説明

ナビゲーション装置、配信装置、ナビゲーションシステム

【課題】車両が他の交通機関を利用することで通過可能な特定の区間について、実際の運行状況を考慮して経路探索を行うことができるようにする。
【解決手段】目的地までの間にフェリー航路が存在する場合、ナビゲーション装置1は、配信センター4に対して、そのフェリー航路についてのフェリー運行情報を配信するように要求する。この配信要求に応じて配信センター4から当該フェリー航路のフェリー運行情報が配信されると、ナビゲーション装置1はこれを受信し、その内容に基づいて、車両100がフェリー航路を通過する際の通過所要時間を予測する。またナビゲーション装置1は、車両100がフェリー航路を通過した場合は、そのときの通過所要時間に関するフェリー航路通過情報を配信センター4に対して送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、フェリーの出港の待ち時間等を考慮して経路探索を行うナビゲーション装置が知られている(特許文献1参照)。このナビゲーション装置は、フェリー乗り場への到着予想時刻に乗船手続きに要する一定の時間(たとえば15分)を加えた時刻と、予め記憶されたフェリーの時刻表データとに基づいて、フェリーの出港の待ち時間を求める。そして、求められた待ち時間をフェリーリンクのリンクコストに加えることにより、フェリーに乗船したときの所要時間を求める。
【0003】
【特許文献1】特開平8−166248号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるナビゲーション装置では、フェリー乗船時の所要時間を求めるに当たって、実際のフェリーの運行状況が考慮されていない。そのため、たとえば悪天候等によりフェリーの運行に遅れが出ている場合など、通常とはフェリーの運行状況が異なる場合には、フェリー乗船時の所要時間を正しく求めることができないことがある。そこで、このような問題点を改善するため、フェリー航路のように車両が他の交通機関を利用することで通過可能な特定の区間について、実際の運行状況を考慮して経路探索を行う方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によるナビゲーション装置は、車両に搭載され、車両が他の交通機関を利用することで通過可能な特定の区間を含む経路を探索するナビゲーション装置であって、その特定の区間を様々な車両が通過したときの通過所要時間に基づいて設定された他の交通機関の運行情報を配信装置から受信する受信手段と、受信手段により受信された他の交通機関の運行情報に基づいて、自車両が特定の区間を通過する際の通過所要時間を予測する予測手段と、予測手段により予測された通過所要時間に基づいて、特定の区間を含む経路を探索する経路探索手段と、特定の区間を自車両が通過したときの通過所要時間に関する情報を配信センターに送信する送信手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、自車両が特定の区間の通過準備を開始したか否かを判定する開始判定手段と、自車両が特定の区間を通過し終えたか否かを判定する終了判定手段とをさらに備え、送信手段は、通過所要時間に関する情報として、開始判定手段により自車両が特定の区間の通過準備を開始したと判定されてから、終了判定手段により自車両が特定の区間を通過し終えたと判定されるまでの時間に関する情報を、配信装置に送信するものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、開始判定手段は、自車両が特定の区間の始点から所定範囲内の地域において道路から逸脱したときに、自車両が特定の区間の通過準備を開始したと判定するものである。
請求項4の発明は、請求項2または3に記載のナビゲーション装置において、終了判定手段は、開始判定手段により自車両が特定の区間の通過準備を開始したと判定された後に、自車両が特定の区間の終点から所定距離以内の地域において道路に復帰したときに、自車両が特定の区間を通過し終えたと判定するものである。
請求項5の発明は、請求項2〜4いずれか一項に記載のナビゲーション装置において、自車両が特定の区間の通過を中止したか否かを判定する中止判定手段をさらに備え、送信手段は、中止判定手段により自車両が特定の区間の通過を中止したと判定された場合、通過所要時間に関する情報を配信装置に送信しないこととするものである。
請求項6の発明は、請求項5に記載のナビゲーション装置において、中止判定手段は、開始判定手段により自車両が特定の区間の通過準備を開始したと判定されてから、終了判定手段により自車両が特定の区間を通過し終えたと判定されるまでの間に、自車両が特定の区間の始点から所定範囲内の地域において道路に復帰したときに、自車両が特定の区間の通過を中止したと判定するものである。
請求項7の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、送信手段に替えて、自車両の位置情報を所定時間ごとに配信装置に送信する位置情報送信手段を備えるものである。
請求項8の発明による配信装置は、請求項1〜6いずれか一項に記載のナビゲーション装置から送信手段により送信される情報を受信することにより、特定の区間を当該車両が通過したときの通過所要時間を取得する取得手段と、取得手段により様々な車両について取得された通過所要時間に基づいて、他の交通機関の運行情報を設定する設定手段と、設定手段により設定された他の交通機関の運行情報をナビゲーション装置へ配信する配信手段とを備えるものである。
請求項9の発明は、請求項8に記載の配信装置において、設定手段は、取得手段により様々な車両について取得された通過所要時間のうち、所定のしきい値を超える通過所要時間を除いた各通過所要時間に基づいて、他の交通機関の運行情報を設定するものである。
請求項10の発明は、請求項8または9に記載の配信装置において、予め設定された所定の集計時間ごとに取得手段により取得された通過所要時間を集計する集計手段をさらに備え、設定手段は、集計時間内で所定の更新許可時間が経過する前は、集計手段により前回の集計時間において集計された通過所要時間に基づいて他の交通機関の運行情報を設定し、集計時間内で所定の更新許可時間が経過した後は、集計手段により今回の集計時間において集計された通過所要時間に基づいて他の交通機関の運行情報を設定するものである。
請求項11の発明による配信装置は、請求項7に記載のナビゲーション装置から位置情報送信手段により所定時間ごとに送信される当該車両の位置情報を受信し、その位置情報に基づいて、当該車両が特定の区間を通過したか否かを判定する通過判定手段と、通過判定手段により当該車両が特定の区間を通過したと判定されたときの通過所要時間を算出する算出手段と、算出手段により様々な車両について算出された通過所要時間に基づいて、他の交通機関の運行情報を設定する設定手段と、設定手段により設定された他の交通機関の運行情報をナビゲーション装置へ配信する配信手段とを備えるものである。
請求項12の発明は、請求項11に記載の配信装置において、設定手段は、算出手段により様々な車両について算出された通過所要時間のうち、所定のしきい値を超える通過所要時間を除いた各通過所要時間に基づいて、他の交通機関の運行情報を設定するものである。
請求項13の発明は、請求項11または12に記載の配信装置において、予め設定された所定の集計時間ごとに算出手段により算出された通過所要時間を集計する集計手段をさらに備え、設定手段は、集計時間内で所定の更新許可時間が経過する前は、集計手段により前回の集計時間において集計された通過所要時間に基づいて他の交通機関の運行情報を設定し、集計時間内で所定の更新許可時間が経過した後は、集計手段により今回の集計時間において集計された通過所要時間に基づいて他の交通機関の運行情報を設定するものである。
請求項14の発明によるナビゲーションシステムは、請求項1〜7いずれか一項に記載のナビゲーション装置と、請求項8〜13いずれか一項に記載の配信装置とを有するものである。
