説明

ナビゲーション装置、方法及びプログラム

【課題】車載機から得られるユーザのリアルタイムの状況を反映した情報のレコメンデーションが可能なナビゲーション装置、方法及びプログラムを提供する。
【解決手段】制御部3は、ナビゲーション部30のほか、経路情報取得部31と、傾向データ取得部32と、傾向反映部33と、傾向調整部34と、経路優先順決定部35と、優先順表示制御部36と、傾向データ記憶部37とを備える。傾向調整部34は、傾向データ取得部32によって取得された傾向を、ユーザ又はユーザの置かれたリアルタイムの状況に合わせて、調整する手段であり、時期調整部34aと、時間調整部34bと、天候調整部34cと、所要時間距離調整部34dと、所要時間距離調整部34dと、乗車構成調整部34eとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション機能を備えたナビゲーション装置において、ユーザに最適なドライブコースの提供を行なう技術の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、ネットワークを利用した電子商店などで、ユーザの好みを分析し、各ユーザごとに所望の情報を選択して表示するサービスとして、いわゆるレコメンデーションシステムが知られている。このレコメンデーションシステムは、例えば、ユーザの購買履歴やあらかじめ登録した趣向などの情報から、類似する傾向を示す他のユーザの興味対象を表示したり、オペレータがユーザの希望に対して個別に適切な情報を配信するものである(例えば、特許文献1参照)。また、例えば、GPSによる地点情報、時点情報(時刻、季節)を収集し、これらの情報に基づいて、ユーザの操作履歴にさらにフィルタをかけることにより、ユーザにお勧め情報の精度を高めたレコメンデーションする技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
【0003】
さらに、このようなレコメンデーションシステムは、ナビゲーション機能を備え車両に搭載して使用する車載機においても取り入れられており、例えば、端末から入力された操作履歴を操作頻度別に記憶し、この記憶された操作履歴に基づいて、操作頻度の高い順に操作情報を並べ替えて情報を生成し、生成された情報を車載端末の表示手段において表示する、すなわち、操作情報を操作頻度の高い順に表示する技術が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−163528号公報
【特許文献2】特開2008−299680号公報
【特許文献3】特開2005−315682号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、レコメンデーションシステムにおいては、ユーザの趣味や嗜好、置かれた状況を詳細に把握できるほど、ユーザが求める的確な情報の提供を行うことができるが、特にリアルタイムに更新されるようなユーザの状況を詳細に入力又は分析することは困難であった。すなわち、電子商店などにおけるレコメンデーションシステムでは、購入履歴などをユーザの嗜好を得る手段の一つとして、これに他のユーザの購入履歴などの蓄積データをあわせ、同じ傾向から仮想的にユーザの状況を推測して、情報の提供を行なうものであり、リアルタイムでユーザの状況を把握できる情報といえば、ユーザが入力した検索キーワードやWebページの遷移(クリック)の記録程度のものである。
【0006】
また、レコメンデーションシステムを車載機に適用した従来技術においても、レコメンデーションに用いる情報は、操作履歴といった過去の情報であり、過去の情報に基づいて、操作頻度の高いものがユーザに利便性がある、と仮定して提供される情報を生成しているものである。
【0007】
しかしながら、車載機においては、単にウェブ上に陳列された商品を選択する場合と異なり、例えば、ナビゲーション機能における目的地の選定においても、商用と私用、平日と休日、季節、昼間と夜間、晴れと雨など、ユーザの置かれたリアルタイムの状況により、市街地の商用施設の選択か、観光地の選択かなど、その選択対象の属性が全く異なり、さらに、観光地であっても、夜景の見える場所か、海水浴のできる場所か、スキーのできる場所かなど、小分類の項目においても選択対象が多岐に渡る。
【0008】
したがって、車載機において、従来のようなレコメンデーションシステムの手法にしたがって、過去情報である履歴情報に依拠していては、ユーザの置かれた状況に対応するレコメンデーションを行なうことは難しかった。
【0009】
その一方で、車載機においては、単に移動体に搭載された情報機器というだけでなく、ナビゲーション機能による周辺情報の収集、AVシステム、ハンズフリーシステム、車載カメラ、ドライブレコーダ、運転者や搭乗者の認証技術など、ユーザの置かれているリアルタイムの状況を取得し易く、また、今後はさらにさまざまな情報を得易くなることが想定される。
【0010】
