説明

ナビゲーション装置、渋滞情報配信装置、及びナビゲーション方法

【課題】ユーザと渋滞のそれぞれの属性を考慮し、ユーザにとってより関心のある場所、施設等に適切に案内を行うことができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、有名な観光スポットである○△神社44に向かう車両による渋滞情報45、46、及び47を受信し、自車41の属性と、これらの渋滞の属性とを比較し、比較結果に基づいて探索する経路を決定する。例えば、自車41の属性と渋滞46、47の属性が同一の場合は、渋滞46、47を経由する経路を探索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、渋滞情報を活用した最適な推奨経路の探索を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
渋滞情報に基づいて渋滞している道路を通過する推奨経路を探索することにより、目的地周辺の有名な景勝地や観光施設をユーザに案内にするナビゲーション装置が従来技術として知られている(たとえば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−53092号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来技術では、渋滞の原因が観光施設等によるものと一律仮定して全てのユーザに対してその渋滞に案内するようにしているが、渋滞の原因は必ずしも観光施設等によるものとは限らず、例えば地元客による渋滞、例えば地元スーパーの特売等で混み合う道路等、観光とは無関係の渋滞も生じることがある。このような地元客による渋滞に観光目的のユーザを案内してしまうと、ユーザは無駄に渋滞を通ることになってしまう。また逆に、観光客による渋滞に地元のユーザを案内してしまっても同様に、ユーザは無駄に渋滞を通ることになってしまう。
【0005】
本発明はこのような従来の課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、ユーザと渋滞のそれぞれの属性を考慮し、ユーザにとってより関心のある場所、施設等に適切に案内を行うことが可能なナビゲーション装置、渋滞情報配信装置、及びナビゲーション方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)請求項1の発明のナビゲーション装置は、自車の現在地及び該自車の出身地域に基づく自車の属性を取得する自車情報取得手段と、前記自車の現在地から目的地までの経路を探索する探索手段と、渋滞情報及び該渋滞を構成する車両の出身地域に基づく渋滞の属性を取得する渋滞情報取得手段と、前記自車の属性及び前記渋滞の属性を比較する属性比較手段とを備え、前記探索手段は、前記属性比較手段の比較結果に基づいて探索する経路を決定することを特徴とする。
(2)請求項8の発明の渋滞情報配信装置は、渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段と、前記渋滞情報取得手段により取得した渋滞情報の渋滞の位置及び該渋滞を構成する車両の登録地元情報に基づいて、該渋滞を構成する車両の出身地域に基づく渋滞の属性を取得する渋滞属性取得手段と、前記渋滞情報及び該渋滞の属性をナビゲーション装置に送信する渋滞情報送信手段とを備えたことを特徴とする。
(3)請求項15の発明のナビゲーション方法は、自車の現在地及び該自車の出身地域に基づく属性を取得するステップと、前記自車の現在地から目的地までの経路を探索するステップと、渋滞情報を取得するステップと、前記取得した渋滞情報の渋滞の位置及び該渋滞を構成する車両の登録地元情報に基づいて、該渋滞を構成する車両の出身地域に基づく属性を取得するステップと、前記自車の属性及び前記渋滞の属性を比較するステップと、前記比較結果に基づいて探索する経路を決定するステップとを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明のナビゲーション装置によれば、ユーザと渋滞のそれぞれの属性を考慮し、ユーザにとってより関心のある場所、施設等に適切に案内を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】ナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】渋滞情報配信装置(センタ)における処理を説明するためのフローチャートである。
【図3】ナビゲーション装置における処理を説明するためのフローチャートである。
