説明

ナビゲーション装置及びナビゲーション用プログラム

【課題】走行中に前方を走行している車両に興味が湧いた場合に、その車両に関する情報を容易に得ることができる技術を提供する。
【解決手段】自車位置情報に基づいて道路案内を行うナビゲーション装置に、自車両の周辺の画像情報を取得する画像情報取得手段12と、取得された画像情報から、自車両の周辺に存する他車両の画像を抽出する他車両画像抽出手段18と、他車両の車種を識別する車種識別手段18とを備え、識別された車種に関する車種紹介情報を紹介する紹介出力手段30を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自車位置情報に基づいて道路案内を行うナビゲーション装置に関するとともに、コンピュータ内に格納されて、当該ナビゲーション装置を実現するためのナビゲーション用プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の自車位置情報を取得して、自車位置周辺の案内、目的地までのルート案内を行うナビゲーション装置は良く知られており、今日、ナビゲーション装置が装備されていない車両のほうが少ないといった状況となっている。
ナビゲーション装置の一つの機能として、前方を走行している車両の情報を画像認識手法により取得し、この前方車両の走行・停止状態あるいは、その車両が大型車か否かを判別し、自車の走行状態を好適に制御しようとする技術が特許文献1に示されている。この特許文献1に開示の技術では、前方車両が大型車か否かの判別が行われるが、その情報は基本的に自車の走行の用(追い越すか否か)に供される。
【0003】
【特許文献1】特開2006−251888号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
さて、例えば、高速道を走行中に、運転者或いはその同乗者が、前方を走行している走行車の車種に興味を持つことが多々ある。興味の持ちかたは様々であるが、「前方車両の車種名が何か?」「そのメーカは?」「そのグレード及び価格は?」「自車はそろそろ買い替えの時期だが、あの車の情報が欲しいな。」といったものである。このような状況にあって、従来、その走行車両に関して得られる情報は、運転者もしくは同乗者の知識に限られており、これらの者がその車種について知識を有しない場合は、車種の同定すらできないこととなっていた。特に、新たに販売が開始された新車種の場合はなおさらである。
【0005】
一方、従来、様々なメディアにおいて各車種に関する情報が提供されているが、テレビ、ラジオ等から提供される情報は、情報を受取る側からのアクセスではないため、情報が受け手により垂れ流され、広告として充分に役立っているとはいえなかった。また、インターネットにアクセスして、各車種の情報を得ようとする場合、どれか特定の車種について調べたい場合にあっても、先ず、車種の名称すら判明していない場合が多々ある。
【0006】
本願の目的は、例えば、走行中に前方を走行している車両に興味が湧いた場合に、その車両に関する情報を容易に得ることができる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するための、自車位置情報に基づいて道路案内を行うナビゲーション装置の特徴構成は、
自車両の周辺の画像情報を取得する画像情報取得手段と、
前記画像情報取得手段により取得された画像情報から、自車両の周辺に存する他車両の画像を抽出する他車両画像抽出手段と、
前記他車両画像抽出手段により抽出された画像から前記他車両の車種を識別する車種識別手段とを備え、
前記車種識別手段により識別された車種に関する車種紹介情報を紹介する紹介出力手段を備えたことにある。
この構成のナビゲーション装置には、画像情報取得手段、他車両画像抽出手段、車種識別手段及び紹介出力手段が備えられる。
そして、画像情報取得手段により自車両の周辺の画像情報が取得され、この取得された画像情報から、他車両画像抽出手段により自車両の周辺に存する他車両の画像が抽出される。抽出された画像から車種識別手段により他車両の車種を識別される。即ち、このナビゲーション装置に備えられる画像取得、画像処理系により、認識対象となる車両の車種まで識別する。そして、識別された車種に関する車種紹介情報を紹介出力手段で紹介する。
【0008】
このようにナビゲーション装置を構成することにより、例えば、運転者からの指示に従って、或いは、自動的に、自車の周辺を走る他車両の車種を識別して、その車種に関する情報を紹介できる。従って、ユーザは、実際に他車両を見て興味を持った状況において、本願に係るナビゲーション装置から、その車両の車種に関する車種紹介情報を得て、事後の用に供することができる。この構成にあっては、当該車種の紹介を、その車種の車両を見ている状態、或いは見た後で、ユーザに対して行うことができるため、広告機能としても、その機能が高い。
【0009】
上記のような構成のナビゲーション装置は、
自車位置情報に基づいて道路案内を行う案内工程をコンピュータに格納されて実行するナビゲーション用プログラムであって、
自車両の周辺の画像情報を取得する画像情報取得工程と、
前記画像情報取得工程を実行して取得された画像情報から、自車両の周辺に存する他車両の画像を抽出する他車両画像抽出工程と、
前記他車両画像抽出工程を実行して抽出された画像から前記他車両の車種を識別する車種識別工程を実行し、
前記車種識別工程により識別された車種に関する車種紹介情報を紹介する紹介出力工程を実行するナビゲーション用プログラムを、コンピュータに格納することで実現できる。
【0010】
このようなナビゲーション装置を採用するに、紹介出力手段が、車種に関して、当該車種の名称、コンセプト、トピック、グレード、価格、当該車種を紹介する通信ネット上のアドレス情報、当該車種を販売するディーラーに関する情報から選択される一種以上を紹介可能に構成しておくと、各情報をそれぞれ提供できる。
