説明

ナビゲーション装置およびそのヘルプ提示方法

【課題】音声案内装置は、例えば、興奮状態や緊張状態などユーザの意識状態を判断するだけで、そのような意識状態を引き起こす原因を特定していない。そのようなユーザの困惑原因を特定し、困惑原因に応じたヘルプを提示するナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置は、ユーザの困惑状態を検出する困惑検出手段と、前記困惑検出手段がユーザの困惑状態を検出すると、困惑状態に応じた所定のヘルプ内容を提示するヘルプ提示手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置およびそのヘルプ提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載されるように、ユーザの発汗量や、脈拍数などを検知し、運転中の意識状態を判断する車両用音声案内装置がある。この音声案内装置は、ユーザの意識状態に応じて所定の音声案内を実行する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−288532号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前述の音声案内装置は、例えば、興奮状態や緊張状態などユーザの意識状態を判断するだけで、そのような意識状態を引き起こす原因を特定することまでは想定されていない。一方で、例えば、ユーザが困惑している場合に、困惑原因を特定し、困惑原因に応じたヘルプを提示できれば、ユーザにとって非常に便利である。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザの困惑原因を特定し、困惑原因に応じたヘルプを提示するナビゲーション装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明に係るナビゲーション装置は、ユーザの困惑状態を検出する困惑検出手段と、前記困惑検出手段がユーザの困惑状態を検出すると、困惑状態に応じた所定のヘルプ内容を提示するヘルプ提示手段、という構成を有する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの困惑原因を特定し、困惑原因に応じたヘルプを提示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】本発明の一実施形態に係るリンクデータを示す図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る困惑タイプ特定リストを示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係るヘルプリストを示す図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の機能ブロックを示す図である。
【図6】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の困惑検出処理およびヘルプ提示処理を示すフロー図である。
【図7】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の詳細な困惑検出処理を示すフロー図である。
【図8】本発明の一実施形態においてヘルプ内容が提示された画面例である。
【図9】本発明の一実施形態においてヘルプが提示された画面例である。
【図10】本発明の一実施形態においてヘルプが提示された画面例である。
【図11】本発明の一実施形態においてヘルプが提示された画面例である。
【図12】本発明の一実施形態においてヘルプが提示された画面例である。
【図13】本発明の一実施形態の第一変形例においてヘルプが提示された画面例である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、ナビゲーション装置100の概略構成図である。ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、出力装置10と、記憶装置11と、音声入出力装置12(音声入力装置としてマイクロフォン13、音声出力装置としてスピーカ14)と、入力装置15と、ROM装置16と、車速センサ17と、ジャイロセンサ18と、GPS(Global Positioning System)受信装置19と、FM多重放送受信装置20と、ビーコン受信装置21と、を備えている。
【0011】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。演算処理部1は、例えば、車速センサ17、ジャイロセンサ18、GPS受信装置19、FM多重放送受信装置20、またはビーコン受信装置21から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、演算処理部1は、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置11あるいはROM装置16から読み出す。また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねて出力装置10へ表示する。また、演算処理部1は、記憶装置11あるいはROM装置16に記憶されている地図データ等を用いて、ユーザから指示された出発地または現在地と、目的地と、を結ぶ最適な経路(以下、「推奨経路」という)を探索する。また、演算処理部1は、スピーカ14や出力装置10を用いてユーザを誘導する。
