説明

ナビゲーション装置と関心地点情報提示方法

【課題】 関心地点情報を乗員の負担を軽減して検索、提示するナビゲーション装置とその関心地点情報提示方法を提供する。
【解決手段】 ナビゲーション装置50は、地図情報記憶部3、ディスプレイ4a、走行軌跡記憶部6、現在位置検出部11、走行軌跡にもとづき車両の迷走状態を判定検出する迷走状態判定部15、迷走範囲特定部16、近傍地理検索部17から構成されている。迷走状態判定部が迷走状態と判定したとき、迷走範囲特定部は走行軌跡から迷走区間を特定し、迷走区間を覆う2次元の迷走範囲を特定する。近傍地理検索部は、特定された迷走範囲内に存在するPOI情報を地図情報記憶部から検索してディスプレイに提示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置と関心地点情報提示方法に関する。特に、運転者が道に迷った場合に、目指す目的地、目印とする目標物の迅速な発見を支援するナビゲーション装置と関心地点情報提示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両の走行中に道路、交差点の名称などの周辺情報を音声などにより案内するナビゲーション装置において、車両挙動の履歴情報を記録し、この履歴情報にもとづいて車両が迷走状態かどうかを判定し、迷走状態と判定した場合は、そうでない場合よりも短い周期で周辺情報を乗員に提示することにより、迷走時に対応した頻度の情報提供を可能とするナビゲーション装置が開示されている(特許文献1)。
また、この従来技術の迷走状態の検出判定方法としては、車両挙動の履歴情報として走行軌跡を用い、走行軌跡が交差または近接していることを検出する判定方法、車両挙動の履歴情報としてターンシグナルの操作履歴を用い、ターンシグナルの短時間での繰り返し操作など不安定なターンシグナル操作を検出して判定する方法が示されている。
【特許文献1】特開平10−122881号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来技術では、迷走状態かそうでないかを判定して、迷走状態とそうでない場合とで、車両の走行中に道路名称、交差点の名称などの周辺情報の提示頻度を切り換えるだけに留まっていた。
運転者が道に迷うということは、その近辺で乗員の関心のある地点の情報(以下、POI(Point of Interest、関心地点)情報と称する)を探していると考えられる。しかし、従来技術はそのような運転者が探していると思われるPOI情報の候補を提示するまでには至っていなかった。
【0004】
本発明は、上記の問題点を解決するために、その近辺で乗員が探している目的のPOI情報の候補を提示できるナビゲーション装置と、POI情報提示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
このため、本発明は、ナビゲーション装置において、車両挙動を記録し、車両挙動にもとづき自車両が迷走状態かどうかを判定し、迷走状態と判定された場合に、自車両の迷走範囲を特定し、迷走範囲内に存在する関心地点情報を検索し、検索された関心地点情報から目的の関心地点情報を乗員が選択可能とし、選択された関心地点情報をディスプレイに提示するものとした。
【発明の効果】
【0006】
本発明により、車両挙動にもとづき自車両の迷走状態を判定し、迷走状態と判定したとき迷走範囲を特定し、迷走範囲に含まれる関心地点情報を検索し、検索された関心地点情報から選択してディスプレイに提示するので、迷走状態にある乗員に対して探している対象である可能性が高い関心地点情報を効率よく絞り込んで提示できる。
その結果、迷走状態からの速やかな脱出を支援できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施の形態を実施例により説明する。
【実施例1】
【0008】
図1は第1の実施例のナビゲーション装置の構成図である。
ナビゲーション装置50は、入力部2、地図情報記憶部3、ディスプレイ4a、スピーカ4b、走行軌跡記憶部6、現在位置検出部11、迷走状態判定部15、迷走範囲特定部16、近傍地理検索部17、ナビゲーション処理部21とから構成されている。
【0009】
地図情報記憶部3は、例えばDVD駆動装置からなり、地図情報を格納している。地図情報としては、ディスプレイ4aに表示する道路地図データと、道路地図データの座標と関係付けられ、所在地、名称、電話番号などから検索可能としたPOI情報をその位置座標(以下、POI情報位置と称する)とともに含んでいる。
ここではPOI情報には、店舗、公共施設などの施設情報以外に、道路地図データの位置座標に関係付けられた交差点名称、道路名称、地域名称も含むものとする。
特に、広域の地域名称であって地図表示の際の名称の表示位置として位置座標が定められているものは、検索にあったって表示位置座標をもって道路地図データと位置関係が関係付けられたPOI情報と見なす。
【0010】
