説明

ナビゲーション装置および更新地点の報知方法

【課題】地図データの更新前後で変更された地点でユーザが興味を持つ可能性のある地点に関する情報を、登録地点や検索地点に限らず他にも報知できるようにした「ナビゲーション装置および更新地点の報知方法」を提供する。
【解決手段】ハードディスク13に記憶されている地図データを参照して、報知対象として定められた登録地点等(ユーザメモリ17に格納されている)に対して一定の関連を有する関連地点の情報が地図データの更新前後で変更されているか否かを判定する関連地点変更判定部19と、地図データの更新前後で情報の変更があったと判定された関連地点について、変更があったことを報知する変更報知部20とを設け、地図データを更新した場合に、報知対象として定められた所定の地点に限らず、当該所定の地点に対して一定の関連を有する他の地点についても、変更があった場合には報知の対象となるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置および更新地点の報知方法に関し、特に、地図データの更新前後で情報に変更があった地点をユーザに報知する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、ナビゲーション装置では、経路探索や経路案内の処理を行うために地図データを使用する。この地図データは、実際の道路や周辺施設などを反映して生成される。そのため、新しく作られる道路や周辺施設に対応するために、地図データは適宜更新する必要がある。
【0003】
ナビゲーション装置には、大きく分けてDVDタイプとハードディスクタイプとがある。DVDタイプのナビゲーション装置は、地図データが記録されたDVD(Digital Versatile Disk)をDVDドライバに装填して使用する。この種のナビゲーション装置における地図データの更新は、古いDVDを、新しい地図データが記録されたDVDに取り替えることによって行う。
【0004】
一方、ハードディスクタイプのナビゲーション装置は、内蔵されたハードディスクに地図データを記録している。この種のナビゲーション装置における地図データの更新は、DVDなどの外部メディアからハードディスクに新しい地図データをダウンロードすることによって行う。あるいは、通信ネットワーク介して無線接続されたサーバから新しい地図データをダウンロードできるようになされたナビゲーション装置も提供されている。
【0005】
ところで、殆どのナビゲーション装置は、例えば誘導経路の目的地を簡単に設定できるようにするために、ユーザが所望する任意の地点(例えば、任意の施設)をユーザメモリに登録することができるようになされている。すなわち、ユーザメモリに格納された登録地点を呼び出すことにより、誘導経路の目的地を簡単に設定できるようになっている。
【0006】
また、殆どのナビゲーション装置は、ユーザが一度目的地として設定した地点を検索地点としてユーザメモリに自動的に登録するようになされている。この場合、ユーザメモリに格納された検索地点を呼び出すことにより、誘導経路の目的地を簡単に設定することができる。
【0007】
このように、登録地点や検索地点の情報をユーザメモリに格納しておくことにより、誘導経路の目的地を簡単に設定することができ、ユーザにとって非常に便利である。ところが、地図データが更新されると、登録地点や検索地点に変更が生じていて、ユーザメモリに格納されている地点を呼び出すことができず、目的地の設定に利用できないという不具合が生じることがある。
【0008】
従来、このような不具合を解消するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。特許文献1では、地図データが更新されたときに、ユーザが登録したメモリ地点情報が変更されたか否かを判定する。ここで、メモリ地点情報が変更されていたときは、他の場所に一致情報があるか否かを判定し、一致情報があるときは、メモリ地点情報が変更されたことおよび移転先候補を報知する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2005−249466号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、上記特許文献1に記載の従来技術では、地図データの更新前後で登録地点が移転していた場合に限って、その旨が報知されるに過ぎない。登録地点は、よく使う可能性の高い興味のある地点としてユーザ自身が登録した地点であるが、必ずしもその登録地点そのものに限って興味があるとは限らない。
【0011】
例えば、ある場所のファミリー・レストランを登録地点として設定していた場合、地図データの更新前後でその登録地点そのものが移転していなくても、同じチェーン店のファミリー・レストランが別の場所に新設されていた場合には、その新しいファミリー・レストランが新設されたという情報は、ユーザにとって有益な情報となり得る。
【0012】
しかしながら、上記従来の技術では、このように登録地点に関連する他の地点の情報が地図データの更新前後で変更されていても、当該他の地点に関する情報は報知されないという問題があった。これは、検索地点についても同様である。すなわち、検索地点に関連する他の地点の情報が地図データの更新前後で変更されていても、当該他の地点に関する情報は報知されないという問題があった。
【0013】
本発明は、このような問題を解決するために成されたものであり、地図データを更新した場合に、地図データの更新前後で変更された地点でユーザが興味を持つ可能性のある地点に関する情報を、登録地点や検索地点に限らず他にも報知できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記した課題を解決するために、本発明では、地図データ記憶部に記憶されている地図データを参照して、報知対象として定められた所定の地点の情報が地図データの更新前後で変更されているか否かを判定するとともに、所定の地点に対して一定の関連を有する他の地点の情報が地図データの更新前後で変更されているか否かを判定する。そして、所定の地点およびそれに関連する他の地点のうち、地図データの更新前後で情報の変更があったと判定された地点について、変更があったことを報知するようにしている。
【発明の効果】
【0015】
上記のように構成した本発明によれば、地図データを更新した場合に、報知対象として定められた所定の地点(登録地点、検索地点、駐車地点など)に限らず、当該所定の地点に対して一定の関連を有する他の地点についても、更新前後で変更があった場合には報知の対象とされる。所定の地点は、ユーザがよく使う可能性の高い興味のある地点であるが、これに対して一定の関連を有する地点も、ユーザが興味を持つ可能性のある地点である。したがって、地図データの更新前後で変更された地点でユーザが興味を持つ可能性のある地点に関する情報を、登録地点や検索地点に限らず他にも報知することでき、ユーザにとって有益な情報をできるだけ漏らさず報知することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態によるナビゲーション装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【図2】第1の実施形態の変更報知部によって表示される画面の一例を示す図である。
