ナビゲーション装置及びナビゲーション装置の制御方法。
【課題】ユーザが所持している地図からの目的地設定を容易にする。
【解決手段】本発明のナビゲーション装置100は、目的地が記載された地図画像を読み込むスキャン処理部11と、スキャン処理部11が読み込んだ地図画像に含まれる文字列を検出する文字認識部13と、文字認識部13が検出した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する目的地判断部15と、目的地判断部15が設定した目的地までのルートガイドを実行するルートガイド実行部16とを備えているので、ユーザは、所持している地図画像から、目的地設定を容易に行うことができる。
【解決手段】本発明のナビゲーション装置100は、目的地が記載された地図画像を読み込むスキャン処理部11と、スキャン処理部11が読み込んだ地図画像に含まれる文字列を検出する文字認識部13と、文字認識部13が検出した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する目的地判断部15と、目的地判断部15が設定した目的地までのルートガイドを実行するルートガイド実行部16とを備えているので、ユーザは、所持している地図画像から、目的地設定を容易に行うことができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上で目的地までのルートガイドを行うナビゲーション装置の目的地設定を容易にする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、カーナビゲーション装置に代表されるような、地図上で目的地までのルートガイドを自動で行うナビゲーション装置が広く用いられている。また、近年では、携帯電話機等の携帯端末にナビゲーション機能を搭載し、人を目的地までルートガイドすることも行われている。
【0003】
ここで、ナビゲーション装置にルートガイドを実行させるためには、ユーザは、まず目的地を入力する必要がある。目的地の入力方法としては、例えばナビゲーション装置に表示されている地図上に目的地を表示させて選択する方法、住所を入力する方法、及び目的地の電話番号を入力する方法等が一般的である。しかしながら、上記従来の入力方法は、入力完了するまでのステップが多いため、入力に手間がかかり、また入力ミスが発生しやすいという問題がある。
【0004】
ところで、ナビゲーション装置の実際の使用シーンにおいて、目的地の入力は、パンフレット等に記載されている地図や住所を見ながら行うことが多い。下記の特許文献1では、この点に着目して、目的地の地図をナビゲーション装置に容易に表示させる方法を提案している。
【0005】
具体的には、特許文献1には、まず、目的地の地図をスキャナで読み取ったスキャンデータをナビゲーション装置に送信し、ナビゲーション装置においてスキャンデータに含まれる地名を抽出し、抽出した地名を含む地図を表示することが記載されている。これにより、ユーザは、目的地の地図をスキャンするだけで容易に目的地設定を行うことができる。
【0006】
また、下記の特許文献2にも、目的地の地図をスキャナで読み取ることによって、目的地の設定を容易にする技術が開示されている。具体的には、特許文献2には、目的地の地図をスキャナで読み取ったスキャンデータから、ロゴマークを抽出し、抽出したロゴマークの位置関係から、上記地図の示す場所を特定し、特定した場所の地図(ナビゲーション用の地図)を表示することが記載されている。この方法を用いた場合には、目的地の地図をスキャンするだけで、ナビゲーション用の地図が表示されるので、ユーザは表示された地図から目的地を容易に設定することができる。なお、ロゴマークとは、コンビニエンスストアやガソリンスタンド等を示すマークである。
【特許文献1】特開平8−54251号公報(1996年2月27日公開)
【特許文献2】特開2005−77929号公報(2005年3月24日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、上記従来の構成では、スキャンした地図が示す位置のナビゲーション用の地図が表示されるのみであり、表示されたナビゲーション用の地図から目的地を設定する操作はユーザが行う必要があるが、この操作がユーザにとって容易ではない。
【0008】
