説明

ナビゲーション装置および目的地に関する情報の案内方法

【課題】ナビゲーション装置において、目的地において実行すべき目的(用事)をユーザが達成することを助ける技術を提供する。
【解決手段】地図情報を用いて案内を行うナビゲーション装置であって、目的地においてユーザが実行しようとしている目的を含む、目的地の関連情報を取得して記憶しておき、目的地へ到着もしくは目的地から出発した場合に、当該目的地の関連情報を出力してユーザに通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置および目的地に関する情報の案内方法に関する。
【背景技術】
【0002】
車両等に搭載されるナビゲーション装置は、目的地の設定をユーザから受け付け、出発地又は現在地と目的地とを結ぶ最適なルートを探索する。また、探索したルートに基づいてルート案内を行い、ユーザを目的地に誘導する。例えば、特許文献1には、上記のようなナビゲーション装置が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平9−16077公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザは、自身が設定した目的地において実行しようとしている目的(例えば、買い物をする、映画を見る、スポーツをする、鑑賞するなどの目的)を、通常は持っている。しかし、ユーザは、目的地に到着した際には、実行すべき目的の一部を忘れてしまっていることがある。また、ユーザは、目的地を出発した後に、実行すべき目的の一部を達成できていないことに気付くことがある。
【0005】
そこで、本発明は、ナビゲーション装置において、目的地において実行すべき目的(用事)をユーザが達成することを助ける技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するための本発明の一態様は、地図情報を用いて案内を行うナビゲーション装置であって、目的地においてユーザが実行しようとしている目的を含む、目的地の関連情報を取得して記憶しておき、目的地へ到着もしくは目的地から出発した場合に、当該目的地の関連情報を出力してユーザに通知する。
【0007】
ここで、上記のナビゲーション装置は、経由地へ到着もしくは経由地から出発した場合に、目的地の関連情報を出力してユーザに通知してもよい。
【0008】
また、上記のナビゲーション装置は、目的とともに、当該目的のカテゴリを示す情報を取得し、経由地へ到着もしくは経由地から出発した場合に、地図情報を用いて当該経由地のカテゴリを特定し、当該経由地のカテゴリが目的のカテゴリと関連するか否かを判定し、関連する場合に目的地の関連情報を出力してもよい。
【0009】
また、上記のナビゲーション装置は、目的のカテゴリを、ユーザから入力を受け付けることにより、もしくは、目的地の関連情報から抽出することにより、取得する。
【0010】
また、上記のいずれかのナビゲーション装置は、目的地の関連情報を当該目的地の履歴として記憶しておき、新たな経路が取得された場合に、当該経路の目的地の関連情報が履歴に含まれるか否かを判定し、含まれる場合に当該目的地の関連情報を出力してもよい。
【0011】
また、上記のナビゲーション装置は、目的地の関連情報が出力された場合に、当該目的地の関連情報に含まれる目的の達成の有無を示す情報の入力を受け付けて、履歴として記憶しておき、新たな経路が取得された場合に当該経路の目的地の関連情報とともに出力してもよい。
【0012】
上記の課題を解決するための本発明の他の態様は、ナビゲーション装置における目的地に関する情報の案内方法であって、目的地においてユーザが実行しようとしている目的を含む、目的地の関連情報を取得して記憶しておき、目的地へ到着もしくは目的地から出発した場合に、当該目的地の関連情報を出力してユーザに通知する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、目的地において実行すべき目的(用事)をユーザが達成することを助けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の一例の概略ハードウェア構成を示すブロック図。
【図2】地図データベースの一例を示す図。
【図3】ナビゲーション装置の主制御部の機能構成の一例を示すブロック図。
【図4】ナビゲーション装置における目的地メモ受付処理の一例を示すフロー図。
【図5】ナビゲーション装置における目的地メモ通知処理の一例を示すフロー図。
【図6】目的地メモを受け付けるユーザインタフェース画面の一例を示す図。
【図7】目的地メモを通知するユーザインタフェース画面の一例を示す図。
【図8】目的地メモを通知するユーザインタフェース画面の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の第1実施形態について、図面を参照して説明する。
【0016】
図1は、本発明の第1実施形態に係るナビゲーション装置の一例の概略ハードウェア構成を示すブロック図である。