地図情報は、さらに道路を所定の長さの道路リンクのつながりで表した道路情報を含んでいる。この道路情報は、道路リンクデータとして個々の道路リンクに対して、リンクID、道路リンクの起点と終点であるノードの位置座標とノードID、ノードにおいて接続している隣接道路リンクのリンクID、道路の属性(例えば、当該の道路リンクが国道1号線に属しているなどを示す)、道路の種別(高速道路、国道、県道、市道、町道など)、道路幅、道路リンクの長さ、道路リンクの接続方向などの情報を含んでいる。
【0011】
現在位置検出部11は、例えば、車速を検出する車速センサ、車両の走行方位を検出する地磁気センサまたはジャイロなどの方位センサ、GPS衛星からの電波信号を受信して自車両の位置座標を算出するGPS装置からの信号にもとづき、自車両の現在位置の位置座標を算出し、さらに走行方向を算出する。
なお、現在位置検出部11は、GPS装置の有する計時機能を利用して、算出した現在位置の位置座標を時刻データとともに走行軌跡記憶部6に入力する。
【0012】
走行軌跡記憶部6は、例えばRAMを含む。走行軌跡記憶部6は、現在位置検出部11で算出された自車両の位置にもとづき、地図情報記憶部3から自車両の走行している道路リンクデータを抽出し、所定の周期で自車両の現在位置の位置座標と、時刻データとともに時系列的に走行軌跡として記録する。
なお、道路リンクデータの記録は、現在走行中の道路リンクが新しい道路リンクに移行したときにのみ新しい道路リンクデータを記録し、同一道路リンク上を走行中は、同一道路リンクデータは繰り返して記録しないこととする。
【0013】
ナビゲーション処理部21は、ナビゲーション装置50全体を制御する部分であり、ソフトウェアの作用によって処理し、現在位置、走行方向を算出する機能以外の通常のナビゲーション装置が有する、例えば目的地を検索・設定する機能、現在位置から目的地までの経路を探索・設定する機能、高頻度に目的地設定に使用する地点を予め登録する地点登録機能、現在位置にもとづき現在位置周辺の地図をディスプレイ4aに表示させる機能、地図情報記憶部3に格納されているPOI情報をディスプレイ4aに表示させる機能、設定された経路に沿った道路案内をディスプレイ4aとスピーカ4bを用いて行う機能を有している。
入力部2は、図示省略の操作盤に取り付けられ、乗員が種々の指示を入力操作するのに用いるスイッチを備える。
ディスプレイ4aは、ナビゲーション処理部21が情報処理した画像情報または文字情報を提示し、スピーカ4bはナビゲーション処理部21が情報処理した音声情報を提示する。
【0014】
迷走状態判定部15は、走行軌跡記憶部6に記録された走行軌跡を監視し、自車両の現在位置と走行軌跡の関係にもとづき自車両が迷走状態かどうかを判定する。迷走状態かどうかの判定は、例えば特許文献1に示されているように、走行軌跡記憶部6に記録された走行軌跡の道路リンクが、所定の時間内で近接、または交差するのを検出した場合、また所定の時間内で所定の距離内のほぼ平行な道路リンクを自車両が走行していることを検出した場合は、迷走状態と判定する。
なお、走行軌跡の近接、ほぼ平行な道路リンクの検出に当たり、迷走状態判定部15は、必要に応じて地図情報記憶部3の道路情報、道路地図データを参照するものとする。
【0015】
迷走範囲特定部16は、迷走状態判定部15において迷走状態と判定されたとき、走行軌跡と道路地図データにもとづき迷走範囲を特定し、近傍地理検索部17に入力する。
近傍地理検索部17は、迷走範囲特定部16が特定した迷走範囲に含まれるPOI情報を地図情報記憶部3から検索し、ナビゲーション処理部21に出力し、ディスプレイ4aに表示させる。
【0016】
図2にもとづき迷走状態の判定方法を説明する。走行軌跡を太実線で示す。
(a)に示すように、所定時間内に、走行軌跡上の2地点A、B間の距離が所定の距離L1以下まで近接した場合、(b)に示すように所定時間内に、走行軌跡が交差した場合、(c)に示すように所定時間内に、すでに走行済みの道路から所定距離L2以内のほぼ平行な道路を走行した場合などを迷走状態と判定する。
【0017】
図2の細実線LPは、迷走区間に相当する部分走行軌跡を模式的にループ状の矢印で示したものである。
(a)の場合、走行軌跡上の地点A(始点)から地点B(終点)に至る部分走行軌跡を切り出し、これを迷走区間LPとする。
(b)の場合、走行軌跡上の交点である地点A(始点)から再び地点A(終点)に戻る部分走行軌跡を切り出し、これを迷走区間LPとする。
(c)の場合、近接したほぼ平行な道路リンクに沿って延長して、走行軌跡に交差する地点Dを求め、地点D(始点)から再び地点D(終点)に戻る部分走行軌跡を切り出し、これを迷走区間LPとする。(c)において破線方向からC点を経由して太実線の矢印の走行軌跡を進んだ場合は、地点C(始点)から地点D(終点)に至る部分走行軌跡を切り出し、これを迷走区間LPとする。
もし、走行軌跡中に複数の近接箇所、交差箇所がある場合は、その中で最も過去に近接または交差した地点(始点)から最も現在に近い時点で近接または交差した地点(終点)までを迷走区間LPとする。
【0018】
