説明

ナビゲーション装置、高度座標を決定する方法、並びに、デーベースを生成する方法

【課題】ナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】ナビゲーション装置は、タイル表示のそれぞれのタイル(25)のために、インデックスデータを記憶するデータベースを有する。インデックスデータは、タイルと重なり合っている格子の複数のセルのそれぞれ1つについて、各々のセルと少なくとも部分的に重なりあう不整三角形網の各三角形状面(26から39)のための識別子をそれぞれ含む。格子の複数のセルは、各々のタイル(25)を覆うように設定される。ナビゲーション装置の処理装置は、地図の地物の高度座標を決定するために、所与の水平方向座標を有する地図の地物が位置する三角形状面(26から39)を決定するためにインデックスデータを使用する構成されている。データベースを使用して、高度座標を決定するための方法、及び、データベースを生成する方法もまた、説明される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置における高度情報の使用に関連した方法と装置に関する。本発明は、具体的には、ナビゲーション装置、高度座標を決定する方法、並びに、データベースを生成する方法に関する。本発明は、特に、地形に位置づけられる地図の地物を含む3次元の地形を画像化するためにできるような装置と方法に関する。
【背景技術】
【0002】
地形のための高度情報は、ナビゲーション装置において次第に広く使用されている。そのような高度情報が使用され得る1つの例示的分野は、3次元地図の出力である。光学的出力部を、出力電子地図のために使用することができる。電子地図は、小型の、及び/又は、携帯型の装置のスクリーンに表示され得るため、それらは、多目的及び小型であるという利点を有する。3次元(3D)地図、すなわち遠近図法は、その高い認識特性のために、ユーザに対して特別な価値を有し得る。すなわち、道路の交差点のような環境領域の認識は、3次元地図が出力されるとき、従来の2次元図法と比較して、容易になり得る。
【0003】
高度情報が使用され得る別の例示的分野は、ナビゲーション用途又は運転者補助を含む。説明のために、燃料消費コストのような、経路検索において使用される様々な費用関数は、包含される高度差に依存する場合がある。高度情報は、決定される経路を移動する際に高度差が包含されることを可能にする。高度差の燃料消費、又は、他の運転者補助機能に対する影響を考慮に入れることができる。
【0004】
これらの高度情報の用途に対して、地図の地物の高度座標を決定することが必要になり得る。説明のために、道路区分、対象となる地点、又は、3次元地形の地域のような地図の地物を正確に位置づけるために、その高度座標が認知されなければならない。
【0005】
地図の地物が正確な高度に位置づけられることを保証する1つのアプローチは、このような各地図の地物について、地図データベース内に水平方向座標に加えて高度座標を格納させることであろう。もしたった1つの高度座標が地図の地物のために格納されるならば、地図の地物は、レベル間での、その根底にあるデジタル高度モデル(DEM)内の差異の結果として、地形を表示するために通常利用できる様々な異なるレベルまたは解像度のために、常に表示さることができない場合がある。各レベルに対して1つの高度座標を格納することは、記憶空間の面で望ましくない。
【0006】
別のアプローチでは、地図の地物の水平方向座標を使用し、DEMデータに基づいて、その高度座標を決定することである。不整三角形網(TIN)の形式を有するDEMでは、一旦、所与の水平方向座標を有する地図の地物が位置する三角形状面が認知されれば、高度座標を容易に計算されることができる。しかしながら、正確な三角形状面を特定することは、特に多数の三角形状面を含むタイルについては、計算的に高コストであり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
従って、地図の地物の高度座標を、その水平方向座標に基づいて決定するとき、性能が向上することを可能とするナビゲーション装置、及び、方法に対する必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この必要性は、独立請求項に記載されるナビゲーション装置と方法によって、対処される。従属請求項は、実施形態を定義する。
【0009】
1つの態様に従って、ナビゲーション装置が提供される。ナビゲーション装置は、データベース、及び、データベースと結合した処理装置を有する。データベースは、タイル表示の複数のタイルについて、それぞれ、各々のタイルに対するインデックスデータ、および3次元表面を定義する、少なくとも1つの不整三角形網、TINを格納する。インデックスデータは、格子の複数セルのそれぞれ1つに対して、各々のセルと少なくとも一部重なりあう各三角形状面に対する識別子を包含する。格子の複数セルは、各々のタイルを覆うように定義される。処理装置は、地図の地物の水平方向座標に基づいて、3次元表面に位置する地図の地物の高度座標を決定するように構成されている。この目的のために、処理装置は、高度座標を決定するため、地図の地物が位置する少なくとも1つのTINの三角形状面を決定するために、インデックスデータを使用するように構成される。
【0010】
データベースは、索引構造を有する。インデックスデータを使用して、地図の地物が位置できる可能性がある三角形状面のサブセットを、低い計算のコストで決定することが可能である。それによって、実行時に高度座標を決定するために要求される計算の複雑性を、低減させることが可能である。
【0011】
当該技術における普通の専門用語に従って、「水平方向座標」は、重力ベクトルに対して垂直な直交方向内で測定される座標を指す。
【0012】
ここで使用されるように、もし、タイル上への三角形状面の投影がセルと一部重なりあうならば、3次元三角形状面はセルと「一部重なりあう」とみなす。すなわち、三角形状面がセルと一部重なりあうかどうかを決定するとき、三角形状面の高度情報は無視される。
【0013】
セルは長方形セルとすることができ、地図の地物の水平方向座標が設定される参照フレームのx及びy座標軸と整列する辺を有する。
【0014】