【0017】
ナビゲーション装置1は、例えば、地図、現在地、ルート、施設に関する情報等を表示することにより、ユーザを誘導するナビゲーション処理を行う。
【0018】
ナビゲーション装置1は、主制御部10、ディスプレイ20、入力装置30(タッチパネル31、ハードスイッチ32)、音声入出力装置40(スピーカ41、マイクロフォン42)、記憶装置50、車速センサ60、ジャイロセンサ62、GPS(Global Positioning System)受信装置64、通信装置66、FM多重放送受信装置68、ビーコン受信装置70を有する。
【0019】
主制御部10は、ナビゲーション装置1の様々な機能を実現する処理を行う中心的ユニットである。主制御部10は、各種演算処理を行うCPU(Central Processing Unit)11と、プログラムやデータを格納するRAM(Random Access Memory)12やROM(Read Only Memory)13などのメモリと、他の装置を制御するためのインタフェース(I/F)14とが、信号線15により接続されて構成される。
【0020】
主制御部10は、例えば、車速センサ60、ジャイロセンサ62、およびGPS受信装置64から出力される情報を用いて現在地を算出する。また、得られた現在地の情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置50から読み出す。また、主制御部10は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねて、グラフィックス情報としてディスプレイ20へ通知する。
【0021】
また、主制御部10は、地図情報を用いて、ユーザから指示された出発地又は現在地と目的地とを結ぶ最適なルート(推奨ルート)を算出して、ディスプレイ20へグラフィックス情報として通知する。出発地又は現在地と目的地の間に、ユーザから指示された経由地が含まれていてもよい。また、主制御部10は、スピーカ41を介してユーザを誘導するための音声や操作音を出力する。また、入力装置30やマイクロフォン42を介してユーザの指示を受け付け、当該指示に対応する処理を実行する。
【0022】
また、主制御部10は、VICSセンターが配信する交通情報などを、FM多重放送受信装置68やビーコン受信装置70を介して受信し、ディスプレイ20へ通知する。VICSセンターから受信した交通情報は、RAM12や記憶装置50に格納される。
【0023】
また、主制御部10は、ユーザが目的地で実行しようとしている目的を含む目的地に関する情報を、入力装置30、マイクロフォン42、通信装置66等を介してユーザから受け付ける。また、主制御部10は、目的地や経由地に到着する等の所定の条件が成立した場合に、前記目的地に関する情報をグラフィックス情報としてディスプレイ20へ通知する。これらの処理の詳細は後述する。
【0024】
ディスプレイ20は、文字や画像の表示を行うための画面を備え、主制御部10で生成されたグラフィックス情報を前記画面上に表示するユニットである。ディスプレイ20は、例えば、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display)、有機ELディスプレイ(Electro-Luminescence Display)などで構成される。
【0025】
入力装置30は、ユーザの指示をユーザの操作により受け付けるためのユニットである。入力装置30は、タッチパネル31、ハードスイッチ32などで構成される。入力装置30には、ナビゲーション装置1に対して遠隔で操作指示を行うことができるリモートコントローラが含まれていてもよい。リモートコントローラは、各種ハードスイッチを備え、各種ハードスイッチが操作されたことを示す情報をナビゲーション装置1に送信する。
【0026】
タッチパネル31は、ディスプレイ20の表示面に貼られた透過性のある操作パネルである。タッチパネル31は、ディスプレイ20に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して主制御部10に出力する。タッチパネル31は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。ハードスイッチ32は、例えば、ダイヤルスイッチ、スクロールキー、キーボード、ボタンなどである。
【0027】
音声入出力装置40は、音声出力装置としてスピーカ41と、音声入力装置としてマイクロフォン42とを備える。スピーカ41は、主制御部10で生成された音声信号を出力する。マイクロフォン42は、ユーザその他の搭乗者から発せられた音声などのナビゲーション装置1の外部の音声を取得し、主制御部10に出力する。
【0028】
スピーカ41とマイクロフォン42とは、車両の所定の部位に、別個に配置されている。もちろん、スピーカ41とマイクロフォン42とは、一体の筐体に収納されていてもよい。また、ナビゲーション装置1は、スピーカ41およびマイクロフォン42を、それぞれ複数備えることができる。
