説明

ナビゲーション装置とそのナビゲーション方法

【課題】検索条件を指定されると、指定された検索条件に該当する施設を検索し、各施設の施設名称をリスト化して表示するが、リストに異常なデータを含む場合、誤って異常なデータを目的地として選択することがある。そのような誤った選択を防止する。
【解決手段】施設検索部106は、使用者から指示された条件に合致する施設を地図情報から検索し、検索した結果、条件を満たす施設を提示する。検索結果出力部107は、施設検索部106により検索された条件を満たす施設の中から、除外対象を除く処理を行い、残った施設を検索結果として出力する。除外処理部108は、施設の位置を特定する情報が不足していること、または施設の位置を特定する情報が有効でないこと等を理由として、経路案内を行うことができない施設について、新たに除外対象として設定する。除外解除処理部109は、除外処理部108により除外対象とされた施設の除外を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置において、検索条件を指定されると、指定された検索条件に該当する施設を検索し、各施設の施設名称をリスト化して表示し、リスト中から所望の施設を選択して目的地として設定することで、所望の施設までの経路誘導を行う技術がある。当該施設情報には、緯度経度などの位置情報が含まれている。特許文献1には、このようなナビゲーション装置についての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2003−148977号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、施設情報には異常なデータが含まれている場合があり、上記のようなナビゲーション装置では、リスト表示された施設の施設情報が異常なデータ(位置情報が存在しない、存在するはずのない位置情報を有する、等)を含む場合でも、使用者は誤ってその施設を選択できてしまう。また、予め施設情報が格納された施設情報データベースは、容易には書き換えることができない場合もある。
【0005】
本発明の目的は、施設情報の修正が容易にできない場合でも、施設情報に異常なデータを含む施設が誤選択されることを防止する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明に係るナビゲーション装置は、施設を特定する情報を記憶する施設記憶手段と、除外すべき除外施設を特定する情報を記憶する除外施設記憶手段と、前記施設記憶手段から所定の施設を抽出する施設抽出手段と、前記施設抽出手段により抽出された前記所定の施設のうち、前記除外施設記憶手段に記憶された前記除外施設に該当する施設を除外する除外手段と、前記除外手段により前記除外施設を除外された前記所定の施設を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0007】
また、本発明のナビゲーション方法は、ナビゲーション装置は、施設を特定する情報を記憶する施設記憶手段と、除外すべき除外施設を特定する情報を記憶する除外施設記憶手段と、を備え、前記施設記憶手段から所定の施設を抽出する施設抽出ステップと、前記施設抽出ステップにより抽出された前記所定の施設のうち、前記除外施設記憶手段に記憶された前記除外施設に該当する施設を除外する除外ステップと、前記除外ステップにより前記除外施設を除外された前記所定の施設を出力する出力ステップと、を実施する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本願発明によれば、施設情報の修正が容易にできない場合でも、施設情報に異常なデータを含む施設が誤選択されることを防止することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】図2は、リンクテーブルの構成を示す図である。
【図3】図3は、表示除外施設テーブルの構成を示す図である。
【図4】図4は、演算処理部の機能構成図である。
【図5】図5は、検索除外処理のフロー図である。
【図6】図6は、画面表示例を示す図である。
【図7】図7は、到着除外処理のフロー図である。
【図8】図8は、画面表示例を示す図である。
【図9】図9は、除外解除処理のフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態を適用した車載装置であるナビゲーション装置100について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1に、ナビゲーション装置100の構成図を示す。ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4(音声入力装置としてマイクロフォン41、音声出力装置としてスピーカ42を備える)と、入力装置5と、ROM装置6と、車速センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置10と、ビーコン受信装置11と、を備えている。
