説明

ナビゲーション装置、表示方法。

【課題】複数の入出力ユニットを備えたナビゲーション装置において、各ユニットで適切に使用者の意志を反映した情報のやりとりができるようにする。
【解決手段】第1の操作手段の操作で設定され、第1の表示手段での表示に反映させる情報を、第2の表示手段でも表示できるようにしている。この場合、第2の操作手段での指示、即ち第2の操作手段を用いた逐次の操作入力による指示や、予め第2の操作手段の操作によって選択されている表示設定に応じて表示実行/不実行や表示態様の制御を行う。また第2の操作手段及び第2の表示手段側での編集情報は、第1の表示手段における表示内容に反映させることができるが、この場合、第1の操作手段での指示、即ち第1の操作手段を用いた逐次の操作入力による指示や、予め第1の操作手段の操作によって選択されている表示設定に応じて編集にかかる内容の表示実行/不実行や表示態様の制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナビゲーション装置及びその表示方法に関し、特に複数の操作手段、表示手段を備えたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特開2004−245654号公報
【特許文献2】特開2002−323336号公報
【特許文献3】特開平8−5723号公報
【0003】
車載用ナビゲーション装置が普及しているが、近年、例えば運転席側と後部座席側など、車内の複数の場所にモニタディスプレイを設置し、運転者だけでなく、同乗者もナビゲーション画像を見たり、さらには各種操作が可能とされたものが考えられている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば運転席用にモニタディスプレイ及び操作部を設けると共に、後部座席側などに同乗者用のモニタディスプレイ及び操作部を設けるナビゲーション装置を考えた場合、一方の操作による画像が他方に反映されると好適である。
例えば運転者が目的地やルートを設定した場合、その目的地やルートが、後部座席側のモニタディスプレイでの地図画像上に表示されると好ましい。
また、運転者は、運転中に操作できないことを考慮すると、後部座席側で操作を行って、新たなルートや目的地を設定し、これを運転席側のモニタディスプレイでの地図画像上に反映できると、走行中にルート変更などができ、好適である。
【0005】
ところが、これらは必ずしも常に適切とは言えない。例えば運転者にとっては、同乗者によって変更されたルートや目的地を、運転席側のモニタディスプレイに表示したくない場合がある。また、同乗者にルート設定の変更を頼んだ場合でも、その新たなルートに同意できず、運転席側のモニタディスプレイ上で表示されるルートを、新たなルートに変更したくない場合もある。
一方、同乗者にとっては、ナビゲーション画像上で、いろいろな目的地を検索したり、道順を確認したりすることなどで、或る程度自由にナビゲーション装置を利用したい。このときに、運転席側のモニタディスプレイで表示されているルートや目的地を見たい場合もあれば、それを表示することが不要な場合もある。
【0006】
また、これらのことから、一方、例えば運転者側の操作にプライオリティを与え、同乗者側に許可する操作を制限することも考えられる。例えば同乗者側でのルート設定の変更等を禁止するなどである。ところがこの場合、同乗者側の操作が不便となる。
【0007】
つまり、運転者と同乗者はそれぞれナビゲーション装置を独立的に利用できるようにした場合、それぞれが自由に使用できることが好ましい。そして相互の操作にかかる情報、例えばルート情報や目的地等が相手側の地図画面上に反映されるようにすると、場合によっては便利であるが、それが煩わしく感じることもある。
【0008】
そこで本発明では、複数のモニタ表示部及び操作部を設けたナビゲーション装置において、例えば運転者側と同乗者側が自由に利用できるとともに、一方の操作にかかる情報を、他方のモニタ表示部上に反映させることについては、それぞれの使用者によって適切と考えられる場合に実行することで、場合に応じて最適な動作が行われるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9に係るナビゲーション装置は、ナビゲーション表示のための演算及び制御処理を行う演算制御手段と、上記演算制御手段の制御に基づいて画像表示を行う第1の表示手段と、上記第1の表示手段における表示内容に関する操作を行う第1の操作手段と、上記演算制御手段の制御に基づいて画像表示を行う第2の表示手段と、上記第2の表示手段における表示内容に関する操作を行う第2の操作手段とを備える。そして上記演算制御手段は、上記第1の操作手段の操作入力に基づいて設定され、上記第1の表示手段での表示内容に反映させる情報、例えば目的地や経路の情報等を、上記第2の操作手段で入力された指示に基づいて、上記第2の表示手段の表示内容に反映させる制御を行う。
またこの場合、上記第2の操作手段で入力された指示とは、予め第2の操作手段の操作によって選択されている表示設定としてもよく、上記演算制御手段は、上記第1の操作手段の操作入力に基づいて設定された情報を用いた、上記第2の表示手段での表示については、上記表示設定に応じた制御を行う。
また上記演算制御手段は、上記第1の操作手段の操作入力に基づいて設定され、上記第1の表示手段での表示内容に反映されている情報についての編集用画像を、上記第2の表示手段において表示させるとともに、上記編集用画像に対応して上記第2の操作手段の操作入力により行われた編集にかかる編集情報を、上記第2の表示手段の表示内容に反映させる。
また上記演算制御手段は、上記編集情報を、上記第1の操作手段で入力された指示に基づいて、上記第1の表示手段の表示内容に反映させる処理を行う。
この場合、上記第1の操作手段で入力された指示とは、予め第1の操作手段の操作によって選択されている表示設定としてもよく、上記演算制御手段は、上記編集情報を用いた上記第1の表示手段での表示については、上記表示設定に応じた制御を行う。
また上記演算制御手段は、上記第1の表示手段において、上記編集情報を反映させた表示内容と、上記編集情報を反映させない表示内容の比較表示を実行させる。
また上記演算制御手段は、上記第1の操作手段による承認操作が行われた場合に、上記編集情報を、上記第1の表示手段での表示内容として確定させる処理を行う。
上記第1の表示手段及び上記第1の操作手段は車両内の運転席で使用され、上記第2の表示手段及び上記第2の操作手段は車両内の運転席以外で使用される。
【0010】
このようなナビゲーション装置では、第1の操作手段の操作で設定され、第1の表示手段での表示に反映させる情報を、第2の表示手段でも表示できるようにしている。但し、この場合、第2の操作手段での指示、即ち第2の操作手段を用いた逐次の操作入力による指示や、予め第2の操作手段の操作によって選択されている表示設定に応じて表示実行/不実行や表示態様の制御を行う。なおここでの表示設定とは、上記第2の表示手段において、例えば上記第1の表示手段での表示内容に反映させる情報についての表示を行うか否かの設定や、表示を行う場合の表示態様の設定などが考えられる。
また、第2の操作手段及び第2の表示手段側では、第1の操作手段で設定され第1の表示手段で表示に反映されている情報について、編集を実行できるようにする。
また第2の操作手段及び第2の表示手段側での編集情報は、第1の表示手段における表示内容に反映させることができる。但し、この場合、第1の操作手段での指示、即ち第1の操作手段を用いた逐次の操作入力による指示や、予め第1の操作手段の操作によって選択されている表示設定に応じて編集にかかる内容の表示実行/不実行や表示態様の制御を行う。ここでの表示設定とは、上記第1の表示手段において、例えば上記編集情報についての表示を行うか否かの設定や、表示を行う場合の表示態様の設定などが考えられる。
なお、演算制御手段としては、1つの演算制御手段が、第1の操作手段、第1の表示手段、第2の操作手段、第2の表示手段に対応する構成でも良いし、例えば演算制御手段としての複数のユニットを備えて、1つの演算制御ユニットが第1の操作手段、第1の表示手段に対応して制御を行い、他の演算制御ユニットが第2の操作手段、第2の表示手段に対応して制御を行うような構成も考えられる。
【0011】
また本発明の請求項10、11、12、13に係るナビゲーション装置は、ナビゲーション表示のための演算及び制御処理を行う演算制御手段と、上記演算制御手段の制御に基づいて画像表示を行う表示手段と、上記表示手段における表示内容に関する操作を行う操作手段とを備え、上記演算制御手段は、上記操作手段の操作入力に基づいて設定され、上記表示手段での表示内容に反映させる情報を、通信可能に接続された他の表示手段の表示内容に、他の操作手段で入力された指示に基づいて反映させるための処理を行う。
また上記演算制御手段は、上記他の表示手段での表示内容に反映させた情報についての編集情報が入力された場合、上記編集情報を、上記操作手段で入力された指示に基づいて、上記表示手段の表示内容に反映させる処理を行う。
また上記演算制御手段は、上記表示手段において、上記編集情報を反映させた表示内容と、上記編集情報を反映させない表示内容の比較表示を実行させる。
また上記演算制御手段は、上記操作手段による承認操作が行われた場合に、上記編集情報を、上記表示手段での表示内容として確定させる処理を行う。
このナビゲーション装置は、上記した第1の操作手段、第1の表示手段、及び演算制御手段から成る構成に相当する。
【0012】
また本発明の請求項14、15、16に係るナビゲーション装置は、ナビゲーション表示のための演算及び制御処理を行う演算制御手段と、上記演算制御手段の制御に基づいて画像表示を行う表示手段と、上記表示手段における表示内容に関する操作を行う操作手段とを備え、上記演算制御手段は、通信可能に接続された他の表示手段での表示内容に反映された情報が入力されたら、該情報を、上記操作手段で入力された指示に基づいて、上記表示手段の表示内容に反映させる処理を行う。
また上記演算制御手段は、上記他の表示手段での表示内容に反映されている情報についての編集用画像を、上記表示手段において表示させるとともに、上記編集用画像に対応して上記操作手段の操作入力により行われた編集にかかる編集情報を、上記表示手段の表示内容に反映させる。
また上記演算制御手段は、上記編集情報を、上記他の表示手段の表示内容に反映させる情報として処理を行う。
このナビゲーション装置は、上記した第2の操作手段、第2の表示手段、及び演算制御手段から成る構成に相当する。
【0013】
本発明の請求項17、18、19に係る表示方法は、ナビゲーション画像の表示を行う第1の表示手段と、上記第1の表示手段における表示内容に関する操作を行う第1の操作手段と、ナビゲーション画像の表示を行う第2の表示手段と、上記第2の表示手段における表示内容に関する操作を行う第2の操作手段とを備えたナビゲーション装置の表示方法として、上記第1の操作手段の操作入力に基づいて設定された情報を、上記第1の表示手段での表示内容に反映させるステップと、上記第1の表示手段での表示内容に反映させた情報を、上記第2の操作手段で入力された指示に基づいて、上記第2の表示手段の表示内容に反映させるステップと、を備える。
さらに、上記第1の操作手段の操作入力に基づいて設定され、上記第1の表示手段での表示内容に反映されている情報についての編集用画像を、上記第2の表示手段において表示させるステップと、上記編集用画像に対応して上記第2の操作手段の操作入力により行われた編集にかかる編集情報を、上記第2の表示手段の表示内容に反映させるステップと、を備える。