【0029】
車速センサ60、ジャイロセンサ62、およびGPS受信装置64は、移動体(ナビゲーション装置1)の現在地(自車位置)などを算出するために使用される。
【0030】
車速センサ60は、車速を算出するために用いる車速データを出力するセンサである。ジャイロセンサ62は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するセンサである。GPS受信装置64は、GPS衛星からの信号を受信し、移動体とGPS衛星間の距離とその距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで、移動体の現在地や進行速度を測定する。このように検出された各種データは、主制御部10に送られて、ナビゲーション処理に使用される。
【0031】
通信装置66は、携帯電話回線やインターネットなどのネットワークとデータを送受信するための装置である。
【0032】
FM多重放送受信装置68は、FM放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、天気情報などや、FM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などが含まれる。
【0033】
ビーコン受信装置70は、ビーコンから送られてくる渋滞情報、規制情報、SA/PA情報、駐車場情報などを受信する。
【0034】
記憶装置50には、主制御部10が各種処理を実行するために必要なプログラムやデータ、ナビゲーション処理に使用される地図データベース、音声認識に使用される音声辞書などが格納される。これらの情報は、主制御部10のCPU11によってRAM12上に読み出されて使用される。記憶装置50は、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、CD-ROM、DVD-ROMなどにより構成される。
【0035】
図2を参照して、地図データベースについて説明する。図2は、地図データベースの一例を示す図である。
【0036】
地図データベース200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)210ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ220を含んでいる。リンクデータ220は、リンクの識別コード(リンクID)221ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別情報223、リンクの長さを示すリンク長情報224、リンク旅行時間225、2つのノードにそれぞれ接続するリンクのリンクID(接続リンクID)226、などを含んでいる。
【0037】
また、地図データベース200は、施設に関する施設情報250を含んでいる。施設情報250は、施設の座標情報251ごとに、施設の名称252、施設の分類(例えば、レストラン、コンビニエンスストア、スーパーマーケット、百貨店、レジャーランド、公園、公共施設、スポーツ施設など)を示すカテゴリ253、施設の詳細な情報(例えば、営業時間帯など)を示す詳細情報254、などを含んでいる。
【0038】
もちろん、地図データベース200の構成は、本願発明の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られない。また、一般的な地図情報が備える情報を排除するものではない。
【0039】
以上がナビゲーション装置1の一例の概略ハードウェア構成である。ただし、この構成は、本願発明の特徴を説明するにあたって主要構成を説明したのであって、上記の構成に限られない。また、一般的なナビゲーション装置が備える構成を排除するものではない。
【0040】
例えば、ナビゲーション装置1は、地上デジタル放送用のチューナーを備えていてもよい。また、車両に備え付けられたものでなくてもよく、例えば、持ち運び可能なPND(Personal Navigation Device)などであってもよい。また、車内LAN(Local Area Network)、CAN(Controller Area Network)などの車内の通信ネットワークを介して他の車載機器(例えば、オーディオやエアコン)やセンサなどと通信を行ってもよい。また、USBなどの規格により、持ち運び可能な記憶媒体と接続できてもよい。
【0041】
また、例えば、ナビゲーション装置1は、通信装置66を用いて、外部のサーバなどの装置と通信を行い、出発地および目的地の情報を送信し、ルート情報を算出させ、取得するようにしてもよい。また、ナビゲーション装置1は、自身の地図データベース200だけでなく、外部サーバなどの装置が有する地図データベースを用いて、ルート情報を算出してもよい。
【0042】
次に、図3を参照して、主制御部10の機能構成について説明する。図3は、主制御部10の機能構成の一例を示すブロック図である。
【0043】
