説明

ナビゲーション装置および予約管理システム

【課題】経由地および最終目的地を設定して経路探索を行ない、経由地においては駐車場を、最終目的地においては宿泊施設を自動的に予約できるようにする。
【解決手段】ユーザによって経由地および最終目的地が設定されて経路探索が指示されると、ナビゲーション装置20は駐車場DBを参照して経由地周辺の駐車場を検索し、予約管理サーバ30は空状況照会手段37によって駐車場の空スペースの有無を照会した上で予約確保手段35が施設管理装置50に対して予約を実行する。ナビゲーション装置20は最終目的地として設定された地点から周辺の宿泊施設を複数抽出し、予約管理サーバ30は空状況照会手段37によってこれらの施設管理装置50に対して空室の有無を問い合わせる。空室がある宿泊施設がナビゲーション装置20の表示手段23に表示され、ユーザが候補宿泊地の中から選択し、選択された宿泊施設に対して予約管理サーバ30が予約を実行する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置およびナビゲーション装置とネットワークを介して接続されたサーバ、施設管理装置、からなるナビゲーション装置および予約管理システムに関するものである。本発明は、特に、経由地および最終目的地を指定して経路探索および経路案内を行う際に、経由地周辺の駐車場を検索して空きのある駐車場を予約し、最終目的地周辺の宿泊施設を検索して予約することができるようにしたナビゲーション装置および予約管理システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、駐車場などの施設に対して自動的に予約を行なうことを可能としたナビゲーション装置、予約管理システムが知られており、このような予約管理システムの例として下記特許文献1(特開2005−208848号公報)に「予約管理装置およびこれを用いた予約管理システム」なる発明が開示されている。
【0003】
すなわち、この発明にかかる予約管理装置においては、広域網に接続され、上記広域網を介して車両と通信することにより車両に所定の施設に対する予約IDを発行すると共に施設に対する車両の予約処理を実行するように構成された予約サーバと車両到着予測サーバとから構成されたものである。
【0004】
そして、車両到着予測サーバは、予約サーバから予約IDを取得した車両により所定の間隔で送信される予約IDと車両の位置情報に基づき、車両の施設への到着時刻を予測し、車両の予測された到着時刻までの時間が予め決められた第一の時間よりも短くなった場合に予約サーバに通知し、予約サーバは車両到着予測サーバからの通知に基づき施設に対する車両の予約処理を実行する。
【特許文献1】特開2005−208848号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1に開示された発明は、当然駐車場以外にもホテルなどの宿泊施設にも適用することが可能である。すなわち予約管理システムのうち予約サーバの予約対象を駐車場のみならず宿泊施設にも設定すればよい。
【0006】
しかしながら上記特許文献1に開示された発明では、ユーザはまず目的地となる宿泊施設を特定しなければならないから目的地周辺の宿泊施設を別途検索する必要がある。見知らぬ土地の更に目的地からある程度近い宿泊施設を探すのは困難であり、更に空室があるか否かを知ることができなければ予約を確保することができず不便である。
【0007】
更に最終目的地に到達するまでに幾つかの経由地を設定して経路案内を受ける場合があるが、上記先行技術によると目的地に設定した場所では駐車場を予約することができても途中の休憩地などでは駐車場を確保することができず、経由地を出発する都度目的地を設定して駐車場を予約しなければならないという問題点があった。
【0008】
以上の問題点を解決するため本願の発明者が種々検討を重ねた結果、いくつかの経由地と最終目的地を設定して経路探索をした場合、経由地周辺では駐車場を予約して経路案内し、最終目的地周辺では近辺の宿泊施設を自動的に検索して予約し、該宿泊施設までの経路を案内するように構成することで上記問題を解決し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0009】
