説明

ナビゲーション装置とその制御方法およびナビゲーションシステム

【課題】目的地設定と応答を容易に行うことができるようにする。
【解決手段】位置検出部41は、測位信号を受信して現在位置を検出する。地図データ記憶部45は、地図データを記憶する。近距離通信部46は、通信端末装置との通信を行う。ナビゲーション制御部47は、近距離通信部46で受信した受信情報に含まれた位置情報を用いて目的地の設定を行い、設定した目的地への到着予想時刻を地図データと現在位置に基づいて算出し、この算出した到着予想時刻を示す応答情報を、近距離通信部を介して通信端末装置から送信する。位置情報で示された位置に目的地を容易に設定できる。また、到着予想時刻の応答を容易に行える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置とその制御方法およびナビゲーションシステムに関する。詳しくは、目的地設定と応答を容易に行うことができるようにする。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話で受信した情報をナビゲーション装置で利用することで目的地の設定が行われている。例えば、特許文献1では、携帯情報端末によってコンテンツサーバから取得した目的地情報とコンテンツサーバを利用したときの日時情報に基づいて、ナビゲーション装置で目的地を設定することが行われている。また、特許文献2の発明では、携帯電話で受信された送信位置データ付きメールに基づいて、地図上にメールアドレスを表示させて、送信位置の確認を容易としたり、メールアドレスを選択することで、送信位置を目的地に設定することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−250621号公報
【特許文献2】特開2004−45117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯電話で情報を受信したときにメールで応答する場合、運転中に携帯電話を操作することは危険であるため、停車してからメール送信操作を行わなければならない。したがって、車を停車できる場所が見つからない場合、速やかにメールでの応答を行うことができない。
【0005】
また、応答のメールで例えば到着予想時刻を通知する場合、ユーザは携帯電話を操作して到着予想時刻を示すメールの作成および作成したメールの送信を行わなければならないため、応答を容易に行うことができない。
【0006】
そこで、この発明では、目的地設定と応答を容易に行うことができるナビゲーション装置とその制御方法およびナビゲーションシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の第1の側面は、測位信号を受信して現在位置を検出する位置検出部と、地図データを記憶する地図データ記憶部と、通信端末装置と通信を行う近距離通信部と、前記近距離通信部を介して受信した前記通信端末装置で受信された受信情報に位置情報が含まれていたとき、該位置情報を用いて目的地の設定を行い、該設定した目的地への到着予想時刻を前記地図データと前記現在位置に基づいて算出し、該算出した到着予想時刻を示す応答情報を、前記近距離通信部を介して前記通信端末装置から送信する制御部とを有するナビゲーション装置にある。
【0008】
この発明では、通信端末装置で受信された受信情報に位置情報が含まれていたとき、この位置情報を用いて目的地の設定が行われる。例えば、位置情報で示された位置が目的地として自動的に設定される。目的地の設定が行われると、地図データ記憶部に記憶されている地図データと、例えばGPS衛星からの測位信号に基づいて検出した現在位置に基づいて目的地への到着予想時刻が算出されて、算出した到着予想時刻を示す応答情報が、例えば受信情報の送信元等に通信端末装置から送信される。また、受信情報の送信元を示す送信元識別情報、例えばメールアドレスが登録されているとき送信元識別情報に対応して登録されている名前等が表示部に表示されて、送信元識別情報が登録されていないときは、送信元識別情報が表示部に表示される。さらに、受信情報に含まれた位置情報に基づいた目的地の設定が行われないときは、位置情報で示された位置が目的地に設定されていないことを識別可能とする応答情報が送信される。また、送信した到着予想時刻と、その後に算出した到着予想時刻との時間差が所定の時間差を超えたとき、その後に算出した到着予想時刻を示す応答情報が送信される。
【0009】
この発明の第2の側面は、ナビゲーション装置の制御方法において、位置検出部で測位信号を受信して現在位置を検出するステップと、近距離通信部で通信端末装置と通信を行うステップと、制御部で、前記近距離通信部を介して受信した前記通信端末装置で受信された受信情報に位置情報が含まれていたとき、該位置情報を用いて目的地の設定を行い、該設定した目的地への到着予想時刻を地図データ記憶部に記憶されている地図データと前記現在位置に基づいて算出し、該算出した到着予想時刻を示す応答情報を、前記近距離通信部を介して前記通信端末装置から送信するステップとを備えるナビゲーション装置の制御方法にある。
【0010】
この発明の第3の側面は、通信端末装置とナビゲーション装置を備え、前記通信端末装置は、通信網を介した通信を行う通信部と、前記ナビゲーション装置と通信を行う近距離通信部と、前記通信部で受信した受信情報を、前記近距離通信部を介して前記ナビゲーション装置に送信して、前記近距離通信部を介して受信した応答情報を前記通信部から送信する通信端末制御部とを有し、前記ナビゲーション装置は、測位信号を受信して現在位置を検出する位置検出部と、地図データを記憶する地図データ記憶部と、通信端末装置と通信を行う近距離通信部と、前記近距離通信部を介して受信した前記通信端末装置で受信された受信情報に位置情報が含まれていたとき、該位置情報を用いて目的地の設定を行い、該設定した目的地への到着予想時刻を前記地図データと前記現在位置に基づいて算出し、該算出した到着予想時刻を示す応答情報を、前記近距離通信部を介して前記通信端末装置に送信するナビゲーション制御部とを有するナビゲーションシステムにある。
【発明の効果】
【0011】
この発明によれば、通信端末装置で受信された受信情報に位置情報が含まれていたとき、この位置情報を用いて目的地の設定が行われる。また、設定された目的地への到着予想時刻が地図データと測位信号を受信して検出された現在位置に基づいて算出されて、算出した到着予想時刻を示す応答情報が通信端末装置から送信される。このため、目的地設定と応答を容易に行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】ナビゲーションシステムを示す図である。
【図2】通信端末装置の構成を示す図である。
【図3】ナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図4】第1の動作を示すフローチャートである。
【図5】メールのデータ形式を例示した図である。
【図6】名前と位置の表示例を示す図である。
【図7】第2の動作を示すフローチャートである。
【図8】第3の動作を示すフローチャートである。
【図9】内容表示例を示す図である。
【図10】第4の動作を示すフローチャートである。
