ナビゲーション装置における地図画像伝送方法およびナビゲーション装置
【目的】
地図画像発生部から発生された地図画像を表示部に伝送する「ナビゲーション装置における地図画像伝送方法およびナビゲーション装置」に関する。
【構成】
車速を検出し、表示する地図の縮尺率を検出し、該車速が高速になり、かつ、該縮尺率が小さくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて地図画像発生部から表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加し、該車速が低速になり、かつ、該縮尺率が大きくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて該地図画像発生部から該表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を多くすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を減少する。
地図画像発生部から発生された地図画像を表示部に伝送する「ナビゲーション装置における地図画像伝送方法およびナビゲーション装置」に関する。
【構成】
車速を検出し、表示する地図の縮尺率を検出し、該車速が高速になり、かつ、該縮尺率が小さくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて地図画像発生部から表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加し、該車速が低速になり、かつ、該縮尺率が大きくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて該地図画像発生部から該表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を多くすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を減少する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置における地図画像伝送方法およびナビゲーション装置に係り、特に地図画像発生部から送信された地図画像を受信して地図を表示装置に表示するナビゲーション装置における地図画像伝送方法およびナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System)等により検出された現在位置周辺の地図を自動的に表示したり、設定した目的地までの経路を地図上に表示して案内する車載のナビゲーションシステムにおいては、ナビゲーション装置がCD−ROMやDVD、ハードディスク等の地図データ記録媒体から読み出した地図を表示装置側へ送り、表示装置にてその送られた地図を表示する。
車載装置では、リング状の高速伝送路に、ナビゲーション装置や表示装置のほかに、TVチューナ、ラジオチューナ、ヘッドユニット、DVDプレーヤ、アンプ等が接続され、リング状伝送路を介して、画像データ、オーディオデータ、その他のデータが多重伝送され、地図を見ながらCDの音楽やラジオ番組を聴くことができ、あるいは、TV番組やDVD等も楽しむことができる。1本の伝送路を各種データが多重されて伝送される関係上、ナビゲーション装置には所定の帯域(伝送速度)が割り当てられており、それ以上の速度で画像データを送出することはできない。
【0003】
このため、ナビゲーション装置は、割り当てられた帯域で地図画像データを表示装置に送出して前述のように自車位置周辺の地図を表示し、かつ自車走行に応じて地図をスクロール表示する必要がある。また、目的地を設定し、あるいは誘導経路前方の状況を調べる等のためにマニュアルで地図を高速にスクロール表示する際も、ナビゲーション装置は、前記割り当てられた帯域で地図画像データを表示装置に送出して高速スクロール表示する必要がある。
【0004】
ところで、一般的に地図画像は、道路、川や建物等の線情報と文字情報からなる単純な画像が多いが、交差点をより現実に近い状態で示すために、写真表示等が使用されることがある。かかる場合、使用帯域に限度があるため、複雑な画像を圧縮して伝送するが、1枚の画像圧縮に要する処理時間が長くなりタイムオーバーが発生し、表示画像の伝送に遅延が生じ、絵柄の複雑な画像が連続すると遅れ時間が積み重なり、リアルタイム性が損なわれていた。
【0005】
そこで、従来技術として、画面スクロールの速度が低速の場合には、非圧縮で所定枚数おきに画像を間引きし、1秒間に伝送する全データ量を減らし、画面スクロールの速度が高速の場合には、画像の水平方向、垂直方向のそれぞれのデータを所定数のラインおきに間引き圧縮し、全データ量を減らし伝送する技術(特許文献1)がある。
【0006】
従来技術によれば、自車が通常走行している時の地図画像は静止あるいは自車の走行に応じた低速スクロールであるため、図11(a)に示すように連続する画像を間引いて3枚おきに間引きし、1秒間に伝送する画像数を15枚にして全データ量を4分の1に減らし、間引いた1枚の画像を4分割して分割画像を1/60秒毎に非圧縮で伝送する。また、高速スクロール時は、図11(b)に示すように、画像間の間引きを行わず、水平方向のデータおよび垂直方向のデータをそれぞれ1ラインおきに間引きし圧縮して伝送することにより、画像1枚当たりのデータ量を4分の1にする。この従来技術によれば、圧縮処理に時間を要する場合にでも、通信帯域を確保し、リアルタイムに画像の伝送が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−232645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来技術では、通常走行時の地図画面のスクロールについては画像間の間引きをして非圧縮で該画像を伝送し、また、ユーザが所望の地点周辺もしくは施設周辺を探索するために行う地図スクロールについては一枚の画像の水平方向、垂直方向のデータをそれぞれ1ラインおきに間引きし圧縮して、該圧縮画像を伝送しているが、自車の実際の車速や地図の縮尺率を何等考慮していない。このため、走行しているときに表示されている地図の縮尺率が小さくあるいは自車の車速が高速の場合には画像処理が間に合わず、表示される画像の伝送に遅延が発生してしまい、ユーザに不快感を与えるという問題点がある。
本発明の目的は、表示されている地図の縮尺率が小さくあるいは自車の車速が高速の場合にも画像処理をリアルタイムに行い、表示される画像の伝送に遅延が発生せず、ユーザに不快感を与えることがないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、地図画像発生部から発生された地図画像を表示装置に伝送するナビゲーション装置の地図画像伝送方法およびナビゲーション装置である。
・ 地図画像伝送方法
本発明の第1の地図画像伝送方法は、車速を検出するステップ、前記車速が高速になるにつれて、該車速に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するステップ、を備えている。
【0010】
本発明の第2の地図画像伝送方法は、表示する地図の縮尺率を検出するステップ、前記縮尺率が小さくなるにつれて、該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくする共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するステップ、を備えている。
【0011】
本発明の第3の地図画像伝送方法は、車速を検出し、かつ表示する地図の縮尺率を検出するステップ、前記車速が高速になり、かつ、前記縮尺率が小さくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するステップ、前記車速が低速になり、かつ、前記縮尺率が大きくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を多くする共に、単位時間当たりに伝送する画像数減少するステップ、を備えている。
【0012】
・ ナビゲーション装置
本発明の第1のナビゲーション装置は、自車の車速を検出する車速検出部と、自車位置を検出する自車位置検出部と、前記自車位置に応じた地図画像を発生する地図画像発生部と、前記車速が高速になるにつれて、該車速に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくする共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するように制御する制御部と、を備えている。
【0013】
本発明の第2のナビゲーション装置は、地図の縮尺率を検出する縮尺検出部と、自車位置を検出する自車位置検出部と、前記自車位置に応じた地図画像を発生する地図画像発生部と、前記縮尺率が小さくなるにつれて、該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するように制御する制御部と、を備えている。
【0014】
本発明の第3のナビゲーション装置は、自車の車速を検出する車速検出部と、地図の縮尺率を検出する縮尺検出部と、自車位置を検出する自車位置検出部と、前記自車位置に応じた地図顔図を発生する地図画像発生部と、前記車速が高速になり、かつ、前記縮尺率が小さくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加し、前記車速が低速になり、前記縮尺率が大きくなるにつれて該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を多くすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を減少するように制御する制御部と、
を備えている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、表示されている地図の縮尺率が小さくあるいは自車の車速が高速の場合にも画像処理をリアルタイムに行うことができ、表示される画像の伝送に遅延が発生せず、ユーザに不快感を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の概略説明図である。