請求項15の発明によるナビゲーション装置は、車両に搭載され、車両が他の交通機関を利用することで通過可能な特定の区間を含む経路を探索するナビゲーション装置であって、その特定の区間を様々な車両が通過したときの通過所要時間に関する統計情報を記憶する記憶手段と、記憶手段により記憶された統計情報に基づいて、自車両が特定の区間を通過する際の通過所要時間を予測する予測手段と、予測手段により予測された通過所要時間に基づいて、特定の区間を含む経路を探索する経路探索手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、車両が他の交通機関を利用することで通過可能な特定の区間について、実際の運行状況を考慮して経路探索を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
−第1の実施の形態−
本発明の一実施の形態によるナビゲーションシステムの構成を図1に示す。このシステムは、車両100に搭載されているナビゲーション装置1および通信端末2と、移動体通信網3と、配信センター4とによって構成される。ナビゲーション装置1と通信端末2は、ケーブルを用いた有線接続あるいは無線接続によって接続されている。通信端末2には、たとえば携帯電話などが用いられる。
【0008】
ナビゲーション装置1は、全国各地の道路に関する地図データを記憶しており、その地図データに基づいて、ユーザの操作により設定された目的地までの推奨経路を探索する。この経路探索により、たとえば目的地への到着時間が最も早い経路などが推奨経路として求められる。こうして求められた推奨経路にしたがって、ナビゲーション装置1は自車両である車両100を目的地まで案内する。
【0009】
なお、上記の経路探索において、目的地までの間にフェリーを利用して通過しなければならないフェリー航路が存在する場合、ナビゲーション装置1は、配信センター4に対して、そのフェリー航路についてのフェリー運行情報を配信するように要求する。この配信要求に応じて配信センター4から当該フェリー航路のフェリー運行情報が配信されると、ナビゲーション装置1はこれを受信し、その内容に基づいて、車両100がフェリー航路を通過する際の通過所要時間を予測する。これにより、フェリー航路について、実際のフェリーの運行状況を考慮して経路探索を行うことができるようにしている。なお、このときの具体的な処理内容については、後で詳しく説明する。
【0010】
またナビゲーション装置1は、車両100がフェリー航路を通過したか否かを判定し、フェリー航路を通過した場合は、そのときの通過所要時間に関するフェリー航路通過情報を配信センター4に対して送信する。配信センター4は、こうして送信されるフェリー航路通過情報を様々な車両から受信することにより、各車両がフェリー航路を通過したときの通過所要時間を取得することができる。
【0011】
通信端末2は、ナビゲーション装置1の制御により、必要に応じて移動体通信網3と無線接続を行う。移動体通信網3は、配信センター4と接続されている。すなわちナビゲーション装置1は、通信端末2と移動体通信網3を介して配信センター4に接続される。こうしてナビゲーション装置1と配信センターが接続されることにより、ナビゲーション装置1は、前述のように配信センター4へフェリー航路通過情報を送信したり、配信センター4から配信されるフェリー運行情報を受信したりすることができる。なお、通信端末2と移動体通信網3の無線接続には、不図示の無線基地局が用いられる。この無線基地局は、その周囲の所定の通信エリア内にある通信端末2と無線通信することが可能であり、全国各地に散在している。
【0012】
配信センター4は、全国各地に存在するフェリー航路についての様々なデータベースを有している。このデータベースには、各フェリー航路の最新の時刻表や、各フェリー航路を様々な車両が通過したときの通過所要時間を日時や天候などに応じて統計処理して得られた統計情報などが記録されている。ナビゲーション装置1から前述のようにフェリー運行情報の配信要求があると、配信センター4はこのデータベースに基づいて、該当するフェリー航路についてのフェリー運行情報を設定する。たとえば、フェリーに乗船可能な時刻や、フェリー乗船後の所要時間の予測値などを、フェリー運行情報として設定する。そして、設定したフェリー運行情報をナビゲーション装置1へと配信する。
【0013】
ナビゲーション装置1は、上記のようなフェリー運行情報を配信センター4から受信すると、その内容に基づいて、車両100がフェリー航路を通過する際の通過所要時間を予測する。たとえば、フェリー乗り場への到着予測時刻と、フェリー運行情報に含まれるフェリーへの乗船可能時刻とを比較することにより、フェリーへ乗船するまでの待ち時間を予測する。この待ち時間にフェリー乗船後の所要時間の予測値を加えることにより、フェリー航路の通過所要時間を予測することができる。
【0014】
なお、配信センター4における上記のデータベースの内容は、様々な車両から送信されるフェリー航路通過情報に基づいている。このフェリー航路通過情報は、車両100に搭載されたナビゲーション装置1を初めとする様々な車両に搭載されたナビゲーション装置から、前述のようにして配信センター4へ逐次送信される。そのため配信センター4は、フェリー航路通過情報が送信されると、その度にデータベースの内容を更新する。あるいは、予め更新タイミングを設定しておき、その更新タイミングごとにデータベースの内容を更新するようにしてもよい。
【0015】
ナビゲーション装置1の構成を図2に示す。ナビゲーション装置1は、制御部10、振動ジャイロ11、車速センサ12、ハードディスク(HDD)13、GPS受信部14、表示モニタ15および入力装置16を備えている。
【0016】
制御部10は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、HDD13に記録されている制御プログラムや地図データに基づいて、各種の処理を実行する。この制御部10により、車両100を目的地まで案内するための様々な処理が実行される。たとえば、目的地を設定する際の目的地の探索処理、設定された目的地までの推奨経路の探索処理、車両100の現在位置の検出処理、地図を初めとする各種の画像表示処理、ルート案内時の音声出力処理などが実行される。
【0017】
制御部10には通信端末2が接続されており、制御部10から通信端末2を制御することで、ナビゲーション装置1から図1の配信センター4に対して、フェリー運行情報の配信要求や、フェリー航路通過情報の送信が行われる。なお、フェリー運行情報の配信要求に応じて配信センター4から配信されたフェリー運行情報は、通信端末2を経由して制御部10へと出力されることにより、ナビゲーション装置1において受信される。
【0018】
振動ジャイロ11は、車両100の角速度を検出するためのセンサである。車速センサ12は、車両100の車速を検出するためのセンサである。これらのセンサを用いて車両100の運動状態を所定の時間間隔ごとに検出することにより、車両位置の移動量が求められ、それによって車両100の現在位置が検出される。
【0019】
HDD13は不揮発性の記録媒体であり、地図データを含む各種のデータが記録されている。HDD13に記録されている地図データは、必要に応じて制御部10の制御により読み出され、制御部10が実行する様々な処理や制御に利用される。この地図データには、経路計算データと、経路誘導データと、道路データと、背景データとが含まれている。経路計算データは、目的地までの経路探索に用いられる。経路誘導データは、設定された経路に従って車両100を目的地まで誘導するために用いられ、交差点名称や道路名称などを表す。道路データは、道路の形状を表す。背景データは、河川や鉄道、地図上の各種施設等(ランドマーク)など、道路以外の地図形状を表す。
【0020】
HDD13に記録された道路データにおいて、道路区間を表す最小単位はリンクと呼ばれており、各道路は複数のリンクによって構成されている。リンク同士を接続している点はノードと呼ばれ、ノードはそれぞれに位置情報(座標情報)を有している。このノードの位置情報によって、リンク形状、すなわち道路の形状が決定される。
【0021】
経路計算データには、上記のリンクごとに、そのリンクに対応する道路区間を通過するための所要時間を表すリンクコストと呼ばれる値が設定されている。経路探索時には、このリンクコストに基づいて、車両100の現在位置から目的地までをつなぐ様々な経路について通過所要時間が計算される。そして、通過所要時間が所定の範囲内にあるいくつかの経路が経路探索結果として求められ、その中でナビゲーション装置1のユーザが任意に選択した経路や、通過所要時間が最も短い経路、すなわち目的地への到着時間が最も早い経路などが、目的地までの推奨経路として設定される。
【0022】