【0012】
また、演算処理部1は、現在地を検出するための各センサ(車速センサ17、ジャイロセンサ18)の他に、車内に設置された各センサから出力されるセンサ値を受け付ける。なお、センサ値は、車両のハンドルに取り付けられる各センサ(把持力センサ、発汗量センサ、把持位置センサ)、シートに取り付けられる各センサ(シート圧センサ、荷重位置センサ)、車内に設置されるカメラなどから出力される。そして、後述するように、演算処理部1は、受け付けたセンサ値および各装置から取得した情報に基づいてユーザの困惑状態を検出する。
【0013】
演算処理部1は、各デバイス間をバス6で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)2と、記憶装置11から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)3と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)4と、各種ハードウェアを演算処理部1に接続するインターフェイスであるI/F5と、を有する。
【0014】
出力装置10は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。例えば、出力装置10は、グラフィックス情報を表示するための液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。
【0015】
記憶装置11は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。
【0016】
記憶装置11には、例えば、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル、交通情報テーブル、経路情報および区間情報や、音声認識に用いられる辞書データなどが記憶されている。
【0017】
交通情報テーブル(図示せず)は、例えば、FM多重放送受信装置20やビーコン受信装置21等の通信装置を介して、図示しない外部の機関等から送信された交通情報を記憶するテーブルである。また、経路情報(図示せず)は、ナビゲーション装置100等による経路探索の結果得られた経路に関する情報である。また、区間情報(図示せず)は、例えば一つまたは複数のリンクが連結された区間ごとに、区間を構成するリンクなどを含む情報である。
【0018】
また、記憶装置11には、ユーザの困惑状態を検出する際に用いる困惑タイプ特定リストと、個々の困惑タイプに対応するヘルプ内容を規定するヘルプリストと、が記憶されている。
【0019】
図2に本実施形態に係るリンクデータ200の一例を示す。リンクデータ200には、地図上の道路を構成するリンクに関するデータ、すなわち、各レコードごとにメッシュを識別するコード(メッシュID)201と、リンクを識別するコード(リンクID)202と、リンクの開始ノードおよび終了ノードの座標位置203と、リンクの属する道路の種別204などが格納されている。走行方向は、開始ノードから終了ノードへ向かう方向により定義されている。例えば、本実施形態では、上りと下りの車線を含む道路については、上りと下りの2つのリンクが近接して存在するとして、別個に管理されている。
【0020】
図3に困惑タイプ特定リスト300の一例を示す。同図に示すように、困惑タイプ特定リスト300は、判定項目301と、困惑タイプ302と、個々の困惑タイプを識別する識別パターン303とが規定されている。
【0021】
判定項目301は、ユーザの困惑状態を検出するための判断要素の種類であるユーザの行動に関連する項目と、ナビゲーション装置100の処理に関連する項目と、車両の停止に関連する項目の3つに大別される。例えば、ユーザの行動に関連する項目は次の通りである。「ナビ画面注視」:ユーザの視線がナビゲーション装置100の出力装置10を所定時間以上の間注視しているか否かを示す。「ナビ画面と前方方向との視線往復」:ユーザの視線が、所定時間内に所定回数以上ナビゲーション装置100の出力装置100と、車両の前方方向との間を往復しているか否かを示す。「発汗量多い」:困惑状態でない場合に比べてユーザの発汗量が多いか否かを示す。「把持力強い」:困惑状態でない場合に比べてユーザの把持力が強いか否かを示す。「シート圧の変化回数および前方位置」:所定時間内に所定回数以上シート圧が変化し、荷重位置がシート前方であるか否かを示す。
【0022】
また、ナビゲーション装置100の処理に関連する項目は次の通りである。「ナビ画面にメニューが表示されている」:ナビゲーション装置100の出力装置10にメニューが表示されているか否かを示す。「同じメニュー画面に複数回戻っている」:所定時間内に複数回同じメニュー画面に戻っているか否かを示す。「コマンド不完全」:メニュー画面に表示されているアイコンを選択する段階で処理が止まっているなど、処理を実行するために受け付けるコマンドが不完全であるか否かを示す。「音声コマンド不完全」:音声認識モードに設定されている場合に、音声コマンドの入力によるアイコンを選択する段階で処理が止まっているかなど、処理を実行するために受け付ける音声コマンドが不完全で否かを示す。「現在地が細街地」:自車の現在地が細街地であるか否かを示す。「ナビ操作なし」:ナビゲーション装置100の操作がされているか否かを示す。「ナビ画面に地図が表示されている」:ナビゲーション装置100の出力装置10に地図画像が表示されているか否かを示す。「進路に複数差路あり」:進路に複数の差路があるか否かを示す。「目的地を通り過ぎた」:自車が目的地を通り過ぎたか否かを示す。
