説明

ナビゲーション装置およびルート表示方法

【目的】最新の地図データを用いてルート案内する場合であっても、ルート案内の開始時間を早めることが可能な「ナビゲーション装置およびルート表示方法」を提供することである。
【構成】目的地までのルートをナビゲーション装置において計算して表示する場合において、サーバーより前半のサーバールートと後半のサーバールートの境界リンクを特定するリンクデータと前半サーバールートが通過するメッシュの地図データを受信し、該メッシュの地図データを用いて出発地から前記境界リンクまでの前半ルートを探索して表示し、該前半ルートによるルート案内と並行して後半サーバールートが通過するメッシュの地図データを受信し、該地図データを用いて前記境界リンクから目的地までの後半ルートを探索し、探索した前記前半ルートと後半ルートを結合して出発地から目的地までの案内ルートを表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はナビゲーション装置およびルート表示方法に係り、特に通信手段を介してサーバーに目的地までのルート情報の配信を要求し、該サーバーが探索したルート(サーバールート)が通過するメッシュの最新地図データをサーバーより受信し、該地図データを用いて目的地までのルートを計算して表示するナビゲーション装置およびルート表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として、図17に示すように、ドライバー(ユーザー)UZRが存在する位置とユーザーが設定した目的地を車載ナビゲーション装置(図示せず)の通信機器より無線通信網、インターネットなどを介してサーバーSVRにアップロードし、サーバーが様々な情報、例えば渋滞情報、気象情報、燃費等を考慮して最新の地図データを用いてルート計算を行い、該算出したルートをナビゲーション装置に配信(ダウンロード)し、ナビゲーション装置において該ダウンロードされたルートに沿って目的地まで案内することが行われている。
しかし、従来技術では、サーバー側とユーザー側が保持する地図データベースが一致している必要があり、不一致の場合には、ダウンロードされたルート(最適経路)を表示できない問題があった。かかる問題を解決するための第1の方法は、サーバーが図18に示すようにユーザーA、B、C,・・・が持っている地図データベースのバージョン毎に地図データベースMPDB1、MPDB2、MPDB3、・・・を保持する方法であり、ユーザーに応じて所定のバージョンの地図データベースを使用してルート計算を行い、該算出したルートをユーザーのナビゲーション装置にダウンロードする。しかし、かかる方法では、サーバーはバージョン毎に地図データベースを保持、管理する必要があり、サーバー側のメンテナンス性を著しく低下させる要因となっている。
【0003】
また、上記の問題を解決するための第2の方法は、図19に示すように、サーバーSVRで利用するデータベースは最新の地図データベースNMPDBの1つとし、ユーザーが利用する地図データベースをサーバー側と同じ最新Versionに書き換えてからルートを提供する方法である。この方法によれば、サーバー側は最新の地図データベースを保持するだけでよいため、図18の第1の方法による問題はなく、地図データベースの管理を簡単に行なえ、メンテナンス性を高めることができる。しかし、第2の方法では、ユーザー側において、地図データを更新してからではないとサーバーSVRで算出したルートをナビゲーション装置に反映させることができず、案内開始するまでに多大な時間がかかる問題が発生する。又、ユーザーの地図データを、差分データを用いて最新の地図データに更新する場合には、図20に示すように更新のための差分データ(DFD1〜DFD4、DFD1′〜DFD8′)がバージョン毎に必要になる。すなわち、新バージョンの地図データベースが作成される毎に、古いバージョンから該新バージョンの地図データベースに更新する差分データを作成、用意しなければならず、作成、管理が容易でなく、また、管理する差分データ量が年々増加する問題がある。例えば、バージョン2.0の地図データベースを作成した段階で、旧バージョン1.0、1.1、1.2、1.3を最新バージョン2.0に更新するために4つの差分データDFD1〜DFD4が必要となり、バージョン3.0の地図データベースを作成した段階で、旧バージョン1.0、1.1、1.2、1.3、2.0、2.1、2.2、2.3、を最新バージョン2.0に更新するために8つの差分データDFD1′〜DFD8′が必要となる。
【0004】
そこで、図21に示すようにサーバーSVRは算出した出発地STから目的地GLまでのルートRT上のメッシュ(図21の矩形で示す)および該メッシュに隣接するメッシュだけ、ユーザーの地図データベースを更新させ、該メッシュの地図データを用いてルートを表示する方法が提案されている(特許文献1、2参照)。
しかし、かかる従来技術では、距離が長くなるほどユーザーにダウンロードするメッシュの地図データが多くなり、すなわち通信量が多くなり、特にルート内に大都市が含まれる場合には通信量がますます多くなって通信時間が長くなり、ルート案内開始の時間が遅れる問題がある。
【0005】
又、従来技術として(特許文献3参照)、更新前の地図データを用いて目的地までのルートを探索し、該ルートが通過する区画(メッシュ)に出発地から目的地に向けて順に番号1〜Nを振り、地図更新されている区画の更新地図データを番号順に取得し、全区画の更新地図データ取得後に該取得した更新地図データを用いて再度経路探索して表示する方法がある。しかし、この方法も全区画の更新地図データを取得するまでルートを取得できず、ルート案内開始の時間が遅れる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−75176号公報
【特許文献2】特開2003−77095号公報
【特許文献3】特開2004−85245号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上から、本発明の目的は、最新の地図データを用いてルート案内する場合であっても、ルート案内の開始時間を早めることである。
本発明の目的は、最新の地図データを用いてサーバーが探索したルート(サーバールート)沿いの全てのメッシュの地図データの更新を完了してなくても、ナビゲーション装置が最新地図データを用いて探索した案内ルートに沿ったルート案内ができるようにすることである。
