ナビゲーション装置および地図データ更新方法
【課題】
書き換え可能な記憶媒体を有し、最新地図データを取得して地図データベースを更新するナビゲーションにおいて、地図データベースの更新を容易に行うことが可能なようにする。
【解決手段】
書き換え可能な記憶手段に地図データを記憶した地図データベースと、地図データベースに記憶された地図データの更新および検索を行う地図データ管理手段を備えたナビゲーション装置において、地図データ管理手段は、地図データを地図要素の付加情報を示す属性で分類したテーブルとして管理する。そしてこのテーブルは、地図要素の更新頻度に基づいて分割した複数のテーブルとして管理し、地図データ更新の際は地図要素単位でデータの更新を行う。
書き換え可能な記憶媒体を有し、最新地図データを取得して地図データベースを更新するナビゲーションにおいて、地図データベースの更新を容易に行うことが可能なようにする。
【解決手段】
書き換え可能な記憶手段に地図データを記憶した地図データベースと、地図データベースに記憶された地図データの更新および検索を行う地図データ管理手段を備えたナビゲーション装置において、地図データ管理手段は、地図データを地図要素の付加情報を示す属性で分類したテーブルとして管理する。そしてこのテーブルは、地図要素の更新頻度に基づいて分割した複数のテーブルとして管理し、地図データ更新の際は地図要素単位でデータの更新を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムに係わり、特に書き換え可能な記憶手段に地図データを記憶し、地図データを部分的に更新する方法を用いたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
地図表示や目的地検索などに必要な地図データをハードディスクや着脱式メモリなどの書き換え可能な記憶媒体に記憶するナビゲーションシステムが出現している。
【0003】
ナビゲーションシステムに提供される地図データは、最新施設情報,新規道路開通・閉鎖などにより、年月が経過するに伴い古くなる。このためハードディスクを搭載したナビゲーションシステムは、ディスクをディーラあるいはメーカに送付し全地図データを書き換えるサービスが実施されている。前記サービスでは、ディスクが手元に戻されるまでの間、装置が利用できないという課題がある。
【0004】
一方、携帯電話網を利用して車輌に搭載されたナビゲーション装置とサーバ装置間でのデータ通信により、地図データを含む各種の有用な情報を車輌のナビゲーション装置へ送信する通信型ナビゲーションシステムが出現している。通信を通じてサーバから最新の地図データを受信して地図データを更新する方法が特開平9−145383号公報、サーバから地図データをダウンロードするナビゲーションシステムとしては、例えば、特開2003−42771号公報の記載が知られている。サーバからのダウンロードによる地図データの取得方式は、サーバに格納された最新の地図データを取得するため、ユーザは、最新の地図データを利用できるという利点がある。
【0005】
【特許文献1】特開平9−145383号公報
【特許文献2】特開2003−42771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のナビゲーションシステムでは、メーカ独自のデータフォーマットで地図データを管理し、データファイルの先頭からのアドレスを計算してデータをアクセスするため、例えば一部の地図データを更新する場合、ファイル内のデータの並びに依存して更新地図データを生成する必要があり、最新地図データのデータフォーマットが変更あるいは拡張された場合あるいはフォーマットが異なる装置では最新の地図データが利用できないという課題を有している。さらに、利用者或いは第三者がデータ構成を自由にカスタマイズすることもできなかった。
【0007】
また、更新中のファイルは他のアプリケーションから参照できないため、ファイルの更新を終えるまで地図表示や経路探索などの機能が実行されず、地図表示や経路探索の応答性が悪くなる。例えば、誘導中、適切なタイミングで地図が表示更新されないと、ユーザを所定の経路に沿って誘導するというナビゲーションシステム本来の利便性を損なってしまう。
【0008】
本発明の目的は、地図データフォーマットに制限されることなく最新の地図データを取得して目的地設定,経路探索や誘導などのナビゲーションに利用でき、データ更新の際に、更新対象が多い場合でも処理時間の増加を抑えることができるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は、書き換え可能な記憶手段に地図データを記憶した地図データベースと、地図データベースに記憶された地図データの更新および検索を行う地図データ管理手段を備えたナビゲーション装置において、地図データ管理手段は、地図データを地図要素の付加情報を示す属性で分類したテーブルとして管理し、このテーブルは地図要素の更新頻度に基づいて分割した複数のテーブルとして管理し、地図データ更新の際は地図要素単位でデータの更新を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このようなナビゲーション装置によれば、地図データベースを部分的に更新することが可能となるため、更新対象となるデータが多い場合でも地図データベースの更新処理に要する時間の増加を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を用いたナビゲーションシステムの実施の形態を、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明を用いたナビゲーションシステムの全体構成を示す図である。本ナビゲーションシステムは、車両111に搭載されるナビゲーション端末106、及び、基地局104とIP網103を介してナビゲーション端末106との間でデータを受信/送信するサーバ装置102からなる。
【0013】
サーバ装置102は、地図情報,レストランやコンビニエンス・ストアなどの地点情報データ,交通情報データなどを備える。ナビゲーション端末106は、サーバ装置102にアクセスすることによって最新の施設や道路などの地図情報を取得し、目的地までの経路を計算して誘導する機能を有する。サーバ装置102が経路探索エンジンを備えることもある。この場合、サーバ装置102は、ナビゲーション端末106から経路探索要求があれば経路探索を実行し、その結果を返送するとともに、サーバ装置102内に保存する方法をとる場合もある。またサーバ装置102は、ナビゲーション端末106からの要求に応じて地点情報データ,交通情報データなどを検索して返送する場合もある。
【0014】
本実施例におけるナビゲーション端末106の構成について説明する。ナビゲーション端末106はディスプレイ装置302,GPS(Global Positioning System)受信機306,本体307,ハードディスク装置309,メモリカードスロット304,携帯電話303,リモコン305,マイク308を備えている。本体307は内部にCPU(演算処理装置),メモリ,電源,グラフィクス表示用デバイスが搭載された装置である。また携帯電話303を用いて、ナビサーバとのデータ送受信を行う。ハードディスク装置309は地図データを記憶したり、あるいはサーバ装置102からの受信データを蓄積したり、過去にダウンロードした情報をナビゲーション端末106にロードするための装置である。メモリカードスロット304にメモリカードなどの着脱可能な外部記憶装置を接続し、ハードディスク装置309同様に地図データを記憶、あるいはサーバ装置102からの受信データを記憶してもよい。ハードディスク装置309に地図データ、該メモリカードなどの着脱可能な外部記憶装置には音楽や映像などのデータを蓄積するよう使い分ければ、ユーザはメモリカードを音楽や映像再生可能な他の装置と共有して使用することができる。
【0015】
前述の構成では、ナビサーバとの通信機器に携帯電話303を用いているが、他の通信機器,PDA(Personal Digital Assistance)あるいは本体307と一体化されたモデムでも構わない。衛星放送,ホットスポットなどを利用した無線LAN,車用狭帯域通信DSRC(Dedicated Short Range Communications)により施設や地図,エリア情報,エンターテイメント情報などの情報を取得することもある。また、携帯電話303の代わりに、車内LAN(Local Area Network)を接続することも可能である。GPS受信機306の代わりに、PHS(Personal Handyphone System)を用いた位置同定サービスを用いることも可能である。
【0016】