【0012】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ7,8やGPS受信装置9、FM多重放送受信装置10等から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3あるいはROM装置6から読み出す。また、演算処理部1は、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0013】
ナビゲーション装置100の演算処理部1は、各デバイス間をバス25で接続した構成である。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、各種ハードウェアを演算処理部1と接続するためのI/F(インターフェイス)24と、を有する。
【0014】
ディスプレイ2は、演算処理部1等で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイなどで構成される。記憶装置3は、HDD(Hard Disk Drive)や不揮発性メモリカードといった、少なくとも読み書きが可能な記憶媒体で構成される。この記憶媒体には、少なくとも、施設と、その施設の位置を特定するPOI(Point of Interest)データと、通常の経路探索装置に必要な地図データ(地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを含む)であるリンクテーブル200と、表示除外施設テーブル250と、が記憶されている。
【0015】
図2は、リンクテーブル200の構成を示す図である。リンクテーブル200は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)201ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ202を含んでいる。リンクデータ202は、リンクの識別子であるリンクID211ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報222、リンクを含む道路の種別を示す道路種別223、リンクの長さを示すリンク長224、予め記憶されたリンク旅行時間225、当該リンクの開始ノードに接続するリンクである開始接続リンクと、当該リンクの終了ノードに接続するリンクである終了接続リンクと、を特定する開始接続リンク、終了接続リンク226、リンクを含む道路の通称(例えば、「環八通り」等)を示す通称227、などを含んでいる。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。
【0016】
図3は、表示除外施設テーブル250の構成を示す図である。表示除外施設テーブル250は、除外して表示すべき施設ごとに、除外の有効な期間を特定する情報、すなわち除外を開始する時期と、除外を終了する時期と、を格納するテーブルである。表示除外施設テーブル250は、除外すべき施設を特定する識別子である施設ID251と、除外を開始する時期を特定する除外開始期252と、除外を終了する時期を特定する除外終了期253と、を含んでいる。施設ID251には、施設を特定する情報である識別子が格納される。除外開始期252には、除外を開始する時期を特定する情報として、日時を特定する情報が格納される。除外終了期253には、除外を終了する時期を特定する情報として、日時を特定する情報が格納される。このように、表示除外施設テーブル250には、除外すべき施設と、その除外が有効な期間を特定する情報と、が格納される。
【0017】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、音声入力装置としてマイクロフォン41と、音声出力装置としてスピーカ42と、を備える。マイクロフォン41は、使用者やその他の搭乗者が発した声などのナビゲーション装置100の外部の音声を取得する。スピーカ42は、演算処理部1で生成された使用者へのメッセージを音声信号として出力する。マイクロフォン41とスピーカ42は、車両の所定の部位に、別個に配されている。ただし、一体の筐体に収納されていても良い。ナビゲーション装置100は、マイクロフォン41及びスピーカ42を、それぞれ複数備えることができる。
【0018】
入力装置5は、使用者からの指示を使用者による操作を介して受け付ける装置である。入力装置5は、タッチパネル51と、ダイヤルスイッチ52と、その他のハードスイッチ(図示しない)であるスクロールキー、縮尺変更キーなどで構成される。タッチパネル51は、ディスプレイ2の表示面側に搭載され、表示画面を透視可能である。タッチパネル51は、ディスプレイ2に表示された画像のXY座標と対応したタッチ位置を特定し、タッチ位置を座標に変換して出力する。タッチパネル51は、感圧式または静電式の入力検出素子などにより構成される。ダイヤルスイッチ52は、時計回り及び反時計回りに回転可能に構成され、所定の角度の回転ごとにパルス信号を発生し、演算処理部1に出力する。演算処理部1では、パルス信号の数から、回転角度を求める。