さらに、上記編集情報を、上記第1の操作手段で入力された指示に基づいて、上記第1の表示手段の表示内容に反映させる処理を行うステップと、上記第1の操作手段による承認操作が行われた場合に、上記編集情報を、上記第1の表示手段での表示内容として確定させるステップとを備える。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1の操作手段の操作で設定され、第1の表示手段での表示に反映させる情報を、第2の操作手段での指示に応じて第2の表示手段でも表示できるようにしている。また、第2の操作手段及び第2の表示手段側では、第1の操作手段で設定され第1の表示手段で表示に反映されている情報についての編集を実行できる。また第2の操作手段及び第2の表示手段側での編集情報は、第1の操作手段による指示に応じて、第1の表示手段における表示内容に反映させ、さらには承認して表示内容として確定させることができる。
従って、例えば第1の操作手段、第1の表示手段を運転者が利用し、第2の操作手段、第2の表示手段を同乗者が利用するものとした場合、第2の表示手段においては、同乗者の要/不要の要望に応じて、運転者側で設定したルート情報(経路情報)等を取得して表示するか、或いは表示しないかを決定することが可能になる。
また同乗者側でルート情報等を編集した場合、運転者の要/不要に応じて、編集したルート情報等を取得して、第1の表示手段に表示するか否かを決定することが可能になる。
つまり、運転者側は第1の操作手段、第1の表示手段を、同乗者側は第2の操作手段、第2の表示手段をそれぞれ用いて、それぞれ自由にナビゲーション装置を利用できるとともに、それぞれの要/不要の意志に応じて、相手側で設定した情報を自分側の表示画面に反映させたり、或いは反映させなかったりすることができ、状況に応じた利用が可能となる。
【0015】
また、第1の操作手段、第1の表示手段側、即ち運転者側で設定したルート等の情報を、同乗者が第2の操作手段、第2の表示手段を用いて編集できるため、運転者が操作できない走行中であっても、ルートや目的地等を新たに設定できる。例えば行き先を急に変更したいときなどに便利となる。もちろん運転者は運転中にルートを変更しなくても良いので、安全性も向上できる。
また同乗者も運転者側の情報に基づく編集ができるため編集は容易である。例えばルート情報を編集する場合、現在運転者側で設定されているルート情報を参照しながら新しいルートを設定できるためである。
【0016】
また、第2の操作手段、第2の表示手段で行われた同乗者側での編集情報は、運転者側の第1の表示手段に反映させることができるが、このとき、第1の操作手段の操作、つまり運転者側の意志に応じて、表示を行ったり、編集確定を承認することができる。これにより、ルートを変更する権限は運転者側にあることになり、同乗者に勝手にルートを変更されないようにすることができる。これは、運転者が同乗者のナビゲーション装置の使用を気にする必要をなくし、運転に集中できるため、安全性向上に好適である。
さらに編集情報を反映した表示と反映しない表示の比較表示も実行されるようにすれば、例えば編集による新しいルートと、現在のルートを容易に比較でき、編集の承認などに好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、車載用のナビゲーション装置として実現する例として、本発明の実施の形態を次の順序で説明する。
[1.装置構成概略]
[2.構成例I]
[3.構成例II]
[4.リア側の表示処理例]
[5.リア側の編集処理例]
[6.フロント側の表示処理例]
[7.新旧設定の比較表示処理例]
[8.実施の形態の効果及び変形例]
【0018】
[1.装置構成概略]

図1(a)(b)に、それぞれ構成例I、IIとして、実施の形態のナビゲーション装置の概略構成例を示す。構成例I、IIとも、複数の入出力ユニットを備える。
【0019】
図1(a)の構成例Iは、ナビゲーション本体ユニット30と、フロント用入出力ユニット31Fと、リア用入出力ユニット31Rを有する。
フロント用入出力ユニット31Fは、表示部と操作入力部を含むユーザインターフェースユニットとしており、例えば自動車内でのフロントシート、即ち運転席付近に配置される。なお、フロント用入出力ユニット31Fに含まれるとした表示部と操作入力部は、一体的に構成されていても、別体機器構成でも良い。
またリア用入出力ユニット31Rも、表示部と操作入力部を含むユーザインターフェースユニットとしており、例えば自動車内でのリアシート、即ち後部座席側に配置される。リア用入出力ユニット31Rに含まれるとした表示部と操作入力部は、一体的に構成されていても、別体機器構成でも良い。
ナビゲーション本体ユニット30は、ナビゲーション動作のための各種演算処理や制御処理を行う。
この図1(a)の構成では、ナビゲーション本体ユニット30とフロント用入出力ユニット31Fは、有線又は無線の伝送路32により相互通信可能に接続されている。
またナビゲーション本体ユニット30とリア用入出力ユニット31Rも、有線又は無線の伝送路33により相互通信可能に接続されている。伝送路32を無線とする場合は、赤外線や電波を伝送媒体とする伝送路が考えられる。例えば2.4GHzの無線LAN(Local Area Network)としての伝送路により情報の受け渡しが可能なように構成されてもよい。
【0020】
この構成において、ナビゲーション本体ユニット30は、フロント用入出力ユニット31Fからの操作入力に応じた処理を行い、フロント用入出力ユニット31Fの表示部におけるナビゲーション用の各種画像を表示させる。ナビゲーション画像とは、地図画像、地図上の自車位置、経路、目的地、アイコン、各種設定や検索等のための操作メニュー画面などである。
またナビゲーション本体ユニット30は、リア用入出力ユニット31Rからの操作入力に応じた処理を行い、リア用入出力ユニット31Rの表示部におけるナビゲーション用の各種画像を表示させる。
【0021】
図1(b)の構成例IIは、フロント用ナビゲーション本体ユニット30Fと、リア用ナビゲーション本体ユニット30Rと、フロント用入出力ユニット31Fと、リア用入出力ユニット31Rを有する。
そしてフロント用ナビゲーション本体ユニット30Fとフロント用入出力ユニット31Fは、有線又は無線の伝送路32により相互通信可能に接続されている。
またリア用ナビゲーション本体ユニット30Rとリア用入出力ユニット31Rも、有線又は無線の伝送路33により相互通信可能に接続されている。
さらにフロント用ナビゲーション本体ユニット30Fと、リア用ナビゲーション本体ユニット30Rの間も、有線又は無線の伝送路34により相互通信可能に接続されている。
【0022】
フロント用ナビゲーション本体ユニット30Fは、フロント用入出力ユニット31Fをユーザインターフェースとするナビゲーション動作のための各種演算処理や制御処理を行う。
リア用ナビゲーション本体ユニット30Rは、リア用入出力ユニット31Rをユーザインターフェースとするナビゲーション動作のための各種演算処理や制御処理を行う。
そしてフロント用ナビゲーション本体ユニット30Fとリア用ナビゲーション本体ユニット30Rは、相互にナビゲーション画像表示に用いる情報や制御情報の通信を行う。
【0023】
例えばこの図1(a)(b)のような構成において、本実施の形態では、一方の入出力ユニット(31F又は31R)で操作入力に応じて表示される内容を、他方の入出力ユニット(31R又は31F)での表示に反映されるようにする。「表示に反映される」の意味は、一方の入出力ユニット31で表示される内容が、意味的に、他方の入出力ユニットを見ている使用者に認識できる表示状態である。
例えばフロント用入出力ユニット31Fで表示されている内容を、リア用入出力ユニット31Rの表示に反映させるという場合は、リア用入出力ユニット31Rの表示部に、フロント用入出力ユニット31Fの表示部と同一の画像が表示されても良いし、同一の画像でなくとも、リア用入出力ユニット31Rの表示部を見ているユーザーがフロント用入出力ユニット31Fの表示内容を認識できるような画像が表示されてもよい。例えば互いに異なる縮尺の地図を表示している場合において、フロント側で設定したルート情報が、リア側での表示部において異なる縮尺の地図画面上でのルートとして示されるような場合も含む。
【0024】
なお、図1(a)の構成例Iにおいては、ナビゲーション本体ユニット30が、本発明請求項でいう演算制御手段に相当し、図1(b)の構成例IIにおいては、フロント及びリアのナビゲーション本体ユニット30F、30Rが、本発明請求項でいう演算制御手段に相当する。
またフロント用入出力ユニット31Fにおける表示部、操作入力部が、本発明請求項でいう第1の表示手段、第1の操作手段に相当し、リア用入出力ユニット31Rにおける表示部、操作入力部が、本発明請求項でいう第2の表示手段、第2の操作手段に相当する。
【0025】
[2.構成例I]

上記図1(a)の構成例Iについて図2,図3,図4で詳細を説明していく。
まず図2は、車両41内での配置例を示している。ナビゲーション装置におけるフロント用入出力ユニット31Fは、車両41の車内42において、運転席44の運転者が通常使用するものとして、インパネ43(インストルメントパネル:instrument panel)内に取り付けられている。また、リア用入出力ユニット31Rは、例えば後部座席46に乗車した同乗者が使用可能な位置に配置される。なお、助手席45の同乗者が使用できる位置に設置しても良い。
【0026】
ナビゲーション本体ユニット30についての設置位置は特に限定されないが、車種や接続仕様に応じて適切な位置に配置されればよい。
ナビゲーション本体ユニット30とフロント用入出力ユニット31Fの間は、上述したように有線又は無線の伝送路32で通信可能に接続される。またナビゲーション本体ユニット30とリア用入出力ユニット31Rの間は、有線又は無線の伝送路33で通信可能に接続される。
この図2のように配置されることで、運転者はフロント用入出力ユニット31Fを利用し、後部座席46等の同乗者はリア用入出力ユニット31Rを利用することができる。
【0027】
図3に構成例Iのナビゲーション装置としての詳細なハードウエア構成を示す。上述のようにナビゲーション装置は、ナビゲーション本体ユニット30に対してフロント用入出力ユニット31F、リア用入出力ユニット31Rがそれぞれ伝送路32,33で接続される構成を採る。
【0028】
フロント用入出力ユニット31Fは、操作入力部3Fと出力部2Fを備える。この操作入力部3Fと出力部2Fが運転者に対するユーザインターフェースとして機能する。
出力部2Fは、ナビゲーション本体ユニット30における演算処理部1による演算結果として出力された出力データをユーザに伝達する装置部であり、画像の出力装置である表示部51Fや、図示しない音声出力装置であるスピーカ等である。演算処理部1から送信された表示用データに基づいた表示部51Fでの画面表示を行うため、描画エンジン52Fが設けられる。
操作入力部3Fは ユーザの操作を受け、その操作情報をナビゲーション本体ユニット30における演算処理部1に伝達する装置部である。
そして操作入力部3Fは、例えば フロント用入出力ユニット31Fとしての筐体のパネル上に設けられた各種のキーやジョグダイヤル、スティック等の操作子として実現されたり、該筐体とは別体に設けられたリモートコマンダーとして実現される。リモートコマンダーとされる場合、リモートコマンダー上に設けられたキーやダイヤル等の操作子の操作情報を、赤外線や電波により演算処理部1に送信したり、或いは演算処理部1を有する筐体と有線接続されて操作情報を送信する。
また操作入力部3Fとしては、表示部51Fにおける表示画面上のタッチパネルとされる場合もある。さらには表示部51Fに表示されたメニュー画面やアイコン表示に対してマウスや所定のポインティングデバイスによってクリックを行う形態も操作入力部3Fの一態様として考えられる。