図2は、本体307搭載のCPU(演算処理装置)の機能構成、特に本発明のデータ更新に関わる機能について説明した図である。以下、構成要素について説明する。
【0017】
現在位置検出部405は、GPS受信機306から得られた位置データから車両の現在位置を設定する。本体307にジャイロや方位センサ、さらに車両の車速センサの出力データを取り込んで車両の移動方向や移動距離を検出するセンサを搭載し、該センサ出力を参照して車両の移動距離や進行方向を算出し、次のGPSデータを受信するまでの現在位置を推定することもある。入力解析部406は、リモコン305やマイク308などユーザ要求が入力可能な装置からユーザ要求を受け、その要求を解析し、要求に応じた処理が実行されるよう各ユニットを制御する。通信処理部404は、携帯電話303に接続し公衆網を介してサーバ装置102とデータを送受信する。携帯電話303との接続には有線の他、赤外線通信や無線通信を使用することもある。
【0018】
データベース管理部400は、データベースシステムの基本機能の一部であり、ハードディスクなどの記憶媒体に記憶された地図データベースを効率よくアクセスするために、1度読み込んだデータをメモリ408にキャッシュして2度目以降のデータ読込を高速化する処理,データ更新が正常に完了するまでを監視するトランザクション処理,更新中の地図データのレコードをロックするなどの排他制御,ログやバックアップによるデータ障害時の復旧,地図データや地図データ検索に用いるインデックス領域の管理などを実行する。データ読込部410は、位置検出部405で検出された位置情報や入力解析部406を介して地図の表示エリアが変更(スクロールやスケール変更)されたとき、表示に必要なエリアを設定し、データベース管理部400に対して表示用地図データ検索コマンドを発行する。結果得られた地図データを表示処理部407に通知する。表示処理部407は、地図を一旦メモリ408に描画展開しディスプレイ装置302に表示する。更新データ取得部402は、通信処理部404を介してサーバ装置102に地図データを要求して更新用の地図データを取得する。入力解析部406を介してユーザが入力(追加・削除など)した施設などの情報を取得することもある。更新データ解釈部403は取得した該地図データに含まれる更新手続き情報、地図データベースのどの部分をどのように更新するのかといった、更新方法や更新手順を解釈する。データベース更新部401は、該解釈結果に従って地図データベースをアクセスするコマンド(検索・挿入・削除・内容変更)を作成し、データベース管理部400に通知する。更新履歴管理部409は、変更日時や場所などの変更履歴を記録したり読み出したりする。
【0019】
図3は、本ナビゲーション装置における地図データのデータ更新を説明するフローチャートであり、図3(a)はデータ更新処理、図3(b)は個別データ反映処理のフローチャートである。
【0020】
まず図3(a)のデータ更新処理を説明する。地図データのデータを更新する際には、更新データ取得部402において、入力解析部406を介して得たユーザ入力に基づき、何処の何のデータを更新したいのかを、地域名・経路沿い・現在地周辺・目的地周辺などのエリア,現在地・経由地・目的地などの地点,施設データ・道路データなどのデータ種別、などで指定した要求条件を含む地図データ要求コマンドをサーバ装置102に送信する(500)。更新データ取得部402は、送信した要求条件に応じてサーバ装置102から送られてくる地図データの更新データを受信する(501)。更新データ解釈部403において、受信した各地図データの更新データに基づき地図データベースを更新する個別データ反映処理を行う(507)。そして、全ての更新データについて処理が終わったか判定し(508)、更新データが残っていれば次の更新データを読み込んで(509)個別データ反映処理を行う(507)と言う処理を、更新データに含まれる全地図要素について終了するまでを実行する。
【0021】
個別データ反映処理は、図3(b)に示すように、まず取得した地図データの更新データに含まれる更新手続き情報を解釈し、追加・削除・内容変更などの地図データ更新方法および手順と、更新対象となる地図データベースのテーブル,レコード,カラム(属性)を特定する(502)。データベース更新部401は、この特定されたテーブルあるいはレコード,カラムを検索条件として設定し、更新データに含まれる地図データ更新方法に基づく地図データベースを更新するデータ更新コマンドを作成して、データベース管理部400にこのデータ更新コマンドを発行する(503)。データベース管理部400は、受け取ったデータ更新コマンドに従って地図データベースをアクセスし、変更対象となるレコードを検索してデータの書き換えを実行する(504)。
【0022】
そして、更新データの所在地域(市町村区名などのエリア)や位置を参照して(505)、変更履歴データテーブルに新規レコードを追加し、参照結果の所在地域や位置を更新日時,内容などの更新情報に対応づけて追加レコードに記憶する(506)。地図データベースの更新が正常に終了した場合は、更新日時やデータバージョン,更新者などの詳細情報を含む更新履歴を更新履歴に記録する(505)。なお、データベース更新部401が生成するデータ更新コマンドは、レコード・データを書き換えるものばかりではなく、新たなテーブルの生成などのテーブル管理を行うコマンドも生成する。
【0023】
このように、本方法により地図データベースを更新することによって、ユーザは最新の地図データを情報検索,地図表示,目的地検索,経路探索,誘導などのナビゲーションに利用することができるようになる。
【0024】
図4は、本ナビゲーション装置の地図データベースの構成例である。施設データを例に地図データの構成について説明する。地図データの種類としては、施設データの他に、道路データ,経路探索用データ,VICS対応データなど、地図データの種類あるいは使用目的毎に分類され、別のテーブルとして管理されている。また、これらのテーブルで共通する地方名や自治体名,行政区分名などを独立したテーブルとして管理する。
【0025】
施設データテーブル(600)の例としては、施設固有に付加されたID,施設名称,ジャンル(種類),位置(緯度,経度などの座標),評価,メモをカラム(施設データの属性)として備えている。これらのカラム以外に、電話番号,住所,地域名,定休日,営業時間,読みデータ(名称や住所など)など、必要に応じて属性を拡張することができる。テーブルを構成する各レコードは地図要素に相当し、レコードの属性は、地図要素の付加情報に相当する情報である。そして、テーブルが道路データテーブルの場合、属性としては、一般道路,国道などと言った道路種別や、道路の名称(国道6号線など)や、レーン数(道幅),道路の座標情報、などを備えることになる。このようにすることで、従来のように更新地図データと更新前地図データの更新対象(施設や道路などの地図要素)を比較し、更新対象が更新前の地図データに存在しない場合に地図データを更新するため、比較を実行する処理負荷が増加して更新時間が長くなる場合でも、本発明によれば地図データベースを部分的に更新することが可能になるため、更新対象が多い場合でも処理時間の増加を抑えることができ、更新手続きにより既存データと比較して更新方法を決定する処理が容易になるため、データの更新時間が短縮される。
【0026】
インデックス(601)は、施設データテーブル(600)を高速に検索するための情報で、例えば施設名称をキーとした検索を行う場合、施設名称の読みを先頭から五十音順にデータの格納場所を示す。インデックスは予め作成し、地図データと共にハードディスク装置309に記憶する。該施設テーブルを更新する場合は、該インデックスも併せて再構築する必要がある。最新データに更新したらすぐに目的地検索などのナビゲーション処理に反映したいというユーザ意志に反し、インデックス更新が終了するまでは施設データの検索が待たされることも考えられる。そこで、頻繁に更新される施設データ(コンビニや飲食店など)は更新頻度の低い施設(公共施設など)とは別のテーブルで構成し、更新頻度に基づいてインデックスを有効/無効にするなど、インデックス更新タイミングを変えるようにすることも考えられる。このように地図データの種類に応じてテーブルを構成,インデックス更新タイミングを調整することで、検索待ち時間が長くなるのを防ぐことが可能である。
【0027】
本テーブル構成を用いて例えば『青山○○飯店』を検索する場合、名称読みデータの先頭から順にインデックス(601)をたどっていき、インデックスが指し示すデータ領域のレコードを先頭に一致する名称を検索すればよい。
【0028】