主制御部10は、表示制御部110、操作受付部120、現在地算出部130、ルート探索部140、ルート案内部150、目的地メモ受付部160、目的地メモ通知部170以上7つの機能部を有する。
【0044】
これらの機能部は、例えば、CPU11がROM13や記憶装置50からRAM12にロードした所定のプログラムを実行することにより実現される。この所定のプログラムは、予め(例えば、ナビゲーション装置1の製造時に)ROM13や記憶装置50に格納される。もちろん、通信装置66を介してネットワーク上からダウンロードされてインストールや更新がされてもよい。また、CD−ROM等の記憶媒体から読み出されてインストールや更新がされてもよい。
【0045】
表示制御部110は、他の機能部の指示を受け付け、ディスプレイ20にユーザインタフェース画面を表示させるためのグラフィックス情報を生成して出力する。例えば、指定されたスケール、描画方式で、道路、その他の地図構成物や、現在地、経由地、目的地、ルート、施設情報といった画像を描画するようにグラフィックス情報を生成する。また、ユーザの指示を受け付けるための項目や操作ボタンなどの画像を描画するようにグラフィックス情報を生成する。
【0046】
操作受付部120は、入力装置30を介して入力されたユーザの操作を受け付け、その操作内容を解析して、その操作内容に対応する処理が実行されるように他の機能部にその処理を通知する。また、マイクロフォン42を介して入力された音声から、音声認識により対応する操作内容を解析して、その操作内容に対応する処理が実行されるように他の機能部にその処理を通知する。
【0047】
例えば、操作受付部120は、ユーザの指示を受け付けるためのメニュー項目や操作ボタンを表示するように表示制御部110に指示する。また、例えば、操作受付部120は、ユーザの操作による目的地の指定を受け付け、現在地から指定された目的地までのルートを演算する処理をルート探索部140に指示する。
【0048】
現在地算出部130は、車速センサ60、ジャイロセンサ62、およびGPS受信装置64から出力される情報を用いて、定期的に現在地を算出する。また、演算結果を用いて、マップマッチ処理することにより、相関が最も高い道路(リンク)上に、現在地を合わせ込む。
【0049】
ルート探索部140は、ダイクストラ法等を用いて、指定された2地点(指定された出発地と目的地、又は現在地と指定された目的地)の間を結ぶルートのコスト(例えば、旅行距離、旅行時間)が最少となるルートを探索する。例えば、ルート探索部140は、ユーザにより指定された目的地を、操作受付部120を介して取得する。また、現在地の情報を、現在地算出部130から取得する。それから、ルート探索部140は、地図データベース200に含まれるリンクの旅行時間225をコストとして、現在地から目的地までの総コストが最少となるルートを探索する。ルート探索部140は、出発地又は現在地から経由地、経由地から経由地、経由地から目的地のルートも同様に探索する。
【0050】
ルート案内部150は、現在地算出部130が算出した現在地周辺の地図データを記憶装置50の地図データベース200から読み出す。そして、読み出した地図データに現在地情報を重ねて表示するように表示制御部110に指示する。また、ルート探索部140により探索されたルート情報を用いてルート案内を行う。例えば、ルート案内部150は、ルート情報を地図データに重ねて表示するように表示制御部110に指示する。また、ルート案内部150は、ディスプレイ20に表示された地図上に進行すべき方向を表示するように表示制御部110に指示して、ユーザにルートを案内する。
【0051】
目的地メモ受付部160は、目的地に関する情報をユーザから受け付ける。具体的には、目的地メモ受付部160は、目的地に関する情報を入力するためのユーザインタフェース画面を、表示制御部110を介してディスプレイ20に表示する。また、目的地メモ受付部160は、ユーザインタフェース画面上における目的地に関する情報の入力を、操作受付部120を介して受け付ける。また、目的地メモ受付部160は、受け付けた目的地に関する情報を、ルート探索に使用された目的地に対応する情報として記憶装置50もしくはRAM12に記憶する。
【0052】
ここで、目的地に関する情報として、ユーザは、目的地において実行しようとしている目的(例えば、買い物、買う品物の種類、スポーツ、映画鑑賞など)を自由に入力することができる。すなわち、ユーザは、目的地に関するメモを作成することができる。
【0053】
また、目的地メモ受付部160は、目的地において実行しようとしている目的のカテゴリをユーザから受け付ける。具体的には、目的地メモ受付部160は、ユーザが目的地において実行しようとしている目的のカテゴリを入力するためのユーザインタフェース画面を、表示制御部110を介してディスプレイ20に表示する。また、目的地メモ受付部160は、ユーザインタフェース画面上におけるカテゴリの入力を、操作受付部120を介して受け付ける。また、目的地メモ受付部160は、受け付けた目的のカテゴリを示す情報を、ルート探索に使用された目的地に対応する情報として記憶装置50もしくはRAM12に記憶する。