また、操作入力部3Fとしては、マイクロホンを備え、音声を入力できるようにしてもよいし、カメラ部を備え、画像入力ができるようにしても良い。そして、これらの場合、操作入力部3Fには、音声認識装置、画像認識装置を備え、入力された音声や画像を、操作情報として演算処理部1に供給できるようにしても良いし、演算処理部1側に音声認識装置、画像認識装置を備えるようにして、入力された音声や画像を、演算処理部1側で操作情報や、各種入力情報として認識できるようにしてもよい。
【0029】
リア用入出力ユニット31Rは、操作入力部3Rと出力部2Rを備える。この操作入力部3Rと出力部2Rが例えば後部座席46の同乗者等に対するユーザインターフェースとして機能する。構成はフロント用入出力ユニット31Fと同様であり、操作入力部3Rとしては上記操作入力部3Fと同様に各種態様が想定される。また出力部2Rは、フロント用入出力ユニット31Fと同様に表示部51Rや描画エンジン52Rを備える。
【0030】
位置検出部4は、当該ナビゲーション装置の位置、即ち当該ナビゲーション装置が搭載された自動車の位置を検出する装置部であり、例えばGPS(Global Positioning System)を利用したGPS測位装置である。既に公知の通り、GPS測位装置は、複数のGPS衛星から送られてくる電波を受信することで、静止衛星からの位置を計算し、自車の地図上の位置として緯度、経度を求める。
位置検出部4は測位した自車位置としての緯度、経度の情報を演算処理部1に供給する。
【0031】
センサ部5は、車の走行状況や挙動等を検出する装置部である。例えば、車輪の回転数を検知する車速センサ、車体の回転角速度を検知する振動ジャイロセンサ、車の加速度を検知する加速度センサ、車の振動を検知する振動センサなどである。また、車の走行操作装置の状態を検出する装置、例えばパーキングブレーキスイッチやブレーキランプスイッチ、ステアリング舵角センサ、スロットル開度センサなども想定される。
センサ部5によるこれらの検出情報は、演算処理部1に供給される。演算処理部1では、これらのセンサ部5からの検出情報と、位置検出部4からの位置情報とを併せて用いることで、より精度の高い自車位置検出を実行することができる。
【0032】
記憶装置部6は、地図データやPOI(Point of Interest)情報、検索情報、若しくは音楽/映像コンテンツデータなどの大量のデータを保持する記憶装置である。例えばCD−ROMやDVD−ROMの様な光ディスクを記録媒体としたディスクドライブ装置や、ハードディスクドライブの様な磁気記録媒体に対する記録再生装置とされる。また固体メモリを内蔵したメモリカードを記録媒体とするカードリーダ/ライタとされてもよいし、固体メモリによる記憶装置部とされてもよい。
この記録装置部6は、演算処理部1を有するナビゲーション本体ユニット30の筐体に一体的に設けられても良いし、別体とされて有線又は無線で演算処理部1と通信可能とされてもよい。
【0033】
ナビゲーション本体ユニット30の主たる装置部となる演算処理部1は、ナビゲーション装置としての必要な演算処理を行う装置部であり、例えばCPU11、ROM12、RAM13、不揮発性メモリ14、インターフェース部15を備えて構成される。
ROM12には動作プログラムや各種処理に用いる定数、固定情報が記憶される。なお、動作プログラムは、記憶装置部6における記録媒体に格納され、動作時に演算処理部内にロードされるようにしてもよい。
RAM13は、ワーク領域やプログラムのロード領域に用いられたり、一時的な情報の蓄積に用いられる。
不揮発性メモリ14は書換え可能かつシステムの電源供給が途絶えた時にも記憶したデータを保持できるメモリであり、例えば電池によりバックアップされたSRAMやフラッシュメモリ等である。この不揮発性メモリ14には、各種処理に用いる係数やユーザが登録した情報や指定した経路情報、過去の走行履歴情報などが記憶される。
CPU11は、ROM12に記憶されたプログラムに基づいて、ナビゲーション装置として必要な情報処理や制御処理を行う。これらの情報処理や制御処理のために、RAM13をワーク領域として用いたり、ROM12や不揮発性メモリ14に記憶された情報を参照する。
インターフェース15は、演算処理部1と他の各部、即ちフロント用入出力ユニット31F、リア用入出力ユニット31R、位置検出部4、センサ部5、記憶装置部6との間での入出力を行う。インターフェース部15は、操作入力部3F、3Rからの操作情報や各種入力情報、位置検出部4からの位置情報、センサ部5による検出情報を入力し、CPU11に伝達する。またインターフェース部15は、CPU11が出力する制御情報や画像データ、音声データをフロント用入出力ユニット31F及びリア用入出力ユニット31Rに供給し、ナビゲーション装置としての必要な表示出力、音声出力を実行させる。またインターフェース部15はCPU11からのアクセス要求を記憶装置部6に伝え、記憶装置部6に所要のデータ再生、さらに場合によってはデータ記録を実行させる。またインターフェース部15は、記憶装置部6から読み出された地図データ等を演算処理部1内に取り込む。
【0034】
なお、図3には示していないが、ナビゲーション本体ユニット30において、更に 他の機器や LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などのネットワーク等との通信装置部を備えてもよい。例えば、USB(Universal Serial Bus)等の有線通信手段 や ブルートゥース(Bluetooth)等の無線通信装置、メモリカード等のメモリメディア等を用いたオフライン通信装置等である。
【0035】
図4に、後述する本実施の形態の動作のためにCPU11が有する機能、即ちROM12等に記憶されたプログラムに基づいた演算処理により実現される機能を示す。
CPU11の機能として、ナビゲーション処理制御機能21、地図データ読込機能22、自車状況判別機能23、フロント表示制御機能24、リア表示制御機能25、フロント操作検知機能26、リア操作検知機能27が設けられる。これらの機能は、それぞれが個別のプログラムモジュールで実現されても良いし、1つのプログラム内に複数の機能を実行するためのプログラムが混在しても良い。
【0036】
ナビゲーション処理制御機能21は、ナビゲーション装置として必要とされる処理動作を統括的に制御する機能であり、他の各機能に対して処理の指示やタイミング制御を行い、系統的なナビゲーション動作を実行させる。またユーザーの目的地や中継地点の登録、経路探索等の処理や、自車の進行に伴った案内表示、ガイド音声等の出力制御を行う。さらに、後述する、フロント用入出力ユニット31Fとリア用入出力ユニット31Rで相互に関連する表示動作や表示に対する入力に関する全体的な制御処理を行う。
【0037】
地図データ読込機能22は、ナビゲーション処理制御機能21の指示に基づいて、記憶装置部6に対するアクセス指示や地図データの読込を行う。例えば自車位置やユーザーに指定された位置、或いはユーザーが指定した経路情報などに応じて、必要とされる範囲の地図情報をRAM13に読み込む。
なお、もちろん地図データ以外の記憶装置部6において記憶されている各種データの読込も行う。また記憶装置部6がデータ書込可能な装置部であれば、データ書込制御も行う。
【0038】
自車状況判別機能23は、位置検出部4からの位置情報とセンサ部5からの検出情報に基づいて、自車位置や自車の挙動を判別する。
【0039】
フロント表示制御機能24は、フロント用入出力ユニット31Fにおける表示部51Fに対する表示制御を行う。例えば地図データ読込機能22によって読み込まれた地図情報や、自車状況判別機能23で判別された自車位置、さらにはユーザ操作、ユーザの登録情報、POI等に応じて、表示部51Fに表示する地図画像データを生成する。また、地図画像以外に、メニュー画像、アイコン画像、各種イメージ画像、各種案内画像など、表示部51Fに表示させる各種画像データをナビゲーション処理制御機能21の指示に基づいて生成する。
【0040】
リア表示制御機能25は、リア用入出力ユニット31Rにおける表示部51Rに対する表示制御を行う。例えば地図データ読込機能22によって読み込まれた地図情報や、自車状況判別機能23で判別された自車位置、さらにはユーザ操作、ユーザの登録情報、POI等に応じて、表示部51Fに表示する地図画像データを生成する。また、地図画像以外に、メニュー画像、アイコン画像、各種イメージ画像、各種案内画像など、表示部51Rに表示させる各種画像データをナビゲーション処理制御機能21の指示に基づいて生成する。
【0041】
フロント操作検知機能26は、フロント用入出力ユニット31Fにおける操作入力部3Fからの操作情報や各種の入力情報の検出を行い、入力された情報をナビゲーション処理制御機能21に伝える。ナビゲーション処理制御機能21はフロント操作検知機能26によって検出された操作情報等に基づいて、各機能を制御して必要な動作を実行させ、またフロント表示制御機能24による表示制御を実行させる。
【0042】
リア操作検知機能27は、リア用入出力ユニット31Rにおける操作入力部3Rからの操作情報や各種の入力情報の検出を行い、入力された情報をナビゲーション処理制御機能21に伝える。ナビゲーション処理制御機能21はリア操作検知機能27によって検出された操作情報等に基づいて、各機能を制御して必要な動作を実行させ、またリア表示制御機能25による表示制御を実行させる。
【0043】
[3.構成例II]

続いて、上記図1(b)の構成例IIについて図5,図6で詳細を説明していく。
この構成例IIは、フロント用入出力ユニット31Fに対応するフロント用ナビゲーション本体ユニット30Fと、リア用入出力ユニット31Rに対応するリア用ナビゲーション本体ユニット30Rが設けられると共に、フロント用ナビゲーション本体ユニット30Fとリア用ナビゲーション本体ユニット30Rが通信可能に接続されるもので、例えば図5のように構成される。なお、上記図3と同一部分は同一符号を付し、重複説明は避ける。フロント用入出力ユニット31F、リア用ナビゲーション本体ユニット30Rの構成は図3と同様であり、また演算処理部1F、1R内のハードウエア構成は図3の演算処理部1と同様である。
【0044】
この図5の構成の場合、フロント用ナビゲーション本体ユニット30Fにおける演算処理部1Fはフロント用入出力ユニット31Fの操作入力部3Fからの操作に応じて各種処理を行い、表示部51Fにおける所要の表示を実行させる。
またリア用ナビゲーション本体ユニット30Rにおける演算処理部1Rはフロント用入出力ユニット31Fの操作入力部3Fからの操作に応じて各種処理を行い、表示部51Rにおける所要の表示を実行させる。
【0045】
フロント用入出力ユニット31Fには通信部7Fが設けられ、またリア用ナビゲーション本体ユニット30Rには通信部7Rが設けられる。そして通信部7F、7Rが伝送路34を介した通信を行うことで、演算処理部1F、1Rが互いにデータや制御信号の送受信を行うことができるようにされている。
【0046】
位置検出部4で検出される位置情報や、センサ部5による車両に関する検出情報は、演算処理部1Fに供給される。
なお、位置検出部4及びセンサ部5による位置情報、検出情報は、通常運転手用ナビゲーション装置で必要とされるものであるため、図5の例ではフロント用ナビゲーション本体ユニット30Fの演算処理部1Fに供給されるようにしているが、リア用ナビゲーション本体ユニット30Rにおいて、これらの情報を用いて各種処理を行う場合、通信部7F、7R間の通信動作により、これら位置情報、検出情報が演算処理部1Rに供給されるようにすればよい。
また、図5では記憶装置部6F、6Rとして、それぞれ演算処理部1F、1Rに対応して記憶装置部を設けているが、例えば記憶装置部がナビゲーション本体ユニット30F、30Rとは別体に設けられる場合は、1つの記憶装置部6を、演算処理部1F、1Rで共用できるようにしてもよい。
【0047】