本発明は、上記のような従来技術の課題を解決するもので、その目的は、ナビゲーション装置から得られるユーザのリアルタイムの状況を反映した情報のレコメンデーションが可能なナビゲーション装置、方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記の目的を達成するために、請求項1の発明は、施設又は地点をそのジャンルごとに分け階層化して記憶装置に記憶する地図データ記憶手段と、ユーザからインタフェースを介して目的地、立寄地又は経由地の指定を受け付ける手段と、目的地、立寄地又は経由地の入力に基づいて、これらの地点への経路計算を行い、複数の経路を経路候補として出力する経路計算手段と、過去にユーザから目的地、立寄地又は経由地として指定された前記施設又は地点について、そのジャンルの選択回数を傾向として記録する傾向記憶手段と、前記経路計算手段により出力された経路候補に含まれる施設又は地点について、前記傾向記憶手段により記録された前記傾向を参照して、選択回数の多いジャンルの施設又は地点を含む経路候補を抽出し、又は順に並べる傾向反映手段と、前記傾向反映手段により、抽出し又は順に並べられた経路候補について、ユーザの状況又はユーザの置かれた状況に合致する施設又は地点を含む経路候補を抽出し、または当該施設又は地点を多く含む経路候補の順に並べる傾向調整手段と、傾向調整手段より抽出され又は並べられた経路候補を、表示器に表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。なお、この装置の発明を、請求項3又は5に記載するように、ナビゲーション方法又はプログラムの発明として捉えることも可能である。
【0012】
以上の態様では、傾向反映手段により、過去の操作履歴に基づく、ユーザの操作傾向から、経路計算手段によってピックアップされた経路候補の絞り込みを行なったうえで、さらに、傾向調整手段により、現在のユーザの状況又は置かれた状況に合致する施設又は地点を含む経路候補に絞り込むことができるので、ナビゲーション装置から得られるユーザのリアルタイムの状況を反映した経路候補のレコメンデーションが可能となる。
【0013】
特に、ナビゲーション装置においては、周辺情報の収集、AVシステム、ハンズフリーシステム、車載カメラ、ドライブレコーダ、運転者や搭乗者の認証技術など、ユーザの置かれているリアルタイムの状況を取得し易く、このようなナビゲーション装置の持つ既存の機能を有効に活用することができる。
【0014】
請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、前記地図データ記憶手段は、記憶した施設又は地点について、その施設又は地点を利用するに当たって、適する時期に関する情報、適する時間帯に関する情報、適する天候に関する情報、又は利用者として適する対象単位に関する情報の少なくとも一つを記憶するものであり、前記傾向調整手段は、ユーザの状況又はユーザの置かれた状況として、現在の時期情報、時間情報、天候情報、車両の乗車構成情報のうち、前記地図データ記憶手段により記憶されたもののうち対応する情報を取得し、前記経路候補に含まれる施設又は地点が、現在の時期、時間、天候、乗車構成に合致するかを判断するものであることを特徴とする。なお、この装置の発明を、請求項4又は6に記載するように、ナビゲーション方法又はプログラムの発明として捉えることも可能である。
【0015】
以上の態様では、地図データ記憶手段が、地図データとして、施設又は地点を利用するに当たって、適する時期に関する情報、適する時間帯に関する情報、適する天候に関する情報、又は利用者として適する対象単位に関する情報の少なくとも一つを記憶し、この情報を、傾向調整手段により、ユーザの状況又はユーザの置かれた状況と合致するか否かを判断する。これにより、単に操作履歴といった過去の情報からレコメンデーションされる場合と異なり、商用と私用、平日と休日、季節、昼間と夜間、晴れと雨など、ユーザの置かれたリアルタイムの状況により、市街地の商用施設の選択か、観光地の選択かなど、経路候補に対してのさまざまな属性から絞り込みができ、さらに、観光地であっても、夜景の見える場所か、海水浴のできる場所か、スキーのできる場所かなど、よりユーザに適したレコメンデーションが可能となる。
【発明の効果】
【0016】
以上のような本発明によれば、車載機から得られるユーザのリアルタイムの状況を反映した情報のレコメンデーションが可能なナビゲーション装置、方法及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施形態の構成を示す機能ブロック図。
【図2】本発明の実施形態における道路地図データベースの構成例を示す図。
【図3】本発明の実施形態における処理の概要を示すイメージ図。
【図4】本発明の実施形態におけるサーバシステムの概略的作用を示すフローチャート図。
【図5】本発明の実施形態におけるサーバシステムの調整処理の具体例を示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0018】
[1.構成]
本実施形態は、目的地への経路を案内するナビゲーション装置(以下「本装置」と呼ぶ)を説明するもので、それを実現する方法及びプログラムとしても把握可能であり、本装置の構成を図1に示す。
【0019】
すなわち、1は、VICS情報を取得する為のFM多重受信及び処理部、2は、VICS情報を取得する為のビーコン受信及び処理部である。3は、システム全体の制御を司るメインCPU(中央演算装置)及びその周辺回路であり、本装置各部の制御を含む情報処理を行う制御部である。メインメモリMを構成する4は、メインプログラムをロードする為のダイナミックRAM(DRAM)、5は、メイン電源オフの間も設定などメモリ内容を保持するためのバッテリーバックアップ付スタティックRAM(SRAM)、6は、起動時等に制御部3よりアクセスされるROMである。