テーブル属性の“評価”は、該当する施設に対するユーザの主観的な評価を示す。本例のように総合評価としてもよいし、『味』『雰囲気』『値段』といった複数の“評価”項目を設けても構わない。また“評価”としては本例のような数値としてもよいし、『よい』『ふつう』『わるい』といった文字列を用いても構わない。このように、ユーザ主観情報をデータベースに含めることによって、ユーザはおいしい店や安い店といった主観的な情報から所望の施設情報を検索することができる。また、該検索結果を目的地に設定すれば、『おいしい店』まで誘導することができる。
【0029】
道路データテーブルに主観的な評価を示す属性を設ける場合、道路データテーブルのレコードを道路リンク単位で構成し、ユーザの主観情報として『見通しが悪い』『景色良好』などの景観情報を属性に含めることにより、見通しの良否や景観の良否といった属性を経路探索条件に用いた経路探索を実現することができる。
【0030】
図5は、ユーザの主観的な情報に基づいてサーバからデータを取得し地図データベースを更新する手順を示すフローチャートである。
【0031】
ナビゲーション端末106は、現在地周辺かつ『おいしい店』を更新条件として地図データ更新要求(500)をサーバ装置102に送信する例を説明する。図中、地図データ更新要求の“PoiUpdate”は“地図データ更新”の要求コマンド、“clt”および“cln”は現在の車両位置の緯度と経度、“rad”は現在位置(clt,cln)を中心とした検索範囲(半径km)、“eval”はユーザの主観を表す項目である。従って、この図の例では、緯度=1234,経度=5678を中心に周辺10kmの範囲でユーザの主観に『おいしい店』を含む更新データを要求していることになる。
【0032】
サーバ装置102は地図データ更新要求(500)を受信するとevakに設定された値を所定の評価値に変換する処理を実行する(710)。この例ではまず、『おいしい店』というデータから主観を表す『おいしい』という語句を切り出して所定の評価値に変換する。また『おいしい』に相当する複数の類似語(『うまい』,『お勧め』など)を作成する。次に変換された評価値あるいは複数の類似語を検索キーとして地図データベースを検索するコマンドを生成する(711)。データベースを検索するコマンドとしては一般的にSQL(Structured Query Language)を使用するが、所定のキーに基づいてデータベースを検索できるコマンドであれば他のコマンド形態としても構わない。本実施例では、サーバ装置102は、予め『おいしい店』を評価値3以上として設定するものとする。従って検索条件には評価値3以上、中心座標(clt,cln)、半径10kmが指定されデータベースの検索が行われる(712)。サーバ装置102はデータベースを検索した結果に基づいて返信用の更新データを作成する(713)。
【0033】
返信用データとしては、例えば更新データ740に示すようにXML(eXtensible Markup Language)を使用する。“NewMapData”は返却する施設データのデータ構造である。更新手続き情報は、データ構造として定義する。例えば、NewMapDataのデータ構造を“update,delete,insert”と定義する。これは、地図の更新データが“内容変更データ,削除データ,新規追加データ”で構成されていることを示している。また、地図の更新データは“update,delete,insert”の順番で並べられているため、端末はこれに対応した内容変更データ,削除データ,新規追加データの順番でデータを更新する。データを更新する順番の指示については、施設データ構造poiに順番を示すタグ(例えば、<order>更新順番</order>)を追加することにより、該当する施設データの更新順番を直接指示することもできる。データ更新の順番を指定することにより、人気のある施設や利用価値の高い施設(子供や障害者向けの設備が充実しているなど)を優先してデータを追加していくことができる。また、返信用の更新データを生成するサーバ装置102で、予め更新の優先が高い順に施設データpoiをソートしても同様の効果が得られる。
【0034】
本例では、更新データNewMapDataのデータ構造に更新手続き情報(追加,削除など)を定義することで削除や追加などを指示する方法について説明したが、施設データpoiのデータ構造に更新手続き情報を定義しても構わない。この場合、更新手続き情報は、データの挿入,更新,削除を指示する他に、該当する施設情報を更新した場合に該当するレコードの“評価値”属性の値を計算するような、複数の処理が連続する手続を指定することも可能である。図11に、その一例を示す。このように定義した場合、各々の施設データ(施設要素)に更新手続きが指示できるので、施設データの所定属性の更新に伴い所定の演算を実行するなど、施設要素に対して詳細な更新指示ができるようになる。
【0035】
図11に示す例では、更新手続き情報のタグ“<command1>”から、この更新データが施設データの内容変更(update)であることを判断し、施設コード(id)や施設名称(name)のデータを既存の地図データベース内のデータと置き換える。そしてタグ“<command2>”〜“</command2>”の間で定義される更新手続き情報command2から、施設データの評価値を計算するという指示に従い、評価値を計算する。評価値の計算については、例えば属性“メモ”に付記された情報から評価値に変換可能な文字列『おいしい』『うまい』などを抽出し、評価表示属性730で指定された評価属性に従って評価値に変換することにより求める方法もある。また、“味”や“雰囲気”などの複数の評価値項目がある場合には、これらの値から総合評価値を求めても構わない。
【0036】
ナビゲーション端末106は更新データ(740)を受信することにより更新データを取得し(501)、この更新データがナビゲーション端末106において予め設定されているデータ更新条件を満たすかどうかを判断する(720)。そして更新対象として選択したデータを参照し個別データ反映処理に従って地図データベースを更新する(721)。例えば、『おいしい店』が評価値3以上として検索されてきたのに対し、評価値5の施設データをデータベース更新の条件としてユーザが設定していた場合は、更新データ740から評価値が5の施設データのみ選択して個別データ反映処理が行われる。また、地図データベースに既存(更新前)の施設データの評価が変わっている場合もあるので、更新データ740の更新方法がupdateで指定された施設データを更新対象とすることも考えられる。ユーザは、現在地周辺(10km範囲)かつ『おいしい店』といった主観情報を入力することにより、最新の地図データを取得して、かつ情報検索,地図表示,目的地検索,経路探索,誘導などのナビゲーション処理に更新された地図データを利用することができる。
【0037】
選択された全ての更新データについて更新処理が終了したか判定され(722)、全更新処理が終了すると、更新された地図データは、表示属性設定画面(730)で設定された表示属性に従ってディスプレイ装置302に表示される(724)。図5に示した例では、施設表示属性(730)は、評価表示が“ON”、表示する施設(あるいは評価表示)が“評価値3以上”、表示形態が“★”、更新された施設のアイコン表示“ON”であることを意味する。更新履歴情報の表示/非表示、色・線種・パターン・透過モードなどの表示属性は表示属性設定手段の表示属性設定画面(730)で設定され、これにより設定された表示属性に基づいて更新履歴情報を画面に表示することになる。
【0038】
図6は、入力解析部406において、ユーザの主観的な情報を解釈しデータを更新する主観データ更新処理の手順を示すフローチャートである。
【0039】
リモコン305やタッチパネルや音声マイク308などの入力装置を介して『近くのおいしい店を最新にする』といった主観的な表現を含めたユーザ指示を受け(800)、該入力から主観を表す単語(文字列)を抽出する(801)。主観に相当する単語(大きい,小さい,遠い,近い,おいしい,まずい、などの特に形容詞に代表される語句)は予め定めておき、これと一致する単語をユーザが入力したセンテンスから抽出する。抽出した単語(文字列)をユーザ主観変換値設定(802)で設定された変換値に従って所定のパラメータに変換する(803)。例えば『おいしい』は“味”に関する評価で、“味”の評価2以上を“おいしい”とし、『近い』は“周辺距離”に関する評価で、“周辺距離”10km以内を『近い』とする。このように変換した主観表現を更新条件として地図データ更新要求500をサーバ装置102に送信する(804)。そして受信した更新データに従ってデータ更新処理を行い(805)地図データベースを更新した後、予め設定されていた表示属性設定値に従って更新された施設データを表示する(806)。
【0040】