本発明の目的は、サーバールートを出発地から所定のリンク(境界リンク)までの前半ルートと後半ルートとに分け、前半ルートに関連するメッシュの地図データを受信して該リンクまでのルートを探索、表示してルート案内し、該ルート案内と並行して後半ルートに関連するメッシュの地図データを受信して目的地までのルートを探索するようにして、サーバールート沿いの全てのメッシュの地図データの更新をナビゲーション装置において完了してなくても、最新地図データを用いてルート案内ができるようにすることである。
本発明の目的は、出発地から前記所定リンクまでのメッシュのデータサイズの合計値が設定値以下となるように該リンクを決定することである。
本発明の目的は、サーバールートが利用しているメッシュに更新優先度を設定することにより、ナビゲーション装置は優先度の高いメッシュの地図データを前半ルートに関連するメッシュの地図データとして簡単に受信でき、又、優先度の低いメッシュの地図データを後半ルートに関連するメッシュの地図データとして簡単に受信できるようにすることである。
本発明の目的は、サーバールート沿いのメッシュ(サーバールートが通過するメッシュ)だけではなく、該メッシュに近接するメッシュをナビゲーション装置に提供し、オフルート時に自動的にルートの再計算ができるようにすることである。
本発明の目的は、目的地までのサーバールートが利用するメッシュの地図データをN回(N≧2)に分け、受信済み地図データに基づいたルート案内と並行して、未受信の地図データの受信及び更新、部分ルート計算、ルート表示を行うようにしてルートが長距離であっても最新の地図データを用いたルート案内ができるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、通信手段を介してサーバーに目的地までのルート情報の配信を要求し、該サーバーが探索したルート(サーバールート)が通過するメッシュの地図データをサーバーより受信し、該地図データを用いて目的地までのルートを計算して表示するナビゲーション装置及びそのルート表示方法である。
・ルート表示方法
本発明のルート表示方法は、サーバーより前半のサーバールートと後半のサーバールートの境界リンクを特定するリンクデータと前半のサーバールートが通過するメッシュの地図データを受信するステップ、該メッシュの地図データを用いて出発地から前記境界リンクまでの前半ルートを探索して表示するステップ、該前半ルートによるルート案内と並行して後半のサーバールートが通過するメッシュの地図データを受信するステップ、該地図データを用いて前記境界リンクから目的地までの後半ルートを探索し、探索した前記前半ルートと後半ルートを結合して出発地から目的地までの案内ルートを表示するステップ、を有している。
本発明のルート表示方法は、更に、サーバーにおいて前記サーバールートが通過する各メッシュ及び該メッシュに隣接するメッシュに優先度を付すと共に、前記前半サーバールートが通過するメッシュの地図データの優先度を最高とするステップを備え、ナビゲーション装置は優先度が高いメッシュの地図データと前記境界リンクデータを受信し、該メッシュの地図データを用いて出発地から該境界リンクまでの前半ルートを探索して表示し、該前半ルートによるルート案内と並行して優先度の低いメッシュの地図データを受信し、該地図データを用いて前記境界リンクから目的地までの後半ルートを探索し、探索した前記前半ルートと後半ルートを結合して出発地から目的地までの案内ルートを表示する。この場合、前半ルートによるルート案内と並行して優先度順に後半ルートのメッシュの地図データを複数回に分けて受信し、受信する毎に部分ルートを探索し、探索した部分ルートと探索済みのルートを結合して出発地から目的地までの案内ルートを表示する。
また、メッシュに優先度を付した場合には、2以上の優先度を高優先度とし、該高優先度の複数のメッシュの地図データサイズの合計値が設定値より大きければ、地図データサイズの合計値が設定値より小さくなるように前記高優先度からランクが下の優先度を除外して高優先度とし、サーバーは該高優先度のメッシュを前記境界リンクと共にナビゲーション装置に送信する。
本発明のルート表示方法は、更に、前記後半のサーバールート上に存在する、高速道路進入リンク、高速道路脱出リンク、高速道路分岐リンク、異なる一般道路への分岐リンクなどを含む経由リンクのリストをサーバーより受信し、これら経由リンクを経由するようにナビゲーション装置において後半ルートの計算を行なう。
本発明のルート表示方法では、サーバールート上の出発地から設定距離に存在するリンクを前記境界リンクとして決定する。
【0009】
・ナビゲーション装置
本発明のナビゲーション装置は、サーバーに目的地までのルート情報の配信を要求するルート情報要求部、サーバーより前半のサーバールートと後半のサーバールートの境界リンクを特定するリンクデータと前半のサーバールートが通過するメッシュの地図データを受信すると共に、後半のサーバールートが通過するメッシュの地図データを受信する受信部、前半のサーバールートが通過する前記メッシュの地図データを用いて前記境界リンクまでのルートを探索すると共に、後半のサーバールートが通過する前記メッシュの地図データを用いて前記境界リンクから目的地までの後半ルートを探索するルート探索部、ルート探索部が探索した出発地から前記境界リンクまでの前半ルートを表示すると共に、前記境界リンクから目的地までの後半ルートと前記前半ルートとを結合して出発地から目的地までの案内ルートを表示する表示部、前記探索した前半ルートによるルート案内と並行して、後半のサーバールートが通過するメッシュの地図データを前記受信部がサーバーより受信し、かつ該メッシュの地図データを用いて前記ルート探索部が後半ルートを探索するよう制御する制御部を備えている。
前記制御部は、前記サーバールートが通過する各メッシュ及び該メッシュに隣接するメッシュに優先度が付され、かつ、前記前半サーバールートが通過するメッシュの地図データの優先度を最高とする地図データをサーバーから受信する場合、前記受信部が優先度の高いメッシュの地図データと前記境界リンクデータを受信し、かつ前記ルート探索部が該メッシュの地図データを用いて出発地から該境界リンクまでの前半ルートを探索するよう制御し、該前半ルートによるルート案内と並行して、前記受信部が優先度の低いメッシュの地図データを受信し、前記ルート探索部が該メッシュの地図データを用いて前記境界リンクから目的地までの後半ルートを探索するよう制御する。
前記制御部は、前半ルートによるルート案内と並行して優先度順に後半ルートのメッシュの地図データを複数回に分けて前記受信部が受信し、前記ルート探索部が該メッシュの地図データを受信する毎に部分ルートを探索し、前記表示部が探索した部分ルートと探索済みのルートを結合して出発地から目的地までの案内ルートを表示するよう制御する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、最新の地図データを用いてルート案内する場合であっても、ルート案内の開始時間を早めることができる。