次に図3にもとづき迷走範囲の特定方法を説明する。(a)に示すように、例えば図2の(a)の場合の迷走区間LPに対し、緯度方向、経度方向のそれぞれの座標の最大値、最小値を求め、これらで規定される破線で囲った矩形領域を迷走区間覆域Rとする。
ここで、迷走区間覆域Rの経度方向の長さをRx、緯度方向の長さをRyとする。
さらに、迷走区間覆域Rを経度方向、緯度方向に外側に所定距離だけ拡大した迷走区間覆域Rを定める。この迷走区間覆域Rが、本発明の迷走範囲に対応する。
なお、迷走区間覆域Rから迷走区間覆域Rへの拡大は、所定距離の外側への加算の代わりに、Rx、Ryの長さに所定の倍率を乗じて外側に拡大してもよい。
この迷走区間覆域Rから迷走区間覆域Rへの拡大は、乗員の探している目標物なり地点が、迷走区間LPの内側とは限らず、外側の場合もありうるからである。
【0019】
なお、本実施例では、現在位置検出部11、迷走状態判定部15、迷走範囲特定部16、近傍地理検索部17、ナビゲーション処理部21は、1つのCPUにより構成される。
【0020】
図4は、本実施例におけるPOI情報の検索、提示の制御の流れを示すフローチャートである。
図示省略のキースイッチをオンするとナビゲーション装置50が起動する。本実施例においては、運転者は、ナビゲーション装置50に対して目的地設定、経路設定を行わず、現在位置周辺地図表示機能で、通りの名称などを目標に目的の建物の看板などを探しながら走行しているものとする。
【0021】
ステップ101では、現在位置検出部11は、自車両の現在位置の位置座標、進行方向を所定の周期で算出する。
ステップ102では、ナビゲーション処理部21が、ディスプレイ4aに現在位置周辺の地図表示をさせる。
ステップ103では、走行軌跡記憶部6が、現在位置検出部11で算出された位置座標にもとづき、現在走行中の道路リンクを特定し、特定された道路リンクデータと、道路リンク内での位置座標と、時刻データを時系列的に走行軌跡として記録する。
【0022】
ステップ104では、迷走状態判定部15が、現在位置と走行軌跡記憶部6に記録された走行軌跡を監視し、自車両が迷走状態かどうか判定する。その判定は、図2に示したように所定時間内の走行軌跡の近接、交差、所定距離内のほぼ平行な道路の走行を検出したとき、迷走状態と判定する。
迷走状態と判定したときは、ステップ105に進み、迷走状態と判定されなかったときは、ステップ110に進む。
ステップ105では、迷走範囲特定部16は、迷走範囲を特定する、つまり図3に例示する方法で部分走行軌跡にもとづき迷走区間覆域Rを設定する。迷走範囲特定部16は、特定した迷走範囲を近傍地理検索部17に出力する。
【0023】
ステップ106では、近傍地理検索部17は、迷走範囲内のPOI情報を地図情報記憶部3から検索し、検索結果をナビゲーション処理部21に出力する。
ステップ107では、ナビゲーション処理部21は、検索されたPOI情報を乗員の目的地候補としてディスプレイ4aに表示させる。
このときのPOI情報の表示は、交差点名称、地点名称、地域名称、施設名称などPOI情報の名称データのみを一覧表に提示する。
ステップ108では、ディスプレイ4aに表示されたPOI情報の名称の中から入力部2を用いて乗員が特定のPOI情報を選択する操作を受けて、ナビゲーション処理部21は、選択されたPOI情報を特定する。
【0024】
ステップ109では、ナビゲーション処理部21は、現在位置検出部11から得られる現在位置と、ステップ108で特定されたPOI情報のPOI情報位置を含む周辺地図をディスプレイ4aに表示させる。
この結果、乗員は周辺地図を見て、現在位置と選択したPOI情報のPOI情報位置との位置関係などを確認できる。
ステップ109の後、ステップ110に進む。
ステップ110では、ナビゲーション処理部21は、キースイッチがオフされてナビゲーション機能終了かどうかをチェックする。ナビゲーション機能が継続している場合は、ステップ101に戻り、ナビゲーション機能が終了している場合は、本制御は終了する。
【0025】
本実施例のフローチャートにおけるステップ103は本発明の車両挙動履歴記憶手段を、ステップ104は迷走状態判定手段を、ステップ105は迷走範囲特定手段を、ステップ106は近傍地理検索手段を、ステップ107、108は選択手段を構成する。
【0026】
以上のように本実施例によれば、迷走状態判定部15が迷走状態を判定検出し、迷走範囲特定部16が乗員の探している目的地または目標物を含む可能性の高い領域を特定し、近傍地理検索部17がその領域に含まれるPOI情報を検索し提示するので、従来技術のように、迷走状態を検出して単に交差点名称、道路名称などの周辺情報を乗員に提示する周期を、迷走状態ではない場合より短くする場合より、目標物を探している乗員に対して親切な直接的な支援を行うことができる。
【0027】
また、探している目的のPOI情報の絞り込みのために明示的な音声入力または乗員による手動操作を行わずとも、走行軌跡の近接、交差などから容易に迷走状態を自動判定して近接点または交差点を始点および終点とする部分走行軌跡にもとづいて迷走範囲を特定するので、POI情報の数が迷走範囲内に含まれるものに自動的に絞り込まれる。