すなわち、ユーザがスキャンした地図とナビゲーション用の地図とは、全く別の地図であるから、同じ位置の地図であっても含まれる内容は異なっている。このため、ユーザは、ナビゲーション用の地図から、スキャンした地図に記載されている目的地をスムーズに選択することが難しい。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザが所持している地図から、目的地設定を容易に行うことのできるナビゲーション装置等を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るナビゲーション装置は、上記課題を解決するために、表示部に表示させたルートガイド用の地図を用いてルートガイドを行い、設定された目的地までユーザを誘導するナビゲーション装置であって、目的地が記載された地図画像を読み込む画像読込手段と、上記画像読込手段が読み込んだ地図画像に含まれる文字列を検出する文字列検出手段と、上記文字列検出手段が検出した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する目的地設定手段と、上記目的地設定手段が設定した目的地までのルートガイドを実行するルートガイド実行手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係るナビゲーション装置の制御方法は、上記課題を解決するために、表示部に表示させたルートガイド用の地図を用いてルートガイドを行い、設定された目的地までユーザを誘導するナビゲーション装置の制御方法であって、目的地が記載された地図画像を読み込む画像読込ステップと、上記画像読込ステップにて読み込んだ地図画像に含まれる文字列を検出する文字列検出ステップと、上記文字列検出ステップにて検出した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する目的地設定ステップと、上記目的地設定ステップにて設定した目的地までのルートガイドを実行するルートガイド実行ステップとを含むことを特徴としている。
【0012】
上記の構成または方法によれば、地図画像に含まれる文字列が検出されて、検出された文字列が示す地点が目的地に設定され、設定された目的地へのルートガイドが実行される。したがって、ユーザは、所持している地図画像を上記ナビゲーション装置に読み込ませるだけで、容易に目的地設定を行うことができる。
【0013】
なお、上記ルートガイドとは、画像及び音声の何れかまたは両方を用いて設定された目的地までユーザを誘導する処理を指す。また、ルートガイドの出発地点は、ナビゲーション装置の現在地としてもよいし、別途設定された地点としてもよい。さらに、ルートガイドの出発地点と、設定された目的地との間に経由地点が設定されていてもよい。
【0014】
ここで、地図には、複数の文字列が含まれていることが多く、複数の文字列が検出されたときには、その中から目的地として設定する1つを選択する必要がある。そして、選択した文字列が示す地点は、ユーザの意図する目的地と一致している必要がある。
【0015】
そこで、上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が複数の文字列を検出した場合に、検出された各文字列に含まれる文字の字体及び装飾の少なくとも一方を判別し、上記複数の文字列の中で使用頻度が最も低い字体または装飾を使って記載された文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することが好ましい。
【0016】
一般に、店舗や施設等を紹介する雑誌やパンフレット等に掲載されている地図では、読者が目的地を容易に認識できるように、目的地である店舗や施設等を示す文字の字体や装飾を、他の文字と変えて記載することが多い。したがって、使用頻度の最も低い字体や装飾で記載されている文字列は、目的地である店舗や施設等を示している可能性が高い。
【0017】
このため、上記の構成によれば、検出された複数の文字列の中から、ユーザの意図する目的地と一致している可能性の高い文字列を選択し、当該文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することができる。
【0018】
なお、文字の字体としては、例えば、フォントの種類(明朝、ゴシック等)、斜体、文字の太さ、反転文字、及び文字の色等を適用することができ、装飾としては、例えば、下線、外枠、影付き、浮き出し、中抜き、浮き彫り等を適用することができる。無論、文字の字体及び装飾は、文字列が目的地を指すものであるか否かを判定する判断材料となるものであればよく、これらの例に限定されない。
【0019】
ここで、店舗や施設等を紹介する雑誌やパンフレット等に掲載されている地図では、読者が目的地を容易に認識できるように、目的地である店舗や施設等を示す文字を他の文字よりも大きな文字で記載することも多い。
【0020】
そこで、上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が複数の文字列を検出した場合に、検出された各文字列に含まれる文字のサイズが他の文字列よりも大きい文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定するものであってもよい。
【0021】
上記の構成によっても、検出された複数の文字列の中から、ユーザの意図する目的地と一致している可能性の高い文字列を選択し、当該文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することができる。
【0022】
また、店舗や施設等を紹介する雑誌やパンフレット等に掲載されている地図では、店舗や施設等の電話番号が記載されていることもある。
【0023】