処理装置は、地図の地物の水平方向座標に基づいて、地図の地物が位置するタイルのセルを特定するように構成することができる。処理装置は、タイルに対するインデックスデータを使用して、決定されたセルと少なくとも部分的に重なりあう、少なくとも1つのTINの三角形状面のサブセットを決定するように構成することができる。それにより、地図の地物が位置するであろう、全ての三角形状面の候補を、索引構造を使用して、特定することができる。
【0015】
処理装置は、地図の地物が位置するサブセットの、1つの三角形状面を確立するように構成することができる。この目的のために、処理装置は、数学的ルーチンを使用することができる。このような「内含的」ルーチンの実例は、当業者に周知である。ルーチンは、タイル上の三角形状面の総数より平均して著しく少ないであろう三角形状面候補の一部でのみ、実行される必要がある。処理装置は、確立された三角形状面を定義するデータに基づいて、地図の地物の高度座標を計算するように構成することができる。
【0016】
タイル表示の少なくとも1つのタイルについて、セルのサイズは、タイル全体を通して変化し得る。すなわち、格子は、1つのタイル内に異なったサイズを有するセルを包含可能である。それによって、TIN(一つ又は複数)の三角形状面の異なったサイズを考慮に入れることができる。三角形状面が概してより小さいタイルの領域において、より小さいセルを使用することができる。
【0017】
タイル表示の全てのタイルについて、複数セルは、複数セルの任意の1つと一部重なりあう三角形状面の数が予め設定された上限によって制限されるように、それぞれ設定することができる。これは、単位領域に付きより多くのの三角形状面が存在する領域においてより小さくなる、適切に選択されたセルのサイズによって達成可能である。それによって、インデックスデータが照会されるときに戻される、三角形状面の候補の最大数を制限することができる。
【0018】
ナビゲーション装置は、光学出力部を有し得る。処理装置は、光学出力部と結合され得、光学出力部を、決定された高度座標に対応した高度で地図の地物を出力するよう制御するように構成することができる。
【0019】
もし地図の地物が、それが水平方向座標の複数の対を有するという意味で、拡張されるならば、複数の三角形状面はそれぞれ、索引構造を用いて、決定することができる。
【0020】
地図の地物は、道路区分、興味のある場所、地域、又は3次元地形で位置付けることができる任意の他の地物であってよい。
【0021】
別の態様に従って、データベースが提供される。データベースは、タイル表示の複数のタイルについて、それぞれ、各々のタイルに対するインデックスデータ、および3次元表面を設定する、少なくとも1つの不整三角形網、TIN、を格納する。インデックスデータは、格子の複数セルのそれぞれ1つに対して、それぞれ、各々のセルと少なくとも部分的に重なりあう各三角形状面に対する識別子を包含する。格子の複数セルは、各々のタイルを覆うように定義される。
【0022】
別の態様に従って、水平方向座標に基づいて、地図の地物の高度座標を決定する方法が提供される。データベースは、高度座標を決定するために使用される。データベースは、タイル表示の複数のタイルについて、それぞれ、各々のタイルに対するインデックスデータ、および3次元表面を設定している、少なくとも1つの不整三角形網、TIN、を格納する。インデックスデータは、格子の複数セルのそれぞれ1つに対して、それぞれ、各々のセルと少なくとも部分的に重なりあう各三角形状面に対する識別子を包含する。この方法では、インデックスデータは、水平方向座標に基づいて、地図の地物が位置する少なくとも1つのTINの三角形状面を確立するためにアクセスされる。地図の地物の高度座標は、水平方向座標、及び、確立された三角形状面を定義するデータに基づいて、決定される。
【0023】
高度座標を決定する方法の実施形態は、ナビゲーション装置の実施形態と対応し得、対応する効果を有する。
【0024】
別の態様に従って、ナビゲーション装置のためのデータベースを生成する方法を提供する。方法は、タイル表示のタイルについて、それぞれ実行される以後のステップを有する。少なくとも1つの不整三角形網、TINを定義するデータが取り出される。少なくとも1つのTINは、3次元表面を表現する。複数のセルを有する格子が、複数のセルがタイルを覆うように、タイルに対して定義される。格子の各セルに対して、各々のセルと少なくとも部分的に重なりあうTINの全ての三角形状面が決定される。タイルに対するインデックスデータ、及び、少なくとも1つのTINを設定しているデータが、データベースに格納される。インデックスデータは、複数のセルの各セルに対して、各々のセルと少なくとも部分的に重なりあうTINの全ての三角形状面の情報を包含する。
【0025】
この方法を使用して、インデックスデータを有するデータベースが生成される。インデックスデータは、地図の地物の水平方向座標を使用して照会が実行さるとき、地図の地物が位置する三角形状面を特定する過程を容易にする。
【0026】
複数のセルは、セルのサイズが格子全体にわたって変化するように、定義することができる。それによって、三角形状面の異なる密度が考慮に入れられる。
【0027】
格子のセルサイズは、セルと少なくとも部分的に重なりあうTINの三角形状面の数が予め設定された上限によって制限されるように、局所的に選択することができる。それによって、索引構造を使用してクエリ内で特定された三角形状面候補の数を、予め設定された上限未満に留めさせることができる。
【0028】
格子内のセルの数の限度、又は、各セルの最大のサイズは、少なくとも1つのTINを定義するデータの分解能レベルに基づいて選択することができる。異なる分解能レベルは、通常、異なる数の三角形状面をもたらす。これは、格子を定義するとき、制約条件として考慮可能である。
【0029】
格子は、セルのそれぞれ1つが長方形であり、各セルの辺がタイルの辺と平行である、又は、一部重なりあうように、定義することができる。
【0030】
索引構造を有するデータベースが、ナビゲーション装置に導入可能である。
【0031】
高度座標を決定するためにデータベースが使用されるとき、それは、地図の地物が位置している3次元地形の映像化、経路を移動する際に生じる費用の計算、経路検索、または同様なものなどの、様々な分野の用途において使用することができる。
【0032】
上記で言及した特徴、及び、下記で説明される特徴は、示される各々の組み合わせにおいてだけでなく、他の組み合わせにおいて、又は、単独においてもまた、使用できることを理解すべきである。