したがって、目的のPOI情報候補の検索が簡単に効率よく行え、乗員の入力操作の負担が減じられる。
さらに、ステップ107のPOI情報の提示は、POI情報の名称のみを一覧表にして提示し、乗員が簡単に名称から選択しやすく提示するので、簡単な選択操作で容易にPOI情報を特定できる。
【実施例2】
【0028】
次に本発明の第2の実施例を説明する。
図5は第2の実施例のナビゲーション装置の構成図である。第1の実施例と同じ構成については同一の符号を付し、説明を省略する。
ナビゲーション装置50’は、入力部2、地図情報記憶部3、ディスプレイ4a、スピーカ4b、マイク8、音声認識部12、車両挙動監視センサ5、走行軌跡記憶部6、ターン挙動履歴記憶部7、現在位置検出部11、迷走状態判定部15’、迷走範囲特定部16’、近傍地理検索部17、ナビゲーション処理部21’とから構成されている。
【0029】
マイク8は、乗員の音声を取得可能に車室内に配置されており、マイク8で取得された音声信号は音声認識部12に入力される。
ナビゲーション処理部21’は、第1の実施例における機能に加えて、音声認識部12を音声入力待ち受け状態オンまたはオフに制御したり、音声認識部12の音声認識に応じて情報処理したり、音声認識制御部12の用いる音声認識辞書を作成、登録したりする機能を有する。
音声認識部12は、ナビゲーション処理部21’に制御され、マイク8からの音声信号を音声認識し、音声認識した結果をナビゲーション処理部21’に出力する。
【0030】
車両挙動監視センサ5は、ターンシグナルスイッチに接続し、そのオン、オフを検出し、ターンシグナルスイッチ信号をターン挙動履歴記憶部7に入力する。車両挙動監視センサ5は、さらに操舵角センサを有し、操舵角信号をターン挙動履歴記憶部7に入力する。
ターン挙動履歴記憶部7は、計時機能を内蔵し、ターンシグナルスイッチがオン状態の間、左または右ターンシグナルスイッチ信号および操舵角信号を、短周期の時系列で時刻データとともに記録し続ける。ターンシグナルスイッチがオフになると記録を停止し、再びターンシグナルスイッチがオンになった場合、その後に続けて記録をする。
【0031】
迷走状態判定部15’は、現在位置と走行軌跡記憶部6に記録された走行軌跡と、ターン挙動履歴記憶部7に記録されたターン挙動履歴を監視し、過去の一定時間内の自車両の不安定な挙動を検出し、自車両が迷走状態であると判定する。
車両の不安定挙動の検出は、短時間内でのレーンチェンジの繰り返し、短時間内でのUターンの繰り返しなどターンシグナルスイッチの頻繁な操作を伴う走行方向の転換、ターンシグナルスイッチの操作と矛盾する走行を検出することで行う。
なお、迷走状態判定部15’は、必要に応じて地図情報記憶部3の道路情報、道路地図データを参照するものとする。
【0032】
迷走範囲特定部16’は、迷走状態判定部15’において迷走状態と判定されたとき、走行軌跡と道路地図データにもとづき迷走範囲を特定し、近傍地理検索部17に入力する。
近傍地理検索部17は、迷走範囲特定部16’が特定した迷走範囲に含まれるPOI情報を地図情報記憶部3から検索し、ナビゲーション処理部21’に出力し、ディスプレイ4aに表示させる。
【0033】
図6から図8にもとづき迷走状態の判定方法と迷走範囲の特定方法を説明する。
例えば、図6の(a)の太実線で示す走行軌跡のA部において、ターン挙動履歴記憶部7に記憶されたターンシグナルスイッチ信号と操舵角信号から×印で示した位置において、例えば右→左→右という頻繁なレーンチェンジを検出した場合、車両の不安定挙動として検出する。
また、走行軌跡のB部に示すように、一時的に脇道に入りすぐ元の道に戻るような短時間のターンシグナルスイッチの操作と操舵の繰り返しを検出した場合も、車両の不安定挙動として検出する。
【0034】
さらに、例えばC点でターンシグナルスイッチを操作したにもかかわらずターンシグナル方向と矛盾した走行をした場合には、車両の不安定挙動として検出する。
なお、不安定挙動が単発的に偶然発生したのではなく、確かに車両が迷走しているという推測をより確実なものにするために、一定時間内に断続的に不安定挙動が発生する状態を迷走状態として検出することが望ましい。
【0035】
図6の(a)の例では、過去の一定時間内のA部、B部、C点の3箇所における不安定挙動を検出して、迷走状態判定部15’は、自車両が迷走状態と判定し、迷走範囲特定部16’は、3箇所に対応する時刻データから走行軌跡記憶部6に記録された走行軌跡上の位置座標を算出し、A部から地点C点を結ぶ部分走行軌跡を迷走区間Lと特定する。(b)に示すように、迷走範囲特定部16’は迷走区間Lに対して、第1の実施例と同様に迷走区間覆域Rを設定し、迷走区間覆域Rを含む迷走区間覆域Rを設定する。つまり迷走範囲を特定する。
【0036】
次に、市街において目的地近くで方向転換を頻繁に繰り返す車両の不安定挙動の例を図7、図8に示す。