そこで、上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が検出した文字列に電話番号が含まれている場合に、当該電話番号で特定される地点をルートガイドの目的地に設定することが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、ユーザの意図する目的地と一致する地点をルートガイドの目的地に設定することができる。なお、電話番号から目的地を特定する方法としては、例えば電話番号と地点とを対応付けたデータベースを用いる方法が挙げられる。
【0025】
また、上記ナビゲーション装置は、上記ルートガイド用の地図に表示される文字列と、該文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定することの可否を示す設定可否情報とを関連付けて格納する設定可否情報記憶部を備え、上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が検出した文字列のうち、関連付けられている上記設定可否情報が目的地に設定することができることを示している文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定することが好ましい。
【0026】
ここで、地図画像から検出する文字列には、道路名、交差点名等のように一般に目的地に設定されないものが含まれていることが多い。そこで、上記の構成によれば、関連付けられた設定可否情報が目的地に設定することができることを示している文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定する。
【0027】
したがって、複数の文字列が検出された場合であっても、目的地にされることが少ない文字列(例えば、道路名や交差点名)を除外して、目的地とする文字列を決定することにより、効率よく目的地を設定することができる。
【0028】
また、上記目的地設定手段は、目的地に設定する文字列である目的地文字列を決定したときに、該目的地文字列が示す地点が複数存在する場合に、上記文字列検出手段が検出した複数の文字列のうち上記目的地文字列以外の文字列が示す地点との距離が近い地点を目的地に設定することが好ましい。
【0029】
ここで、検出した文字列によって地点を特定するときに、複数の候補が挙がることがある。例えば、「ふれあいセンター」のような一般によく用いられる施設名の文字列が検出されたときには、ルートガイドの目的地に設定することのできる「ふれあいセンター」が複数挙がることがある。このような場合には、複数の「ふれあいセンター」のうち、ユーザが目的地に設定したい「ふれあいセンター」を特定する必要がある。
【0030】
そこで、上記の構成によれば、目的地文字列以外の文字列、すなわち目的地を設定するための文字列として決定されなかった文字列が示す地点を特定し、上記複数の候補の中から、この地点との距離が近い地点を目的地に設定する。これにより、目的地文字列に対応する地点が複数存在している場合であっても、ユーザの意図に沿った地点を確実に目的地に設定することができる。
【0031】
また、上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が検出した複数の文字列から、目的地に設定する文字列である目的地文字列を決定できない場合に、検出された複数の文字列の1つをユーザに選択させ、ユーザが選択した文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定することが好ましい。
【0032】
上述した各構成によれば、検出された複数の文字列の中から、ユーザの意図する目的地と一致しているものを選択し、当該文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することができるが、ユーザの意図する目的地と一致しているものを1つに絞り込むことができない場合も考えられる。
【0033】
そこで、上記の構成によれば、複数の文字列から1つの目的地文字列を決定することができないときには、文字列をユーザに選択させ、ユーザが選択した文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定する。したがって、ユーザの意図する目的地と一致している地点を確実にルートガイドの目的地に設定することができる。
【0034】
なお、ユーザに文字列を選択させるときには、検出された全文字列の中から選択させてもよいが、上述した各構成によって、文字列の候補を絞り込んだ上でユーザに選択させることが好ましい。例えば、同じ文字サイズの文字列が2つ検出され、他の文字列の文字サイズがこれらよりも小さい場合には、上記2つの文字列の何れかを選択させることにより、ユーザは所望の目的地に対応する文字列をより容易に選択することができる。
【0035】