例えば、本発明は以下の項目を提供する。
(項目1)
ナビゲーション装置(1)であって、
データベース(10)であって、タイル表示(20)の複数のタイル(25)について、各々のタイル(25)のためのインデックスデータ(16)を、それぞれ記憶すると共に、3次元表面(21)を設定している少なくとも1つの不整三角形網、TIN、を記憶するデータベース(10)と、
処理装置(2)であって、上記データベース(10)と結合され、且つ、上記3次元表面(21)に位置する地図の地物(22)の高度座標を、上記地図の地物(22)の水平方向座標に基づいて、決定するように構成されていると共に、上記高度座標を決定するために、上記地図の地物(22)が位置する上記少なくとも1つのTINの三角形状面(26から39)を決定するために上記インデックスデータ(16)を使用するために構成された処理装置(2)と
を有し、
上記インデックスデータ(16)は、格子(40、50)の複数のセル(41から44、51から57)のそれぞれ1つについて、上記各々のセル(41から44、51から57)と少なくとも部分的に重なりあう、上記少なくとも1つのTINの各三角形状面(26から39)のための識別子を、それぞれ含み、上記格子(40、50)の上記複数のセル(41から44、51から47)は、上記各々のタイル(25)を覆うように設定されている、
ナビゲーション装置(1)。
(項目2)
上記処理装置(2)は、
上記水平方向座標に基づいて、上記地図の地物(22)が位置するタイル(25)のセル(41から44、51から57)を特定するように、且つ、
上記タイル(25)のための上記インデックスデータ(16)を用いて、上記決定されたセル(41から44、51から57)と少なくとも部分的に重なりあう上記少なくとも1つのTINの三角形状面(26から39)の部分を決定するように、構成されている項目1記載のナビゲーション装置(1)。
(項目3)
上記処理装置(2)は、
上記地図の地物(22)が位置する上記部分の1つの三角形状面(26から39)を確立するように、且つ、
上記確立された三角形状面(26から39)を定義するデータに基づいて、上記地図の地物(22)の上記高度座標を計算するように、
更に構成されている項目2記載のナビゲーション装置(1)。
(項目4)
上記タイル表示(20)の少なくとも1つのタイル(25)について、上記セル(51から57)のサイズが上記タイル全体にわたって変化する項目2記載のナビゲーション装置(1)。
(項目5)
上記タイル表示(20)の全てのタイル(25)について、上記複数のセル(51から57)が、上記複数のセル(51から57)の任意の1つと一部重なりあう三角形状面(26から39)の数が、予め設定された上限によって制限されるように、それぞれ定義される項目4記載のナビゲーション装置(1)。
(項目6)
光学出力部(4)を更に有し、
上記処理装置(2)は、上記光学出力部(4)と結合され、且つ、上記決定された高度座標に対応する高度で、上記地図の地物(22)を出力するよう、上記光学出力部(4)を制御するように構成される、項目1ないし5いずれか1項に記載のナビゲーション装置(1)。
(項目7)
データベース(10)を使用して、水平方向座標に基づいて、地図の地物(22)の高度座標を決定し、
上記データベース(10)は、タイル表示(20)の複数のタイル(25)について、各々のタイル(25)のためのインデックスデータ(16)をそれぞれ記憶すると共に、3次元表面(21)を設定している、少なくとも1つの不整三角形網、TIN、を記憶し、
上記インデックスデータ(16)は、格子(40、50)の複数のセル(41から44、51から57)のそれぞれ1つについて、上記各々のセル(41から44、51から57)と少なくとも部分的に重なりあう、上記少なくとも1つのTINの各三角形状面(26から39)のための識別子をそれぞれ含む、
方法であって、
上記水平方向座標に基づいて、上記地図の地物が位置する上記少なくとも1つのTINの三角形状面(26から39)をかくりつするために上記インデックスデータ(16)にアクセスすることと、
上記水平方向座標に基づいて、且つ、上記確立された三角形状面(26から39)を定義するデータに基づいて、上記高度座標を決定することと
を含む方法。
(項目8)
上記三角形状面(26から39)を確立するために、上記地図の地物(22)が位置するタイル(25)のセルは、上記水平方向座標に基づいて、特定され、且つ、上記セルのために上記インデックスデータ(16)内に格納されている上記識別子が取り出される、
項目7記載の方法。
(項目9)
上記タイル表示(20)の少なくとも1つのタイル(25)について、上記セル(51から57)のサイズが上記タイル(25)全体にわたって変化する項目7又は8記載の方法。
(項目10)
光学出力部(4)は、上記決定された高度座標に対応する高度で上記地図の地物(2)を出力するように制御される項目7又は8記載の方法。
(項目11)
上記データベースは、上記タイル表示(20)の上記タイル(25)のために、それぞれ実行される以下のステップを有する地図生成手順によって、生成される、項目7又は8記載の方法:
上記少なくとも1つの不整三角形網、TINを設定するデータを取り出すステップであって、上記少なくとも1つのTINは上記3次元表面(21)を表すステップと、
複数のセル(41から44、51から57)を有する上記格子(40、50)を設定するステップであって、上記複数のセル(41から44、51から57)は上記タイル(25)を覆っているステップと、
上記格子(40、50)の各セルについて、上記各々のセル(41から44、51から57)と少なくとも部分的に重なりあう、上記TINの三角形状面(26から39)を決定するステップと、
上記タイル(25)、及び、上記少なくとも1つのTINを設定している上記データ(15)、のためのインデックスデータ(16)を上記データベース(10)内に格納するステップであって、
上記インデックスデータ(16)は、上記複数のセル(41から44、51から57)の各セル(41から44、51から57)について、上記各々のセルと少なくとも部分的に重なりあう上記TINの全ての三角形状面(26から39)の情報を含むステップ。
(項目12)
ナビゲーション装置(1)のためのデータベースを生成し、上記タイル表示(20)の上記タイル(25)のためにそれぞれ実行される以下のステップを有する、方法:
少なくとも1つの不整三角形網、TINを定義するデータを取り出すステップであって、上記少なくとも1つのTINは上記3次元表面(21)を表すステップと、
複数のセル(41から44、51から57)を有する格子(40、50)を設定するステップであって、上記複数のセル(41から44、51から57)は上記タイル(25)を覆っているステップと、
上記格子(40、50)の各セルについて、上記各々のセル(41から44、51から57)と少なくとも部分的に重なりあう、上記TINの三角形状面(26から39)を決定するステップと、
上記タイル(25)、及び、上記少なくとも1つのTINを設定している上記データ(15)、のためのインデックスデータ(16)を上記データベース(10)内に格納するステップであって、
上記インデックスデータ(16)は、上記複数のセル(41から44、51から57)の上記各セル(41から44、51から57)について、上記各々のセルと少なくとも部分的に重なりあう上記TINの全ての三角形状面(26から39)の情報を含むステップ。
方法。
(項目13)
上記複数のセル(41から44、51から57)が、上記セル(51から57)のサイズが上記格子(40、50)全体にわたって変化するように、設定される項目12記載の方法。
(項目14)
上記格子(50)の上記セル(51から57)のサイズが、セル(51から57)と少なくとも部分的に重なりあう上記TINの三角形状面(26から39)の数が、予め設定された上限によって制限されるように、局所的に選択される項目13記載の方法。
(項目15)
上記格子(40、50)のセル(41から44、51から57)の数が、上記少なくとも1つのTINを定義する上記データの分解能レベルに基づいて選択される項目12から14のいずれか1項に記載の方法。
(項目16)
上記格子(40、50)は、上記セル(41から44、51から57)のそれぞれ1つが長方形であり、且つ、各セル(41から44、51から57)の辺が上記タイル(25)の辺と平行である、又は、部分的に重なりあうように、定義される項目12から14のいずれか1項に記載の方法。
(項目17)
データベース(10)は、地形の画像化の使用のため、ナビゲーション装置(1)の記憶装置(3)に格納される項目12から14のいずれか1項に記載の方法。
摘要
ナビゲーション装置は、タイル表示のそれぞれのタイル(25)のために、インデックスデータを記憶するデータベースを有する。インデックスデータは、タイルと重なり合っている格子の複数のセルのそれぞれ1つについて、各々のセルと少なくとも部分的に重なりあう不整三角形網の各三角形状面(26から39)のための識別子をそれぞれ含む。格子の複数のセルは、各々のタイル(25)を覆うように設定される。ナビゲーション装置の処理装置は、地図の地物の高度座標を決定するために、所与の水平方向座標を有する地図の地物が位置する三角形状面(26から39)を決定するためにインデックスデータを使用する構成されている。データベースを使用して、高度座標を決定するための方法、及び、データベースを生成する方法もまた、説明される。
【0033】
前述の、及び、他の実施形態の特徴は、付随図面と併せて読まれるとき、実施形態の以後の詳細な説明から、より明らかになるであろう。図面で、同様の参照番号は同様の要素を表す。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、ナビゲーション装置の概略ブロック図である。
【図2】図2は、データベースの概略図である。
【図3】図3は、重ね合わせたタイル表示を伴う地形の平面図である。
【図4】図4は、タイルに対するTINを説明する斜視図である。
【図5】図5は、重ね合わせた格子を伴うタイルを示す平面図である。
【図6】図6は、重ね合わせた格子を示すタイルの平面図である。
【図7】図7は、別の重ね合わせた格子を示すタイルの平面図である。
【図8】図8は、別の重ね合わせた格子を示すタイルの平面図である。
【図9】図9は、高度座標を決定する方法のフローチャートである。
【図10】図10は、データベースを生成する方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0035】
図1は、実施形態に従った、ナビゲーション装置1を概略的に示す。ナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置の動作を制御する処理装置2を含む。処理装置2は、例えば1以上のマイクロプロセッサ、デジタル信号処理装置、又は、特定用途向け集積回路の形態の中央処理装置を含むことができる。処理装置2は、また、画像プロセッサを含むことができる。ナビゲーション装置1は、記憶装置3内に格納されたデータベース10を更に含む。記憶装置3は、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ、又はハードドライブのような様々なタイプのメモリの任意の1つ、又は、任意の組み合わせ、なお又、コンパクトディスク(CD)、DVD、メモリカードなど、のようなリムーバブル記憶装置を有し得る。ナビゲーション装置1は、光学出力部4も含む。ナビゲーション装置1は、位置センサ、及び/又は、無線受信機、及び/又は、入力インターフェース5のような付加的構成要素を含み得る。
【0036】
記憶装置3は、3次元地形を定義するデータベース10を格納する。データベース10のデータは、3次元地図を生成するため、すなわち、地形を画像化するため、燃料消費、又は、経路と関連した他のコストを決定する等のため、処理装置2によって使用することができる。
【0037】
以下、より詳細に説明されるように、データベース10のデータは、タイル表示に従って組織化される。3次元地形を表現しているデータが格納されるべき領域は複数のタイルに細分化される。タイルのそれぞれ1つのために、デジタル高度モデル(DEM)データが格納される。DEMデータは、1以上の不整三角形網(TIN)を含むことができる。TINの各三角形状面は、1つのタイルのみに位置する。所与のタイルに位置する所与の水平方向(すなわちx及びy)座標を有する地図の地物について、このタイルに対して定義される全てのTINの三角形状面は、地図の地物が位置する可能性のある候補である。所与の水平方向座標を有する地図の地物が位置する1つの三角形状面を特定する過程において、性能を向上させるために、データベース10は、また、各タイルのためにインデックスデータを格納する。
【0038】