なお、フェリー航路は道路ではないが、道路データの中にはフェリー航路を表すリンクも含まれている。このフェリー航路のリンクに対しては、前述のように配信センター4から配信されるフェリー運行情報に基づいて予測される通過所要時間が、そのリンクコストとして用いられる。これにより、ナビゲーション装置1においてフェリー航路を含む経路が探索される。すなわち、ナビゲーション装置1は、配信センター4から受信したフェリー運行情報に基づいてフェリー航路の通過所要時間を予測し、その予測結果に基づいて、フェリー航路を含む経路を探索する。
【0023】
上記の例では、HDD13に記録された地図データをナビゲーション装置1において用いることとしているが、HDD以外の記録媒体に地図データを記録してもよい。たとえば、CD−ROMやDVD−ROM、メモリーカードなどに地図データを記録することができる。あるいは、外部より携帯電話回線などを介して送信される地図データを受信し、その地図データを用いることとしてもよい。すなわち、地図データの取得にはどのような方法を用いてもよい。
【0024】
GPS受信部14は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、車両100の位置と現在時刻を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻が含まれている。したがって、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて車両100の現在位置と現在時刻を算出することができる。
【0025】
表示モニタ15は、ナビゲーション装置1において様々な画面表示を行うための装置であり、液晶ディスプレイ等を用いて構成される。この表示モニタ15により、地図画面の表示などが行われる。表示モニタ15に表示される画面の内容は、制御部10が行う画面表示制御によって決定される。表示モニタ15は、たとえば車両100のダッシュボード上やインストルメントパネル内など、ユーザが見やすいような位置に設置されている。
【0026】
入力装置16は、ナビゲーション装置1を動作させるための様々な入力操作をユーザが行うための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザは入力装置16を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したり、地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。この入力装置16は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、表示モニタ15と一体化されたタッチパネルにより入力装置16を実現してもよい。
【0027】
ユーザが入力装置16を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、目的地までの推奨経路を探索する。そして、車両100の現在位置を検出し、その周辺の道路地図を表示しながら、探索された推奨経路に従って車両100を目的地まで誘導する。
【0028】
図3は、車両100がフェリー航路を通過する際の様子を示している。図3において、リンクL1が表す道路を走行してきた車両100は、フェリー乗り場の駐車場に入るときに、フェリー乗り場の近くにおいて道路から逸脱する。このような状況を車両100に搭載されているナビゲーション装置1において検出することで、車両100がフェリー航路の通過準備を開始したと判定することができる。すなわち、ナビゲーション装置1は、フェリー航路のリンクL3の始点であるノードN1から所定範囲内の地域において車両100が道路から逸脱したときに、車両100がフェリー航路の通過準備を開始したと判定する。なお、ノードN1は、フェリー乗り場に対応する。
【0029】
上記のフェリー航路の通過準備とは、乗船券の購入や、乗船前の待機、乗船時の車両移動などである。フェリー航路を通過する前には、このような通過準備が必ず行われる。車両100がフェリー航路の通過準備を開始したと判定したら、ナビゲーション装置1は、そのときの時刻を通過開始時刻として記録しておく。
【0030】
フェリー航路の通過準備を終えると、車両100はフェリー200に乗船する。その後、フェリー200がフェリー航路のリンクL3を移動することにより、車両100はフェリー200を利用してフェリー航路を通過する。このようにしてフェリー航路を通過しているとき、通常は車両100のエンジンが停止されており、ナビゲーション装置1の電源は切断されている。したがって、ナビゲーション装置1は、フェリー航路の通過中にそのことを検知することはできない。
【0031】
フェリー200がフェリー降り場に到着すると、車両100はフェリー200から下船する。その後、フェリー降り場の近くにおいて、車両100はリンクL5が表す道路に復帰する。このような状況を車両100に搭載されているナビゲーション装置1において検出することで、車両100がフェリー航路を通過し終えたと判定することができる。すなわち、ナビゲーション装置1は、前述のようにして車両100がフェリー航路の通過準備を開始したと判定された後に、そのフェリー航路のリンクL3の終点であるノードN2から所定範囲内の地域において車両100が道路に復帰したときに、車両100がフェリー航路を通過し終えたと判定する。なお、ノードN2は、フェリー降り場に対応する。
【0032】
上記のようにして車両100がフェリー航路を通過し終えたと判定したら、ナビゲーション装置1は、そのときの時刻を通過終了時刻として記録しておく。
【0033】
以上説明したようにして通過開始時刻と通過終了時刻が記録されたら、ナビゲーション装置1は、配信センター4に対してフェリー航路通過情報の送信を行う。このフェリー航路通過情報には、当該フェリー航路を車両100がフェリー200を利用して通過したときの通過所要時間に関する情報が含まれている。たとえば、ナビゲーション装置1において記録された通過開始時刻と通過終了時刻、または、通過開始時刻と通過終了時刻の差分として算出される通過所要時間のいずれか少なくとも一方が、フェリー航路通過情報としてナビゲーション装置1から配信センター4へと送信される。なお、この際にフェリー航路を特定するための位置情報なども合わせて送信される。
【0034】
ナビゲーション装置1から上記のようにしてフェリー航路通過情報が送信されると、配信センター4はそれを受信して、車両100がフェリー航路のリンクL3を通過したときの通過所要時間を取得する。同様に、配信センター4は、様々な車両から全国各地のフェリー航路について送信される通過所要時間を取得する。こうして様々な車両について取得した通過所要時間に基づいて、配信センター4は、前述したようにデータベースの内容を逐次更新する。
【0035】
ナビゲーション装置1からフェリー運行情報の配信要求が行われると、配信センター4は、最新のデータベースの内容に基づいてフェリー運行情報を設定し、ナビゲーション装置1へと配信する。すなわち、配信センター4は、様々な車両について取得された通過所要時間に基づいてフェリー運行情報を設定し、ナビゲーション装置1へ配信する。
【0036】
以上説明したような処理を行うときにナビゲーション装置1と配信センター4においてそれぞれ実行されるフローチャートを図4〜6に示す。図4は、ナビゲーション装置1において経路探索時に実行される経路探索処理のフローチャートである。図5は、ナビゲーション装置1においてフェリー航路通過情報の送信時に実行される通過情報送信処理のフローチャートである。図6は、配信センター4においてフェリー運行情報の配信時に実行される配信処理のフローチャートである。これらのフローチャートについて、以下に順番に説明する。
【0037】
初めに、図4の経路探索処理のフローチャートについて説明する。この経路探索処理は、ナビゲーション装置1の制御部10において、ユーザの操作により経路探索を行うように指示されたときに実行される。ステップS10において、制御部10は、ユーザの操作に応じて目的地の設定を行う。
【0038】
ステップS20において、制御部10は、経路探索の開始点である現在地から、ステップS10で設定された目的地までの間に、車両100がフェリー航路を通る可能性があるか否かを判定する。フェリー航路を通る可能性がある場合、すなわち、現在地から目的地までの間にフェリー航路が存在する場合は、ステップS30へ進む。一方、フェリー航路を通らない場合は、ステップS60へ進む。