本発明によれば、最新の地図データを用いてサーバーが探索したルート(サーバールート)沿いの全てのメッシュの地図データの更新を完了してなくても、ナビゲーション装置は最新地図データを用いてルート案内をすることができる
本発明によれば、サーバールートを出発地から所定のリンク(境界リンク)までの前半ルートと後半ルートとに分け、前半ルートに関連するメッシュの地図データを受信して該リンクまでのルートを探索、表示してルート案内し、該ルート案内と並行して後半ルートに関連するメッシュの地図データを受信して目的地までのルートを探索するようにしたから、サーバールート沿いの全てのメッシュの地図データの更新をナビゲーション装置において完了してなくても、最新地図データを用いて探索した案内ルートに沿ったルート案内をすることができる。
本発明によれば、サーバールートが通過するメッシュに更新優先度を設定することにより、ナビゲーション装置は優先度の高いメッシュの地図データを前半ルートに関連するメッシュの地図データとして簡単に受信でき、又、優先度の低いメッシュの地図データを後半ルートに関連するメッシュの地図データとして簡単に受信できる。
本発明によれば、サーバールート沿いのメッシュ(サーバールートが通過するメッシュ)だけではなく、該メッシュに近接するメッシュをナビゲーション装置に提供するようにしたから、実際のルート案内時にオフルートがあっても自動的にルートの再計算をすることができる。
本発明によれば、目的地までの後半サーバールートが利用するメッシュの地図データをN回(N≧2)に分け、受信済み地図データに基づいたルート案内と並行して、未受信の地図データの受信及び更新、部分ルート計算、ルート表示を行うようにししたから、ルートが長距離であっても最新の地図データを用いたルート案内をすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の通信システムの全体の構成図である。
【図2】本発明のルート表示におけるナビゲーション装置(ナビ)2とサーバー1間のシーケンス説明図である。
【図3】サーバーが作成したメッシュリストの説明図である。
【図4】サーバーが作成した部分リンクリストの説明図である。
【図5】サーバーの構成図である。
【図6】ルート情報の配信要求がナビゲーション装置からあった場合のサーバーの処理説明図である。
【図7】本発明のナビゲーション装置の構成図である。
【図8】ルート表示例である。
【図9】サーバーへルート配信要求を送出してから、先頭部分リンク(境界リンク)までの最新地図データを地図データベースに格納するまでのナビゲーション装置の処理フローである。
【図10】前半ルートが計算されてから、目的地までの最新地図データを地図データベースに格納するまでのナビゲーション装置の処理フローである。
【図11】更新優先度の説明図である。
【図12】更新優先度を付与した場合のメッシュリスト説明図である。
【図13】メッシュに更新優先度が付与されている場合において、サーバーより先頭部分リンクまでのメッシュの最新地図データを受信して地図データベースに格納するまでのナビゲーション装置の処理フローである。
【図14】図13の処理の一部変形例である。
【図15】メッシュに更新優先度が付与されている場合において、前半ルートが計算されてから、目的地までの最新地図データを地図データベースに格納するまでのナビゲーション装置の処理フローである。
【図16】地図データを優先度順に複数回に分けて配信する処理フローである。
【図17】第1従来技術の説明図である。
【図18】第1従来技術の問題点説明図である。
【図19】第2従来技術の説明図である。
【図20】第2従来技術の問題点説明図である。
【図21】第3従来技術の説明である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(A)本発明の概略
図1は本発明の通信システムの全体の構成図であり、センターのサーバーシステム(サーバー)1、車載ナビゲーション装置2、ホットスポット3及びインターネット4で構成されている。
車載ナビゲーション装置2は、道路に沿って配置されているホットスポット3及びインターネット4を介してセンターのサーバーシステム1と通信できるようになっている。なお、車載ナビゲーション装置2は、携帯電話機等の無線通信デバイスを介して基地局(図示せず)、インターネット4を経由してセンターのサーバーシステム1と通信するように構成することもできる。車載ナビゲーション装置2はサーバーシステム1に対して目的地までの経路計算を要求し、サーバーシステム1より受信した経路情報に基づいて経路誘導制御を行う。
【0013】
図2は本発明のルート表示におけるナビゲーション装置2とサーバー1間のシーケンス説明図である。
目的地が設定されると、ナビゲーション装置2は自分のデータベースに存在する地図データを用いて目的地までの推奨ルートを計算して表示する(S10)。しかしこのルートは最新の地図データを用いて作成したものはない。そこで、ユーザーが、サーバーが有する最新の地図データに基づいたルート探索を要求すると(ステップS11)、ナビゲーション装置2は出発地情報と目的地情報を添えてサーバー1に目的地までのルート情報の配信を要求する(ステップS12)。サーバー1は、(1) 最新の地図データを用いて出発地から目的地までのルート(サーバールートという)を計算し、(2) 該サーバールートが通過するメッシュのメッシュリストを作成し、また、(3)出発地から所定距離(例えば10km)に存在するリンク、該リンク以降に存在する特徴のある経由リンク、例えば、高速道路進入リンク、高速道路脱出リンク、高速道路分岐リンク、異なる一般道路への分岐リンクなどを含む経由リンクのリスト(部分リンクリストという)を作成する(ステップS13)。メッシュリストは図3に示すように、メッシュ番号に対応させて、(1) メッシュが出発地から10Km以内のメッシュであるか否かを示すフラグ、2)メッシュサイズ(メッシュの地図データサイズ)など含んでいる。部分リンクリストは図4に示すように、部分リンク番号(経由リンクの番号)に対応させて、(1)リンク識別子、(2)部分リンクの種別情報等を含んでいる。
【0014】