インデックスデータは、三角形状面のサブセットをタイル上で定義されたセルと呼ばれる任意の領域に関連づける。セルは、組み合わせられた全てのセルが、これらが設定されているタイルを完全に覆うように、設定可能である。セルの境界線は、場合によっては格子の格子線であり、格子線は、タイルの辺と平行に伸長し、又は、一致している。
【0039】
セルのそれぞれ1つは、セルの辺がタイルの辺と平行な、又は、一致した状態で、長方形である場合がある。このようなセルについて、所与の対の水平方向座標が位置するセルは、低い計算のコストで確立される。
【0040】
インデックスデータは、タイルのために設定された複数のセルのそれぞれ1つについて、セルと少なくとも部分的に重なりあうTIN(1つ又は複数)の全ての三角形状面の情報を包含する。所与の水平方向座標を有する地図の地物が位置するセルが、認知されているとき、三角形状面候補の小さなサブセットを、インデックスデータに基づいて、容易に取り出すことができる。地図の地物は、インデックスデータに従って、セルと少なくとも部分的に重なりあうサブセット内の三角形状面の1つに位置しなければならない。タイルに対するTINの三角形状面の数に概して比例して増減する回数、所与の三角形状面に、地図の地物が位置するかどうかを決定するルーチンを実行することは、要求されない。
【0041】
図2は、データベース10の概略図である。データベース10は、ナビゲーション装置1で使用することができる。データベース10は、3次元地形を表現する。もし複数の異なる分解能レベルを提供することが望ましいならば、以下説明されるデータ構造を、分解能レベルのそれぞれに対して提供することができる。
【0042】
データベース10は、タイル表示の第1のタイルに関連したデータ11、タイル表示の第2のタイルに関連したデータ12、タイル表示の第3のタイルに関連したデータ13などを包含する。異なるタイルのためのデータ11から13は、同一の基本構造を有し得る。データ11の構造のみが、例示的に、より詳細に説明される。
【0043】
データ11は、DEMデータ15を含む。DEMデータ15は、1つのTIN又はいくつかのTINを定義し得る。長方形タイルについて、偶数のTINを定義することができる。異なる拡大縮小レベルの別個のTINが存在可能である。各タイルの説明について、2つのTINが、粗い拡大縮小レベルのために定義され得、4つのTINが、より詳細な拡大縮小レベルのてめに定義され得る。
【0044】
TINをそれぞれ表しているデータは、TINの各交点の3つの座標を表している3つのタプルの配列を含むことができる。各タイルの全ての交点の座標を分離して格納する必要性を不要にするテンプレートパターンを使用することのように、他の表現法も使用され得る。TINをそれぞれ表しているデータは、また、交点アレーの交点を参照するインデックスを伴うインデックス配列を含むことができる。インデックス配列は、三角形状面のそれぞれに対して、各々の三角形状面の角を形成する3つの交点を定義することができる。当該技術で周知の様々な技法が、コンパクトな形式でTINを格納するために使用できる。
【0045】
データ11は、また、インデックスデータ16を含む。インデックスデータ16は、タイルに定義された格子の各セルについて、各々のセルと一部重なりあうTIN(1つまたは複数)の三角形状面の情報を含む。説明のために、三角形状面のインデックスのような、三角形状面の適切な識別子を、各セルに関連したインデックスデータ16内に含めることができる。
【0046】
図2で説明されるように、インデックスデータは、タイル単位の様式で格納することができ、各々のタイルのために、DEMデータのような他のデータと組み合わされ、1つの、より大きいデータ構造とすることができる。地形の局所的な変更に応じた更新は、それゆえ、より容易に実行可能である。更新は、変更が必要とされるタイルのみが置き換えられなければならないので、無線による更新として実行可能である。
【0047】
図3は、タイル表示20が定義されている地形の概略平面図である。地形は、網がけ領域によって概略的に示されるように、様々な高度レベルにわたって伸長可能である。網がけ領域は、海水面のような1つの高度レベルであり得、非網がけ領域は、別の高度レベルであり得る。
【0048】
地形の3次元表面構造は、少なくともよい近似まで、各タイルのために設定されたTIN(一つ又は複数)によって表わすことができる。TINは、表面構造を実行時に表現するとき、よい性能を示す。
【0049】
図4は、タイル上に定義されたTIN21を説明する概略斜視図である。TINは、複数の三角形状面を含む。地図の地物22の高度座標を決定するために、それが位置する三角形状面が知られていなければならない。三角形状面が知られているとき、高度座標は、地図の地物の水平方向座標に基づいて、および、それぞれの三角形状面を設定しているデータに基づいて、計算することができる。これは、三角形状面への投影を計算することによって、なされ得る。
【0050】
インデックスデータは、地図の地物が位置する三角形状面を特定するとき、性能を向上させるために使用される。
【0051】
図5はタイル25の平面図である。TINの構成形態は、実線で示されている。破線で示される格子線を伴う格子が、タイル25に重ね合わされている。図6は、明瞭性のためTIN構成形態を省略した状態の、図5の格子40及び格子のセル41から44を示している平面図である。
【0052】
TINは、図5の平面図に示される複数の三角形状面26から39を含む。三角形状面は、それぞれ、x‐y平面に投影されたとき、1つ又はいくつかの格子40のセル41から44と一部重なりあう。
【0053】
インデックスデータは、様々なセル41から44と一部重なりあう三角形状面の情報を提供する。説明のために、三角形状面26から29はセル41と一部重なりあう。インデックスデータは、それに対応して、三角形状面26から29がセル41と一部重なりあうことを定義する。三角形状面30及び31は、セル44と一部重なりあう。三角形状面26、29、32、及び33は、セル42と一部重なりあう。三角形状面32から39は、セル43と一部重なりあう。
【0054】
この情報は、データベースが生成される前処理段階で決定することができる。どの三角形状面が格子の様々なセルと一部重なりあうかの情報は、データベースがナビゲーション装置に導入される前に、それに続く使用のためにインデックスデータとして、データベース内に格納される。
【0055】