【0054】
ここで、目的のカテゴリとは、目的を所定の概念で分類したものである。目的のカテゴリとして、例えば、ショッピング、スポーツ、レジャーなどが考えられる。また、本実施形態では、目的のカテゴリは、上述した施設のカテゴリ253よりも上位概念で表されたものである。
【0055】
もちろん、目的地メモ受付部160は、目的のカテゴリを複数受け付けるようにしてもよい。また、目的地メモ受付部160は、目的のカテゴリをユーザから受け付けずに、カテゴリを自動的に特定してもよい。この場合、目的地メモ受付部160は、例えば、目的地に関するメモを参照し、予め定められたカテゴリを示すキーワードと対応する語句を目的地のメモから抽出し、カテゴリを特定すればよい。
【0056】
なお、目的地メモ受付部160は、目的地に関するメモや目的のカテゴリを、通信装置66を介して、携帯電話やPCなどの外部装置から取得してもよい。また、ナビゲーション装置1に持ち運び可能な記憶媒体を接続し、当該記憶媒体から目的地に関するメモや目的のカテゴリを取得するようにしてもよい。
【0057】
目的地メモ通知部170は、目的地に関する情報を、所定の条件が成立した場合に、出力する。具体的には、目的地メモ通知部170は、現在地と目的地との距離が所定距離(例えば、500m)以下になった場合に、目的地メモ受付部160が記憶している目的地のメモを、表示制御部110を介してディスプレイ20に表示する。目的地のメモの内容を、音声によりスピーカ41から出力してもよい。また、目的地メモ通知部170は、目的地に到着後、出発する際に(例えば、目的地に到着時に目的地のメモおよび目的のカテゴリを記憶装置50などに保持しておき、ナビゲーション装置1の電源がONされた場合に)、目的地のメモを表示する。
【0058】
また、目的地メモ通知部170は、ルートに経由地が設定されている場合には、経由地へ到着する際、および、経由地から出発する際にも、上記と同様に、目的地に関する情報を出力する。ただし、目的地メモ通知部170は、経由地のカテゴリ253(本実施形態では、経由地が特定の施設である場合を想定している。)と、目的のカテゴリとを比較する。そして、目的のカテゴリに、経由地のカテゴリが含まれる場合に、目的地のメモを表示する。例えば、目的のカテゴリが「ショッピング」であり、経由地のカテゴリが「コンビニエンスストア」である場合、目的地のメモが表示される。
【0059】
以上の各構成要素は、ナビゲーション装置1および主制御部10の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。構成要素の分類の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置1および主制御部10の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各構成要素の処理は、1つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0060】
次に、上記のナビゲーション装置1において実現される特徴的な、目的地メモ受付処理および目的地メモ通知処理について、図4〜図8を参照して説明する。
【0061】
図4は、ナビゲーション装置における目的地メモ受付処理の一例を示すフロー図である。本フローでは、ユーザが目的地を設定した後に、目的地に関するメモおよび目的のカテゴリを入力できるようになっている。
【0062】
S10では、操作受付部120は、目的地の設定を受け付ける。具体的には、ルート探索部140は、操作受付部120で受け付けられた目的地の設定取得する。経由地の設定を取得してもよい。また、ルート探索部140は、設定された経由地を通り、現在地から、設定された目的地までのルートを探索する。そして、探索したルートに基づいてルート案内部150が案内を行う。
【0063】
S20では、目的地メモ受付部160は、目的地に関するメモを受け付ける。具体的には、目的地メモ受付部160は、目的地に関する情報を入力するためのユーザインタフェース画面を表示するように表示制御部110に指示する。そして、目的地メモ受付部160は、ユーザインタフェース画面上における目的地に関する情報の入力を、操作受付部120を介して受け付ける。
【0064】
例えば、目的地メモ受付部160は、図6(A)のユーザインタフェース画面600のように、メモの入力を促すメッセージ640と、目的地に関する情報を入力するための目的地メモ入力欄650とを表示するように表示制御部110に指示する。なお、ユーザインタフェース画面600には、ルート案内部150により、現在地マーク620、ルート情報630などが、地図画像610に重ねて表示されるように表示制御部110に指示されている。
【0065】