ついで、サーバー1は作成したメッシュリスト、部分リンクリスト及び地図データベースのバージョンをナビゲーション装置2に配信する(ステップS14)。ナビゲーション装置2は、メッシュリストを受信すれば、該メッシュリストにおける10km以内の各メッシュについて、該メッシュが自分の地図データベースに存在するか、存在する場合には、バージョンが同じであるかチェックして、サーバーに配信要求するメッシュを決定する(ステップS15)。すなわち、(1)フラグが”1”のメッシュ(10km以内のメッシュ)で、該メッシュの地図データが自分の地図データベースに存在しない場合、あるいは、(2)フラグが”1”のメッシュ(10km以内のメッシュ)で、自分の地図データベースに存在する該メッシュの地図データのバージョンが古い場合、これら(1)、(2)のメッシュをサーバーに配信要求するメッシュであると決定する。
そして、ナビゲーション装置2はサーバー1にステップS15で決定したメッシュの地図データの配信を要求し(10kmまでのデータベース更新要求:ステップS16)、サーバーは要求されたメッシュの最新地図データをナビゲーション装置に配信する(ステップS17)。これにより、ナビゲーション装置2は、受信した各メッシュの最新地図データで各メッシュの古い地図データを更新する(DB更新:ステップS18)。
しかる後、ナビゲーション装置2は、更新された最新地図を用いて出発地から10kmに存在するリンク(先頭部分リンクという)までのルート(前半ルート)を計算し(ステップS19)、以後、該先頭部分リンクまでの前半ルートを表示部に表示する(ステップS20)。先頭部分リンクと目的地間の後半ルートはまだ計算されていないから、例えばこれらを直線で結んで表示する。
【0015】
以後、ナビゲーション装置2は前半ルートに沿ってルート案内を継続するのと並行して後半のサーバールートが通過するメッシュの地図データをサーバー1から受信する処理を行う。すなわち、ナビゲーション装置2は、ステップS14で受信済みのメッシュリストにおける10km範囲外の各メッシュについて、該メッシュが自分の地図データベースに存在するか、存在する場合には、バージョンが同じであるかチェックして、サーバーに配信要求するメッシュを決定する。すなわち、(1)フラグが”0”のメッシュ(10km範囲外のメッシュ)で、該メッシュの地図データが自分の地図データベースに存在しない場合、あるいは、(2)フラグが”0”のメッシュ(10km範囲外のメッシュ)で、自分の地図データベースに存在する該メッシュの地図データのバージョンが古い場合、これら (1)、(2)のメッシュをサーバーに配信要求するメッシュであると決定する。そして、ナビゲーション装置2はサーバー1に決定したメッシュの地図データの配信を要求し(残りのDB更新要求:S21)、サーバー1は要求されたメッシュの最新地図データをナビゲーション装置2に配信する(ステップS22)。これにより、ナビゲーション装置2は、受信した各メッシュの最新地図データで各メッシュの古い地図データを更新する(DB更新:ステップS23)。
【0016】
しかる後、ナビゲーション装置2は、更新された最新地図を用いて10kmの先頭部分リンクから目的地までのルート(後半ルート)を計算し(ステップS24)、以後、計算した後半ルートと前記前半ルートとを結合して出発地から目的地までの案内ルートを表示する(ステップS25)。
なお、後半ルートは、ステップS14で受信した部分リンクリストに含まれる部分リンク(高速道路進入リンク、高速道路脱出リンク、高速道路分岐リンク、異なる一般道路への分岐リンクなど)を経由するように計算する。このようにすれば、ナビゲーション装置2は計算したルートとサーバーが計算したサーバールートを一致させることができる。
【0017】
(B)第1実施例
(a)サーバー
図5はサーバーの構成図であり、プロセッサ構成のサーバー本体11、最新の地図データを記憶する地図データベース12、インターネットとの間で通信制御を行う通信インターフェース部13、情報記憶部14を備えている。情報記憶部14には、(1)先頭部分リンクを特定する先頭部分リンク情報HLKや、(2)部分リンクリストにリストアップするリンクの特徴(高速道路進入リンク、高速道路脱出リンク、高速道路分岐リンク、異なる一般道路への分岐リンク等)を記憶する部分リンク特定情報LKI、(3)後述するメッシュの更新優先度の付与基準を規定するメッシュ優先情報MPI等を保存している。
【0018】
図6はルート情報の配信要求がナビゲーション装置からあった場合のサーバー1の処理説明図である。サーバー1は、ナビゲーション装置2よりルート配信要求を受信したか監視し(ステップ101)、受信すれば、該ルート配信要求に含まれる出発地から目的地に到るルート(サーバールート)を、最新地図データを用いて計算する(ステップ102)。ついで、先頭リンク特定情報HLKを参照して出発地から10kmのサーバールート上のリンクを先頭部分リンクとして決定し(ステップ103)、また、該先頭部分リンク以降のルートを構成する部分リンクを求め、先頭部分リンクを含む部分リンクリスト(図4)を作成する(ステップ104)。部分リンクリストの作成が完了すれば、サーバールートが通過するメッシュおよび該メッシュに近接するメッシュのリスト(図3参照)を作成する(ステップ105)。メッシュリストは図3に示すように、メッシュ番号に対応させて、メッシュが出発地から10km以内のメッシュであるか否かを示すフラグ及びメッシュサイズを含んでいる。
しかる後、サーバーは、作成した部分リンクリスト、メッシュリスト及び地図データベースのバージョンをナビゲーション装置2に配信する(ステップ106)。
以上では、先頭部分リンクHLKを出発地から10kmのサーバールート上のリンクと定義した。その理由は、10kmは120km/hで走行しているときの5分間の走行距離であり、データ転送速度が1Mbps(WIMAX)の場合、5分間で東京−大阪間の全メッシュの地図データ(50Mバイト)を受信できるからである。これにより、先頭部分リンクHLKまで120km/hで走行しているときの前半ルートに沿った案内をしている間に、東京−大阪間の全メッシュの地図データを受信でき、大阪の目的地までのルートを計算することが可能となる。尚、先頭部分リンクHLKまでの距離は10kmに限ることはなく、また、目的地までの距離に応じて先頭部分リンクHLKまでの距離を可変することができる。
【0019】
(b)ナビゲーション装置
図7は本発明のナビゲーション装置の構成図である。目的地設定部21は目的地GLを設定し、目的地保持部22は設定された目的地を保持する。自車位置計算部23は、GPS受信機24や自律航法センサー(車速センサー、ジャイロ等)25の出力信号を用いて自車位置を計算する。ルート計算部26は、出発地STから目的地GLまでのルートを計算し、ルート描画部27は計算されたルートを描画し、モニター28は別途描画された自車周辺の地図上にルートを重ねて表示する(図8(A))。なお、最新の地図には点線で示すように、求めたルートより推奨できるルートが存在するが、古い地図データからではこのルートは求まらない。
