリンクによって構成されている。なお、リンクによって設定される道路区間の長さは異なっており、リンクの長さは一定ではない。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、このノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。また、リンク内にはノードとノードの間に形状補間点と呼ばれる点が設定されていることもある。形状補間点もノードと同じく、それぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードと形状補間点の位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。
【0025】
経路計算データには、日本全国の主要な幹線道路を表す各リンクにそれぞれ対応して、その通過所要時間を表すためのリンクコストと呼ばれる情報が記録されている。前述のようにして目的地が設定されると、現在地検出装置14により検出された現在地を経路探索開始点として、そこから目的地までの経路演算が経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムにより行われ、目的地までの合計リンクコストが最小となる推奨経路が求められる。そして、求められた推奨経路を含んだ現在地周辺の地図が表示モニタ16に表示され、推奨経路に従って右左折の指示などが適宜行われる。
【0026】
次に、ナビゲーション装置1のHDD18に記録されている地図データを部分的に更新する方法について説明する。本実施形態では、自車両の燃料残量が予め定められた所定値以下になると、その時点の燃料残量に基づいて、自車両が走行できる範囲(走行可能範囲)を地図上に設定する。そして、設定された走行可能範囲を含むメッシュを表すメッシュ番号情報を、前述の地域特定情報としてナビゲーション装置1から更新地図データ配信センター4に送信する。
【0027】
ナビゲーション装置1から送信された地域特定情報を受信した更新地図データ配信センター4では、そのメッシュ番号情報から走行可能範囲を含むメッシュを特定し、そのメッシュを更新対象メッシュとする更新地図データを作成した後、ナビゲーション装置1へ送信する。この更新地図データは、更新地図データ配信センター4の地図サーバから、経路計算データ以外の地図データを更新対象メッシュについて抽出することにより作成される。こうして更新地図データ配信センター4から送信される更新地図データをナビゲーション装置1において受信することで、HDD18に記録されている地図データが部分的に更新される。
【0028】
上記のように自車両の燃料残量に基づいて走行可能範囲を設定する具体的な方法を説明する。ここでは三つの方法について説明する。一つ目の方法は、自車両から所定距離内の範囲を走行可能範囲とするものである。具体的には、自車両の現在位置を中心とし、燃料残量に応じた距離範囲を半径とする円内の範囲を走行可能範囲とする。この方法で走行可能範囲を設定すると、道路形状を考慮しなくてもよいため、処理が簡単になるというメリットがある。
【0029】
一つ目の方法により走行可能範囲を設定する様子を図3に示す。現在地マーク30によって現在位置が示されている自車両は、道路31を走行している。この道路31は自車両の前方で道路32と交差し、さらにその先で道路33と分岐している。なお、地図データにはメッシュM1〜メッシュM9が設定されているとする。このような状態で自車両の燃料残量が所定値以下になったとすると、そのときの燃料残量に基づいて円形の走行可能範囲41がナビゲーション装置1によって地図上に設定される。
【0030】
走行可能範囲41は、自車両の現在位置30を中心とし、その時点の自車両の燃料残量値、すなわち前述の所定値に応じた距離範囲を半径として設定されている。なお、この距離範囲は、自車両の平均的な燃費と燃料残量の所定値により予め適当な大きさの範囲を定めておくことができる。あるいは、それまでの走行距離と燃料残量信号の履歴を記録しておき、その履歴から燃費を求めて距離範囲を算出してもよい。
【0031】
上記のようにして設定された走行可能範囲41を含むメッシュM1〜M6およびM8のメッシュ番号が、地域特定情報としてナビゲーション装置1から更新地図データ配信センター4へ送信される。その結果、これらのメッシュについての更新地図データが更新地図データ配信センター4からナビゲーション装置1にダウンロードされ、HDD18に記録されている地図データが部分的に更新される。
【0032】
二つ目の方法は、進行先の道路形状を考慮して走行可能範囲を設定するものである。具体的には、自車両の現在位置から進行方向の道路に沿った燃料残量に応じた距離内の範囲を走行可能範囲とする。この方法で走行可能範囲を設定すると、走行する可能性のない地域が更新対象地域とされることを防止できるため、不要な地図データの部分更新を回避できるというメリットがある。