ここで、車種の名称、コンセプト、トピック、グレード、価格等は、例えば、走行中であっても案内して差し支えのない情報であり、寧ろ、実際に当該車種の車両をみている時点、時点で紹介するのが、好ましい情報である。
一方、車種を紹介する通信ネット上のアドレス情報は、例えば、運転者が帰宅して、各家庭からインターネットにアクセスするのに好適な情報である。このように、アドレス情報を紹介することで、例えば、同一車種について、異なった色の車両を見たり、異なった方向の外観を確認したり、同種の車種との比較を行ったりすることができる。
さらに、当該車種を販売するディーラーに関する情報が紹介される場合は、走行中の場合は、最寄のディーラーに立寄って、当該車種の車を見たり、説明を受けたりすることも可能となる。
【0011】
これまで説明してきた構成において、紹介出力手段が、ユーザに関する情報であるユーザ情報と、前記車種の情報とに基づいて、前記車種紹介情報を決定し、紹介するように構成することもこの好ましい態様である。
ユーザ情報としては、様々な情報を含めることが可能であるが、例えば、ユーザ情報がユーザが乗っている車種に関する情報、その走行距離に関する情報であったりした場合に、ユーザの車種あるいは車自体と認識対象としている車種とを比較して、「前方車は、貴方が現在乗車されている車の新型車です。」「現在、お乗りになっている車の走行距離がそろそろ8万kmとなります、前方を走行している車は、現在、キャンペーン期間中です。御購入を考えられてはどうですか?」といった紹介を行うことができる。さらに、運転者に妻がいて、前方車がグレードが一段低い小型車である場合に、「奥様用のセカンドカーとして、前方を走る「B」を考えられてはいかがですか?」といった紹介をすることができる。
即ち、ユーザ情報としては、ユーザが乗車もしくは所有する車両に関する情報又はユーザの家族に関する情報であることが、好ましい。
【0012】
さらに、紹介出力手段が、自車の走行状態情報に基づいて、前記車種紹介情報を紹介する紹介の可否若しくは、紹介のタイミングを決定することも、好ましい態様である。
本願にあっては、車種紹介情報を、音声、画像等、何らかの形態で提供するが、車両の走行状態によっては、そのような情報の提供が煩わしと考えられる状態もある。さらに、本願が対象とする車種紹介は、必ずしも必須というものではなく、例えば、走行時ではなく、車両が交差点に近づき走行速度が低速となった状態で、遅れて車両紹介情報を紹介するほうが好ましい場合もある。
そこで、走行状態情報に基づいて、紹介の可否もしくは紹介のタイミングを決定するように構成することで、紹介をすることが適切な走行状態にある場合に、適切に紹介を行うことができる。
【0013】
ここで、紹介出力手段が、音声により前記車種紹介情報を紹介するものとしておくと、運転等に大きく影響することなく、紹介を行うことができる。
【0014】
さて、車種識別の手法に関して、これまで何も述べなかったが、車種識別手段が、他車両の輪郭形状、車両ランプ形状、及び前記車両ランプ内に備えられる光源配列の何れか一種以上に基づいて車種を識別するものとしておくことが好ましい。
車両の輪郭形状、車両ランプ形状、車両ランプ内に備えられる光源配列は、それぞれ、車種によって、個別、独特なものであるため、これらの情報の何れか、或いは、それらの組み合わせで、比較的容易に、識別対象とする他車両の車種識別を行うことができる。
【0015】
ここで、車両ランプ内に備えられる光源配列を利用する場合は、車両の輪郭形状、車両ランプ形状では識別に困難が伴いやすい夜間の車種識別を良好に行える利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に、本発明の実施形態について図面に基づいて説明する。
図1は、本実施形態に係るナビゲーション装置1の概略構成を示す機能ブロック図である。
【0017】
図1に示すナビゲーション装置1の各機能部、具体的には、画像情報取得部12、自車位置情報取得部16、地物情報取得部17、画像認識部18、自車位置情報補正部19、ナビゲーション用演算部20、及び紹介演算部30は、CPU等の演算処理装置を中核部材として、入力されたデータに対して種々の処理を行うための機能部がハードウェア又はソフトウェア(プログラム)或いはその両方により実装されて構成されている。そして、これらの各機能部は、互いに情報の受け渡しを行うことができるように構成されている。
また、ナビゲーション装置1の各データベースDB1〜DB3、例えば、ハードディスクドライブ、DVD−ROMを備えたDVDドライブ、CD−ROMを備えたCDドライブ等のように、情報を記憶可能な記録媒体とその駆動手段とを有する装置をハードウェア構成として備えている。
【0018】
以下、本実施形態に係るナビゲーション装置1の各部の構成について詳細に説明する。
1.地図データベース
地図データベースDB1は、所定の区画毎に分けられた地図情報Mが記憶されたデータベースである。図2は、地図データベースDB1に記憶されている地図情報Mの構成の例を示す図である。この図に示すように、地図情報Mは、交差点に対応する多数のノードnと、各交差点間を結ぶ道路に対応するリンクkとの接続関係により道路ネットワークを表す道路情報Ra(図1参照)を有している。各ノードnは、緯度及び経度で表現された地図上の位置(座標)の情報を有している。各リンクkは、ノードnを介して接続されている。また、各リンクkは、その属性情報として、道路種別、地域種別、リンク長、道路幅、リンク形状を表現するための形状補間点等の情報を有している。ここで、道路種別情報は、例えば、自動車専用道路、市街道路、細街路、山岳路等のように、道路を複数の種別に区分した際の道路種別の情報である。また、地域種別情報は、例えば、関東地方や関西地方等の地方、都道府県や市区町村等の行政区画等のように、リンクkに対応する道路が設けられている地域を複数に区分した際の地域種別の情報である。これらのリンクkの属性情報が、道路属性情報Rb(図1参照)に相当する。なお、図2においては、一つの区画の道路情報Raのみを図示し、他の区画の道路情報Raは省略して示している。