【0023】
また、車両の停止に関連する項目には、自車が停止しているか否かを示す「車両停止中」が含まれている。
【0024】
図4にヘルプリスト400の一例を示す。ヘルプリスト400には、個々の困惑タイプ401に各々対応するヘルプ内容(ヘルプ出力態様)402が規定されている。また、図示しないものの、ヘルプ内容402には、ナビゲーション装置100上に表示されているメニューの種類や表示されている地図の内容に応じた具体的なヘルプ内容が記憶されている。
【0025】
再び図1に戻って説明する。音声入出力装置12は、音声入力装置としてマイクロフォン13と、音声出力装置としてスピーカ14と、を備える。マイクロフォン13は、ユーザやその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。
【0026】
スピーカ14は、演算処理部1で生成された音声情報を受け付け、かかる音声情報を音声信号として出力する。マイクロフォン13とスピーカ14とは、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン13及びスピーカ14を、それぞれ複数備えることができる。
【0027】
入力装置15は、ユーザからの指示を、ユーザによる操作を介して受け付ける装置である。入力装置15は、方向キー31と、ダイヤルスイッチ32と、タッチパネル33と、その他のハードスイッチ(図示しない)である縮尺変更キーなどで構成される。
【0028】
方向キー31は、例えば、上下左右および各斜め方向を示す8つのハードスイッチから構成され、出力装置10に表示されるメニュー項目の選択や、地図画像のスクロール方向を決定する際に用いられる。方向キーによって示される各方向は、選択するメニュー項目の移動方向や、出力装置10の表示エリアの移動方向を示す。例えば、複数列あるメニュー項目を選択する場合、左方向を示す方向キーを押すと、左の列に配列されているメニュー項目を選択することができる(図示せず)。また、地図画像をスクロールさせる場合、例えば、左方向を示す方向キーを押すと、出力装置10の表示エリアは左方向に移動する。なお、このような方向キー31は、ダイヤルスイッチ32の一部に設けられてもよい。
【0029】
ダイヤルスイッチ23は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1に入力されたパルス信号の数から、ダイヤルスイッチ23の回転角度が求められる。
【0030】
タッチパネル24は、出力装置10の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル24は、人の指によるタッチや専用のタッチペンによるタッチを検知する。ユーザによるタッチ位置は、例えば、タッチパネル24上に設定されるXY座標に基づき特定される。このようなタッチパネル24は、例えば、静電容量方式による入力検出素子などで構成される。
【0031】
ROM装置16は、CD-ROMやDVDなどのROMやIC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0032】
車速センサ17,ジャイロセンサ18およびGPS受信装置19は、ナビゲーション装置100において現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。
【0033】
車速センサ17は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ18は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置19は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在地、進行速度および進行方位を測定し、演算処理部1に送信するものである。
【0034】
FM多重放送受信装置20は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0035】
ビーコン受信装置21は、光ビーコン、電波ビーコン等の信号を受信する。ビーコン等の信号には、VICS情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報などがある。
【0036】
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置100の機能ブロックについて説明する。
【0037】
図5はナビゲーション装置100の機能ブロック図である。ナビゲーション装置100は、主制御部500と、音声分析部501と、把持力検出部502と、発汗量検出部503と、把持位置検出部504と、シート圧検出部505と、荷重位置検出部506と、顔画検出部507と、視線方向検出部508と、ユーザ状況推定部509と、ヘルプ提示部510と、を有する。
【0038】
主制御部500は、ナビゲーション装置100の基本動作であるナビゲーション処理(例えば、交通情報の表示、現在地の表示、経路探索、経路誘導等)を実行する機能部である。具体的には、マイクロフォン13または入力装置15を通じてユーザから所定の指示を受け付けると、主制御部500は、指示に応じたナビゲーション処理を実行する。