図7の(a)は、市街の幹線道路のD点とE点の間に、左右に脇道S1からS5が存在しており、運転者は左右の脇道を確認しながら目的地を探し、D点とE点とで方向転換(Uターン)を繰り返す場合である。
【0037】
ここでは、迷走状態判定部15’が、ターン挙動履歴記憶部7に記憶されたターン挙動履歴と走行軌跡記憶部6に記録された走行軌跡から、車両がD地点を通過してE地点に向かい、E地点でUターンしてD地点方向に進み、その後D地点で再びUターンしE地点方向に向かい、E地点で再々度Uターンを行う計3回の頻繁なUターンを検出して迷走状態と判定する。
この場合迷走範囲特定部16’は、迷走区間Lとして地点Dと地点Eを結ぶ区間を特定し、(b)に示すように迷走区間覆域Rを設定し、迷走区間覆域Rを含む迷走区間覆域Rを設定する。
なお、(b)では、たまたま迷走区間Lが緯度方向の線分であるため走行区間覆域Rの経度方向の幅はゼロである。
【0038】
図8の(a)は、市街の幹線道路から左折して脇道に入り、右折を繰り返して目的の建物を探す場合である。
ここでは、迷走状態判定部15’が、ターン挙動履歴記憶部7に記憶されたターン挙動履歴と走行軌跡記憶部6に記録された走行軌跡から、車両が狭い範囲での方向転換の繰り返しを検出して迷走状態と判定する。
この場合、迷走範囲特定部16’は、短時間に発生した×印で示す方向転換点を全て含む迷走区間Lを特定し、(b)に示すように迷走区間覆域Rを設定し、迷走区間覆域Rを含む迷走区間覆域Rを設定する。
【0039】
なお、本実施例では、ターン挙動履歴記憶部7は、例えばRAMを含む。また、現在位置検出部11、音声認識部12、迷走状態判定部15’、迷走範囲特定部16’、近傍地理検索部17、ナビゲーション処理部21’は、1つのCPUにより構成される。
【0040】
図9、図10は、本実施例におけるPOI情報の検索、提示の制御の流れを示すフローチャートである。
なお、本実施例のフローチャートのステップ215、ステップ216は、第1の実施例におけるフローチャートのステップ109、ステップ110と同じであり、説明を省略する。
図示省略のキースイッチをオンするとナビゲーション装置50’が起動する。本実施例においては、運転者は、ナビゲーション装置50’に対して目的地設定、経路設定を行わず、現在位置周辺地図表示機能で、通りの名称などを目標に目的の建物の看板などを探しながら走行しているものとする。
【0041】
ステップ201では、現在位置検出部11は、自車両の現在位置の位置座標、進行方向を所定の周期で算出する。
ステップ202では、ナビゲーション処理部21’が、ディスプレイ4aに現在位置周辺の地図表示をさせる。
ステップ203では、走行軌跡記憶部6が、現在位置検出部11で算出された位置座標にもとづき、現在走行中の道路リンクを特定し、特定された道路リンクデータと、道路リンク内での位置座標と、時刻データを時系列的に走行軌跡として記録する。
【0042】
ステップ204では、ターン挙動履歴記憶部7は、ターンシグナルスイッチがオンかどうかをチェックする。オンの場合はステップ205に進み、オンで無い場合はステップ207に進む。
ステップ205では、ターン挙動履歴記憶部7は、ターンシグナルスイッチ信号と操舵角信号を時刻データとともに記録する。
ステップ206では、ターン挙動履歴記憶部7は、ターンシグナルスイッチがオンからオフになったかどうかをチェックする。オフになった場合はステップ207に進み、オンが続いている場合はステップ205に戻る。
ステップ204からステップ206は、割り込み処理であり、ターンシグナルスイッチがオンの間、ターンシグナルの方向、そのときの操舵角の変化が、短周期的にターン挙動履歴記憶部7によって記録される。
【0043】
ステップ207では、迷走状態判定部15’が、自車両が迷走状態かどうかを判定する。
この判定は、迷走状態判定部15’が、現在位置と走行軌跡記憶部6に記録された走行軌跡と、ターン挙動履歴記憶部7に記録されたターン挙動履歴を監視し、所定の過去の一定時間内の走行中に自車両が図6、図7、図8で説明したような不安定な挙動を検出したかどうかで判定する。
例えば、図6の(a)の場合は、所定時間内におけるA部、B部、C地点の3箇所においての車両の不安定挙動を検出して、迷走状態と判定する。
迷走状態判定部15’は、迷走状態と判定したとき、検出した不安定な挙動の時刻データを迷走範囲特定部16’に出力する。
【0044】
迷走状態と判定したときは、ステップ208に進み、迷走状態と判定されなかったときは、ステップ216に進む。
ステップ208では、迷走範囲特定部16’は、走行軌跡記憶部6に記録された走行軌跡にもとづいて、不安定挙動の発生時刻から不安定挙動発生箇所を特定する。
ステップ209では、迷走範囲特定部16’は、所定時間内に検出された不安定箇所を全て包含する迷走範囲を特定する、つまり迷走区間覆域Rを求める。迷走範囲特定部16’は、特定した迷走範囲を近傍地理検索部17に出力する。
【0045】
ステップ210では、近傍地理検索部17は、迷走範囲内のPOI情報を地図情報記憶部3から検索し、検索結果をナビゲーション処理部21’に出力する。