【0020】
7は、地図などの情報を描画及び表示する表示部で、液晶表示パネルなどの表示画面を持つ。本発明では、タッチパネル機能を備えたディスプレイを用いる。8は、表示部7用に設けられたビデオRAM(VRAM)である。9は、TV(各種のテレビジョン放送)を受信する為のTV受信及び処理部、10は、イルミネーション(計器盤等の照明)・車速パルス・パーキング等の動作や状態を検出する車両情報取得部である。
【0021】
11は、データベース読みとりのためのCD−ROM、DVD―ROM、HDDなどの制御部を備えた記憶装置で、道路地図データ(典型的には、経路探索用データや地図表示用データ)やその他の検索データや地図関連データなどを記録する地図データの外部記憶装置の役割を果たす。
【0022】
本実施形態の記憶装置11には、少なくとも、道路地図データベース11aと、傾向データベース11bとが構成されている。
【0023】
道路地図データベース11aは、上述の通り、ノードとリンクからなる経路探索用の道路データと、ランドマーク等の地図表示用又は、目的地、経由地や立寄地となるべき施設や地点(以下、これらをまとめて「スポット」という。)に関して座標データとスポット分類情報並びに詳細情報からなる地図データからなる。この地図データには、図2に示すように、例えば、公園、遊園地、海水浴場等のレジャーランド、夜景ポイントや寺社などの観光ポイント、いちご狩・りんご狩等の味覚、スキー場、スケート場、プールなどのスポーツ、美術館・博物館等の各スポットについて、従来同様に、階層化(ジャンルA〜C)され、ジャンルごとにIDを付して整理されている。本実施形態では、これに加え、そのスポットの利用に適した季節に関する情報、訪問するのに適した時間帯を示す昼夜別の情報、屋外、屋内又は全天候型など利用に適した天候情報、並びにデート向き、ファミリー向き、グループ向き又は一人旅向きといった対象情報が、それぞれIDとして記憶されている。
【0024】
より具体的には、図2(c)に示すように、季節に関する情報として、ゴルフ場等、比較的オールシーズン変わりなく楽しめるジャンルのスポットについては「全」季節(1月〜12月)に対応するIDとして「S0」とし、「春」(例えば、3月〜5月)に対応するIDを「S1」とし、「夏」(例えば、6月〜8月)に対応するIDを「S2」とし、「秋」(例えば、9月〜11月)に対応するIDを「S3」とし、「冬」(例えば、12月〜2月)に対応するIDを「S4」とする。
【0025】
また、同図(d)に示すように、訪問するのに適した時間帯を示す情報として、特に特定がない場合にはIDを「T0」とし、「昼」(午前7時〜午後5時)に対応するIDを「T1」としい、「夜」(午後5時〜午前0時)に対応するIDを「T2」とする。
【0026】
さらに、同図(e)に示すように、屋外、屋内又は全天候型など利用に適した天候情報として、「全」天候対応(晴れ・雨など天候に左右されず利用可能な場合)に当たるIDを「W0」としい、「晴れ」の場合に利用に適したスポットのIDを「W1」とする。
【0027】
また、同図(f)に示すように、スポット利用対象者の適否情報として、「デート」利用に適したスポットのIDを「P0」とし、「ファミリー」利用に適したスポットのIDを「P1」とし、「グループ」利用に適したスポットのIDを「P2」とし、「1人」で利用するのに適したスポットのIDを「P3」とし、特に限定されないスポットのIDを「P4」とする。
【0028】
このように、季節情報、時間情報、天候情報、対象情報の各IDが付されたジャンル(C1〜、D1〜又はE1〜)における各スポットの情報は、同図(b)に示すように、各スポット名、地図上における位置座標、ジャンルA〜Cの割り振り情報、例えば電話番号、スポットの説明情報などの他の情報を含むようにして記憶装置11に記憶されている。
【0029】
また、傾向データベース11bは、過去のユーザの操作履歴を記録し、それをユーザによる目的地等の検索時に当該ユーザの「傾向」として利用する機能を備える。具体的には、図2の地図データベースにおいて、例えば、ジャンルB又はジャンルCの階層において、ユーザにより選択されるジャンル(A1〜、B1〜、C1〜、D1〜又はE1〜)の選択回数を記録し、これを保存することで、選択回数順にソートをかけるなどして、次回の検索時に利用するようになっている。
【0030】
12は、情報や操作の入力を受付ける入力部で、タッチキーやタッチパネルなどからの入力を検出する制御装置であるが、入力部の構成や種類は自由で、表示部7の表示パネルと一体のタッチセンサのほか、周囲の操作スイッチ類、リモコンユニット、などを単独、又は自由に組み合わせて用いればよい。13は、測位技術(例えば、GPS、ジャイロ、地磁気センサ、加速度センサ、車速パルスなど)により、現在位置、方位、速度など自車の挙動に関する航法情報を得る測位部である。
【0031】
また、制御部3は、所定の制御プログラムにより、以下のような機能・作用に対応する処理手段(図1に示す30、31…)を実現・実行する。なお、従来と共通のナビゲーション処理(例えば、現在位置の計算、経路計算など)は、本発明特有の要素ではないので、ナビゲーション部30として示し、説明は省略する。