【0033】
二つ目の方法により走行可能範囲を設定する様子を図4に示す。自車両の燃料残量が所定値以下になると、そのときの燃料残量に基づいて、道路31、32および33のうち太線で示す部分に走行可能範囲42が設定される。この走行可能範囲42は、自車両の現在位置30から進行方向の道路31に沿って、その時点の自車両の燃料残量値、すなわち前述の所定値に応じた距離範囲まで延びている。さらに、道路31と道路32の交差点および道路31と道路33の分岐点から先では、各方向に向かってそれぞれ道路31と同じ距離範囲まで延びている。この距離範囲は前述の一つ目の方法と同様に、予め適当な範囲を定めておいてもよいし、求めた燃費情報を用いて算出してもよい。
【0034】
なお、以上説明した二つ目の方法で走行可能範囲を設定する際には、道路種別に応じて距離範囲を変えるようにしてもよい。すなわち、高速道路など走行速度の速い道路については距離範囲を大きくし、走行速度の遅い道路については距離範囲を小さくすることができる。さらに、道路交通情報などによって取得した渋滞状況を加味して距離範囲を変化させるようにしてもよい。すなわち、渋滞や混雑している場合は、通常よりも距離範囲を小さくすることができる。このようにすれば、より正確な走行可能範囲を設定することができる。
【0035】
上記のようにして設定された走行可能範囲42を含むメッシュM2、M3、M5およびM6のメッシュ番号が、地域特定情報としてナビゲーション装置1から更新地図データ配信センター4へ送信される。その結果、これらのメッシュについての更新地図データが更新地図データ配信センター4からナビゲーション装置1にダウンロードされ、HDD18に記録されている地図データが部分的に更新される。
【0036】
三つ目の方法は、推奨経路が設定されている場合に、その推奨経路に沿って走行可能範囲を設定するものである。具体的には、自車両の現在位置から設定された推奨経路に沿った燃料残量に応じた距離内の範囲を走行可能範囲とする。この方法で走行可能範囲を設定すると、上記の二つ目の方法よりもさらに更新対象地域を絞って、不要な地図データの部分更新を回避できるというメリットがある。
【0037】
三つ目の方法により走行可能範囲を設定する様子を図5に示す。道路31は推奨経路に設定されており、他の道路よりも目立つよう地図上に表示されている。この状態で自車両の燃料残量が所定値以下になると、そのときの燃料残量に基づいて、推奨経路31のうち現在位置30から地点34までの間に走行可能範囲43が設定される。この走行可能範囲43は、自車両の現在位置30から推奨経路31に沿って、その時点の自車両の燃料残量値、すなわち前述の所定値に応じた距離範囲まで延びている。この距離範囲は前述の一つ目および二つ目の方法と同様に、予め適当な範囲を定めておいてもよいし、求めた燃費情報を用いて算出してもよい。また二つ目の方法と同様に、道路種別や渋滞状況に応じて距離範囲を変化させるようにしてもよい。
【0038】
上記のようにして設定された走行可能範囲43を含むメッシュM5およびM6のメッシュ番号が、地域特定情報としてナビゲーション装置1から更新地図データ配信センター4へ送信される。その結果、これらのメッシュについての更新地図データが更新地図データ配信センター4からナビゲーション装置1にダウンロードされ、HDD18に記録されている地図データが部分的に更新される。
【0039】
以上説明した三つの方法のいずれかを用いて、自車両の燃料残量に基づいて走行可能範囲が設定される。なお、この三つの方法のうちいずれを用いるかは、予め決めておいてもよいし、ユーザが選択できるようにしてもよい。あるいは、そのときの状況に応じていずれかの方法が自動的に選択されるようにしてもよい。たとえば、自車両周辺の道路の数が多い場合、すなわち道路密度が高い場合は一つ目の方法を使用し、そうでない場合は二つ目の方法を使用する。また、推奨経路が設定されていれば、道路密度に関わらず三つ目の方法を使用することができる。このようにすれば、状況に応じて最適な方法により走行可能範囲を設定することができる。
【0040】
ナビゲーション装置1のHDD18に記録されている地図データを部分的に更新する際に、ナビゲーション装置1と更新地図データ配信センター4において実行されるフローチャートを図6および図7に示す。図6は、経路計算データを更新する際に実行されるフローチャートである。図7は、経路計算データ以外の地図データを更新する際に実行されるフローチャートである。
【0041】
以下、図6の経路計算データ更新時のフローチャートから先に説明する。図6において、(a)に示すフローチャートはナビゲーション装置1により実行され、(b)に示すフローチャートは更新地図データ配信センター4により実行される。
【0042】