【図11】第5の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、発明を実施するための形態について説明する。なお、説明は以下の順序で行う。
1.ナビゲーションシステムの構成
1−1.携帯電話の構成
1−2.ナビゲーション装置の構成
2.ナビゲーションシステムの動作
2−1.第1の動作
2−2.第2の動作
2−3.第3の動作
2−4.第4の動作
2−5.第5の動作
【0014】
<1.ナビゲーションシステムの構成>
図1は、ナビゲーションシステムを示している。ナビゲーションシステムは、通信網10と接続される通信端末装置(例えば携帯電話)20と、通信端末装置20との通信が可能なナビゲーション装置40を備えている。
【0015】
通信端末装置20は、通信網10を介して他の通信端末装置60と情報の送受信を行う機能を有している。また、通信端末装置20は、ナビゲーション装置40と、有線または無線で通信を行う機能等を有している。
【0016】
ナビゲーション装置40は、例えば地図表示機能、GPS(Global Positioning System )衛星70等からの測位信号を受信して現在位置を検出して地図上に現在位置を表示する機能、目的地までの経路を探索する機能、目的地への到着予想時刻を算出する機能等を有している。
【0017】
通信端末装置20は、通信網10を介して受信した受信情報をナビゲーション装置40に送信する。ナビゲーション装置40は、通信端末装置20で受信された受信情報に含まれていた位置情報を用いて目的地の設定を可能とする。また、ナビゲーション装置40は、設定した目的地への到着予想時刻を示す応答情報を通信端末装置20に送信する。通信端末装置20は、ナビゲーション装置40からの応答情報を、通信網10を介して送信する。
【0018】
「1−1.通信端末装置の構成」
図2は、通信端末装置が例えば携帯電話である場合の構成を例示している。通信端末装置20は、アンテナ21、通信部22、音声処理部23、音声出力部24、音声入力部25、操作部26、表示部27、近距離通信部28、通信端末制御部29を有している。
【0019】
アンテナ21は、通信網10からの電波を受信して、受信信号を通信部22に出力する。また、アンテナ21は、通信部22からの送信信号を電波として通信網10に送信する。
【0020】
通信部22は、送受信信号の周波数変換や変復調処理等を行う。通信部22は、受信信号の周波数変換や復調処理等を行うことにより得られた音声データを音声処理部23に出力して、音声以外のテキスト等の受信データを通信端末制御部29に出力する。また、通信部22は、音声処理部23から供給された音声データや通信端末制御部29から供給された送信データの変調処理や周波数変換処理を行い、送信信号を生成してアンテナ21に出力する。
【0021】
音声処理部23は、通信部22から圧縮符号化された音声データが供給されたとき、伸張復号化等の音声信号処理を行い処理後の音声信号を音声出力部24に出力する。また、音声処理部23は、音声入力部25から音声信号が供給されたとき、圧縮符号化等の音声信号処理を行い処理後の音声データを通信部22に出力する。
【0022】
音声出力部24は、スピーカ等を用いて構成されており、音声処理部23から出力される音声信号に基づいた音声出力を行う。
【0023】
音声入力部25は、マイクロフォン等を用いて構成されており、集音した音声を音声信号に変換して音声処理部23に出力する。
【0024】
操作部26は、テンキーや発話キー、終話/電源キー等を有しており、キー操作に応じた操作信号を生成して通信端末制御部29に出力する。
【0025】
表示部27は、例えば液晶ディスプレイや有機EL(Electro Luminescent)ディスプレイ等の表示デバイスを用いて構成されている。表示部27は、通信端末制御部29からの表示信号に基づき、通信端末装置の動作状態や他の通信端末装置との間で交換された情報の表示、通信端末装置の設定メニューの表示等を行う。
【0026】
近距離通信部28は、ブルートゥース(Bluetooth:登録商標)や、UWB(Ultra Wide Band)方式、無線LAN(Local Area Network)などの近距離無線通信を行う。例えば、ブルートゥースは、周知のようにして、Bluetooth SIG(Special Interest Group)により標準化されている、相互接続性を有した近距離無線通信のための規格であり、2.4GHz帯(ISM(Industrial Science Medical)帯)を使用して無線通信を行う。この場合、近距離通信部28は、ブルートゥースの規格に従った無線通信機能を実現するためのハードウェアを含む構成とされる。
【0027】
通信端末制御部29は、CPU(Central Processing Unit)、ROM、RAMなどにより構成されている。ROMは、NAND型フラッシュメモリのような書き換え可能な記憶媒体を含む。ROMは、例えばOS(Operating System)等のプログラムや近距離通信部等を制御するためのドライバ、メッセージ交換を行うためのメッセージ交換アプリケーションプログラムや電話帳管理アプリケーションプログラム等の各種アプリケーションプログラムを記憶する。また、ROMは、各種の初期設定値、フォントデータ、各辞書データ、機種名情報や端末識別情報、電話帳管理アプリケーションにより管理される電話帳データなども記憶する。RAMは、通信端末制御部29が各アプリケーションプログラムの実行時に各種データを一時的に格納する作業領域として用意されている。CPUは、操作部26からの操作信号に基づき、通信端末装置20でユーザ操作に応じた動作が行われるように、通信部22や音声処理部23等の各部の制御を行う。また、CPUは、操作部26からの操作信号に基づき、各種アプリケーションプログラムを実行する。
【0028】
「1−2.ナビゲーション装置の構成」
図3は、ナビゲーション装置の構成を示している。ナビゲーション装置40は、位置検出部41、表示部42、操作部43、音声出力部44、地図データ記憶部45、近距離通信部46、ナビゲーション制御部47を有している。
【0029】
位置検出部41は、測位信号例えばGPS(Global Positioning System)衛星から到来する電波を受信して処理することにより、現在位置を検出してナビゲーション制御部47に出力する。
【0030】
表示部42は、例えば液晶表示パネル等の表示素子を用いて構成されており、ナビゲーション制御部47からの画像信号に基づき地図や現在位置、目的地、その他各種の情報や操作メニュー等の表示を行う。
【0031】
操作部43は、表示部42の画面上に配置されたタッチパネルや操作ボタン、操作スイッチ等で構成されており、ユーザ操作に応じた操作信号を生成してナビゲーション制御部47に出力する。
【0032】
音声出力部44は、スピーカ等を用いて構成されており、ナビゲーション制御部47から出力される音声信号に基づいた音声出力を行う。
【0033】
地図データ記憶部45は、ナビゲーションを行うためのアプリケーションプログラムが実行されたとき、表示部42で地図表示を行うために必要とされる地図データを記憶している。
【0034】
近距離通信部46は、通信端末装置20の近距離通信部28と同様に構成されており、ブルートゥースやUWB方式、無線LANなどの近距離無線通信を行う。例えば、通信端末装置20の近距離通信部28においてブルートゥースで無線通信を行う場合、ブルートゥースの規格に従った無線通信機能を実現するためのハードウェアを含む構成とされる。