【0032】
具体的には、制御部3は、ナビゲーション部30のほか、経路情報取得部31と、傾向データ取得部32と、傾向反映部33と、傾向調整部34と、経路優先順決定部35と、優先順表示制御部36と、傾向データ記憶部37とを備える。
【0033】
このうち、経路情報取得部31は、ナビゲーション部30において、ユーザからの目的地の設定を受け付け、記憶装置11に格納された道路地図データを参照して経路計算を行ない、その結果として、このナビゲーション部30からピックアップされた目的地へ至る複数の経路候補を取得する手段である。
【0034】
傾向データ取得部32は、記憶装置11の傾向データベース11bに記憶されたユーザの操作履歴から得られるスポットの属するジャンルの選択回数を傾向として、これを、記憶装置11から取得する手段である。傾向反映部33は、経路情報取得部31によって得られた複数の経路候補に含まれるスポットに対して、傾向データ取得部32によって得られたユーザの操作履歴から得られるスポットの属するジャンルの選択回数を傾向として、これに従って選択回数の多いジャンルのスポットを含む経路候補を順に並べ、又は傾向に沿う経路候補のみをピックアップする手段である。
【0035】
傾向調整部34は、傾向反映部33によって選択回数の多いジャンルのスポットを含む経路候補が、その選択回数順に並べられ、又は傾向に沿う経路候補のみをピックアップされた状態において、さらに、ユーザ又はユーザの置かれたリアルタイムの状況に合わせて、これらを調整する手段である。具体的には、時期調整部34aと、時間調整部34bと、天候調整部34cと、所要時間距離調整部34dと、所要時間距離調整部34dと、乗車構成調整部34eとを備え、各構成要素は次のような構成を備える。
【0036】
時期調整部34aは、現在時期を月により特定し、これを例えば、春夏秋冬の四季に分けて、ピックアップされた経路候補内のスポットとして、海水浴場(夏向き)、スキー場(冬向き)、ぶどう狩り、りんご狩り、梨狩り(いずれも秋向き)など、季節により適否がわかれるスポットを含む場合に、季節に合致しないスポットを含む経路を経路候補から外す手段である。具体的には、図2(c)で示した道路地図データベース11aに記憶された季節に関する情報を参照して、傾向反映部33によって特定された経路に含まれるスポットが、いずれの月に相当するか否かを判定し、現在の時期と合致するスポットを含む経路候補がある場合にこれを抽出する、又は現在の時期と合致しないスポットを含む経路候補がある場合にこれを除外する。
【0037】
時間調整部34bは、現在時間を時分により特定し、図2(d)で示した道路地図データベース11aに記憶された時間帯を示す情報を参照して、傾向反映部33によって特定された経路候補内のスポットとして、例えば夜景の名所が含まれる場合に、「夜」に適したスポットであると判定し、現在時刻が「昼」である場合には、このようなスポットを含む経路を不適として経路候補から外す手段である。
【0038】
天候調整部34cは、経路検索当日の天候情報を、FM多重受信及び処理部1等の外部情報として受信して特定し、例えば、天候が不良の場合に、傾向反映部33によって特定された経路候補内のスポットに、屋外施設など、図2(e)に示す道路地図データベース11aにいうところの「晴れ」(ジャンルID;「W1」)が含まれる場合に、このスポットを含む経路を不適として経路候補から除外する、又は図2(e)において「全天候」(ジャンルID;「W0」)が含まれる場合に、このスポットを含む経路を合致する、としてこの経路候補から抽出する手段である。
【0039】
所要時間距離調整部34dは、傾向反映部33によって特定された経路の所要時間と現在時刻を比較し、経路の帰着が深夜に及ぶ場合に、そのような経路以外の経路候補を抽出する、又はそのような経路を経路候補から除外する手段である。所要時間距離調整部34dは、また、例えば、ユーザのドライブ歴(免許取得年月等)を予め入力しておいて、所定年月の経過を、ユーザの運転の慣れ度と看做して、慣れ度が所定レベル以下の場合には、一定時間以下の所要時間又は距離の経路候補を抽出する、または一定時間以上の所要時間又は距離の経路候補を除外する手段でもある。
【0040】
乗車構成調整部34eは、例えば、車両のシートに設けられた乗車センサや、車載カメラによる人感センサにより、車両に乗車している人数を検知し、運転席だけの1人の場合、運転席と助手席の2人の場合、または、運転席、助手席及び後部座席に計3人以上乗車している場合などを判定し、傾向反映部33により特定された経路内のスポットのうち、カップル向きのもの、ファミリー向きのもの、1人旅向きのものなど、それぞれの場合に合った傾向の調整を行なう手段である。
【0041】
経路優先順決定部35は、このような傾向調整部34における傾向の調整判断に基づき、経路情報取得部31においてピックアップされた複数の経路候補から、調整された傾向に近い経路をその順に並べたり、傾向に沿う経路のみをピックアップする。優先順表示制御部36は、経路優先順決定部35により、ピックアップされた経路を表示部7に対して表示する手段である。
【0042】