【0039】
ステップS30において、制御部10は、ステップS20において車両100が通る可能性があると判定されたフェリー航路について、フェリー運行情報の配信を配信センター4に対して要求する。この配信要求に応じて配信センター4からフェリー運行情報が配信されると、制御部10は、ステップS40において、そのフェリー運行情報を受信する。
【0040】
ステップS50において、制御部10は、ステップS40において受信したフェリー運行情報に基づいて、当該フェリー航路を車両100が通過する際の通過所要時間を予測する。ここでは、フェリー運行情報に含まれるフェリーへの乗船可能時刻や、フェリー乗船後の所要時間の予測値などに基づいて、前述のような方法により、フェリー航路における車両100の通過所要時間を予測する。
【0041】
ステップS60において、制御部10は、ステップS10において設定された目的地までの推奨経路を探索する。このとき、ステップS50においてフェリー航路の通過所要時間を予測していた場合は、その予測結果を反映して、当該フェリー航路を含む推奨経路を探索する。ステップS60を実行したら、制御部10は、図4のフローチャートを終了する。このようにして、経路探索処理が実行される。
【0042】
次に、図5の通過情報送信処理のフローチャートについて説明する。この通過情報送信処理は、ナビゲーション装置1の制御部10において、所定の実行周期ごとに実行される。ステップS110において、制御部10は、車両100の現在位置がフェリー乗り場から所定範囲内であるか否かを判定する。フェリー乗り場から所定範囲内である場合、すなわち図3のように、フェリー航路のリンクL3の始点であるノードN1から所定距離以内である場合は、次のステップS120へ進む。
【0043】
ステップS120において、制御部10は、車両100が道路を逸脱したか否かを判定する。道路を逸脱した場合、すなわち車両100の現在位置が道路から離れており、道路上にマッチングできない場合は、ステップS130へ進む。一方、道路を逸脱していない場合は、ステップS110へ戻る。
【0044】
ステップS130において、制御部10は、現在の時刻をフェリー航路の通過開始時刻としてHDD13に記録する。これにより、車両100がフェリー乗り場の駐車場に入ってフェリー航路の通過準備を開始した時刻が、フェリー航路の通過開始時刻として記録される。
【0045】
以上説明したように、ナビゲーション装置1では、ステップS110とS120の判定条件を満たしたときの時刻が、フェリー航路の通過開始時刻として記録される。すなわち、ナビゲーション装置1において、制御部10は、フェリー航路の始点であるフェリー乗り場から所定範囲内の地域において車両100が道路から逸脱したときに、車両100がフェリー航路の通過準備を開始したと判定する。そして、ステップS130を実行することにより、フェリー航路の通過開始時刻を記録する。
【0046】
ステップS140において、制御部10は、車両100が道路に復帰したか否かを判定する。道路に復帰した場合、すなわち車両100の現在位置が道路上または道路上にマッチング可能な地点にある場合は、ステップS150へ進む。一方、道路を逸脱したままであり道路に復帰していない場合は、ステップS140に留まる。
【0047】
なお、フェリー乗船後の車両100において、通常の場合はエンジンが停止されているため、ナビゲーション装置1の電源は切断されている。したがって、車両100がフェリーから下船してナビゲーション装置1の電源が再投入されたときには、制御部10においてステップS140の処理から実行されることが好ましい。そのため、たとえばHDD13においてフェリー航路の通過開始時刻が記録されている場合、制御部10はそれを検出して、図5のフローチャートをステップS140から実行するようにする。
【0048】
ステップS150において、制御部10は、車両100の現在位置がフェリー乗り場から所定範囲内ではないか否かを地図データに基づいて判定する。フェリー乗り場から所定範囲内ではない場合は、ステップS160へ進む。一方、フェリー乗り場から所定範囲内である場合、すなわち車両100がフェリー航路の通過を中止して道路に復帰したような場合は、図5のフローチャートを終了する。
【0049】
ステップS160において、制御部10は、車両100の現在位置がフェリー降り場から所定範囲内であるか否かを地図データに基づいて判定する。フェリー降り場から所定範囲内である場合、すなわち車両100がフェリー航路を通過した後にフェリー降り場付近の道路に復帰したような場合は、次のステップS170へ進む。一方、フェリー降り場から所定範囲内でない場合は、図5のフローチャートを終了する。すなわち、車両100が道路に復帰した地点がフェリー乗り場とフェリー降り場のいずれからも離れているような場合は、車両100が正常にフェリー航路を通過したとは考えにくいため、通過判定を中止するべく、図5のフローチャートを終了する。
【0050】
ステップS170において、制御部10は、現在の時刻をフェリー航路の通過終了時刻としてHDD13に記録する。これにより、車両100がフェリー航路を通過し終えた時刻が、フェリー航路の通過終了時刻として記録される。なお、ステップS170においてフェリー航路の通過終了時刻を記録することなく、前述のように図5のフローチャートを途中で終了した場合には、HDD13に記録されている通過開始時刻を消去することが好ましい。
【0051】
ステップS180において、制御部10は、フェリー航路通過情報を配信センター4に対して送信する。このとき前述のように、ステップ130において記録された通過開始時刻と、ステップS170において記録された通過終了時刻とを、フェリー航路通過情報として送信することができる。あるいは、通過開始時刻と通過終了時刻の差分を算出し、その算出結果をフェリー航路の通過所要時間として送信してもよい。このようにして、車両100がフェリー航路を通過したときの通過所要時間に関するフェリー航路通過情報が、ナビゲーション装置1から配信センター4へ送信される。ステップS180を実行したら、制御部10は、図5のフローチャートを終了する。このようにして、通過情報送信処理が実行される。
【0052】
以上説明したように、ナビゲーション装置1では、ステップS110およびS120の判定条件を満たした後、ステップS140、S150およびS160の判定条件をいずれも満たしたときの時刻が、フェリー航路の通過終了時刻として記録される。すなわち、ナビゲーション装置1において、制御部10は、ステップS110およびS120の判定条件を満たすことで車両100がフェリー航路の通過準備を開始したと判定された後に、フェリー航路の終点であるフェリー降り場から所定範囲内の地域において車両100が道路に復帰したときに、車両100がフェリー航路を通過し終えたと判定する。そして、ステップS170を実行することによりフェリー航路の通過終了時刻を記録した後、ステップS180を実行する。これにより、制御部10は、ステップS180において、車両100がフェリー航路の通過準備を開始したと判定されてから、車両100がフェリー航路を通過し終えたと判定されるまでの時間に関する情報を、フェリー航路通過情報として配信センター4に送信する。
【0053】
また、ステップS140の判定条件を満たすが、ステップS150の判定条件を満たさない場合、制御部10は、車両100がフェリー航路の通過を中止したとして、ステップS180の処理を実行しないようにする。すなわち、制御部10は、ステップS110およびS120の判定によって車両100がフェリー航路の通過準備を開始したと判定されてから、上記のようにして車両100がフェリー航路を通過し終えたと判定されるまでの間に、フェリー乗り場から所定範囲内の地域において車両100が道路に復帰したときには、車両100がフェリー航路の通過を中止したと判定する。この場合、制御部10は、ステップS180の処理を実行せずに、フェリー航路通過情報を配信センター4に送信しないようにする。
【0054】
次に、図6の配信処理のフローチャートについて説明する。この配信処理は、配信センター4において実行される。ステップS210において、配信センター4は、ナビゲーション装置1からフェリー航路通過情報が送信されたか否かを判定する。ナビゲーション装置1の制御部10において図5のステップS180の処理が実行されることにより、フェリー航路通過情報が配信された場合は、ステップS220へ進む。一方、フェリー航路通過情報が配信されない場合は、ステップS240へ進む。