【図3】第1の実施形態の変更報知部によって表示される画面の一例を示す図である。
【図4】第1の実施形態の変更報知部によって表示される画面の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態によるナビゲーション装置によって行われる更新地点の報知方法の処理手順を示すフローチャートである。
【図6】第2の実施形態によるナビゲーション装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【図7】第2の実施形態の変更報知部によって表示される画面の一例を示す図である。
【図8】第2の実施形態の変更報知部によって表示される画面の一例を示す図である。
【図9】第3の実施形態によるナビゲーション装置の構成例を示す機能ブロック図である。
【図10】第3の実施形態の変更報知部によって表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の実施形態)
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、第1の実施形態によるナビゲーション装置100の構成例を示す機能ブロック図である。図1に示すように、第1の実施形態によるナビゲーション装置100は、その機能構成として、DVD読出制御部11、更新地図データ記録制御部12、地図データ記憶部としてのハードディスク13、操作受付部14、地点登録部15、目的地設定部16、ユーザメモリ17、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19、変更報知部20、制御部21、自車位置検出部22、地図読出制御部23、経路探索部24、誘導経路メモリ25および地図描画部26を備えている。
【0018】
また、ナビゲーション装置100には、リモコンなどの操作部101および液晶ディスプレイなどの表示部102が接続されている。なお、操作部101は、表示部102と一体的に設けられたタッチパネルとしてもよい。また、ナビゲーション装置100は、図示しないDVDドライバを備えており、DVD(Digital Versatile Disk)103を装填することができるようになされている。DVD103は、更新用の地図データが記憶された記録媒体であり、旧バージョンの地図データから変更があった部分の差分データが記憶されているものとする。
【0019】
DVD読出制御部11は、DVDドライバが備える機能構成であり、DVD103に記憶された地図データの読み出しを制御する。具体的には、DVD103をDVDドライバに装填した状態で、ユーザが操作部101を操作して地図データの更新を指示すると、DVD読出制御部11は、操作受付部14を介して送られてくる読出指示信号に応じて、DVD103から地図データを読み出し、更新地図データ記録制御部12に供給する。
【0020】
更新地図データ記録制御部12は、DVD読出制御部11により読み出された更新用の地図データをハードディスク13に記憶させる制御を行う。すなわち、更新地図データ記録制御部12は、更新用の地図データをハードディスク13に記憶させることにより、ハードディスク13に既に記憶されている旧バージョンの地図データを更新する。
【0021】
このように地図データを更新するとき、更新地図データ記録制御部12は、更新前のデータと更新後のデータ(差分データ)とを識別可能な状態で地図データをハードディスク13に記憶させる。具体的には、差分データをメッシュ単位で構成し、それぞれのメッシュに対して更新日(更新用の地図データの作成日であっても良いし、更新実行日であっても良い)を属性情報として付与した状態で記憶させる。
【0022】
このようにすれば、最新の日付が付与されたメッシュの地図データが更新後のデータであり、それ以外の日付が付与されたメッシュの地図データが更新前のデータであると識別することができる。なお、ここで説明した手法は単なる一例に過ぎず、これ以外の手法によって更新前のデータと更新後のデータとを識別可能にしても良い。
【0023】
操作受付部14は、ユーザが操作部101を用いてナビゲーション装置100に対して行う各種の操作を受け付ける。例えば、地図データの更新を指示するための操作、ユーザが所望する地点をユーザメモリ17に登録するための操作、誘導経路の目的地を設定するための操作などを受け付ける。
【0024】
上述のように、操作受付部14は、地図データの更新を指示するための操作を受け付けた場合、更新用の地図データの読出指示信号をDVD読出制御部11に供給する。また、操作受付部14は、表示部102に表示されるメニュー画面を通じて行われる地点登録のための操作を受け付けた場合、メニュー画面に沿って地点登録を行うために必要な操作信号や入力情報を地点登録部15に供給する。同様に、操作受付部14は、表示部102に表示されるメニュー画面を通じて行われる目的地設定のための操作を受け付けた場合、メニュー画面に沿って目的地を設定するために必要な操作信号や入力情報を目的地設定部16に供給する。
【0025】
地点登録部15は、操作受付部14から供給される操作信号や入力情報に従って、ユーザが所望する地点をユーザメモリ17に登録する処理を行う。例えば、地点登録部15は、ユーザが操作部101に対して行う操作に応じて、ハードディスク13に格納された地図データを用いて所望の施設を検索し、当該検索した施設をユーザメモリ17に登録する際の一連の処理を行う。所望の施設を登録地点としてユーザメモリ17に格納する場合、その施設の位置情報(緯度・経度あるいは住所など)、施設名、施設ジャンル等の情報をユーザメモリ17に格納する。
【0026】
目的地設定部16は、操作受付部14から供給される操作信号や入力情報に従って、ユーザが所望する地点を誘導経路の目的地に設定する処理を行う。例えば、目的地設定部16は、ユーザが操作部101に対して行う操作に応じて、ハードディスク13に格納された地図データを用いて所望の施設を検索し、当該検索した施設を目的地に設定する際の一連の処理を行う。
【0027】
ユーザメモリ17は、地点登録部15により登録された地点の位置情報、施設名、施設ジャンル等の情報を登録地点の情報として記憶する。また、ユーザメモリ17は、目的地設定部16により目的地(経由地も含む)として一度設定されたことのある地点の位置情報、施設名、施設ジャンル等の情報を検索地点の情報として記憶する。なお、このユーザメモリ17は、ハードディスク13の一部領域を利用して構成してもよい。