【0039】
また、主制御部500は、ユーザから所定の指示情報を受け付ける機能部である。具体的には、主制御部500は、入力装置15を介して、ユーザからの入力指示情報を受け付ける。また、主制御部500は、音声分析部501で分析されたユーザの音声による入力指示情報を受け付ける。なお、入力指示情報とは、ナビゲーション装置100の操作のためのコマンドに関する入力情報を意味するものとする。
【0040】
また、主制御部500は、車速センサ17から出力される車速情報を受け付ける機能部である。
【0041】
また、主制御部500は、ナビゲーション装置100内の処理状態に関する情報を取得する機能部である。具体的には、主制御部500は、ナビゲーション装置100の出力装置10に表示されている画像情報や、ナビゲーション装置100に対するユーザの操作状況など、ナビゲーション装置100の処理状態に関する情報を取得する。
【0042】
また、主制御部500は、入力指示情報、車速情報、ナビゲーション装置100の処理状態に関する情報、をユーザ状況推定部509に出力する。
【0043】
音声分析部501は、マイクロフォン13を介して入力されるユーザの音声を分析する。具体的には、音声を認識して所定のコマンドを実行する音声認識モードが設定されている場合、音声分析部501は、受け付けた音声と、記憶装置11に格納された辞書データとを照合し、一致した音声を所定のコマンドとして識別する。そして、音声による所定のコマンドが指示された事を主制御部500に通知する。
【0044】
把持力検出部502は、把持力センサ値を受け付ける機能部である。把持力検出部502は、ハンドルに配置された把持力センサから受け付けた把持力センサ値を、ユーザ状況推定部509に出力する。
【0045】
発汗量検出部503は、発汗量センサ値を受け付ける機能部である。発汗量検出部503は、ハンドルに配置された発汗量センサから受け付けた発汗量センサ値を、ユーザ状況推定部509に出力する。
【0046】
把持位置検出部504は、把持位置センサ値を受け付ける機能部である。把持位置検出部504は、ハンドルに配置された把持位置センサから受け付けた把持位置センサ値を、ユーザ状況推定部509に出力する。
【0047】
シート圧検出部505は、シート圧センサ値を受け付ける機能部である。シート圧検出部505は、ユーザ(ドライバー)席に配置されたシート圧センサから受け付けたシート圧センサ値を、ユーザ状況推定部509に出力する。
【0048】
荷重位置検出部506は、荷重位置センサ値を受け付ける機能部である。荷重位置検出部506は、ユーザ(ドライバー)席に配置された荷重位置センサから受け付けた荷重位置センサ値を、ユーザ状況推定部509に出力する。
【0049】
顔画像検出部507は、顔画像情報を受け付ける機能部である。また、視線方向検出部508は、視線方向情報を受け付ける機能部である。顔画像検出部507および視線方向検出部508は、ユーザ(ドライバー)の表情を映し出すように車内に配置されたカメラから受け付けた顔画像情報および視線方向情報を、ユーザ状況推定部509に出力する。
【0050】
ユーザ状況推定部509は、各検出部から出力されたセンサ値、顔画像情報、視線方向情報と、主制御部500から出力された情報(入力指示情報、車速情報、ナビゲーション装置100の処理状態に関する情報)と、に基づいて、ユーザの困惑状態を検出する機能部である。
【0051】
具体的には、ユーザ状況推定部509は、視線方向検出部508から出力される顔画像情報や視線方向情報に基づいて、「ナビ画面注視」「ナビ画面と前方方向との視線往復」といった判定項目301に該当するか否かを判定する。また、ユーザ状況推定部509は、把持力センサ値に基づいて、「把持力が強い」といった判定項目301に該当するか否かを判定する。また、ユーザ状況推定部509は、発汗量センサ値に基づいて、「発汗量多い」といった判定項目301に該当するか否かを判定する。また、ユーザ状況推定部509は、シート圧センサ値および荷重位置センサ値に基づいて、「シート圧の変化回数および前方位置」といった判定項目301に該当するか否かを判定する。
【0052】
また、ユーザ状況推定部509は、主制御部500から出力された情報に基づいて、「ナビ画面にメニューが表示されている」、「同じメニュー画面に複数回戻っている」、「コマンド不完全」、「音声コマンド不完全」、「現在地が細街地」、「ナビ操作なし」、「ナビ画面に地図が表示されている」、「進路に複数差路あり」、「目的地を通り過ぎた」、「車両停止中」といった判定項目301に該当するか否かを判定する。
【0053】
また、ユーザ状況推定部509は、ヘルプリスト400を参照し、特定された困惑タイプ401に対応するヘルプ内容402をヘルプ提示部510に出力する。
【0054】
ヘルプ提示部510は、ナビゲーション装置100の出力装置10およびスピーカ14を介してヘルプ内容を提示する機能部である。具体的には、ヘルプ提示部510は、ユーザ状況推定部509から出力されたヘルプ内容を受け付けて、かかるヘルプ内容を示すグラフィックス情報を生成する。また、ヘルプ提示部510は、受け付けたヘルプ内容を示す音声情報を生成する。そして、ヘルプ提示部510は、生成したグラフィックス情報および音声情報を、各々、出力装置10およびスピーカ14に出力する。
【0055】