【0019】
2.地物データベース
地物データベースDB2は、道路上や道路周辺に設けられた各種の地物の情報、すなわち地物情報Fが記憶されたデータベースである。図1に示すように、本実施形態においては、地物データベースDB2には地物情報Fが記憶される。ここで、このような地物情報Fは、主には、道路情報Raを含む地図情報Mが整備されている全ての地域の中で、大都市周辺や幹線道路等の一部の地域について整備されている。本実施形態においては、この地物データベースDB2が、本発明における地物情報記憶手段に相当する。
【0020】
この地物データベースDB2に地物情報Fが記憶される地物には、道路の路面に設けられた道路標示(ペイント標示)が含まれている。図3は、地物データベースDB2に記憶されている道路標示の地物情報Fの例を示す図である。このような道路標示に係る地物としては、例えば、横断歩道、停止線、最高速度等を表す速度標示、ゼブラゾーン、道路に沿って車線を分ける区画線(実線、破線、二重線等の各種区画線を含む。)、各車線の進行方向を指定する進行方向別通行区分標示(矢印標示、例えば、直進矢印、右折矢印等を含む)等が含まれる。なお、地物情報Fが記憶される地物としては、このような道路標示のほか、信号機、標識、陸橋、トンネル等の各種の地物も含めることができる。
【0021】
また、地物情報Fは、その内容として各地物の位置情報と、それに関連付けられた地物属性情報とを有している。ここで、位置情報は、道路情報Raを構成するリンクk又はノードn等と関連付けられた各地物の代表点の地図上の位置(座標)、及び各地物の向きの情報を有している。本例では、代表点は、各地物の長さ方向及び幅方向の中央部付近に設定される。また、地物属性情報は、地物種別情報や、地物の形状、大きさ、色彩等の地物形態情報等を含んでいる。ここで、地物種別は、具体的には、「横断歩道」、「停止線」、「速度標示(30km/時)」等のような、基本的に同じ形態を有する地物の種別を表す情報である。
【0022】
3.車両データベース
車両データベースDB3は、道路上を走行する各種の車両の情報、すなわち車両情報Cが記憶されたデータベースである。図1に示すように、本実施形態においては、車両データベースDB3には、車両基本情報Ca、車両識別情報Cbの2種類の情報が、車種別に記憶される。同図には車種として、「A」及び「B」を示している。このデータベースDB3に記憶される情報は、図1に示されるように、更新用端末En、インターネットInを介して車両データ更新サーバCDSから適宜、最新の情報を取り込むことで最新の情報に更新できるようになっている。
【0023】
車両基本情報Caとは、その車種の名称等の車種情報、その車両を紹介している通信ネット上のアドレス情報、その車種を販売しているディーラーの情報等である。
【0024】
車両識別情報Cbとは、特定の車両を車種識別の対象とする場合に、車種の識別が可能な情報である。具体的には、この車両識別情報Cbは、車両輪郭情報Cb1,車両ランプ情報Cb2、車両ランプ輝点配列情報Cb3を含んで構成されている。
車両輪郭情報Cb1とは、各種の車両、それぞれの車両外形の輪郭形状に関する情報であり、主には、車両を後方から見た場合の輪郭形状に関する情報であるが、車両を前方から見た輪郭形状、さらには、右側方、左側方から見た輪郭形状であってもよい。図5に、細実線で異なった車種の輪郭形状(a)(b)を示した。この車両輪郭情報Cb1は、その輪郭形状、さらには輪郭形状の大きさから、車種を識別する上での一つの識別要素となる。
【0025】
車両ランプ情報Cb2とは、各種の車両、それぞれのランプに関する情報であり、この情報も、主には、車両を後方から見た場合の見うるランプ全体の外形に関する情報であるが、車両を前方から見た場合のランプ全体の外形に関する情報、さらには、右側方、左側方から見た場合の情報であってもよい。後方から見た場合の例に関して説明すると、この情報には、左右の個々のランプの輪郭形状(輪郭自体及びその大きさを含む)の情報から成る他、左右一対のランプの位置関係を含み、さらには、先に説明した車両外形の輪郭形状に対する、ランプの位置、大きさ、及び輪郭内において占める範囲に関する情報も含まれる。図5に、太実線で異なった車種のランプ形状(a)(b)を示した。この車両ランプ情報Cb2は、そのランプ自体及び車両外形の輪郭形状とランプの位置等の情報から、車種を識別する上での一つの識別要素となる。
【0026】
車両ランプ輝点配列情報Cb3とは、各種の車両、それぞれのランプ内に配列される輝点となるLED等の光源の配列に関する情報であり、この情報も、主には、車両を後方から見た場合の見うる輝点配列に関する情報であるが、車両を前方から見た場合の輝点配列に関する情報、さらには、右側方、左側方から見た場合の情報であってもよい。後方から見た場合の例に関して説明すると、この情報には、左右の個々のランプにおける輝点配列(全ての輝点を囲む外側境界形状を含む他、輝点を個別に認識し得る場合の輝点の配列も含む)の情報から成る他、先に説明した車両外形の輪郭形状、ランプの輪郭形状に対する、輝点配列部の位置、大きさ、輪郭内において占める範囲に関する情報も含んでいる。図5に、一点鎖線で異なった車種の輝点配列(a)(b)を示した。この車両ランプ輝点配列情報Cb3は、その輝点配列自体、あるいはランプ形状或いは車両外形の輪郭形状と輝点配列の位置等の情報から、車種を識別する上での一つの識別要素となる。
【0027】
なお、本実施形態においては、この車両データベースDB3が、本発明における車両情報記憶手段となる。
【0028】
4.自車位置情報取得部
自車位置情報取得部16は、自車両50の現在位置を示す自車位置情報Pを取得する自車位置情報取得手段として機能する。ここでは、自車位置情報取得部16は、GPS受信機13、方位センサ14、及び距離センサ15と接続されている。