図7は、図5および図6で更新した施設情報の表示の一例を示している。表示例の画面(900)は、ユーザ主観情報の表示を有効にした場合である。901は自車位置マークを示している。ユーザ主観情報として『おいしい店』を★マークの数で表現するように表示属性が設定されているものとする。『おいしい』の他、『雰囲気』や『値段』などの複数の評価項目を総合評価した結果を★マークで表現してもよい。また、表示属性730に『おいしい』『雰囲気』『値段』の各々の表示についてON/OFFを設定しておくか、あるいは所定のキーを押下することにより『おいしい』『雰囲気』『値段』を切り替えて表示してもよい。また各評価項目をチャート形式903で表示するなど、他の形態でもよい。
【0041】
また、本実施例において、更新する施設データpoiに更新理由を示すタグ“<reason>”に対応するデータを付加したことにより、対応する施設の、新規開店,閉店,移転などの情報を追加することができる。例えば、新規開店で追加された施設データに開店や移転などのアイコン904を付けて表示することができる。ここで、閉店した施設は更新指示deleteに従ってデータベースから削除すればいいが、地図データベースの施設テーブル600の属性を拡張すれば、閉店施設を他の施設とは異なる表示形態(色,透過モード,×の付加など)で表示することが可能である。具体的には、施設データベース600に新たに施設状態を属性として追加し、施設状態に新規開店・閉店・移転などの変更理由を記録しておく。施設情報を表示する際に該変更理由を参照し、理由に応じて開店,閉店などの表示形態で施設を表示する。閉店した施設は地図データを変更した日時から所定の時間が経過したら地図データベースから消去してもよい。
【0042】
以上のようにすることで、“周辺の店”や“おいしい”などの条件を指定して最新の施設データを取得することが可能になる。また、既存の地図データには無い新たな情報を、対応する地図要素の属性として定義し、更新データのフォーマットに加えることにより、地図データベースを更新する際に自動的にナビゲーション装置内部の地図データベースに反映させることが可能になるため、地図データに新たな店舗を追加したり、一口メモや主観的情報などのユーザ特有の情報を不可視にすることが容易に行える。
【0043】
図8は、更新履歴管理部409において履歴を記録あるいは参照して変更履歴を表示する変更履歴表示処理を示すフローチャートである。
【0044】
地図データベースを更新する際には、図3(b)に示した個別データ反映処理により、更新データの所在地域や位置(例えば更新データ740のlocation)を参照し(505)、データベース管理部400に対して、ハードディスク装置309に記録された変更履歴データテーブルに新規レコードを追加し、該所在地域(市町村区名などのエリア)や位置を更新日時,内容などの更新情報に対応づけて該レコードに記憶する(506)コマンドをデータベース管理部400に発行する。これにより地図データベースの更新履歴が変更履歴データテーブルに反映されることになる。
【0045】
更新データの全施設データについて地図データベースの更新が終了した状態で、ユーザが“更新履歴表示”を入力すると(210)、データベース管理部400に変更履歴データ検索コマンドを発行される(211)。この変更履歴データ検索コマンドに基づいて、更新履歴データのエリア情報が検索され(212)、個別データ反映処理で更新された全ての更新レコードについてエリア情報を参照して(213)、更新対象となったエリア情報から描画データを生成し(214)、ディスプレイ装置302に変更履歴を表示する(215)。
【0046】
図9は、該変更履歴データによる変更履歴の表示の一例を示す。図9(a)の表示例は、画面230に東京23区内で過去にデータ更新が発生した場所を更新日時と共に地図上に表示した例である。図9(b)の表示例は、画面240に、さらに詳細な更新履歴を表示した例であり、世田谷区内で過去に更新されたデータを検索し、更新日時と更新手続き(内容更新,追加,削除など)、施設名称が確認できるよう表示している。地図上の位置と対応づけて更新履歴データを記録することにより、過去に更新された場所が更新日時などの詳細情報とともに確認できるようになる。
【0047】
図10は、ユーザの操作状況から予測して、地図データ更新およびデータ検索を実行する処理を示すフローチャートである。ナビゲーション端末106において、目的地,経由地、あるいは経路が決定すると(1000)、該目的地,経由地、あるいは経路の周辺を更新対象エリアに設定する(1001)。更新対象エリアの設定にユーザ主観設定802を参照して得られる距離を用いても構わない。該エリアの地図データをサーバ装置102から取得し、データ更新処理を行う(1002)。次に、データベース更新部401は、該目的地,経由地、あるいは経路周辺の施設情報を検索するコマンドを地図データベース管理部400に発行し(1003)、該施設情報を検索する(1004)。検索結果として得られた施設データをメモリ408にキャッシュしておく(1005)。
【0048】
走行中、ユーザが目的地や経由地周辺、あるいは経路沿いの施設データの情報検索を要求することを予測して、予め地図データベース内の施設データを最新データに更新し、かつ更新済みの地図データベースから施設情報を検索しメモリにキャッシュすることで、ユーザは目的地設定や経路設定などの基本的なナビゲーション操作を行うことで、データ更新や検索の待ち時間を要することなく、最新の地図データが利用できることになる。
【0049】
本実施例では、通信手段を介して更新データを取得する方法について説明したが、メモリカードなどの着脱可能な記憶媒体に地図の更新データを記憶させ、該メモリから更新データを読み込んで地図データベースを更新してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明はナビゲーション装置に関し、特に更新データを取得して地図データを更新するナビゲーション装置として利用可能なものである。本発明は、地図データフォーマットに非依存の地図データを取得して地図データを更新するので、ユーザはエリアやデータ種別などの条件を指定することにより所望の更新データを得て情報検索,目的地設定や経路誘導などのナビゲーションに利用することができ、ユーザの好みを反映しデータのカスタマイズが可能なナビゲーション装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の全体システムを示す図である。
【図2】データ更新に関わる機能構成を示す図である。
【図3】地図データを更新する手順を示すフローチャートである。
【図4】地図データベースの構成例である。
【図5】主観情報により地図データを更新する手順を示すフローチャートである。
【図6】主観データを更新する手順を示すフローチャートである。
【図7】更新した施設データと主観情報の表示例である。
【図8】更新変更履歴を記録,表示する手順を示すフローチャートである。
【図9】更新履歴の表示例である。
【図10】操作状況から地図データ更新や検索処理を予測して実行する手順を示すフローチャートである。
【図11】更新手続きの定義の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
102…サーバ装置、103…IP網、104…基地局、106…ナビゲーション端末、111…車両、301…GPS衛星、302…ディスプレイ装置、303…携帯電話、304…メモリカードスロット、305…リモコン、306…GPS受信機、307…本体、308…マイク、309…ハードディスク装置。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーションシステムに係わり、特に書き換え可能な記憶手段に地図データを記憶し、地図データを部分的に更新する方法を用いたシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
地図表示や目的地検索などに必要な地図データをハードディスクや着脱式メモリなどの書き換え可能な記憶媒体に記憶するナビゲーションシステムが出現している。
【0003】
ナビゲーションシステムに提供される地図データは、最新施設情報,新規道路開通・閉鎖などにより、年月が経過するに伴い古くなる。このためハードディスクを搭載したナビゲーションシステムは、ディスクをディーラあるいはメーカに送付し全地図データを書き換えるサービスが実施されている。前記サービスでは、ディスクが手元に戻されるまでの間、装置が利用できないという課題がある。
【0004】