すなわち、本発明は上記課題を解決することを課題とし、経由地と最終目的地を設定することで自動的に駐車場および宿泊施設を確保することができるナビゲーション装置および予約管理システムを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
予約管理サーバおよび前記予約管理サーバとネットワークを介して接続された施設管理装置とからなる予約管理システムにネットワークを介して接続されるナビゲーション装置であって、
前記ナビゲーション装置は、経由地と最終目的地を入力する入力手段と、前記経由地を経由して前記最終目的地に至る経路を探索する経路探索手段と、道路データの他、駐車場データ及び施設データを記憶した地図データ部を備え、前記入力手段により前記経由地および前記最終目的地の入力が行なわれると、前記経路探索手段は、前記経由地を経由し前記最終目的地に至る経路を探索し、前記ナビゲーション装置は、前記経路探索手段により探索された経路に基づいて案内を行うとともに、前記地図データ部から前記経由地周辺の駐車場を抽出し、前記予約管理サーバに前記ネットワークを介して予約を指示し、前記予約管理サーバは前記駐車場の施設管理装置に予約を実行させ、
更に、前記ナビゲーション装置は、前記地図データ部から前記最終目的地周辺の宿泊施設を抽出し、前記予約管理サーバに前記ネットワークを介して予約を指示し、前記予約管理サーバは前記宿泊施設の施設管理装置に予約を実行させることを特徴とする。
【0011】
更に、前記ナビゲーション装置は、前記経路探索手段により探索された経路の経路データに含まれた前記経由地への到着予定時刻情報に基づいて前記駐車場の検索および予約を実行し、また、前記経路データに含まれた前記最終目的地への到着予定時刻情報に基づいて前記宿泊施設の検索および予約を実行することを特徴とする。
【0012】
更に、前記予約管理サーバは更に空状況照会手段を備えており、前記ナビゲーション装置により抽出された前記駐車場について前記空状況照会手段が現在の空スペース状況を照会し、更に抽出された前記宿泊施設について前記空状況照会手段が現在の空室状況を照会し、前記ナビゲーション装置は、照会結果を受信すると空のある駐車場または宿泊施設のみ表示してユーザの選択を受け付けることを特徴とする。
【0013】
更に、ナビゲーション機能を有するナビゲーション装置と、前記ナビゲーション装置とネットワークを介して接続された予約管理サーバおよび前記予約管理サーバとネットワークを介して接続された施設管理装置とからなる予約管理システムであって、
前記ナビゲーション装置は、経由地と最終目的地を入力する入力手段と、前記経由地を経由して最終目的地に至る最適経路を探索する経路探索手段と、道路データの他、駐車場データ及び施設データを記憶した地図データ部を備え、前記入力手段により前記経由地および前記最終目的地の入力が行なわれると、前記ナビゲーション装置は、前記地図データ部から前記経由地周辺の駐車場を抽出し、前記予約管理サーバに前記ネットワークを介して予約を指示し、前記予約管理サーバは前記駐車場の施設管理装置に予約を実行させ、
更に、前記ナビゲーション装置は、前記地図データ部から前記最終目的地周辺の宿泊施設を抽出し、前記予約管理サーバに前記ネットワークを介して予約を指示し、前記予約管理サーバは前記宿泊施設の施設管理装置に予約を実行させることを特徴とする。
【0014】
更に、前記ナビゲーション装置は、前記経路探索手段により探索された経路の経路データに含まれた前記経由地への到着予定時刻情報に基づいて前記駐車場の検索および予約を実行し、前記経路データに含まれた前記最終目的地への到着予定時刻情報に基づいて前記宿泊施設の検索および予約を実行することを特徴とする。
【0015】
更に、前記予約管理サーバは更に空状況照会手段を備えており、前記ナビゲーション装置により抽出された前記駐車場について前記空状況照会手段が現在の空スペース状況を照会し、更に抽出された前記宿泊施設について前記空状況照会手段が現在の空室状況を照会し、前記ナビゲーション装置は照会結果を受信すると空のある駐車場または宿泊施設のみ表示してユーザの選択を受け付けることを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