ここで、GPS受信機13は、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を受信する装置である。このGPS信号は、通常1秒おきに受信され、自車位置情報取得部16へ出力される。自車位置情報取得部16では、GPS受信機13で受信されたGPS衛星からの信号を解析し、自車両50の現在位置(緯度及び経度)、進行方位、移動速度等の情報を取得することができる。
方位センサ14は、自車両50の進行方位又はその進行方位の変化を検出するセンサである。この方位センサ14は、例えば、ジャイロセンサ、地磁気センサ、ハンドルの回転部に取り付けた光学的な回転センサや回転型の抵抗ボリューム、車輪部に取り付ける角度センサ等により構成される。そして、方位センサ14は、その検出結果を自車位置情報取得部16へ出力する。
距離センサ15は、自車両50の車速や移動距離を検出するセンサである。この距離センサ15は、例えば、車両のドライブシャフトやホイール等が一定量回転する毎にパルス信号を出力する車速パルスセンサ、自車両50の加速度を検知するヨー・Gセンサ及び検知された加速度を積分する回路等により構成される。そして、距離センサ15は、その検出結果としての車速及び移動距離の情報を自車位置情報取得部16へ出力する。
【0029】
そして、自車位置情報取得部16は、これらのGPS受信機13、方位センサ14及び距離センサ15からの出力に基づいて、公知の方法により自車位置を特定する演算を行う。また、自車位置情報取得部16は、地図データベースDB1から抽出された自車位置周辺の道路情報Raを取得し、それに基づいて公知のマップマッチングを行うことにより自車位置を道路情報Raに示される道路上に合わせる補正も行う。このようにして、自車位置情報取得部16は、緯度及び経度で表された自車両50の現在位置の情報、及び自車両50の進行方位の情報を含む自車位置情報Pを取得する。
【0030】
5.地物情報取得部
地物情報取得部17は、自車位置情報取得部16で取得された自車位置情報P等に基づいて、地物データベースDB2から自車両50の周辺に存在する地物の地物情報Fを抽出して取得する。本実施形態においては、一例として、地物情報取得部17は、自車位置情報Pに基づいて、自車位置情報Pに示される自車両50の現在位置から、当該自車両50が走行中の道路を表すリンクkの終端までの間に存在する対象地物の地物情報Fを地物データベースDB2から抽出する。そして、この地物情報取得部17により取得された地物情報Fは、画像認識部18及び自車位置情報補正部19へ出力される。ここで、対象地物となる地物は、画像認識部5による画像認識処理の対象となる地物である。本実施形態においては、横断歩道、停止線、速度標示等のような、道路の路面に設けられた各種の道路標示の中から選択された地物種別の地物が対象地物となる。
【0031】
6.画像認識部
画像認識部18は、画像情報取得部12で取得された画像情報G1、G2に含まれる対象地物の画像認識処理を行う自車位置補正用画像認識手段18aとして機能するとともに、車種を識別する画像認識処理を行う車種識別用画像認識手段18bとして機能する。
自車位置補正用画像認識処理
本実施形態においては、画像認識部18(具体的には自車位置補正用画像認識手段18a)は、自車位置情報Pの補正に用いるための位置補正用画像認識処理を行う。
画像認識部18は、地物情報取得部17により自車位置情報Pに基づいて地物データベースDB2から取得された地物情報Fを参照する。そして、自車両50の周辺に地物情報Fとして記憶された対象地物が存在すると判定された場合に位置補正用画像認識処理を行う。位置補正用画像認識処理では、画像認識部18は、自車位置情報Pに基づいて地物データベースDB2から取得した自車両50の周辺に存在する対象地物の地物情報Fに基づいて、バックカメラ11a(図4(a)参照)により撮像された画像情報G1に含まれる当該地物情報Fが示す対象地物の画像認識処理を行う。この際、画像認識部18は、当該地物情報Fが示す対象地物の認識要求を行う所定の認識領域E(図7参照)を設定し、この認識領域E内の画像情報G1に対して対象地物の画像認識処理を行う。この認識領域Eは、道路情報Raが示すリンクk上における、当該対象地物が存在すると推測される位置範囲として設定される。ここで、各画像情報G1に含まれる現実の道路の撮像領域は、自車両50への撮像装置11の取付位置、取付角度、及び画角等に基づいて予め演算された自車位置と撮像領域との位置関係を用いることで、自車位置情報Pに基づいて求めることができる。よって、画像認識部18は、このように求めた各画像情報G1の撮像領域の情報に基づいて、各対象地物について設定された認識領域Eに対応する画像情報G1を抽出し、画像認識処理を行う。この位置補正用画像認識処理による対象地物の画像認識結果は、自車位置情報補正部19による自車位置情報Pの補正に用いられる。
この処理にあっては、画像認識部18は、対象地物の画像認識に際しては、画像情報G1に対して二値化処理やエッジ検出処理等を行い、当該画像情報G1に含まれている地物(道路標示)の輪郭情報を抽出する。その後、画像認識部18は、抽出された地物の輪郭情報と、対象地物の形態の特徴量とのパターンマッチングを行うことにより、画像情報G1に含まれる対象地物の画像を抽出する。そして、画像認識部18は、位置補正用画像認識処理に際しては、設定された認識領域E内の画像情報G1の中から対象地物の画像を抽出できた場合に対象地物の画像認識に成功したと判定する。一方、画像認識部18は、認識領域E内の全ての画像情報G1について画像認識処理を行った結果、対象地物の画像を抽出できなかった場合には、対象地物の画像認識に失敗したと判定する。
【0032】
車種識別用画像認識処理
本実施形態においては、画像認識部18(具体的には、車種識別用画像認識手段18b)は、車種識別に用いるための車種識別用画像認識処理を行う。