【0028】
所定地点変更判定部18は、報知対象として定められた所定の地点の情報が、地図データの更新前後で変更されているか否かを判定する。ここで、報知対象として定められた所定の地点は、例えば、ユーザが操作部101を操作してユーザメモリ17に登録した登録地点であるとする。また、報知対象として定められた所定の地点は、ユーザが操作部101を操作してn回以上(nは1以上の任意の整数)目的地に設定したことのある検索地点であるとする。nの値をある程度大きくすることにより、ユーザがお気に入りのよく行く地点を報知対象とすることができる。以下では、報知対象として定められた所定の地点である登録地点および検索地点をまとめて「登録地点等」を称する。
【0029】
なお、n回以上目的地に設定したことのある検索地点を報知対象の所定の地点とするために、目的地に設定した回数を目的地設定部16がカウントし、そのカウント値を地点毎にユーザメモリ17に記憶させておく。すなわち、目的地設定部16は、設定された目的地がユーザメモリ17に検索地点として登録されているか否かを判定し、登録されている場合は、その目的地の設定回数を1つカウントアップして更新記憶する。一方、設定された目的地がユーザメモリ17に検索地点としてまだ登録されていない場合は、その目的地を新規にユーザメモリ17に記憶するとともに、目的地の設定回数のカウント値として1を記憶する。
【0030】
所定地点変更判定部18は、具体的には、ユーザメモリ17に記憶されている登録地点等の施設名が、ハードディスク13に記憶されている地図データの中に含まれているか否かを判定する。登録地点等の施設名が地図データ中に含まれていない場合、所定地点変更判定部18は、当該登録地点等の情報が地図データの更新前後で変更された(登録地点等に該当する施設の削除に相当)と判定する。
【0031】
また、登録地点等の施設名が地図データの中に含まれている場合、所定地点変更判定部18は、ハードディスク13に記憶されている地図データにて示されている登録地点等の位置情報と、ユーザメモリ17に記憶されている登録地点等の位置情報とが相違しているか否かをさらに判定する。相違していれば、所定地点変更判定部18は、登録地点等の情報が地図データの更新前後で変更された(登録地点等に該当する施設の移転に相当)と判定する。
【0032】
関連地点変更判定部19は、報知対象として定められた登録地点等に対して一定の関連を有する他の地点の情報が、地図データの更新前後で変更されているか否かを判定する。ここで、登録地点等に対して一定の関連を有する他の地点は、登録地点等と位置が異なり施設名の一部が一致する地点であるとする。これは、登録地点等に該当する施設のチェーン店や支店などに相当する。また、登録地点等に対して一定の関連を有する他の地点は、登録地点等と位置が異なり施設ジャンルが一致する地点であるとする。以下では、報知対象として定められた登録地点等に対して一定の関連を有する他の地点を「関連地点」と称する。
【0033】
関連地点変更判定部19は、具体的には、ユーザメモリ17に記憶されている登録地点等の施設名と一部一致する関連地点の施設名が、ハードディスク13に記憶されている地図データのうち更新後のデータ中に含まれているか否かを判定する。関連地点の施設名が更新後のデータ中に含まれている場合、関連地点変更判定部19は、関連地点の情報が地図データの更新前後で変更された(関連地点に該当する施設の新設に相当)と判定する。
【0034】
なお、関連地点の施設が新設されているか否かの判定を、以下のように行ってもよい。すなわち、地点登録部15や目的地設定部16が登録地点等の情報をユーザメモリ17に記憶させるときに、ハードディスク13に記憶されている地図データを検索して関連地点を抽出し、抽出した関連地点の情報もあわせてユーザメモリ17に記憶させる。関連地点変更判定部19は、ユーザメモリ17に記憶されている登録地点等の施設名と一部一致する関連地点の施設名が、ハードディスク13に記憶されている更新後のデータ中に含まれていると判定した場合に、その関連地点の施設名がユーザメモリ17にも記憶されているか否かをさらに判定する。そして、関連地点の施設名がユーザメモリ17に記憶されていない場合に限り、関連地点変更判定部19は、関連地点の施設が新設されたと判定する。
【0035】
登録地点等だけでなく関連地点の情報もあわせてユーザメモリ17に記憶させた場合、関連地点変更判定部19は、関連地点の施設が地図データの更新前後で新設された場合だけでなく、削除された場合や移転した場合も検出することができる。すなわち、関連地点変更判定部19は、ユーザメモリ17に記憶されている関連地点の施設名が、ハードディスク13に記憶されている地図データの中に含まれているか否かを判定する。関連地点の施設名が地図データ中に含まれていない場合、関連地点変更判定部19は、当該関連地点の情報が地図データの更新前後で変更された(関連地点に該当する施設の削除に相当)と判定する。
【0036】
また、関連地点の施設名が地図データの中に含まれている場合、関連地点変更判定部19は、ハードディスク13に記憶されている地図データにて示されている関連地点の位置情報と、ユーザメモリ17に記憶されている関連地点の位置情報とが相違しているか否かをさらに判定する。相違していれば、関連地点変更判定部19は、関連地点の情報が地図データの更新前後で変更された(関連地点に該当する施設の移転に相当)と判定する。
【0037】
このように、登録地点等だけでなく関連地点の情報もあわせてユーザメモリ17に記憶させた場合、関連地点変更判定部19は、ハードディスク13の地図データが更新前のデータと更新後のデータとを識別可能な状態で記憶されていなくても、関連地点の施設が地図データの更新前後で新設されたか否か、削除されたか否か、移転したか否かを検出することができる。よって、更新前のデータと更新後のデータとを識別可能な状態で地図データをハードディスク13に記憶させることは必須ではない。
【0038】
変更報知部20は、所定地点変更判定部18および関連地点変更判定部19により地図データの更新前後で情報の変更があったと判定された地点について、変更があったことを報知する。例えば、所定地点変更判定部18により登録地点の移転があったと判定された場合、変更報知部20は、図2のように「登録地点の施設が移転しました」というメッセージ51を表示部102に表示する。このメッセージ51の他に、登録地点の施設名と移転前後の位置情報(住所等)52を表示するとともに、地点更新ボタン53を表示してもよい。ユーザが操作部101を操作して地点更新ボタン53を押すと、地点登録部15は、変更があった登録地点等に関してユーザメモリ17に記憶されている情報を新しいもの(移転後の情報)に更新する。