地図の地物が位置する三角形状面を決定するとき、インデックスデータを利用することができる。説明のために、もし地図の地物が(地図の地物の水平方向座標に基づいて容易に決定可能である)セル44に位置するならば、地図の地物は、2つの三角形状面30及び31のうちの1つに位置しなければならない。これら2つの面30及び31のみを、地図の地物が三角形状面30に位置するか、又は、三角形状面31に位置するかを決定するために、通常のルーチンを使用して、試験する必要がある。
【0056】
定型格子40が図6に示される一方で、格子はまた、セルがタイルを横切って変化するサイズを有するように、定義することができる。セルサイズは、単位面積当たりの三角形状面の数がより多い領域内で、より小さくなるように選択することができる。説明のために、より小型のセルサイズを、三角形状面34から37が定義される領域内で選択することができる。
【0057】
図7は、変化するセルサイズを有する格子50を示す。セル51、52、及び57は、第1のサイズを有する。セル54から56は、第2のサイズを有し、セル54から56の領域は、セル51、52、及び57の領域の、それぞれ4分の1である。
【0058】
格子50がタイル25と重ね合わされるとき、三角形状面34及び35のみが、セル53と一部重なりあう。三角形状面35及び36のみが、セル54と一部重なりあう。三角形状面36及び37のみが、セル55と一部重なりあう。及び、三角形状面37及び34のみが、セル56と一部重なりあう。
【0059】
セルサイズは、それぞれの位置における三角形状面の密度に依存して、セルの位置の関数として、系統的に調整することができる。説明のために、もし元のセルと一部重なりあう三角形状面の数が、所与の上限に到達する、又は、超えることが決定される場合、定型格子のセルは複数のセルに分割され得る。三角形状面候補の最大数は、このように、所与の値に設定される。
【0060】
地図の地物が位置する三角形状面を決定するとき、インデックスデータを利用することができる。説明のために、もし地図の地物が(地図の地物の水平方向座標に基づいて容易に決定可能である)格子50のセル54に位置するならば、地図の地物は、2つの三角形状面35及び36のうちの1つに位置しなければならない。これらの2つの面35及び36のみを、地図の地物が三角形状面35に位置するか、又は、三角形状面36かを決定するために、通常のルーチンを使用して、試験する必要がある。
【0061】
図7に示された格子について、付加的データ構造を、タイルのためのDEMを定義するデータに含めることができる。さらなるデータ構造は、異なるセルのサイズと位置の情報を含むことができる。
【0062】
右上の角のセルを分割するだけではなく、格子線の間隔が調整され得る。それによって、格子線の間隔を、適合させることができる。
【0063】
図8は、様々な異なるセルサイズを有する別の格子59を示す。格子59では、格子線間隔は、変化する。セル57は第1のサイズを有する。セル57及び58は、長方形であり、正方形ではなく、第2のサイズを有し、セル57及び58の面積はそれぞれ、セル57の面積の半分である。セル53から56は、さらにより小さい面積を有する。
【0064】
格子線間隔の情報は、DEMを定義するデータ内に格納することができる。特に、もし格子線間隔が等距離でなければ、x及びy軸に平行な格子線の位置の情報を格納することができる。この情報は、簡単な検索操作において、所与の一対の水平方向座標を有する地図の地物が位置するセルを決定するために、利用することができる。
【0065】
図9は地図の地物の高度座標を、その水平方向座標に基づいて、決定する方法60のフローチャートである。方法60は、ナビゲーション装置の処理装置によって実行することができる。
【0066】
61において、地図の地物が位置する、タイルおよびタイルのセルが決定される。各タイルによって、及び、タイルの各セルによって覆われている、最大及び最小のx及びy座標が既知であるので、これは低い計算コストでなされ得る。格子線の位置の情報を、地図の地物が位置するセルを決定するために、データベースから取り出すことができる。少なくとも、セルを定義する格子の格子線間隔が等距離でない場合、この情報を取り出すことができる。
【0067】
62において、決定されたセルと一部重なりあう三角形状面(1つ又は複数)の情報が、取り出される。タイルのためのインデックスデータが、どの三角形状面(1つ又は複数)がそれぞれのセルと一部重なりあうかを決定するために、使用される。地図の地物は、三角形状面(1つ又は複数)の1つに位置しなければならない。
【0068】
63において、1より多い三角形状面がセルと一部重なりあうかどうかを決定する。もし1より多い三角形状面がセルと一部重なりあうならば、方法は64へ進行し、そうでなければ、方法は65へ進行する。64において、地図の地物が位置する1つの三角形状面が、セルと一部重なりあう複数の三角形状面から、選択される。この目的のために、ルーチンは、セルと一部重なりあう三角形状面のそれぞれ1つについて、水平方向座標を伴う地図の地物がそれぞれの三角形状面に位置するかどうかを決定するために、実行され得る。この決定は、ステップ61又は62よりも計算的により高コストであるが、それは、セルと一部重なりあう三角形状面に対してのみ、実行されなければならない。方法は65へ進行する。
【0069】
65において、地図の地物が位置する1つの三角形状面が決定されている。空間的に三角形状面を定義するデータが、地図の地物の高度座標を計算的に決定するために使用される。この目的のために、地図の地物のx及びy座標を有し、高度座標軸と平行な直線と三角形状面の交点が計算され得る。
【0070】
66において、決定された高度座標を、ナビゲーション装置で使用することができる。説明のために、光学的出力部を、地図の地物が決定された高度座標に対応する高度で表示されるように、制御することができる。
【0071】
図10は、インデックスデータを有するデータベースを生成する方法のフローチャートである。方法は、タイル表示の様々な異なるタイルのために順次して実行可能であるが、インデックスデータを生成するために、それぞれのタイル上に重ね合わされている格子を使用する。方法は、コンピュータのような電子装置によって実行される。
【0072】
71において、格子のセルの最大セルサイズを、詳細度レベルに基づいて、選択することができる。異なる階層、すなわち、詳細度のレベルに対して、タイル表示とTINは異なりうる。従って、固有のセルサイズは、それぞれの詳細度のレベルに基づいて、選択することができる。