【図2】車載装置のネットワーク構成図である。
【図3】本発明の第1実施例のナビゲーション装置の構成図である。
【図4】1秒間に伝送する画像の枚数を変化させるときの説明図である。
【図5】1画像当たりの画素数を少なくして、画像を圧縮する方法を説明する図である。
【図6】本発明の第1実施例の画像の伝送の処理フローである。
【図7】本発明の第2実施例のナビゲーション装置の構成図である。
【図8】本発明の第2実施例の画像の伝送の処理フローである。
【図9】本発明の第3実施例のナビゲーション装置の構成図である。
【図10】本発明の第3実施例の画像の伝送の処理フローである。
【図11】従来技術の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(A)本発明の概要
図1は本発明の概略説明図である。
本発明の第1の地図画像伝送方法は、自車の車速を検出し、該車速が高速になるにつれて、該車速に応じて地図画像発生部から表示装置へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加する。例えば、自車の車速を検出し、該車速が30km/h以下か否か判断し、30km/h以下の場合には、図1(a)(A)に示すように1画像当たり画素数640×480、伝送速度15枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。一方、前記車速が30km/hより大きいの場合には、前記車速が60km/h以下か否か判断し、60km/h以下の場合には、つまり30km/hより大きくかつ60km/h以下の場合には、図1(a)(B)に示すように画素数640×480の画像を480×360の画像にし、伝送速度30枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。また、前記車速が60km/hより大きいの場合には、図1(a)(C)に示すように画素数640×480の画像を320×240の画像にし、伝送速度60枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。このようにすれば、車速が高速になっても地図画像は粗くなるが、速度に応じて周辺の地図を遅延なく表示することが可能となる。
【0018】
また、本発明の第2の地図画像伝送方法は、表示する地図の縮尺率を検出し、該縮尺率が小さくなるにつれて、該縮尺率に応じて地図画像発生部から表示装置へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に単位時間当たりに伝送する画像数を増加する。例えば、表示装置に表示している地図の縮尺率を検出し、該縮尺率が1/20万以上、つまり、1/20万以上の広域地図を表示している場合には、図1(b)(D)に示すように画素数640×480、伝送速度15枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。一方、前記縮尺率が1/20万より小さくて、かつ前記縮尺率が1/1万以上の場合、つまり1/20万より詳細で1/1万以上の広域地図を表示している場合には、図1(b)(E)に示すように画素数640×480の画像を480×360の画像に圧縮し、伝送速度30枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。また、前記縮尺率が1/1万より小さい、つまり、1/1万より詳細の地図を表示している場合には、図1(b)(F)に示すように画素数640×480の画像を320×240の画像に圧縮し、伝送速度60枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。このようにすれば、縮尺率が小さい場合であっても、地図画像は粗くなるが、自車の走行に応じた周辺地図を遅延なく表示することが可能となる。
【0019】
また、本発明の第3の地図画像伝送方法は、車速を検出し、かつ表示する地図の縮尺を検出し、該車速が高速になり、かつ、該縮尺率が小さくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて地図画像発生部から表示装置へ伝送する1画像あたりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加し、該車速が低速になり、かつ、該縮尺率が大きくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて該地図画像発生部から表示装置へ伝送する1画像当たりの画素数を多くすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を減少する。例えば、自車の車速が60km/h以下か否か判断し、60km/h以下の場合には、表示している地図の縮尺率を検出し、該縮尺率が1/1万以上、つまり、1/1万以上の広域地図を表示している場合には、図1(c)(G)に示すように画素数640×480、伝送速度15枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。また、前記縮尺率が1/1万より小さい、つまり、1/1万より詳細の地図を表示している場合には、図1(c)(H)に示すように画素数640×480の画像を480×360の画像に圧縮し、伝送速度30枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。また、前記車速が60km/hより大きい場合には、表示している地図の縮尺率を検出し、該縮尺率が1/1万以上、つまり、1/1万以上の広域地図を表示している場合には、図1(c)(I)に示すように画素数640×480の画像を480×360の画像に圧縮し、伝送速度30枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。また、前記縮尺率が1/1万より小さい、つまり、1/1万より詳細の地図を表示している場合には、図1(c)(J)に示すように画素数640×480の画像を320×240の画像に圧縮し、伝送速度60枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。このようにすれば、車速が高速で、地図の縮尺率が小さい場合であっても、地図画像は粗くなるが、自車の走行に応じて周辺地図を表示することが可能となる。
【0020】
以上、従来技術では、走行しているときに表示されている地図の縮尺率が小さくあるいは自車の車速が高速の場合には画像処理が間に合わず、表示される画像の伝送に遅延が発生してしまい、ユーザに不快感を与えていたが、本発明では表示されている地図の縮尺率もしくは車速に応じて、伝送する画像の画素数を減少させたので、画像処理をリアルタイムに行うことができ、表示される画像の伝送に遅延が発生せず、ユーザに不快感を与えることがない。また、本発明では車速もしくは表示されている地図の縮尺率に応じて伝送する画像数を制御するため、自車の走行に応じた周辺の地図を表示することができる。
【0021】
(B)第1実施例
図2は車載装置のネットワーク構成図であり、リング状の高速伝送路(ネットワークバス)21を介して、複数のオーディオ/ビジュアル機器が接続され、該伝送路21を介して各種データの送受が行われ、少なくとも画像データとオーディオデータは時分割多重して伝送されるようになっている。ナビゲーション装置22は自車位置周辺の地図画像データをネットワークバス21を介して表示装置23に伝送すると共に案内音声データをアンプ28に送出する。TVチューナ24は図示しない受信用アンテナで受信した放送波を復調して発生した画像データやオーディオデータをネットワークバス21を介して表示装置23およびアンプ28に伝送する。DVDプレーヤ25は挿入されたDVDから画像データおよびオーディオデータを読み出し、該画像データおよびオーディオデータを表示装置23およびアンプ28にネットワークバス21を介して伝送する。
【0022】
ラジオチューナ24は図示しない受信用アンテナで受信したラジオの放送波を復調して発生したオーディオデータをネットワークバス21を介してアンプ28に伝送する。ヘッドユニット26は挿入されたCDからオーディオデータを読み出し、ネットワークバス21を介してアンプ28に伝送する。また、ヘッドユニット26はポータブルメディアプレーヤ26aが接続可能であり、ポータブルメディアプレーヤ26aに記憶されているオーディオデータを読み出し、ネットワークバス21を介してアンプ28に伝送する。アンプ28は伝送されたデータをA/D変換後に増幅し、スピーカ28aへ入力する。以上のように、リング状伝送路21を介して画像データ、オーディオデータ、その他のデータが多重伝送され、地図を見ながらCDの音楽やラジオ番組を聴くことができ、あるいは、TV番組やDVD等を楽しむことができる。しかし、1本の伝送路をデータが多重されて伝送される関係上、ナビゲーション装置の地図画像伝送には所定の帯域(伝送速度)が割り当てられており、それ以上の速度で画像データを送出することはできない。尚、データを時分割多重伝送する場合には、単位時間T毎に、該単位時間TのうちTvを画像データ伝送時間とし、Taをオーディオデータ伝送時間とし(T=Tv+Ta、Tv>Ta)、各機器はTvの時刻に画像データを伝送し、Taの時刻にオーディオデータを伝送するようにする。この場合、システムコントローラ(図示せず)は1つの機器のみより画像データが送出されるように制御し、また、1つの機器のよりオーディオデータが送出されるように制御する
【0023】
図3は本発明の第1実施例のナビゲーション装置の構成図であり、ナビゲーション装置22はネットワークバス21を介して、表示装置23と接続されている。
GPS受信機31は衛星航法システムを利用しており、衛星より受信した信号を現在位置算出部33に入力する。自律航法センサ32は、角度センサ32aと車速センサ32bを備えており、角度センサ32aと車速センサ32bにより取得した信号を現在位置算出部33に入力する。現在位置算出部33はGPS受信機31と自律航法センサ32とから入力された信号に基づいて、自車の現在位置を算出する。車速算出部47は、車速センサ32bより取得した信号に基づき、現在の自車の車速を算出する。
【0024】