【0035】
ナビゲーション制御部47は、CPU、ROM、RAMなどにより構成されている。ROMは、ナビゲーションを行うためのアプリケーションプログラム、映像や音声のソースを選択して再生するアプリケーションプログラム等の各種アプリケーションプログラムを記憶する。また、各種の初期設定値、電話帳データなどを記憶する。RAMは、ナビゲーション制御部47が各アプリケーションプログラムの実行時に各種データを一時的に格納する作業領域として用意されている。CPUは、操作部43からの操作信号に基づき、ナビゲーション装置40でユーザ操作に応じた動作が行われるように、各部の制御を行う。また、CPUは、操作部26からの操作信号に基づき、各種アプリケーションプログラムを実行する。なお、各種アプリケーションプログラムおよび各種データは、ナビゲーション装置40に事前にインストールして提供されるものの、これに代えて、光ディスク、磁気ディスク、メモリカード等の記録媒体に記録して提供するようにしてもよい。さらに、インターネット等のネットワークを介したダウンロードにより提供するようにしてもよい。
【0036】
さらに、ナビゲーション制御部47は、ナビゲーションを行うためのアプリケーションプログラムが実行されたとき、位置検出部41で検出された現在位置や設定された目的地を地図上に表示する。また、ナビゲーション制御部47は、目的地までのルート探索を行い、探索結果を地図上に表示したり、音声等でルート案内を行う。また、ナビゲーション制御部47は、目的地への到着予測時刻を現在位置と地図データに基づいて算出する。さらに、ナビゲーション制御部47は、近距離通信部46を介して通信端末装置20と通信を行い、目的地設定と応答を容易に行えるようにする。
【0037】
<2.ナビゲーションシステムの動作>
次に、ナビゲーションシステムの動作について説明する。ナビゲーションシステムでは、通信端末装置20で受信した受信情報に位置情報が含まれていたとき、この位置情報を用いることで、ナビゲーション装置40における目的地の設定を容易とする。例えば通信端末装置20で受信した受信メールで位置情報が示されているとき、受信メールに含まれていた位置情報を目的地の設定に用いる。また、ナビゲーション装置40は、目的地への到着予想時刻を算出して、この算出した到着予想時刻を示す応答情報例えば応答メールを通信端末装置20から送信させる。なお、通信端末装置20とナビゲーション装置40は、近距離通信部でブルートゥースの規格に従った無線通信を行う場合を例示している。また、通信端末装置20でメールの送受信を行い、送信元識別情報や送信先識別情報としてアドレス情報を用いた場合を示している。
【0038】
「2−1.第1の動作」
第1の動作では、通信端末装置でメールの送受信と受信メールに位置情報が含まれているか判別を行い、位置情報が含まれていたとき、ナビゲーション装置で目的地の設定と応答を行う場合について説明する。
【0039】
図4は、第1の動作を示すフローチャートである。ステップST1で通信端末装置20とナビゲーション装置40は初期設定を行う。初期設定において、通信端末装置20とナビゲーション装置40はペアリングを行う。通信端末装置20の通信端末制御部29とナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、それぞれが有している固有の識別情報を確認して、確認が正しく行われたとき通信端末装置20とナビゲーション装置40との間でのみ無線通信を可能とする。このように、ペアリングを行うことで、送信されたデータが他の装置で読み取られたり不正な変更等が行われないように、通信端末装置20とナビゲーション装置40との間で無線通信が行われる。ペアリングは、NFC(Near Field Communication)技術を用いて、通信端末装置20とナビゲーション装置40が近接した状態となったとき自動的にペアリング手続を行うようにしてもよい。また、初期設定では、通信端末装置20から電話帳データをナビゲーション装置40に送信する。ナビゲーション装置40は、受信した電話帳データとメモリに記憶する。
【0040】
ステップST2で通信端末装置20は、メール受信を行う。通信端末装置20の通信端末制御部29は、通信端末装置20をあて先としたメールの受信を行ってステップST3に進む。
【0041】
ステップST3で通信端末装置20は、位置情報があるか否か判別する。図5は、メールのデータ形式を例示している。メールには、送信時刻や送信元のアドレス情報およびメール内容が含まれている。さらに、メールには位置情報を含めることができるようになされている。通信端末制御部29は、受信メールに位置情報が含まれていたときステップST4に進み、受信メールに位置情報が含まれていないときステップST5に進む。
【0042】
ステップST4で通信端末装置20は、アドレス情報と位置情報の送信を行う。通信端末装置20の通信端末制御部29は、受信したメールの送信元を示すアドレス情報とメールで示された位置情報を、近距離通信部28から無線通信によってナビゲーション装置40に送信する。
【0043】
ステップST5で通信端末装置20は、アドレス情報と位置情報の送信を行うことなく処理を終了する。
【0044】
ステップST11でナビゲーション装置40は、情報の受信を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、近距離通信部46と通信端末装置20の近距離通信部28との無線通信によって、通信端末装置20から送信されたアドレス情報と位置情報を受信してステップST15に進む。
【0045】
ステップST15でナビゲーション装置40は、アドレス情報が登録済みであるか否かを判別する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、アドレス情報が電話帳に登録されていると判別したときステップST16に進み、登録されていないと判別したときステップST17に進む。
【0046】
ステップST16でナビゲーション装置40は、名前と位置を表示する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、受信した位置情報で示された位置を基準として地図データ記憶部45から地図データの読み出しを行い、読み出した地図データに基づき表示部42で地図表示を行う。また、ナビゲーション制御部47は、表示された地図上において、位置情報で示された位置を識別可能に表示する。さらに、ナビゲーション制御部47は、電話帳を利用して、受信したアドレス情報に対応して登録されている情報例えばアドレス情報に対応する名前を判別して、判別した名前を表示してステップST18に進む。
【0047】
図6は、名前と位置の表示例を示している。ナビゲーション制御部47は、通信端末装置20からメールに含まれている情報が供給されたとき、表示部42の表示画面を分割して、図6に示すように、現在位置表示を行う画面GAと目的地表示を行う画面GBを設ける。ナビゲーション制御部47は、受信した位置情報で示された位置を基準として読み出した地図データに基づき、画面GBで地図表示を行う。ナビゲーション制御部47は、画面GBに表示されている地図上において、位置情報で示された位置を示す識別マークPa(例えば「◎」印)を設ける。さらに、ナビゲーション制御部47は、名前表示Pbを例えば位置情報で示された位置に関連付けて表示する。なお、図6では、画面GBで目的地設定を行うためのメニュー表示Pcを合わせて表示した場合を示している。また、画面GAの識別マークPoは、現在位置を示している。