かかる状態において、ユーザー操作でサーバーが有する最新の地図データに基づいたルート探索が要求されると、ルート配信要求部29は、出発地ST及び目的地GLを含むルート配信要求を出力し、サーバー通信部30は該ルート配信要求をサーバーに送信する。
サーバー配信情報格納部31は、ルート配信要求に応答してサーバー2がダウンロードするサーバー配信情報を受信して保存する。すなわち、サーバー2はルート配信要求を受信すると図6で説明したように部分リンクリスト(図4)、メッシュリスト(図3)を作成し、これらリストと共に地図データベースのバージョンをサーバー配信情報としてダウンロードするから、サーバー配信情報受信部31は該サーバー配信情報を保存する。
【0020】
地図データベース32はメッシュ単位で地図データを保持しており、地図データにはバージョンが記録されている。サーバー配信メッシュ判定部33は、サーバーより受信してサーバー配信情報保存部31に保存されているメッシュリスト(図3)を参照し、10km以内の各メッシュについて、該メッシュの地図データが自分の地図データベース32に存在するか、存在する場合には、地図データのバージョンが同じであるかチェックして、サーバーに配信要求するメッシュを決定する。すなわち、(1)フラグが”1”のメッシュ(10km以内のメッシュ)で、該メッシュの地図データが自分の地図データベースに存在しない場合、あるいは、(2)フラグが”1”のメッシュ(10km以内のメッシュ)で、自分の地図データベースに存在する該メッシュの地図データのバージョンが古い場合、これらメッシュをサーバーに配信要求するメッシュであるとし、メッシュ要求リストにリストアップする。メッシュ配信要求部34は、サーバー配信メッシュ判定部33が作成したメッシュ要求リストに存在する各メッシュの配信を、サーバー通信部30を介してサーバー2に要求する。これにより、サーバー2は要求されたメッシュの最新地図データをダウンロードするから、サーバー配信情報保存部31は該メッシュの最新地図データを一時的に保存し、メッシュ更新部35は該最新の地図データで地図データベース32の古い地図データを更新する。
【0021】
地図データベース32の書き換えが完了すれば、部分リンク提供部36はサーバー配信情報保存部31に保存されている部分リンクリストに含まれる先頭部分リンク(出発地から10kmに存在するリンク)を抽出し、ルート計算部26に入力する。これにより、ルート計算部26は、出発地から先頭部分リンクまでのルート(前半ルート)を最新の地図データを用いて計算し、ルート描画部27に入力する。ルート描画部27は先頭部分リンクまでの前半ルートを描画してモニター28に表示するが、先頭部分リンクと目的地間の後半ルートはまだ計算されていないから、例えばこれらを直線で結んで表示する(図8(B))。
【0022】
以後、ナビゲーション装置2は前半ルートに沿ってルート案内を継続するのと並行して後半のサーバールートが通過するメッシュの地図データをサーバー1から受信する処理を行う。すなわち、サーバー配信メッシュ判定部33は、サーバー配信情報保存部31に保存されているメッシュリストを参照し、該メッシュリストにおける10km範囲外の各メッシュについて、該メッシュが自分の地図データベースに存在するか、存在する場合には、バージョンが同じであるかチェックして、サーバーに配信要求するメッシュを決定する。例えば、(1)フラグが”0”のメッシュ(10km範囲外のメッシュ)で、該メッシュの地図データが自分の地図データベースに存在しない場合、あるいは、(2)フラグが”0”のメッシュ(10km範囲外のメッシュ)で、自分の地図データベースに存在する該メッシュの地図データのバージョンが古い場合、これらメッシュをサーバーに配信要求するメッシュであるとし、メッシュ要求リストにリストアップする。
【0023】
メッシュ配信要求部34は、サーバー配信メッシュ判定部33が作成したメッシュ要求リストに存在する各メッシュの配信を、サーバー通信部30を介してサーバー2に要求する。これにより、サーバー2は要求されたメッシュの最新地図データをダウンロードするから、サーバー配信情報保存部31は該メッシュの最新地図データを一時的に保存し、メッシュ更新部35は該最新の地図データで地図データベース32の古い地図データを更新する。
地図データベース32の書き換えが完了すれば、部分リンク提供部36はサーバー配信情報保存部31に保存されている部分リンクリストに含まれる先頭部分リンク以外の部分リンクをルート計算部26に入力する。ルート計算部26は、先頭部分リンクから目的地まで入力された部分リンクを経由するルート(後半ルート)を計算し、該後半ルートを計算済みの前半ルートに接続し、ルート描画部27に入力する。これにより、ルート描画部27は出発地から目的地までのルートを発生し、モニター28に表示する(図8(C))。以後、描画されたルートに沿って目的地までルート案内することが可能となる。
【0024】
(c)ナビゲーション装置の処理
・先頭部分リンクまでの最新地図データの格納処理
図9は、サーバーへルート配信要求を送出してから、先頭部分リンクまでの最新地図データを地図データベースに格納するまでのナビゲーション装置の処理フローである。
最新の地図データに基づいたサーバーによるルート探索がユーザーから要求されると、ナビゲーション装置2は、出発地及び目的地を含むルート配信要求をサーバーに送信する。(ステップ201)。そして、該ルート配信要求に応答してサーバー2がダウンロードするサーバー配信情報を受信、保存し(ステップ202)、該受信したサーバー配信情報に含まれるメッシュリストに存在するメッシュ数をMとし、i=1とする(ステップ203)。
ついで、第i番目のメッシュの10kmフラグが“1”であるかチェックし(ステップ204)、フラグ=“0”で10km範囲外のメッシュであれば、iを歩進し(i+1=i,ステップ208)、i>Mであるかチェックし(ステップ209)、i≦Mであればステップ204以降の処理を継続する。
【0025】