一方、携帯電話網を利用して車輌に搭載されたナビゲーション装置とサーバ装置間でのデータ通信により、地図データを含む各種の有用な情報を車輌のナビゲーション装置へ送信する通信型ナビゲーションシステムが出現している。通信を通じてサーバから最新の地図データを受信して地図データを更新する方法が特開平9−145383号公報、サーバから地図データをダウンロードするナビゲーションシステムとしては、例えば、特開2003−42771号公報の記載が知られている。サーバからのダウンロードによる地図データの取得方式は、サーバに格納された最新の地図データを取得するため、ユーザは、最新の地図データを利用できるという利点がある。
【0005】
【特許文献1】特開平9−145383号公報
【特許文献2】特開2003−42771号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来のナビゲーションシステムでは、メーカ独自のデータフォーマットで地図データを管理し、データファイルの先頭からのアドレスを計算してデータをアクセスするため、例えば一部の地図データを更新する場合、ファイル内のデータの並びに依存して更新地図データを生成する必要があり、最新地図データのデータフォーマットが変更あるいは拡張された場合あるいはフォーマットが異なる装置では最新の地図データが利用できないという課題を有している。さらに、利用者或いは第三者がデータ構成を自由にカスタマイズすることもできなかった。
【0007】
また、更新中のファイルは他のアプリケーションから参照できないため、ファイルの更新を終えるまで地図表示や経路探索などの機能が実行されず、地図表示や経路探索の応答性が悪くなる。例えば、誘導中、適切なタイミングで地図が表示更新されないと、ユーザを所定の経路に沿って誘導するというナビゲーションシステム本来の利便性を損なってしまう。
【0008】
本発明の目的は、地図データフォーマットに制限されることなく最新の地図データを取得して目的地設定,経路探索や誘導などのナビゲーションに利用でき、データ更新の際に、更新対象が多い場合でも処理時間の増加を抑えることができるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明は、書き換え可能な記憶手段に地図データを記憶した地図データベースと、地図データベースに記憶された地図データの更新および検索を行う地図データ管理手段を備えたナビゲーション装置において、地図データ管理手段は、地図データを地図要素の付加情報を示す属性で分類したテーブルとして管理し、このテーブルは地図要素の更新頻度に基づいて分割した複数のテーブルとして管理し、地図データ更新の際は地図要素単位でデータの更新を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
このようなナビゲーション装置によれば、地図データベースを部分的に更新することが可能となるため、更新対象となるデータが多い場合でも地図データベースの更新処理に要する時間の増加を抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明を用いたナビゲーションシステムの実施の形態を、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明を用いたナビゲーションシステムの全体構成を示す図である。本ナビゲーションシステムは、車両111に搭載されるナビゲーション端末106、及び、基地局104とIP網103を介してナビゲーション端末106との間でデータを受信/送信するサーバ装置102からなる。
【0013】
サーバ装置102は、地図情報,レストランやコンビニエンス・ストアなどの地点情報データ,交通情報データなどを備える。ナビゲーション端末106は、サーバ装置102にアクセスすることによって最新の施設や道路などの地図情報を取得し、目的地までの経路を計算して誘導する機能を有する。サーバ装置102が経路探索エンジンを備えることもある。この場合、サーバ装置102は、ナビゲーション端末106から経路探索要求があれば経路探索を実行し、その結果を返送するとともに、サーバ装置102内に保存する方法をとる場合もある。またサーバ装置102は、ナビゲーション端末106からの要求に応じて地点情報データ,交通情報データなどを検索して返送する場合もある。
【0014】
本実施例におけるナビゲーション端末106の構成について説明する。ナビゲーション端末106はディスプレイ装置302,GPS(Global Positioning System)受信機306,本体307,ハードディスク装置309,メモリカードスロット304,携帯電話303,リモコン305,マイク308を備えている。本体307は内部にCPU(演算処理装置),メモリ,電源,グラフィクス表示用デバイスが搭載された装置である。また携帯電話303を用いて、ナビサーバとのデータ送受信を行う。ハードディスク装置309は地図データを記憶したり、あるいはサーバ装置102からの受信データを蓄積したり、過去にダウンロードした情報をナビゲーション端末106にロードするための装置である。メモリカードスロット304にメモリカードなどの着脱可能な外部記憶装置を接続し、ハードディスク装置309同様に地図データを記憶、あるいはサーバ装置102からの受信データを記憶してもよい。ハードディスク装置309に地図データ、該メモリカードなどの着脱可能な外部記憶装置には音楽や映像などのデータを蓄積するよう使い分ければ、ユーザはメモリカードを音楽や映像再生可能な他の装置と共有して使用することができる。
【0015】
前述の構成では、ナビサーバとの通信機器に携帯電話303を用いているが、他の通信機器,PDA(Personal Digital Assistance)あるいは本体307と一体化されたモデムでも構わない。衛星放送,ホットスポットなどを利用した無線LAN,車用狭帯域通信DSRC(Dedicated Short Range Communications)により施設や地図,エリア情報,エンターテイメント情報などの情報を取得することもある。また、携帯電話303の代わりに、車内LAN(Local Area Network)を接続することも可能である。GPS受信機306の代わりに、PHS(Personal Handyphone System)を用いた位置同定サービスを用いることも可能である。
【0016】
図2は、本体307搭載のCPU(演算処理装置)の機能構成、特に本発明のデータ更新に関わる機能について説明した図である。以下、構成要素について説明する。
【0017】
現在位置検出部405は、GPS受信機306から得られた位置データから車両の現在位置を設定する。本体307にジャイロや方位センサ、さらに車両の車速センサの出力データを取り込んで車両の移動方向や移動距離を検出するセンサを搭載し、該センサ出力を参照して車両の移動距離や進行方向を算出し、次のGPSデータを受信するまでの現在位置を推定することもある。入力解析部406は、リモコン305やマイク308などユーザ要求が入力可能な装置からユーザ要求を受け、その要求を解析し、要求に応じた処理が実行されるよう各ユニットを制御する。通信処理部404は、携帯電話303に接続し公衆網を介してサーバ装置102とデータを送受信する。携帯電話303との接続には有線の他、赤外線通信や無線通信を使用することもある。
【0018】
データベース管理部400は、データベースシステムの基本機能の一部であり、ハードディスクなどの記憶媒体に記憶された地図データベースを効率よくアクセスするために、1度読み込んだデータをメモリ408にキャッシュして2度目以降のデータ読込を高速化する処理,データ更新が正常に完了するまでを監視するトランザクション処理,更新中の地図データのレコードをロックするなどの排他制御,ログやバックアップによるデータ障害時の復旧,地図データや地図データ検索に用いるインデックス領域の管理などを実行する。データ読込部410は、位置検出部405で検出された位置情報や入力解析部406を介して地図の表示エリアが変更(スクロールやスケール変更)されたとき、表示に必要なエリアを設定し、データベース管理部400に対して表示用地図データ検索コマンドを発行する。結果得られた地図データを表示処理部407に通知する。表示処理部407は、地図を一旦メモリ408に描画展開しディスプレイ装置302に表示する。更新データ取得部402は、通信処理部404を介してサーバ装置102に地図データを要求して更新用の地図データを取得する。入力解析部406を介してユーザが入力(追加・削除など)した施設などの情報を取得することもある。更新データ解釈部403は取得した該地図データに含まれる更新手続き情報、地図データベースのどの部分をどのように更新するのかといった、更新方法や更新手順を解釈する。データベース更新部401は、該解釈結果に従って地図データベースをアクセスするコマンド(検索・挿入・削除・内容変更)を作成し、データベース管理部400に通知する。更新履歴管理部409は、変更日時や場所などの変更履歴を記録したり読み出したりする。