【0039】
また、登録地点等と施設名が一部一致する関連地点の新設があったと関連地点変更判定部19により判定された場合、変更報知部20は、図3のように「登録地点の施設のチェーン店などが新しくできています」というメッセージ54を表示部102に表示する。このメッセージ54の他に、新設された施設の情報(施設名や住所等)55を表示するとともに、地点登録ボタン56を表示してもよい。ユーザが操作部101を操作して地点登録ボタン56を押すと、地点登録部15は、新設された関連地点の情報をユーザメモリ17に記憶させる。
【0040】
なお、登録地点等と施設名が一部一致する関連地点の削除または移転があったと関連地点変更判定部19により判定された場合、変更報知部20は、例えば「登録地点の施設のチェーン店などが無くなっています」または「登録地点の施設のチェーン店などが移転しました」というメッセージ54を表示部102に表示する。このメッセージ54の他に、削除または移転された施設の情報(施設名や住所等)55を表示するとともに、地点更新ボタン53を表示してもよい。ユーザが操作部101を操作して地点更新ボタン53を押すと、地点登録部15は、削除や移転があった関連地点に関してユーザメモリ17に記憶されている情報を新しいものに更新する。
【0041】
また、登録地点等と施設ジャンルが一致する関連地点の新設があったと関連地点変更判定部19により判定された場合、変更報知部20は、図4のように「登録地点の施設と同じジャンルの施設が新しくできています」というメッセージ57を表示部102に表示する。このメッセージ57の他に、新設された施設の情報(施設名や住所等)55を表示するとともに、地点登録ボタン56を表示してもよい。
【0042】
制御部21は、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19および変更報知部20を、地図データの更新が行われた直後に動作させるように制御する。すなわち、制御部21は、更新地図データ記録制御部12による地図データの更新が完了すると、更新完了通知を更新地図データ記録制御部12から受ける。制御部21は、この通知を受けて、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19および変更報知部20の動作を開始させる。
【0043】
自車位置検出部22は、自車両の現在位置を検出するものであり、自立航法センサやGPS受信機を備えて構成されている。なお、自立航法センサやGPS受信機を用いて自車位置を検出する仕組みは公知なので、ここでは詳細な説明を割愛する。
【0044】
地図読出制御部23は、ハードディスク13に記憶されている地図データの読み出しを制御する。すなわち、地図読出制御部23は、自車位置検出部22から供給される自車位置情報に基づいて、車両位置周辺の所定範囲の地図データをハードディスク13から読み出し、読み出した地図データを地図描画部26に供給する。
【0045】
経路探索部24は、ハードディスク13に記憶された地図データに基づいて、出発地から目的地までを結ぶ最もコストが小さな誘導経路の探索を行う。すなわち、経路探索部24は、出発地から目的地に至る様々な経路に沿って探索枝(探索リンク)を順次延ばしながら、各探索枝のコストを順次加算し、コストの合計値が最も小さい経路を選択する。
【0046】
誘導経路メモリ25は、経路探索部24により探索された誘導経路のデータを記憶する。誘導経路のデータは、出発地から目的地まで至る各ノードに対応させて、各ノードの位置と、各ノードが交差点か否かを表す交差点識別フラグとを記憶したものである。
【0047】
地図描画部26は、自車位置検出部22により検出された自車位置情報と、地図読出制御部23によりハードディスク13から読み出された地図データと、誘導経路メモリ25に記憶された誘導経路のデータとに基づいて、自車位置周辺の地図を誘導経路等と共に表示部102に表示させるのに必要な地図画像データを生成する。
【0048】
次に、上記のように構成した第1の実施形態によるナビゲーション装置100の動作を説明する。図5は、第1の実施形態によるナビゲーション装置100によって行われる更新地点の報知方法の処理手順を示すフローチャートである。なお、図5のフローチャートは、ユーザからの指示に応じて地図データの更新が行われたときに開始する。
【0049】
図5において、制御部21は、更新地図データ記録制御部12による地図データの更新が完了したか否かを判定する(ステップS1)。地図データの更新が完了したと判断した場合、制御部21は、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19および変更報知部20の動作を開始させる。
【0050】
所定地点変更判定部18は、ハードディスク13に更新された地図データを参照して、報知対象として定められた登録地点等の情報が、地図データの更新前後で変更されているか否かを判定する(ステップS2)。ここで、地図データの更新前後で登録地点等の情報の変更があったと所定地点変更判定部18にて判定された場合、変更報知部20は、情報の変更があったと判定された地点について、変更があったことを表すメッセージ51を表示部102に一定時間表示することによってユーザに報知する(ステップS3)。このとき、登録地点等の情報52や地点更新ボタン53もあわせて表示する。一方、登録地点等の情報の変更がなかったと所定地点変更判定部18にて判定された場合、ステップS3の処理は行わずにステップS4へジャンプする。
【0051】
登録地点等の情報に変更があったことが表示部102に表示された後、地点登録部15は、操作部101の操作により地点更新ボタン53が押下されたか否かを判定する(ステップS4)。地点更新ボタン53が押された場合、地点登録部15は、変更があった登録地点等に関してユーザメモリ17に記憶されている情報を、地図データの更新後のデータに含まれる新しい情報に更新する(ステップS5)。一方、地点更新ボタン53が押されていない場合、ステップS5の処理は行わずにステップS6へジャンプする。
【0052】
なお、複数の登録地点等について情報の変更があったと所定地点変更判定部18にて判定された場合、変更報知部20は、それぞれの登録地点等について、変更があったことを表すメッセージ51などを表示部102に一定時間ずつ順次表示する。そして、ある登録地点等に関する情報を表示しているときに地点更新ボタン53が押下された場合には、地点登録部15は、その登録地点等に関してユーザメモリ17に記憶されている情報を更新する。
【0053】