画像認識部18は、対象車両の画像認識に際しては、例えば、本願における画像情報取得手段として働くフロントカメラ11b(図4(b)参照)で取得された画像情報G2に対して二値化処理やエッジ検出処理さらには膨張・収縮処理等を行い、当該画像情報G2に含まれている特徴的な画像領域を抽出する。即ち、先に説明した車両輪郭情報Cb1、車両ランプ情報Cb2及び車両ランプ輝点配列情報Cb3に相当する画像領域が存在する場合は、各領域が閉領域となっていたり、極度に輝度が高い等の特徴を備えることとなるため、車両輪郭、車両ランプ、車両ランプ輝点配列別に、それぞれ対応する画像領域を抽出することができる(この画像処理段階では、抽出された画像領域が、それぞれ車両輪郭、車両ランプ、車両ランプ輝点配列に対応するとまでは特定されない)。
例えば、図5に示すように、車両の輪郭情報Cb1に対応する画像領域は、車両周りの画像領域に対して、特定の色で識別される閉領域となるため、このような条件に従って抽出される。このようにして抽出された画像領域が車両輪郭候補画像領域Iaとされる。そして、上記の抽出処理を終えた後、画像認識部18は、抽出された車両輪郭候補画像領域Iaに対して、別途、車両データベースDB3に記憶されている車両輪郭情報Cb1を使用してパターンマッチングを行う。結果、適合するものが見出された場合に、前方を走行している車両の車種が、車両の輪郭において対応する車種であるとの車種識別情報を出力する。
【0033】
車両ランプ情報Cb2に対応する画像領域は、ランプ周りの画像領域に対して、特定の色(赤系統の場合が多い)で識別され、さらに内部に輝点が現れることがある閉領域となるため、このような条件に従って抽出される。このようにして抽出された画像領域が、車両ランプ候補画像領域Ibとされる。そして、上記の抽出処理を終えた後、画像認識部18は、抽出された車両ランプ候補画像領域Ibに対して、別途、車両データベースDB3に記憶されている車両ランプ情報Cb1及び車両輪郭情報Cb2を使用してパターンマッチングを行う。そして、適合するものが見出された場合に、前方を走行している車両の車種が、車両のランプ及び輪郭において対応する車種であるとの車種識別情報を出力する。
【0034】
さらに、車両ランプ輝点配列情報Cb3に関しては、ランプに対応するランプ画像領域と輝度差が大きくなる場合(前方車両がブレーキ装置を行った場合、輝度差が大きく出る)がある領域であることから、ランプが点灯した状態の画像における閾値処理により輝点部分を分離して抽出される。このような条件に従って抽出される。このようにして抽出された画像領域が、車両ランプ輝点配列候補画像領域Icとされる。そして、上記の抽出処理を終えた後、画像認識部18は、抽出された車両ランプ輝点配列候補画像領域Icに対して、別途、車両データベースDB3に記憶されている車両ランプ輝点配列情報Cb3、車両ランプ情報Cb2及び車両輪郭情報Cb1を使用してパターンマッチングを行う。そして、適合するものが見出された場合に、前方を走行している車両の車種が、車両の輝点配列、ランプ及び輪郭において対応する車種であるとする車種識別情報を出力する。従って、車種識別用画像認識手段18bは、本願における他車画像抽出手段として機能するとともに、車種識別手段として機能する。
【0035】
7.自車位置情報補正部
自車位置情報補正部19は、画像認識部18による対象地物の画像認識処理の結果と、当該対象地物についての地物情報Fに含まれる当該対象地物の位置情報とに基づいて自車位置情報Pを補正する。本実施形態では、自車位置情報補正部19は、画像認識部18における地物情報Fに基づく位置補正用画像認識処理による対象地物の画像認識結果と、当該地物情報Fに含まれる当該対象地物の位置情報とを用いて、自車両50の進行方向に沿って自車位置情報Pを補正する。具体的には、自車位置情報補正部19は、まず、画像認識部18による位置補正用画像認識処理の結果と、撮像装置11の取付位置、取付角度、及び画角等とに基づいて、対象地物の画像を含む画像情報G1の取得時における自車両50と対象地物との位置関係を演算する。次に、自車位置情報補正部19は、この自車両50と対象地物との位置関係の演算結果と、当該対象地物についての地物情報Fに含まれる当該対象地物の位置情報とに基づいて、自車両50の進行方向における対象地物の位置情報(地物情報F)を基準とする高精度な自車両50の位置情報を演算して取得する。そして、自車位置情報補正部19は、このようにして取得した高精度な自車両50の位置情報に基づいて、自車位置情報取得部16で取得した自車位置情報Pに含まれる、自車両50の進行方向の現在位置の情報を補正する。その結果、自車位置情報取得部16は、このような補正後の高精度な自車位置情報Pを取得することになる。
【0036】
8.ナビゲーション用演算部
ナビゲーション用演算部20は、自車位置表示、出発地から目的地までの経路探索、目的地までの進路案内、目的地検索等のナビゲーション機能を実行するためにアプリケーションプログラム23に従って動作する演算処理手段である。例えば、ナビゲーション用演算部20は、自車位置情報Pに基づいて地図データベースDB1から自車両50周辺の地図情報Mを取得して表示入力装置21に地図の画像を表示するとともに、当該地図の画像上に、自車位置情報Pに基づいて自車位置マークを重ね合わせて表示する処理を行う。また、ナビゲーション用演算部20は、地図データベースDB1に記憶された地図情報Mに基づいて、所定の出発地から目的地までの経路探索を行う。更に、ナビゲーション用演算部20は、探索された出発地から目的地までの経路と自車位置情報Pとに基づいて、表示入力装置21及び音声出力装置22の一方又は双方を用いて、運転者に対する進路案内を行う。また、本実施形態においては、ナビゲーション用演算部20は、表示入力装置21及び音声出力装置22に接続されている。表示入力装置21は、液晶表示装置等の表示装置とタッチパネル等の入力装置が一体となったものである。音声出力装置は、スピーカ等を有して構成されている。本実施形態においては、ナビゲーション用演算部20、表示入力装置21、及び音声出力装置22が、本発明における案内情報出力手段24として機能する。さらに、表示入力装置21、及び音声出力装置22が、後述する車種紹介情報の出力用、さらに、紹介を許可するか否かの入力の用にも供される。
【0037】
9.紹介演算部