【0019】
ROM装置6は、CD-ROMやDVD-ROM等のROM(Read Only Memory)や、IC(Integrated Circuit)カードといった、少なくとも読み取りが可能な記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、例えば、動画データや、音声データなどが記憶されている。
【0020】
車速センサ7,ジャイロセンサ8およびGPS受信装置9は、ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。車速センサ7は、車速を算出するのに用いる値を出力するセンサである。ジャイロセンサ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体の回転による角速度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率とを3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定するものである。
【0021】
FM多重放送受信装置10は、FM多重放送局から送られてくるFM多重放送信号を受信する。FM多重放送には、VICS(Vehicle Information Communication System:登録商標)情報の概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報などやFM多重一般情報としてラジオ局が提供する文字情報などがある。
【0022】
ビーコン受信装置11は、VICS情報などの概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスエリア/パーキングエリア)情報、駐車場情報、天気情報や緊急警報などを受信する。例えば、光により通信する光ビーコン、電波により通信する電波ビーコン等の受信装置である。
【0023】
図4は、演算処理部1の機能ブロック図である。図示するように、演算処理部1は、主制御部101と、入力受付部102と、出力処理部103と、経路探索部104と、経路誘導部105と、施設検索部106と、検索結果出力部107と、除外処理部108と、除外解除処理部109と、を有する。主制御部101は、様々な処理を行う中心的な機能部であり、処理内容に応じて、他の処理部を制御する。また、GPS受信装置9等の情報に基づき、現在位置を特定する。また、随時、走行した日付および時刻と、位置と、を対応付けて、リンクごとに走行履歴を記憶装置3に記憶する。さらに、各処理部からの要求に応じて、現在時刻を出力する。
【0024】
入力受付部102は、入力装置5またはマイクロフォン41を介して入力された使用者からの指示を受け付け、その要求内容に対応する処理を実行するように演算処理部1の各部を制御する。例えば、使用者が推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を出力処理部103に要求する。出力処理部103は、表示させる画面情報を受け取り、ディスプレイ2に描画するための信号に変換してディスプレイ2に対して描画する指示を行う。
【0025】
経路探索部104は、記憶装置3あるいはROM装置6に記憶されている地図データ等を用いて、ユーザから指示された出発地(現在地)と目的地とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。経路誘導部105は、経路探索部104にて探索した最適経路から逸脱しないよう、スピーカ42やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。施設検索部106は、使用者から指示された条件に合致する施設を地図情報から検索し、検索した結果、条件を満たす施設を提示する。検索結果出力部107は、施設検索部106により検索された条件を満たす施設の中から、除外対象を除く処理を行い、残った施設を検索結果として出力する。除外処理部108は、施設の位置を特定する情報が不足していること、または施設の位置を特定する情報が有効でないこと等を理由として、経路案内を行うことができない施設について、新たに除外対象として設定する。除外解除処理部109は、除外処理部108により除外対象とされた施設の除外を解除する。
【0026】
なお、上記した演算処理部1の各機能部、すなわち主制御部101、入力受付部102、出力処理部103、経路探索部104、経路誘導部105、施設検索部106、検索結果出力部107、除外処理部108、除外解除処理部109は、CPU21が所定のプログラムを読み込み実行することにより構築される。そのため、RAM21には、各機能部の処理を実現するためのプログラムが記憶されている。
【0027】