S30では、目的地メモ受付部160は、目的に関するカテゴリの設定を操作受付部120を介して受け付ける。具体的には、目的地メモ受付部160は、ユーザが目的地において実行しようとしている目的のカテゴリを入力するためのユーザインタフェース画面を表示するように表示制御部110に指示する。また、目的地メモ受付部160は、ユーザインタフェース画面上におけるカテゴリの選択を、操作受付部120を介して受け付ける。
【0066】
例えば、目的地メモ受付部160は、図6(B)のユーザインタフェース画面600のように、カテゴリの選択を促すメッセージ660と、目的のカテゴリを選択するための目的カテゴリ選択欄670とを表示するように表示制御部110に指示する。
【0067】
S40では、目的地メモ受付部160は、目的地に関するメモおよび目的のカテゴリを記憶する。具体的には、目的地メモ受付部160は、S10で設定された目的地の識別情報161(例えば、IDや座標情報など)と、S20で受け付けた目的地に関するメモ162と、S30で受け付けた目的に関するカテゴリ163とを、対応付けて記憶装置50もしくはRAM12に記憶する。
【0068】
なお、図6(C)に示すような、S20およびS30で入力された目的地のメモおよび目的のカテゴリをユーザが確定するためのユーザインタフェース画面600が表示されるようにしてもよい。目的地メモ受付部160は、目的地のメモおよび目的のカテゴリの確認を促すメッセージ680と、目的地のメモおよび目的のカテゴリを確定するための確認欄690とを表示ように表示制御部110に指示する。
【0069】
図5は、ナビゲーション装置における目的地メモ通知処理の一例を示すフロー図である。本フローは、目的地のメモおよび目的のカテゴリが設定された後、ナビゲーション処理中に実行される。なお、経由地を1つ含むルート情報が設定されているものとする。
【0070】
S110では、目的地メモ通知部170は、経由地に到着したか否かを判定する。具体的には、目的地メモ通知部170は、現在地と経由地との間の距離が所定距離以下となったか否かを判定する。目的地メモ通知部170は、現在地と経由地との間の距離が所定距離以下となった場合にのみ(S110:YES)、処理をS120に進める。
【0071】
S120では、目的地メモ通知部170は、経由地と目的地に関連があるか否かを判定する。具体的には、目的地メモ通知部170は、図4のフローで設定された目的のカテゴリを取得する。また、地図データベース200の施設情報250から、設定されている経由地に対応するカテゴリ253を取得する。そして、目的のカテゴリに経由地のカテゴリが含まれるか否かを判定する。目的のカテゴリに経由地のカテゴリが含まれる場合(S120:YES)、処理をS130に進める。目的のカテゴリに経由地のカテゴリが含まれない場合(S120:NO)、処理をS140に進める。なお、経由地が特定の施設でない場合は、カテゴリを取得できないため、目的のカテゴリに経由地のカテゴリが含まれないと判定するようにすればよい。
【0072】
S130では、目的地メモ通知部170は、目的地のメモを表示制御部110を介して出力する。具体的には、目的地メモ通知部170は、図4のフローで設定された目的地のメモを表示するように表示制御部110に指示する。
【0073】
例えば、目的地メモ通知部170は、図7(D)のユーザインタフェース画面600のように、目的地のメモの内容を含む目的地メモ通知欄700を表示するように表示制御部110に指示する。そして、処理をS140に進める。
【0074】
S140では、目的地メモ通知部170は、経由地を出発したか否かを判定する。具体的には、目的地メモ通知部170は、ナビゲーション装置1の電源がONされたか否かを判定する。もちろん、出発の判定方法はこれに限られない。例えば、車両のスタータのONを検出するようにしてもよい。また、例えば、現在地がルートに沿って経由地を通過したか否かを判定するようにしても良い。経由地を出発した場合にのみ(S140:YES)、処理をS150に進める。
【0075】
S150では、目的地メモ通知部170は、経由地と目的地に関連があるか否かを判定する。処理内容は、S120と同様なので、説明を省略する。目的のカテゴリに経由地のカテゴリが含まれる場合(S150:YES)、処理をS160に進める。目的のカテゴリに経由地のカテゴリが含まれない場合(S150:NO)、処理をS170に進める。
【0076】
S160では、目的地メモ通知部170は、目的地のメモを表示制御部110を介して出力する。具体的には、目的地メモ通知部170は、図4のフローで設定された目的地のメモを表示するように表示制御部110に指示する。
【0077】
例えば、目的地メモ通知部170は、図7(E)のユーザインタフェース画面600のように、目的地のメモを表示する目的地メモ通知欄710を表示するように表示制御部110に指示する。そして、処理をS170に進める。
【0078】
S170では、目的地メモ通知部170は、目的地に到着したか否かを判定する。具体的には、目的地メモ通知部170は、現在地と目的地との間の距離が所定距離以下となったか否かを判定する。現在地と目的地との間の距離が所定距離以下となった場合にのみ(S170:YES)、処理をS180に進める。