次に、関連地点変更判定部19は、ハードディスク13に更新された地図データを参照して、地図データの更新前後で関連地点の情報が変更されているか否かを判定する(ステップS6)。ここで、地図データの更新前後で関連地点の情報の変更があったと関連地点変更判定部19にて判定された場合、変更報知部20は、情報の変更があったと判定された関連地点について、変更があったことを表すメッセージ54または57を表示部102に一定時間表示することによってユーザに報知する(ステップS7)。このとき、関連地点の情報55や地点更新ボタン53、地点登録ボタン56もあわせて表示する。一方、関連地点の情報の変更がなかったと関連地点変更判定部19にて判定された場合、ステップS7の処理は行わずにステップS8へジャンプする。
【0054】
関連地点の情報に変更があったことが表示部102に表示された後、地点登録部15は、操作部101の操作により地点更新ボタン53または地点登録ボタン56が押下されたか否かを判定する(ステップS8)。関連地点が削除されたことを表すメッセージと共に表示された地点更新ボタン53が押された場合、地点登録部15は、削除があった関連地点に関してユーザメモリ17に記憶されている情報を削除する(ステップS9)。その後、図5のフローチャートの処理を終了する。
【0055】
また、関連地点が移転されたことを表すメッセージと共に表示された地点更新ボタン53が押された場合、地点登録部15は、移転があった関連地点に関してユーザメモリ17に記憶されている情報を、地図データの更新後のデータに含まれる新しい情報に更新する(ステップS9)。その後、図5のフローチャートの処理を終了する。
【0056】
さらに、関連地点が新設されたことを表すメッセージと共に表示された地点登録ボタン56が押された場合、地点登録部15は、新設された関連地点に関して地図データの更新後のデータに含まれる新しい情報を新たにユーザメモリ17に記憶する(ステップS9)。その後、図5のフローチャートの処理を終了する。なお、地点更新ボタン53も地点登録ボタン56も押されていない場合、ステップS9の処理は行わずに図5のフローチャートの処理を終了する。
【0057】
なお、複数の関連地点について情報の変更があったと関連地点変更判定部19にて判定された場合、変更報知部20は、それぞれの関連地点について、変更があったことを表すメッセージ54,57などを表示部102に一定時間ずつ順次表示する。そして、ある関連地点に関する情報を表示しているときに地点更新ボタン53が押下された場合には、地点登録部15は、その関連地点に関してユーザメモリ17に記憶されている情報を更新する。また、ある関連地点に関する情報を表示しているときに地点登録ボタン56が押下された場合には、地点登録部15は、その関連地点に関する情報をユーザメモリ17に新たに記憶する。
【0058】
以上詳しく説明したように、第1の実施形態では、ハードディスク13に記憶されている地図データを参照して、報知対象として定められた登録地点等やその関連地点の情報が地図データの更新前後で変更されているか否かを判定する。そして、登録地点等および関連地点のうち、地図データの更新前後で情報の変更があったと判定された地点について、変更があったことを表示部102に表示して報知するようにしている。
【0059】
このように構成した第1の実施形態によれば、ハードディスク13の地図データを更新した場合に、報知対象として定められた登録地点等に限らず、当該登録地点等に対して一定の関連を有する関連地点についても、更新前後で変更があった場合には報知の対象とされる。登録地点等は、ユーザがよく使う可能性の高い興味のある地点であるが、これに対して一定の関連を有する関連地点も、ユーザが興味を持つ可能性のある地点である。したがって、地図データの更新前後で変更された地点でユーザが興味を持つ可能性のある地点に関する情報を、登録地点等に限らず他にも報知することでき、ユーザにとって有益な情報をできるだけ漏らさず報知することができる。
【0060】
なお、上記第1の実施形態では、地図データの更新前後で変更(移転、削除、新設)があった登録地点等や関連地点が複数存在する場合には、変更があったことを知らせるメッセージを一定時間ずつ順次表示するようにしている。この場合、変更があった関連地点の数が多数になる場合がある。例えば、登録地点等と施設ジャンルが同じ関連地点は地図データ中に多数存在するため、関連地点変更判定部19により変更があったとして抽出される関連地点の数が多くなり過ぎることがある。
【0061】
そこで、関連地点変更判定部19は、報知対象として定められた登録地点等に対して一定の関連を有する関連地点のうち、登録地点等から所定距離以内にある関連地点に限って、地図データの更新前後で情報が変更されているか否かを判定するようにしてもよい。このようにすれば、ユーザが自分の意思で登録した登録地点等から比較的近い場所で、ユーザが行く可能性の高い関連地点に限って変更があった旨をユーザに報知することができる。
【0062】
(第2の実施形態)
次に、本発明による第2の実施形態を図面に基づいて説明する。図6は、第2の実施形態によるナビゲーション装置200の構成例を示す機能ブロック図である。なお、この図6において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0063】
第2の実施形態によるナビゲーション装置200は、地図データの更新が行われた直後ではなく、地図データの更新が行われた後であって所定のトリガが発生したときに、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19および変更報知部32を動作させるように制御する。そのため、第2の実施形態によるナビゲーション装置200は、図1に示した制御部21の代わりに、制御部31を備えている。また、第2の実施形態によるナビゲーション装置200は、図1に示した変更報知部20の代わりに、変更報知部32を備えている。
【0064】
制御部31は、例えば、ユーザが操作部101を操作して登録地点等の1つを目的地に設定したことをトリガとして、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19および変更報知部32を動作させるように制御する。すなわち、目的地設定部16は、ユーザメモリ17に記憶されている登録地点等の1つを検索して目的地に設定したときに、そのことを制御部31に通知する。この通知を受けて制御部31は、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19および変更報知部32を動作させるように制御する。
【0065】
このとき変更報知部32は、図7に示すように、登録地点等の1つを検索して目的地に設定した後(図7(a))、所定地点変更判定部18および関連地点変更判定部19の処理が終わった時点で、変更があったことを報知するか否かの確認ウィンドウ60を表示部102に表示させるようにしてもよい(図7(b))。この場合、変更報知部32は、ユーザが操作部101を操作して確認ウィンドウ60の「見る」ボタン61を押下したときに、変更があったことを表示部102に表示して報知する(図7(c))。なお、図7(c)の例では、目的地の設定画面を表示し、当該設定画面に、変更があった関連地点を表示している。