なお、上記の各機能は、ナビゲーション装置100に実装されるCPU2が読み込んだ所定のプログラムを実行することにより構築される。そのため、記憶装置11(メモリ)には、各機能部の処理を実行するためのプログラムが記憶されている。
【0056】
また、上記した各構成要素は、本実施形態に係るナビゲーション装置100の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。また、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。本実施形態に係るナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。
【0057】
また、各機能部は、ハードウェア(ASICなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0058】
以上、本実施形態に係るナビゲーション装置100の機能ブロックについて説明した。
【0059】
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置100で実行されるヘルプ提示処理について説明する。図6は、その処理過程を示したフロー図である。本フローは、ナビゲーション装置100の起動とともに開始される。
【0060】
本フローが開示されると、ユーザ状況推定部509は、困惑状態を検出したか否かを判定する(S101)。そして、困惑状態を検出した場合(S101でYes)、ユーザ状況推定部509は、特定された困惑タイプに対応するヘルプ内容を提示し(S102)、処理を終了する。一方で、困惑状態を検出しない場合(S101でNo)、ユーザ状況推定部509は、困惑状態を検出するまでS101の処理を繰り返す。
【0061】
ここで、S101におけるユーザ状況推定部509の困惑検出処理について詳しく説明する。図7は、その処理過程を示したフロー図である。本フローは、ナビゲーション装置100の起動とともに開始される。ユーザ状況推定部509は、主制御部500を介して、ユーザからの入力指示情報を受け付ける。また、ユーザ状況推定部509は、主制御部500を介して、車速センサ17から定期的に車速情報を受け付ける。また、ユーザ状況推定部509は、各センサおよびカメラから定期的に出力されるセンサ値、顔画像情報、視線方向情報を受け付ける。また、ユーザ状況推定部500は、主制御部500を介して、ナビゲーション装置100の処理状態に関する情報を受け付ける。なお、以下の説明において、これらの情報をまとめて「ユーザ状況推定情報」とする。
【0062】
ユーザ状況推定部509はユーザ状況推定情報を受け付けたか否かを判定する(S201)。そして、ユーザ状況推定情報を受け付けた場合(S201でYes)、処理をS202に移行する。一方で、ユーザ状況推定情報を受け付けていない場合(S201でNo)、ユーザ状況推定部509は、ユーザ状況推定情報を受け付けるまでS201の処理を繰り返す。
【0063】
S202において、ユーザ状況推定部509は、受け付けたユーザ状況推定情報が所定の閾値を超えているか否かを判定する。そして、所定の閾値を超えている場合(S202でYes)、かかるユーザ状況推定情報に対応する判定項目を一時的に記憶する(S203)。そして、判定項目301が、特定の困惑タイプ302の識別パターン303と一致するか否かを判定する(S204)。一方で、受け付けたユーザ状況推定情報が所定の閾値を超えていない場合(S202でNo)、ユーザ状況推定部509は、本フローの処理を終了する。
【0064】
なお、個々のユーザ状況推定情報に対応する各閾値は予め設定されているものとする。また、閾値情報は、例えば、記憶装置11に記憶されており、ユーザ状況推定部509によって参照できる状態となっているものとする。
【0065】
S203において、記憶した判定項目301が特定の困惑タイプ302の識別パターン303と一致すると判定した場合(S203でYes)、ユーザ状況推定部509は、困惑状態を検出するとともに困惑タイプを特定し(S205)、本フローの処理を終了する。一方で、特定の困惑タイプ302の識別パターン303と一致しない場合(S204でNo)、ユーザ状況推定部509は、そのまま本フローの処理を終了する。
【0066】
なお、S203で記憶した判定項目に関する情報は、記憶した時から所定時間の経過後にリセットされる。このようなリセット処理により、判定項目301に関する情報を累積的に受け付けた場合に生じる困惑状態の誤検出を防止できる。
【0067】
以上、ユーザ状況推定部509の困惑検出処理について説明した。
【0068】
次に、本実施形態で提示されるヘルプ内容(ヘルプ出力態様)の具体例について説明する。
【0069】
図8は、ユーザ状況推定部509がユーザの困惑状態を検出し、困惑タイプAが特定された場合の画面例の遷移図である。ユーザ状況推定部509がユーザの困惑状態を検出する前の画面例600には、メニューアイコン601(メニューA、メニューB、メニューC)が表示されている。
【0070】
ユーザ状況推定部509は、所定時間内に受け付けた閾値を超えるユーザ状況推定情報が困惑タイプAを特定する識別パターン303に一致すると判定した場合、画面例602に示すようなヘルプ内容を提示する。具体的には、ユーザ状況推定部509は、「ナビ画面注視」、「ナビ画面にメニューが表示されている」、「同じメニュー画面に複数回戻っている」、「車両停止中」といった判定項目301に対応するユーザ状況推定情報を取得し、かかる情報が閾値を超えていた場合、ユーザの困惑状態を検出する。また、ユーザ状況推定部509は、閾値を超えた判定項目に基づき、困惑タイプAを特定する。