【図4】渋滞と自車の属性と探索経路との相関を示す図である。
【図5】本実施形態における経路探索について説明するための図である。
【図6】本実施形態における経路探索について説明するための図である。
【図7】本実施形態における経路探索について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、本発明の実施形態によるナビゲーション装置1及び渋滞情報配信装置(センタ)2を示す。このナビゲーション装置1は、渋滞情報を活用した最適な推奨経路を探索することができる。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、表示モニタ16、スピーカ17、入力装置18、VICS(登録商標)(道路交通情報システム)情報などを受信する渋滞情報取得部19、データ記憶部110およびディスクドライブ111を有している。ディスクドライブ111には、地図データが記憶されたDVD−ROM112が装填されている。
【0010】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路として表示モニタ16に表示される。
【0011】
現在地検出装置14は自車(ユーザ)の現在地を検出する装置である。現在地検出装置14は、振動ジャイロ14a、車速センサ14b、GPS(Global
Positioning System)センサ14cなどからなる。振動ジャイロ14aは車両の進行方向を検出し、車速センサ14bは車速を検出し、GPSセンサ14cはGPS衛星からのGPS信号を検出する。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0012】
画像メモリ15は、表示モニタ16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはDVD−ROM112に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示などを行うことができる。
【0013】
ディスクドライブ111は、DVD−ROM112から地図データを読み出す。地図データは、地図表示用データ、経路探索用データなどを含む。地図表示用データおよび経路探索用データには、地図データに格納されている道路のリンク情報およびノード情報が含まれている。リンク情報には、各リンクの旅行時間(以下、リンク旅行時間)の情報が含まれている。地図表示用データは、広域から詳細まで複数の縮尺の地図データを有し、ユーザの要求にしたがって、表示地図の縮尺を変更することができる。なお、DVD−ROM111以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0014】
DVD−ROM112には、地図データのほかに交通統計情報も記憶されている。交通統計情報とは、過去の交通情報を収集し、その情報を統計処理したものである。交通統計情報には、日の種類とリンクIDと各時間帯における平均車速の統計値とが含まれている。ここで、各時間帯における平均車速の統計値とは、VICS情報センタなどが過去に収集した車両の平均速度の情報を、日の種類別、リンクID別、時間帯別に分類し、統計処理(たとえば、平均化)して算出した値である。
【0015】
表示モニタ16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示としてユーザに提供する。スピーカ17は、各種入力操作をユーザに指示したり、経路誘導したりするための音声を出力する。入力装置18は、ユーザが各種コマンドを設定するための入力スイッチを有し、操作パネルやリモコンなどによって実現される。ユーザは、表示モニタ16の表示画面の指示やスピーカ17からの音声指示にしたがって入力装置18を操作することにより、目的地を設定する。
【0016】
データ記憶部110には、各種の設定情報が記憶される。本発明の実施形態におけるナビゲーション装置では、ユーザ(自車)の出身地域として地元を示す情報を登録して、登録地元情報として記憶しておく。具体的には、ユーザの操作により地図上におけるユーザの自宅の位置を登録すると、この自宅登録地点の座標(X、Y)を登録地元情報として記憶する。また合わせて地図データを参照して自宅の所属エリアとして行政区画(市区町村)の名称が記憶される。また、ユーザの登録操作又は電子的に車両情報を記憶したカード等を介して、車両のナンバープレートの登録地域を登録地元情報として記憶させるようにしてもよい。この場合、その地域を代表する地点の座標(例えば「名古屋」ナンバーなら名古屋市役所等)及びその地域の所属エリアとして行政区画(市区町村)の名称が記憶される。また、経路探索処理により経路案内中の場合、この経路の経路探索開始点を登録地元情報として記憶させるようにしてもよい。この場合、経路探索開始点の座標及びその開始点の所属エリアとして行政区画(市区町村)の名称が記憶される。