なお、上記した各構成要素は、ナビゲーション装置100の構成を理解容易にするために、主な処理内容に応じて分類したものである。そのため、構成要素の分類の仕方やその名称によって、本願発明が制限されることはない。ナビゲーション装置100の構成は、処理内容に応じて、さらに多くの構成要素に分類することもできる。また、1つの構成要素がさらに多くの処理を実行するように分類することもできる。また、各機能部は、ハードウェア(ASIC、GPUなど)により構築されてもよい。また、各機能部の処理が一つのハードウェアで実行されてもよいし、複数のハードウェアで実行されてもよい。
【0028】
[動作の説明] 次に、ナビゲーション装置100の動作について説明する。図5は、ナビゲーション装置100が、使用者の指示に従い施設検索を行い、その結果から除外対象の施設を除外して表示する検索除外処理のフロー図である。このフローは、使用者から入力受付部102を介して、条件を満たす施設を検索するように要求されることで開始される。
【0029】
まず、施設検索部106は、条件に合致する施設を検索する(ステップS001)。具体的には、施設検索部106は、入力受付部102を介して受け付けた条件に合致する施設を検索し、候補となる施設をリストアップする。
【0030】
次に、検索結果出力部107は、検索結果から除外施設を除外して、表示する(ステップS002)。具体的には、検索結果出力部107は、ステップS001にて検索した結果得られた施設のうち、表示除外施設テーブル250の施設ID251に含まれる施設を特定する。そして、検索結果出力部107は、特定した当該施設の除外開始期252と除外終了期253とにより特定される期間内に現在時刻が含まれると判定した場合には、検索結果出力部107は、当該施設をリストから除外する。そして、検索結果出力部107は、リストを出力処理部103に受け渡し、出力処理部103は受け渡されたリストを表示させる。
【0031】
次に、除外処理部108は、使用者からの施設の指定を受け付ける(ステップS003)。具体的には、除外処理部108は、ステップS002にて表示した施設のリストから一つの施設を選択する入力を、使用者から入力受付部102を介して受け付ける。なお、ここで使用者が施設を選択する目的は、例えば目的地として指定すること、または詳細の位置情報を確認すること等、である。
【0032】
次に、除外処理部108は、指定を受け付けた施設に有効な緯度経度が設定されているか否かを判定する(ステップS004)。具体的には、除外処理部108は、ステップS003にて受け付けた指定により特定される施設を特定し、当該施設の緯度経度の情報を検索する。そして、除外処理部108は、緯度経度の情報が欠落、または実在しない緯度経度を指しているか否かを判定する。なお、当該施設の緯度経度の情報が欠落しておらず、実在する緯度経度である場合には、当該施設には有効な緯度経度が設定されているものといえる。 有効な緯度経度が設定されている場合(ステップS004にて「No」)には、除外処理部108は、ステップS003にて指定を受け付けた施設を指定し、処理を終了し、所定の処理(例えば当該施設を目的地とする経路探索等)を行う。
【0033】
有効な緯度経度が設定されていない場合(ステップS004にて「Yes」)には、除外処理部108は、ステップS003にて指定を受け付けた施設を除外施設として設定するか否かを使用者に問い合わせ、使用者からの応答を受け付ける(ステップS005)。具体的には、有効な緯度経度が設定されていない場合には、除外処理部108は、ステップS003にて指定を受け付けた施設を除外対象の施設として設定するか否かを問い合わせるポップアップ表示等を行い、除外対象とするか、しないか、についての選択の入力を受け付ける。除外施設としない旨の入力を受け付けた場合(ステップS005にて「No」)には、除外処理部108は、ステップS003にて受け付けた施設を指定し、処理を終了し、所定の処理(例えば当該施設を目的地とする経路探索等)を行う。
【0034】
除外施設とする旨の入力を受け付けた場合(ステップS005にて「Yes」)には、除外処理部108は、ステップS003にて指定を受け付けた施設を除外する期間の終了期の指定を受け付ける(ステップS006)。具体的には、除外処理部108は、ステップS003にて指定を受け付けた施設を除外する期間の終了期の指定を受け付ける画面等を表示して、終了期の指定を受け付ける。なお、除外処理部108は、除外する期間の終了期の指定を行わないという指定を受け付けることも可能である。
【0035】
除外する期間の終了期の指定を受け付けた場合(ステップS006にて「Yes」)には、除外処理部108は、ステップS003にて指定を受け付けた施設を、指定を受け付けた終了期まで除外するものとして設定する(ステップS007)。具体的には、除外処理部108は、ステップS003にて指定を受け付けた施設の施設IDを表示除外施設テーブル250の施設ID251に追加し、当該追加した施設の除外開始期252に現在時刻を格納し、除外終了期253に、指定を受け付けた終了期を格納する。そして、除外処理部108は、ステップS002へ処理を戻す。
【0036】