一方、ステップ204において、フラグ=“1”で10km範囲内のメッシュであれば、第i番目のメッシュの地図データが地図データベースに存在するかチェックし(ステップ205)、存在しなければ、第i番目のメッシュの地図データをサーバーに要求するものとしてメッシュ要求リストにリストアップし(ステップ207)、以後ステップ208以降の処理を実行する。ステップ205において、第i番目のメッシュの地図データが地図データベースに存在すれば、該地図データのバージョンがサーバーから通知されているバージョンと同じであるかチェックし(ステップ206)、同じであればステップ208以降の処理を実行し、同じでなく、古ければ、第i番目のメッシュの地図データをサーバーに要求するものとしてメッシュ要求リストにリストアップし(ステップ207)、以後ステップ208以降の処理を実行する。
以後、上記のステップ204−209の処理が繰り返されてステップ209において、i>Mとなれば、ナビゲーション装置2はリストアップしたメッシュをサーバー1に要求し(ステップ210)、サーバーより受信した最新地図データで地図データベースの古い地図データを書き換える(ステップ211)。
【0026】
・目的地までの最新地図データの格納処理
図10は、前半ルートが計算されてから、目的地までの最新地図データを地図データベースに格納するまでのナビゲーション装置の処理フローである。ナビゲーション装置2は前半ルートに沿ってルート案内を継続するのと並行して後半のサーバールートが通過するメッシュの地図データをサーバー1から受信する処理を行う。
すなわち、ナビゲーション装置2は、サーバー1からステップ202において受信済みのメッシュリストを参照し、該メッシュリストに存在するメッシュ数をMとし、i=1とする(ステップ301)。
ついで、第i番目のメッシュの10kmフラグが“0“であるかチェックし(ステップ302)、フラグ=“1”で10km範囲内のメッシュであれば、iを歩進し(i+1=i、ステップ306)、i>Mであるかチェックし(ステップ307)、i≦Mであればステップ302以降の処理を継続する。
【0027】
一方、ステップ302において、フラグ=“0”で10km範囲外のメッシュであれば、第i番目のメッシュの地図データが地図データベースに存在するかチェックし(ステップ303)、存在しなければ、第i番目のメッシュの地図データをサーバーに要求するものとしてメッシュ要求リストにリストアップし(ステップ305)、以後ステップ306以降の処理を実行する。ステップ303において、第i番目のメッシュの地図データが地図データベースに存在すれば、該地図データのバージョンがサーバーから通知されているバージョンと同じであるかチェックし(ステップ304)、同じであればステップ306以降の処理を実行し、同じでなく、古ければ、第i番目のメッシュの地図データをサーバーに要求するものとしてメッシュ要求リストにリストアップし(ステップ305)、以後ステップ306以降の処理を実行する。
以後、上記のステップ302−307の処理が繰り返されてステップ307において、i>Mとなれば、ナビゲーション装置2はリストアップしたメッシュをサーバー1に要求し(ステップ308)、サーバーより受信した最新地図データで地図データベースの古い地図データを書き換える(ステップ309)。
【0028】
(C)第2実施例
第1実施例において、サーバー1はメッシュリスト(図3)のメッシュに10km範囲内のメッシュであるか、10km範囲外のメッシュであるかを特定するためのフラグを付加したが、該フラグに代えてメッシュに更新優先度を付加することができる。
(a)更新優先度
図11(A),(B)は更新優先度の説明図であり、先頭部分リンクは出発地から10kmのサーバールート上に存在するものとしている。更新優先度は以下の基準に従って決定される。すなわち、
1) 出発地STから先頭部分リンクまでにサーバールートが通過するメッシュの更新優先度は0、
2) 出発地周辺10kmの範囲内のメッシュで、ルート探索及びオフルート時の自動再経路探索用(リルート用)のメッシュの優先度は1、
3) 先頭部分リンクから10本目の部分リンクまでにサーバールートが通過するメッシュの更新優先度は2、
4) 先頭部分リンクから10本目の部分リンクまでのオフルート時のリルート用のメッシュの優先度は3、
5) 10本目の部分リンクから目的地までにサーバールートが通過するメッシュの更新優先度は4、
6) 目的地周辺10kmの範囲内のメッシュで、ルート探索及びオフルート時の自動再経路探索用のメッシュの優先度は5、
7) 10本目の部分リンクから目的地10kmまでのオフルート時の自動再経路探索用のメッシュの優先度は6、
である。
以上より、サーバー1はナビゲーション装置よりルート配信要求があると(図6のステップ101)、出発地から目的地までのサーバールートを計算し(ステップ102)、しかる後、該サーバールートが通過するメッシュに図11(A)、(B)に従って更新優先度を付与して(ステップ105)、図12に示すメッシュリストを作成してナビゲーション装置に配信する(ステップ106)。
【0029】
(b)ナビゲーション装置の処理
・先頭部分リンクまでの最新地図データの格納処理
図13は、メッシュに更新優先度が付与されている場合において、サーバーより先頭部分リンクまでのメッシュの最新地図データを受信して地図データベースに格納するまでのナビゲーション装置2の処理フローである。
最新の地図データに基づいたサーバーによるルート探索がユーザーから要求されると、ナビゲーション装置2は、出発地及び目的地を含むルート配信要求をサーバーに送信する。(ステップ401)。そして、該ルート配信要求に応答してサーバー2がダウンロードするサーバー配信情報を受信、保存し(ステップ402)、該受信したサーバー配信情報に含まれるメッシュリストに存在するメッシュ数をMとし、i=1とする(ステップ403)。
ついで、第i番目のメッシュの更新優先度が0であるかチェックし(ステップ404)、更新優先度=0でなければ、出発地STから先頭部分リンクまでにサーバールートが通過するメッシュでないから、iを歩進し(i+1=i,ステップ408)、i>Mであるかチェックし(ステップ409)、i≦Mであればステップ204以降の処理を継続する。
【0030】
一方、ステップ204において、フラグ=“0”であれば、出発地STから先頭部分リンクまでにサーバールートが通過するメッシュであるから、第i番目のメッシュの地図データが地図データベースに存在するかチェックし(ステップ405)、存在しなければ、第i番目のメッシュの地図データをサーバーに要求するものとしてメッシュ要求リストにリストアップし(ステップ407)、以後ステップ408以降の処理を実行する。ステップ405において、第i番目のメッシュの地図データが地図データベースに存在すれば、該地図データのバージョンがサーバーから通知されているバージョンと同じであるかチェックし(ステップ406)、同じであればステップ408以降の処理を実行し、同じでなく、古ければ、第i番目のメッシュの地図データをサーバーに要求するものとしてメッシュ要求リストにリストアップし(ステップ407)、以後ステップ408以降の処理を実行する。