【0017】
目的地がユーザにより設定されると、ナビゲーション装置1は現在地検出装置14により検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。たとえば、出発地から目的地までの間の旅行時間(リンク旅行時間の合計)が最小になるような経路を演算するアルゴリズムで経路演算が行われる。このような経路演算を以下、経路探索と呼ぶ。このようにして求められた経路(以下、推奨経路という)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、ユーザは地図上の推奨経路を画面上で認識することができる。ナビゲーション装置1は、推奨経路にしたがって車両が走行できるように、ユーザに対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を経路誘導する。
【0018】
渋滞情報取得部19は、図示しないVICS情報センタから提供される渋滞情報などのVICS情報を受信し、制御回路11に出力する。このVICS情報は主に高速道路上に設置されている電波ビーコンや、主に一般道路上に設置されている光ビーコン、またはFM多重放送によって送信される。電波ビーコンや光ビーコンは設置地付近を通過する車両に対してVICS情報を送信し、FM多重放送はそれらよりも広域の通信エリアをカバーする。ナビゲーション装置1は、これらによって送信されたVICS情報を渋滞情報取得部19により受信する。渋滞情報取得部19で受信したVICS情報は、経路探索に反映される。たとえば、渋滞している区間のリンク旅行時間に、渋滞の程度に応じて重み付けを行う。したがって、重み付けしたリンク旅行時間で経路探索が行われる。また、後述するように渋滞情報取得部19は、VICS情報の他、渋滞情報配信装置(センタ)2の渋滞情報送信部22から送信される、特定の道路(リンク)上で発生している渋滞情報とその渋滞の属性を受信する。尚、特定の道路(リンク)上で発生している渋滞情報はVICS情報からも取得できるため、渋滞の属性のみを渋滞情報配信装置(センタ)2から取得する構成とすることも可能である。
【0019】
渋滞情報配信装置(センタ)2は、制御回路21、渋滞情報送信部22、および渋滞情報取得部23を有している。渋滞情報取得部23は、様々な情報源からの渋滞情報を取得するとともに、各地の道路を走行中の車両31、32、33よりアップロードされるプローブ情報を取得する。まず、特定の道路(リンク)における渋滞情報を取得すると、続いてその特定された道路における渋滞を構成する各車両より、プローブ情報として車両の現在地(渋滞の位置)と、各車両の出身地域、ここでは地元地域を示す登録地元情報を取得する。尚、この登録地元情報については、各車両において前述した通り設定されているものとする。制御回路21は、それらのプローブ情報に基づいて、この渋滞の属性、すなわち該渋滞を構成する車両の出身地域に基づく属性を算出し、渋滞情報送信部22より、ナビゲーション装置1における渋滞情報取得部19に送信する指令を出す。尚、渋滞の属性の具体的な算出方法については、以下、フローチャートにより詳しく説明する。
【0020】
図2は、本発明の実施形態による渋滞情報配信装置2(センタ)における渋滞の属性を設定する処理を表すフローチャートである。この処理は、渋滞情報を配信するセンタ内に設置される渋滞情報配信装置2におけるプログラムであり、制御回路21により実行される。
【0021】
ステップS201では、渋滞情報取得部23により各種の情報源から特定の道路(リンク)における渋滞情報を取得する。次にステップS202では、制御回路21により各地の道路を走行中の各車両から通信により渋滞情報取得部23にアップロードされ取得されたプローブ情報中の各車両の現在地情報を基に、ステップS201で取得した渋滞情報の渋滞を構成している車両を検索する。
【0022】
ステップS204では、渋滞情報取得部23により渋滞を構成している車両から登録地元情報としての自宅登録地点を取得する。尚、登録地元情報とは車両の地元を特定可能な情報であればよく、自宅登録地点の他に前述の通り、車両のナンバープレートの登録地域や、経路探索開始点を用いるように構成してもよい。
【0023】