【0019】
図3は、本ナビゲーション装置における地図データのデータ更新を説明するフローチャートであり、図3(a)はデータ更新処理、図3(b)は個別データ反映処理のフローチャートである。
【0020】
まず図3(a)のデータ更新処理を説明する。地図データのデータを更新する際には、更新データ取得部402において、入力解析部406を介して得たユーザ入力に基づき、何処の何のデータを更新したいのかを、地域名・経路沿い・現在地周辺・目的地周辺などのエリア,現在地・経由地・目的地などの地点,施設データ・道路データなどのデータ種別、などで指定した要求条件を含む地図データ要求コマンドをサーバ装置102に送信する(500)。更新データ取得部402は、送信した要求条件に応じてサーバ装置102から送られてくる地図データの更新データを受信する(501)。更新データ解釈部403において、受信した各地図データの更新データに基づき地図データベースを更新する個別データ反映処理を行う(507)。そして、全ての更新データについて処理が終わったか判定し(508)、更新データが残っていれば次の更新データを読み込んで(509)個別データ反映処理を行う(507)と言う処理を、更新データに含まれる全地図要素について終了するまでを実行する。
【0021】
個別データ反映処理は、図3(b)に示すように、まず取得した地図データの更新データに含まれる更新手続き情報を解釈し、追加・削除・内容変更などの地図データ更新方法および手順と、更新対象となる地図データベースのテーブル,レコード,カラム(属性)を特定する(502)。データベース更新部401は、この特定されたテーブルあるいはレコード,カラムを検索条件として設定し、更新データに含まれる地図データ更新方法に基づく地図データベースを更新するデータ更新コマンドを作成して、データベース管理部400にこのデータ更新コマンドを発行する(503)。データベース管理部400は、受け取ったデータ更新コマンドに従って地図データベースをアクセスし、変更対象となるレコードを検索してデータの書き換えを実行する(504)。
【0022】
そして、更新データの所在地域(市町村区名などのエリア)や位置を参照して(505)、変更履歴データテーブルに新規レコードを追加し、参照結果の所在地域や位置を更新日時,内容などの更新情報に対応づけて追加レコードに記憶する(506)。地図データベースの更新が正常に終了した場合は、更新日時やデータバージョン,更新者などの詳細情報を含む更新履歴を更新履歴に記録する(505)。なお、データベース更新部401が生成するデータ更新コマンドは、レコード・データを書き換えるものばかりではなく、新たなテーブルの生成などのテーブル管理を行うコマンドも生成する。
【0023】
このように、本方法により地図データベースを更新することによって、ユーザは最新の地図データを情報検索,地図表示,目的地検索,経路探索,誘導などのナビゲーションに利用することができるようになる。
【0024】
図4は、本ナビゲーション装置の地図データベースの構成例である。施設データを例に地図データの構成について説明する。地図データの種類としては、施設データの他に、道路データ,経路探索用データ,VICS対応データなど、地図データの種類あるいは使用目的毎に分類され、別のテーブルとして管理されている。また、これらのテーブルで共通する地方名や自治体名,行政区分名などを独立したテーブルとして管理する。
【0025】
施設データテーブル(600)の例としては、施設固有に付加されたID,施設名称,ジャンル(種類),位置(緯度,経度などの座標),評価,メモをカラム(施設データの属性)として備えている。これらのカラム以外に、電話番号,住所,地域名,定休日,営業時間,読みデータ(名称や住所など)など、必要に応じて属性を拡張することができる。テーブルを構成する各レコードは地図要素に相当し、レコードの属性は、地図要素の付加情報に相当する情報である。そして、テーブルが道路データテーブルの場合、属性としては、一般道路,国道などと言った道路種別や、道路の名称(国道6号線など)や、レーン数(道幅),道路の座標情報、などを備えることになる。このようにすることで、従来のように更新地図データと更新前地図データの更新対象(施設や道路などの地図要素)を比較し、更新対象が更新前の地図データに存在しない場合に地図データを更新するため、比較を実行する処理負荷が増加して更新時間が長くなる場合でも、本発明によれば地図データベースを部分的に更新することが可能になるため、更新対象が多い場合でも処理時間の増加を抑えることができ、更新手続きにより既存データと比較して更新方法を決定する処理が容易になるため、データの更新時間が短縮される。
【0026】
インデックス(601)は、施設データテーブル(600)を高速に検索するための情報で、例えば施設名称をキーとした検索を行う場合、施設名称の読みを先頭から五十音順にデータの格納場所を示す。インデックスは予め作成し、地図データと共にハードディスク装置309に記憶する。該施設テーブルを更新する場合は、該インデックスも併せて再構築する必要がある。最新データに更新したらすぐに目的地検索などのナビゲーション処理に反映したいというユーザ意志に反し、インデックス更新が終了するまでは施設データの検索が待たされることも考えられる。そこで、頻繁に更新される施設データ(コンビニや飲食店など)は更新頻度の低い施設(公共施設など)とは別のテーブルで構成し、更新頻度に基づいてインデックスを有効/無効にするなど、インデックス更新タイミングを変えるようにすることも考えられる。このように地図データの種類に応じてテーブルを構成,インデックス更新タイミングを調整することで、検索待ち時間が長くなるのを防ぐことが可能である。
【0027】
本テーブル構成を用いて例えば『青山○○飯店』を検索する場合、名称読みデータの先頭から順にインデックス(601)をたどっていき、インデックスが指し示すデータ領域のレコードを先頭に一致する名称を検索すればよい。
【0028】
テーブル属性の“評価”は、該当する施設に対するユーザの主観的な評価を示す。本例のように総合評価としてもよいし、『味』『雰囲気』『値段』といった複数の“評価”項目を設けても構わない。また“評価”としては本例のような数値としてもよいし、『よい』『ふつう』『わるい』といった文字列を用いても構わない。このように、ユーザ主観情報をデータベースに含めることによって、ユーザはおいしい店や安い店といった主観的な情報から所望の施設情報を検索することができる。また、該検索結果を目的地に設定すれば、『おいしい店』まで誘導することができる。
【0029】
道路データテーブルに主観的な評価を示す属性を設ける場合、道路データテーブルのレコードを道路リンク単位で構成し、ユーザの主観情報として『見通しが悪い』『景色良好』などの景観情報を属性に含めることにより、見通しの良否や景観の良否といった属性を経路探索条件に用いた経路探索を実現することができる。
【0030】
図5は、ユーザの主観的な情報に基づいてサーバからデータを取得し地図データベースを更新する手順を示すフローチャートである。
【0031】
ナビゲーション端末106は、現在地周辺かつ『おいしい店』を更新条件として地図データ更新要求(500)をサーバ装置102に送信する例を説明する。図中、地図データ更新要求の“PoiUpdate”は“地図データ更新”の要求コマンド、“clt”および“cln”は現在の車両位置の緯度と経度、“rad”は現在位置(clt,cln)を中心とした検索範囲(半径km)、“eval”はユーザの主観を表す項目である。従って、この図の例では、緯度=1234,経度=5678を中心に周辺10kmの範囲でユーザの主観に『おいしい店』を含む更新データを要求していることになる。
【0032】
サーバ装置102は地図データ更新要求(500)を受信するとevakに設定された値を所定の評価値に変換する処理を実行する(710)。この例ではまず、『おいしい店』というデータから主観を表す『おいしい』という語句を切り出して所定の評価値に変換する。また『おいしい』に相当する複数の類似語(『うまい』,『お勧め』など)を作成する。次に変換された評価値あるいは複数の類似語を検索キーとして地図データベースを検索するコマンドを生成する(711)。データベースを検索するコマンドとしては一般的にSQL(Structured Query Language)を使用するが、所定のキーに基づいてデータベースを検索できるコマンドであれば他のコマンド形態としても構わない。本実施例では、サーバ装置102は、予め『おいしい店』を評価値3以上として設定するものとする。従って検索条件には評価値3以上、中心座標(clt,cln)、半径10kmが指定されデータベースの検索が行われる(712)。サーバ装置102はデータベースを検索した結果に基づいて返信用の更新データを作成する(713)。