除外する期間の終了期の指定を行わない指定を受け付けた場合(ステップS006にて「No」)には、除外処理部108は、ステップS003にて指定を受け付けた施設を、無期限で除外するものとして設定する(ステップS008)。具体的には、除外処理部108は、ステップS003にて指定を受け付けた施設の施設IDを表示除外施設テーブル250の施設ID251に追加し、当該追加した施設の除外開始期252に現在時刻を格納し、除外終了期253に、無期限である旨の情報を格納する。そして、除外処理部108は、ステップS002へ処理を戻す。
【0037】
以上が、検索除外処理の処理内容である。上記の検索除外処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、検索した結果該当する施設を表示する際に、除外対象として設定されている施設を除外して表示することができる。また、表示された検索結果から指定された施設が有効な位置情報を有しない場合に、ナビゲーション装置100は、今後その施設を除外する施設と設定し除外することが可能となる。
【0038】
次に、検索除外処理により表示される画面の例を、図6(a)および図6(b)に示す。図6(a)は、検索除外処理のステップS002において表示される画面300の例を示す図である。画面300は、検索条件を特定する情報を表示する検索条件表示領域310と、検索結果を示す検索結果表示領域320と、を有する。検索結果表示領域320には、ステップS001にて施設検索を行った結果検索条件に該当した施設が表示される。なお、検索結果表示領域320には、除外対象として既に設定されている施設は表示されない。また、表示されている各施設を例えばタッチ入力等により選択入力すると、当該施設の位置情報が有効なものであれば、その位置を示すために地図画面等が表示されるものとする。図6(b)に示す画面350は、検索除外処理のステップS005において表示されるポップアップ画面の例である。
【0039】
画面350は、選択された施設が有効な位置情報を有していないために表示できなかった旨のメッセージと、以降当該施設を検索対象から除外するよう設定するか否かを問い合わせるメッセージと、を表示するメッセージ表示領域360と、当該メッセージへの応答入力を受け付ける「はい」ボタン表示領域371と、「いいえ」ボタン表示領域372と、を有する。「はい」ボタン表示領域371は、メッセージ表示領域360の問い合わせに肯定的に回答する旨の入力を受け付け、「いいえ」ボタン表示領域372は、メッセージ表示領域360の問い合わせに否定的に回答する旨の入力を受け付ける。
【0040】
図7は、推奨経路に従って経路誘導を受け、目的地に到着した際に当該目的地に指定された施設を以降は除外するよう設定する到着除外処理のフロー図である。例えば、目的地に指定された施設に到着したところ、目的地である店舗が閉鎖されていた場合に、除外対象として設定する処理である。このフローは、目的地に到着したことを経路誘導部105が検知することで開始される。なお、使用者から入力受付部102を介して、目的地を除外施設として設定するように要求されたことで開始されるものとしてもよい。
【0041】
まず、除外処理部108は、目的地として設定されている施設を除外施設とするか否かを使用者に問い合わせる(ステップS101)。具体的には、除外処理部108は、ポップアップ表示等により、目的地として設定されている施設を除外施設とするか否かを使用者に問い合わせる画面を表示し、使用者からの入力を受け付ける。目的地を除外施設としない旨の入力を受け付けた場合(ステップS101にて「No」)、除外処理部108は、到着除外処理を終了させる。
【0042】
目的地を除外施設とする旨の入力を受け付けた場合(ステップS101にて「Yes」)、除外処理部108は、目的地として設定されている施設を除外する期間の終了期の指定を受け付ける(ステップS102)。具体的には、除外処理部108は、目的地として設定されている施設を除外する期間の終了期の指定を受け付ける画面等を表示して、終了期の指定を受け付ける。なお、除外処理部108は、除外する期間の終了期の指定を行わないという指定を受け付けることも可能である。
【0043】
除外する期間の終了期の指定を受け付けた場合(ステップS102にて「Yes」)には、除外処理部108は、目的地として設定されている施設を、指定を受け付けた終了期までの間に限り除外するものとして設定する(ステップS103)。具体的には、除外処理部108は、目的地として設定されている施設の施設IDを表示除外施設テーブル250の施設ID251に追加し、当該追加した施設の除外終了期253に、指定を受け付けた終了期を格納する。そして、除外処理部108は、ステップS005へ処理を進める。
【0044】
除外する期間の終了期の指定を行わない旨の入力を受け付けた場合(ステップS102にて「No」)には、除外処理部108は、目的地として設定されている施設を、無期限で除外するものとして設定する(ステップS104)。具体的には、除外処理部108は、目的地として設定されている施設の施設IDを表示除外施設テーブル250の施設ID251に追加し、当該追加した施設の除外終了期253に、無期限である旨の情報を格納する。そして、除外処理部108は、ステップS105へ処理を進める。