以後、上記ステップ404−409の処理が繰り返されてステップ409において、i>Mとなれば、ナビゲーション装置2はリストアップしたメッシュをサーバー1に要求し(ステップ410)、サーバーより受信した最新地図データで地図データベースの古い地図データを書き換える(ステップ411)。
【0031】
以上では、更新優先度0のメッシュ(更新優先度が最高のメッシュ)を対象に配信要求するメッシュを決定したが、更新優先度0又は1のメッシュ(更新優先度が高いメッシュ)を対象に配信要求することもできる。又、複数の更新優先度、例えば更新優先度が0と1のメッシュを対象に配信要求するメッシュを求め、求めたメッシュのメッシュサイズの合計値が設定サイズより小さいときには、該求めたメッシュの最新地図データをサーバーに要求し、合計値が設定サイズより大きければ、更新優先度0のメッシュのみを対象に配信要求するメッシュを決定するようにしても良い。図14はかかる場合の処理フローであり、図13のステップ409と410の間に挿入される。ただし、ステップ407において更新優先度が0と1のメッシュを要求メッシュリスにリストアップしてあるものとする
ステップ409において、i>Mとなれば、ナビゲーション装置2は、メッシュ要求リストにリストアップされたメッシュのサイズの合計値を計算し、該合計値が設定値より大きいかチェックし(ステップ451)、大きくなければステップ410において更新優先度0及び1のメッシュの地図データをサーバー1に要求し(ステップ410)。一方、大きければメッシュ要求リストより優先度が低いメッシュ(更新優先度=1のメッシュ)を削除し(ステップ452)、残った更新優先度0のメッシュの地図データをサーバーに要求する(ステップ410)。このようにすれば、出発地がメッシュの地図データ量が多い大都市の場合でも、更新優先度0のメッシュの地図データのみを配信することにより配信時間を短縮して前半ルートの計算開始が遅れるのを防止することができ、しかも、出発地がメッシュの地図データ量が少ないエリアの場合は、更新優先度0及び1のメッシュの地図データを配信することにより前半ルートに沿った案内中にオフルートしてもリルートを行なうことができる。
【0032】
・目的地までの最新地図データの格納処理
図15は、前半ルートが計算されてから、目的地までの最新地図データを地図データベースに格納するまでのナビゲーション装置の処理フローである。ナビゲーション装置2は前半ルートに沿ってルート案内を継続するのと並行して後半のサーバールートが通過するメッシュの地図データをサーバー1から受信する処理を行う。
すなわち、ナビゲーション装置2は、サーバー1から受信済みのメッシュリストを参照し、該メッシュリストに存在するメッシュ数をMとし、i=1とする(ステップ501)。
ついで、第i番目のメッシュの更新優先度が0以外(1〜6)であるかチェックし(ステップ502)、更新優先度=0であり、出発地STから先頭部分リンクまでにサーバールートが通過するメッシュでれば、iを歩進し(i+1=i、ステップ506)、i>Mであるかチェックし(ステップ507)、i≦Mであればステップ502以降の処理を継続する。
【0033】
一方、ステップ502において、更新優先度が0以外(1〜6)であれば、第i番目のメッシュの地図データが地図データベースに存在するかチェックし(ステップ503)、存在しなければ、第i番目のメッシュの地図データをサーバーに要求するものとしてメッシュ要求リストにリストアップし(ステップ505)、以後ステップ506以降の処理を実行する。ステップ503において、第i番目のメッシュの地図データが地図データベースに存在すれば、該地図データのバージョンがサーバーから通知されているバージョンと同じであるかチェックし(ステップ504)、同じであればステップ506以降の処理を実行し、同じでなく、古ければ、第i番目のメッシュの地図データをサーバーに要求するものとしてメッシュ要求リストにリストアップし(ステップ505)、以後ステップ506以降の処理を実行する。
以後、上記のステップ502−507の処理が繰り返されてステップ507において、i>Mとなれば、ナビゲーション装置2はリストアップしたメッシュをサーバー1に要求し(ステップ508)、サーバーより受信した最新地図データで地図データベースの古い地図データを書き換える(ステップ509)。
【0034】
・N回に分けてメッシュの地図データを配信する処理
以上の説明では、前半ルートによるルート案内と並行して更新優先度の低い後半ルートが通過するメッシュの地図データを1回で配信する例であるが、優先度順に複数回に分けて配信し、配信された地図データを用いて部分ルートを計算し、該計算した部分ルートと計算済みのルートを結合して出発地から目的地までの案内ルートを表示することもできる。
図16はかかる場合の処理フローであり、前半ルート計算のために、更新優先度0と1のメッシュの最新地図データは既に受信済みであるものとしている。
更新優先度0と1のメッシュの最新地図データを用いた前半ルートの計算が完了すると、ナビゲーション装置は図15と同様の処理により、優先度2と3のメッシュの最新地図データをサーバーに要求し、受信が完了すれば(ステップ601)、該優先度2と3のメッシュの最新地図データを用いて先頭部分リンクHLKから10本目の部分リンクまでの部分ルートを計算し、該計算した部分ルートと計算済みのルートを結合して表示する(ステップ602)。ついで、図15と同様の処理により、優先度4のメッシュの最新地図データをサーバーに要求し、受信が完了すれば(ステップ603)、該優先度4のメッシュの最新地図データを用いて10本目の部分リンクから目的地までの部分ルートを計算し、該計算した部分ルートと計算済みのルートを結合して表示する(ステップ604)。最後に、図15と同様の処理により、優先度5と6のメッシュの最新地図データをサーバーに要求し、受信が完了すれば処理が終了する(ステップ605)。
以上の実施例では、メッシュの最新地図データがナビ装置の地図データベースに存在するか、否かをチェックし、存在しない場合に該メッシュの最新地図データをサーバーより配信するものとして説明したが、サーバーより全メッシュの最新地図データをナビ装置に配信する場合にも本発明を適用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1 サーバー
2 車載ナビゲーション装置
3 ホットスポット