傾向記憶部36は、図2の道路地図データベース11aにおいて、ジャンルB又はジャンルCの階層において、ユーザにより選択されるジャンル(A1〜、B1〜、C1〜、D1〜又はE1〜)の選択回数を記録し、これを傾向データベース11bに保存する手段であり、これにより、傾向が更新され、次回の検索時に利用することが可能となる。
【0043】
[2.作用]
[2−1.処理の概要]
本装置の処理の概要を従来の例と比較して説明する。図3(a)のイメージ図に示すように、従来のレコメンデーション機能を備えた車載機では、ナビゲーション部が、その機能により、ユーザからの目的地の設定を受け付けると、経路計算手段により、記憶装置に格納された道路地図データを参照して経路計算がなされ、その結果として、目的地へ至る複数の経路がピックアップされる。
【0044】
このようにピックアップされた複数の経路候補を、経路情報取得手段が取得し、この複数の経路候補に対して、ユーザの過去の選択履歴から得られる経路選択の傾向を反映し、これにより、ピックアップされた複数の経路から、傾向に近い経路順に並べたり、傾向に沿う経路のみをピックアップしていた。
【0045】
これに対して、図3(b)のイメージ図及び図4のフローチャートに示すように、本実施形態では、ナビゲーション部30により計算された複数の経路候補を、経路情報取得部31が取得する(S401)。一方、この複数の経路に対して、傾向データ取得部32は、傾向データベース11bより、ユーザの過去の選択履歴から得られる経路選択の傾向を取得し(S402)、傾向反映部33がこの傾向を経路情報取得部31から取得した複数の経路候補に反映し、経路候補を絞る(S403)。傾向調整部34は、傾向反映部33によりピックアップされた経路候補に対して、道路地図データベース11aに保存された情報を元に、傾向の調整を行う(S404)。そして、ピックアップされた複数の経路から、経路優先順決定部35が、調整された傾向の経路順に並べ、又は傾向に沿う経路のみをピックアップすることにより、経路を表示するためのルールを決定し(S405)、優先順表示制御部36が表示部7に表示する(S406)。
【0046】
[2−2.具体的な処理内容]
本実施形態の具体的な処理内容について、図4及び図5のフローチャートを用いて説明する。まず、経路情報取得部31は、ナビゲーション部30において、ユーザからの目的地の設定を受け付け、記憶装置11に格納された道路地図データを参照して経路計算を行ない、その結果として、このナビゲーション部30からピックアップされた目的地へ至る複数の経路候補を取得する(S401)。
【0047】
続いて、傾向データ取得部32は、記憶装置11の傾向データベース11bに記憶されたユーザの操作履歴から得られる傾向を、記憶装置11から取得する(S402)。傾向反映部33は、経路情報取得部31によって得られた複数の経路候補に対して、傾向データ取得部32によって得られたユーザの操作履歴から得られた傾向に近い経路順に並べ、又は傾向に沿う経路のみをピックアップする(S403)。さらに、傾向調整部34は、傾向データ取得部32によって取得された傾向を、ユーザ又はユーザの置かれたリアルタイムの状況に合わせて、調整する(S404)。ここで、この傾向調整部34の具体的な処理に関して、図5を用いて説明する。なお、以下では、各傾向調整部34の構成要素の処理内容として、所定の条件と合致しない経路候補を除外するものとしているが、上述の通り、所定の条件と合致する経路候補を抽出する処理によっても実現可能である。
【0048】
[時期調整処理]
図5に示すように、まず、時期調整部34aは、現在時期を月により特定し(S501)、上記S401〜S403を経て絞り込まれた経路候補の一つ一つにつき、時期調整処理を行なっていく。すなわち、時期調整部34aは、ピックアップされた経路候補に含まるスポットが、上記で特定した現在時期に合致するか否かを判定し(S502)、合致する場合(YES)には、そのままS503へ進み、経路候補が他にも存在するか確認する(S503)。経路候補が未だ残っている場合(YES)には、S502に戻り、すでにすべての経路候補について時期調整を終了している場合(NO)には、S505へ進む。
【0049】
一方、時期調整部34aが、ピックアップされた経路候補に含まるスポットが、上記で特定した現在時期に合致しないと判定した場合(S502のNO)には、当該経路候補を除外して、上述したS503を行なう。すなわち、春夏秋冬の四季に分けて、ピックアップされた経路候補に含まれるスポットにおいて、海水浴場(夏向き)、スキー場(冬向き)、ぶどう狩り、りんご狩り、梨狩り(いずれも秋向き)など、季節により適否がわかれるスポットを含む場合に、季節に合致しないスポットを含む経路を経路候補から外すものである。時期調整部34aは、この際、図2(c)で示した道路地図データベース11aに記憶された季節に関する情報を参照して、傾向反映部33によって特定された経路に含まれるスポットが、いずれの月に相当するか否かを判定し、現在の時期と合致しないスポットを含む経路がある場合に除外する。
【0050】
[時刻調整処理]
続いて、時間調整部34bは、まず現在時間を時分により特定する(S505)。次に、図2(d)で示した道路地図データベース11aに記憶された時間帯を示す情報を参照して、傾向反映部33によって特定された経路内のスポットが、現在時刻に合致するか否かを判定する(S506)。
【0051】