ステップS205では、制御回路21により、渋滞の位置、すなわち渋滞を構成している車両の現在地と、渋滞を構成している車両の自宅地点とを比較して、これらが一定距離未満(例えば50km未満)か否かを判断する。YESの場合、制御回路21は、渋滞を構成しているこの車両は比較的近距離の地域から走行してきた車両、すわなち地元地域出身の車両であると判断し、その渋滞に対して、地元地域出身の車両による渋滞であることを示す第1の指標(パラメータ)としての地元パラメータを1ポイント増加させ、渋滞の発生地点座標と関連付けてデータ記憶部24に記憶する(S206)。また、NOの場合、制御回路21は、渋滞を構成しているこの車両は比較的遠距離の地域から走行してきた車両であると判断し、その渋滞に対して、地元以外の地域出身の車両、例えば観光目的の車両による渋滞であることを示す第2の指標(パラメータ)としての観光パラメータを1ポイント増加させ、渋滞の発生地点座標と関連付けてデータ記憶部24に記憶する(S207)。
【0024】
ステップS208では、S204と同様の方法で、制御回路21により渋滞を構成している次の車両を検索する。そしてこの車両に対して、前述のS204〜S207の処理を行い、地元パラメータ又は観光パラメータをさらに1ポイント増加させ、データ記憶部24に記憶されているパラメータの値を更新する。これらの処理を、渋滞を構成している全ての車両を検索し終わるまで繰り返す(S203、S209)。
【0025】
ステップS210では、制御回路21により、データ記憶部24に渋滞と関連付けて記憶されている地元パラメータと観光パラメータの累積値を比較する。その結果、地元パラメータの累積値の方が、観光パラメータよりも多い場合、S211に進み、その渋滞の属性を地元、すなわち地元地域出身の車両による渋滞に設定する。また、観光パラメータの累積値の方が、地元パラメータよりも多い場合、S212に進み、その渋滞の属性を観光、すなわち地元以外の地域出身の車両による渋滞に設定する。そして、ステップS213では、渋滞情報取得部23によって取得された渋滞情報と上記設定された渋滞の属性をナビゲーション装置に送信して処理を終了する。
【0026】
尚、上記実施形態においては、ステップS205において、渋滞を構成している各車両の現在地を渋滞の位置として用いたが、別の実施形態として、ステップS201で取得した特定の道路(リンク)と関連付けられた渋滞情報の代表位置(例えば、渋滞リンクの先頭座標)や、その渋滞情報が属する所属エリア(例えば、渋滞リンクが存在する行政区画(市区町村))を、渋滞の位置として用いるように構成することも可能である。
【0027】
また、上記実施形態においては、地元以外の地域出身の車両の例として、観光目的の車両を挙げたが、本発明は車両の属性として地元出身車両であるか否かを区別できればよく、観光目的の車両に限定されることなく適用することが可能である。
【0028】
図3は、本発明の実施形態によるナビゲーション装置1における渋滞情報に基づいて推奨経路を探索する処理を表すフローチャートである。この処理は、例えば車載器として車両に搭載されるナビゲーション装置1におけるプログラムであり、制御回路11により実行される。
【0029】
ステップS301では、渋滞情報取得部19により、図示しないVICS情報センタ又は渋滞情報配信装置(センタ)2より、特定の道路(リンク)における渋滞情報を取得する。本実施形態においては、自車の現在地周辺(例えば半径20km以内)の各道路(リンク)における渋滞情報を取得する。次にステップS302では、渋滞情報取得部19により、渋滞情報配信装置2において前述の通り設定された、各渋滞情報に対する渋滞の属性を取得する。
【0030】
次にステップS303では、自車の属性、すなわち該自車の出身地域に基づく属性を取得する。自車の属性とは、自車が比較的近距離の地域から走行してきた車両、すなわち地元地域出身の車両であるか、又は自車が比較的遠距離の地域から走行してきた車両、すなわち地元以外の地域出身の車両、例えば観光目的の車両であるかを、判定するための情報である。この判定方法としては、前述のステップS204及びステップS205と同様の方法を適用する。具体的には、制御回路11がデータ記憶部110に記憶されている登録地元情報としての自車の自宅登録地点と自車の現在地とを比較する。そして、これらが一定距離以内(例えば50km未満)か否かを判断し、YESの場合、自車の属性を地元、すなわち地元出身の車両であることを示す属性として取得し、NOの場合、自車の属性を観光、すなわち地元以外の地域出身の車両として取得する。尚、ここでも、別の実施形態として、自車の属性が地元であるか否か、すなわち地元地域出身の車両であるか否かを自車の属性として取得するように構成することも可能である。