この図5の構成例IIの場合において、演算処理部1F、1RのCPU11が後述する本実施の形態の動作のために有する機能、即ちROM12等に記憶されたプログラムに基づいた演算処理により実現される機能を図6に示す。
CPU11の機能として、ナビゲーション処理制御機能21、地図データ読込機能22、自車状況判別機能23、表示制御機能28、操作検知機能29、FR通信機能20が設けられる。これらの機能は、それぞれが個別のプログラムモジュールで実現されても良いし、1つのプログラム内に複数の機能を実行するためのプログラムが混在しても良い。
【0048】
ナビゲーション処理制御機能21、地図データ読込機能22、自車状況判別機能23は、上記図4で説明した機能と同様である。
表示制御機能28は、図4におけるフロント表示制御機能24,リア表示制御機能25と同様の機能であり、対応する表示部51の表示動作を制御する。つまり演算処理部1FのCPU11における表示制御機能28は、表示部51Fでの表示動作を制御する機能であり、演算処理部1RのCPU11における表示制御機能28は、表示部51Rでの表示動作を制御する機能となる。
操作検知機能29は、図4におけるフロント操作検知機能26,リア操作検知機能27と同様の機能であり、対応する操作入力部3からの操作を検出する。つまり演算処理部1FのCPU11における操作検知機能29は、操作入力部3Fでの操作入力を検出する機能であり、演算処理部1RのCPU11における操作検知機能29は、操作入力部3Rでの操作入力を検出する機能となる。
【0049】
FR通信機能20は、通信部7F又は7Rによる通信動作を制御する機能である。演算処理部1FのCPU11におけるFR通信機能20は、通信部7Fによるリア用ナビゲーション本体ユニット30Rとの間の通信動作を制御する。また演算処理部1RのCPU11におけるFR通信機能20は、通信部7Rによるフロント用ナビゲーション本体ユニット30Fとの間の通信動作を制御する。
【0050】
[4.リア側の表示処理例]

例えば以上の構成例I又は構成例IIでは、フロント用入出力ユニット31とリア用入出力ユニット31Rにより、運転者と同乗者がそれぞれ個別にナビゲーション装置を利用できる。
ここで、フロント用入出力ユニット31とリア用入出力ユニット31Rは、単に独立して使用できるだけではなく、互いに相手側の情報を反映した表示を行うことで、連係した使用が可能とされる。
例えば図7には、リア用入出力ユニット31Rの表示部51Rにおいて、フロント用入出力ユニット31Fで表示されている情報を反映させた表示状態を示している。この場合、リアの表示部51Rにおいて、同乗者の操作入力部3Rの操作に応じて、自車位置71を含む地図画像70を表示しているとする。ここでフロント側の表示部51Fでは、目的地75と、目的地までのルート74を表示していたとした場合、この目的地75及びルート74の情報を、図7に示すように、リア側の表示部51Fの地図画像70上に反映させて表示させている状態を示している。
また図7の表示例では、同乗者の操作入力部3Rの操作に応じて、別の目的地73やその目的地73までのルート72を表示している。
【0051】
この図7は一例であるが、このように、リア用入出力ユニット31R側では、表示部51Rにおいて操作入力部3Rの操作に基づく表示に加えて、フロントの表示部51Fでの表示内容、つまりフロント側の操作入力部3Fによる操作や設定入力に応じた表示内容を反映させた表示を行うことができる。
これにより、例えば同乗者側では、運転者側で設定したルートや目的地を確認したり、そのルート等を比較検討しながら新たな目的地やルートを設定することなどが可能となる。
このような表示処理は、構成例Iの場合は、図4のナビゲーション処理制御機能21が、フロント操作検知機能26の検出情報に応じてフロント表示制御機能24により表示制御させている情報を、リア表示制御機能25にも受け渡して表示部51Rに表示させることで実現される。
また構成例IIの場合は、演算処理部1Fのナビゲーション処理制御機能21が、操作検知機能29の検出情報に応じて表示制御機能28により表示部51Fに表示させている情報を、通信部7F、7Rの通信により演算処理部1Rに送信し、演算処理部1Rの表示制御機能28が表示部51Rに表示させることで実現される。
【0052】
但し、このように一方の表示部51の表示内容を他方の表示部51の表示内容として反映させる表示は、ユーザーの必要に応じて実行する。
まずここでは、目的地及びルートの情報を例に挙げ、フロント用入出力ユニット31F側で設定・表示されている目的地及びルートを、リア用入出力ユニット31Rの表示部51Rに表示させる場合の処理について説明する。
【0053】
なお、以下では構成例Iの場合で処理動作を説明していくが、同様の処理は、全て構成例IIの場合でも可能である。即ち、以下の説明において、演算処理部1のCPU11の処理は、構成例IIの場合は、演算処理部1F又は1RのCPU11の処理となる。
特に以下の説明における、CPU11のナビゲーション処理制御機能21の処理は、構成例IIの場合は演算処理部1FのCPU11のナビゲーション処理制御機能21、又は演算処理部1RのCPU11のナビゲーション処理制御機能21の処理となる。
また以下の説明におけるフロント表示制御機能24、リア表示制御機能25による表示処理は、それぞれ構成例IIの場合、演算処理部1Fの表示制御機能28、演算処理部1Rの表示制御機能28の処理となり、またフロント操作検知機能26,リア操作検知機能27による処理は、それぞれ構成例IIの場合、演算処理部1Fの操作検知機能29、演算処理部1Rの操作検知機能29の処理となる。
【0054】
図8は、リア用入出力ユニット31Rを用いた同乗者の使用により、リア側の表示部51Rで何らかの表示を行っている際に、フロント用入出力ユニット31Fを用いた運転者側の操作によって、目的地やルートの設定或いは設定変更が行われた場合のCPU11の処理を示している。図9、図10,図11での表示例を参照しながら説明する。
【0055】
ステップF100は、操作入力部3Rの操作及びナビゲーション処理制御機能21の処理に応じて、リア表示制御機能25が表示部51Rにおいて所要の画像を表示させている処理を示している。
ここでフロント用入出力ユニット31Fの操作入力部3Fを用いた設定操作により、目的地やルートの設定、もしくは設定変更が行われ、フロントの表示部51Fでの表示状態が変更されたとする。つまりフロント操作検知機能26で検出された運転者側の目的地・ルート設定操作によりナビゲーション処理制御機能21が新たなルートを検索し、その結果の画像をフロント表示制御機能24により表示部51Fで表示させたとする。
この場合、CPU11(ナビゲーション処理制御機能21)は、リア側の表示に関する処理をステップF101からF102に進める。
ステップF102では、リア側での表示設定、即ちフロント側の目的地・ルートの情報についての、リア側での表示に関して予めなされた設定を確認する。
【0056】
この表示設定は、同乗者がリア用入出力ユニット31Rにおける操作入力部3Rの操作で予め実行するものである。この設定操作例について説明しておく。
例えば任意の時点で操作入力部3Rからの設定操作要求がリア操作検知機能27により検出されると、ナビゲーション処理制御機能21は、リア表示制御機能25により例えば図11のような設定画面を表示部51Rに表示させる。或いは起動時などに自動的に、このような設定画面を表示させてもよい。
この設定画面では、運転者側で設定された目的地・ルートを、リアの表示部51Rで表示させるか否かを「YES」「NO」で選択する選択表示81や、後述する確認ダイアログ表示を行うか否かを「YES」「NO」で選択する選択表示82、さらに後述するポップアップ表示を行うか否かを「YES」「NO」で選択する選択表示83を含むようにする。
例えば同乗者が運転者側での目的地・ルートの設定を表示部51Rで表示させたい場合は、選択表示81に対して「YES」を入力する。また同乗者が運転者側での目的地・ルートの設定を表示部51Rで表示させたくない場合は、選択表示81に対して「NO」を入力する。
また、選択表示81に対して「YES」を入力した場合は、その表示の際の態様として、確認ダイアログ表示を実行するか否かを選択表示82に対する「YES」「NO」入力で設定する。さらに、表示の際の態様として、ポップアップ表示を実行するか否かを選択表示83に対する「YES」「NO」入力で設定する。
ナビゲーション処理制御機能21は、このような設定画面に対して操作入力部3Rの操作で入力された設定情報を例えば不揮発性メモリ14等に保持しておき、ステップF102の処理の際に参照することになる。
【0057】
このような、表示設定として選択表示81での「NO」が設定されていた場合は、同乗者は運転者側での目的地・ルートの設定を見る意志がないとして、ステップF102から図8の処理を終え、ステップF100で通常の操作に応じた表示処理を継続する。
一方、表示設定として選択表示81での「YES」が設定されていた場合は、同乗者は運転者側での目的地・ルートの設定を見る意志があると判断して、CPU11の処理はステップF102からF103に進む。
CPU11は、ステップF103では上記の表示設定を参照し、確認ダイアログ表示を実行する設定がなされているか否かを確認する。そしてCPU11の処理は、確認ダイアログ表示を実行する表示設定であった場合はステップF104に進み、表示部51Rに確認ダイアログを表示させる。即ちナビゲーション処理制御機能21がリア表示制御機能25に指示して確認ダイアログ表示制御を実行させる。
【0058】
ここまでの表示例を図9、図10(a)に示す。
まずフロントの表示部51Fでは、目的地・ルートの設定に応じて、図9(a)のような表示が実行されていたとする。即ち地図画像70F上に、自車位置71,目的地73,及び目的地までのルート72が表示されている。
一方、リア側の表示部51Rでは、同乗者の操作入力部3Rからの操作に応じたステップF100の表示処理より、図9(b)の表示が実行されていたとする。例えばフロント側とは異なる縮尺の地図画像70Rが表示されている。
ここで、図8の処理でステップF104に進んで確認ダイアログ表示を行う場合は、図10(a)のように、表示部51Rの地図画像70R上に、確認ダイアログ76を表示させることになる。この確認ダイアログ76は、上記図11の画面で予め行う表示設定とは異なり、このステップF104に進む都度、フロント側での目的地・ルートの設定を反映した表示を実行するか否かをユーザに選択させる表示となる。ユーザーは操作入力部3Rの操作により、図10(a)の確認ダイアログ76に対して「YES」又は「NO」を入力する。
【0059】
確認ダイアログ76に対してユーザーが「NO」を入力した場合は、ステップF105から図8の処理を終える。
確認ダイアログ76に対してユーザーが「YES」を入力した場合は、ステップF105からステップF106に進む。
また、図11の設定画面を用いて予めなされた表示設定において、確認ダイアログ表示を実行しないことが選択されていたことをステップF103で確認した場合は、図10(a)の表示を行わずにステップF103からF106に進む。
【0060】
CPU11は、ステップF106では上記の表示設定を参照し、ポップアップ表示を実行する設定がなされているか否かを確認する。そしてCPU11の処理は、ポップアップ表示を実行する表示設定であった場合はステップF107に進み、表示部51Rでポップアップ表示を行う。例えば図10(b)ように、それまで表示していた地図画像70Rの上にポップアップ表示77として、フロント側の表示部51Fでの表示している地図画像70Fを表示させる。即ちナビゲーション処理制御機能21は、フロント表示制御機能24で表示制御させている地図画像70Fの情報をリア表示制御機能25にも与え、表示部51Fと同様の画像を表示部51Rにおいてポップアップ画像として表示させるようにする。