【0066】
このように、図7(a)〜(c)の流れに沿って関連地点の変更を報知することにより、ユーザメモリ17に記憶されている登録地点等から検索した地点に代えて、その関連地点を目的地として設定することを簡単な操作で行うことができる。例えば、登録地点よりも近い位置に関連地点が新設された場合に、そのことを報知によって知ることができるだけでなく、より近い関連地点を目的地として簡単に設定することができるので、ユーザにとって非常に便利である。
【0067】
また、制御部31は、ユーザが操作部101を操作して登録地点等から所定距離以内にある地点を目的地に設定したことをトリガとして、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19および変更報知部32を動作させるように制御してもよい。すなわち、制御部31は、目的地設定部16により目的地が設定されたときに、その目的地の位置が、ユーザメモリ17に記憶されている登録地点等の位置から所定距離以内であるか否かを判定し、所定距離以内であると判定したときに、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19および変更報知部32を動作させるように制御する。
【0068】
また、制御部31は、自車位置検出部22により検出される自車位置が、登録地点等から所定距離以内の地点に近づいたことをトリガとして、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19および変更報知部32を動作させるように制御してもよい。すなわち、制御部31は、車両走行中において常に、自車位置検出部22により検出される自車位置が、ユーザメモリ17に記憶されている登録地点等の位置から所定距離以内に近づいたか否かを監視し、所定距離以内に近づいたことを検出したときに、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19および変更報知部32を動作させるように制御する。
【0069】
また、制御部31は、ユーザメモリ17に記憶されている登録地点等から所定距離以内の地点を通る誘導経路が経路探索部24により設定されたことをトリガとして、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19および変更報知部32を動作させるように制御してもよい。すなわち、制御部31は、経路探索部24により誘導経路が探索されたときに、ユーザメモリ17および誘導経路メモリ25を参照して、誘導経路から所定距離以内の位置に登録地点等が存在するか否かを判定し、存在すると判定したときに、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19および変更報知部32を動作させるように制御する。
【0070】
このように、地図データの更新が行われた後であって所定のトリガが発生したときに報知動作を行うようにした第2の実施形態によれば、ユーザにとって興味がある登録地点等を目的地に設定したり、登録地点等の近くを通ったりする場合などに、その登録地点等や関連地点について変更があったことをユーザに報知することができる。第1の実施形態では、地図データの更新が完了したときに、全ての登録地点等およびそれに対する全ての関連地点の変更が報知されることとなるが、第2の実施形態では、所定のトリガに関連する登録地点等およびそれに対する関連地点についてのみ変更が報知されるので、無駄に多くの地点について報知を行わないようにすることができる。
【0071】
なお、第2の実施形態によれば、地図データを更新した後、所定のトリガが発生するまでの時間が長くなる場合も考えられる。その場合、登録地点等や関連地点の変更が報知された時点で、その変更点を含む更新に係る地図データが既に古くなっている可能性もある。
【0072】
そこで、第2の実施形態による変更報知部32は、地図データの更新前後で情報の変更があったと判定された登録地点等や関連地点について変更があったことを報知する際に、図8に示すように、地図データの更新時期を表す時間情報を更に報知するようにしてもよい。この場合の時間情報は、地図データのメッシュに属性情報として付与された更新日を用いることが可能である。このようにすれば、登録地点等や関連地点について変更があったことを報知する際に、それがいつの変更であるかといった情報の鮮度も合わせてユーザに報知することができる。
【0073】
または、変更報知部32は、地図データの更新前後で情報の変更があったと判定された地点について変更があったことを報知する際に、地図データの更新時期が現時点よりも所定時間(例えば、2年)以上前であるか否かを判定し、所定時間以上前でないと判定した場合に限り、変更があったことを報知するようにしてもよい。この場合の更新時期は、地図データのメッシュに属性情報として付与された更新日を用いて判定することが可能である。このようにすれば、現時点からみて余りにも情報が古い場合には、変更があったことを報知しないことにより、最近の変更であるという誤解をユーザに与えないようにすることができる。
【0074】
なお、上記第2の実施形態では、所定のトリガとして4つの例を挙げたが、これらを全てトリガとすることは必須でない。また、これら4つ以外のイベントを所定のトリガとしてもよいが、登録地点等またはその近傍の地点が関わるイベントを所定のトリガとするのが好ましい。また、関連地点の情報もユーザメモリ17に記憶している場合は、関連地点またはその近傍の地点が関わるイベント(例えば、自車位置が関連地点から所定距離以内に近づいたというイベント)を所定のトリガとしてもよい。
【0075】
(第3の実施形態)
次に、本発明による第3の実施形態を図面に基づいて説明する。図9は、第3の実施形態によるナビゲーション装置300の構成例を示す機能ブロック図である。なお、この図9において、図1に示した符号と同一の符号を付したものは同一の機能を有するものであるので、ここでは重複する説明を省略する。
【0076】
第3の実施形態によるナビゲーション装置300は、地図データの更新が行われた直後ではなく、地図データの更新が行われた後であって所定のトリガが発生したときに、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19および変更報知部42を動作させるように制御する。また、第3の実施形態では、登録地点等がユーザメモリ17に全く記憶されていない場合でも、地図データの更新前後で変更があったことを報知できるようにする。
【0077】