【0073】
72において、複数のセルを有する格子が生成され得る。複数のセルは、組み合わされて完全にタイルを覆う。格子は、各タイルが71で決定された最大サイズより小さいサイズを有して、最初に定型格子として生成することができる。
【0074】
73において、格子のセルが選択され得る。セルは、格子のいかなる任意のセルであり得、ステップ73から77において、反復がセルにわたって実行される。
【0075】
74において、セルと少なくとも部分的に重なりあうタイルのTIN(一つ又は複数)の全ての三角形状面が決定される。これは計算的に高コストとなり得るが、ステップ74は、データベースが生成される前処理段階で実行される。実行時間の性能は、それによって悪影響を受けない。
【0076】
75において、セルと少なくとも部分的に重なりあう三角形状面の数が、予め設定された上限より大きいかどうかが決定される。もし、セルと少なくとも部分的に重なりあう三角形状面の数が、予め設定された上限より大きいことが決定される場合、方法は76に続く。76において、セルは、複数のより小さいセルに分割される得、より小型のセルの各々は、タイルの辺と平行な辺を有する。方法は、それから、73へ戻り、そこでは、より小小さいセルの1つが選択され得る。
【0077】
もし、セルと少なくとも部分的に重なりあう三角形状面の数が、予め設定された上限より大きくないことが決定されるならば、方法は77に続く。77において、ステップ73から77が、全てのセルに対して、既に実行された
かどうかが決定される。もし、セルと一部重なりあう三角形状面がまだ決定されてない別のセルが存在する場合、方法は73へ戻る。新しいセルが選択され、且つ、73から77が繰り返される。
【0078】
もし、77において、ステップ73から77が、全てのセルについて既に実行されたことが決定された場合、方法は78に続く。78において、格子の様々なセルと一部重なりあう三角形状面の情報を含むインデックスデータが、データベースに格納される。
【0079】
図10には示されていないが、格子線の位置の情報もまた、各々のタイルに対するデータ内に格納することができる。説明のために、x軸と平行に伸長する格子線のy座標が格納され得、y軸と平行に伸長する格子線のx座標が保管され得る。格子線の位置は、もし格子線間隔が等距離でない場合、選択的に格納され得る。
【0080】
方法70が、タイル表示の全てのタイルのために実行されたとき、データベースを、地図の地物の高度座標を決定する際の使用のため、ナビゲーション装置に導入することができる。
【0081】
実施形態に従った方法と装置が詳細に説明されたが、他の実施形態において、変更を行うことができる。説明のため、正方形のセルを伴う格子が説明されたが、格子のセルは、正方形でない長方形形状のような他の適切な形状も有することができる。更なる説明のために、タイル表示のタイルは、変化する、サイズ、及び/又は、形状を有することができる。
【0082】
本発明の実施形態は、例えば、ルート検索又は他の運転補助の用途のために、地形に位置する地図の地物を伴う3次元地形の画像化のために、使用することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置(1)であって、
データベース(10)であって、タイル表示(20)の複数のタイル(25)について、各々のタイル(25)のためのインデックスデータ(16)を、それぞれ記憶すると共に、3次元表面(21)を設定している少なくとも1つの不整三角形網、TIN、を記憶するデータベース(10)と、
処理装置(2)であって、前記データベース(10)と結合され、且つ、前記3次元表面(21)に位置する地図の地物(22)の高度座標を、前記地図の地物(22)の水平方向座標に基づいて、決定するように構成されていると共に、前記高度座標を決定するために、前記地図の地物(22)が位置する前記少なくとも1つのTINの三角形状面(26から39)を決定するために前記インデックスデータ(16)を使用するために構成された処理装置(2)と
を有し、
前記インデックスデータ(16)は、格子(40、50)の複数のセル(41から44、51から57)のそれぞれ1つについて、前記各々のセル(41から44、51から57)と少なくとも部分的に重なりあう、前記少なくとも1つのTINの各三角形状面(26から39)のための識別子を、それぞれ含み、前記格子(40、50)の前記複数のセル(41から44、51から47)は、前記各々のタイル(25)を覆うように設定されている、
ナビゲーション装置(1)。
【請求項2】
前記処理装置(2)は、
前記水平方向座標に基づいて、前記地図の地物(22)が位置するタイル(25)のセル(41から44、51から57)を特定するように、且つ、
前記タイル(25)のための前記インデックスデータ(16)を用いて、前記決定されたセル(41から44、51から57)と少なくとも部分的に重なりあう前記少なくとも1つのTINの三角形状面(26から39)の部分を決定するように、構成されている請求項1記載のナビゲーション装置(1)。
【請求項3】
前記処理装置(2)は、
前記地図の地物(22)が位置する前記部分の1つの三角形状面(26から39)を確立するように、且つ、
前記確立された三角形状面(26から39)を定義するデータに基づいて、前記地図の地物(22)の前記高度座標を計算するように、
更に構成されている請求項2記載のナビゲーション装置(1)。
【請求項4】
前記タイル表示(20)の少なくとも1つのタイル(25)について、前記セル(51から57)のサイズが前記タイル全体にわたって変化する請求項2記載のナビゲーション装置(1)。
【請求項5】
前記タイル表示(20)の全てのタイル(25)について、前記複数のセル(51から57)が、前記複数のセル(51から57)の任意の1つと一部重なりあう三角形状面(26から39)の数が、予め設定された上限によって制限されるように、それぞれ定義される請求項4記載のナビゲーション装置(1)。
【請求項6】
光学出力部(4)を更に有し、
前記処理装置(2)は、前記光学出力部(4)と結合され、且つ、前記決定された高度座標に対応する高度で、前記地図の地物(22)を出力するよう、前記光学出力部(4)を制御するように構成される、請求項1ないし5いずれか1項に記載のナビゲーション装置(1)。
【請求項7】