ナビゲーション装置1は、制御回路11により、図6(a)のステップS1において、経路計算データを更新するか否かを判定する。この判定は、予め設定された更新条件を満たすか否かを判定することによって行われる。更新条件を満たす場合は次のステップS2へ進む。ステップS2では、最新版の経路計算データを要求するための経路計算データ配信要求を、通信端末2を介して更新地図データ配信センター4に送信する。なお、このときHDD18に記録されている経路計算データのバージョン番号を示す情報(経路計算データバージョン情報)を、経路計算データ配信要求と合わせて送信する。これにより、ナビゲーション装置1における現在の経路計算データのバージョンを、更新地図データ配信センター4において判別できるようにする。
【0043】
なお、ステップS1の判定に用いる更新条件には、様々な内容を設定しておくことができる。たとえば、前回の更新から所定時間が経過したことや、ユーザから入力装置17によって更新のリクエスト操作が行われたことなどを、更新条件とすることができる。このような更新条件を満たすことにより、ナビゲーション装置1から更新地図データ配信センター4へ経路計算データ配信要求が送信される。
【0044】
更新地図データ配信センター4は、上記のようにステップS2においてナビゲーション装置1から送信された経路計算データ配信要求を、図6(b)のステップS21で受信する。次のステップS22では、その経路計算データ配信要求に応じて、全国の幹線道路についての経路計算データの最新版を送信する。ステップS22を実行したら、更新地図データ配信センター4は図6(b)のフローチャートを終了する。
【0045】
なお、ステップS22において経路計算データの最新版を送信する際には、ナビゲーション装置1から経路計算データ配信要求と合わせて送信された上記の経路計算データバージョン情報により、ナビゲーション装置1における現在の経路計算データのバージョンを判別しておく。これによって現在の経路計算データのバージョンが最新版と同じである場合は、経路計算データを送信する必要がないため、ステップS22において経路計算データを送信しないようにする。
【0046】
ナビゲーション装置1は、通信端末2を介して制御回路11により、上記のようにステップS22において更新地図データ配信センター4から送信された経路計算データを、図6(a)のステップS3で受信する。これにより、経路計算データの最新版を取得する。次のステップS4では、ステップS3で受信した経路計算データを用いて、HDD18に記録されている地図データのうち経路計算データを部分的に更新する。ステップS4を実行したら、図6(a)のフローチャートを終了する。以上説明したようにして、ナビゲーション装置1においてHDD18に記録されている経路計算データが最新の内容に更新される。
【0047】
次に、図7の地図データ更新時のフローチャートについて説明する。図7において、(a)に示すフローチャートはナビゲーション装置1により実行され、(b)に示すフローチャートは更新地図データ配信センター4により実行される。
【0048】
ナビゲーション装置1は、制御回路11により、図7(a)のステップS11において、自車両から制御回路11に入力される燃料残量信号により、自車両の燃料残量を取得する。ステップS12では、ステップS11で取得した自車両の燃料残量が予め定められた所定値以下であるか否かを判定する。所定値以下である場合は、次のステップS13へ進む。しかし、所定値よりも大きかった場合は、図7(a)のフローチャートを終了する。この場合には、HDD18の地図データの更新は行われない。なお、ステップS12の判定に用いる燃料残量の所定値には、たとえば自車両において燃料警告ランプを点灯させるときの燃料残量値などを設定することができる。このようにすれば、燃料警告ランプを点灯してユーザに燃料補給を促すタイミングに合わせて、地図データの部分更新を開始することができる。
【0049】
ステップS13では、ステップS11で取得した自車両の燃料残量に基づいて、現在の燃料残量における自車両の走行可能範囲を設定する。ここでは、前述した三つの方法のいずれかによって走行可能範囲が設定される。
【0050】
ステップS14では、ステップS13で設定された走行可能範囲を含むメッシュを特定する。ステップS15では、ステップS14で特定されたメッシュのメッシュ番号を表す地域特定情報を作成する。これにより、そのメッシュが更新対象地域に設定される。ステップS16では、更新地図データの配信を要求していることを示す更新地図データ配信要求を、ステップS15で作成された地域特定情報と共に、通信端末2を介して更新地図データ配信センター4へ送信する。
【0051】