【0055】
ステップS220において、配信センター4は、ナビゲーション装置1から送信されたフェリー航路通過情報を受信する。こうしてフェリー航路通過情報を受信することにより、配信センター4は、車両100がフェリー航路を通過したときの通過所要時間を取得することができる。
【0056】
ステップS230において、配信センター4は、ステップS220で受信したフェリー航路通過情報に基づいて、データベースの更新を行う。ここでは、受信したフェリー航路通過情報により表されるフェリー航路の通過所要時間を反映して、データベースに記録されている内容を適宜更新する。たとえば、所定時間内に受信したフェリー航路通過情報による通過所要時間を平均化し、その平均化された通過所要時間を最新のフェリー運行情報としてデータベースに記録する。このとき、受信したフェリー航路通過情報による通過所要時間のうち、所定のしきい値を超える通過所要時間については除外して、データベースの更新を行う。なお、このステップS230の処理は、フェリー航路通過情報を受信する度に必ずしも行う必要はない。
【0057】
ステップS240において、配信センター4は、ナビゲーション装置1からフェリー運行情報の要求があったか否かを判定する。ナビゲーション装置1において図4のステップS30の処理が実行されることにより、フェリー運行情報の要求があった場合は、ステップS250へ進む。一方、ナビゲーション装置1からフェリー運行情報の要求がない場合は、ステップS210へ戻る。
【0058】
ステップS250において、配信センター4は、データベースの記録内容に基づいて、ナビゲーション装置1に対して配信するフェリー運行情報の設定を行う。たとえば、前述のように所定時間内で平均化された通過所要時間が最新のフェリー運行情報としてデータベースに記録されている場合は、そのフェリー運行情報を配信するよう設定する。なお、このとき前述のように、ステップS230において所定のしきい値を超える通過所要時間が除外されてデータベースの更新が行われていた場合は、その通過所要時間を除いたデータベースの記録内容に基づいて、フェリー運行情報の設定を行う。すなわち、ステップS220でフェリー航路通過情報を受信することで様々な車両について取得された通過所要時間のうち、所定のしきい値を超える通過所要時間を除いた各通過所要時間に基づいて、フェリー運行情報を設定する。
【0059】
以上説明したようにフェリー運行情報を設定することで、適当でない通過所要時間を除いてフェリー運行情報を正確に設定することができる。たとえば、車両がフェリー乗り場に到着した後、運転者がしばらくフェリーに乗らずに休憩したような場合や、車両を停めたままどこかへ行ってしまったような場合、配信センター4は、ステップS250においてこれらの車両による通過所要時間を除外し、正確なフェリー運行情報を設定する。
【0060】
次のステップS260において、配信センター4は、ステップS250で設定したフェリー運行情報をナビゲーション装置1へと配信する。これにより、配信センター4は、様々な車両について通過所要時間を取得し、その通過所要時間に基づいてフェリー運行情報を設定して、ナビゲーション装置1へと配信する。
【0061】
ステップS250を実行したら、配信センター4は、ステップS210へ戻って以上説明したような処理を繰り返す。このようにして、配信処理が実行される。
【0062】
以上説明した第1の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ナビゲーション装置1は、車両100に搭載され、車両100がフェリーを利用することで通過可能なフェリー航路を含む経路を探索する。このとき、配信センター4においてフェリー航路を様々な車両が通過したときの通過所要時間に基づいて設定されたフェリー運行情報を配信センター4から受信し(ステップS40)、受信されたフェリー運行情報に基づいて、車両100がフェリー航路を通過する際の通過所要時間を予測する(ステップS50)。こうして予測された通過所要時間に基づいて、フェリー航路を含む経路を探索する(ステップS60)。さらに、フェリー航路を車両100が通過すると、そのときの通過所要時間に関するフェリー航路通過情報を配信センター4に送信する(ステップS180)こととした。このようにしたので、ナビゲーション装置1は、フェリー航路のように車両が他の交通機関を利用することで通過可能な特定の区間について、実際の運行状況を考慮して経路探索を行うことができる。
【0063】
(2)ナビゲーション装置1は、車両100がフェリー航路の通過準備を開始したか否かを判定する(ステップS110、S120)と共に、車両100がフェリー航路を通過し終えたか否かを判定する(ステップS140、S150、S160)。ステップS180では、こうして車両100がフェリー航路の通過準備を開始したと判定されてから、車両100がフェリー航路を通過し終えたと判定されるまでの時間に関する情報を、フェリー航路通過情報として配信センター4に送信することとした。このようにしたので、ナビゲーション装置1は、車両100がフェリー航路を通過するのに要した正確な時間の情報をフェリー航路通過情報として配信センター4へ送信することができる。
【0064】
(3)ナビゲーション装置1は、車両100がフェリー航路の始点から所定範囲内の地域において道路から逸脱したときに、ステップS110およびS120において、車両100がフェリー航路の通過準備を開始したと判定することとした。このようにしたので、ナビゲーション装置1は、車両100がフェリー航路の通過準備を開始したことを確実に判定することができる。
【0065】
(4)ナビゲーション装置1は、ステップS110およびS120において車両100がフェリー航路の通過準備を開始したと判定された後に、車両100がフェリー航路の終点から所定距離以内の地域において道路に復帰したときに、ステップS140、S150およびS160において、車両100がフェリー航路を通過し終えたと判定することすることとした。このようにしたので、ナビゲーション装置1は、車両100がフェリー航路を通過し終えたことを確実に判定することができる。
【0066】
(5)ナビゲーション装置1は、車両100がフェリー航路の通過を中止したか否かを判定する(ステップS140、S150)。こうして車両100がフェリー航路の通過を中止したと判定された場合、ステップS180を実行せずに、フェリー航路通過情報を配信センター4に送信しないこととした。このようにしたので、ナビゲーション装置1は、車両100がフェリー航路の通過を中止したときに、配信センター4へ誤った内容のフェリー航路通過情報を送信するのを防ぐことができる。
【0067】
(6)ナビゲーション装置1は、ステップS110およびS120において車両100がフェリー航路の通過準備を開始したと判定されてから、ステップS140、S150およびS160において車両100がフェリー航路を通過し終えたと判定するまでの間に、車両100がフェリー航路の始点から所定範囲内の地域において道路に復帰したときに、ステップS140およびS150において、車両100がフェリー航路の通過を中止したと判定することすることとした。このようにしたので、ナビゲーション装置1は、車両100がフェリー航路の通過を中止したことを確実に判定することができる。
【0068】
(7)配信センター4は、ステップS180においてナビゲーション装置1から送信されるフェリー航路通過情報を受信することにより、フェリー航路を車両100が通過したときの通過所要時間を取得する(ステップS220)。ナビゲーション装置1からフェリー運行情報の配信要求があると、こうして様々な車両について取得された通過所要時間に基づいて、フェリー運行情報を設定し(ステップS250)、設定されたフェリー運行情報をナビゲーション装置1へ配信する(ステップS260)こととした。このようにしたので、配信センター4は、実際のフェリーの運行状況を反映したフェリー運行情報をナビゲーション装置1へ配信することができる。
【0069】
(8)配信センター4は、ステップS250において、ステップS220で様々な車両について取得された通過所要時間のうち、所定のしきい値を超える通過所要時間を除いた各通過所要時間に基づいて、フェリー運行情報を設定することとした。このようにしたので、配信センター4は、適当でない通過所要時間を除いてフェリー運行情報を正確に設定することができる。