【0031】
次にステップS304では、ステップS303で取得した自車の属性と、ステップS302で取得した渋滞の属性が同一であるか否かを判断する。ここで同一(YES)の場合は、ステップS305に進み、その渋滞を経由する経路を探索する。ステップS304で同一でない(NO)場合は、ステップS306に進み、その渋滞を回避する経路を探索する。尚、いずれの場合も、予め経路が設定されている場合は、ステップS304の判断を行ったタイミングで経路の再探索を行う。
【0032】
図4は、本発明の実施形態による渋滞と自車の属性と探索経路との相関を示す図である。図3のステップS304で、自車の属性と渋滞の属性を比較する際、それぞれの属性の組み合わせにより探索される経路が異なる。例えば、渋滞の属性が観光の場合は、その渋滞の原因が観光施設等によるものと考えられるため、自車の属性が観光の場合に、その渋滞を経由するような経路を探索する。これにより、観光目的で不慣れな地域を走行中のユーザに対して、その地域においてリアルタイムで混雑している観光施設等を確実に案内することが可能となる。また、渋滞の属性が観光で、自車の属性が地元の場合は、観光目的での渋滞を回避する経路を探索するため、地元のユーザに対して、不要な渋滞を確実に回避させることが可能となる。また、渋滞の属性が地元の場合は、その渋滞の原因が地元客によるもの、例えば地元スーパーの特売等で混み合う道路等、と考えられるため、自車の属性が地元の場合に、その渋滞を経由するような経路を探索する。これにより、地元のユーザに対して、地元の人々にとって有益な施設等を確実に案内することが可能となる。また、渋滞の属性が地元で、自車の属性が観光の場合は、地元の人々による渋滞を回避する経路を探索するため、観光目的のユーザに対して、不要な渋滞を確実に回避させることが可能となる。このように、自車(ユーザ)の走行の目的に合致した適切な経路探索及び案内を行うことが可能となる。
【0033】
次に図5〜図7を参照して、本発明の実施形態におけるナビゲーション装置1の経路探索について説明する。ここでは、自車と渋滞の属性が共に観光である場合を例にとって説明する。
【0034】
まず図5において、属性が観光の自車41が目的地43までの経路42を走行中に、自車周辺の道路における渋滞情報45、46、及び47を受信する。これらの渋滞は、有名な観光スポットである○△神社44に向かう車両によるものであるが、この時点で自車41のユーザは、この○△神社44が有名な観光スポットであることは知らずに走行中である。ここで、○△神社44周辺のエリア(図5中の破線の円)では、○△神社44に向かう各車両が渋滞を構成している。その中の渋滞情報46を構成する車両46a、46b、46cの属性は、それぞれ観光、観光、地元となっている。また、渋滞情報47を構成する車両47a、47bの属性は、それぞれ観光、観光となっている。よって、地元属性の車両より観光属性の車両の方が多く、これらの渋滞46、47の属性は観光である。
【0035】
次に図6において、自車41の属性は観光であるため、自車周辺に同じく観光の属性をもつ渋滞が発生していることをユーザに表示や音声により通知する。この際、渋滞の向かう先にある施設情報等を地図データから取得し、その施設名称等を合わせて通知するようにしてもよい。例えば、通知ボックス48に示すように、「○△神社付近に観光客の車が増加しています。立ち寄ってみますか?」等と通知し、ユーザに立ち寄るかどうかの選択を促す。ユーザが入力装置18等により、「行く」を選択すると、図7に示すように、渋滞を経由する新たな経路49を再探索する。これにより、自車のユーザは、観光目的で不慣れな地域を走行中で、事前にその地域の観光スポット等を知らなくても、その地域における観光スポット等を経由することができ、ユーザの興味又は時間的余裕度等を考慮して必要に応じてその観光スポット等に立ち寄ることが可能となる。
【0036】
尚、上記実施形態においては、渋滞の方向を考慮せずに、渋滞が発生している道路(リンク)を経由又は回避する経路を探索するようにしたが、渋滞の方向を考慮した経路を探索する構成としてもよい。例えば、一方向の車線のみ渋滞しており反対車線は渋滞していない道路区間に対しては、渋滞と同じ車線方向の経路を探索してしまうと、ユーザはその渋滞に巻き込まれてしまうため、ユーザやセンタ側の設定等により、渋滞と逆の車線方向の経路を優先的に探索するように構成してもよい。この場合、ユーザは渋滞に巻き込まれることなく、どんな観光スポットが存在しているのか、反対車線を走行中に確認することが可能となる。