【0079】
S180では、目的地メモ通知部170は、目的地のメモを表示制御部110を介して出力する。具体的には、目的地メモ通知部170は、図4のフローで設定された目的地のメモを表示するように表示制御部110に指示する。
【0080】
例えば、目的地メモ通知部170は、図7(F)のユーザインタフェース画面600のように、目的地のメモを表示する目的地メモ通知欄720を表示するように表示制御部110に指示する。そして、処理をS190に進める。
【0081】
S190では、目的地メモ通知部170は、目的地を出発したか否かを判定する。具体的には、目的地メモ通知部170は、ナビゲーション装置1の電源がONされたか否かを判定する。もちろん、出発の判定方法はこれに限られない。例えば、車両のスタータのONを検出するようにしてもよい。目的地メモ通知部170は、目的地を出発した場合(S190:YES)にのみ、処理をS200に進める。
【0082】
S200では、目的地メモ通知部170は、目的地のメモを表示制御部110を介して出力する。具体的には、目的地メモ通知部170は、図4のフローで設定された目的地のメモを表示するように表示制御部110に指示する。
【0083】
例えば、目的地メモ通知部170は、図8(G)のユーザインタフェース画面600のように、目的地のメモを表示する目的地メモ通知欄730を表示するように表示制御部110に指示する。そして、本フローを終了する。
【0084】
なお、上述の図4及び図5のフローの各処理単位は、ナビゲーション装置1および主制御部10の処理を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置1および主制御部10の処理は、処理内容に応じて、さらに多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位がさらに多くの処理を含むように分割することもできる。
【0085】
以上、本発明の第1実施形態について説明した。本実施形態によれば、目的地において実行すべき目的(用事)をユーザが達成することを助けることができる。
【0086】
すなわち、本実施形態では、目的地において実行しようとしている目的を設定しておくと、目的地および経由地への到着の際、もしくは、出発の際に、目的が出力される。このような構成により、ユーザは、目的地および経由地に到着の際に目的を確認することができるため、目的を忘れずに、より目的を達成し易くなる。また、目的地および経由地からの出発の際にも目的を確認することができるため、目的を忘れずに、より目的を達成し易くなる。
【0087】
なお、上記の本発明の実施形態は、本発明の要旨と範囲を例示することを意図し、限定するものではない。多くの代替物、修正および変形例が当業者にとって明らかである。
【0088】
例えば、経由地に関する処理(図4のS30、図5のS110〜S160等)は、省略してもよい。また、例えば、到着時および出発時のいずれか一方の場合に、目的地に関連する情報が出力されるようにしてもよい。また、例えば、経由地についてメモを設定できるようにし、到着時および出発時の少なくとも一方に、対応するメモが出力されるようにしてもよい。経由地のメモに加え、目的地のメモが出力されるようにしてもよい。
【0089】
また、例えば、目的地に関連するメモの出力の対象は経由地に限られない。すなわち、目的地メモ通知部170は、ルート沿いに位置する施設に現在地が近づいた場合に、その施設のカテゴリが目的のカテゴリに含まれるか否かを判定し、含まれる場合に目的地に関するメモを出力するように表示制御部110に指示してもよい。もちろん、ルート沿いに位置する施設に限られず、現在地から所定範囲内に位置する施設を対象としてもよい。
【0090】
また、例えば、目的地メモ受付部160は、目的地のメモの履歴を記憶しておき、新たに設定されたルートに、過去にメモが設定された目的地と同じ目的地が含まれる場合に、その目的地のメモの履歴を出力するように表示制御部110に指示して、ユーザに通知してもよい。このようにすれば、ユーザは、目的地に関するメモの入力の際に、過去の目的を参考とすることができる。
【0091】
また、例えば、目的地メモ受付部160は、目的地のメモが出力された際に、メモに含まれる各目的を達成したか否かの結果をユーザから受け付け、メモの履歴とともに記憶しておいてもよい。そして、新たに設定されたルートに、過去にメモが設定された目的地と同じ目的地が含まれる場合に、その目的地のメモの履歴および目的の達成結果を出力するように表示制御部110に指示して、ユーザに通知してもよい。このようにすれば、ユーザは、目的地に関するメモの入力の際に、過去の目的および目的の達成結果を参考とすることができる。
【符号の説明】
【0092】