【0048】
ステップST17でナビゲーション装置40は、アドレス情報と位置の表示を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、受信した位置情報で示された位置を基準として地図データの読み出しを行い、読み出した地図データに基づいて地図表示を行う。また、ナビゲーション装置40は、表示された地図上において、位置情報で示された位置を識別可能に表示する。さらに、ナビゲーション装置40は、受信したアドレス情報を表示してステップST18に進む。なお、ステップST17の表示では、例えば図6に示す名前表示Pbがアドレス情報の表示に変更される。
【0049】
ステップST18でナビゲーション装置40は、目的地設定が実施されたか否かを判別する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、目的地設定が行われなかったときステップST19に進み、目的地設定が行われたときステップST20に進む。
【0050】
ステップST19でナビゲーション装置40は、復帰処理を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、目的地の設定が行われていなことから、情報が受信される前の状態に戻す処理を行う。例えば情報を受信して図6に示す表示に表示の切り替えが行われている場合、図6の表示が行われる前の表示に戻す処理等を行う。また、ナビゲーション装置40にラジオ受信機能や音楽再生機能等が設けられており、アドレス情報と位置情報が受信されたことにより機能の切り替えが行われたときには、切り替え前の機能に戻す処理を行う。
【0051】
ステップST20でナビゲーション装置40は、目的地設定を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、位置情報で示された位置を目的地に設定してステップST22に進む。
【0052】
ステップST22でナビゲーション装置40は、案内を開始する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、目的地までの経路を探索して案内を開始する。また、ナビゲーション装置40は目的地への到着予想時刻を算出してステップST23に進む。
【0053】
ステップST23でナビゲーション装置40は、到着予想時刻を通信端末装置20に送信する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、ステップST22で算出した到着予想時刻を示す応答情報を、近距離無線通信によって通信端末装置20に送信する。
【0054】
ステップST31で通信端末装置20は、到着予想時刻を送信する。通信端末装置20の通信端末制御部29は、ナビゲーション装置40から送信された到着予想時刻を示す応答情報を、受信メールに対する応答として通信網10に送信する。
【0055】
応答情報の送信先は、受信したメールに基づき通信端末装置20またはナビゲーション装置40の何れで決定してもよい。例えばナビゲーション装置40で決定する場合、ナビゲーション装置40は、受信情報に基づいて決定した送信先識別情報(例えば受信メールの送信元アドレス)を応答情報に含める。通信端末装置20は、応答情報で示された送信先識別情報を用いて応答情報の送信を行う。通信端末装置20で決定する場合、通信端末装置20は、受信情報に基づいて送信先識別情報(例えば受信メールの送信元アドレス)を決定する。また、通信端末装置20は、受信情報をナビゲーション装置40に送信したことに応じてナビゲーション装置40から送信されてきた応答情報を、決定している送信先識別情報を用いて送信する。
【0056】
このような第1の動作によれば、メールで通知された位置情報を用いて目的地を簡単に設定できる。さらに、目的地を設定したときには、到着予想時刻が自動的に送信されるので、速やかに応答を行うことができる。また、到着予想時刻を示すメールの作成操作も不要となり、応答を容易に行うことができる。
【0057】
「2−2.第2の動作」
第2の動作では、通信端末装置でメールの送受信を行い、他の処理をナビゲーション装置で行う場合を説明する。
【0058】
図7は、第2の動作を示すフローチャートである。なお、図4と対応する動作は同一符号を付している。
【0059】
ステップST1で通信端末装置20とナビゲーション装置40は初期設定を行いステップST2に進む。
【0060】
ステップST2で通信端末装置20は、メール受信を行う。通信端末装置20の通信端末制御部29は、通信端末装置20をあて先としたメールの受信を行ってステップST6に進む。
【0061】
ステップST6で通信端末装置20は、情報の送信を行う。通信端末装置20の通信端末制御部29は、受信したメールのアドレス情報を、近距離通信部28から無線通信によってナビゲーション装置40に送信する。また、受信したメールに位置情報が含まれていたときは、この位置情報を、近距離通信部28から無線通信によってナビゲーション装置40に送信する。
【0062】
ステップST11でナビゲーション装置40は、情報の受信を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、近距離通信部46と通信端末装置20の近距離通信部28との無線通信によって、通信端末装置20から送信された情報を受信してステップST12に進む。
【0063】
ステップST12でナビゲーション装置40は、位置情報があるか否か判別する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、通信端末装置20から供給された情報に位置情報が含まれていないと判別したときステップST13に進み、位置情報が含まれていたと判別したときステップST15に進む。
【0064】
ステップST13でナビゲーション装置40は、復帰処理を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、情報の受信が行われる前の状態に戻す処理を行う。例えば、ナビゲーション装置40にラジオ受信機能や音楽再生機能等が設けられており、情報の受信によって機能の切り替えが行われたときには、切り替え前の機能に戻す処理を行う。
【0065】
ステップST15でナビゲーション装置40は、アドレス情報が登録済みであるか否かを判別する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、アドレス情報が電話帳に登録されていると判別したときステップST16に進み、登録されていないと判別したときステップST17に進む。
【0066】
ステップST16でナビゲーション装置40は、名前と位置の表示を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、受信した位置情報で示された位置を基準として地図データ記憶部45から地図データの読み出しを行い、読み出した地図データに基づき表示部42で地図表示を行う。また、ナビゲーション制御部47は、表示された地図上において、位置情報で示された位置を識別可能に表示する。さらに、ナビゲーション制御部47は、電話帳を利用して、受信したアドレス情報に対応して登録されている情報例えばアドレス情報に対応する名前を判別して、判別した名前を表示してステップST18に進む。