ステップ211では、ナビゲーション処理部21’は、検索されたPOI情報の名称を語彙とする音声認識辞書を作成して音声認識部12に登録する。そして、音声認識部12を音声入力待ち受け状態オンとする。
ステップ212では、ナビゲーション処理部21’は、検索されたPOI情報を乗員の目的地候補としてディスプレイ4aに表示させる。このときのPOI情報の表示は、交差点名称、地点名称、地域名称、施設名称などPOI情報の名称データのみを一覧表に提示する。
【0046】
ステップ213では、音声認識部12は、ステップ211で登録された音声認識辞書にもとづき乗員の音声指示を音声認識し、音声認識辞書に含まれる語彙を検出したとき、ナビゲーション処理部21’に出力する。
ステップ214では、ナビゲーション処理部21’は、乗員の音声入力指示からPOI情報を特定する。その後、ナビゲーション処理部21’は、音声認識部12を音声入力待ち受け状態オフとする。
【0047】
本実施例のフローチャートにおけるステップ203とステップ204〜206は本発明の車両挙動履歴記憶手段を、ステップ207は迷走状態判定手段を、ステップ208、209は迷走範囲特定手段を、ステップ210は近傍地理検索手段を、ステップ211〜214は選択手段を構成する。
以上のように本実施例によれば、迷走状態判定部15’が迷走状態を判定検出し、迷走範囲特定部16’が乗員の探している目的地または目標物を含む可能性の高い領域を特定し、近傍地理検索部17がその領域に含まれるPOI情報を検索し提示するので、第1の実施例同様に従来技術よりも目標物を探している乗員に対して親切な直接的な支援を行うことができる。
【0048】
また、探している目的のPOI情報の絞り込みのために明示的な音声入力または乗員による手動操作を行わずとも、所定時間内の自車両の不安定挙動の発生を検出し迷走状態を自動判定し、走行軌跡上の不安定挙動発生箇所を始点および終点とする部分走行軌跡にもとづいて迷走範囲を特定するので、POI情報の数が迷走範囲内に含まれるものに自動的に絞り込まれる。
したがって、目的のPOI情報候補の検索が簡単に効率よく行え、乗員の入力操作の負担が減じられる。
【0049】
さらに、本実施例では、乗員がディスプレイ4a上の検索された結果のPOI情報の名称の一覧表を見て、特定のPOI情報を音声入力指示で選択するとき、音声認識部12は、検索されたPOI情報の名称を語彙とする辞書にもとづいて音声入力指示を音声認識すればよいので、効率の良い音声認識ができる。
一般に地名、施設名などの固有名詞を指定して、そこを目的地に設定したりその周辺の地図を呼び出して表示させたりする場合、これを音声入力で行うためには、膨大な数に昇る固有名詞の認識辞書を前もって登録し、音声認識に当たってはそのいずれに該当するかをチェックするという非効率な音声認識になる。
【0050】
一つの解決策として、登録された全語彙を例えば地域や種類で多段階に分類し、「神奈川県」、「駅」、「追浜駅」というように、分類を音声入力しながら徐々に認識させる語彙を絞ってゆき、最終的に目的とする固有名詞を音声入力して認識特定させる方法があるが、段階を追って数回に分けて発話を繰り返す必要があり、特定のPOI情報を選択するのに時間が掛かる。
本実施例によれば、乗員の探しているPOI情報が迷走範囲内に存在する可能性が高いとして、目的のPOI情報を1回の発話で認識させることができ、極めて効率的なPOI情報の選択を可能としている。
【0051】
第1の実施例、第2の実施例における迷走範囲特定部16、16’での迷走区間LPまたは迷走区間Lに対する迷走区間覆域Rの設定方法は、図3、または図6から図8に示すような迷走区間LP、Lの位置座標の経度方向、緯度方向のそれぞれの最大値、最小値を用いて、短辺と長辺が経度方向、緯度方向の矩形領域を設定するものに限定されない。
迷走範囲特定部16、16’は、迷走区間LP、Lの左右両側に所定の距離の帯領域を設定し、この帯領域を迷走区間覆域Rとしても良い。
【0052】
また、第1の実施例および第2の実施例における迷走範囲特定部16、16’での迷走区間覆域Rから迷走区間覆域Rを設定する方法において、所定の距離の加算または所定倍率を乗じることにしたが、それに限定されない。
走行軌跡として記録された道路リンクデータには、高速道路、国道、県道、町道などの道路の種別、つまり道路の規模が含まれている。迷走範囲特定部16、16’は、迷走区間覆域Rから迷走区間覆域Rへ拡大するに当たって、走行軌跡記憶部6の迷走区間LP、Lに含まれる道路リンクデータを読み出し、道路の規模に応じて、予め決めた関係式により大規模な道路ほど迷走区間覆域Rを大きくしても良い。もし、迷走区間LP、Lの道路の種別が一様でない場合は、例えば迷走区間に含まれている中でもっとも大きい道路の規模を選定する。
【0053】
これは、市道や町道など規模の小さい道路のみを含んだ迷走区間LP、Lの場合は、乗員の探している目標物は近距離にある可能性が高く、迷走区間覆域Rよりもより外側に広げる領域を小さくするものである。