請求項1にかかる発明においては、ナビゲーション装置は、入力手段により経由地および最終目的地の入力が行われると、経路探索手段は経由地を経由し最終目的地に至る経路を探索し、ナビゲーション装置は、経路探索手段により探索された経路に基づいて案内を行うとともに、地図データ部から経由地周辺の駐車場を抽出し、予約管理サーバにネットワークを介して予約を指示し、予約管理サーバは駐車場の施設管理装置に予約を実行させ、更に、ナビゲーション装置は地図データ部から最終目的地周辺の宿泊施設を抽出し、予約管理サーバにネットワークを介して予約を指示し、予約管理サーバは宿泊施設の施設管理装置に予約を実行させる。
【0017】
このように構成することで、ユーザが経路探索を指示すると自動的に経由地においては駐車場が、最終目的地においては宿泊施設が予約されるから、ユーザが経由地ごとに駐車場を検索して予約をしたり目的地周辺の宿泊施設を別途検索して予約したりという煩雑な手続を行なうことがなくなる。
【0018】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかる発明において、ナビゲーション装置は、経路探索手段により探索された経路の経路データに含まれた経由地への到着予定時刻情報に基づいて駐車場の検索および予約を実行し、経路データに含まれた最終目的地到着予定時刻情報に基づいて宿泊施設の検索および予約を実行する。
【0019】
このように構成することで、ユーザが経路探索を指示すると自動的に経由地においてはその予想到着時刻に基づいて駐車場が、最終目的地においては、その到着予想時刻に基づいて宿泊施設が予約されるから、ユーザが経由地ごとに駐車場を検索して予約をしたり目的地周辺の宿泊施設を別途検索して予約したりという煩雑な手続を行なうことがなくなる。
【0020】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかる発明において、予約管理サーバは更に空状況照会手段を備えており、抽出された駐車場について前記空状況照会手段が現在の空スペース状況を照会し、さらに抽出された宿泊施設について空状況照会手段が現在の空室状況を照会し、ナビゲーション装置は、照会結果を受信すると空のある駐車場または宿泊施設のみ表示手段に表示してユーザの選択を受け付ける。したがってユーザは、自身の選択により確実に予約を確保することができるようになる。
【0021】
また、請求項4〜請求項6にかかる発明においては、請求項1〜請求項3にかかるナビゲーション装置を用いた予約管理システムを提供することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。ただし以下に示す例は最良の実施形態を示すものであって、本発明の技術的思想をこの予約管理システムの発明に限定することを意図するものでなく、その他種々の変更を伴い得るものである。
【実施例】
【0023】
図1は本発明の実施例にかかる予約管理システム10の構成を示すシステム構成図である。予約管理システム10においては、端末装置20と、予約管理サーバ30と、がネットワーク12を介して接続されており、さらに予約管理サーバ30は個々の施設管理装置50とネットワーク12を介して接続されており、空室状況の確認や予約確保などをユーザが端末装置20を操作することで行なう。
【0024】
端末装置であるナビゲーション装置20はナビゲーション機能を有するものであり、通信機能を有するスタンドアロンタイプのナビゲーション装置であっても、通信型のナビゲーション装置であってもよい。
【0025】
図2は、図1に示す予約管理システム10の詳細な構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置20は、制御手段21、入力手段22、表示手段23、現在位置検出手段24、通信手段25、経路探索手段26、地図データ部27を備えている。
【0026】
制御手段21はRAM、ROM、プロセッサを有するマイクロプロセッサを搭載し、ROMに記憶されたプログラムにより各部の動作を制御する。
【0027】
入力手段22はナビゲーション装置20の筐体に設けられた操作キーなどからなり、制御手段21に接続されて各種操作コマンドを入力するためのものである。
【0028】
表示手段23は液晶パネルなどからなり、制御手段21から出力される画像データに基づいて地図データや案内経路などを表示する。更に表示手段23がタッチパネルを搭載することにより、表示手段23は入力手段22の一部としても機能する。
【0029】