この紹介演算部30は、画像処理部18において対象車両について識別された車種に関し、その車種の紹介を行う紹介出力手段として機能する部位であり、車両データベースDB3に車種別に記憶格納されている少なくとも車両基本情報Caを紹介可能に構成されている。
車両データベースDB3には、先にも説明したように、車種毎に、車種情報、当該車種を紹介する通信ネット上のアドレス情報、さらに、この車種を取り扱っているディーラー情報等が記憶・格納されている。
車種情報には、当該車種の名称、当該車種のコンセプト、トピック、グレード、価格等が含まれる。そして、車種の紹介に際しては、『前を走っている車は「A」です。この「A」に、スーパーチャージャーが登場しました。また、マイナーチェンジが施され、同時に特別仕様車が発売されています。一度、購入を検討されませんか?』等の紹介が行えるようにデータベースが構築されている。
【0038】
図1に示すように、この紹介演算部30には、車種紹介部30aと、ディーラー紹介部30bとが備えられている。これら両紹介部30a,30bは、それぞれ、紹介許可取得手段31を備えており、別途、表示入力装置21或いは音声出力装置22を使用して、車種紹介部30a及びディーラー紹介部30bによる紹介を行えとの指令を受けた(ナビゲーション装置側からは、紹介を行っても良いとの許可を受けた)場合でのみ、対象車両の車種の紹介、ディーラーの紹介等を行うように構成されている。
この紹介許可取得手段31は、それぞれの紹介が必要となった時点で、ユーザが両紹介の可否を表示入力装置21或いは音声出力装置22を介して指定、又は装置側から質問してユーザの意向を確認することで、両紹介部30a,30bの動作を始めるように構成されている。従って、ユーザが紹介を不要と判断した場合は、本願の特徴である各紹介は行われない。
【0039】
車種紹介部30aは、先に説明したように紹介が許可されている状況で、画像認識部18により識別された車種について、車種名、用途、価格、売れ行き等を紹介する。この紹介は、例えば、『前を走っている車は、「A」です。この車は、ファミリー用に開発されたもので、その価格帯は300〜400万です。3世代が同居する家族のセカンドカーとして良く購入されています。』等の紹介を行う。
さらに、この車種紹介部30aは、ユーザからの入力指示に従って、認識車両を紹介している通信ネット上のアドレスを紹介するようにも構成されている。従って、例えば、帰宅時に、表示入力装置21から、走行中に前方を走っていた車両のインターネットアドレスの紹介を受け、ユーザがその車種のホームページにアクセスすることで、当該車種のさらに詳細な情報を得ることができる。従って、例えば、異なった色の車について、その車の様々な方向からの外観を確認することができる。
【0040】
この車種紹介部30aには独自の記憶部32が備えられており、この記憶部32にユーザに関連する情報であるユーザ情報Uが記憶される構成が採用されているとともに、自車からその走行状態情報Dを取得する走行状態情報取得部33が備えられており、これらユーザ情報U、走行状態情報Dに従った紹介を行う構成が採用されている。
【0041】
ユーザ情報Uとしては、例えば、ユーザの所有する又は乗車中の車種、その車両の走行距離、ユーザの家族構成等が含まれており、自車の車種と同種の車で、マイナーチェンジが最近加えられた場合に、『最近、乗車中の車で特別仕様車が販売されています。走行距離が8万kmに達しています。買い替えてはどうですか?』等に紹介を行えるようになっている。さらに、家族構成の関する情報については、『奥様にセカンドカーとして、前を走行している「B」はいかがですか?』といった紹介を行えるようになっている。
【0042】
走行状態情報Dとして、例えば、走行中の自車に関して、その走行速度、走行加速度、ブレーキのON・OFF、アクセルのON・OFF等が含まれている。そして、例えば、前方を走行中の車両の紹介を行う場合に、アクセルの踏み込みが行われておらす、走行速度、走行加速度が所定値以下の条件で、これまで説明してきた紹介を行うように構成されている。このような構成を採用する理由は、本願における紹介は、紹介を遅らせても何ら支障がないものであり、必然的でなく、ユーザに余裕のある時点で行うことで充分だからである。
【0043】
ディーラー紹介部30bは、画像処理部18により識別され車両について、その車種を取り扱っているディーラーを紹介する。
このディーラー紹介部30bは、先に説明したように紹介が許可されている状況で、画像認識部18により識別された車種について、その車種を取り扱っているディーラー名、最寄のディーラーの地点等を紹介する。この紹介は、例えば、『前を走っている車は、「X」によって販売されています。最寄のディーラーの所在地は、「○○○市×××町」です。』等の紹介を行う。
さらに、このディーラー紹介部30bでの処理では、ユーザに対する質問として、『最寄のディーラーに行ってみますか?』『最寄のディーラーに、貴方が「A」に興味を持たれたことを知らせていいですか?』等の質問を投げかける。そして、前者の質問に対して「YES」の場合は、そのディーラーへの案内ルートを探索して表示する。一方、後者の質問に対して「YES」の場合は、そのディーラーへ、ユーザが「A」に興味を持ったこと』を知らせる。このようにして、ユーザ、ディーラーで、迅速且つ有用な情報の伝達が可能となる。
【0044】
10.ナビゲーション装置の動作処理
次に、本実施形態に係るナビゲーション装置1において実行される、自車位置情報補正処理、認識車両に対する車種識別処理さらには認識車両についての紹介処理に関して個別に説明する。
【0045】
10−1 自車位置情報補正処理