【0045】
次に、除外処理部108は、目的地として設定されている施設を除外する期間の開始期の指定を受け付ける(ステップS105)。具体的には、除外処理部108は、目的地として設定されている施設を除外する期間の開始期の指定を受け付ける画面等を表示して、開始期の指定を受け付ける。なお、除外処理部108は、除外する期間の開始期の指定を行わないという指定を受け付けることも可能である。
【0046】
除外する期間の開始期の指定を受け付けた場合(ステップS105にて「Yes」)には、除外処理部108は、目的地として設定されている施設を、指定を受け付けた開始期から除外するものとして設定する(ステップS106)。具体的には、除外処理部108は、ステップS103またはステップS104にて表示除外施設テーブル250の施設ID251に追加された施設について、当該追加された施設の除外開始期252に、指定を受け付けた開始期を格納する。そして、除外処理部108は、到着除外処理を終了させる。
【0047】
除外する期間の開始期の指定を行わない旨の指定を受け付けた場合(ステップS105にて「No」)には、除外処理部108は、目的地として設定されている施設を、即時で除外するものとして設定する(ステップS107)。具体的には、除外処理部108は、ステップS103またはステップS104にて表示除外施設テーブル250の施設ID251に追加された施設について、当該追加された施設の除外開始期252に、即時である旨の情報、例えば処理時点の時刻を格納する。そして、除外処理部108は、到着除外処理を終了させる。
【0048】
以上が、到着除外処理の処理内容である。到着除外処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、以降において、検索した結果該当する施設を表示する際に、目的地に到着したが目的を達成できなかった施設等について、以降は検索対象から除外して表示することができるようになる。
【0049】
また、ステップS106にて、施設を除外対象とする開始期を指定できるため、例えば、所定の日に当該施設が閉店することがわかっている場合等には、除外する開始期に当該施設の閉店日の日付を設定することで、閉店後に当該施設が検索されてしまうことを避けることができるようになる。
【0050】
次に、到着除外処理により表示される画面の例を、図8に示す。図8は、到着除外処理のステップS101において表示される画面400の例を示す図である。画面400は、ナビゲーション装置100に対する操作指示を受け付けるための情報を表示する操作メニュー表示領域410と、目的地を検索対象から除外するか否かを問い合わせるポップアップ表示領域420と、を有する。ポップアップ表示領域420には、目的地に指定された施設を以降は検索対象から除外するよう設定するか否かを問い合わせるメッセージを表示するメッセージ表示領域421と、当該メッセージへの応答入力を受け付ける「はい」ボタン表示領域422と、「いいえ」ボタン表示領域423と、を有する。「はい」ボタン表示領域422は、メッセージ表示領域421の問い合わせに肯定的に回答する旨の入力を受け付け、「いいえ」ボタン表示領域423は、メッセージ表示領域421の問い合わせに否定的に回答する旨の入力を受け付ける。
【0051】
図9は、除外対象として設定された施設の除外を解除する除外解除処理のフロー図である。例えば、過去に検索除外処理や到着除外処理により除外した施設を再び検索対象とするための処理である。このフローは、使用者から入力受付部102を介して、所定の施設の除外を解除するように要求されることで開始される。
【0052】
まず、除外解除処理部109は、除外対象として設定されている施設を表示する(ステップS201)。具体的には、除外解除処理部109は、除外対象として設定されている施設のうちから除外を解除する施設の選択を受け付ける画面を表示する。
【0053】
次に、除外解除処理部109は、ステップS201にて表示した施設のうち、除外を解除する施設を指定する入力を受け付ける(ステップS202)。具体的には、除外解除処理部109は、除外を解除する施設を選択する入力を、入力受付部102を介して使用者から受け付ける。
【0054】
次に、除外解除処理部109は、ステップS202にて選択を受け付けた施設について、除外終了期の指定を受け付ける画面等を表示して、終了期の指定の有無を受け付ける(ステップS203)。なお、除外解除処理部109は、除外する期間の終了期の指定を行わないという指定を受け付けることも可能である。
【0055】
除外する期間の終了期の指定を受け付けた場合(ステップS203にて「Yes」)には、除外解除処理部109は、ステップS202にて指定を受け付けた施設を、指定を受け付けた終了期まで除外するものとして設定する(ステップS204)。具体的には、除外解除処理部109は、ステップS202にて指定を受け付けた施設の施設IDを表示除外施設テーブル250の施設ID251から特定し、当該特定した施設の除外終了期253に、指定を受け付けた終了期を格納する。そして、除外解除処理部109は、除外解除処理を終了させる。