現在位置検出手段24はGPS受信機を備え、アンテナ19がGPS衛星からの電波を受信して衛星航法によって経度・緯度情報からなる現在位置を検出する。
【0030】
現在位置検出手段24により現在位置が検出されると、地図データ部27に記憶された地図データとのマッチング処理が行なわれ、地図上の位置が特定される。
【0031】
地図データ部27は地図データ、道路データの他に施設データおよび駐車場データを格納している。地図データはDVDなどの外部ディスクメディアから取得するものであってもよく、あるいは内部に設けられたHDD(ハードディスクドライブ)などの大容量記憶装置に記憶された地図データを読み出す構成であってもよい。
【0032】
経路探索手段26は入力手段22を介してユーザにより入力された出発地と目的地に基づいて出発地から目的地に至る経路を地図データ部27に記憶された道路データに基づいて探索する。経路探索手段26による経路探索は、例えば距離が最短の経路、所要時間が最短の経路など各種条件下でコストが最小となる経路を抽出する。
【0033】
通信手段25は予約管理サーバ30に接続するためのものであり、インターネットに接続しうる携帯電話端末などを利用したものであってもよい。
【0034】
予約管理サーバ30は宿泊施設情報および駐車場情報を格納した宿泊施設DB33、駐車場DB34、予約確保手段35、予約ID発行手段36、空状況照会手段37を備えている。予約管理サーバ30はインターネット上で提供されるホームページなどであり、ネットワーク12に接続されたナビゲーション装置20からの要求に応じて予約確保手段36が宿泊施設又は駐車場に対して予約処理を行なう。
【0035】
この予約管理サーバ30を用いればユーザがナビゲーション装置20を操作することによって手動で宿泊施設又は駐車場に予約を行なうことができるが、本発明においては経路探索をすると自動的に駐車場および宿泊施設に対して予約処理を実行することに特徴がある。すなわちユーザが入力手段22によって経路探索を開始し目的地を設定すると、ナビゲーション装置20の制御手段21は施設DBを参照して最終目的地の周辺から複数の宿泊施設を抽出し、通信手段22は予約管理サーバ30に空室状況の照会を指示する。
【0036】
予約管理サーバ30は空室状況照会手段37によって通信手段32を用いて抽出された個々の施設管理装置50に問い合わせを行い、現在の空室状況を取得する。取得された空室状況は通信手段32によってナビゲーション装置20に通知され、表示手段23に候補の宿泊施設とその空室状況が表示されてユーザの候補選択を受け付ける。
【0037】
ユーザが表示された候補の中から入力手段22によって宿泊施設を選択すると予約管理サーバ30の予約ID発行手段36がIDを発行すると共に、予約確保手段35が当該予約IDを予約先の宿泊施設に対して通知する。更にナビゲーション装置20が経路探索手段26によって経路探索時に算出した到着予想時刻をおおよそのチェックイン時刻として対象の施設管理装置50に通知する。
【0038】
ナビゲーション装置20は予約処理に必要な予約IDを記憶する予約ID記憶手段28を備えており、予約ID発行手段36が発行した予約IDを記憶する。予約管理サーバ30はナビゲーション装置20から取得した予約IDを施設に対して通知し、予約処理を行なう。
【0039】
更に、ナビゲーション装置20は、経路探索時に経由地として設定された場所の近辺から駐車場を検索し、自動的に駐車予約を行なう。例えば幾つかの観光地を経由して最終目的地を辿るルートを設定し経路探索する場合には、最終目的地については上記のようにして宿泊施設を予約し、経由地においては周辺の駐車場を予約する。
【0040】
このためナビゲーション装置20は地図データ部27に駐車場DBを備えており、制御手段21が経由地として設定された地点から最短経路で到達できる駐車場を検索する。
尚、経由地として設定された場所に専用駐車場があればこれに駐車すれば足りるので、まず経由地として設定された施設の専用駐車場の有無を検索し専用駐車場がない場合に限り駐車場検索を行なう。
【0041】
予約管理サーバ30は空状況照会手段37によって施設管理装置50に問い合わせを行い、現在の空きスペースと予約成立数を確認して、予約に対する空きスペースの確保が可能かどうかを判断し、施設管理装置50により空きスペースの確保が可能であると判断されると予約成立として予約管理サーバ30に予約の成立が通知される。
【0042】