【0071】
そして、ユーザ状況推定部509は、困惑タイプAに対応するヘルプ内容を提示する。具体的には、出力装置10には、「〜するときは、このアイコンを選択してください」といったアイコン機能の説明が表示されることとなる。なお、説明の表示に代えて、音声によってアイコン機能の説明に関するヘルプが提示されるようにしてもよい。
【0072】
なお、ユーザ状況推定部509が「ナビ画面と前方方向の視線往復」、「ナビ画面にメニューが表示されている」、「同じメニュー画面に複数回戻っている」といった判定項目301に対応するユーザ状況推定情報を取得し、かかる情報が閾値を超えていた場合、ユーザ状況推定部509は、ユーザの困惑状態が困惑タイプBであると特定する。
【0073】
また、ユーザ状況推定部509が「ナビ画面注視」、「ナビ画面にメニューが表示されている」、「コマンド不完全」、「車両停止中」といった判定項目301に対応するユーザ状況推定情報を取得し、かかる情報が閾値を超えていた場合、ユーザ状況推定部509は、ユーザの困惑状態が困惑タイプCであると特定する。
【0074】
また、ユーザ状況推定部509が「ナビ画面と前方方向の視線往復」、「ナビ画面にメニューが表示されている」、「コマンド不完全」といった判定項目301に対応するユーザ状況推定情報を取得し、かかる情報が閾値を超えていた場合、ユーザ状況推定部509は、ユーザの困惑状態が困惑タイプDであると特定する。
【0075】
そして、困惑タイプB〜Dが特定された場合にも、ユーザ状況推定部509は、困惑タイプAと同様に、アイコン機能の説明を表示するヘルプを提示する。なお、説明の表示に代えて、音声によってアイコン機能の説明に関するヘルプが提示されるようにしてもよい。
【0076】
図9は、ユーザ状況推定部509がユーザの困惑状態を検出し、困惑タイプEが特定された場合の画面例である。ユーザ状況推定部509は、所定時間内に受け付けた閾値を超えるユーザ状況推定情報が、困惑タイプEを特定する識別パターン303に一致すると判定した場合、画面例620に示すようなヘルプ内容を提示する。具体的には、「ナビ画面注視」、「ナビ画面にメニューが表示されている」、「音声コマンド不完全」、「車両停止中」といった判定項目301に対応するユーザ状況推定情報を取得し、かかる情報が閾値を超えていた場合、ユーザ状況推定部509は、ユーザの困惑状態を検出する。また、ユーザ状況推定部509は、閾値を超えた判定項目301に基づき、困惑タイプEを特定する。
【0077】
そして、ユーザ状況推定部509は、困惑タイプEに対応するヘルプ内容を提示する。具体的には、出力装置10には、例えば「メニューXを選択するときは、〜と発話して音声コマンドを入力してください」といった音声コマンドが表示されることとなる。なお、音声コマンドの表示に加えて、音声案内624が提示されるようにしてもよい。
【0078】
なお、ユーザ状況推定部509が「ナビ画面と前方方向の視線往復」、「ナビ画面にメニューが表示されている」、「音声コマンド不完全」といった判定項目301に対応するユーザ状況推定情報を取得し、かかる情報が閾値を超えていた場合、ユーザ状況推定部509は、ユーザの困惑状態が困惑タイプFであると特定する。
【0079】
そして、困惑タイプFが特定された場合にも、ユーザ状況推定部509は、困惑タイプEと同様に、具体的な音声コマンドが表示されることとなる。なお、音声コマンドの表示に加えて、音声案内624が提示されるようにしてもよい。
【0080】
図10は、ユーザ状況推定部509がユーザの困惑状態を検出し、困惑タイプGが特定された場合の画面例である。ユーザ状況推定部509は、所定時間内に受け付けた閾値を超えるユーザ状況推定情報が困惑タイプGを特定する識別パターン303に一致すると判定した場合、画面例640に示すようなヘルプ内容を提示する。具体的には、「ナビ画面注視」、「現在地が細街地」、「ナビ操作なし」、「ナビ画面に地図が表示されている」、「発汗量が多い」、「把持力強い」、「シート圧の変化回数および前方位置」といった判定項目301に対応するユーザ状況推定情報を取得し、かかる情報が閾値を超えていた場合、ユーザ状況推定部509は、ユーザの困惑状態を検出する。また、ユーザ状況推定部509は、閾値を超えた判定項目301に基づき、困惑タイプGを特定する。
【0081】
そして、ユーザ状況推定部509は、困惑タイプKに対応するヘルプ内容を提示する。具体的には、出力装置10には、当初の推奨経路641に加えて、現在地642から大通りまでの経路643が表示されることとなる。なお、経路表示に加え、音声による経路案内644が提示されるようにしてもよい。
【0082】
なお、ユーザ状況推定部509が「ナビ画面と前方方向の視線往復」、「現在地が細街地」、「ナビ操作なし」、「ナビ画面に地図が表示されている」、「発汗量が多い」、「把持力強い」、「シート圧の変化回数および前方位置」といった判定項目301に対応するユーザ状況推定情報を取得し、かかる情報が閾値を超えていた場合、ユーザ状況推定部509は、ユーザの困惑状態が困惑タイプHであると特定する。
【0083】
そして、困惑タイプHが特定された場合にも、ユーザ状況推定部509は、困惑タイプGと同様に、推奨経路641に加えて、現在地642から大通りまでの具体的な経路案内643が表示されることとなる。なお、経路表示に加え、音声による経路案内644が提示されるようにしてもよい。