【0067】
ステップST17でナビゲーション装置40は、アドレス情報と位置の表示を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、受信した位置情報で示された位置を基準として地図データの読み出しを行い、読み出した地図データに基づいて地図表示を行う。また、ナビゲーション装置40は、表示された地図上において、位置情報で示された位置を識別可能に表示する。さらに、ナビゲーション装置40は、受信したアドレス情報を表示してステップST18に進む。
【0068】
ステップST18でナビゲーション装置40は、目的地設定が実施されたか否かを判別する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、目的地設定が行われなかったときステップST19に進み、目的地設定が行われたときステップST20に進む。
【0069】
ステップST19でナビゲーション装置40は、復帰処理を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、目的地の設定が行われていなことから、情報が受信される前の状態に戻す処理を行う。
【0070】
ステップST20でナビゲーション装置40は、目的地設定を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、位置情報で示された位置を目的地に設定してステップST22に進む。
【0071】
ステップST22でナビゲーション装置40は、案内を開始する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、目的地までの経路を探索して案内を開始する。また、ナビゲーション装置40は目的地への到着予想時刻を算出してステップST23に進む。
【0072】
ステップST23でナビゲーション装置40は、到着予想時刻を通信端末装置20に送信する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、ステップST22で算出した到着予想時刻を示す応答情報を、近距離無線通信によって通信端末装置20に送信する。なお、応答情報の送信先は、受信情報に基づきナビゲーション装置40で決定する。
【0073】
ステップST31で通信端末装置20は、到着予想時刻を送信する。通信端末装置20の通信端末制御部29は、ナビゲーション装置40から送信された到着予想時刻を示す応答情報を、受信メールに対する応答として通信網10に送信する。
【0074】
このような第2の動作によれば、通信端末装置20は、メールを受信したとき受信したメールの情報をナビゲーション装置40に送信すればよい。また、通信端末装置20は、応答のメールがナビゲーション装置40から供給されたとき、メールで示された送信先アドレスにメールを送信すればよい。したがって、目的地の設定や応答を容易に行えるだけでなく、位置情報の判別を行う機能が設けられていない通信端末装置の利用が可能となる。
【0075】
「2−3.第3の動作」
第3の動作では、通信端末装置でメールの送受信を行い、他の処理をナビゲーション装置で行う場合の他の動作に説明する。
【0076】
図8は、第3の動作を示すフローチャートである。なお、図4,図7と対応する動作は同一符号を付している。
【0077】
ステップST1で通信端末装置20とナビゲーション装置40は初期設定を行いステップST2に進む。
【0078】
ステップST2で通信端末装置20は、メール受信を行う。通信端末装置20の通信端末制御部29は、通信端末装置20をあて先としたメールの受信を行ってステップST6に進む。
ステップST6で通信端末装置20は、情報の送信を行う。通信端末装置20の通信端末制御部29は、受信したメールの情報を、近距離通信部28から無線通信によってナビゲーション装置40に送信する。
【0079】
ステップST11でナビゲーション装置40は、情報の受信を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、近距離通信部46と通信端末装置20の近距離通信部28との無線通信によって、通信端末装置20から送信された情報を受信してステップST12に進む。
【0080】
ステップST12でナビゲーション装置40は、位置情報があるか否か判別する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、通信端末装置20から供給された情報に位置情報が含まれていないと判別したときステップST14に進み、位置情報が含まれていたと判別したときステップST15に進む。
【0081】
ステップST14でナビゲーション装置40は、内容表示を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、受信した情報を表示部42で表示する。図9は、内容表示例を示している。ナビゲーション制御部47は、通信端末装置20から供給された情報で示されたアドレス情報やメールのタイトルおよび内容を示す表示Pdを設ける。なお、運転中にメールの内容等を表示すると注意力が散漫となり危険であることから、停止状態となったときに表示を行うようにする。
【0082】
ステップST15でナビゲーション装置40は、アドレス情報が登録済みであるか否かを判別する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、アドレス情報が電話帳に登録されていると判別したときステップST16に進み、登録されていないと判別したときステップST17に進む。
【0083】
ステップST16でナビゲーション装置40は、名前と位置の表示を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、受信した位置情報で示された位置を基準として読み出した地図データに基づき表示部42で地図表示を行う。また、ナビゲーション制御部47は、表示された地図上において、位置情報で示された位置を識別可能に表示する。さらに、ナビゲーション制御部47は、電話帳を利用して、受信したアドレス情報に対応して登録されている例えば名前を表示してステップST18に進む。
【0084】
ステップST17でナビゲーション装置40は、アドレス情報と位置の表示を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、受信した位置情報で示された位置を基準として読み出した地図データに基づいて地図表示を行う。また、ナビゲーション装置40は、表示された地図上において、位置情報で示された位置を識別可能に表示する。さらに、ナビゲーション装置40は、受信したアドレス情報を表示してステップST18に進む。
【0085】
ステップST18でナビゲーション装置40は、目的地設定が実施されたか否かを判別する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、目的地設定が行われなかったときステップST19に進み、目的地設定が行われたときステップST20に進む。