制御部34は、ナビゲーション装置22全体を制御すると共に、車速算出部47により算出された車速に応じた地図画像の画素数の決定制御、および、ネットワークバス21を介して送出される該画像の伝送速度(枚/秒)の決定制御、等を行う。
地図記憶媒体35は地図データを記憶する地図記憶媒体であり、現在位置算出部33が算出し、制御部34が入力した現在位置に基づいて、現在位置周辺の地図データを地図バッファ36に入力する。地図バッファ36は該地図データを一時的に記憶し、地図画像発生部37は地図バッファ36が記憶している地図データに応じた地図画像を発生する。
【0025】
誘導経路メモリ38は制御部34が算出した誘導経路を記憶し、該誘導経路を誘導経路画像発生部39に入力し、誘導経路画像発生部39は誘導経路メモリ38が入力した誘導経路に基づいて誘導経路画像を発生する。自車位置マーク発生部40は現在位置算出部33が算出した自車の現在位置に表示する自車位置マークを発生する。
【0026】
操作画面発生部41は表示装置23に表示する操作画面を発生する。操作部42は、図示しないタッチパネルやリモコンで構成されており、地図の拡大および縮小、地図のスクロール等の操作を行う。設定情報メモリ43は様々な設定情報を記憶しており、例えば操作部42により選択された地図の縮尺率等を記憶している。音声案内発生部44は算出された誘導経路に関して、曲がるべき交差点の案内等の案内音声を発生し、ネットワークバス21を介してアンプに28に入力する。
【0027】
画像合成部45は、地図画像発生部37が発生した地図画像、誘導経路発生部39が発生した誘導経路、自車位置マーク発生部40が発生した自車位置マーク、および操作画面発生部41が発生した操作画面を合成する。画像変換部46は制御部34からの指示(画素数、画像伝送速度)に基づいて地図画像の圧縮処理を行い、該圧縮画像を所定の速度でネットワークバスを介して表示装置23に伝送する。
【0028】
図4は1秒間に伝送する画像の枚数を変化させるときの説明図である。伝送速度60枚/秒で画像を伝送する場合には、図4(a)に示すように伝送する。また、自車の車速に応じて、伝送速度30枚/秒で画像を転送する場合には、図4(b)に示すように、伝送速度60枚/秒の画像を1枚おきに画像を間引きし、伝送する画像の枚数を1/2にする。自車の車速に応じて、伝送速度15枚/秒で画像を転送する場合には、図4(c)に示すように、伝送速度30枚/秒の画像を更に1枚おきに間引きし、伝送する画像の枚数を1/4にする。以上のようにして、単位時間当たりに伝送する画像の枚数を調整する。
【0029】
図5は1画像当たりの画素数を少なくして、画像を圧縮する方法を説明する図であり、図5(a)は画素数640×480の画像を画素数480×360の画像に圧縮する方法、図5(b)は画素数640×480の画像を画素数320×240の画像に圧縮する方法を説明する図である。
【0030】
図5(a)に示すように画素数640×480の縦と横の列共に3画素おきに1画素を間引きし、すなわち縦の列はrw1〜rw3を間引きし、横の列はcl1、cl2を間引きする。これにより画素数640×480の画像を画素数480×360の画像に圧縮することができ、1画像当たりのデータ量を1/2にすることができる。
【0031】
また、図5(b)に示すように画素数640×480の縦と横の列共に1画素おきに1画素を間引きし、すなわち縦の列はrw1〜rw5を間引きし、横の列はcl1〜cl4を間引きする。これにより画素数640×480の画像を画素数320×240の画像に圧縮することができ、1画像当たりのデータ量を1/4にすることができる。
【0032】
図6は第1実施例の画像の伝送の処理フローである。
まず、制御部34は車速算出部47が算出した車速が30km/h以下か否か判断を行い(ステップS601)、30km/h以下の場合にはS602に進み、30km/hより大きい場合にはS604に進む。
【0033】
S601において、前記車速が30km/h以下の場合(図1(a)(A)の場合)には、制御部34は画像変換部46に画素数640×480、画像伝送速度15枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は圧縮処理を行わず、画素数640×480の画像を伝送速度15枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS602)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS603)。
【0034】
一方、S601において、前記車速が30km/hより大きい場合には、制御部34は前記車速が60km/h以下か否か判断を行い(ステップS604)、60km/h以下の場合にはS605に進み、60km/hの場合にはS608に進む。
【0035】
S604において、前記車速が60km/h以下の場合(図1(a)(B)の場合)には、制御部34は画像変換部46に画素数480×360、画像伝送速度30枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は画素数640×480の画像を上述した方法で、画素数480×360の画像に圧縮し(ステップS605)、圧縮した画素数480×360の画像を伝送速度30枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS606)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS607)。
【0036】
一方、S604において、前記車速が60km/hより大きいの場合(図1(a)(C)の場合)には、制御部34は画像変換部46に画素数320×240、画像伝送速度60枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は画素数640×480の画像を上述した方法で、画素数320×240の画像に圧縮し(ステップS608)、圧縮した画素数320×240の画像を伝送速度60枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS609)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS610)。
【0037】
尚、本実施例では上述した方法で画像の圧縮を行ったが、該圧縮方法でなく、汎用的な圧縮方法であるDCT、ランレングス、ハフマン符号化、等を用いてもよい。
【0038】
以上の説明では、時分割多重する場合について説明したが、多重方法は時分割多重に限らず、符号多重等の方法も可能である。
また、以上の説明では、制御部が1画像当たりの画素数および1秒当たりの伝送画像数を決定しているが、これらの決定制御を画像変換部が行うように制御することもできる。
また、車速に応じて3段階に分けた場合について、説明をしたが、3段階に限る必要はない。また、車速の閾値は操作部から変更可能である。
【0039】
以上、従来技術では、走行しているときに自車の車速が高速の場合には画像処理が間に合わず、表示される画像の伝送に遅延が発生してしまい、ユーザに不快感を与えていたが、本実施例では車速に応じて、伝送する画像1枚当たりの画素数や1秒間当たりの画像の伝送速度制御をしたので、画像処理をリアルタイムに行うことができ、表示される画像の伝送に遅延が発生せず、ユーザに不快感を与えることがない。また、車速が高速になっても地図画像は粗くなるが、速度に応じて周辺の地図を表示することが可能となる。
【0040】
(B)第2実施例
図7は第2実施例のナビゲーション装置の構成図であり、図3の第1実施例のナビゲーション装置の構成図と同一の部分には同一の符号を付している。
【0041】
制御部71は、ナビゲーション装置22全体を制御すると共に、設定情報メモリ43より取得した縮尺率に応じた地図画像の画素数の決定制御、および、ネットワークバス21における該画像の伝送速度(枚/秒)の決定制御、等を行う。
【0042】
図8は第2実施例の画像の伝送の処理フローである。本実施例における画像の圧縮方法は、第1実施例で用いた圧縮方法を用いる。
まず、制御部71は設定情報メモリ43から縮尺設定情報を取得し表示している地図の縮尺率が1/20万以上か否か判断を行い(ステップS801)、該縮尺率が1/20万以上の場合にはS802に進み、該縮尺率が1/20万より小さい場合にはS804に進む。
【0043】
S801において、前記縮尺率が1/20万以上の場合(図1(b)(D)の場合)には、制御部71は画像変換部46に画素数640×480、画像伝送速度15枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は圧縮処理を行わず、画素数640×480の画像を伝送速度15枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS802)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS803)。
【0044】
一方、S801において、前記縮尺率が1/20万より小さい場合には、制御部71は前記縮尺率が1/1万以上か否か判断を行い(ステップS804)、1/1万以上の場合にはS805に進み、1/1万より小さい場合にはS808に進む。
【0045】
S804において、前記縮尺率が1/1万以上の場合(図1(b)(E)の場合)には、制御部34は画像変換部46に画素数480×360、画像伝送速度30枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は画素数640×480の画像を画素数480×360の画像に圧縮し(ステップS805)、圧縮した画素数480×360の画像を伝送速度30枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS806)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS807)。
【0046】