データベース(10)を使用して、水平方向座標に基づいて、地図の地物(22)の高度座標を決定し、
前記データベース(10)は、タイル表示(20)の複数のタイル(25)について、各々のタイル(25)のためのインデックスデータ(16)をそれぞれ記憶すると共に、3次元表面(21)を設定している、少なくとも1つの不整三角形網、TIN、を記憶し、
前記インデックスデータ(16)は、格子(40、50)の複数のセル(41から44、51から57)のそれぞれ1つについて、前記各々のセル(41から44、51から57)と少なくとも部分的に重なりあう、前記少なくとも1つのTINの各三角形状面(26から39)のための識別子をそれぞれ含む、
方法であって、
前記水平方向座標に基づいて、前記地図の地物が位置する前記少なくとも1つのTINの三角形状面(26から39)をかくりつするために前記インデックスデータ(16)にアクセスすることと、
前記水平方向座標に基づいて、且つ、前記確立された三角形状面(26から39)を定義するデータに基づいて、前記高度座標を決定することと
を含む方法。
【請求項8】
前記三角形状面(26から39)を確立するために、前記地図の地物(22)が位置するタイル(25)のセルは、前記水平方向座標に基づいて、特定され、且つ、前記セルのために前記インデックスデータ(16)内に格納されている前記識別子が取り出される、
請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記タイル表示(20)の少なくとも1つのタイル(25)について、前記セル(51から57)のサイズが前記タイル(25)全体にわたって変化する請求項7又は8記載の方法。
【請求項10】
光学出力部(4)は、前記決定された高度座標に対応する高度で前記地図の地物(2)を出力するように制御される請求項7又は8記載の方法。
【請求項11】
前記データベースは、前記タイル表示(20)の前記タイル(25)のために、それぞれ実行される以下のステップを有する地図生成手順によって、生成される、請求項7又は8記載の方法:
前記少なくとも1つの不整三角形網、TINを設定するデータを取り出すステップであって、前記少なくとも1つのTINは前記3次元表面(21)を表すステップと、
複数のセル(41から44、51から57)を有する前記格子(40、50)を設定するステップであって、前記複数のセル(41から44、51から57)は前記タイル(25)を覆っているステップと、
前記格子(40、50)の各セルについて、前記各々のセル(41から44、51から57)と少なくとも部分的に重なりあう、前記TINの三角形状面(26から39)を決定するステップと、
前記タイル(25)、及び、前記少なくとも1つのTINを設定している前記データ(15)、のためのインデックスデータ(16)を前記データベース(10)内に格納するステップであって、
前記インデックスデータ(16)は、前記複数のセル(41から44、51から57)の各セル(41から44、51から57)について、前記各々のセルと少なくとも部分的に重なりあう前記TINの全ての三角形状面(26から39)の情報を含むステップ。
【請求項12】
ナビゲーション装置(1)のためのデータベースを生成し、前記タイル表示(20)の前記タイル(25)のためにそれぞれ実行される以下のステップを有する、方法:
少なくとも1つの不整三角形網、TINを定義するデータを取り出すステップであって、前記少なくとも1つのTINは前記3次元表面(21)を表すステップと、
複数のセル(41から44、51から57)を有する格子(40、50)を設定するステップであって、前記複数のセル(41から44、51から57)は前記タイル(25)を覆っているステップと、
前記格子(40、50)の各セルについて、前記各々のセル(41から44、51から57)と少なくとも部分的に重なりあう、前記TINの三角形状面(26から39)を決定するステップと、
前記タイル(25)、及び、前記少なくとも1つのTINを設定している前記データ(15)、のためのインデックスデータ(16)を前記データベース(10)内に格納するステップであって、
前記インデックスデータ(16)は、前記複数のセル(41から44、51から57)の前記各セル(41から44、51から57)について、前記各々のセルと少なくとも部分的に重なりあう前記TINの全ての三角形状面(26から39)の情報を含むステップ。
方法。
【請求項13】
前記複数のセル(41から44、51から57)が、前記セル(51から57)のサイズが前記格子(40、50)全体にわたって変化するように、設定される請求項12記載の方法。
【請求項14】
前記格子(50)の前記セル(51から57)のサイズが、セル(51から57)と少なくとも部分的に重なりあう前記TINの三角形状面(26から39)の数が、予め設定された上限によって制限されるように、局所的に選択される請求項13記載の方法。
【請求項15】
前記格子(40、50)のセル(41から44、51から57)の数が、前記少なくとも1つのTINを定義する前記データの分解能レベルに基づいて選択される請求項12から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項16】
前記格子(40、50)は、前記セル(41から44、51から57)のそれぞれ1つが長方形であり、且つ、各セル(41から44、51から57)の辺が前記タイル(25)の辺と平行である、又は、部分的に重なりあうように、定義される請求項12から14のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
データベース(10)は、地形の画像化の使用のため、ナビゲーション装置(1)の記憶装置(3)に格納される請求項12から14のいずれか1項に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate


【公開番号】特開2012−234174(P2012−234174A)
【公開日】平成24年11月29日(2012.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−100812(P2012−100812)
【出願日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【出願人】(504147933)ハーマン ベッカー オートモーティブ システムズ ゲーエムベーハー (165)
【Fターム(参考)】