【0086】
ステップST19でナビゲーション装置40は、復帰処理を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、目的地の設定が行われていなことから、情報が受信される前の状態に戻す処理を行う。
【0087】
ステップST20でナビゲーション装置40は、目的地設定を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、位置情報で示された位置を目的地に設定してステップST22に進む。
【0088】
ステップST22でナビゲーション装置40は、案内を開始する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、目的地までの経路を探索して案内を開始する。また、ナビゲーション装置40は目的地への到着予想時刻を算出してステップST23に進む。
【0089】
ステップST23でナビゲーション装置40は、到着予想時刻を通信端末装置20に送信する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、ステップST22で算出した到着予想時刻を示す応答情報を、近距離無線通信によって通信端末装置20に送信する。なお、応答情報の送信先は、受信情報に基づきナビゲーション装置40で決定する。
【0090】
ステップST31で通信端末装置20は、到着予想時刻を送信する。通信端末装置20の通信端末制御部29は、ナビゲーション装置40から送信された到着予想時刻を示す応答情報を、受信メールに対する応答として通信網10に送信する。
【0091】
このような第3の動作によれば、ナビゲーション装置40では、通信端末装置20で受信されたメールに位置情報が含まれていない場合、メールの内容がナビゲーション装置40の表示部42で表示される。したがって、目的地の設定や応答を容易に行えるだけでなく、メールに位置情報が含まれていない場合にはメールの内容をナビゲーション装置40で確認できるようになる。
【0092】
「2−4.第4の動作」
第4の動作では、通信端末装置でメールの送受信を行い、ナビゲーション装置で目的地の設定と応答を自動的に行う場合について説明する。
【0093】
図10は、第4の動作を示すフローチャートである。なお、図4,図7と対応する動作は同一符号を付している。
【0094】
ステップST1で通信端末装置20とナビゲーション装置40は初期設定を行いステップST2に進む。
【0095】
ステップST2で通信端末装置20は、メール受信を行う。通信端末装置20の通信端末制御部29は、通信端末装置20をあて先としたメールの受信を行ってステップST6に進む。
【0096】
ステップST6で通信端末装置20は、情報の送信を行う。通信端末装置20の通信端末制御部29は、受信したメールの情報を、近距離通信部28から無線通信によってナビゲーション装置40に送信する。
【0097】
ステップST11でナビゲーション装置40は、情報の受信を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、近距離通信部46と通信端末装置20の近距離通信部28との無線通信によって、通信端末装置20から送信されたメールの情報を受信してステップST12に進む。
【0098】
ステップST12でナビゲーション装置40は、相手先の位置情報があるか否か判別する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、通信端末装置20から供給された情報に位置情報が含まれていないと判別したときステップST13に進み、位置情報が含まれていたと判別したときステップST15に進む。
【0099】
ステップST13でナビゲーション装置40は、復帰処理を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、情報の受信が行われる前の状態に戻す処理を行う。
【0100】
ステップST15でナビゲーション装置40は、アドレス情報が登録済みであるか否かを判別する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、アドレス情報が電話帳に登録されていると判別したときステップST16に進み、登録されていないと判別したときステップST17に進む。
【0101】
ステップST16でナビゲーション装置40は、名前と位置の表示を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、受信した位置情報で示された位置を基準として読み出した地図データに基づき表示部42で地図表示を行う。また、ナビゲーション制御部47は、表示された地図上において、位置情報で示された位置を識別可能に表示する。さらに、ナビゲーション制御部47は、電話帳を利用して、受信したアドレス情報に対応して登録されている例えば名前を表示してステップST21に進む。
【0102】
ステップST17でナビゲーション装置40は、アドレス情報と位置の表示を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、受信した位置情報で示された位置を基準として読み出した地図データに基づいて地図表示を行う。また、ナビゲーション装置40は、表示された地図上において、位置情報で示された位置を識別可能に表示する。さらに、ナビゲーション装置40は、受信したアドレス情報を表示してステップST21に進む。
【0103】
ステップST21でナビゲーション装置40は、目的地の自動設定を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、位置情報で示された位置を自動的に目的地として設定してステップST22に進む。
【0104】
ステップST22でナビゲーション装置40は、案内を開始する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、目的地までの経路を探索して案内を開始する。また、ナビゲーション装置40は目的地への到着予想時刻を算出してステップST23に進む。
【0105】
ステップST23でナビゲーション装置40は、到着予想時刻を通信端末装置20に送信する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、ステップST22で算出した到着予想時刻を示す応答情報を、近距離無線通信によって通信端末装置20に送信する。なお、応答情報の送信先は、受信情報に基づきナビゲーション装置40で決定する。
【0106】
ステップST31で通信端末装置20は、到着予想時刻を送信する。通信端末装置20の通信端末制御部29は、ナビゲーション装置40から送信された到着予想時刻を示す応答情報を、受信メールに対する応答として通信網10に送信する。
【0107】
このような第4の動作によれば、ナビゲーション装置40は、メールに含まれている位置情報で示された位置を目的地として自動的に設定するので、目的地の設定がさらに容易となる。
【0108】
「2−5.第5の動作」
第5の動作では、通信端末装置でメールの送受信を行い、ナビゲーション装置で他の応答を行う場合を説明する。
【0109】