一方、S804において、前記縮尺率が1/1万より小さい場合(図1(b)(F)の場合)には、制御部34は画像変換部46に画素数320×240、画像伝送速度60枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は画素数640×480の画像を画素数320×240の画像に圧縮し(ステップS808)、圧縮した画素数320×240の画像を伝送速度60枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS809)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS810)。
尚、本実施例では第1実施例で用いた方法で画像の圧縮を行ったが、該圧縮方法でなく、汎用的な圧縮方法であるDCT、ランレングス、ハフマン符号化、等を用いてもよい。
【0047】
以上の説明では、時分割多重する場合について説明したが、多重方法は時分割多重に限られず、符号多重等の方法も可能である。
また、以上の説明では制御部が1画像当たりの画素数および1秒当たりの伝送画像数を決定しているが、これらの決定制御を画像変換部が行うように制御することもできる。
また、表示している地図の縮尺率に応じて3段階に分けた場合について、説明をしたが、3段階に限る必要はない。また、地図の縮尺率の閾値は操作部から変更可能である。
【0048】
以上、従来技術では、走行しているときに表示されている地図の縮尺率が小さい場合には画像処理が間に合わず、表示される画像の伝送に遅延が発生してしまい、ユーザに不快感を与えていたが、本実施例では表示されている地図の縮尺率に応じて、伝送する画像1枚当たりの画素数や1秒間当たりの画像の伝送速度制御をしたので、画像処理をリアルタイムに行うことができ、表示される画像の伝送に遅延が発生せず、ユーザに不快感を与えることがない。
【0049】
(C)第3実施例
図9は第3実施例のナビゲーション装置の構成図であり、図3の第1実施例のナビゲーション装置の構成図と同一の部分には同一の符号を付している。
【0050】
制御部91は、ナビゲーション装置22全体を制御すると共に、車速検出部47により算出された車速および設定情報メモリ43より取得した縮尺率に応じた地図画像の画素数の決定制御、および、ネットワークバス21における該画像の伝送速度(枚/秒)の決定制御、等を行う。
【0051】
図10は第3実施例の画像の伝送の処理フローである。本実施例における画像の圧縮方法は、第1実施例で用いた圧縮方法を用いる。
まず、制御部91は車速算出部47が算出した車速が60km/h以下か否か判断を行い(ステップS1001)、60km/h以下の場合にはS1002に進み、60km/hより大きい場合にはS1008に進む。
【0052】
S1001において、前記車速が60km/h以下の場合には、制御部91は設定情報メモリ43から縮尺設定情報を取得し表示している地図の縮尺率が1/1万より以上か否かの判断を行い(ステップS1002)、該縮尺率が1/1万以上の場合にはS1003に進み、該縮尺率が1/1万より小さい場合にはS1005に進む。
【0053】
S1002において、前記縮尺率が1/1万以上の場合(図1(c)(G)の場合)には、制御部91は画像変換部46に画素数640×480、画像伝送速度15枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は圧縮処理を行わず、画素数640×480の画像を伝送速度15枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS1003)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS1004)。
【0054】
一方、S1002において、前記縮尺率が1/1万より小さい場合(図1(c)(H)の場合)には、制御部91は画像変換部46に画素数480×360、画像伝送速度30枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は画素数640×480の画像を画素数480×360の画像に圧縮し(ステップS1005)、圧縮した画素数480×360の画像を伝送速度30枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS1006)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS1007)
【0055】
また、S1001において、前記車速が60km/hより大きい場合には、制御部91は設定情報メモリ43から縮尺設定情報を取得し表示している地図の縮尺率が1/1万以上か否か判断を行い(ステップS1008)、該縮尺率が1/1万以上の場合にはS1009に進み、該縮尺率が1/1万より小さい場合にはS1012に進む。
【0056】
S1008において、前記縮尺率が1/1万以上の場合(図1(c)(I)の場合)は、制御部91は画像変換部46に画素数480×360、画像伝送速度30枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は画素数640×480の画像を画素数480×360の画像に圧縮し(ステップS1009)、圧縮した画素数480×360の画像を伝送速度30枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS1010)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS1011)。
尚、本実施例では第1、第2実施例で用いた方法で画像の圧縮を行ったが、該圧縮方法でなく、汎用的な圧縮方法であるDCT、ランレングス、ハフマン符号化、等を用いてもよい。
【0057】
以上の説明では、時分割多重する場合について説明したが、多重方法は時分割多重に限られず、符号多重等の方法も可能である。
また、以上の説明では制御部が1画像当たりの画素数および1秒当たりの伝送画像数を決定しているが、これらの決定制御を画像変換部が行うように制御することもできる。
また、車速と表示している地図の縮尺率に応じてそれぞれ2段階ずつに分けた場合について、説明をしたが、それぞれ2段階に限る必要はない。また、車速と地図の縮尺率の閾値は操作部から変更可能である。
【0058】
一方、S1008において、前記縮尺率が1/1万より小さい場合(図1(c)(J)の場合)は、制御部91は画像変換部46に画素数320×240、画像伝送速度60枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は画素数640×480の画像を画素数320×240の画像に圧縮し(ステップS1012)、圧縮した画像を伝送速度60枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS1013)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS1014)。
【0059】
以上、従来技術では、走行しているときに表示されている地図の縮尺率小さい場合や自車の車速が高速の場合には、画像処理が間に合わず、表示されている画像の伝送に遅延が発生してしまい、ユーザに不快感を与えていたが、本実施例では表示されている地図の縮尺率および車速に応じて、伝送する画像1枚当たりの画素数や1秒間あたりの画像の伝送速度制御をしたので、画像処理をリアルタイムに行うことができ、表示される画像の伝送に遅延が発生せず、ユーザに不快感を与えることがない。また、車速が高速になり、表示している地図の縮尺率が小さくても、地図画像は粗くなるが、速度に応じて周辺の地図を表示することが可能となる。
【符号の説明】
【0060】
21 ネットワークバス
22 ナビゲーション装置
34 制御部
43 設定情報メモリ
46 画像変換部
47 車速算出部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置における地図画像伝送方法およびナビゲーション装置に係り、特に地図画像発生部から送信された地図画像を受信して地図を表示装置に表示するナビゲーション装置における地図画像伝送方法およびナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System)等により検出された現在位置周辺の地図を自動的に表示したり、設定した目的地までの経路を地図上に表示して案内する車載のナビゲーションシステムにおいては、ナビゲーション装置がCD−ROMやDVD、ハードディスク等の地図データ記録媒体から読み出した地図を表示装置側へ送り、表示装置にてその送られた地図を表示する。
車載装置では、リング状の高速伝送路に、ナビゲーション装置や表示装置のほかに、TVチューナ、ラジオチューナ、ヘッドユニット、DVDプレーヤ、アンプ等が接続され、リング状伝送路を介して、画像データ、オーディオデータ、その他のデータが多重伝送され、地図を見ながらCDの音楽やラジオ番組を聴くことができ、あるいは、TV番組やDVD等も楽しむことができる。1本の伝送路を各種データが多重されて伝送される関係上、ナビゲーション装置には所定の帯域(伝送速度)が割り当てられており、それ以上の速度で画像データを送出することはできない。
【0003】
このため、ナビゲーション装置は、割り当てられた帯域で地図画像データを表示装置に送出して前述のように自車位置周辺の地図を表示し、かつ自車走行に応じて地図をスクロール表示する必要がある。また、目的地を設定し、あるいは誘導経路前方の状況を調べる等のためにマニュアルで地図を高速にスクロール表示する際も、ナビゲーション装置は、前記割り当てられた帯域で地図画像データを表示装置に送出して高速スクロール表示する必要がある。
【0004】
ところで、一般的に地図画像は、道路、川や建物等の線情報と文字情報からなる単純な画像が多いが、交差点をより現実に近い状態で示すために、写真表示等が使用されることがある。かかる場合、使用帯域に限度があるため、複雑な画像を圧縮して伝送するが、1枚の画像圧縮に要する処理時間が長くなりタイムオーバーが発生し、表示画像の伝送に遅延が生じ、絵柄の複雑な画像が連続すると遅れ時間が積み重なり、リアルタイム性が損なわれていた。
【0005】
そこで、従来技術として、画面スクロールの速度が低速の場合には、非圧縮で所定枚数おきに画像を間引きし、1秒間に伝送する全データ量を減らし、画面スクロールの速度が高速の場合には、画像の水平方向、垂直方向のそれぞれのデータを所定数のラインおきに間引き圧縮し、全データ量を減らし伝送する技術(特許文献1)がある。
【0006】