そのため、第3の実施形態によるナビゲーション装置300は、図1に示した制御部21の代わりに制御部41を備え、変更報知部20の代わりに変更報知部42を備えている。また、ナビゲーション装置300は、図1に示した所定地点変更判定部18および関連地点変更判定部19の代わりに所定地点変更判定部43および関連地点変更判定部44を備えている。さらに、ナビゲーション装置300は、駐車検出部45を更に備えている。第3の実施形態において、報知対象として定められた所定の地点は、車両が駐車場に駐車した地点であるとする。
【0078】
駐車検出部45は、地図読出制御部23によりハードディスク13から読み出された地図データに基づいて、自車位置検出部22により検出される自車位置が駐車場にあり、かつ、車両が駐車状態であることを検出する。車両が駐車状態であるか否かは、例えば図示しないECU(electronic control unit)から送られてくるアクセサリ信号(ACC信号)に基づいて、エンジンが切られているかどうかをみることによって判定することができる。すなわち、駐車検出部45は、自車位置が駐車場にあって、エンジンが切られている場合に駐車状態であると判定する。
【0079】
制御部41は、駐車検出部45により自車位置が駐車場にあり、かつ、車両が駐車状態であることが検出されたことをトリガとして、所定地点変更判定部43、関連地点変更判定部44および変更報知部42を動作させるように制御する。このとき、所定地点変更判定部43および関連地点変更判定部44は、ユーザメモリ17に記憶されている登録地点等ではなく、車両が駐車状態にある駐車場を保有している施設の施設名、位置情報、施設ジャンル等の情報(ハードディスク13の地図データから取得する)を利用して、登録地点等や関連地点に関して情報の変更があったか否かを判定する。
【0080】
変更報知部42は、図10に示すように、駐車検出部45により自車位置が駐車場にあり、かつ、車両が駐車状態であることが検出されたときに、登録地点等や関連地点について情報の変更があったことを報知するか否かの確認ウィンドウ60を表示部102に表示させる(図10(a))。そして、変更報知部42は、ユーザが操作部101を操作して確認ウィンドウ60の「見る」ボタン61を押下したときに、変更があったことを表示部102に表示してユーザに報知する(図10(b))。なお、図10(b)の例では、目的地の設定画面に、変更があった関連地点を表示しているが、この表示態様に限定されるものではない。
【0081】
このように構成した第3の実施形態によれば、登録地点等がユーザメモリ17に全く記憶されていない場合でも、駐車場に駐車した施設に対する関連地点について、地図データの更新前後で変更があったことをユーザに報知することができる。施設の駐車場に駐車しているということは、ユーザはその施設について興味があると言える。第3の実施形態によれば、そのような興味のある施設に対する関連地点について変更があったことをユーザに報知することができる。
【0082】
なお、上記第1〜第3の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0083】
例えば、第2の実施形態の変形例として、制御部31は、ユーザが操作部101を操作して充電スタンドを目的地に設定したとき、充電スタンドから所定距離以内にある地点を目的地に設定したとき、自車位置が充電スタンドから所定距離以内の地点に近づいたとき、あるいは、充電スタンドから所定距離以内の地点を通る誘導経路が設定されたときに、所定地点変更判定部18、関連地点変更判定部19および変更報知部32を動作させるように制御してもよい。これは、車両が電気自動車である場合に有効である。
【0084】
また、上記第1〜第3の実施形態では、DVD103を用いて地図データの更新を行う例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、通信ネットワークを介して図示しないサーバに無線接続し、当該サーバから更新用の地図データをダウンロードすることによって地図データの更新を行う場合にも、第1〜第3の実施形態を適用することが可能である。
【0085】
また、上記第1〜第3の実施形態では、ユーザメモリ17に所望の施設を登録地点として記憶し、当該所望の施設を報知対象の地点とする例について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、所望の道路をユーザメモリ17に登録し、当該所望の道路を報知対象の地点とすることも可能である。例えば、車両が道路を走行中のときに、ユーザが操作部101を操作して地点登録の指示を出すと、地点登録部15は、自車位置検出部22により検出される現在の車両位置に該当する道路を登録地点としてユーザメモリ17に格納する。所望の道路を登録地点としてユーザメモリ17に格納する場合、その道路の位置情報(緯度・経度あるいは住所など)、例えば車載フロントカメラで撮影される施設の施設名および施設ジャンルをユーザメモリ17に格納する。関連地点変更判定部19は、この施設名や施設ジャンルを利用して関連地点を抽出し、変更があったか否かを判定する。
【符号の説明】
【0086】
13 ハードディスク(地図データ記憶部)
15 地点登録部
16 目的地設定部
17 ユーザメモリ
18,43 所定地点変更判定部
19,44 関連地点変更判定部
20,32,42 変更報知部
21,31,41 制御部
22 自車位置検出部
24 経路探索部
45 駐車検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データを記憶する地図データ記憶部と、
報知対象として定められた所定の地点の情報が、上記地図データの更新前後で変更されているか否かを判定する所定地点変更判定部と、
上記報知対象として定められた上記所定の地点に対して一定の関連を有する他の地点の情報が、上記地図データの更新前後で変更されているか否かを判定する関連地点変更判定部と、
上記所定地点変更判定部および上記関連地点変更判定部により上記地図データの更新前後で情報の変更があったと判定された地点について、変更があったことを報知する変更報知部とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
上記報知対象として定められた所定の地点は、ユーザが操作部を操作してユーザメモリに登録した登録地点であることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
上記報知対象として定められた所定の地点は、ユーザが操作部を操作して目的地に所定回数以上設定したことのある検索地点であることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
上記報知対象として定められた所定の地点は、駐車場に駐車した地点であることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