1:ナビゲーション装置、10:主制御部、11:CPU、12:RAM、13:ROM、14:I/F、15:信号線、20:ディスプレイ、30:入力装置、31:タッチパネル、32:ハードスイッチ、40:音声入出力装置、41:スピーカ、42:マイクロフォン、50:記憶装置、60:車速センサ、62:ジャイロセンサ、64:受信装置、66:通信装置、68:FM多重放送受信装置、70:ビーコン受信装置、
110:表示制御部、120:操作受付部、130:現在地算出部、140:ルート探索部、150:ルート案内部、160:目的地メモ受付部、170:目的地メモ通知部、
200:地図情報、210:メッシュID、220:リンクデータ、221:リンクID、222:座標情報、223:種別情報、224:リンク長情報、225:リンク旅行時間、226:接続リンクID、250:施設情報、251:座標情報、252:名称、253:カテゴリ、254:詳細情報、
600:ユーザインタフェース画面、610:地図画像、620:現在地マーク、630:ルート情報、640:メッセージ、650:目的地メモ入力欄、660:メッセージ、670:目的カテゴリ選択欄、680:メッセージ、690:確認欄、700:目的地メモ通知欄、710:目的地メモ通知欄、720:目的地メモ通知欄、730:目的地メモ通知欄

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を用いて案内を行うナビゲーション装置であって、
現在地を算出する現在地算出手段と、
現在地から目的地までの経路情報を取得する経路取得手段と、
目的地においてユーザが実行しようとしている目的を含む、目的地の関連情報、を取得する目的取得手段と、
目的地への到着および目的地からの出発の少なくとも一方を判定する判定手段と、
目的地へ到着もしくは目的地から出発した場合に、前記目的地の関連情報を出力してユーザに通知する目的通知手段と、
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記判定手段は、
経由地への到着および経由地からの出発の少なくとも一方を判定し、
前記目的通知手段は、
経由地へ到着もしくは経由地から出発した場合に、前記目的地の関連情報を出力してユーザに通知する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、
前記目的取得手段は、
前記目的とともに、当該目的のカテゴリを示す情報を取得し、
前記目的通知手段は、
経由地へ到着もしくは経由地から出発した場合に、前記地図情報を用いて当該経由地のカテゴリを特定し、当該経由地のカテゴリが前記目的のカテゴリと関連するか否かを判定し、関連する場合に前記目的地の関連情報を出力する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置であって、
前記目的取得手段は、
前記目的のカテゴリを、ユーザから入力を受け付けることにより、もしくは、前記目的地の関連情報から抽出することにより、取得する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4に記載のナビゲーション装置であって、
前記目的取得手段は、
前記目的地の関連情報を当該目的地の履歴として記憶しておき、前記経路取得手段により新たな経路が取得された場合に、当該経路の目的地の関連情報が前記履歴に含まれるか否かを判定し、含まれる場合に当該目的地の関連情報を出力する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーション装置であって、
前記目的取得手段は、
前記目的通知手段により前記目的地の関連情報が出力された場合に、当該目的地の関連情報に含まれる目的の達成の有無を示す情報の入力を受け付けて、履歴として記憶しておき、新たな経路が取得された場合に当該経路の目的地の関連情報とともに出力する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
ナビゲーション装置における目的地に関する情報の案内方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
現在地を算出する現在地算出ステップと、
現在地から目的地までの経路情報を取得する経路取得ステップと、
目的地においてユーザが実行しようとしている目的を含む、目的地の関連情報、を取得する目的取得ステップと、
目的地への到着および目的地からの出発の少なくとも一方を判定する判定ステップと、
目的地へ到着もしくは目的地から出発した場合に、前記目的地の関連情報を出力してユーザに通知する目的通知ステップと、
を実行することを特徴とする案内方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2011−185908(P2011−185908A)
【公開日】平成23年9月22日(2011.9.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−54660(P2010−54660)
【出願日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】