【0070】
−第2の実施の形態−
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。先に説明した第1の実施の形態では、車両100がフェリー航路を通過したか否かをナビゲーション装置1において判定し、フェリー航路を通過したと判定したときに、ナビゲーション装置1から配信センター4へフェリー航路通過情報を送信していた。これに対し、以下に説明する第2の実施の形態では、ナビゲーション装置1から配信センター4に対して、フェリー航路通過情報を送信する代わりに、車両100の位置情報を所定時間ごとに送信する。この位置情報に基づいて、車両100がフェリー航路を通過したか否かを配信センター4において判定し、フェリー航路を通過したと判定したときに、その通過所要時間を算出する。このようにすることで、配信センター4のデータベースの内容を逐次更新できるようにしたものである。
【0071】
第2の実施の形態では、配信センター4において、図7のフローチャートに示すような配信処理が実行される。ステップS310において、配信センター4は、ナビゲーション装置1から車両100の位置情報が送信されたか否かを判定する。ナビゲーション装置1から車両100の位置情報が送信された場合は、ステップS320へ進む。一方、ナビゲーション装置1から車両100の位置情報が送信されていない場合は、ステップS360へ進む。
【0072】
ステップS320において、配信センター4は、車両100の通過開始時刻が記録されているか否かを判定する。後で説明するステップS350が実行されることで、車両100の通過開始時刻が配信センター4において記録されている場合は、ステップS390へ進む。一方、配信センター4において車両100の通過開始時刻が記録されていない場合は、ステップS330へ進む。
【0073】
ステップS320からステップS330へ進んだ場合、ステップS330において、配信センター4は、車両100の現在位置がフェリー乗り場から所定範囲内であるか否かを判定する。この判定は、ナビゲーション装置1から送信された車両100の位置情報に基づいて行われる。フェリー乗り場から所定範囲内である場合はステップS340へ進み、そうでない場合はステップS360へ進む。
【0074】
ステップS330からステップS340へ進んだ場合、ステップS340において、配信センター4は、車両100が道路を逸脱したか否かを判定する。道路を逸脱した場合、すなわちナビゲーション装置1から送信された位置情報による車両100の現在位置が道路から離れており、道路上にマッチングできない場合は、ステップS350へ進む。一方、道路を逸脱していない場合は、ステップS360へ進む。
【0075】
ステップS350において、配信センター4は、現在の時刻をフェリー航路の通過開始時刻として記録する。これにより、車両100がフェリー乗り場の駐車場に入ってフェリー航路の通過準備を開始した時刻が、配信センター4において、フェリー航路の通過開始時刻として記録される。
【0076】
ステップS360において、配信センター4は、ナビゲーション装置1からフェリー運行情報の要求があったか否かを判定する。ナビゲーション装置1において図4のステップS30の処理が実行されることにより、フェリー運行情報の要求があった場合は、ステップS370へ進む。一方、ナビゲーション装置1からフェリー運行情報の要求がない場合は、ステップS310へ戻る。
【0077】
ステップS370において、配信センター4は、データベースの記録内容に基づいて、ナビゲーション装置1に対して送信するフェリー運行情報の設定を行う。次のステップS380において、配信センター4は、ステップS370で設定したフェリー運行情報をナビゲーション装置1へと配信する。これにより、配信センター4は、様々な車両について取得された通過所要時間に基づいてフェリー運行情報を設定し、ナビゲーション装置1へ配信する。ステップS250を実行したら、ステップS310へと戻る。
【0078】
一方、ステップS320からステップS390へ進んだ場合、ステップS390において、配信センター4は、車両100が道路に復帰したか否かを判定する。道路に復帰した場合、すなわち、ナビゲーション装置1から送信された位置情報による車両100の現在位置が道路上または道路上にマッチング可能な地点にある場合は、ステップS400へと進む。一方、車両100が道路を逸脱したままであり道路に復帰していない場合は、ステップS360へ進んで前述のような処理を実行する。
【0079】
ステップS400において、配信センター4は、車両100の現在位置がフェリー乗り場から所定範囲内ではないか否かを判定する。フェリー乗り場から所定範囲内ではない場合は、ステップS410へ進む。一方、フェリー乗り場から所定範囲内である場合、すなわち車両100がフェリー航路の通過を中止して道路に復帰したような場合は、ステップS450へ進む。
【0080】
ステップS410において、配信センター4は、車両100の現在位置がフェリー降り場から所定範囲内であるか否かを判定する。フェリー降り場から所定範囲内である場合、すなわち車両100がフェリー航路を通過した後にフェリー降り場付近の道路に復帰したような場合は、ステップS420へ進む。一方、フェリー降り場から所定範囲内でない場合は、ステップS450へ進む。
【0081】
ステップS420において、配信センター4は、現在の時刻をフェリー航路の通過終了時刻として記録する。これにより、車両100がフェリー航路を通過し終えた時刻が、フェリー航路の通過終了時刻として記録される。
【0082】
以上説明したように、配信センター4は、ステップS330およびS340の判定条件を満たしたときに、車両100がフェリー航路の通過準備を開始したと判定して、通過開始時刻を記録する。また、ステップS390、S400およびS410の判定条件を満たしたときに、車両100がフェリー航路を通過し終えたと判定して、通過終了時刻を記録する。このようにすることで、車両100がフェリー航路を通過したか否かを判定する。
【0083】
ステップS430において、配信センター4は、車両100がフェリー航路を通過したときの通過所要時間を算出する。ここでは、ステップS350で記録された通過開始時刻と、ステップS420で記録された通過終了時刻とに基づいて、フェリー航路の通過所要時間を算出する。
【0084】
ステップS440において、配信センター4は、ステップS430で算出したフェリー航路の通過所要時間に基づいて、データベースを更新する。なお、このステップS440の処理は、通過所要時間を算出する度に必ずしも行う必要はない。ステップS440を実行したら、ステップS360へ進む。
【0085】
ステップS450において、配信センター4は、ステップS350で記録した通信開始時刻を消去する。これにより、配信センター4は、車両100がフェリー航路の通過を中止した場合や、車両100が道路に復帰した地点がフェリー乗り場とフェリー降り場のいずれからも離れているような場合は、通信開始時刻を消去して、通過所要時間が誤って算出されるのを防ぐ。ステップS450を実行したら、ステップS360へ進む。
【0086】
なお、以上説明した第2の実施の形態においても、第1の実施の形態で説明したのと同様に、様々な車両について算出された通過所要時間のうち、所定のしきい値を超える通過所要時間を除いた各通過所要時間に基づいて、フェリー運行情報を設定する。すなわち、ステップS440においてデータベースの更新を行う際には、ステップS430で算出された通過所要時間のうち、所定のしきい値を超える通過所要時間については除外して、データベースの更新を行う。このとき、ステップS370では、その通過所要時間を除いたデータベースの記録内容に基づいて、フェリー運行情報を設定する。これにより、前述のようにフェリー運行情報を正確に設定することができる。
【0087】
以上説明した第2の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)ナビゲーション装置1は、フェリー航路通過情報を送信する代わりに、車両100の位置情報を所定時間ごとに配信センター4に送信することとした。このようにしたので、配信センター4において、車両100の位置情報に基づいて、車両100がフェリー航路を通過したか否かを判定することができる。
【0088】