【0037】
以上の説明はあくまで一例であり、本発明は、上記の実施例に何ら限定されるものではない。
【符号の説明】
【0038】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
14 現在地検出装置
16 表示モニタ
19 渋滞情報取得部
2 渋滞情報配信装置(センタ)
21 制御回路
22 渋滞情報送信部
23 渋滞情報取得部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車の現在地及び該自車の出身地域に基づく自車の属性を取得する自車情報取得手段と、
前記自車の現在地から目的地までの経路を探索する探索手段と、
渋滞情報及び該渋滞を構成する車両の出身地域に基づく渋滞の属性を取得する渋滞情報取得手段と、
前記自車の属性及び前記渋滞の属性を比較する属性比較手段とを備え、
前記探索手段は、前記属性比較手段の比較結果に基づいて探索する経路を決定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記探索手段は、前記属性比較手段が前記自車の属性及び前記渋滞の属性が同一と判断した渋滞道路を経由する経路を探索し、前記属性比較手段が前記自車の属性及び前記渋滞の属性が異なると判断した渋滞道路を回避する経路を探索することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、前記渋滞の属性は、該渋滞が地元地域出身の車両による渋滞であるか又は地元以外の地域出身の車両による渋滞であるかを示す属性であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、前記渋滞の属性は、前記渋滞情報取得手段により取得された渋滞情報の渋滞の位置及び該渋滞を構成する車両の登録地元情報に基づいて設定されることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項3又は4に記載のナビゲーション装置において、前記自車の属性は、該自車が地元地域出身の車両であるか又は地元以外の地域出身の車両であるかを示す属性であることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーション装置において、前記自車の属性は、前記自車情報取得手段により取得された自車の現在地及び該自車の登録地元情報に基づいて設定されることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項4又は6に記載のナビゲーション装置において、前記登録地元情報は、少なくとも自宅登録地点、ナンバープレートの登録地域、及び経路探索開始点のいずれか一つを含むことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
渋滞情報を取得する渋滞情報取得手段と、
前記渋滞情報取得手段により取得した渋滞情報の渋滞の位置及び該渋滞を構成する車両の登録地元情報に基づいて、該渋滞を構成する車両の出身地域に基づく渋滞の属性を取得する渋滞属性取得手段と、
前記渋滞情報及び該渋滞の属性をナビゲーション装置に送信する渋滞情報送信手段とを備えたことを特徴とする渋滞情報配信装置。
【請求項9】
請求項8に記載の渋滞情報配信装置において、前記渋滞の属性は、該渋滞が地元地域出身の車両による渋滞であるか又は地元以外の地域出身の車両による渋滞であるかを示す属性であることを特徴とする渋滞情報配信装置。
【請求項10】
請求項9に記載の渋滞情報配信装置において、前記渋滞情報取得手段は、渋滞を構成する各車両に対して、該渋滞の位置及び該各車両の登録地元情報に基づいて地元地域出身であることを示す第1のパラメータ又は、地元以外の地域出身であることを示す第2のパラメータを付与し、第1のパラメータが第2のパラメータより多い渋滞の属性を、地元地域出身の車両による渋滞であることを示す属性として取得し、第2のパラメータが第1のパラメータより多い渋滞の属性を、地元以外の地域出身であることを示す属性として取得することを特徴とする渋滞情報配信装置。
【請求項11】
請求項10に記載の渋滞情報配信装置において、前記渋滞情報取得手段は、渋滞を構成する各車両に対して、該渋滞の位置と該各車両の登録地元情報が所定の距離未満の車両に対して前記第1のパラメータを付与し、該渋滞の位置と該各車両の登録地元情報が所定の距離以上の車両に対して前記第2のパラメータを付与することを特徴とする渋滞情報配信装置。
【請求項12】