このときナビゲーション装置20は経路探索手段26によって探索された経路の経路データから駐車場に到着する到着予想時刻を算出し、予約管理サーバ30が到着予想時刻に予約するよう構成するのが好ましい。このようになせば到着するまでは他の車両も駐車をすることが可能になって、駐車場の稼働率を向上させることができるようになる。
【0043】
更に、施設管理装置50から送信された予約成立の通知を予約管理サーバ30が受信すると、予約管理サーバ30はナビゲーション装置20に対して予約の成立を通知し、ナビゲーション装置20は表示手段23に予約の成立を表示してユーザに報知する。予約が成立すると、制御手段21はそれまで経由地として設定された地点を予約が成立した駐車場に再設定し、再度経路探索を行なう。
【0044】
次に、地図データ部27に記憶されている地図データについて説明する。地図データは表示地図データと経路探索に必要なネットワークデータとからなっている。
【0045】
図3はネットワークデータの基本的な考え方を説明するための図であり、図3(1)に示すように、地図を交差点のみで捉えるのでなく、交差点間の地点で有効な案内情報(例えば橋、川、ビル、ガソリンスタンド等)を有する点をノードという概念で捉え、ノードとノードの間をリンクという概念で捉えている。したがって、ノードは地図座標の点データを示し、交差点はノードの一部であり、一方リンクは線データを示し道路の一部を示すものである。
【0046】
このように構成することにより、図3(2)に示す交差点において、交差点番号nとその前後の交差点番号を結ぶ道路間(すなわち2つの交差点間)に有効な案内情報としての目印をデータとして持たせることができる。
【0047】
図4は上述したノードの列データを示し、ノード番号に対する東経、北緯すなわちその地点の座標と、有効な案内情報(例えば橋、川、ビル、ガソリンスタンド等)をデータとして区別する属性を記憶している。
【0048】
図5は交差点リストの一例を示し、そのコード番号、交差点名、交差点番号(ノードのうち交差点のみに付した番号)、図2(2)を参照して説明したように2つの連結ノード番号、目印および属性を格納している。
【0049】
図6は駐車場リストの一例を示し、駐車場番号、連結交差点番号、座標を格納している。
【0050】
図7(1)は道路データの一例を示している。図7(2)に示すように道路には道路番号が方向性を持って付けられており、この道路番号毎に始点および終点のノード番号、同じ始点を持つ道路番号のうち番号が次のもの、同じ終点を持つ道路番号のうち番号が次のもの、道路の太さ、一方通行や車両通行禁止などの情報である通行禁止情報、ノード数、ノード列データ、先頭アドレス等が記憶されている。
【0051】
施設管理装置50は駐車場および宿泊施設に備えられた施設予約状況を管理する通信端末である。施設管理装置50は予約管理テーブル53および通信手段52を備えており、予約管理サーバ30と接続されて施設の予約状況を管理する。施設管理装置50は例えば宿泊施設においてはフロントに備えられた管理システムなどが相当し、予約管理サーバ30側の空状況照会手段37からの空室問い合わせに対して制御手段51が予約管理テーブル53を参照して空室状況を照会する。
【0052】
空室の問い合わせは人為的なものであってもよく、電話回線によるオペレーティングによって行なわれるものであってもよい。また駐車場の施設管理装置としては入庫、出庫を自動で管理するためのコンピュータシステムなどが相当し、現在の空きスペース数と予約状況を管理し得るものであればよい。
【0053】
宿泊施設の施設管理装置50は当日の予約状況を予約管理テーブルにて管理しているが、駐車場の施設管理装置50はこれと異なり、24時間の予約状況を管理している。したがって空状況照会手段37は宿泊施設に対しては当日の空室状況を照会すれば足りるが、駐車場に対しては駐車場に到着する時刻を指定して空状況を照会する。
【0054】
次に、フローチャートを用いて本発明の実施例にかかるナビゲーション装置20の動作を説明する。図8は本発明の実施例にかかるナビゲーション装置20の動作手順を示すフローチャートである。
【0055】
ナビゲーション装置20において、ステップS1において経路探索が開始されると処理が開始される。ユーザが目的地を設定して経路案内を開始すると、経路探索手段26がかかる目的地に到達するまでの最短経路をダイクストラ法などによって探索し、経路案内が開始される。