(2)配信センター4は、ナビゲーション装置1から所定時間ごとに送信される車両100の位置情報を受信し、その位置情報に基づいて、車両100がフェリー航路を通過したか否かを判定する(ステップS330、S340、S390、S400、S410)。そして、フェリー航路を通過したと判定されたときの通過所要時間を算出する(ステップS430)。こうして様々な車両について算出された通過所要時間に基づいて、フェリー運行情報を設定し(ステップS370)、設定されたフェリー運行情報をナビゲーション装置1へ配信する(ステップS380)こととした。このようにしたので、配信センター4は、実際のフェリーの運行状況を反映したフェリー運行情報をナビゲーション装置1へ配信することができる。
【0089】
−第3の実施の形態−
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態では、所定の集計時間ごとに各車両の通過所要時間を集計し、その集計結果から算出される平均値に基づいてフェリー運行情報を設定する例を説明する。
【0090】
図8は、本実施形態による配信センター4において実行される配信処理のフローチャートである。このフローチャートにしたがって、本実施形態についての説明を以下に行う。なお、図8のフローチャートにおいて、第1の実施の形態による配信センター4で実行される図6のフローチャートと同じの処理を行うステップについては、同一のステップ番号としている。この同一ステップ番号の処理内容については、以下において特に必要ない限り説明を省略する。
【0091】
ステップS231において、配信センター4は、ステップS220でフェリー航路情報を受信することにより取得した通過所要時間を集計する。ここでは、予め設定された所定の集計時間ごとに通過所要時間の集計を行う。たとえば、1時間ごとに通過所要時間を集計する。ステップS232において、配信センター4は、ステップS232による通過所要時間の集計結果に基づいて、集計時間ごとの通過所要時間の平均値を算出する。
【0092】
ステップS251において、配信センター4は、集計時間内で所定の更新許可時間が経過したか否かを判定する。この更新許可時間には、前述の集計時間よりも短い時間、たとえば30分が設定されている。ステップS231で通過所要時間の集計を開始した時刻から更新許可時間が経過する前であれば、配信センター4はステップS252へ進み、経過した後であればステップS253へ進む。
【0093】
ステップS251からステップS252へ進んだ場合、ステップS252において、配信センター4は、前回の集計時間における通過所要時間の平均値によりフェリー運行情報を設定する。すなわち、ステップS232で集計時間ごとに算出された通過所要時間の平均値のうち、現在よりも1つ前の集計時間における通過所要時間の平均値を、フェリー運行情報として設定する。ステップS252を実行したら、ステップS260へ進む。
【0094】
一方、ステップS251からステップS253へ進んだ場合、ステップS253において、配信センター4は、今回の集計時間における通過所要時間の平均値によりフェリー運行情報を設定する。すなわち、ステップS231において現在の集計時間内でこれまでに集計された通過所要時間から、ステップS232において算出された平均値を、フェリー運行情報として設定する。ステップS253を実行したら、ステップS260へ進む。
【0095】
以上説明したように、集計時間内で所定の更新許可時間が経過する前は、ステップS252の処理が実行されることで、前回の集計時間においてステップS231で集計された通過所要時間に基づいて、フェリー運行情報が設定される。また、集計時間内で所定の更新許可時間が経過した後は、ステップS253の処理が実行されることで、今回の集計時間において集計された通過所要時間に基づいて、フェリー運行情報が設定される。これにより、配信センター4は、ステップS260においてフェリー運行情報を配信する際に、通過所要時間の集計時間の一部と、その集計結果に基づくフェリー運行情報の配信時間の一部とを重複させることができる。したがって、最新のフェリー運行情報をナビゲーション装置1へ配信することができる。
【0096】
以上説明した第3の実施の形態によれば、次の作用効果が得られる。
(1)配信センター4は、予め設定された所定の集計時間ごとにステップS220で取得された通過所要時間を集計する(ステップS231)。そして、集計時間内で所定の更新許可時間が経過する前は、前回の集計時間においてステップS231で集計された通過所要時間に基づいてフェリー運行情報を設定し(ステップS252)、集計時間内で所定の更新許可時間が経過した後は、今回の集計時間においてステップS231で集計された通過所要時間に基づいてフェリー運行情報を設定する(ステップS253)こととした。このようにしたので、配信センター4は、最新のフェリー運行情報をナビゲーション装置1へ配信することができる。
【0097】
なお、前述の第2の実施の形態においても、以上説明した第3の実施の形態と同様の処理を行うことにより、所定の集計時間ごとに各車両の通過所要時間を集計して、その集計結果から算出される平均値に基づいてフェリー運行情報を設定することができる。すなわち、図7のフローチャートにおいてステップS440の処理を行う代わりに、図8のステップS231およびS232の処理を実行する。また、図7のフローチャートにおいてステップS370の処理を行う代わりに、図8のステップS251、S252およびS253の処理を実行する。このようにすれば、上記の第3の実施の形態において説明したように、配信センター4は、最新のフェリー運行情報をナビゲーション装置1へ配信することができる。
【0098】
なお、以上説明した各実施の形態では、配信センター4が有するデータベースに基づいて設定されたフェリー運行情報を配信センター4からナビゲーション装置1へと配信し、このフェリー運行情報に基づいて、ナビゲーション装置1により経路探索を行うこととしていた。しかし、前述したような各フェリー航路における通過所要時間の統計情報などのデータベースをナビゲーション装置1に記憶させておくことにより、ナビゲーション装置1は、配信センター4と接続しなくても、実際のフェリーの運行状況を考慮して、フェリー航路を含む経路を探索することができる。
【0099】
すなわち、ナビゲーション装置1は、フェリー航路を様々な車両が通過したときの通過所要時間に関する統計情報のデータベースをHDD13により記憶しておく。このデータベースに基づいて、車両100がフェリー航路を通過する際の通過所要時間を予測し、その通過所要時間に基づいて、フェリー航路を含む経路を探索することができる。このようにしても、ナビゲーション装置1は、フェリー航路のように車両が他の交通機関を利用することで通過可能な特定の区間について、実際の運行状況を考慮して経路探索を行うことができる。
【0100】
以上説明した各実施の形態では、フェリー航路を例に説明したが、たとえばカートレインの運行区間などにおいても本発明を適用することができる。すなわち、車両が他の交通機関を利用することで通過可能な特定の区間であれば、どのような区間であっても、本発明を適用可能である。
【0101】
以上説明した各実施の形態や変形例はあくまで一例であり、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されない。
【0102】
上記の各実施の形態では、特許請求の範囲に記載された各手段を、ナビゲーション装置1の制御部10、または配信センター4において実行される処理により、それぞれ実現することとした。しかし、これはあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の一実施形態によるナビゲーションシステムの構成を示す図である。
【図2】ナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図3】車両がフェリー航路を通過する際の様子を示す図である。
【図4】ナビゲーション装置において経路探索時に実行される経路探索処理のフローチャートである。
【図5】ナビゲーション装置においてフェリー航路通過情報の送信時に実行される通過情報送信処理のフローチャートである。
【図6】第一の実施の形態の配信センターにおいてフェリー運行情報の配信時に実行される配信処理のフローチャートである。
【図7】第二の実施の形態の配信センターにおいてフェリー運行情報の配信時に実行される配信処理のフローチャートである。