更新地図データ配信センター4は、上記のようにステップS16においてナビゲーション装置1から送信された更新地図データ配信要求と地域特定情報を、図7(b)のステップS31で受信する。次のステップS32では、ステップS31で受信した地域特定情報に基づいて更新対象地域に設定されたメッシュを判断し、そのメッシュ(更新対象メッシュ)の最新地図データを自身の地図サーバ内から抽出する。ステップS33では、ステップS32で抽出された更新対象メッシュの最新地図データを、更新地図データとしてナビゲーション装置1に送信する。ステップS33を実行したら、更新地図データ配信センター4は図7(b)のフローチャートを終了する。
【0052】
ナビゲーション装置1は、通信端末2を介して制御回路11により、上記のようにステップS33において更新地図データ配信センター4から送信された更新地図データを、図7(a)のステップS17で受信する。次のステップS18では、ステップS17で受信した更新地図データを用いて、HDD18に記録されている地図データを部分的に更新する。ステップS18を実行したら、図7(a)のフローチャートを終了する。以上説明したようにして、ナビゲーション装置1においてHDD18に記録されている地図データの部分更新が行われる。
【0053】
なお、ステップS16において地域特定情報をナビゲーション装置1から更新地図データ配信センター4へ送信する際には、それと合わせて各更新対象メッシュにおける地図バージョンの情報を送信することが好ましい。このようにすれば、ステップS32において地図データの最新版を更新地図データ配信センター4の地図サーバから抽出する際に、既に同じ地図バージョンに更新されている更新対象メッシュについては、抽出の対象から除外することができる。その結果、更新する必要のないメッシュの地図データを更新地図データから排除して無駄なデータ量を減らすことができる。
【0054】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果を奏することができる。
(1)ナビゲーション装置1において、自車両の燃料残量に基づいて走行可能範囲を設定し(ステップS13)、設定した走行可能範囲に基づいて、走行可能範囲を含むメッシュを特定して(ステップS14)更新対象地域を設定する。こうして設定された更新対象地域について、道路データの最新版を含む更新地図データを更新地図データ配信センター4に要求する(ステップS16)。この要求に応じて、更新地図データ配信センター4において、更新対象地域についての道路データの最新版を含む更新地図データをナビゲーション装置1へ送信し(ステップS33)、これをナビゲーション装置1において取得する(ステップS17)。こうして取得した道路データの最新版を用いて、HDD18に記録されている地図データを部分的に更新する(ステップS18)。このようにしてナビゲーション装置の地図データを部分的に更新することとしたので、推奨経路周辺以外の地域についても状況に応じて適切な更新対象地域を設定し、地図データを更新することができる。
【0055】
(2)ステップS13において走行可能範囲を設定する一つ目の方法として、自車両の現在位置を中心とし、燃料残量に応じた距離範囲を半径とする円内に走行可能範囲を設定することとした。このようにしたので、処理を簡単にして制御回路の処理負荷を軽減することができる。
【0056】
(3)ステップS13において走行可能範囲を設定する二つ目の方法として、自車両の現在位置から進行方向の道路に沿った燃料残量に応じた距離内に走行可能範囲を設定することとした。このようにしたので、走行する可能性のない地域が更新対象地域とされることを防止して不要な地図データの部分更新を回避し、無駄な通信時間や通信料金の発生を抑制することができる。
【0057】
(4)ステップS13において走行可能範囲を設定する三つ目の方法として、自車両の現在位置から推奨経路に沿った燃料残量に応じた距離内に走行可能範囲を設定することとした。このようにしたので、さらに更新対象地域を絞って不要な地図データの部分更新を回避し、無駄な通信時間や通信料金の発生を抑制することができる。
【0058】
(5)自車両の燃料残量が予め定められた所定値以下であるか否かを判定し(ステップS12)、所定値以下となった場合にステップS13において走行可能範囲を設定することとした。このようにしたので、ユーザに燃料補給を促すタイミングに合わせて地図データの部分更新を実行し、自車両の走行可能範囲内にあるガソリンスタンド等の最新の情報を取得することができる。
【0059】
なお、上記の実施の形態では、自車両の燃料残量が所定値以下となった場合に走行可能範囲を設定して地図データを部分的に更新することとしたが、それ以外の場合に地図データの部分更新を開始することもできる。たとえば、ユーザがリクエストした場合や、自車両において異常を検出した場合などに、地図データの部分更新を開始することとしてもよい。このようにすれば、走行可能範囲内における最新の地図情報を必要に応じて様々なタイミングで取得することができる。