一方、迷走区間LP、Lが国道などの規模の大きい道路を含む場合は、乗員は現在位置から遠距離にある最終的な目的地に至るための分岐点を探している可能性があり、そのような分岐点を検索落ちさせないように、迷走区間覆域Rよりもより遠く外側まで迷走区間覆域Rを設定する。
このように迷走区間LP、Lの道路の規模に応じて迷走区間覆域Rの設定を可変にすることにより、乗員の探しているPOI情報の検索漏れの可能性を低減でき、かつ不必要に広い領域のPOI情報を検索して効率を落とすことがないように柔軟な迷走区間覆域Rの設定が可能となる。
【0054】
迷走区間覆域Rから迷走区間覆域Rを設定する別の方法として、走行軌跡には、走行軌跡記録時の自車両の位置座標、時刻データが時系列に記録されているので、迷走範囲特定部16、16’は、走行軌跡の時系列の位置座標と時刻データから迷走区間LP、Lの平均の車速を算出し、予め決めた関係式により迷走区間LP、Lの平均車速が大きいほど迷走区間覆域Rを大きくしても良い。
迷走区間LP、Lを例えば平均車速25km/h未満の低速で走行しているのは、乗員が沿道の施設、建物、番地などピンポイントの目標を探しており、迷走区間LP、Lを例えば平均車速25km/h以上で走行しているのは、広域にわたる領域や道路を目標に探していると考えられるからである。
このように、迷走区間LP、Lにおける平均車速に応じて、迷走区間覆域Rの設定を可変にすることにより、乗員の探しているPOI情報の検索漏れの可能性を低減でき、かつ不必要に広い領域のPOI情報を検索して効率を落とすことがないように柔軟な迷走区間覆域Rの設定が可能となる。
【0055】
同様に近傍地理検索部17における迷走範囲内のPOI情報の検索において、含まれる全てのPOI情報を検索するのではなく、迷走区間LP、Lの道路規模または平均車速に応じて検索するPOI情報の種類を切り替えてもよい。
例えば、道路規模に対し判定基準を設定し、たとえば市道、町道以下は道路規模が小さいとし、県道以上の場合は道路規模が大きいと判定する。迷走区間LP、Lの道路規模が小さいのは、すでに目的地近傍にいて目的地を探しているものとして、具体的な施設、目印となる交差点などを表すPOI情報の名称を検索する。他方、迷走区間LP、Lの道路規模が大きい場合、目的地までの途上で分岐点などを探して迷っているものとして、目的地方向に近づく手がかりとなるような道路名、地名を表すPOI情報を検索する。
【0056】
また、道路規模の代わりに迷走区間LP、Lの平均車速を用い、例えば平均車速が25km/h未満の場合、すでに目的地近傍にいて目的地を探しているものとして、具体的な施設、目印となる交差点などを表すPOI情報の名称を検索する。他方、平均車速が25km/h以上の場合、目的地までの途上で分岐点などを探して迷っているものとして、目的地方向に近づく手がかりとなるような道路名、地名を表すPOI情報を検索する。
【0057】
このように、迷走区間LP、Lの道路の規模または平均車速に応じて、設定された迷走区間覆域R、つまり迷走範囲から検索するPOI情報の種類を変えることにより、推定される乗員のニーズに応じたPOI情報の提示および乗員がさらに絞り込むときの選択がしやすい柔軟なPOI情報の検索が可能となる。
【0058】
なお、迷走区間覆域R内に含まれる道路地図データの位置座標と関係付けて表示するように設定されている道路名称、地域名称においては、迷走区間覆域R内に重複して表示するように設定されているものもありうる。その場合は、現在位置に最も近いものだけに検索を限定するようにして、重複して抽出表示される煩わしさを防止しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】本発明の第1の実施例のナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】走行軌跡にもとづいて迷走状態と判定する方法を説明する図である。
【図3】迷走範囲を特定する方法を説明する図である。
【図4】第1の実施例におけるPOI情報の検索、提示の制御の流れを示すフローチャートである。
【図5】本発明の第2の実施例のナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図6】車両の不安定挙動にもとづいて迷走状態と判定する方法と、迷走範囲を特定する方法を説明する図である。
【図7】車両の不安定挙動にもとづいて迷走状態と判定する方法と、迷走範囲を特定する方法を説明する図である。
【図8】車両の不安定挙動にもとづいて迷走状態と判定する方法と、迷走範囲を特定する方法を説明する図である。
【図9】第2の実施例におけるPOI情報の検索、提示の制御の流れを示すフローチャートである。
【図10】第2の実施例におけるPOI情報の検索、提示の制御の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0060】
2 入力部
3 地図情報記憶部
4a ディスプレイ
4b スピーカ
5 車両挙動監視センサ
6 走行軌跡記憶部
7 ターン挙動履歴記憶部
8 マイク