【図8】第三の実施の形態の配信センターにおいてフェリー運行情報の配信時に実行される配信処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0104】
1:ナビゲーション装置 2:通信端末
3:移動体通信網 4:配信センター
10:制御部 11:振動ジャイロ
12:車速センサ 13:HDD
14:GPS受信部 15:表示モニタ
16:入力装置 100:車両
200:フェリー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に搭載され、前記車両が他の交通機関を利用することで通過可能な特定の区間を含む経路を探索するナビゲーション装置であって、
前記特定の区間を様々な車両が通過したときの通過所要時間に基づいて設定された前記他の交通機関の運行情報を配信装置から受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された前記他の交通機関の運行情報に基づいて、自車両が前記特定の区間を通過する際の通過所要時間を予測する予測手段と、
前記予測手段により予測された通過所要時間に基づいて、前記特定の区間を含む経路を探索する経路探索手段と、
前記特定の区間を前記自車両が通過したときの通過所要時間に関する情報を前記配信センターに送信する送信手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記自車両が前記特定の区間の通過準備を開始したか否かを判定する開始判定手段と、
前記自車両が前記特定の区間を通過し終えたか否かを判定する終了判定手段とをさらに備え、
前記送信手段は、前記通過所要時間に関する情報として、前記開始判定手段により前記自車両が前記特定の区間の通過準備を開始したと判定されてから、前記終了判定手段により前記自車両が前記特定の区間を通過し終えたと判定されるまでの時間に関する情報を、前記配信装置に送信することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記開始判定手段は、前記自車両が前記特定の区間の始点から所定範囲内の地域において道路から逸脱したときに、前記自車両が前記特定の区間の通過準備を開始したと判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載のナビゲーション装置において、
前記終了判定手段は、前記開始判定手段により前記自車両が前記特定の区間の通過準備を開始したと判定された後に、前記自車両が前記特定の区間の終点から所定距離以内の地域において道路に復帰したときに、前記自車両が前記特定の区間を通過し終えたと判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項2〜4いずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記自車両が前記特定の区間の通過を中止したか否かを判定する中止判定手段をさらに備え、
前記送信手段は、前記中止判定手段により前記自車両が前記特定の区間の通過を中止したと判定された場合、前記通過所要時間に関する情報を前記配信装置に送信しないことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーション装置において、
前記中止判定手段は、前記開始判定手段により前記自車両が前記特定の区間の通過準備を開始したと判定されてから、前記終了判定手段により前記自車両が前記特定の区間を通過し終えたと判定されるまでの間に、前記自車両が前記特定の区間の始点から所定範囲内の地域において道路に復帰したときに、前記自車両が前記特定の区間の通過を中止したと判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記送信手段に替えて、前記自車両の位置情報を所定時間ごとに前記配信装置に送信する位置情報送信手段を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1〜6いずれか一項に記載のナビゲーション装置から前記送信手段により送信される情報を受信することにより、前記特定の区間を当該車両が通過したときの通過所要時間を取得する取得手段と、
前記取得手段により様々な車両について取得された通過所要時間に基づいて、前記他の交通機関の運行情報を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された前記他の交通機関の運行情報を前記ナビゲーション装置へ配信する配信手段とを備えることを特徴とする配信装置。
【請求項9】
請求項8に記載の配信装置において、
前記設定手段は、前記取得手段により様々な車両について取得された通過所要時間のうち、所定のしきい値を超える通過所要時間を除いた各通過所要時間に基づいて、前記他の交通機関の運行情報を設定することを特徴とする配信装置。
【請求項10】
請求項8または9に記載の配信装置において、
予め設定された所定の集計時間ごとに前記取得手段により取得された通過所要時間を集計する集計手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記集計時間内で所定の更新許可時間が経過する前は、前記集計手段により前回の集計時間において集計された通過所要時間に基づいて前記他の交通機関の運行情報を設定し、前記集計時間内で所定の更新許可時間が経過した後は、前記集計手段により今回の集計時間において集計された通過所要時間に基づいて前記他の交通機関の運行情報を設定することを特徴とする配信装置。
【請求項11】
請求項7に記載のナビゲーション装置から前記位置情報送信手段により所定時間ごとに送信される当該車両の位置情報を受信し、その位置情報に基づいて、当該車両が前記特定の区間を通過したか否かを判定する通過判定手段と、
前記通過判定手段により当該車両が前記特定の区間を通過したと判定されたときの通過所要時間を算出する算出手段と、
前記算出手段により様々な車両について算出された通過所要時間に基づいて、前記他の交通機関の運行情報を設定する設定手段と、
前記設定手段により設定された前記他の交通機関の運行情報を前記ナビゲーション装置へ配信する配信手段とを備えることを特徴とする配信装置。
【請求項12】
請求項11に記載の配信装置において、
前記設定手段は、前記算出手段により様々な車両について算出された通過所要時間のうち、所定のしきい値を超える通過所要時間を除いた各通過所要時間に基づいて、前記他の交通機関の運行情報を設定することを特徴とする配信装置。
【請求項13】
請求項11または12に記載の配信装置において、
予め設定された所定の集計時間ごとに前記算出手段により算出された通過所要時間を集計する集計手段をさらに備え、
前記設定手段は、前記集計時間内で所定の更新許可時間が経過する前は、前記集計手段により前回の集計時間において集計された通過所要時間に基づいて前記他の交通機関の運行情報を設定し、前記集計時間内で所定の更新許可時間が経過した後は、前記集計手段により今回の集計時間において集計された通過所要時間に基づいて前記他の交通機関の運行情報を設定することを特徴とする配信装置。
【請求項14】
請求項1〜7いずれか一項に記載のナビゲーション装置と、請求項8〜13いずれか一項に記載の配信装置とを有するナビゲーションシステム。
【請求項15】
車両に搭載され、前記車両が他の交通機関を利用することで通過可能な特定の区間を含む経路を探索するナビゲーション装置であって、
前記特定の区間を様々な車両が通過したときの通過所要時間に関する統計情報を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶された統計情報に基づいて、自車両が前記特定の区間を通過する際の通過所要時間を予測する予測手段と、
前記予測手段により予測された通過所要時間に基づいて、前記特定の区間を含む経路を探索する経路探索手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−304313(P2008−304313A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−151588(P2007−151588)
【出願日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】