図11は、第5の動作を示すフローチャートである。なお、図4,図7と対応する動作は同一符号を付している。
【0110】
ステップST1で通信端末装置20とナビゲーション装置40は初期設定を行いステップST2に進む。
【0111】
ステップST2で通信端末装置20は、メール受信を行う。通信端末装置20の通信端末制御部29は、通信端末装置20をあて先としたメールの受信を行ってステップST6に進む。
【0112】
ステップST6で通信端末装置20は、情報の送信を行う。通信端末装置20の通信端末制御部29は、受信したメールの情報を、近距離通信部28から無線通信によってナビゲーション装置40に送信する。
【0113】
ステップST11でナビゲーション装置40は、情報の受信を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、近距離通信部46と通信端末装置20の近距離通信部28との無線通信によって、通信端末装置20から送信されたメールの情報を受信してステップST12に進む。
【0114】
ステップST12でナビゲーション装置40は、相手先の位置情報があるか否か判別する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、通信端末装置20から供給された情報に位置情報が含まれていないと判別したときステップST13に進み、位置情報が含まれていたと判別したときステップST15に進む。
【0115】
ステップST13でナビゲーション装置40は、復帰処理を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、情報の受信が行われる前の状態に戻す処理を行う。
【0116】
ステップST15でナビゲーション装置40は、アドレス情報が登録済みであるか否かを判別する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、アドレス情報が電話帳に登録されていると判別したときステップST16に進み、登録されていないと判別したときステップST17に進む。
【0117】
ステップST16でナビゲーション装置40は、名前と位置の表示を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、受信した位置情報で示された位置を基準として読み出した地図データに基づき表示部42で地図表示を行う。また、ナビゲーション制御部47は、表示された地図上において、位置情報で示された位置を識別可能に表示する。さらに、ナビゲーション制御部47は、電話帳を利用して、受信したアドレス情報に対応して登録されている例えば名前を表示してステップST18に進む。
【0118】
ステップST17でナビゲーション装置40は、アドレス情報と位置の表示を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、受信した位置情報で示された位置を基準として読み出した地図データに基づいて地図表示を行う。また、ナビゲーション装置40は、表示された地図上において、位置情報で示された位置を識別可能に表示する。さらに、ナビゲーション装置40は、受信したアドレス情報を表示してステップST18に進む。
【0119】
ステップST18でナビゲーション装置40は、目的地設定が実施されたか否かを判別する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、目的地設定が行われなかったときステップST19に進み、目的地設定が行われたときステップST20に進む。
【0120】
ステップST19でナビゲーション装置40は、復帰処理を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、目的地の設定が行われていなことから、情報が受信される前の状態に戻す処理を行ってステップST24に進む。
【0121】
ステップST20でナビゲーション装置40は、目的地設定を行う。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、位置情報で示された位置を目的地に設定してステップST22に進む。
【0122】
ステップST22でナビゲーション装置40は、案内を開始する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、目的地までの経路を探索して案内を開始する。また、ナビゲーション装置40は目的地への到着予想時刻を算出してステップST23に進む。
【0123】
ステップST23でナビゲーション装置40は、到着予想時刻を通信端末装置20に送信する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、ステップST22で算出した到着予想時刻を示す応答情報を、近距離無線通信によって通信端末装置20に送信する。なお、応答情報の送信先は、受信情報に基づきナビゲーション装置40で決定する。
【0124】
ステップST31で通信端末装置20は、到着予想時刻を送信する。通信端末装置20の通信端末制御部29は、ナビゲーション装置40から送信された到着予想時刻を示す応答情報を、受信メールに対する応答として通信網10に送信する。
【0125】
また、ステップST19からステップST24に進むとナビゲーション装置40は、非対応通知を通信端末装置20に送信する。ナビゲーション装置40のナビゲーション制御部47は、位置情報で示された位置が目的地に設定されていないことを判別可能とする応答情報を、近距離無線通信によって通信端末装置20に送信する。ナビゲーション制御部47は、例えばメールで示された位置への移動を行わない旨の非対応通知を、近距離無線通信によって通信端末装置20に送信する。なお、応答情報の送信先は、受信情報に基づきナビゲーション装置40で決定する。
【0126】
ステップST32で通信端末装置20は、非対応通知を送信する。通信端末装置20の通信端末制御部29は、ナビゲーション装置40から送信された非対応通知を示す応答情報を、受信メールに対する応答として通信網10に送信する。
【0127】
このような第5の動作によれば、メールに含まれている位置情報で示された位置が目的地に設定されないとき、ナビゲーション装置40は、位置情報で示された位置が目的地に設定されていないことを判別可能とする通知が、受信メールの応答として送信される。したがって、目的地の設定や応答を容易に行えるだけでなく、送信したメールに対してナビゲーション装置側でどのような動作が行われたか確認できるようになる。
【0128】
また、上述の第1〜第5の動作では、メールで示された位置情報を用いて目的地の設定を行ったとき、到着予想時刻を自動的に応答する動作を行っている。このため、目的地の設定後、道路の混雑状況等が変化すると通知された到着予想時刻と実際の到着時刻が大きく異なってしまうおそれがある。このため、ナビゲーション装置40は、応答情報で示した到着予想時刻と、その後算出した新たな到着予想時刻との時間差を算出して、時間差が予め設定した所定時間よりも大きくなったとき、新たな到着予想時刻を示す応答情報を通信端末装置20から送信してもよい。このような動作を行えば、目的地の設定や応答を容易に行えるだけでなく、より精度の高い到着予想時刻の応答を容易に行うことができるようになる。
【0129】