4 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信手段を介してサーバーに目的地までのルート情報の配信を要求し、該サーバーが探索したルート(サーバールート)が通過するメッシュの地図データをサーバーより受信し、該地図データを用いて目的地までのルートをナビゲーション装置において計算して表示するルート表示方法において、
サーバーより前半のサーバールートと後半のサーバールートの境界リンクを特定するリンクデータと前半のサーバールートが通過するメッシュの地図データを受信し、
該メッシュの地図データを用いて出発地から前記境界リンクまでの前半ルートを探索して表示し、
該前半ルートによるルート案内と並行して後半のサーバールートが通過するメッシュの地図データを受信し、
該地図データを用いて前記境界リンクから目的地までの後半ルートを探索し、探索した前記前半ルートと後半ルートを結合して出発地から目的地までの案内ルートを表示する、
ことを特徴とするルート表示方法。
【請求項2】
サーバーにおいて、前記サーバールートが通過する各メッシュ及び該メッシュに隣接するメッシュに優先度を付すと共に、前記前半サーバールートが通過するメッシュの地図データの優先度を最高とし、
ナビゲーション装置は優先度が高いメッシュの地図データと前記境界リンクデータを受信し、該メッシュの地図データを用いて出発地から該境界リンクまでの前半ルートを探索して表示し、該前半ルートによるルート案内と並行して優先度の低いメッシュの地図データを受信し、該地図データを用いて前記境界リンクから目的地までの後半ルートを探索し、探索した前記前半ルートと後半ルートを結合して出発地から目的地までの案内ルートを表示する、
ことを特徴とする請求項1記載のルート表示方法。
【請求項3】
前記後半のサーバールート上に存在する、高速道路進入リンク、高速道路脱出リンク、高速道路分岐リンク、異なる一般道路への分岐リンクなどを含む経由リンクのリストをサーバーより受信し、
これら経由リンクを経由するようにナビゲーション装置において後半ルートの計算を行なう、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のルート表示方法。
【請求項4】
前記境界リンクは出発地から設定距離に存在するサーバールート上のリンクである、
ことを特徴とする請求項1又は2記載のルート表示方法。
【請求項5】
2以上の優先度を高優先度とし、該高優先度の複数のメッシュの地図データサイズの合計値が設定値より大きい場合には、地図データサイズの合計値が設定値より小さくなるように前記高優先度からランクが下の優先度を除外して高優先度とし、サーバーは該高優先度のメッシュを前記境界リンクと共にナビゲーション装置に送信する、
ことを特徴とする請求項2記載のルート表示方法。
【請求項6】
前記ナビゲーション装置は、前半ルートによるルート案内と並行して優先度順に後半ルートのメッシュの地図データを複数回に分けて受信し、受信する毎に部分ルートを探索し、探索した部分ルートと探索済みのルートを結合して出発地から目的地までの案内ルートを表示する、
ことを特徴とする請求項2記載のルート表示方法。
【請求項7】
通信手段を介してサーバーに目的地までのルート情報の配信を要求し、該サーバーが探索したルート(サーバールート)が通過するメッシュの地図データをサーバーより受信し、該地図データを用いて目的地までのルートを計算して表示するナビゲーション装置において、
サーバーに目的地までのルート情報の配信を要求するルート情報要求部、
サーバーより前半のサーバールートと後半のサーバールートの境界リンクを特定するリンクデータと前半のサーバールートが通過するメッシュの地図データを受信すると共に、後半のサーバールートが通過するメッシュの地図データを受信する受信部、
前半のサーバールートが通過する前記メッシュの地図データを用いて前記境界リンクまでのルートを探索すると共に、後半のサーバールートが通過する前記メッシュの地図データを用いて前記境界リンクから目的地までの後半ルートを探索するルート探索部、
ルート探索部が探索した出発地から前記境界リンクまでの前半ルートを表示すると共に、前記境界リンクから目的地までの後半ルートと前記前半ルートとを結合して出発地から目的地までの案内ルートを表示する表示部、
前記探索した前半ルートによるルート案内と並行して、後半のサーバールートが通過するメッシュの地図データを前記受信部がサーバーより受信し、かつ該メッシュの地図データを用いて前記ルート探索部が後半ルートを探索するよう制御する制御部
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
前記サーバールートが通過する各メッシュ及び該メッシュに隣接するメッシュに優先度が付され、かつ、前記前半サーバールートが通過するメッシュの地図データの優先度を最高とする地図データをサーバーから受信する場合、前記制御部は、
前記受信部が優先度の高いメッシュの地図データと前記境界リンクデータを受信し、かつ前記ルート探索部が該メッシュの地図データを用いて出発地から該境界リンクまでの前半ルートを探索するよう制御し、
該前半ルートによるルート案内と並行して、前記受信部が優先度の低いメッシュの地図データを受信し、前記ルート探索部が該メッシュの地図データを用いて前記境界リンクから目的地までの後半ルートを探索するよう制御する、
ことを特徴とする請求項7記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記境界リンクは出発地から設定距離に存在するサーバールート上のリンクである、
ことを特徴とする請求項7又は8記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記制御部は、前半ルートによるルート案内と並行して優先度順に後半ルートのメッシュの地図データを複数回に分けて前記受信部が受信し、前記ルート探索部が該メッシュの地図データを受信する毎に部分ルートを探索し、前記表示部が探索した部分ルートと探索済みのルートを結合して出発地から目的地までの案内ルートを表示するよう制御する、
ことを特徴とする請求項7記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2011−80774(P2011−80774A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−230919(P2009−230919)
【出願日】平成21年10月2日(2009.10.2)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】