【0033】
返信用データとしては、例えば更新データ740に示すようにXML(eXtensible Markup Language)を使用する。“NewMapData”は返却する施設データのデータ構造である。更新手続き情報は、データ構造として定義する。例えば、NewMapDataのデータ構造を“update,delete,insert”と定義する。これは、地図の更新データが“内容変更データ,削除データ,新規追加データ”で構成されていることを示している。また、地図の更新データは“update,delete,insert”の順番で並べられているため、端末はこれに対応した内容変更データ,削除データ,新規追加データの順番でデータを更新する。データを更新する順番の指示については、施設データ構造poiに順番を示すタグ(例えば、<order>更新順番</order>)を追加することにより、該当する施設データの更新順番を直接指示することもできる。データ更新の順番を指定することにより、人気のある施設や利用価値の高い施設(子供や障害者向けの設備が充実しているなど)を優先してデータを追加していくことができる。また、返信用の更新データを生成するサーバ装置102で、予め更新の優先が高い順に施設データpoiをソートしても同様の効果が得られる。
【0034】
本例では、更新データNewMapDataのデータ構造に更新手続き情報(追加,削除など)を定義することで削除や追加などを指示する方法について説明したが、施設データpoiのデータ構造に更新手続き情報を定義しても構わない。この場合、更新手続き情報は、データの挿入,更新,削除を指示する他に、該当する施設情報を更新した場合に該当するレコードの“評価値”属性の値を計算するような、複数の処理が連続する手続を指定することも可能である。図11に、その一例を示す。このように定義した場合、各々の施設データ(施設要素)に更新手続きが指示できるので、施設データの所定属性の更新に伴い所定の演算を実行するなど、施設要素に対して詳細な更新指示ができるようになる。
【0035】
図11に示す例では、更新手続き情報のタグ“<command1>”から、この更新データが施設データの内容変更(update)であることを判断し、施設コード(id)や施設名称(name)のデータを既存の地図データベース内のデータと置き換える。そしてタグ“<command2>”〜“</command2>”の間で定義される更新手続き情報command2から、施設データの評価値を計算するという指示に従い、評価値を計算する。評価値の計算については、例えば属性“メモ”に付記された情報から評価値に変換可能な文字列『おいしい』『うまい』などを抽出し、評価表示属性730で指定された評価属性に従って評価値に変換することにより求める方法もある。また、“味”や“雰囲気”などの複数の評価値項目がある場合には、これらの値から総合評価値を求めても構わない。
【0036】
ナビゲーション端末106は更新データ(740)を受信することにより更新データを取得し(501)、この更新データがナビゲーション端末106において予め設定されているデータ更新条件を満たすかどうかを判断する(720)。そして更新対象として選択したデータを参照し個別データ反映処理に従って地図データベースを更新する(721)。例えば、『おいしい店』が評価値3以上として検索されてきたのに対し、評価値5の施設データをデータベース更新の条件としてユーザが設定していた場合は、更新データ740から評価値が5の施設データのみ選択して個別データ反映処理が行われる。また、地図データベースに既存(更新前)の施設データの評価が変わっている場合もあるので、更新データ740の更新方法がupdateで指定された施設データを更新対象とすることも考えられる。ユーザは、現在地周辺(10km範囲)かつ『おいしい店』といった主観情報を入力することにより、最新の地図データを取得して、かつ情報検索,地図表示,目的地検索,経路探索,誘導などのナビゲーション処理に更新された地図データを利用することができる。
【0037】
選択された全ての更新データについて更新処理が終了したか判定され(722)、全更新処理が終了すると、更新された地図データは、表示属性設定画面(730)で設定された表示属性に従ってディスプレイ装置302に表示される(724)。図5に示した例では、施設表示属性(730)は、評価表示が“ON”、表示する施設(あるいは評価表示)が“評価値3以上”、表示形態が“★”、更新された施設のアイコン表示“ON”であることを意味する。更新履歴情報の表示/非表示、色・線種・パターン・透過モードなどの表示属性は表示属性設定手段の表示属性設定画面(730)で設定され、これにより設定された表示属性に基づいて更新履歴情報を画面に表示することになる。
【0038】
図6は、入力解析部406において、ユーザの主観的な情報を解釈しデータを更新する主観データ更新処理の手順を示すフローチャートである。
【0039】
リモコン305やタッチパネルや音声マイク308などの入力装置を介して『近くのおいしい店を最新にする』といった主観的な表現を含めたユーザ指示を受け(800)、該入力から主観を表す単語(文字列)を抽出する(801)。主観に相当する単語(大きい,小さい,遠い,近い,おいしい,まずい、などの特に形容詞に代表される語句)は予め定めておき、これと一致する単語をユーザが入力したセンテンスから抽出する。抽出した単語(文字列)をユーザ主観変換値設定(802)で設定された変換値に従って所定のパラメータに変換する(803)。例えば『おいしい』は“味”に関する評価で、“味”の評価2以上を“おいしい”とし、『近い』は“周辺距離”に関する評価で、“周辺距離”10km以内を『近い』とする。このように変換した主観表現を更新条件として地図データ更新要求500をサーバ装置102に送信する(804)。そして受信した更新データに従ってデータ更新処理を行い(805)地図データベースを更新した後、予め設定されていた表示属性設定値に従って更新された施設データを表示する(806)。
【0040】
図7は、図5および図6で更新した施設情報の表示の一例を示している。表示例の画面(900)は、ユーザ主観情報の表示を有効にした場合である。901は自車位置マークを示している。ユーザ主観情報として『おいしい店』を★マークの数で表現するように表示属性が設定されているものとする。『おいしい』の他、『雰囲気』や『値段』などの複数の評価項目を総合評価した結果を★マークで表現してもよい。また、表示属性730に『おいしい』『雰囲気』『値段』の各々の表示についてON/OFFを設定しておくか、あるいは所定のキーを押下することにより『おいしい』『雰囲気』『値段』を切り替えて表示してもよい。また各評価項目をチャート形式903で表示するなど、他の形態でもよい。
【0041】
また、本実施例において、更新する施設データpoiに更新理由を示すタグ“<reason>”に対応するデータを付加したことにより、対応する施設の、新規開店,閉店,移転などの情報を追加することができる。例えば、新規開店で追加された施設データに開店や移転などのアイコン904を付けて表示することができる。ここで、閉店した施設は更新指示deleteに従ってデータベースから削除すればいいが、地図データベースの施設テーブル600の属性を拡張すれば、閉店施設を他の施設とは異なる表示形態(色,透過モード,×の付加など)で表示することが可能である。具体的には、施設データベース600に新たに施設状態を属性として追加し、施設状態に新規開店・閉店・移転などの変更理由を記録しておく。施設情報を表示する際に該変更理由を参照し、理由に応じて開店,閉店などの表示形態で施設を表示する。閉店した施設は地図データを変更した日時から所定の時間が経過したら地図データベースから消去してもよい。
【0042】
以上のようにすることで、“周辺の店”や“おいしい”などの条件を指定して最新の施設データを取得することが可能になる。また、既存の地図データには無い新たな情報を、対応する地図要素の属性として定義し、更新データのフォーマットに加えることにより、地図データベースを更新する際に自動的にナビゲーション装置内部の地図データベースに反映させることが可能になるため、地図データに新たな店舗を追加したり、一口メモや主観的情報などのユーザ特有の情報を不可視にすることが容易に行える。
【0043】
図8は、更新履歴管理部409において履歴を記録あるいは参照して変更履歴を表示する変更履歴表示処理を示すフローチャートである。
【0044】