この図10(b)のようにポップアップ表示される地図画像70Fには、自車位置71、ルート72,目的地73が表示されており、これによりリア側の表示部51Rを見ている同乗者は、運転者側での目的地・ルートの設定を確認できることになる。
【0061】
このポップアップ表示は、ステップF108でポップアップ表示終了と判断されるまで継続する。例えば一定時間、或いは同乗者が操作入力部3Rでポップアップ終了の操作を行うまで継続させる。
一定時間経過又は操作によりポップアップ表示77を終了させる際には、CPU11は処理をステップF109に進める。
また、図11の設定画面を用いて予めなされた表示設定において、ポップアップ表示を実行しないことが選択されていたことをステップF106で確認した場合は、図10(b)の表示を行わずにステップF106からF109に進む。
【0062】
CPU11は、ステップF109では、フロント側での目的地・ルートの設定を反映した表示を、リア側の表示部51Rにおいて実行させる。即ちナビゲーション処理制御機能21は、フロント側での目的地・ルートの設定情報をリア表示制御機能25に与え、例えば図10(c)のような表示を表示部51Rにおいて実行させる。
この図10(c)の表示画像は、それまで表示部51Rにおいて図9(b)のように表示していた所定の縮尺での地図画像70R上で、フロント側で設定された目的地73及びルート72を表示したものとなる。
このような表示部51Rでの表示によっても、同乗者は、運転者側で設定された目的地・ルートの設定を確認することができる。
【0063】
なお、表示部51Fと表示部51Rにおいて、例えば図9(a)(b)のように異なる縮尺、或いは異なる地域範囲で地図画像を表示させていた場合、ステップF109でリア側の表示部51Rにおいて、フロント側での目的地・ルートの設定情報を反映させた表示を行おうとしても、その目的地やルートが、その時点で表示部51Rに表示されている地図範囲に含まれない場合がある。その場合、図10(c)のようには表示できない。
このような場合は、例えばリア側の表示部51Fにおいて表示する地図画像70Rの地図範囲を、目的地73やルート72が含まれる範囲にまで移動させたり、或いは縮尺を変更することで、地図画像70R上で目的地73やルート72が表示されるようにしてもよい。又は、ステップF109に進んだ時点で、直ぐに目的地73やルート72が表示できなくとも、例えば自車の進行や、操作入力部3Rからの同乗者のスクロール操作等に応じて表示させている地図画像70Rの範囲が移動していき、地図画像70Rが、目的地73やルート72が含まれる範囲となったときに、その地図画像70R上で目的地73やルート72を表示させるようにしてもよい。
【0064】
CPU11が以上の処理を行うことで、フロント側で運転者等が設定した目的地・ルートについては、リア側の同乗者が必要と考えた場合に、リア側の表示部51Fにおける表示に反映させ、同乗者が確認できることになる。リア側の同乗者が、フロント側で設定された目的地・ルートを表示部51Rに表示させるか否かの選択は、予め図11の設定画面を用いた表示設定により可能であり、また確認ダイアログ76に対する入力によってその都度選択が可能となる。
【0065】
またポップアップ表示が行われることによれば、表示部51Rにおいて全く異なる地域の地図画像や、或いは地図画像以外、例えば操作メニュー画像や各種設定/登録用の画像が表示されていた場合でも、それらの画像をポップアップ下に維持したまま、フロント側で設定された目的地・ルートを確認できる。例えばオーディオ・ビジュアル機器が接続されていた場合における再生画像や関連画面等が表示されていても、ポップアップ表示により目的地・ルートを確認できる。従って、リア側の同乗者は、必ずしも地図画像70Rを表示させていなくてもよく、自由に使用しているときにも目的地・ルートの確認ができるものとなる。
なお、地図画像以外の表示を行っているときに、ポップアップ表示が行われた後(或いはポップアップ表示が行われずに)ステップF109に進んだ場合は、その地図画像以外の表示を継続すればよい。そして同乗者が操作入力部3Rの操作によって表示部51Rの表示を地図画像に切り換えた場合に、その地図画像70Rにおいて、目的地73やルート72が表示されるようにすればよい。
ユーザーは、表示部51Rで地図画像以外の表示を行っている最中であっても、フロント側で目的地・ルートの設定がなされた場合にはそれを確認したいと思えば、図11の設定画面においてポップアップ表示を行うことを選択した表示設定を行っておけばよい。またフロント側で目的地・ルートの設定については表示部51Rの地図表示に反映させて確認したいが、地図画像以外の表示を行っているときには、それを表示させたくないと思えば、ポップアップ表示を行わないとする表示設定を行っておけばよい。
【0066】
[5.リア側の編集処理例]

次に、同乗者がリア用入出力ユニット31Rを用いて、運転者側でなされた目的地・ルートの設定に対する編集を行う処理例を説明する。例えば現在設定されている目的地に加えて新たな目的地を追加したり、或いは目的地やルートを変更したり、或いは帰りのルートを設定するような編集である。
【0067】
リア用入出力ユニット31Rを使用する同乗者は、上述したようにフロント側で設定された目的地・ルートを表示部51Rに表示させて確認することができる。このようにして目的地・ルートの設定を確認すると共に、その目的地・ルートを操作入力部3Rの操作により編集することができる。図12は、リア用入出力ユニット31Rを用いた編集の際のCPU11の処理を示し、また図13は、その編集の際の表示画面の例を示している。
図12の処理は、ナビゲーション処理制御機能21、リア表示制御機能25、リア操作検知機能27によって行われる。
【0068】
図12におけるステップF100は、上記図8と同様に、リア側での操作に応じた表示処理を示している。同乗者が操作入力部3Rの操作により編集開始を指示すると、CPU11は図12のステップF201でこれを検知し、ステップF202に進める。そしてフロント側で設定されている目的地・ルートの情報から編集画面を生成して表示部51Rに表示させる。即ちナビゲーション処理制御機能21は、フロント側で設定された目的地・ルートの設定情報に基づいてリア表示制御機能25により編集画面表示を指示し、リア表示制御機能25は、例えば図13(a)のような編集用の画像を表示部51Rに表示させる。
【0069】
図13(a)の編集用画像は、ルート情報として、例えば現在の自車位置表示91として「○○付近」という表示を含む。また現在設定されている目的地表示92として、「××shop」という表示を含む。そして、この自車位置表示91と目的地表示92の間にはブランク表示93を用意し、また進行方向に見て目的地表示92の次にもブランク表示94を用意する。
また、バー96として、既に設定済の範囲が示され、バー97により未設定の範囲が示されている。
ブランク表示93,94は、ユーザーが新たに目的地や経由地を入力できるようにするために表示されるものである。即ちブランク表示93は、現在の自車位置「○○付近」から設定済の目的地「××shop」に至る間に、寄っていきたい目的地(経由地)を入力できるようにするために表示され、またブランク表示94は、設定済の目的地「××shop」に至った後に行きたい次の目的地を入力できるようにするために表示される。
【0070】
このような編集用画像の表示に対して、例えばユーザーはブランク表示93やブランク表示94を選択したうえで、新たな目的地を指定する操作を行うことで、目的地を追加できる。さらにはユーザーは目的地表示92を選択した上で、新たな目的地を指定する操作を行うことで、目的地を変更することができる。
CPU11はステップF203で、編集用画像に対するユーザーの操作に応じて所要の表示処理を行う。
例えばCPU11は、ユーザーがブランク表示93を選択することによって、表示を地図画像に切り換え、地図上でユーザーが任意の位置や施設等を入力できるようにしても良い。或いはCPU11は、ユーザーがブランク表示93を選択したら、表示を検索メニュー等に切換、例えばレストラン、公園、ショップなどのカテゴリやPOIによりユーザーが検索を行い、経路付近の新たな目的地を探すことができるようにしてもよい。もちろん、ユーザーが住所や地名、店名等を入力できるような画面を表示させて、新たな目的地の指定ができるようにしてもよい。
ユーザーがブランク表示94を選択した場合や、目的地表示92を選択した場合も同様に、CPU11は何らかのユーザーインターフェース表示により、ユーザーが新たな目的地を入力できるようにする。
【0071】
また、CPU11はステップF203において、ユーザーが新たな目的地を入力することに応じて、編集用画像を更新していく。例えば図13(b)は、ユーザーが図13(a)におけるブランク表示94を選択したうえで新たな目的地として「△△レストラン」を入力した後の表示例である。
この場合、当初の目的地表示92に加えて、その次の目的地表示95として「△△レストラン」が示される。また、このとき、現在の自車位置表示91と、目的地表示92の間にブランク表示93が用意され、さらに目的地表示92と新たな目的地表示95の間にもブランク表示94は用意されて、さらに、目的地を追加できるようにする。また、この図13(b)にはあらわれていないが、新たな目的地表示95の次にもブランク表示を用意して、さらに次の目的地も入力できるようにする。この表示はスクロールバー98により上下にスクロールできるようにし、ユーザーは任意のブランク表示や目的地表示を選んで、目的地の追加や変更ができるようにする。
【0072】
CPU11は、ステップF203としてユーザーの編集操作に対応して、上記のように所要の表示を行っている際、ユーザーがキャンセル操作を行ったことを検知したら、ステップF205から図12の処理を終え、それまでの編集操作は無効として、ステップF100の通常表示に戻る。
また、ユーザーは所望の編集、つまり目的地の追加等を行った後に、その編集を確定させる編集完了操作を行った場合は、ステップF206に進んで、新たなルートが設定されたとして、その設定をリア側での目的地・ルートの設定として記憶し、またその編集結果に応じた表示を、表示部51Rにおいて実行させる。この編集結果の表示は、例えば図13(b)のような編集用画像としてそのまま所定時間、或いはユーザが他の操作を行うばで表示しても良いし、例えば図16(a)のように、地図画像70R上で、新たな設定を表示させてもよい。この図16(a)は、それまでフロント側で設定されていた目的地73とルート72が表示されていることに加えて、新たにリア側で設定した目的地82と、その目的地82までのルート81が表示されている。
【0073】
なお、構成例Iの場合は、CPU11は、ステップF206の編集による新ルート設定に応じて、後述する図14の処理を行うことができる。
一方、構成例IIの場合は、図12の処理はリア用ナビゲーション本体ユニット30RのCPU11が行うものとなるが、フロント用ナビゲーション本体ユニット30FのCPU11が後述する図14の処理を実行できるようにする必要がある。そこでリア用ナビゲーション本体ユニット30RのCPU11は、ステップF206の処理の時点で、編集にかかるルートや目的地の情報をフロント用ナビゲーション本体ユニット30F側に通知することになる。
【0074】
以上のように、例えば同乗者は、リア用入出力ユニット31Rを用いて、フロント側で設定された目的地・ルートを参照しながら、新たな目的地を設定したり、目的地を変更するような編集を行うことができる。特に運転者は、走行中にはこれらの設定操作は不可能であるが、同乗者がリア用入出力ユニット31Rを用いて編集できることで、走行中の目的地・ルートの設定や変更が可能になることは好適である。例えばドライブ中に新たな行き先を探したり、目的地を変更したり、帰りのルートを検索する場合などに、非常に便利となる。
【0075】