例えば、現在時刻が、午後6時の場合に、図2(d)における道路地図データベース11aの時間帯では、「夜」に当たるから、時間調整部34bは、経路内に夜景スポットが含まれる場合には、合致する(S506のYES)と判定し、続いて、経路候補が他にも存在するか確認する(S507)。経路候補が未だ残っている場合(YES)には、S506に戻り、すでにすべての経路候補について時期調整を終了している場合(NO)には、S509へ進む。
【0052】
一方、現在時刻が「昼」である場合に、夜景スポットのような夜に適したスポットが含まれる場合は、不適(S506のNO)として、当該経路を経路候補から外し(S508)、上述したS507の処理へ進む。
【0053】
[天候調整処理]
天候調整部34cは、まず、経路検索当日の天候情報を、FM多重受信及び処理部1等の外部情報として受信して特定する(S509)。次に、図2(e)で示した道路地図データベース11aにおけるスポットの利用に適した天候を示す情報を参照して、傾向反映部33によって特定された経路内のスポットが、現在の天候に合致するか否かを判定する(S510)。具体的には、天候が不良の場合に、傾向反映部33によって特定された経路内のスポットに、屋外スポットなど、道路地図データベース11aにいうところの「晴れ」(ジャンルID:W1)に適したスポットが含まれるか否かを判定する。
【0054】
天候調整部34cは、経路内に、不適なスポットが含まれず、天候に合致する、といえる場合(S510のYES)、すなわち、天候が「晴れ」である場合や、天候は「雨」であるが経路内に含まれるスポットが、すべて全天候型であるような場合には、経路候補が他にも存在するか確認する(S511)。経路候補が未だ残っている場合(YES)には、S5510に戻り、すでにすべての経路候補について時期調整を終了している場合(NO)には、S513へ進む。
【0055】
一方、天候調整部34cは、経路内に、不適なスポットが含まれ、天候に合致しない、といえる場合(S510のNO)には、このスポットを含む経路を対象から除外し(S512)、上述したS511に進む。
【0056】
[所要時間調整処理]
所要時間距離調整部34dは、傾向反映部33によって特定された経路の所要時間を取得する(S513)。所要時間距離調整部34dは、続いて、取得した所要時間と現在時刻を比較し、経路の帰着が所定時刻内か否かを判定する(S514)。例えば、帰着時刻としての所定時刻が、ユーザの設定により、午後9時と設定されていた場合、帰着時刻が午後8時の場合には、所要時間距離調整部34dは、帰着時刻が所定時刻内であるとして、次のステップに進み、経路候補が他にも存在するか確認する(S515)。経路候補が未だ残っている場合(YES)には、S513に戻り、すでにすべての経路候補について時期調整を終了している場合(NO)には、S517へ進む。
【0057】
一方、所要時間距離調整部34dが、取得した所要時間と現在時刻を比較し、経路の帰着が所定時刻内でないと判定した場合(S514のNO)には、この経路を対象から除外し(S516)、上述したS515に進む。
【0058】
[乗車構成調整処理]
次に、乗車構成調整部34eは、例えば、車両のシートに設けられた乗車センサや、車載カメラによる人感センサにより、車両に乗車している人数を検知し、運転席だけの1人の場合、運転席と助手席の2人の場合、または、運転席、助手席及び後部座席に計3人以上乗車している場合など、乗車構成情報を取得する(S517)。
【0059】
続いて、乗車構成調整部34eは、傾向反映部33により特定された経路候補内に含まれるスポットのうち、カップル向きのもの、ファミリー向きのもの、1人旅向きのものなどを、図2(a)に示したデータベース情報を参照し、特定された乗車構成情報に合致するか否かの判定を行なう(S518)。乗車構成調整部34eは、特定した乗車構成情報と、経路候補に含まれるスポットの対象情報が合致する場合には(S518のYES)、次のステップに進み、経路候補が他にも存在するか確認する(S519)。経路候補が未だ残っている場合(YES)には、S518に戻り、すでにすべての経路候補について時期調整を終了している場合(NO)には、調整処理を終了する(END)。
【0060】
一方、乗車構成調整部34eが、特定した乗車構成情報と、経路候補に含まれるスポットの対象情報が合致しないと判定した場合には(S518のNO)、当該経路候補を除外し(S520)、上述したS519に進む。
【0061】
以上のような調整処理を終了すると、経路優先順決定部35は、傾向調整部34における傾向の調整判断により絞り込まれた複数の経路候補から、例えば、ユーザの操作履歴による選択回数の多いスポットを含む経路を優先し、当該優先順序で経路を並べ、又は絞り込まれた経路のみをピックアップする(S405)。そして優先順表示制御部36は、経路優先順決定部35により、ピックアップされた経路を表示部7に対して表示する(S406)。
【0062】
[3.効果]
以上のような本実施形態によれば、傾向反映部33により、過去の操作履歴に基づく、ユーザの操作傾向から、ナビゲーション部30から得られた経路候補の絞り込みを行なったうえで、さらに、傾向調整部34により、現在のユーザの状況又は置かれた状況に合致する施設又は地点を含む経路候補に絞り込むことができるので、ナビゲーション装置1から得られるユーザのリアルタイムの状況を反映した経路候補のレコメンデーションが可能となる。