地図データベースを更新する際には、図3(b)に示した個別データ反映処理により、更新データの所在地域や位置(例えば更新データ740のlocation)を参照し(505)、データベース管理部400に対して、ハードディスク装置309に記録された変更履歴データテーブルに新規レコードを追加し、該所在地域(市町村区名などのエリア)や位置を更新日時,内容などの更新情報に対応づけて該レコードに記憶する(506)コマンドをデータベース管理部400に発行する。これにより地図データベースの更新履歴が変更履歴データテーブルに反映されることになる。
【0045】
更新データの全施設データについて地図データベースの更新が終了した状態で、ユーザが“更新履歴表示”を入力すると(210)、データベース管理部400に変更履歴データ検索コマンドを発行される(211)。この変更履歴データ検索コマンドに基づいて、更新履歴データのエリア情報が検索され(212)、個別データ反映処理で更新された全ての更新レコードについてエリア情報を参照して(213)、更新対象となったエリア情報から描画データを生成し(214)、ディスプレイ装置302に変更履歴を表示する(215)。
【0046】
図9は、該変更履歴データによる変更履歴の表示の一例を示す。図9(a)の表示例は、画面230に東京23区内で過去にデータ更新が発生した場所を更新日時と共に地図上に表示した例である。図9(b)の表示例は、画面240に、さらに詳細な更新履歴を表示した例であり、世田谷区内で過去に更新されたデータを検索し、更新日時と更新手続き(内容更新,追加,削除など)、施設名称が確認できるよう表示している。地図上の位置と対応づけて更新履歴データを記録することにより、過去に更新された場所が更新日時などの詳細情報とともに確認できるようになる。
【0047】
図10は、ユーザの操作状況から予測して、地図データ更新およびデータ検索を実行する処理を示すフローチャートである。ナビゲーション端末106において、目的地,経由地、あるいは経路が決定すると(1000)、該目的地,経由地、あるいは経路の周辺を更新対象エリアに設定する(1001)。更新対象エリアの設定にユーザ主観設定802を参照して得られる距離を用いても構わない。該エリアの地図データをサーバ装置102から取得し、データ更新処理を行う(1002)。次に、データベース更新部401は、該目的地,経由地、あるいは経路周辺の施設情報を検索するコマンドを地図データベース管理部400に発行し(1003)、該施設情報を検索する(1004)。検索結果として得られた施設データをメモリ408にキャッシュしておく(1005)。
【0048】
走行中、ユーザが目的地や経由地周辺、あるいは経路沿いの施設データの情報検索を要求することを予測して、予め地図データベース内の施設データを最新データに更新し、かつ更新済みの地図データベースから施設情報を検索しメモリにキャッシュすることで、ユーザは目的地設定や経路設定などの基本的なナビゲーション操作を行うことで、データ更新や検索の待ち時間を要することなく、最新の地図データが利用できることになる。
【0049】
本実施例では、通信手段を介して更新データを取得する方法について説明したが、メモリカードなどの着脱可能な記憶媒体に地図の更新データを記憶させ、該メモリから更新データを読み込んで地図データベースを更新してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明はナビゲーション装置に関し、特に更新データを取得して地図データを更新するナビゲーション装置として利用可能なものである。本発明は、地図データフォーマットに非依存の地図データを取得して地図データを更新するので、ユーザはエリアやデータ種別などの条件を指定することにより所望の更新データを得て情報検索,目的地設定や経路誘導などのナビゲーションに利用することができ、ユーザの好みを反映しデータのカスタマイズが可能なナビゲーション装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の全体システムを示す図である。
【図2】データ更新に関わる機能構成を示す図である。
【図3】地図データを更新する手順を示すフローチャートである。
【図4】地図データベースの構成例である。
【図5】主観情報により地図データを更新する手順を示すフローチャートである。
【図6】主観データを更新する手順を示すフローチャートである。
【図7】更新した施設データと主観情報の表示例である。
【図8】更新変更履歴を記録,表示する手順を示すフローチャートである。
【図9】更新履歴の表示例である。
【図10】操作状況から地図データ更新や検索処理を予測して実行する手順を示すフローチャートである。
【図11】更新手続きの定義の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
102…サーバ装置、103…IP網、104…基地局、106…ナビゲーション端末、111…車両、301…GPS衛星、302…ディスプレイ装置、303…携帯電話、304…メモリカードスロット、305…リモコン、306…GPS受信機、307…本体、308…マイク、309…ハードディスク装置。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
書き換え可能な記憶手段に地図データを記憶した地図データベースと、
地図データベースに記憶された地図データの更新および検索を行う地図データ管理手段を備えたナビゲーション装置において、
前記地図データ管理手段は、地図データを地図要素の付加情報を示す属性で分類したテーブルとして管理し、該テーブルは地図要素の更新頻度に基づいて分割した複数のテーブルとして管理し、地図データ更新の際は地図要素単位でデータの更新を行う
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記地図データ管理手段において、前記分割したテーブル毎にインデックスを設け、分割したテーブルの更新頻度に基づいて前記インデックスを有効または無効にしてインデックス更新タイミングを変えることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記地図データ管理手段において、前記分割したテーブルのうち、更新頻度が高い施設のテーブルの少なくとも1つは、飲食店の施設データのテーブルであり、更新頻度が低い施設のテーブルの少なくとも1つは、公共施設の施設データのテーブルであることを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項1】
書き換え可能な記憶手段に地図データを記憶した地図データベースと、
地図データベースに記憶された地図データの更新および検索を行う地図データ管理手段を備えたナビゲーション装置において、
前記地図データ管理手段は、地図データを地図要素の付加情報を示す属性で分類したテーブルとして管理し、該テーブルは地図要素の更新頻度に基づいて分割した複数のテーブルとして管理し、地図データ更新の際は地図要素単位でデータの更新を行う
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記地図データ管理手段において、前記分割したテーブル毎にインデックスを設け、分割したテーブルの更新頻度に基づいて前記インデックスを有効または無効にしてインデックス更新タイミングを変えることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記地図データ管理手段において、前記分割したテーブルのうち、更新頻度が高い施設のテーブルの少なくとも1つは、飲食店の施設データのテーブルであり、更新頻度が低い施設のテーブルの少なくとも1つは、公共施設の施設データのテーブルであることを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2009−134298(P2009−134298A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−331816(P2008−331816)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【分割の表示】特願2004−21408(P2004−21408)の分割
【原出願日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【分割の表示】特願2004−21408(P2004−21408)の分割
【原出願日】平成16年1月29日(2004.1.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
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