【0084】
図11は、ユーザ状況推定部509がユーザの困惑状態を検出し、困惑タイプIが特定された場合の画面例である。ユーザ状況推定部509は、所定時間内に受け付けた閾値を超えるユーザ状況推定情報が困惑タイプIを特定する識別パターン303に一致すると判定した場合、画面例660に示すようなヘルプ内容を提示する。具体的には、「ナビ画面注視」、「ナビ操作なし」、「ナビ画面に地図が表示されている」、「発汗量が多い」、「把持力強い」、「シート圧の変化回数および前方位置」、「進路に複数差路あり」といった判定項目301に対応するユーザ状況推定情報を取得し、かかる情報が閾値を超えていた場合、ユーザ状況推定部509は、ユーザの困惑状態を検出する。また、ユーザ状況推定部509は、閾値を超えた判定項目301に基づき、困惑タイプIを特定する。
【0085】
そして、ユーザ状況推定部509は、困惑タイプIに対応するヘルプ内容を提示する。具体的には、出力装置10には、曲がるべき差路661が表示されることとなる。なお、かかる表示に加え、音声による経路案内663が提示されるようにしてもよい。
【0086】
なお、ユーザ状況推定部509が「ナビ画面と前方方向の視線往復」、「ナビ操作なし」、「ナビ画面に地図が表示されている」、「発汗量が多い」、「把持力強い」、「シート圧の変化回数および前方位置」、「進路に複数差路あり」といった判定項目301に対応するユーザ状況推定情報を取得し、かかる情報が閾値を超えていた場合、ユーザ状況推定部509は、ユーザの困惑状態が困惑タイプJであると特定する。
【0087】
そして、困惑タイプJが特定された場合にも、ユーザ状況推定部509は、困惑タイプIと同様に、曲がるべき具体的な差路661を表示することとなる。なお、かかる表示に加え、音声による経路案内662が提示されるようにしてもよい。
【0088】
図12は、ユーザ状況推定部509がユーザの困惑状態を検出し、困惑タイプKが特定された場合の画面例である。ユーザ状況推定部509は、所定時間内に受け付けた閾値を超えるユーザ状況推定情報が困惑タイプKを特定する識別パターン303に一致すると判定した場合、画面例680に示すようなヘルプ内容を提示する。具体的には、「ナビ画面注視」、「ナビ操作なし」、「ナビ画面に地図が表示されている」、「発汗量が多い」、「把持力強い」、「シート圧の変化回数および前方位置」、「目的地を通り過ぎた」といった判定項目301に対応するユーザ状況推定情報を取得し、かかる情報が閾値を超えていた場合、ユーザ状況推定部509は、ユーザの困惑状態を検出する。また、ユーザ状況推定部は、閾値を超えた判定項目301に基づき、困惑タイプKを特定する。
【0089】
そして、ユーザ状況推定部509は、困惑タイプKに対応するヘルプ内容を提示する。具体的には、ユーザ状況推定部509は、出力装置10に目的地681を通り過ぎた旨を通知するウィンドウ682を表示する。なお、かかる表示に加え、音声683によりその旨が通知されてもよい。また、現在地683通り過ぎた目的地681まので経路684を再び出力装置10に表示するようにしてもよい。また、このとき、目的地681までの経路が音声案内683によって提示されてもよい。
【0090】
なお、ユーザ状況推定部509が「ナビ画面と前方方向の視線往復」、「ナビ操作なし」、「ナビ画面に地図が表示されている」、「発汗量が多い」、「把持力強い」、「シート圧の変化回数および前方位置」、「目的地を通り過ぎた」といった判定項目301に対応するユーザ状況推定情報を取得し、かかる情報が閾値を超えていた場合、ユーザ状況推定部509は、ユーザの困惑状態が困惑タイプLであると特定する。
【0091】
そして、困惑タイプLが特定された場合にも、困惑タイプKと同様に、出力装置10に目的地681を通り過ぎた旨のウィンドウ682が表示されることとなる。なお、かかる表示に加え、音声683によりその旨が通知されてもよい。また、通り過ぎた目的地681まので経路684を再び出力装置10に表示するようにしてもよい。また、このとき、目的地681までの経路684が音声案内683によって提示されてもよい。
【0092】
以上、本発明の第一実施形態について説明した。このような発明によれば、ユーザの困惑原因を特定し、困惑原因に応じたヘルプを提示することができる。したがって、ユーザは提示されたヘルプを利用して、円滑に困惑原因を解消することができる。
【0093】
なお、本発明は本実施形態に限られるものではない。第一実施形態の第一変形例に係るナビゲーション装置は学習機能を有する。具体的には、提示されたヘルプ内容に対するユーザの評価を受け付ける。そして、受け付けたユーザの評価に応じて、予め設定されている閾値に変更を加える。その結果、より精度良くユーザの困惑状態を検出することができ、適切なヘルプ内容を提示することができる。
【0094】
図13は、第一実施形態の第一変形例に係るナビゲーション装置100がユーザの評価を受け付ける際の画面例である。画面例602は、第一実施形態の第一変形例の一例として、困惑タイプAに係るヘルプ内容603が提示された場合のものである。また、画面例700は、ヘルプ提示後に所定の処理が実行された出力装置10の表示例である。画面例700には「ヘルプは適切でしたか?Yes/No」という評価受け付けウィンドウ701が表示される。なお、評価受け付けウィンドウ701は、ヘルプ内容に従ってユーザが所定の処理を終えたタイミングで表示されるものとする。画面例700では、メニューAのアイコン(例えば、経路探索機能)が選択された場合であって、地図画像と評価受け付けウィンドウ701とが表示されている。