【0063】
特に、ナビゲーション装置においては、周辺情報の収集、AVシステム、ハンズフリーシステム、車載カメラ、ドライブレコーダ、運転者や搭乗者の認証技術など、ユーザの置かれているリアルタイムの状況を取得し易く、このようなナビゲーション装置の持つ既存の機能を有効に活用することができる。
【0064】
また、道路地図データベース11aに、地図データとして、施設又は地点を利用するに当たって、適する時期に関する情報、適する時間帯に関する情報、適する天候に関する情報、又は利用者として適する対象単位に関する情報を記憶し、この情報を、傾向調整部34により、ユーザの状況又はユーザの置かれた状況と合致するか否かを判断する。これにより、単に操作履歴といった過去の情報からレコメンデーションされる場合と異なり、商用と私用、平日と休日、季節、昼間と夜間、晴れと雨など、ユーザの置かれたリアルタイムの状況により、市街地の商用施設の選択か、観光地の選択かなど、経路候補に対してのさまざまな属性から絞り込みができ、さらに、観光地であっても、夜景の見える場所か、海水浴のできる場所か、スキーのできる場所かなど、よりユーザに適したレコメンデーションが可能となる。
【0065】
[4.他の実施形態]
本発明は、上記実施形態において示したものに限られるものではなく、例えば次のような態様も包含するものである。上記実施形態において、調整処理について、図5において、「時期調整」、「時間調整」、「天候調整」、「所要時間距離調整」及び「乗車構成調整」のすべてについて連続的に行なうものとして説明したが、これらの処理は、オア条件として行なう例示であって、その処理の順序は適宜変更可能であり、行なう処理の種類も適宜組み合わせて用いてもよい。
【0066】
また、「乗車構成調整」として、車両のシートに設けられた乗車センサや、車載カメラによる人感センサにより、車両に乗車している人数の検知を例示したが、乗車構成の検知は、原始的には、ユーザに対し乗車時において乗車構成の入力を求めることにより乗車構成の特定を行うことも可能である。また、その他、現在再生しているBGMが、ムードミュージックである場合には乗車構成がカップルであると判断し、ポップスの場合には、ファミリーやグループであると判断する手法もとり得る。さらに、車載機に搭載されたDVDシステム等において、何らかの映像が再生されている場合に、当該映像コンテンツが幼児向けアニメの場合にはファミリーと判断し、映画の場合にはカップルと判断し、スポーツ番組の場合にはグループと判断するなどの手法もとり得る。
【0067】
また、車両の乗車者がBluetooth対応のハンズフリー端末を有している場合などには、その端末の発する電波により搭乗している人を認識することも可能である。また、車載機によっては、盗難防止のため、運転者を認証するシステムが提案されているが、この技術を用いて、運転者を含む車両の搭乗者を含む認識するようなことも可能である。ことが期待できる。さらに、ドライブレコーダや居眠り防止のため車内にカメラが搭載される場合もあり、そのような場合には、この車載カメラによる乗車構成の検知も可能である。
【符号の説明】
【0068】
1…FM多重受信及び処理部
2…ビーコン受信及び処理部
3…制御部(メインCPU及びその周辺回路)
7…表示部
30…ナビゲーション部
31…経路情報取得部
32…傾向データ取得部
33…傾向反映部
34…傾向調整部
34a…時期調整部
34b…時間調整部
34c…天候調整部
34d…所要時間距離調整部
34e…乗車構成調整部
35…経路優先順決定部
36…優先順表示制御部
37…傾向データ記憶部
4…ダイナミックRAM(DRAM)
5…スタティックRAM(SRAM)
6…ROM
7…表示部
8…ビデオRAM(VRAM)
9…TV受信及び処理部
10…車両情報取得部
11…道路地図データ・検索データ及び地図関連データの記憶装置
11a…道路地図データベース
11b…傾向データベース
12…入力部(タッチキー制御装置)
13…測位部
M…メインメモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設又は地点をそのジャンルごとに分け階層化して記憶装置に記憶する地図データ記憶手段と、
ユーザからインタフェースを介して目的地、立寄地又は経由地の指定を受け付ける手段と、
目的地、立寄地又は経由地の入力に基づいて、これらの地点への経路計算を行い、複数の経路を経路候補として出力する経路計算手段と、
過去にユーザから目的地、立寄地又は経由地として指定された前記施設又は地点について、そのジャンルの選択回数を傾向として記録する傾向記憶手段と、
前記経路計算手段により出力された経路候補に含まれる施設又は地点について、前記傾向記憶手段により記録された前記傾向を参照して、選択回数の多いジャンルの施設又は地点を含む経路候補を抽出し、又は順に並べる傾向反映手段と、
前記傾向反映手段により、抽出し又は順に並べられた経路候補について、ユーザの状況又はユーザの置かれた状況に合致する施設又は地点を含む経路候補を抽出し、または当該施設又は地点を多く含む経路候補の順に並べる傾向調整手段と、