また、上述の第1〜第5の動作において、メールで示す位置情報は、メール送信者の現在位置だけでなく、メール送信者が指定した位置であってもよい。例えば、メール送信者の現在位置と異なる待ち合わせ場所の位置をメールで送信すれば、相手が待ち合わせ場所に到着する時刻を把握できるので、時間を有効に活用できる。
【0130】
さらに、応答情報の送信先はメール送信元に限らず、メールの内容に基づいて送信先を指定してもよい。例えば待ち合わせを行う人がメール送信者でない場合、メール送信者が待ち合わせを行う人の所持している通信端末装置に割り当てられているアドレスを送信先識別情報として指定する。このように、メールで送信先識別情報を指定すれば、待ち合わせを行う人の通信端末装置に対して、到着予想時刻を通知することができる。
【0131】
さらに、送信先識別情報はアドレスに限らず電話番号等であってもよい。また、応答情報は音声情報であってもよい。例えば、送信先識別情報として電話番号を用いて、応答情報として音声情報を用いれば、メールの送受信を行うことができない人に対しても固定電話機を介して音声で到着予想時刻を通知できるようになる。
【0132】
なお、本発明は、上述した発明の実施の形態に限定して解釈されるべきではない。この発明の実施の形態は、例示という形態で本発明を開示しており、本発明の要旨を逸脱しない範囲で当業者が実施の形態の修正や代用をなし得ることは自明である。すなわち、本発明の要旨を判断するためには、特許請求の範囲を参酌すべきである。
【産業上の利用可能性】
【0133】
この発明のナビゲーション装置とその制御方法およびナビゲーションシステムでは、通信端末装置で受信された受信情報に位置情報が含まれていたとき、この位置情報を用いて目的地の設定が行われる。また、設定された目的地への到着予想時刻が地図データと測位信号を受信して検出された現在位置に基づいて算出されて、算出した到着予想時刻を示す応答情報が通信端末装置から送信される。このため、目的地設定と応答を容易に行うことができるようになることから、車に搭載されるカーナビゲーション装置に適している。
【符号の説明】
【0134】
10・・・通信網、20,60・・・通信端末装置、21・・・アンテナ、22・・・通信部、23・・・音声処理部、24,44・・・音声出力部、25・・・音声入力部、26,43・・・操作部、27,42・・・表示部、28,46・・・近距離通信部、29・・・通信端末制御部、 40・・・ナビゲーション装置、41・・・位置検出部、45・・・地図データ記憶部、46・・・近距離通信部、47・・・ナビゲーション制御部,70・・・GPS衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
測位信号を受信して現在位置を検出する位置検出部と、
地図データを記憶する地図データ記憶部と、
通信端末装置と通信を行う近距離通信部と、
前記近距離通信部を介して受信した前記通信端末装置で受信された受信情報に位置情報が含まれていたとき、該位置情報を用いて目的地の設定を行い、該設定した目的地への到着予想時刻を前記地図データと前記現在位置に基づいて算出し、該算出した到着予想時刻を示す応答情報を、前記近距離通信部を介して前記通信端末装置から送信する制御部と
を有するナビゲーション装置。
【請求項2】
表示部を有し、
前記制御部は、前記受信情報の送信元を示す送信元識別情報が登録されているか否かを判別して、登録されていると判別したときは、前記受信情報の送信元識別情報に対応して登録されている情報を前記表示部で表示して、登録されていない判別したときは、前記送信元識別情報を前記表示部で表示する
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記受信情報に位置情報が含まれていないとき、前記受信情報を前記表示部で表示する
請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記位置情報で示された位置を目的地として自動的に設定する
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
操作部を有し、
前記制御部は、前記位置情報で示された位置を目的地に設定する操作が前記操作部で行われないとき、前記位置情報で示された位置が目的地に設定されていないことを判別可能とする応答情報を、前記近距離通信部を介して前記通信端末装置から送信する
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記制御部は、前記受信情報に基づいて前記応答情報の送信先を決定する
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記送信した到着予想時刻と、その後に算出した到着予想時刻との時間差が所定の時間差を超えたとき、
前記その後に算出した到着予想時刻を示す応答情報を、前記近距離通信部を介して前記通信端末装置に送信する
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
ナビゲーション装置の制御方法において、
位置検出部で測位信号を受信して現在位置を検出するステップと、
近距離通信部で通信端末装置と通信を行うステップと、
制御部で、前記近距離通信部を介して受信した前記通信端末装置で受信された受信情報に位置情報が含まれていたとき、該位置情報を用いて目的地の設定を行い、該設定した目的地への到着予想時刻を地図データ記憶部に記憶されている地図データと前記現在位置に基づいて算出し、該算出した到着予想時刻を示す応答情報を、前記近距離通信部を介して前記通信端末装置から送信するステップと
を備えるナビゲーション装置の制御方法。
【請求項9】
通信端末装置とナビゲーション装置を備え、
前記通信端末装置は、
通信網を介した通信を行う通信部と、
前記ナビゲーション装置と通信を行う近距離通信部と、
前記通信部で受信した受信情報を、前記近距離通信部を介して前記ナビゲーション装置に送信して、前記近距離通信部を介して受信した応答情報を前記通信部から送信する通信端末制御部とを有し、
前記ナビゲーション装置は、
測位信号を受信して現在位置を検出する位置検出部と、
地図データを記憶する地図データ記憶部と、
通信端末装置と通信を行う近距離通信部と、
前記近距離通信部を介して受信した前記通信端末装置で受信された受信情報に位置情報が含まれていたとき、該位置情報を用いて目的地の設定を行い、該設定した目的地への到着予想時刻を前記地図データと前記現在位置に基づいて算出し、該算出した到着予想時刻を示す応答情報を、前記近距離通信部を介して前記通信端末装置に送信するナビゲーション制御部と
を有するナビゲーションシステム。
【請求項10】
前記通信端末制御部は、前記通信部で受信した受信情報に位置情報が含まれていたときに、該受信情報を前記近距離通信部を介して前記ナビゲーション装置に送信する
請求項9記載のナビゲーションシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−196760(P2011−196760A)
【公開日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−62186(P2010−62186)
【出願日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】