11 現在位置検出部
12 音声認識部
15、15’ 迷走状態判定部
16、16’ 迷走範囲特定部
17 近傍地理検索部
21、21’ ナビゲーション処理部
50、50’ ナビゲーション装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両の現在位置を検出する現在位置検出部と、
前記自車両の位置により車両挙動を記録する車両挙動履歴記憶手段と、
前記車両挙動にもとづき自車両が迷走状態かどうかを判定する迷走状態判定手段と、
該迷走状態判定手段において迷走状態と判定された場合に、自車両の迷走範囲を特定する迷走範囲特定手段と、
前記迷走範囲内に存在する関心地点情報を検索する近傍地理検索手段と、
前記検索された関心地点情報を選択可能とする選択手段とを備え、
前記選択された関心地点情報をディスプレイに提示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記車両挙動履歴記憶手段は、自車両の位置を走行軌跡として記録し、
前記迷走状態判定手段は、前記走行軌跡の近接または交差を検出して迷走状態と判定し、
前記迷走範囲特定手段は、前記走行軌跡の前記近接点、または交差点を起点および終点とする部分走行軌跡にもとづき、該部分走行軌跡を覆う所定の2次元領域を前記迷走範囲として特定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記車両挙動履歴記憶手段は、自車両の位置を時刻データとともに走行軌跡として記録し、かつ少なくともターンシグナルスイッチ信号を時刻データとともにターン挙動履歴として記録し、
前記迷走状態判定手段は、前記ターン挙動履歴にもとづき車両の不安定挙動を検出して迷走状態と判定し、
前記迷走範囲特定手段は、前記不安定挙動を検出した前記走行軌跡上の箇所を起点および終点とする部分走行軌跡にもとづき、該部分走行軌跡を覆う所定の2次元領域を前記迷走範囲として特定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記迷走範囲特定手段は、前記部分走行軌跡における平均の車速を算出し、該平均の車速の大小に応じて特定する迷走範囲の広さを変えることを特徴とする請求項2または3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記迷走範囲特定手段は、前記部分走行軌跡における道路の規模を取得し、該道路の規模の大小に応じて特定する迷走範囲の広さを変えることを特徴とする請求項2または3に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記迷走範囲特定手段は、前記部分走行軌跡における平均の車速を算出し、
前記近傍地理検索手段は、前記平均の車速の大小に応じて検索する関心地点情報の種類を異ならせることを特徴とする請求項2から5のいずれか1に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記迷走範囲特定手段は、前記部分走行軌跡における道路の規模を取得し、
前記近傍地理検索手段は、前記道路の規模の大小に応じて検索する関心地点情報の種類を異ならせることを特徴とする請求項2から5のいずれか1に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記選択手段は、前記近傍地理検索手段によって検索された前記関心地点情報の名称を一覧表で前記ディスプレイに提示されたものから、選択可能とするものであることを特徴とする請求項1から7のいずれか1に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記選択手段は、前記近傍地理検索手段によって検索された前記関心地点情報の名称にもとづき音声認識辞書を限定し、前記関心地点情報の名称を音声認識して、選択可能とするものであることを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
ナビゲーション装置における関心地点情報提示方法において、
車両挙動を記録し、
前記車両挙動にもとづき自車両が迷走状態かどうかを判定し、
迷走状態と判定された場合に、自車両の迷走範囲を特定し、
前記迷走範囲内に存在する関心地点情報を検索し、
前記検索された関心地点情報から目的の関心地点情報を乗員が選択可能とし、
前記選択された関心地点情報をディスプレイに提示することを特徴とするナビゲーション装置における関心地点情報提示方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−23127(P2006−23127A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−199594(P2004−199594)
【出願日】平成16年7月6日(2004.7.6)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【Fターム(参考)】