[6.フロント側の表示処理例]

ところで、上記のように同乗者が目的地・ルートの設定の編集を行った場合、その新たなルート等を運転者が確認できるようにするには、フロント用入出力ユニット31Fの表示部51Fにおいて、編集結果に応じた表示が実行されるようにする必要がある。
ところが、同乗者が編集を行ったときに、その編集結果をそのままフロント側に反映させ、運転者が見ている表示部51Fの地図画像上でルートや目的地を変更してしまうことは、必ずしも適切ではない。例えば運転者が目的地の変更や追加に同意できない場合もあるし、また同意できる場合であったとしても、運転者が知らないうちに、或いは変更内容を確認できないうちに表示上でルート等が変更されることも適切でない。また表示部51Fの表示において同乗者の意志のみに基づいてルート等を変更してしまうことは、運転中の意識として運転者に負担をかけるおそれもあり、安全性の上からも好ましくない。
【0076】
そこで本例では、リア用入出力ユニット31R側でなされた編集結果については、以下説明するような処理により運転者側、即ちフロント用入出力ユニット31Fの表示部51Fに反映させるようにする。
【0077】
図14,図15は、リア用入出力ユニット31R側で行われた編集結果についての、フロント用入出力ユニット31Fでの対応に関するCPU11の処理を示している。なお、個の図14,図15の処理は、CPU11のナビゲーション処理制御機能21、フロント表示制御機能24、フロント操作検知機能26による処理となる。図16,図17の表示例を参照しながら説明する。
【0078】
図14におけるステップF300は、操作入力部3Fの操作及びナビゲーション処理制御機能21の処理に応じて、フロント表示制御機能24が表示部51Fにおいて所要の画像を表示させている処理を示している。
上述のようにリア用入出力ユニット31R側での編集が行われた場合、CPU11は、フロント側の表示に関する処理をステップF301からF302に進める。なお、リア側の表示部51Rでは、図16(a)に示すような編集が行われたとする。即ち上述したように、元々運転者側で設定した目的地73、ルート72に加えて、同乗者が新たな目的地82及びルート81を設定したとする。
ステップF302では、フロント側での表示設定、即ちリア側の編集にかかる目的地・ルートの情報についての、フロント側での表示に関して予めなされた設定を確認する。
【0079】
この表示設定は、ユーザー、例えば運転者がフロント用入出力ユニット31Fにおける操作入力部3Fの操作で予め実行するものであり、上述したリア側での図11のような設定画面に対する入力操作と同様である。即ち、CPU11はユーザの操作に基づいた時点や、或いは起動時などに、図11のような設定画面を表示部51Fに表示させる。これに対してユーザは、操作入力部3Fで設定画面の選択表示81,82,83に対する入力を行っていく。これにより、リア側で設定(編集)された目的地・ルートの情報を、フロント側の表示部51Fの表示に反映させるか否か、又は反映させる場合の表示態様を、予め選択して設定しておくことができる。
ナビゲーション処理制御機能21は、このような設定画面に対して操作入力部3Rの操作で入力された設定情報を例えば不揮発性メモリ14等に保持しておき、ステップF302の処理の際に参照することになる。
【0080】
ここで、表示設定として選択表示81での「NO」が設定されていた場合は、運転者は同乗者側での目的地・ルートの編集設定を見る意志がないとして、ステップF302から図14の処理を終え、ステップF300で通常の操作に応じた表示処理を継続する。
一方、表示設定として選択表示81での「YES」が設定されていた場合は、運転者は同乗者側での編集による目的地・ルートを見る意志があると判断して、CPU11の処理はステップF302からF303に進む。
CPU11は、ステップF303では上記の表示設定を参照し、確認ダイアログ表示を実行する設定がなされているか否かを確認する。そしてCPU11の処理は、確認ダイアログ表示を実行する表示設定であった場合はステップF304に進み、表示部51Fに確認ダイアログを表示させる。即ちナビゲーション処理制御機能21がフロント表示制御機能24に指示して確認ダイアログ表示制御を実行させる。
この直前まで、表示部51Fには、図9(a)のように、地図画像70F上で自車位置71,ルート72,目的地73が表示されていたとすると、その地図画像上に図16(b)のように確認ダイアログ83を表示させることになる。
【0081】
この確認ダイアログ83は、上記図11の画面で予め行う表示設定とは異なり、このステップF304に進む都度、リア側での目的地・ルートの編集設定を反映した表示を実行するか否かをユーザに選択させる表示となる。ユーザー(運転者)は操作入力部3Fの操作により、図16(b)の確認ダイアログ83に対して「YES」又は「NO」を入力する。
ただし運転者は、運転中にいつでも、この確認ダイアログ83に対する入力ができるわけではない。運転中は表示部51Fを見ることができず、当然操作入力部3Fも使用できない。表示部51Fの表示内容を視認したうえで操作入力部3Fを使用できるのは停車しているときのみである。
このため、確認ダイアログ83が表示され、ユーザー入力がないまま、或る程度時間が経過してしまうことが考えられる。
そこで、確認ダイアログ83を表示させた後はステップF305でユーザー入力を監視すると共にステップF306で、入力がないまま確認ダイアログ83の表示が所定時間以上経過してしまったか否かを判別する。
【0082】
もし入力がないまま所定時間経過したら、CPU11は処理をステップF307に進め、一旦、確認ダイアログ83の表示を終了させる。そしてステップF308で図16(c)のようにアイコン85の表示を行い、このアイコン85によって、リア側で編集した新たな目的地やルートの候補が存在することを提示するようにする。そしてステップF309でユーザー、つまり運転者の入力を待機する。
【0083】
運転者は、例えば停車した際などに表示部51Fを見ると、アイコン85によって新たな目的地やルートの候補が存在することを知ることができる。このとき、操作入力部3Fを用いてアイコン85を選択する入力を行うと、CPU11は処理をステップF310に進め、アイコン85の表示を終了させるとともに、ステップF304に戻って再び図16(b)のように確認ダイアログ83を表示させる。
このときは停車中などであるため、運転者側は確認ダイアログ83に対する入力が可能である。
【0084】
確認ダイアログ83に対してのユーザー入力があったことを検知したら、CPU11は処理をステップF305からF311に進め、入力が「YES」であるか「NO」であるかにより処理を分岐する。
確認ダイアログ83に対する入力が「NO」であった場合は、運転者側はリア側での編集結果を表示させることを拒否したとして、図14の処理を終了させ、ステップF300に戻る。これは運転者側が同乗者側での編集を認めなかったものとして、これにより、リア側での編集内容は、フロント側の表示上に反映させないものとなる。
なお、別例として、「NO」入力に応じてステップF311からステップF307,F308に進んで、再びアイコン表示を行い、入力を待機するようにしてもよい。
【0085】
ステップF311で、確認ダイアログ83に対する入力が「YES」であったと判断された場合は、運転者がリア側での編集結果を確認する意志があるとして、図15のステップF312に進む。
また、図11のような設定画面を用いて予めなされた表示設定において、確認ダイアログ表示を実行しないことが選択されていたことをステップF303で確認した場合は、図16(b)の表示を行わずにステップF303から図15のステップF312に進む。
【0086】
CPU11は、ステップF312では上記の表示設定を参照し、ポップアップ表示を実行する設定がなされているか否かを確認する。そしてCPU11の処理は、ポップアップ表示を実行する表示設定であった場合はステップF303に進み、表示部51Fでポップアップ表示を行う。例えば図17(a)ように、それまで表示していた地図画像70Fの上にポップアップ表示80として、リア側で編集にかかる地図画像70Fを表示させる。即ちナビゲーション処理制御機能21は、リア側でなされた編集情報をフロント表示制御機能24に与え、表示部51Fおいてポップアップ画像として表示させるようにする。
この図17(a)のようにポップアップ表示される地図画像70Rには、編集後の目的地・ルートとして、ルート72,目的地73、ルート81,目的地82が表示されており、これにより運転者は、同乗者がリア用入出力ユニット31Rで行った編集内容を確認できることになる。
【0087】
このポップアップ表示は、ステップF314でポップアップ表示終了と判断されるまで継続する。例えば一定時間、或いは運転者が操作入力部3Fでポップアップ終了の操作を行うまで継続させる。
一定時間経過又は操作によりポップアップ表示80を終了させる際には、CPU11は処理をステップF315に進める。
また、図11の設定画面を用いて予めなされた表示設定において、ポップアップ表示を実行しないことが選択されていたことをステップF312で確認した場合は、図17(a)の表示を行わずにステップF312からF315に進む。
【0088】
CPU11は、ステップF315では、図17(b)のように変更ダイアログ84及び編集にかかる新たな目的地・ルートを表示させる。そしてステップF316でユーザー、つまり運転者側の操作入力を待つ。
この図17(b)の表示は、運転者側が、編集内容を承認するか否かを確認する画面となる。運転者は、フロント側での設定を、リア側での編集にかかる新たな目的地・ルートに変更しても良いと考えれば、変更ダイアログ84に対して「YES」を入力すればよく、また変更を認めない場合は、変更ダイアログ84に対して「NO」を入力すればよい。
【0089】
但し、この場合も運転者は、運転中などであって、この変更ダイアログ84に対する入力ができない場合がある。このためCPU11はステップF317で、変更ダイアログ84が表示され、ユーザー入力がないまま、所定時間が経過したか否かを判断しており、もし入力がないまま所定時間経過したら、CPU11は処理をステップF318に進め、一旦、編集にかかる新たな目的地・ルートと、確認ダイアログ83の表示を終了させる。そしてステップF319で図16(c)のように元々の目的地・ルート設定による地図画像とアイコン85の表示を行い、このアイコン85によって、リア側で編集した新たな目的地やルートの存在を提示するようにする。
そしてステップF320でユーザー、つまり運転者の入力を待機する。
【0090】
運転者が、例えば停車して操作入力部3Fの操作が可能となった際などに、アイコン85を選択する入力を行うと、CPU11は処理をステップF321に進め、アイコン85の表示を終了させるとともに、ステップF315に戻って再び図17(b)のように新たな目的地やルートと変更ダイアログ84を表示させる。
そして運転者による変更ダイアログ84に対する入力を待つ。
【0091】
変更ダイアログ84に対してのユーザー入力があったことを検知したら、CPU11は処理をステップF316からF322に進め、入力が「YES」であるか「NO」であるかにより処理を分岐する。
変更ダイアログ84に対する入力が「NO」であった場合は、運転者側は、リア側での編集に応じてフロント側での設定を変更することを拒否したとして、ステップF322から図15の処理を終了させ、ステップF300に戻る。これは運転者側が同乗者側での編集を、一旦表示部51Fで確認したが、結局認めなかった場合であり、これにより、リア側での編集内容は、フロント側の表示上に反映させないものとなる。表示部51Fでは、運転者側で行った最初の目的地・ルートの設定に応じた地図表示が行われる。
【0092】