【0056】
除外する期間の終了期の指定を行わない指定を受け付けた場合(ステップS203にて「No」)には、除外解除処理部109は、ステップS202にて指定を受け付けた施設を、即時で除外を解除するものとして設定する(ステップS205)。具体的には、除外解除処理部109は、ステップS202にて指定を受け付けた施設の施設IDを表示除外施設テーブル250の施設ID251から特定し、当該特定した施設の除外終了期253に、即時である旨の情報、例えば処理時点の現在時刻等を格納する。そして、除外解除処理部109は、除外解除処理を終了させる。
【0057】
以上が、除外解除処理の処理内容である。除外解除処理を行う事によって、ナビゲーション装置100は、以降において、検索した結果該当する施設を表示する際に、除外する理由がなくなった施設等を除外せずに表示することができるようになる。
【0058】
以上、本発明の一実施形態について説明した。本発明の一実施形態によると、ナビゲーション装置100は、施設情報を更新することなく、使用者が目的地あるいは検索対象から排除したい施設を、施設検索処理において排除することができる。
【0059】
なお、定期的なメンテナンス処理として、除外解除処理部109は、除外期間が終了した除外対象の施設(すなわち、除外対象でなくなったために表示される施設)について、表示除外施設テーブル250から削除するようにしてもよい。具体的には、除外解除処理部109は、表示除外施設テーブル250に格納された各施設ID251ごとに、除外終了期253に格納された日時が処理時点よりも古いか否かを判定し、古い場合には当該施設ID251に応じたレコードを表示除外施設テーブル250から削除する。表示除外施設テーブル250から当該施設を削除することにより、表示除外施設テーブル250の利用効率を高め、検索除外処理の処理負荷を減らすことが可能となる。
【0060】
このようなメンテナンス処理は上述のように定期的に行われるのが望ましい。しかし、これに限らず、例えばナビゲーション装置100の起動処理において行われるようにしてもよいし、ナビゲーション装置100の処理負荷が一定以下となった場合に行われるようにしてもよい。または、メンテナンス処理は除外解除処理の最後の処理として行われるようにしてもよい。
【0061】
本発明は、上記実施形態に制限されない。上記実施形態は、本発明の技術的思想の範囲内で様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態の検索除外処理のステップS002において、除外対象の施設を表示から除外しているが、これに限られるものではない。すなわち、検索結果出力部107は、ステップS002において、除外対象の施設を選択できないように表示するようにしてもよい。または、除外対象の施設を強調表示(例えばチェックマーク等を表示して脚色)するようにしてもよい。このようにすることで、使用者は、当該施設が除外対象の施設として設定されていることを把握することができるため、除外対象の施設の除外を解除すべき時に適時に解除することが可能となる。
【0062】
また、到着除外処理において、設定されている目的地に指定されている施設を除外対象として設定するようにしているが、これに限られない。すなわち、除外処理部108は、設定されている目的地によって指定されている施設だけでなく、使用者が指定した任意の施設を除外対象として設定するようにしてもよい。このようにすることで、使用者は、除外対象の施設を任意に設定できるようになる。以上が、変形の例である。
【0063】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載ナビゲーション装置に限らず、ナビゲーション装置全般に適用することができる。
【符号の説明】
【0064】
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・ROM装置、7・・・車速センサ、8・・・ジャイロセンサ、9・・・GPS受信装置、10・・・FM多重放送受信装置、11・・・ビーコン受信装置、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・I/F、25・・・バス、41・・・マイクロフォン、42・・・スピーカ、51・・・タッチパネル、52・・・ダイヤルスイッチ、100・・・ナビゲーション装置、101・・・主制御部、102・・・入力受付部、103・・・出力処理部、104・・・経路探索部、105・・・経路誘導部、106・・・施設検索部、107・・・検索結果出力部、108・・・除外処理部、109・・・除外解除処理部、200・・・リンクテーブル、250・・・表示除外施設テーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設を特定する情報を記憶する施設記憶手段と、
除外すべき除外施設を特定する情報を記憶する除外施設記憶手段と、