【0095】
ユーザは、ヘルプ内容が適切であったか否かを判定し、「Yes」または「No」のうち、該当する方を選択する。すなわち、ユーザは、自己が困惑状態であり、ヘルプ内容の提示によって困惑状態が解消した場合には「Yes」を選択し、自己が困惑状態でない場合または提示されたヘルプによっても困惑状態が解消しなかった場合には「No」を選択する。
【0096】
そして、ナビゲーション装置100は、ユーザから受け付けた評価に応じて、ユーザ状況推定情報が所定の判定項目301に該当するか否かの基準となる閾値情報に変更を加える。このように、ヘルプを提示する毎に、ユーザからの評価を受け付けることにより、ナビゲーション装置100は、より精度良くユーザの困惑状態を検出することができ、適切なヘルプ内容を提示することができる。
【0097】
なお、図13は、困惑タイプAに係るヘルプ内容を提示した場合の画面例であるが、困惑タイプB〜Lに係るヘルプ内容を提示した場合も、同様の評価受け付けウィンドウ701が表示される。また、このような学習機能の実現にあたり、NN法、ニューラルネットワーク、サポートベクターマシンなどの技術が利用されればよい。
【0098】
また、本発明は、図3に示す困惑タイプ特定リスト300の判定項目301に限定されるものではない。例えば、第一実施形態の第二変形例に係るナビゲーション装置100は、指位置センサを有する。指位置センサは、ユーザの指がナビゲーション装置100の出力装置10に近づくと、それを感知するセンサである。また、困惑タイプ特定リスト300には、把持位置センサから出力されるセンサ値に対応する「片手運転」と、指位置センサから出力されるセンサ値に対応する「指位置感知」と、いった判定項目301が規定されている。
【0099】
そして、所定時間以上、これらのセンサ値を受け付けた場合、ユーザ状況推定部509は、ユーザの困惑状態を検出する。このような場合でも、ユーザはナビゲーション装置100の操作に困惑していると考えられるため、アイコンの機能説明がヘルプ内容として提示されればよい。
【0100】
このような判定項目が規定された場合でも、本発明に係るナビゲーション装置はユーザの困惑原因を特定し、困惑原因に応じたヘルプを提示することができる。したがって、ユーザは提示されたヘルプを利用して、円滑に困惑原因を解消することができる。
【符号の説明】
【0101】
100・・・車載ナビゲーション装置、1・・・演算処理部、10・・・出力装置、11・・・記憶装置、12・・・音声入出力装置、15・・・入力装置、16・・・ROM装置、17・・・車速センサ、18・・・ジャイロセンサ、19・・・GPS受信装置、20・・・FM多重放送受信装置、21・・・ビーコン受信装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの困惑状態を検出する困惑検出手段と、
前記困惑検出手段がユーザの困惑状態を検出すると、困惑状態に応じた所定のヘルプ内容を提示するヘルプ提示手段と、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記困惑検出手段は、ユーザが困惑状態であるか否かを判定するための複数の判定情報を取得し、当該判定情報が、困惑対象毎に設定される識別パターンのいずれかと一致する場合に、ユーザの困惑状態を検出する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記困惑検出手段は、前記判定情報が所定の閾値を超える場合に、当該判定情報および前記識別パターンを比較する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記判定情報には、車内に搭載され、ユーザの動作特性を検出するセンサから出力されるセンサ値と、車速センサから出力されるセンサ値と、ナビゲーション装置の処理状態に関する情報と、が含まれている
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
さらに、提示したヘルプ内容の適否についてユーザの評価を受け付ける評価受付手段を備え、
前記評価受付手段は、提示したヘルプ内容が適切でない評価を受け付けると、前記判定情報の閾値を変更する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
ナビゲーション装置のヘルプ提示方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
ユーザの困惑状態を検出する困惑検出ステップと、
ユーザの困惑状態を検出すると、困惑状態に応じた所定のヘルプ内容を提示するヘルプ提示ステップと、
を実行することを特徴とするナビゲーション装置のヘルプ提示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−232270(P2011−232270A)
【公開日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−104862(P2010−104862)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】