上記所定の地点に対して一定の関連を有する他の地点は、上記所定の地点と位置が異なり施設名の一部が一致する地点であることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
上記所定の地点に対して一定の関連を有する他の地点は、上記所定の地点と位置が異なり施設ジャンルが一致する地点であることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
上記所定地点変更判定部、上記関連地点変更判定部および上記変更報知部を、上記地図データの更新が行われた直後に動作させるように制御する制御部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
上記所定地点変更判定部、上記関連地点変更判定部および上記変更報知部を、上記地図データの更新が行われた後であって所定のトリガが発生したときに動作させるように制御する制御部を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
上記報知対象として定められた所定の地点は、ユーザが操作部を操作してユーザメモリに登録した登録地点、または、ユーザが操作部を操作して目的地に所定回数以上設定したことのある検索地点であり、
上記制御部は、ユーザが上記操作部を操作して上記登録地点または上記検索地点の1つを目的地に設定したことを上記所定のトリガとして、上記所定地点変更判定部、上記関連地点変更判定部および上記変更報知部を動作させるように制御することを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
上記報知対象として定められた所定の地点は、ユーザが操作部を操作してユーザメモリに登録した登録地点、または、ユーザが操作部を操作して目的地に所定回数以上設定したことのある検索地点であり、
上記制御部は、ユーザが上記操作部を操作して上記登録地点または上記検索地点から所定距離以内にある地点を目的地に設定したことを上記所定のトリガとして、上記所定地点変更判定部、上記関連地点変更判定部および上記変更報知部を動作させるように制御することを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
自車位置を検出する自車位置検出部を更に備え、
上記報知対象として定められた所定の地点は、ユーザが操作部を操作してユーザメモリに登録した登録地点、または、ユーザが操作部を操作して目的地に所定回数以上設定したことのある検索地点であり、
上記制御部は、上記自車位置検出部により検出される自車位置が、上記登録地点または上記検索地点から所定距離以内の地点に近づいたことを上記所定のトリガとして、上記所定地点変更判定部、上記関連地点変更判定部および上記変更報知部を動作させるように制御することを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項12】
誘導経路を探索して設定する経路探索部を更に備え、
上記報知対象として定められた所定の地点は、ユーザが操作部を操作してユーザメモリに登録した登録地点、または、ユーザが操作部を操作して目的地に所定回数以上設定したことのある検索地点であり、
上記制御部は、上記登録地点または上記検索地点から所定距離以内の地点を通る誘導経路が上記経路探索部により設定されたことを上記所定のトリガとして、上記所定地点変更判定部、上記関連地点変更判定部および上記変更報知部を動作させるように制御することを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項13】
自車位置を検出する自車位置検出部と、
上記自車位置検出部により検出される自車位置が駐車場にあり、かつ、駐車状態にあることを検出する駐車検出部とを更に備え、
上記報知対象として定められた所定の地点は、駐車場に駐車した地点であり、
上記制御部は、上記駐車検出部により上記自車位置が駐車場にあり、かつ、駐車状態にあることが検出されたことを上記所定のトリガとして、上記所定地点変更判定部、上記関連地点変更判定部および上記変更報知部を動作させるように制御することを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項14】
上記変更報知部は、上記所定地点変更判定部および上記関連地点変更判定部により上記地図データの更新前後で情報の変更があったと判定された地点について変更があったことを報知する際に、上記地図データの更新時期を表す時間情報を更に報知することを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項15】
上記変更報知部は、上記所定地点変更判定部および上記関連地点変更判定部により上記地図データの更新前後で情報の変更があったと判定された地点について変更があったことを報知する際に、上記地図データの更新時期が現時点よりも所定時間以上前であるか否かを判定し、上記所定時間以上前でないと判定した場合に限り、上記変更があったことを報知することを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項16】
上記関連地点変更判定部は、上記報知対象として定められた上記所定の地点に対して一定の関連を有する他の地点のうち、上記所定の地点から所定距離以内にある地点の情報が、上記地図データの更新前後で変更されているか否かを判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項17】
ナビゲーション装置が、地図データ記憶部に記憶されている地図データを参照して、報知対象として定められた所定の地点の情報が、上記地図データの更新前後で変更されているか否かを判定する所定地点変更判定ステップと、
上記ナビゲーション装置が上記地図データを参照して、上記報知対象として定められた上記所定の地点に対して一定の関連を有する他の地点の情報が、上記地図データの更新前後で変更されているか否かを判定する関連地点変更判定ステップと、
上記所定地点変更判定ステップおよび上記関連地点変更判定ステップで上記地図データの更新前後で情報の変更があったと判定された地点について、変更があったことを報知する変更報知ステップとを有することを特徴とする更新地点の報知方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−167946(P2012−167946A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−27183(P2011−27183)
【出願日】平成23年2月10日(2011.2.10)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】