図6に示すように、ナビゲーション装置1では、まず、自車位置情報取得部16により自車位置情報Pを取得する(ステップ#01)。次に、画像情報取得部12により、撮像装置(具体的にはバックカメラ11a)により撮像した自車両50の周辺の画像情報G1を取得する(ステップ#02)。その後、地物情報取得部17により、自車位置情報Pに示される自車両50の現在位置(自車位置)から、当該自車両50が走行中の道路を表すリンクkの終端までの間に存在する対象地物の地物情報Fを地物データベースDB2から取得する(ステップ#03)。そして、画像認識部18により、ステップ#03において取得された各地物情報Fが示す各対象地物について、認識領域Eを設定して画像認識処理を行う(ステップ#04)。そして、ステップ#04により、認識領域E内で対象地物を画像認識した場合には(ステップ#05:Yes)、自車位置情報補正部19により、当該対象地物の画像認識結果と、当該対象地物についての地物情報Fに含まれる当該対象地物の位置情報とに基づいて、自車位置情報Pの補正を行う(ステップ#06)。一方、認識領域E内で対象地物を画像認識できなかった場合には(ステップ#05:No)、ナビゲーション装置1は、そのままナビゲーション装置1における自車位置補正処理を終了する。
【0046】
10−2 車種識別処理
図8に示すように、この処理にあっては、まず、画像情報取得部12により、撮像装置(具体的にはフロントカメラ11b)により撮像した自車両50の前方に画像情報G2を取得する(ステップ#10)。
次に、画像認識部18は、取得された画像情報G2に対して二値化処理やエッジ検出処理さらには膨張・収縮処理等を行い、車両輪郭候補画像領域Iaを抽出する(ステップ#11)。そして、上記の抽出処理を終えた後、画像認識部18は、抽出された車両輪郭候補画像領域Iaに対して、別途、車両データベースDB3に記憶されている車両輪郭情報Cb1を使用してパターンマッチングを行う(ステップ#12)。そして、適合するものが見出された場合に(ステップ#13:Yes)、前方を走行している車両の車種が、車両の輪郭において対応する車種であるとの車種識別情報(この情報は、車種情報の一つであり、図8において、「車種情報」と記載している)を出力する(ステップ#14)。見出し得ない場合には(ステップ#13:No)、順次、以下の処理を行う。
【0047】
引き続いて、画像認識部18は、前記車両輪郭候補画像領域Ia内において、車両ランプ候補画像領域Ibを抽出する(ステップ#15)。そして、上記の抽出処理を終えた後、画像認識部18は、抽出された車両ランプ候補画像領域Ibに対して別途、車両データベースDB3に記憶されている車両ランプ情報Cb2を使用してパターンマッチングを行う(ステップ#16)。この時、車両輪郭候補画像領域Ia及び車両輪郭情報Cb1も使用される。そして、適合するものが見出された場合に(ステップ#17:Yes)、前方を走行している車両の車種が、車両ランプにおいて対応する車種であるとの車種識別情報を出力する(ステップ#14)。見出し得ない場合には(ステップ#17:No)、引き続いて、以下の処理を行う。
【0048】
さらに、画像認識部18は、前記車両ランプ候補画像領域Ib内において、車両ランプ輝点配列候補画像領域Icを抽出する(ステップ#18)。そして、上記の抽出処理を終えた後、画像認識部18は、抽出された車両ランプ輝点配列候補画像領域Icに対して別途、車両データベースDB3に記憶されている車両ランプ輝点配列情報Cb3を使用してパターンマッチングを行う(ステップ#19)。この時、車両ランプ候補画像領域Ib及び車両ランプ情報Cb2も使用される。そして、適合するものが見出された場合に(ステップ#20:Yes)、前方を走行している車両の車種が、車両ランプ内の輝点の配列において対応する車種であるとの車種識別情報を出力する(ステップ#14)。このようにしても車種が識別できない場合は、車種情報出力不可となる(ステップ#21)。
このようにして、車種識別処理を完了する。
【0049】
10−3 紹介処理
図9に示すように、紹介演算部30は、表示入力装置21の操作により、認識車両に関して、紹介を行ってよいかどうかの許可を取るとともに(ステップ#30)。許可が得られた場合(ステップ#30:Yes)は、認識車両の車種について紹介を行う。一方、得られなかった場合(ステップ#30:No)は、紹介を行うことなく、処理を終える。
【0050】
さて、画像認識部18によりフロントカメラで撮像される画像情報G2から認識車両についてその車種が識別された状態で、紹介演算部30は、その車種情報を取得する(ステップ#31)。一方、この状態で、ナビゲーション装置1が備えられている自車50のユーザ情報を確認するとともに、走行状態情報を確認する(ステップ#32)。この確認により、識別された車種の車両基本情報とユーザ情報とに基づいて紹介内容が決定される(ステップ#33)。
【0051】
一方、走行状態は紹介可の状態にあるかどうかを判定し、紹介可の状態にあっては(ステップ#34:Yes)、認識車両について先に決定した車種情報を含む紹介内容が紹介される(ステップ#35)。紹介不可の状態にあっては(ステップ#34:No)、
走行状態が紹介可の状態になるまで待つ。
【0052】
次に、表示入力装置21の操作により、認識車両に関して、ディーラーの紹介を行ってよいかどうかの許可を取る(ステップ#36)。許可が得られた場合は、識別車両に関して、そのディーラーの紹介を行う(ステップ#37)。そして、運転者に、最寄のディーラーに行くかどうかを質問し、その質問に対して、回答がYesであった場合(ステップ#38:Yes)に、ディーラーへのルート案内を実行する(ステップ#39)。回答がNoであった場合(ステップ#38:No)に、そのまま処理を終える。
【0053】
さらに、ユーザがその識別車両を見たことに関して、その事実をディーラーに報知して良いかかどうかを質問し、その質問に対して、回答がYesであった場合(ステップ#40:Yes)に、ディーラーへの報知を実行する(ステップ#41)。回答がNoであった場合(ステップ#40:No)に、そのまま処理を終える。
【0054】
〔別実施の形態〕