【0060】
また、上記の実施の形態では、経路計算データの最新版や更新地図データを、無線通信回線を用いて更新地図データ配信センター4からナビゲーション装置1へダウンロードする例を説明したが、本発明はこの内容に限定されない。たとえば、自動車販売店やサービスセンターなどに備えられた地図データ書き換え用装置をナビゲーション装置と接続し、その地図データ書き換え用装置からナビゲーション装置へ経路計算データの最新版や更新地図データを送信することによって地図データを部分的に書き換える場合にも、本発明を適用することができる。さらに、経路計算データの最新版と更新地図データを別々の場所から取得するようにしてもよい。
【0061】
また、上記の実施の形態では、ナビゲーション装置1におけるステップS14の処理により、走行可能範囲から更新対象地域を設定することとした。しかし、ステップS13で設定した走行可能範囲の情報を更新地図データ配信センター4へ送信することにより、この処理を更新地図データ配信センター4において行うようにしてもよい。すなわち、設定した走行可能範囲の位置や大きさ、さらに、道路に沿って走行可能範囲を設定した場合はその道路のリンク番号などを、ナビゲーション装置1から更新地図データ配信センター4へ送信する。これらの情報に基づいて、更新地図データ配信センター4においていずれかのメッシュを選択し、更新対象地域に設定するようにしてもよい。なお、この場合は地域特定情報を作成しなくてよいため、ステップS15の処理を実行する必要はない。
【0062】
また、上記の実施の形態では、ナビゲーション装置1において更新地図データを受信すると自動的に更新する例を説明したが、更新前にユーザに確認させるようにして、ユーザが了承した場合のみ地図データを更新するようにしてもよい。このようにすることで、ユーザが望まないのに地図データが更新されるのを防ぐことができる。
【0063】
上記の実施の形態では、日本全国を対象にした地図データを例に説明したが、その他の地域、たとえば関東地方等の日本国内の一地域や、外国などを対象としてもよい。いずれの地域を対象としても、その地域内の地図が、その地域に対して所定の地域範囲ごとに設定された地図データによって表されている限り、本発明を適用できる。
【0064】
以上説明した実施の形態や各種の変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0065】
上記の実施の形態では、地図記憶手段をHDD18により実現し、その他の各手段を、ナビゲーション装置1の制御回路11または更新地図データ配信センター4のいずれかにおける処理によって実現している。具体的には、範囲設定手段をステップS13、更新地域設定手段をステップS14、要求手段をステップS16、更新地図データ取得手段をステップS17、地図データ更新手段をステップS18によってそれぞれ実現し、送信手段をステップS33によって実現している。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係に何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態による地図更新システムを示す図である。
【図2】ナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図3】自車両から所定距離内の範囲を走行可能範囲に設定する一つ目の走行可能範囲の設定方法を説明するための図である。
【図4】進行先の道路形状を考慮して走行可能範囲を設定する二つ目の走行可能範囲の設定方法を説明するための図である。
【図5】推奨経路に沿って走行可能範囲を設定する三つ目の走行可能範囲の設定方法を説明するための図である。
【図6】経路計算データを更新する際に実行されるフローチャートである。
【図7】経路計算データ以外の地図データを更新する際に実行されるフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1:ナビゲーション装置
2:通信端末
3:移動体通信網
4:更新地図データ配信センター
11:制御回路
12:ROM
13:RAM
14:現在地検出装置
15:画像メモリ
16:表示モニタ
17:入力装置
18:HDD
100:車両

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶している地図データに基づいて地図を表示し、その地図データを外部の更新地図データ送信装置から送信される地図データの最新版を用いて部分的に更新可能なナビゲーション装置であって、
所定の地域範囲ごとに設定された地図データを記憶する地図記憶手段と、
自車両の燃料残量に基づいて走行可能範囲を設定する範囲設定手段と、
前記範囲設定手段により設定された走行可能範囲に基づいて、前記地図データを部分的に更新するときの更新対象地域を設定する更新地域設定手段と、