請求項10に記載の渋滞情報配信装置において、前記渋滞情報取得手段は、渋滞を構成する各車両に対して、該渋滞の位置の所属エリア及び該各車両の登録地元情報の所属エリアに基づいて前記第1のパラメータ又は前記第2のパラメータを付与することを特徴とする渋滞情報配信装置。
【請求項13】
請求項12に記載の渋滞情報配信装置において、前記渋滞情報取得手段は、渋滞を構成する各車両に対して、該渋滞の位置の所属エリアと該各車両の登録地元情報の所属エリアが同一の行政区画である車両に対して前記第1のパラメータを付与し、該渋滞の位置の所属エリアと該各車両の登録地元情報の所属エリアが異なる行政区画である車両に対して前記第2のパラメータを付与することを特徴とする渋滞情報配信装置。
【請求項14】
請求項8乃至13のいずれか1項に記載の渋滞情報配信装置において、前記登録地元情報は、少なくとも自宅登録地点、ナンバープレートの登録地域、及び経路探索開始点のいずれか一つを含むことを特徴とする渋滞情報配信装置。
【請求項15】
自車の現在地及び該自車の出身地域に基づく属性を取得するステップと、
前記自車の現在地から目的地までの経路を探索するステップと、
渋滞情報を取得するステップと、
前記取得した渋滞情報の渋滞の位置及び該渋滞を構成する車両の登録地元情報に基づいて、該渋滞を構成する車両の出身地域に基づく属性を取得するステップと、
前記自車の属性及び前記渋滞の属性を比較するステップと、
前記比較結果に基づいて探索する経路を決定するステップとを備えたことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項16】
請求項15に記載のナビゲーション方法において、前記比較により前記自車の属性及び前記渋滞の属性が同一と判断された渋滞道路を経由する経路を探索し、前記比較により前記自車の属性及び前記渋滞の属性が異なると判断された渋滞道路を回避する経路を探索することを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項17】
請求項16に記載のナビゲーション方法において、前記渋滞の属性は、該渋滞が地元地域出身の車両による渋滞であるか又は、地元以外の地域出身の車両による渋滞であるかを示す属性であることを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項18】
請求項17に記載のナビゲーション方法において、渋滞を構成する各車両に対して、該渋滞の位置及び該各車両の登録地元情報に基づいて地元地域出身であることを示す第1のパラメータ又は、地元以外の地域出身であることを示す第2のパラメータを付与し、第1のパラメータが第2のパラメータより多い渋滞の属性を、地元地域出身の車両による渋滞であることを示す属性として取得し、第2のパラメータが第1のパラメータより多い渋滞の属性を、地元以外の地域出身であることを示す属性として取得することを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項19】
請求項17又は18に記載のナビゲーション方法において、前記自車の属性は、該自車が地元地域出身の車両であるか又は地元以外の地域出身の車両であるかを示す属性であることを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項20】
請求項19に記載のナビゲーション装置において、前記自車の属性は、前記自車情報取得手段により取得された自車の現在地及び該自車の登録地元情報に基づいて設定されることを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項21】
請求項15乃至20のいずれか1項に記載のナビゲーション方法において、前記登録地元情報は、少なくとも自宅登録地点、ナンバープレートの登録地域、及び経路探索開始点のいずれか一つを含むことを特徴とするナビゲーション方法。

【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図1】
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【公開番号】特開2011−107068(P2011−107068A)
【公開日】平成23年6月2日(2011.6.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−264839(P2009−264839)
【出願日】平成21年11月20日(2009.11.20)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】