従来技術によれば、自車が通常走行している時の地図画像は静止あるいは自車の走行に応じた低速スクロールであるため、図11(a)に示すように連続する画像を間引いて3枚おきに間引きし、1秒間に伝送する画像数を15枚にして全データ量を4分の1に減らし、間引いた1枚の画像を4分割して分割画像を1/60秒毎に非圧縮で伝送する。また、高速スクロール時は、図11(b)に示すように、画像間の間引きを行わず、水平方向のデータおよび垂直方向のデータをそれぞれ1ラインおきに間引きし圧縮して伝送することにより、画像1枚当たりのデータ量を4分の1にする。この従来技術によれば、圧縮処理に時間を要する場合にでも、通信帯域を確保し、リアルタイムに画像の伝送が可能になる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2000−232645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記従来技術では、通常走行時の地図画面のスクロールについては画像間の間引きをして非圧縮で該画像を伝送し、また、ユーザが所望の地点周辺もしくは施設周辺を探索するために行う地図スクロールについては一枚の画像の水平方向、垂直方向のデータをそれぞれ1ラインおきに間引きし圧縮して、該圧縮画像を伝送しているが、自車の実際の車速や地図の縮尺率を何等考慮していない。このため、走行しているときに表示されている地図の縮尺率が小さくあるいは自車の車速が高速の場合には画像処理が間に合わず、表示される画像の伝送に遅延が発生してしまい、ユーザに不快感を与えるという問題点がある。
本発明の目的は、表示されている地図の縮尺率が小さくあるいは自車の車速が高速の場合にも画像処理をリアルタイムに行い、表示される画像の伝送に遅延が発生せず、ユーザに不快感を与えることがないようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、地図画像発生部から発生された地図画像を表示装置に伝送するナビゲーション装置の地図画像伝送方法およびナビゲーション装置である。
・ 地図画像伝送方法
本発明の第1の地図画像伝送方法は、車速を検出するステップ、前記車速が高速になるにつれて、該車速に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するステップ、を備えている。
【0010】
本発明の第2の地図画像伝送方法は、表示する地図の縮尺率を検出するステップ、前記縮尺率が小さくなるにつれて、該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくする共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するステップ、を備えている。
【0011】
本発明の第3の地図画像伝送方法は、車速を検出し、かつ表示する地図の縮尺率を検出するステップ、前記車速が高速になり、かつ、前記縮尺率が小さくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するステップ、前記車速が低速になり、かつ、前記縮尺率が大きくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を多くする共に、単位時間当たりに伝送する画像数減少するステップ、を備えている。
【0012】
・ ナビゲーション装置
本発明の第1のナビゲーション装置は、自車の車速を検出する車速検出部と、自車位置を検出する自車位置検出部と、前記自車位置に応じた地図画像を発生する地図画像発生部と、前記車速が高速になるにつれて、該車速に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくする共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するように制御する制御部と、を備えている。
【0013】
本発明の第2のナビゲーション装置は、地図の縮尺率を検出する縮尺検出部と、自車位置を検出する自車位置検出部と、前記自車位置に応じた地図画像を発生する地図画像発生部と、前記縮尺率が小さくなるにつれて、該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するように制御する制御部と、を備えている。
【0014】
本発明の第3のナビゲーション装置は、自車の車速を検出する車速検出部と、地図の縮尺率を検出する縮尺検出部と、自車位置を検出する自車位置検出部と、前記自車位置に応じた地図顔図を発生する地図画像発生部と、前記車速が高速になり、かつ、前記縮尺率が小さくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加し、前記車速が低速になり、前記縮尺率が大きくなるにつれて該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を多くすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を減少するように制御する制御部と、
を備えている。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、表示されている地図の縮尺率が小さくあるいは自車の車速が高速の場合にも画像処理をリアルタイムに行うことができ、表示される画像の伝送に遅延が発生せず、ユーザに不快感を与えることがない。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の概略説明図である。
【図2】車載装置のネットワーク構成図である。
【図3】本発明の第1実施例のナビゲーション装置の構成図である。
【図4】1秒間に伝送する画像の枚数を変化させるときの説明図である。
【図5】1画像当たりの画素数を少なくして、画像を圧縮する方法を説明する図である。
【図6】本発明の第1実施例の画像の伝送の処理フローである。
【図7】本発明の第2実施例のナビゲーション装置の構成図である。
【図8】本発明の第2実施例の画像の伝送の処理フローである。
【図9】本発明の第3実施例のナビゲーション装置の構成図である。
【図10】本発明の第3実施例の画像の伝送の処理フローである。
【図11】従来技術の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(A)本発明の概要
図1は本発明の概略説明図である。
本発明の第1の地図画像伝送方法は、自車の車速を検出し、該車速が高速になるにつれて、該車速に応じて地図画像発生部から表示装置へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加する。例えば、自車の車速を検出し、該車速が30km/h以下か否か判断し、30km/h以下の場合には、図1(a)(A)に示すように1画像当たり画素数640×480、伝送速度15枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。一方、前記車速が30km/hより大きいの場合には、前記車速が60km/h以下か否か判断し、60km/h以下の場合には、つまり30km/hより大きくかつ60km/h以下の場合には、図1(a)(B)に示すように画素数640×480の画像を480×360の画像にし、伝送速度30枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。また、前記車速が60km/hより大きいの場合には、図1(a)(C)に示すように画素数640×480の画像を320×240の画像にし、伝送速度60枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。このようにすれば、車速が高速になっても地図画像は粗くなるが、速度に応じて周辺の地図を遅延なく表示することが可能となる。
【0018】
また、本発明の第2の地図画像伝送方法は、表示する地図の縮尺率を検出し、該縮尺率が小さくなるにつれて、該縮尺率に応じて地図画像発生部から表示装置へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に単位時間当たりに伝送する画像数を増加する。例えば、表示装置に表示している地図の縮尺率を検出し、該縮尺率が1/20万以上、つまり、1/20万以上の広域地図を表示している場合には、図1(b)(D)に示すように画素数640×480、伝送速度15枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。一方、前記縮尺率が1/20万より小さくて、かつ前記縮尺率が1/1万以上の場合、つまり1/20万より詳細で1/1万以上の広域地図を表示している場合には、図1(b)(E)に示すように画素数640×480の画像を480×360の画像に圧縮し、伝送速度30枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。また、前記縮尺率が1/1万より小さい、つまり、1/1万より詳細の地図を表示している場合には、図1(b)(F)に示すように画素数640×480の画像を320×240の画像に圧縮し、伝送速度60枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。このようにすれば、縮尺率が小さい場合であっても、地図画像は粗くなるが、自車の走行に応じた周辺地図を遅延なく表示することが可能となる。
【0019】