前記更新地域設定手段により設定された更新対象地域について、前記地図記憶手段に記憶されている地図データの最新版を前記更新地図データ送信装置に要求する要求手段と、
前記要求に応じて前記更新地図データ送信装置から送信される地図データの最新版を取得する更新地図データ取得手段と、
前記更新地図データ取得手段により取得された地図データの最新版を用いて、前記地図記憶手段に記憶されている地図データを部分的に更新する地図データ更新手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1のナビゲーション装置において、
前記範囲設定手段は、自車両の現在位置を中心とし、前記燃料残量に応じた距離範囲を半径とする円内に前記走行可能範囲を設定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1のナビゲーション装置において、
前記範囲設定手段は、自車両の現在位置から進行方向の道路に沿った前記燃料残量に応じた距離内に前記走行可能範囲を設定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1のナビゲーション装置において、
設定された目的地までの推奨経路を設定する経路設定手段をさらに備え、
前記範囲設定手段は、自車両の現在位置から前記経路設定手段により設定された推奨経路に沿った前記燃料残量に応じた距離内に前記走行可能範囲を設定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4いずれか一項のナビゲーション装置において、
前記範囲設定手段は、自車両の燃料残量が予め定められた所定値以下となった場合に、前記走行可能範囲を設定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
記憶している地図データに基づいて地図を表示し、その地図データを部分的に更新可能なナビゲーション装置と、前記ナビゲーション装置に記憶されている地図データを部分的に更新するための地図データの最新版を前記ナビゲーション装置へ送信する更新地図データ送信装置とを有する地図データ更新システムであって、
前記ナビゲーション装置は、
所定の地域範囲ごとに設定された地図データを記憶する地図記憶手段と、
自車両の燃料残量に基づいて走行可能範囲を設定する範囲設定手段と、
前記範囲設定手段により設定された走行可能範囲に基づいて、前記地図データを部分的に更新するときの更新対象地域を設定する更新地域設定手段と、
前記更新地域設定手段により設定された更新対象地域について、前記地図記憶手段に記憶されている地図データの最新版を前記更新地図データ送信装置に要求する要求手段と、
前記要求に応じて前記更新地図データ送信装置から送信される地図データの最新版を取得する更新地図データ取得手段と、
前記更新地図データ取得手段により取得された地図データの最新版を用いて、前記地図記憶手段に記憶されている地図データを部分的に更新する地図データ更新手段とを備え、
前記更新地図データ送信装置は、
前記要求手段による要求に応じて、前記更新対象地域についての地図データの最新版を前記ナビゲーション装置へ送信する送信手段を備えることを特徴とする地図データ更新システム。
【請求項7】
記憶している地図データに基づいて地図を表示し、その地図データを部分的に更新可能なナビゲーション装置と、前記ナビゲーション装置に記憶されている地図データを部分的に更新するための地図データの最新版を前記ナビゲーション装置へ送信する更新地図データ送信装置とを有する地図データ更新システムにおいて用いられる地図データ更新方法であって、
所定の地域範囲ごとに設定された地図データを前記ナビゲーション装置により記憶し、
自車両の燃料残量に基づいて走行可能範囲を設定し、
前記設定された走行可能範囲に基づいて、前記地図データを部分的に更新するときの更新対象地域を設定し、
前記設定された更新対象地域について、前記地図データの最新版を前記更新地図データ送信装置に要求し、
前記要求に応じて、前記更新対象地域についての地図データの最新版を前記更新地図データ送信装置から前記ナビゲーション装置へ送信して、前記ナビゲーション装置により取得し、
前記取得された地図データの最新版を用いて、前記ナビゲーション装置により記憶されている地図データを部分的に更新することを特徴とする地図データ更新方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−275774(P2006−275774A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−95436(P2005−95436)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】