前記施設記憶手段から所定の施設を抽出する施設抽出手段と、
前記施設抽出手段により抽出された前記所定の施設のうち、前記除外施設記憶手段に記憶された前記除外施設に該当する施設を除外する除外手段と、
前記除外手段により前記除外施設を除外された前記所定の施設を出力する出力手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置であって、
前記除外施設記憶手段は、さらに、前記除外施設を除外すべき条件を特定する情報を記憶しており、
前記除外手段は、前記施設抽出手段により抽出された前記所定の施設のうち、前記除外施設記憶手段に記憶された前記除外施設に該当する施設について、前記除外すべき条件を満たす場合に除外する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置であって、
前記除外施設を除外すべき条件は、除外すべき期間を特定する情報であって、
前記除外手段は、前記施設抽出手段により抽出された前記所定の施設のうち、前記除外施設記憶手段に記憶された前記除外施設に該当する施設について、処理時が前記除外すべき期間内に含まれる場合に除外する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置であって、
前記除外施設を除外すべき期間を特定する情報は、期間の始期と終期とを特定する情報である、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
前記施設抽出手段により抽出された所定の施設が有効でない情報を有するか否かを判定する施設有効判定手段と、
前記施設有効判定手段により有効でない情報を有すると判定された施設を前記除外すべき除外施設として前記除外施設記憶手段に記憶する除外施設追加手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーション装置であって、
前記施設有効判定手段は、前記所定の施設に、当該施設の位置を特定する情報が含まれていない場合に、有効でない情報を有すると判定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項5または6に記載のナビゲーション装置であって、
前記施設有効判定手段は、前記所定の施設の位置を特定する情報が、実在しない位置を示す情報である場合に、有効でない情報を有すると判定する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
目的地の設定を受け付ける目的地受付手段と、
前記目的地受付手段により受け付けた前記目的地を、前記除外すべき除外施設として前記除外施設記憶手段に記憶する目的地除外施設追加手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項8に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
前記目的地へ到着したか否かを判定する目的地到着判定手段を備え、
前記目的地除外施設追加手段は、前記目的地到着判定手段により前記目的地に到着したと判定された場合に、前記除外施設記憶手段に記憶する、
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
施設の指定を受け付ける施設指定受付手段と、
前記施設指定受付手段により受け付けた前記施設を、前記除外すべき除外施設として前記除外施設記憶手段に記憶する指定除外施設追加手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載のナビゲーション装置であって、さらに、
前記除外施設の選択を受け付ける選択受付手段と、
前記選択受付手段により選択を受け付けた前記除外施設の除外を解除する除外解除手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
ナビゲーション装置のナビゲーション方法であって、
前記ナビゲーション装置は、
施設を特定する情報を記憶する施設記憶手段と、
除外すべき除外施設を特定する情報を記憶する除外施設記憶手段と、を備え、
前記施設記憶手段から所定の施設を抽出する施設抽出ステップと、
前記施設抽出ステップにより抽出された前記所定の施設のうち、前記除外施設記憶手段に記憶された前記除外施設に該当する施設を除外する除外ステップと、
前記除外ステップにより前記除外施設を除外された前記所定の施設を出力する出力ステップと、
を実施する、
ことを特徴とするナビゲーション方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−163840(P2011−163840A)
【公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−25138(P2010−25138)
【出願日】平成22年2月8日(2010.2.8)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】