ステップF322で、変更ダイアログ84に対する入力が「YES」であったと判断された場合は、運転者がリア側での編集結果を有効なものとして承認する意志があるとしてステップF323に進む。CPU11は、ステップF323でフロント側での目的地・ルートの設定を、リア側での編集による目的地・ルートの設定に更新する。そして図15の処理を終え、ステップF300に戻る。以降、例えばフロント側の表示部51Fでは、図17(c)のように新たな設定にかかる目的地73,82やルート72,81を示した地図画像70Fが表示されることになる。
【0093】
CPU11が以上の処理を行うことで、リア側での目的地やルートの編集内容についてはフロント側で、運転者等の意志に応じて表示されたり、また設定変更が承認される。
表示部51Fでリア側の編集内容を表示させるか否かは、予め図11の設定画面を用いた表示設定により可能であり、また確認ダイアログ84に対する入力によってその都度選択が可能となる。
さらにリア側の編集内容を有効なものとして、フロント側の設定を変更させるか否かは、変更ダイアログ84に対する入力によって選択できる。
つまり、運転者は、リア側での編集内容を見たいと思う場合のみに見ることができ、また承認した場合のみ、その編集にかかる設定を、フロント側の設定として有効化することができる。これによって、運転者はリア側の編集操作を気にすることなく運転でき、また運転中に知らないうちに表示部51Fでの目的地やルートが変わってしまうということもないため、表示部51Fの表示に混乱することがない。従って、運転中の表示部51Fの表示として適切なものとなる。
もちろん、リア側での編集を承認することによっては、運転中の目的地変更等にも好適となる。つまり同乗者に目的地やルートの編集を行ってもらい、これをフロント側の設定として採用することで、運転中にルート等を変更した画面を確認できることになる。つまり急に目的地を替えたくなったような場合にも、同乗者の協力の下、安全に、表示されるルート等を変更できる。
【0094】
また、確認ダイアログ83や変更ダイアログ84によりユーザーに入力を求める場合は、一定時間入力がなければアイコン表示に切り換えるようにしている。これにより運転中などで入力できないときに、いつまでも入力を求めることをなくしており、運転者に入力負担をかけないことで、安全性を向上させる。又そのような場合に確認ダイアログ83や変更ダイアログ84の表示を一旦終了させることで、これらのダイアログによって地図画像70Fの一部が隠されてしまう状態が継続されない。つまり、運転者がルート確認をする場合に確認ダイアログ83や変更ダイアログ84が邪魔になる状態が継続されないため、運転者側の表示として適切となる。
もちろん、確認ダイアログ83や変更ダイアログ84を一旦終了させても、運転者はアイコン85によって、リア側での編集内容が存在することを知ることができるため、適切な時点で確認ダイアログ83や変更ダイアログ84に対する応答操作を行うことができる。
【0095】
またポップアップ表示によって、編集にかかる新しい設定の候補を容易に確認できるとともに、ポップアップの態様を採ることで、それが新たな設定の候補であることを運転者が認識しやすいものとなる。
もちろんフロント側の表示部51Fで全く異なる地域の地図画像や、或いは地図画像以外、例えば操作メニュー画像や各種設定/登録用の画像が表示されていた場合でも、それらの画像をポップアップ下に維持したまま、リア側で設定された目的地・ルートを確認できる。
またユーザーは、表示部51Fで地図画像以外の表示を行っている最中であっても、リア側で目的地・ルートの編集設定がなされた場合にはそれを確認したいと思えば、図11の設定画面においてポップアップ表示を行うことを選択した表示設定を行っておけばよい。
【0096】
[7.新旧設定の比較表示処理例]

上記のようにフロント側では、リア側での編集内容を確認し、これを承認するか否かを選択できる。ここで、目的地やルートについて元々の設定と、リア側での編集による新たな設定のどちらを選ぶ場合に、適切な比較表示が行われると、より好適である。
例えば図15のステップF315において、設定を比較できるような表示を行う場合の表示例を図18,図19,図20に示す。
【0097】
図18(a)は、フロント側の表示部51Fにおいて、自車位置71と、現在の目的地73及びルート72と、編集による新しい目的地82と新しいルート81を同時に表示している。そしてウインドウ91により、現在の目的地73及びルート72についての情報を示し、またウインドウ92により、編集による新しい目的地82とルート81についての情報を示している。
ウインドウ91、92により示す情報としては、それぞれの目的地までの距離やその内高速道路の距離を表示したり、到着予想時間などを表示したりすることが考えられる。
この図18(a)のように、地図画像上で同時に両方のルート、目的地を表示することにより、それぞれ目的地と現在地との位置関係やルートをユーザに把握しやすくすることができる。そしてさらにウインドウ91、92の情報は、ユーザーがどちらかの設定を選択するための参考情報となり、有用となる。
【0098】
また、それぞれのルートに関して詳しく知りたい場合も考えられ、例えば図18(b)(c)のように拡大表示が行われることが好適である。
例えば図18(a)の表示状態において、ウインドウ91を選択する操作を行うことで、図18(b)のように現在の設定の拡大表示を行う。
また図18(a)の表示状態において、ウインドウ92を選択する操作を行うことで、図18(c)のように編集による新たな設定の拡大表示を行う。
この図18(b)(c)の表示により、各ルートや目的地を詳細に検討できる。
【0099】
また各設定を比較できる表示態様としては、図19のように、現在の設定にかかるルート72及び目的地73を含む地図画像と、編集にかかる新しいルート81及び目的地82を含む地図画像とを、並べて表示することも好適である。この場合もウインドウ91、92で各設定における情報を提示すると良い。
【0100】
また、このような設定の比較表示は、リア側での編集作業時に実行することも好適である。図20に編集用画像において比較表示を行った例を示す。即ち自車位置表示95と現在の設定における目的地・ルート表示97を、現在設定表示94とし、また自車位置表示95と編集による設定における目的地・ルート表示96を、編集設定表示94として、この現在設定表示94と編集設定表示93を並べて表示する。
このような表示を行うことで、編集作業中に、現在の設定を確認しながら新たな目的地等を設定できる。
【0101】
[8.実施の形態の効果及び変形例]

以上実施の形態について説明してきたが、実施の形態のナビゲーション装置によれば、リア側での表示動作として、リア用入出力ユニット31Rを使用する同乗者の要/不要に応じて、フロント側で設定した目的地やルートの情報を取得して表示するか否かを決定することが可能になる。
また、リア用入出力ユニット31R側で、フロント側の設定による目的地やルートを編集できることで、運転中でも、同乗者が新しい目的地やルート変更等が可能となる。また運転者は運転中にルート変更等を気にしなくても良いので、安全性を向上できる。
またリア用入出力ユニット31Rを使用しての編集の際に同乗者は、フロント側で設定された現在のルート、目的地を参照しながら新しいルートを設定できることで、編集の容易性が向上される。
また編集による新しい目的地やルートの設定については、フロント用入出力ユニット31F側においては、運転者の要/不要に応じて、表示するか否かを決定することが可能になる。さらに、編集による新しい目的地やルートの設定を、フロント側の設定として有効とするか否かも運転者側の意志に基づくものとできる。
又この場合、運転者側は、現在の目的地・ルートと新しい目的地・ルートを容易に比較できるため、的確な選択が可能となる。さらにルートを変更する権限、つまり編集された目的地・ルートをフロント側の設定として有効とするか否かの権限は運転者側にあるため、同乗者に勝手にルートを変更されるような心配が無く、運転者がリア側での編集操作を気にしてしまうような精神的負担もないため、運転中の安全性向上にも好適である。
【0102】
なお、本発明のナビゲーション装置としては、実施の形態で示した以外にも多様な変形例が考えられる。
例えば図8の処理に関しては、フロント側での目的地・ルートの設定や設定変更があったときに行われるものとしたが、操作入力部3Rの操作によりステップF102又はF103以降の処理を開始してもよい。
例えば同乗者が任意の時点で、フロント側で設定されている目的地・ルートを確認したい場合、或いはそれを編集したい場合などに、操作入力部3Rを操作してフロント側の設定を表示に反映させる場合である。
つまり、リア側でフロント側の目的地・ルートの設定を反映させた表示を行うのは、フロント側で設定や設定変更を行った時点のみに限られるものではない。また、フロント側の設定や設定変更があった場合であって、まだその設定をリア側で表示させていないときは、例えばリア側の表示部51Rにおいて、リア側では未確認の設定があることを示すアイコン表示を行うようにし、同乗者が操作入力部3Rを用いてそのアイコンを選択する操作を行った場合に、ステップF102又はF103以降の処理を実行するようにしてもよい。
なお、これら場合、ステップF102から処理を開始してもよいが、ステップF102を行わずにステップF103以降としてもよく、これが、操作入力部3Rの操作により図8の処理を行う場合は、その操作が、リア側でフロント側の設定を確認する意志の表明と考えられ、ステップF102での、予めの表示設定における「フロント側の設定を表示しない」とする設定を無効化してもよいと考えられるためである。
さらには、ユーザーによる操作入力部3Rの操作にかかわらず、例えば一定時間毎にステップF102又はF103からの処理を実行するようにしてもよい。
【0103】
また、図14,図15の処理に関しては、例えば確認ダイアログ83の表示、ポップアップ表示80、変更ダイアログ84の表示などについての表示タイミングを工夫する例が考えられる。例えばCPU11は、センサ部5で検出される車両の挙動に関する検出情報から車両が停車しているか否かを判断し、停車を条件として、確認ダイアログ83の表示、ポップアップ表示80、変更ダイアログ84の表示を行うようにする。このようにすると運転者が運転中に表示を気にすることが全くなくなり、安全性の点で好適である。
【0104】
なお、実施の形態や上記変形例としては、フロント側の目的地・ルートの設定についてのリア側での表示や編集、更にはリア側の編集にかかる目的地・ルートについてのフロント側での確認や承認としての例で説明したが、対象となる設定情報は目的地・ルートに限られない。例えば地図画像上での特定の位置のマーキング設定、POIやその他の検索した施設やガイド情報、走行履歴、GPS位置情報、車両情報などについても、同様にフロント側とリア側でやりとりできるようにしてもよい。
【0105】
またハードウエア構成として、本発明の第2の操作手段、第2の表示手段に相当するリア用入出力ユニット31Rが複数存在しても良い。もちろん実施の形態の「リア用入出力ユニット31R」という名称は説明の便宜上のもので、後部座席側、つまり車内の位置として「リア側」に配置されなければならないものではない。例えば助手席45で使用できる入出力ユニットとしてもよい。つまり第2の操作手段、第2の表示手段は運転席以外で使用される装置部である。
【0106】
また図1(a)における一方の入出力ユニットとナビゲーション本体ユニット30が一体的に構成されても良い。図1(b)の構成の場合は、フロント用入出力ユニット31Fとフロント用ナビゲーション本体ユニット30Fが一体の機器とされ、リア用入出力ユニット31Rとリア用ナビゲーション本体ユニット30Rが一体の機器とされても良い。
【0107】