(1) 上記の実施の形態にあっては、車種の識別にあたって、車両の輪郭、車両ランプの形状、車両ランプ内の光源(輝点)の配列の順に識別処理を実行するものとしたが、当然、車両ランプ内の光源(輝点)の配列を単独で使用する、車両ランプ内の光源(輝点)の配列と、車両の輪郭若しくは車両ランプの形状との何れか一方、又は両方を識別要素としてもよい。さらに、組み合わせて識別要素とする場合は、2者若しくは3者の関係を使用できれば、識別はさらにその信頼性を高めることができる。また、識別処理における3者の順を先に説明した実施形態に対して逆にしてもよい。
(2) 上記の実施の形態にあっては、二つ備えられる撮像装置の一方を、識別対象とする車両画像の取り込み用に使用したが、撮像の対象は、前方に限られるものではなく、後方、さらには側方であってもよい。即ち、興味が持たれた車両の画像情報を取り込めればよい。
【産業上の利用可能性】
【0055】
例えば、走行中に前方を走行している車両に興味が湧いた場合に、その車両に関する情報を容易に得ることができる技術を提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の概略構成を示すブロック図
【図2】地図データベースに記憶されている地図情報の構成の例を示す図
【図3】地物データベースに記憶されている道路標示の地物情報の例を示す図
【図4】自車両への撮像装置(バックカメラ及びフロントカメラ)の配置構成の一例を示す図
【図5】車両データベースに記憶されている車両情報の例を示す図
【図6】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の自車位置情報補正のフローチャート
【図7】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の自車位置情報補正の説明図
【図8】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の車種識別処理のフローチャート
【図9】本発明の実施形態に係るナビゲーション装置の紹介処理のフローチャート
【符号の説明】
【0057】
1:ナビゲーション装置
12:画像情報取得部(画像情報取得手段)
16:自車位置情報取得部(自車位置情報取得手段)
17:地物情報取得部
18:画像認識部(他車画像抽出手段:車種識別手段)
19:自車位置情報補正部(自車位置情報補正手段)
23:アプリケーションプログラム
24:案内情報出力手段
30:紹介演算部(紹介出力手段)
50:自車両
DB1:地図データベース
DB2:地物データベース
DB3:車両データベース
E:認識領域
F:地物情報
G1:画像情報
G2:画像情報
k:リンク
n:ノード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車位置情報に基づいて道路案内を行うナビゲーション装置であって、
自車両の周辺の画像情報を取得する画像情報取得手段と、
前記画像情報取得手段により取得された画像情報から、自車両の周辺に存する他車両の画像を抽出する他車両画像抽出手段と、
前記他車両画像抽出手段により抽出された画像から前記他車両の車種を識別する車種識別手段とを備え、
前記車種識別手段により識別された車種に関する車種紹介情報を紹介する紹介出力手段を備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
前記紹介出力手段が、車種に関して、当該車種の名称、コンセプト、トピック、グレード、価格、当該車種を紹介する通信ネット上のアドレス情報、当該車種を販売するディーラーに関する情報から選択される一種以上を紹介可能に構成されている請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記紹介出力手段が、ユーザに関する情報であるユーザ情報と、前記車種の情報とに基づいて、前記車種紹介情報を決定し、紹介する請求項1又は2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記ユーザ情報が、ユーザが乗車もしくは所有する車両に関する情報又はユーザの家族に関する情報である請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記紹介出力手段が、自車の走行状態情報に基づいて、前記車種紹介情報を紹介する紹介の可否若しくは、紹介のタイミングを決定する請求項1〜4のいずれか一項記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記紹介出力手段が、音声により前記車種紹介情報を紹介する請求項1〜5のいずれか一項記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記車種識別手段が、他車両の輪郭形状、車両ランプ形状、及び前記車両ランプ内に備えられる光源配列の何れか一種以上に基づいて車種を識別する請求項1〜6の何れか一項記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
自車位置情報に基づいて道路案内を行う案内工程をコンピュータに格納されて実行するナビゲーション用プログラムであって、
自車両の周辺の画像情報を取得する画像情報取得工程と、
前記画像情報取得工程を実行して取得された画像情報から、自車両の周辺に存する他車両の画像を抽出する他車両画像抽出工程と、
前記他車両画像抽出工程を実行して抽出された画像から前記他車両の車種を識別する車種識別工程を実行し、
前記車種識別工程により識別された車種に関する車種紹介情報を紹介する紹介出力工程を実行するナビゲーション用プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−58431(P2009−58431A)
【公開日】平成21年3月19日(2009.3.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−226820(P2007−226820)
【出願日】平成19年8月31日(2007.8.31)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】