また、本発明の第3の地図画像伝送方法は、車速を検出し、かつ表示する地図の縮尺を検出し、該車速が高速になり、かつ、該縮尺率が小さくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて地図画像発生部から表示装置へ伝送する1画像あたりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加し、該車速が低速になり、かつ、該縮尺率が大きくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて該地図画像発生部から表示装置へ伝送する1画像当たりの画素数を多くすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を減少する。例えば、自車の車速が60km/h以下か否か判断し、60km/h以下の場合には、表示している地図の縮尺率を検出し、該縮尺率が1/1万以上、つまり、1/1万以上の広域地図を表示している場合には、図1(c)(G)に示すように画素数640×480、伝送速度15枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。また、前記縮尺率が1/1万より小さい、つまり、1/1万より詳細の地図を表示している場合には、図1(c)(H)に示すように画素数640×480の画像を480×360の画像に圧縮し、伝送速度30枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。また、前記車速が60km/hより大きい場合には、表示している地図の縮尺率を検出し、該縮尺率が1/1万以上、つまり、1/1万以上の広域地図を表示している場合には、図1(c)(I)に示すように画素数640×480の画像を480×360の画像に圧縮し、伝送速度30枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。また、前記縮尺率が1/1万より小さい、つまり、1/1万より詳細の地図を表示している場合には、図1(c)(J)に示すように画素数640×480の画像を320×240の画像に圧縮し、伝送速度60枚/秒で地図画像を表示装置に伝送する。このようにすれば、車速が高速で、地図の縮尺率が小さい場合であっても、地図画像は粗くなるが、自車の走行に応じて周辺地図を表示することが可能となる。
【0020】
以上、従来技術では、走行しているときに表示されている地図の縮尺率が小さくあるいは自車の車速が高速の場合には画像処理が間に合わず、表示される画像の伝送に遅延が発生してしまい、ユーザに不快感を与えていたが、本発明では表示されている地図の縮尺率もしくは車速に応じて、伝送する画像の画素数を減少させたので、画像処理をリアルタイムに行うことができ、表示される画像の伝送に遅延が発生せず、ユーザに不快感を与えることがない。また、本発明では車速もしくは表示されている地図の縮尺率に応じて伝送する画像数を制御するため、自車の走行に応じた周辺の地図を表示することができる。
【0021】
(B)第1実施例
図2は車載装置のネットワーク構成図であり、リング状の高速伝送路(ネットワークバス)21を介して、複数のオーディオ/ビジュアル機器が接続され、該伝送路21を介して各種データの送受が行われ、少なくとも画像データとオーディオデータは時分割多重して伝送されるようになっている。ナビゲーション装置22は自車位置周辺の地図画像データをネットワークバス21を介して表示装置23に伝送すると共に案内音声データをアンプ28に送出する。TVチューナ24は図示しない受信用アンテナで受信した放送波を復調して発生した画像データやオーディオデータをネットワークバス21を介して表示装置23およびアンプ28に伝送する。DVDプレーヤ25は挿入されたDVDから画像データおよびオーディオデータを読み出し、該画像データおよびオーディオデータを表示装置23およびアンプ28にネットワークバス21を介して伝送する。
【0022】
ラジオチューナ24は図示しない受信用アンテナで受信したラジオの放送波を復調して発生したオーディオデータをネットワークバス21を介してアンプ28に伝送する。ヘッドユニット26は挿入されたCDからオーディオデータを読み出し、ネットワークバス21を介してアンプ28に伝送する。また、ヘッドユニット26はポータブルメディアプレーヤ26aが接続可能であり、ポータブルメディアプレーヤ26aに記憶されているオーディオデータを読み出し、ネットワークバス21を介してアンプ28に伝送する。アンプ28は伝送されたデータをA/D変換後に増幅し、スピーカ28aへ入力する。以上のように、リング状伝送路21を介して画像データ、オーディオデータ、その他のデータが多重伝送され、地図を見ながらCDの音楽やラジオ番組を聴くことができ、あるいは、TV番組やDVD等を楽しむことができる。しかし、1本の伝送路をデータが多重されて伝送される関係上、ナビゲーション装置の地図画像伝送には所定の帯域(伝送速度)が割り当てられており、それ以上の速度で画像データを送出することはできない。尚、データを時分割多重伝送する場合には、単位時間T毎に、該単位時間TのうちTvを画像データ伝送時間とし、Taをオーディオデータ伝送時間とし(T=Tv+Ta、Tv>Ta)、各機器はTvの時刻に画像データを伝送し、Taの時刻にオーディオデータを伝送するようにする。この場合、システムコントローラ(図示せず)は1つの機器のみより画像データが送出されるように制御し、また、1つの機器のよりオーディオデータが送出されるように制御する
【0023】
図3は本発明の第1実施例のナビゲーション装置の構成図であり、ナビゲーション装置22はネットワークバス21を介して、表示装置23と接続されている。
GPS受信機31は衛星航法システムを利用しており、衛星より受信した信号を現在位置算出部33に入力する。自律航法センサ32は、角度センサ32aと車速センサ32bを備えており、角度センサ32aと車速センサ32bにより取得した信号を現在位置算出部33に入力する。現在位置算出部33はGPS受信機31と自律航法センサ32とから入力された信号に基づいて、自車の現在位置を算出する。車速算出部47は、車速センサ32bより取得した信号に基づき、現在の自車の車速を算出する。
【0024】
制御部34は、ナビゲーション装置22全体を制御すると共に、車速算出部47により算出された車速に応じた地図画像の画素数の決定制御、および、ネットワークバス21を介して送出される該画像の伝送速度(枚/秒)の決定制御、等を行う。
地図記憶媒体35は地図データを記憶する地図記憶媒体であり、現在位置算出部33が算出し、制御部34が入力した現在位置に基づいて、現在位置周辺の地図データを地図バッファ36に入力する。地図バッファ36は該地図データを一時的に記憶し、地図画像発生部37は地図バッファ36が記憶している地図データに応じた地図画像を発生する。
【0025】
誘導経路メモリ38は制御部34が算出した誘導経路を記憶し、該誘導経路を誘導経路画像発生部39に入力し、誘導経路画像発生部39は誘導経路メモリ38が入力した誘導経路に基づいて誘導経路画像を発生する。自車位置マーク発生部40は現在位置算出部33が算出した自車の現在位置に表示する自車位置マークを発生する。
【0026】
操作画面発生部41は表示装置23に表示する操作画面を発生する。操作部42は、図示しないタッチパネルやリモコンで構成されており、地図の拡大および縮小、地図のスクロール等の操作を行う。設定情報メモリ43は様々な設定情報を記憶しており、例えば操作部42により選択された地図の縮尺率等を記憶している。音声案内発生部44は算出された誘導経路に関して、曲がるべき交差点の案内等の案内音声を発生し、ネットワークバス21を介してアンプに28に入力する。
【0027】
画像合成部45は、地図画像発生部37が発生した地図画像、誘導経路発生部39が発生した誘導経路、自車位置マーク発生部40が発生した自車位置マーク、および操作画面発生部41が発生した操作画面を合成する。画像変換部46は制御部34からの指示(画素数、画像伝送速度)に基づいて地図画像の圧縮処理を行い、該圧縮画像を所定の速度でネットワークバスを介して表示装置23に伝送する。
【0028】
図4は1秒間に伝送する画像の枚数を変化させるときの説明図である。伝送速度60枚/秒で画像を伝送する場合には、図4(a)に示すように伝送する。また、自車の車速に応じて、伝送速度30枚/秒で画像を転送する場合には、図4(b)に示すように、伝送速度60枚/秒の画像を1枚おきに画像を間引きし、伝送する画像の枚数を1/2にする。自車の車速に応じて、伝送速度15枚/秒で画像を転送する場合には、図4(c)に示すように、伝送速度30枚/秒の画像を更に1枚おきに間引きし、伝送する画像の枚数を1/4にする。以上のようにして、単位時間当たりに伝送する画像の枚数を調整する。
【0029】
図5は1画像当たりの画素数を少なくして、画像を圧縮する方法を説明する図であり、図5(a)は画素数640×480の画像を画素数480×360の画像に圧縮する方法、図5(b)は画素数640×480の画像を画素数320×240の画像に圧縮する方法を説明する図である。
【0030】
図5(a)に示すように画素数640×480の縦と横の列共に3画素おきに1画素を間引きし、すなわち縦の列はrw1〜rw3を間引きし、横の列はcl1、cl2を間引きする。これにより画素数640×480の画像を画素数480×360の画像に圧縮することができ、1画像当たりのデータ量を1/2にすることができる。
【0031】
また、図5(b)に示すように画素数640×480の縦と横の列共に1画素おきに1画素を間引きし、すなわち縦の列はrw1〜rw5を間引きし、横の列はcl1〜cl4を間引きする。これにより画素数640×480の画像を画素数320×240の画像に圧縮することができ、1画像当たりのデータ量を1/4にすることができる。
【0032】
図6は第1実施例の画像の伝送の処理フローである。
まず、制御部34は車速算出部47が算出した車速が30km/h以下か否か判断を行い(ステップS601)、30km/h以下の場合にはS602に進み、30km/hより大きい場合にはS604に進む。
【0033】
S601において、前記車速が30km/h以下の場合(図1(a)(A)の場合)には、制御部34は画像変換部46に画素数640×480、画像伝送速度15枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は圧縮処理を行わず、画素数640×480の画像を伝送速度15枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS602)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS603)。
【0034】
一方、S601において、前記車速が30km/hより大きい場合には、制御部34は前記車速が60km/h以下か否か判断を行い(ステップS604)、60km/h以下の場合にはS605に進み、60km/hの場合にはS608に進む。
【0035】