【0056】
ステップS2において制御手段21は経路探索において経由地が設定されているか否かを判別する。
【0057】
経路探索手段26が探索した経路のデータは一般のナビゲーション装置と同様に、経由地を経由して最終目的地に至る道路リンク、各道路リンクのリンクコスト(所要距離または所要時間)などを含むデータである。従って、経路のデータに基づいて経由地への到着予想時刻、最終目的地への到着予測時刻を得ることができる。そして、この到着予想時刻に基づいて駐車場や宿泊施設の予約時刻を設定することができる。
【0058】
経由地が設定されていなければステップS7の処理に進み、経由地が設定されている場合はステップS3の処理に進む。
【0059】
経由地が設定されている場合は、まず、ステップS3の処理において経由地として設定された施設、ランドマークの専用駐車場の有無を判別する。
【0060】
ナビゲーション装置20における地図データ部27は施設DBを備えており、これに記憶された施設情報から専用駐車場の有無を判断する。専用駐車場がある場合はここに駐車すれば足りるので周辺駐車場の検索は行なわず、ステップS7の処理に移行する。
【0061】
一方経由地として設定された施設、ランドマークに専用駐車場がない場合には周辺駐車場の予約処理を行なう。すなわちステップS4の処理において、設定された経由地を起点として最も近い駐車場を地図データ部27における駐車場DBを参照して検索し、検索された駐車場の空き状況を照会する。
【0062】
上記の通り予約管理サーバ30は空き状況照会手段37を備えており、空き状況照会手段37は、検索された駐車場の施設管理装置50に問い合わせを行ない、空きスペース数と現在の予約数から予約の可否を判断する。
【0063】
予約が可能であると判断されると予約管理サーバ30はナビゲーション装置20に対して予約を実行するか否かを問い合わせ、ユーザが予約の実行を指示すると予約管理サーバ30が予約確保手段35により予約の実行を行なう(ステップS5)。
【0064】
このときナビゲーション装置20は経路探索と同時に到着予想時刻を算出して予約IDと共に到着予想時刻を予約管理サーバ30に送信し、予約確保手段35は該到着予想時刻を施設管理装置50に対して送信する。予約が確保されるとステップS6の処理に進み端末装置20は経由地を駐車場に再設定し、再度経路探索を行なったのち経路案内を開始する。
【0065】
駐車場の予約処理が終了するとナビゲーション装置20の処理は、ステップS7の処理に進み、次に最終目的地周辺の宿泊施設を予約するか否かを判別する。例えば「最終目的地周辺の宿泊施設を予約しますか?」などのメッセージを表示してユーザの選択を受け付ける。予約する(YES)操作が行なわれるとステップS8の処理に進み、制御手段21が最終目的地周辺の宿泊施設を地図データ部27における宿泊施設DBから抽出する。
【0066】
例えば最終目的地として設定された地点から半径数キロ圏内にある宿泊施設を複数抽出し、この宿泊施設の特定情報を予約管理サーバ30に送信する。予約管理サーバ30は空状況照会手段37を備えており、この空状況照会手段37が抽出された宿泊施設の施設管理装置50に問い合わせを行ない、空室があるか否かを判断する。
【0067】
問い合わせを受けた施設管理装置50は予約管理テーブル53を参照して空室の有無を判断し、空室があると判断した施設管理装置50は予約管理サーバ30を介してナビゲーション装置20に通知し、ステップS9の処理において宿泊施設の候補が表示されてユーザの選択決定を受け付ける。
【0068】
一方、予約管理テーブルを参照した上で空室がないと判断した施設管理装置50は満室である旨を予約管理サーバ30に通知し、これを受けて予約管理サーバ30は選択候補から当該宿泊施設を除外してユーザの選択決定を受け付ける。
【0069】
したがってユーザとしては空室がある宿泊施設の中から宿泊先を選択することができ、宿泊先を選択する度に空室の有無を照会しなければならないような煩雑さを回避できる。
【0070】
なお上記のようにして複数の宿泊施設に対して空室の有無を照会した結果、候補宿泊地のいずれからも空室がないと判断された場合はさらに宿泊先の候補を拡大する。すなわち最終目的地から半径3キロ圏内にある宿泊施設を抽出していた場合であれば、半径5キロ圏内にまで検索範囲を拡大して宿泊施設を検索する。
【0071】