また、車載用のナビゲーション装置に限らず、携帯用のナビゲーション装置などにも本発明は適用できる。例えば複数の携帯用ナビゲーション装置を相互に通信可能にシステム化し、一方の携帯用ナビゲーション装置で設定した情報を、他方の携帯用ナビゲーション装置での表示上で確認したり、編集できるようにする。またその編集結果を、上記一方の携帯用ナビゲーション装置に送信し、その表示上で確認したり、承認できるようにすることが考えられる。
【0108】
なお、図1(a)又は図1(b)の構成を有するナビゲーション装置は、本発明の請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9のナビゲーション装置の実施の形態となる。そしてこの図1(a)又は図1(b)の構成を有するナビゲーション装置における上述した処理動作が、本発明請求項17,18,19の表示方法の実施の形態となる。
またフロント用入出力ユニット31Fとナビゲーション本体ユニット30(又は30F)を有する構成が請求項10,11,12,13のナビゲーション装置の実施の形態である。
またリア用入出力ユニット31Rとナビゲーション本体ユニット30(又は30R)を有する構成が請求項14,15,16のナビゲーション装置の実施の形態である。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】本発明の実施の形態のナビゲーション装置の構成例の説明図である。
【図2】実施の形態のナビゲーション装置の車内配置の説明図である。
【図3】実施の形態の構成例Iのナビゲーション装置のブロック図である。
【図4】実施の形態の構成例Iのナビゲーション装置のCPUの機能の説明図である。
【図5】実施の形態の構成例IIのナビゲーション装置のブロック図である。
【図6】実施の形態の構成例IIのナビゲーション装置のCPUの機能の説明図である。
【図7】実施の形態のリア側での表示例の説明図である。
【図8】実施の形態のリア側での表示処理のフローチャートである。
【図9】実施の形態のフロント側及びリア側の表示例の説明図である。
【図10】実施の形態のリア側の表示例の説明図である。
【図11】実施の形態の表示設定画面の説明図である。
【図12】実施の形態のリア側での編集処理のフローチャートである。
【図13】実施の形態の編集用の画面の説明図である。
【図14】実施の形態のフロント側での表示処理のフローチャートである。
【図15】実施の形態のフロント側での表示処理のフローチャートである。
【図16】実施の形態のフロント側及びリア側の表示例の説明図である。
【図17】実施の形態のフロント側の表示例の説明図である。
【図18】実施の形態の目的地・ルートの比較表示例の説明図である。
【図19】実施の形態の目的地・ルートの比較表示例の説明図である。
【図20】実施の形態の編集時の比較表示例の説明図である。
【符号の説明】
【0110】
1 演算処理部、2F,2R 出力部、3F,3R 操作入力部、4 位置検出部、5 センサ部、6 記憶装置部、11 CPU、12 ROM、13 RAM、14 不揮発性メモリ、15 インターフェース部、20 FR通信機能、21 ナビゲーション処理制御機能、22 地図データ読込機能、23 自車状況判別機能、24 フロント表示制御機能、25 リア表示制御機能、26 フロント操作検知機能、27 リア操作検知機能、28 表示制御機能、29 操作検知機能、ナビゲーション画像描画機能、25 描画対象範囲設定機能、26 操作検知機能、27 画像/音声出力機能、30 ナビゲーション本体、30F フロント用ナビゲーション本体ユニット、30R リア用ナビゲーション本体ユニット、31F フロント用入出力ユニット、31R リア用入出力ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション表示のための演算及び制御処理を行う演算制御手段と、
上記演算制御手段の制御に基づいて画像表示を行う第1の表示手段と、
上記第1の表示手段における表示内容に関する操作を行う第1の操作手段と、
上記演算制御手段の制御に基づいて画像表示を行う第2の表示手段と、
上記第2の表示手段における表示内容に関する操作を行う第2の操作手段と、
を備え、
上記演算制御手段は、上記第1の操作手段の操作入力に基づいて設定され、上記第1の表示手段での表示内容に反映させる情報を、上記第2の操作手段で入力された指示に基づいて、上記第2の表示手段の表示内容に反映させる制御を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
上記第1の操作手段の操作入力に基づいて設定され、表示内容に反映させる情報とは、目的地及び経路の情報であることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
上記第2の操作手段で入力された指示とは、予め第2の操作手段の操作によって選択されている表示設定であり、
上記演算制御手段は、上記第1の操作手段の操作入力に基づいて設定された情報を用いた、上記第2の表示手段での表示については、上記表示設定に応じた制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
上記演算制御手段は、
上記第1の操作手段の操作入力に基づいて設定され、上記第1の表示手段での表示内容に反映されている情報についての編集用画像を、上記第2の表示手段において表示させるとともに、上記編集用画像に対応して上記第2の操作手段の操作入力により行われた編集にかかる編集情報を、上記第2の表示手段の表示内容に反映させることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
上記演算制御手段は、上記編集情報を、上記第1の操作手段で入力された指示に基づいて、上記第1の表示手段の表示内容に反映させる処理を行うことを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
上記第1の操作手段で入力された指示とは、予め第1の操作手段の操作によって選択されている表示設定であり、
上記演算制御手段は、上記編集情報を用いた上記第1の表示手段での表示については、上記表示設定に応じた制御を行うことを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
上記演算制御手段は、上記第1の表示手段において、上記編集情報を反映させた表示内容と、上記編集情報を反映させない表示内容の比較表示を実行させることを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
上記演算制御手段は、上記第1の操作手段による承認操作が行われた場合に、上記編集情報を、上記第1の表示手段での表示内容として確定させる処理を行うことを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
上記第1の表示手段及び上記第1の操作手段は車両内の運転席で使用され、上記第2の表示手段及び上記第2の操作手段は車両内の運転席以外で使用されることを特徴とする請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
ナビゲーション表示のための演算及び制御処理を行う演算制御手段と、
上記演算制御手段の制御に基づいて画像表示を行う表示手段と、
上記表示手段における表示内容に関する操作を行う操作手段と、
を備え、
上記演算制御手段は、上記操作手段の操作入力に基づいて設定され、上記表示手段での表示内容に反映させる情報を、通信可能に接続された他の表示手段の表示内容に、他の操作手段で入力された指示に基づいて反映させるための処理を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
上記演算制御手段は、上記他の表示手段での表示内容に反映させた情報についての編集情報が入力された場合、上記編集情報を、上記操作手段で入力された指示に基づいて、上記表示手段の表示内容に反映させる処理を行うことを特徴とする請求項10に記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
上記演算制御手段は、上記表示手段において、上記編集情報を反映させた表示内容と、上記編集情報を反映させない表示内容の比較表示を実行させることを特徴とする請求項11に記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
上記演算制御手段は、上記操作手段による承認操作が行われた場合に、上記編集情報を、上記表示手段での表示内容として確定させる処理を行うことを特徴とする請求項11に記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
ナビゲーション表示のための演算及び制御処理を行う演算制御手段と、
上記演算制御手段の制御に基づいて画像表示を行う表示手段と、
上記表示手段における表示内容に関する操作を行う操作手段と、
を備え、
上記演算制御手段は、通信可能に接続された他の表示手段での表示内容に反映された情報が入力されたら、該情報を、上記操作手段で入力された指示に基づいて、上記表示手段の表示内容に反映させる処理を行うことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項15】
上記演算制御手段は、
上記他の表示手段での表示内容に反映されている情報についての編集用画像を、上記表示手段において表示させるとともに、上記編集用画像に対応して上記操作手段の操作入力により行われた編集にかかる編集情報を、上記表示手段の表示内容に反映させることを特徴とする請求項14に記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
上記演算制御手段は、上記編集情報を、上記他の表示手段の表示内容に反映させる情報として処理を行うことを特徴とする請求項15に記載のナビゲーション装置。
【請求項17】
ナビゲーション画像の表示を行う第1の表示手段と、上記第1の表示手段における表示内容に関する操作を行う第1の操作手段と、ナビゲーション画像の表示を行う第2の表示手段と、上記第2の表示手段における表示内容に関する操作を行う第2の操作手段とを備えたナビゲーション装置の表示方法として、
上記第1の操作手段の操作入力に基づいて設定された情報を、上記第1の表示手段での表示内容に反映させるステップと、
上記第1の表示手段での表示内容に反映させた情報を、上記第2の操作手段で入力された指示に基づいて、上記第2の表示手段の表示内容に反映させるステップと、
を備えたことを特徴とする表示方法。
【請求項18】
上記第1の操作手段の操作入力に基づいて設定され、上記第1の表示手段での表示内容に反映されている情報についての編集用画像を、上記第2の表示手段において表示させるステップと、
上記編集用画像に対応して上記第2の操作手段の操作入力により行われた編集にかかる編集情報を、上記第2の表示手段の表示内容に反映させるステップと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項17に記載の表示方法。
【請求項19】
上記編集情報を、上記第1の操作手段で入力された指示に基づいて、上記第1の表示手段の表示内容に反映させる処理を行うステップと、
上記第1の操作手段による承認操作が行われた場合に、上記編集情報を、上記第1の表示手段での表示内容として確定させるステップと、
をさらに備えたことを特徴とする請求項18に記載の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2006−275782(P2006−275782A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−95497(P2005−95497)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】