S604において、前記車速が60km/h以下の場合(図1(a)(B)の場合)には、制御部34は画像変換部46に画素数480×360、画像伝送速度30枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は画素数640×480の画像を上述した方法で、画素数480×360の画像に圧縮し(ステップS605)、圧縮した画素数480×360の画像を伝送速度30枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS606)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS607)。
【0036】
一方、S604において、前記車速が60km/hより大きいの場合(図1(a)(C)の場合)には、制御部34は画像変換部46に画素数320×240、画像伝送速度60枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は画素数640×480の画像を上述した方法で、画素数320×240の画像に圧縮し(ステップS608)、圧縮した画素数320×240の画像を伝送速度60枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS609)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS610)。
【0037】
尚、本実施例では上述した方法で画像の圧縮を行ったが、該圧縮方法でなく、汎用的な圧縮方法であるDCT、ランレングス、ハフマン符号化、等を用いてもよい。
【0038】
以上の説明では、時分割多重する場合について説明したが、多重方法は時分割多重に限らず、符号多重等の方法も可能である。
また、以上の説明では、制御部が1画像当たりの画素数および1秒当たりの伝送画像数を決定しているが、これらの決定制御を画像変換部が行うように制御することもできる。
また、車速に応じて3段階に分けた場合について、説明をしたが、3段階に限る必要はない。また、車速の閾値は操作部から変更可能である。
【0039】
以上、従来技術では、走行しているときに自車の車速が高速の場合には画像処理が間に合わず、表示される画像の伝送に遅延が発生してしまい、ユーザに不快感を与えていたが、本実施例では車速に応じて、伝送する画像1枚当たりの画素数や1秒間当たりの画像の伝送速度制御をしたので、画像処理をリアルタイムに行うことができ、表示される画像の伝送に遅延が発生せず、ユーザに不快感を与えることがない。また、車速が高速になっても地図画像は粗くなるが、速度に応じて周辺の地図を表示することが可能となる。
【0040】
(B)第2実施例
図7は第2実施例のナビゲーション装置の構成図であり、図3の第1実施例のナビゲーション装置の構成図と同一の部分には同一の符号を付している。
【0041】
制御部71は、ナビゲーション装置22全体を制御すると共に、設定情報メモリ43より取得した縮尺率に応じた地図画像の画素数の決定制御、および、ネットワークバス21における該画像の伝送速度(枚/秒)の決定制御、等を行う。
【0042】
図8は第2実施例の画像の伝送の処理フローである。本実施例における画像の圧縮方法は、第1実施例で用いた圧縮方法を用いる。
まず、制御部71は設定情報メモリ43から縮尺設定情報を取得し表示している地図の縮尺率が1/20万以上か否か判断を行い(ステップS801)、該縮尺率が1/20万以上の場合にはS802に進み、該縮尺率が1/20万より小さい場合にはS804に進む。
【0043】
S801において、前記縮尺率が1/20万以上の場合(図1(b)(D)の場合)には、制御部71は画像変換部46に画素数640×480、画像伝送速度15枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は圧縮処理を行わず、画素数640×480の画像を伝送速度15枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS802)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS803)。
【0044】
一方、S801において、前記縮尺率が1/20万より小さい場合には、制御部71は前記縮尺率が1/1万以上か否か判断を行い(ステップS804)、1/1万以上の場合にはS805に進み、1/1万より小さい場合にはS808に進む。
【0045】
S804において、前記縮尺率が1/1万以上の場合(図1(b)(E)の場合)には、制御部34は画像変換部46に画素数480×360、画像伝送速度30枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は画素数640×480の画像を画素数480×360の画像に圧縮し(ステップS805)、圧縮した画素数480×360の画像を伝送速度30枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS806)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS807)。
【0046】
一方、S804において、前記縮尺率が1/1万より小さい場合(図1(b)(F)の場合)には、制御部34は画像変換部46に画素数320×240、画像伝送速度60枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は画素数640×480の画像を画素数320×240の画像に圧縮し(ステップS808)、圧縮した画素数320×240の画像を伝送速度60枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS809)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS810)。
尚、本実施例では第1実施例で用いた方法で画像の圧縮を行ったが、該圧縮方法でなく、汎用的な圧縮方法であるDCT、ランレングス、ハフマン符号化、等を用いてもよい。
【0047】
以上の説明では、時分割多重する場合について説明したが、多重方法は時分割多重に限られず、符号多重等の方法も可能である。
また、以上の説明では制御部が1画像当たりの画素数および1秒当たりの伝送画像数を決定しているが、これらの決定制御を画像変換部が行うように制御することもできる。
また、表示している地図の縮尺率に応じて3段階に分けた場合について、説明をしたが、3段階に限る必要はない。また、地図の縮尺率の閾値は操作部から変更可能である。
【0048】
以上、従来技術では、走行しているときに表示されている地図の縮尺率が小さい場合には画像処理が間に合わず、表示される画像の伝送に遅延が発生してしまい、ユーザに不快感を与えていたが、本実施例では表示されている地図の縮尺率に応じて、伝送する画像1枚当たりの画素数や1秒間当たりの画像の伝送速度制御をしたので、画像処理をリアルタイムに行うことができ、表示される画像の伝送に遅延が発生せず、ユーザに不快感を与えることがない。
【0049】
(C)第3実施例
図9は第3実施例のナビゲーション装置の構成図であり、図3の第1実施例のナビゲーション装置の構成図と同一の部分には同一の符号を付している。
【0050】
制御部91は、ナビゲーション装置22全体を制御すると共に、車速検出部47により算出された車速および設定情報メモリ43より取得した縮尺率に応じた地図画像の画素数の決定制御、および、ネットワークバス21における該画像の伝送速度(枚/秒)の決定制御、等を行う。
【0051】
図10は第3実施例の画像の伝送の処理フローである。本実施例における画像の圧縮方法は、第1実施例で用いた圧縮方法を用いる。
まず、制御部91は車速算出部47が算出した車速が60km/h以下か否か判断を行い(ステップS1001)、60km/h以下の場合にはS1002に進み、60km/hより大きい場合にはS1008に進む。
【0052】
S1001において、前記車速が60km/h以下の場合には、制御部91は設定情報メモリ43から縮尺設定情報を取得し表示している地図の縮尺率が1/1万より以上か否かの判断を行い(ステップS1002)、該縮尺率が1/1万以上の場合にはS1003に進み、該縮尺率が1/1万より小さい場合にはS1005に進む。
【0053】
S1002において、前記縮尺率が1/1万以上の場合(図1(c)(G)の場合)には、制御部91は画像変換部46に画素数640×480、画像伝送速度15枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は圧縮処理を行わず、画素数640×480の画像を伝送速度15枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS1003)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS1004)。
【0054】
一方、S1002において、前記縮尺率が1/1万より小さい場合(図1(c)(H)の場合)には、制御部91は画像変換部46に画素数480×360、画像伝送速度30枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は画素数640×480の画像を画素数480×360の画像に圧縮し(ステップS1005)、圧縮した画素数480×360の画像を伝送速度30枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS1006)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS1007)
【0055】
また、S1001において、前記車速が60km/hより大きい場合には、制御部91は設定情報メモリ43から縮尺設定情報を取得し表示している地図の縮尺率が1/1万以上か否か判断を行い(ステップS1008)、該縮尺率が1/1万以上の場合にはS1009に進み、該縮尺率が1/1万より小さい場合にはS1012に進む。
【0056】