ユーザが候補を選択するとステップS10の処理に進み、予約処理を開始する。すなわちユーザが選択した宿泊施設の特定情報が予約管理サーバ30に送信され、予約管理サーバ30がこれを受信すると予約確保手段35が施設管理装置50に対して予約の実行を行なう。
【0072】
このとき予約ID発行手段36が予約IDを発行して付帯情報と共に施設管理装置50に通知し、施設管理装置50は発行された予約IDによって予約を確保し、予約管理テーブル53の予約状況を更新する。施設管理装置50は予約を確保すると予約確認信号を予約管理サーバ30に送信し、予約管理サーバ30は予約が確保された旨をナビゲーション装置20に通知すると共に予約IDをナビゲーション装置20に送信する。
【0073】
ユーザは宿泊施設到着時に送信された予約IDを宿泊施設に対して提示することで予約の確認を行なう。予約IDの提示は通信手段22を用いて行なったり、予約IDが表示されたナビゲーション装置20の表示画面を見せる方法などがある。
【0074】
予約が成立するとステップS11の処理に進み端末装置20は最終目的地として宿泊施設に再設定し、再探索を行なって経路案内を開始する。
【0075】
なお本実施例においては経路探索を開始した時点で予約処理を行なうようにしているが、目的地に近づくと自動的に予約処理を行なうようになしてもよい。例えば駐車場を予約する場合には到着予想時刻の一定時間前になると予約を実行するように構成するといったことが考えられる。若しくはGPSによって常時現在地を計測し、設定された経由地の例えば5キロ圏内に入ったことを判別すると予約を実行するようになしてもよい。
【0076】
例えば、経路探索時に予約する駐車場を特定しておいて、当該駐車場を特定する情報を図示しないナビゲーション装置20の記憶手段に一時的に格納しておく。現在位置検出手段24が経由地に所定距離まで近づいたことを検出すると、制御手段21は記憶手段に記憶された特定情報を読み出して予約管理サーバ30に送信し、予約管理サーバ30が施設管理装置50に対して予約を実行する。
【0077】
このようになせば交通渋滞や急な経路変更などによって予約した時間に到着できないというような事態を回避し易くなり、駐車場としても回転率を低減することがなくなる。この場合ナビゲーション装置は制御手段が到着時刻又は経由地までの距離を常時監視し、一定時間前又は一定距離に近づいたことを検知すると制御手段が予約管理サーバに予約実行を指示するようになせばよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施例にかかる予約管理システムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】図1の予約管理システムのろ詳細な構成を示すブロック図である。
【図3】ナビゲーション装置の地図データのデータ構成を説明するための説明図である。
【図4】ナビゲーション装置の地図データのデータ構成を説明するための説明図である。
【図5】ナビゲーション装置の地図データのデータ構成を説明するための説明図である。
【図6】ナビゲーション装置の地図データのデータ構成を説明するための説明図である。
【図7】ナビゲーション装置の地図データのデータ構成を説明するための説明図である。
【図8】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0079】
10・・・予約管理システム
20・・・端末装置
21・・・制御手段
22・・・入力手段
23・・・表示手段
24・・・現在位置検出手段
25・・・通信手段
26・・・経路探索手段
27・・・地図データ部
30・・・予約管理サーバ
31・・・制御手段
32・・・通信手段
33・・・宿泊施設DB
34・・・駐車場DB
35・・・予約確保手段
36・・・予約ID発行手段
37・・・空状況照会手段
50・・・施設管理装置
51・・・通信手段
52・・・予約管理テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予約管理サーバおよび前記予約管理サーバとネットワークを介して接続された施設管理装置とからなる予約管理システムにネットワークを介して接続されるナビゲーション装置であって、