傾向調整手段より抽出され又は並べられた経路候補を、表示器に表示する表示手段と、を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記地図データ記憶手段は、記憶した施設又は地点について、その施設又は地点を利用するに当たって、適する時期に関する情報、適する時間帯に関する情報、適する天候に関する情報、又は利用者として適する対象単位に関する情報の少なくとも一つを記憶するものであり、
前記傾向調整手段は、ユーザの状況又はユーザの置かれた状況として、現在の時期情報、時間情報、天候情報、車両の乗車構成情報のうち、前記地図データ記憶手段により記憶されたもののうち対応する情報を取得し、前記経路候補に含まれる施設又は地点が、現在の時期、時間、天候、乗車構成に合致するかを判断するものであることを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
コンピュータが、
施設又は地点をそのジャンルごとに分け階層化して記憶装置に記憶する地図データ記憶処理と、
ユーザからインタフェースを介して目的地、立寄地又は経由地の指定を受け付ける処理と、
目的地、立寄地又は経由地の入力に基づいて、これらの地点への経路計算を行い、複数の経路を経路候補として出力する経路計算処理と、
過去にユーザから目的地、立寄地又は経由地として指定された前記施設又は地点について、そのジャンルの選択回数を傾向として記録する傾向記憶処理と、
前記経路計算処理により出力された経路候補に含まれる施設又は地点について、前記傾向記憶処理により記録された前記傾向を参照して、選択回数の多いジャンルの施設又は地点を含む経路候補を抽出し、又は順に並べる傾向反映処理と、
前記傾向反映処理により、抽出し又は順に並べられた経路候補について、ユーザの状況又はユーザの置かれた状況に合致する施設又は地点を含む経路候補を抽出し、または当該施設又は地点を多く含む経路候補の順に並べる傾向調整処理と、
傾向調整処理より抽出され又は並べられた経路候補を、表示器に表示する表示処理と、を実行することを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項4】
前記地図データ記憶処理は、記憶した施設又は地点について、その施設又は地点を利用するに当たって、適する時期に関する情報、適する時間帯に関する情報、適する天候に関する情報、又は利用者として適する対象単位に関する情報の少なくとも一つを記憶する処理を含み、
前記傾向調整処理は、ユーザの状況又はユーザの置かれた状況として、現在の時期情報、時間情報、天候情報、車両の乗車構成情報のうち、前記地図データ記憶処理により記憶されたもののうち対応する情報を取得し、前記経路候補に含まれる施設又は地点が、現在の時期、時間、天候、乗車構成に合致するかを判断する処理を含むことを特徴とする請求項3記載のナビゲーション方法。
【請求項5】
コンピュータに、
施設又は地点をそのジャンルごとに分け階層化して記憶装置に記憶させる地図データ記憶機能と、
ユーザからインタフェースを介して目的地、立寄地又は経由地の指定を受け付けさせる機能と、
目的地、立寄地又は経由地の入力に基づいて、これらの地点への経路計算を行い、複数の経路を経路候補として出力させる経路計算機能と、
過去にユーザから目的地、立寄地又は経由地として指定された前記施設又は地点について、そのジャンルの選択回数を傾向として記録させる傾向記憶機能と、
前記経路計算機能により出力された経路候補に含まれる施設又は地点について、前記傾向記憶機能により記録された前記傾向を参照して、選択回数の多いジャンルの施設又は地点を含む経路候補を抽出させ、又は順に並べさせる傾向反映機能と、
前記傾向反映機能により、抽出し又は順に並べられた経路候補について、ユーザの状況又はユーザの置かれた状況に合致する施設又は地点を含む経路候補を抽出させ、または当該施設又は地点を多く含む経路候補の順に並べさせる傾向調整機能と、
傾向調整機能より抽出され又は並べられた経路候補を、表示器に表示させる表示機能と、を実現することを特徴とするナビゲーションプログラム。
【請求項6】
前記地図データ記憶機能は、記憶した施設又は地点について、その施設又は地点を利用するに当たって、適する時期に関する情報、適する時間帯に関する情報、適する天候に関する情報、又は利用者として適する対象単位に関する情報の少なくとも一つを記憶させる機能を含み、
前記傾向調整機能は、ユーザの状況又はユーザの置かれた状況として、現在の時期情報、時間情報、天候情報、車両の乗車構成情報のうち、前記地図データ記憶機能により記憶されたもののうち対応する情報を取得させ、前記経路候補に含まれる施設又は地点が、現在の時期、時間、天候、乗車構成に合致するかを判断させる機能を含むことを特徴とする請求項5記載のナビゲーションプログラム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2010−281752(P2010−281752A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−136671(P2009−136671)
【出願日】平成21年6月5日(2009.6.5)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
2.Bluetooth
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】