S1008において、前記縮尺率が1/1万以上の場合(図1(c)(I)の場合)は、制御部91は画像変換部46に画素数480×360、画像伝送速度30枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は画素数640×480の画像を画素数480×360の画像に圧縮し(ステップS1009)、圧縮した画素数480×360の画像を伝送速度30枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS1010)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS1011)。
尚、本実施例では第1、第2実施例で用いた方法で画像の圧縮を行ったが、該圧縮方法でなく、汎用的な圧縮方法であるDCT、ランレングス、ハフマン符号化、等を用いてもよい。
【0057】
以上の説明では、時分割多重する場合について説明したが、多重方法は時分割多重に限られず、符号多重等の方法も可能である。
また、以上の説明では制御部が1画像当たりの画素数および1秒当たりの伝送画像数を決定しているが、これらの決定制御を画像変換部が行うように制御することもできる。
また、車速と表示している地図の縮尺率に応じてそれぞれ2段階ずつに分けた場合について、説明をしたが、それぞれ2段階に限る必要はない。また、車速と地図の縮尺率の閾値は操作部から変更可能である。
【0058】
一方、S1008において、前記縮尺率が1/1万より小さい場合(図1(c)(J)の場合)は、制御部91は画像変換部46に画素数320×240、画像伝送速度60枚/秒を指示する。これにより、画像変換部46は画素数640×480の画像を画素数320×240の画像に圧縮し(ステップS1012)、圧縮した画像を伝送速度60枚/秒で表示装置23に伝送し(ステップS1013)、表示装置23は該伝送された画像を表示する(ステップS1014)。
【0059】
以上、従来技術では、走行しているときに表示されている地図の縮尺率小さい場合や自車の車速が高速の場合には、画像処理が間に合わず、表示されている画像の伝送に遅延が発生してしまい、ユーザに不快感を与えていたが、本実施例では表示されている地図の縮尺率および車速に応じて、伝送する画像1枚当たりの画素数や1秒間あたりの画像の伝送速度制御をしたので、画像処理をリアルタイムに行うことができ、表示される画像の伝送に遅延が発生せず、ユーザに不快感を与えることがない。また、車速が高速になり、表示している地図の縮尺率が小さくても、地図画像は粗くなるが、速度に応じて周辺の地図を表示することが可能となる。
【符号の説明】
【0060】
21 ネットワークバス
22 ナビゲーション装置
34 制御部
43 設定情報メモリ
46 画像変換部
47 車速算出部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図画像発生部から発生された地図画像を表示部に伝送するナビゲーション装置における地図画像伝送方法において、
車速を検出するステップ、
前記車速が高速になるにつれて、該車速に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するステップ、
を備えたことを特徴とする地図画像伝送方法。
【請求項2】
地図画像発生部から発生された地図画像を表示部に伝送するナビゲーション装置における地図画像伝送方法において、
表示する地図の縮尺率を検出するステップ、
前記縮尺率が小さくなるにつれて、該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するステップ、
を備えたことを特徴とする地図画像伝送方法。
【請求項3】
地図画像発生部から発生された地図画像を表示部に伝送するナビゲーション装置における地図画像伝送方法において、
車速を検出し、かつ表示する地図の縮尺率を検出するステップ、
前記車速が高速になり、かつ、前記縮尺率が小さくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するステップ、
前記車速が低速になり、かつ、前記縮尺率が大きくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を多くすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を減少するステップ、
を備えたことを特徴とする地図画像伝送方法。
【請求項4】
地図画像発生部から発生された地図画像を表示部に伝送するナビゲーション装置において、
自車の車速を検出する車速検出部と、
自車位置を検出する自車位置検出部と、
前記自車位置に応じた地図画像を発生する地図画像発生部と、
前記車速が高速になるにつれて、該車速に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するように制御する制御部と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
地図画像発生部から発生された地図画像を表示部に伝送するナビゲーション装置において、
地図の縮尺率を検出する縮尺検出部と、
自車位置を検出する自車位置検出部と、
前記自車位置に応じた地図画像を発生する地図画像発生部と、
前記縮尺率が小さくなるにつれて、該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するように制御する制御部と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
地図画像発生部から発生された地図画像を表示部に伝送するナビゲーション装置において、
自車の車速を検出する車速検出部と、
地図の縮尺率を検出する縮尺検出部と、
自車位置を検出する自車位置検出部と、
前記自車位置に応じた地図画像を発生する地図画像発生部と、
前記車速が高速になり、かつ、前記縮尺率が小さくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加し、前記車速が低速になり、前記縮尺率が大きくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を多くすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を減少するように制御する制御部と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項1】
地図画像発生部から発生された地図画像を表示部に伝送するナビゲーション装置における地図画像伝送方法において、
車速を検出するステップ、
前記車速が高速になるにつれて、該車速に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するステップ、
を備えたことを特徴とする地図画像伝送方法。
【請求項2】
地図画像発生部から発生された地図画像を表示部に伝送するナビゲーション装置における地図画像伝送方法において、
表示する地図の縮尺率を検出するステップ、
前記縮尺率が小さくなるにつれて、該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するステップ、
を備えたことを特徴とする地図画像伝送方法。
【請求項3】
地図画像発生部から発生された地図画像を表示部に伝送するナビゲーション装置における地図画像伝送方法において、
車速を検出し、かつ表示する地図の縮尺率を検出するステップ、
前記車速が高速になり、かつ、前記縮尺率が小さくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するステップ、
前記車速が低速になり、かつ、前記縮尺率が大きくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を多くすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を減少するステップ、
を備えたことを特徴とする地図画像伝送方法。
【請求項4】
地図画像発生部から発生された地図画像を表示部に伝送するナビゲーション装置において、
自車の車速を検出する車速検出部と、
自車位置を検出する自車位置検出部と、
前記自車位置に応じた地図画像を発生する地図画像発生部と、
前記車速が高速になるにつれて、該車速に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するように制御する制御部と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
地図画像発生部から発生された地図画像を表示部に伝送するナビゲーション装置において、
地図の縮尺率を検出する縮尺検出部と、
自車位置を検出する自車位置検出部と、
前記自車位置に応じた地図画像を発生する地図画像発生部と、
前記縮尺率が小さくなるにつれて、該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加するように制御する制御部と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
地図画像発生部から発生された地図画像を表示部に伝送するナビゲーション装置において、
自車の車速を検出する車速検出部と、
地図の縮尺率を検出する縮尺検出部と、
自車位置を検出する自車位置検出部と、
前記自車位置に応じた地図画像を発生する地図画像発生部と、
前記車速が高速になり、かつ、前記縮尺率が小さくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を少なくすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を増加し、前記車速が低速になり、前記縮尺率が大きくなるにつれて、該車速および該縮尺率に応じて前記地図画像発生部から前記表示部へ伝送する1画像当たりの画素数を多くすると共に、単位時間当たりに伝送する画像数を減少するように制御する制御部と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−210554(P2010−210554A)
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−59173(P2009−59173)
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】
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