前記ナビゲーション装置は、経由地と最終目的地を入力する入力手段と、前記経由地を経由して前記最終目的地に至る経路を探索する経路探索手段と、道路データの他、駐車場データ及び施設データを記憶した地図データ部を備え、前記入力手段により前記経由地および前記最終目的地の入力が行なわれると、前記経路探索手段は、前記経由地を経由し前記最終目的地に至る経路を探索し、前記ナビゲーション装置は、前記経路探索手段により探索された経路に基づいて案内を行うとともに、前記地図データ部から前記経由地周辺の駐車場を抽出し、前記予約管理サーバに前記ネットワークを介して予約を指示し、前記予約管理サーバは前記駐車場の施設管理装置に予約を実行させ、
更に、前記ナビゲーション装置は、前記地図データ部から前記最終目的地周辺の宿泊施設を抽出し、前記予約管理サーバに前記ネットワークを介して予約を指示し、前記予約管理サーバは前記宿泊施設の施設管理装置に予約を実行させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記ナビゲーション装置は、前記経路探索手段により探索された経路の経路データに含まれた前記経由地への到着予定時刻情報に基づいて前記駐車場の検索および予約を実行し、また、前記経路データに含まれた前記最終目的地への到着予定時刻情報に基づいて前記宿泊施設の検索および予約を実行することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記予約管理サーバは更に空状況照会手段を備えており、前記ナビゲーション装置により抽出された前記駐車場について前記空状況照会手段が現在の空スペース状況を照会し、更に抽出された前記宿泊施設について前記空状況照会手段が現在の空室状況を照会し、前記ナビゲーション装置は、照会結果を受信すると空のある駐車場または宿泊施設のみ表示してユーザの選択を受け付けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
ナビゲーション機能を有するナビゲーション装置と、前記ナビゲーション装置とネットワークを介して接続された予約管理サーバおよび前記予約管理サーバとネットワークを介して接続された施設管理装置とからなる予約管理システムであって、
前記ナビゲーション装置は、経由地と最終目的地を入力する入力手段と、前記経由地を経由して最終目的地に至る最適経路を探索する経路探索手段と、道路データの他、駐車場データ及び施設データを記憶した地図データ部を備え、前記入力手段により前記経由地および前記最終目的地の入力が行なわれると、前記ナビゲーション装置は、前記地図データ部から前記経由地周辺の駐車場を抽出し、前記予約管理サーバに前記ネットワークを介して予約を指示し、前記予約管理サーバは前記駐車場の施設管理装置に予約を実行させ、
更に、前記ナビゲーション装置は、前記地図データ部から前記最終目的地周辺の宿泊施設を抽出し、前記予約管理サーバに前記ネットワークを介して予約を指示し、前記予約管理サーバは前記宿泊施設の施設管理装置に予約を実行させることを特徴とする予約管理システム。
【請求項5】
前記ナビゲーション装置は、前記経路探索手段により探索された経路の経路データに含まれた前記経由地への到着予定時刻情報に基づいて前記駐車場の検索および予約を実行し、前記経路データに含まれた前記最終目的地への到着予定時刻情報に基づいて前記宿泊施設の検索および予約を実行することを特徴とする請求項3に記載の予約管理システム。

【請求項6】
前記予約管理サーバは更に空状況照会手段を備えており、前記ナビゲーション装置により抽出された前記駐車場について前記空状況照会手段が現在の空スペース状況を照会し、更に抽出された前記宿泊施設について前記空状況照会手段が現在の空室状況を照会し、前記ナビゲーション装置は照会結果を受信すると空のある駐車場または宿泊施設のみ表示してユーザの選択を受け付けることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の予約管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−241521(P2008−241521A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−83878(P2007−83878)
【出願日】平成19年3月28日(2007.3.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】