また、上記ナビゲーション装置は、上記画像読込手段が読み込んだ地図画像を表示部に表示する画像表示手段と、上記画像表示手段が表示した地図画像に含まれる文字列に対するユーザの選択を受け付ける選択手段とを備え、上記目的地設定手段は、上記選択手段が選択を受け付けた文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、読み込まれた地図画像は表示部に表示され、ユーザは表示部に表示された文字列を選択して目的地を設定することができる。また、読み込ませた地図画像には、目的地が記載されているので、この地図画像から目的地を選択することは容易である。したがって、上記の構成によれば、ユーザは、極めて容易に所望の地点をルートガイドの目的地に設定することができる。
【0037】
また、上記表示部は、画像の表示機能と共に、当該表示部の画像表示面にて画像を検知する機能を有し、上記画像読込手段は、上記表示部に画像の検知を行わせることによって、地図画像の読み込みを行うことが好ましい。
【0038】
上記の構成によれば、ユーザは、地図画像を表示部にかざす(または載置する)ことによって、地図画像を読み込ませることができる。したがって、地図画像を読み込ませるためのスキャナ等を別途搭載する必要がなく、このためナビゲーション装置をコンパクトに構成することが可能になる。なお、画像の表示機能と画像の検知機能とを有する表示部としては、例えば光センサ内蔵液晶表示パネルを適用することもできる。
【0039】
また、上記ルートガイド実行手段は、上記画像読込手段が読み込んだ地図画像を上記表示部に表示する画像表示手段と、上記目的地設定手段が、上記文字列検出手段の検出した複数の文字列の中から目的地の設定を行ったときに、上記文字列検出手段が検出した文字列が示す地点のそれぞれが含まれており、かつ上記表示部に表示した地図画像と地図上の方位が合うように、上記ルートガイド用の地図を表示するルートガイド用地図表示手段を備えていることが好ましい。
【0040】
ここで、ルートガイド用の地図と、ユーザが読み込ませた地図画像とは異なっている。このため、読み込ませた地図画像から、ルートガイド用の地図に表示が切り替えられたときには、ユーザは、目的地が意図に沿った地点に設定されたか否かを確認することが難しいことも考えられる。
【0041】
そこで、上記の構成によれば、目的地が設定されたときに、文字列検出手段が検出した文字列が示す地点のそれぞれが含まれ、かつ上記表示部に表示した地図画像と地図上の方位が同じになるように、ルートガイド用の地図を表示する。
【0042】
これにより、ユーザは、表示部の表示が、ユーザが読み込ませた地図画像からルートガイド用の地図に切り替わったときにも、読み込ませた地図画像と、ルートガイド用の地図との対応関係を容易に認識することが可能になる。
【0043】
なお、「地図上の方位が合うように表示する」とは、表示部に表示させた状態において、地図上で設定されている方位を一致させるように表示することを意味する。例えば、読み込ませた地図画像が、表示部に表示させたときに上が北となっている場合に、「地図上の方位が合うようにルートガイド用の地図を表示する」と、ルートガイド用の地図も表示部に表示させたときに上が北となる。
【0044】
「地図上の方位が合うように表示する」具体的な方法としては、例えば、検出された文字列が示す各地点の位置関係を、読み込ませた地図とルートガイド用の地図とで一致させる方法が挙げられる。また、例えば、読み込ませた地図に、方位を示すマークが記載されている場合には、これを認識して方位を合わせるようにしてもよい。
【0045】
なお、読み込ませた地図画像によっては、記載されている各地点の位置関係がルートガイド用の地図と異なっていることもあるので、読み込ませた地図の方位と、ルートガイド用の地図の方位とを完全に一致させることが難しい。
【0046】
また、読み込ませた地図画像と、ルートガイド用の地図との対応関係を確認した結果、ユーザの意図しない目的地に設定されていることが判明することも考えられる。そこで、このような場合に目的地の設定を取り消すことができるように、表示をルートガイド用の地図に切り替えたときには、現在選択されている目的地をルートガイドの目的地に設定することの可否をユーザに選択させるようにすることが好ましい。
【0047】
また、上記ナビゲーション装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記ナビゲーション装置の各手段として動作させることにより、上記ナビゲーション装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0048】
以上のように、本発明に係るナビゲーション装置は、目的地が記載された地図画像を読み込む画像読込手段と、上記画像読込手段が読み込んだ地図画像に含まれる文字列を検出する文字列検出手段と、上記文字列検出手段が検出した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する目的地設定手段と、上記目的地設定手段が設定した目的地までのルートガイドを実行するルートガイド実行手段とを備えている構成である。
【0049】
また、本発明に係るナビゲーション装置の制御方法は、以上のように、目的地が記載された地図画像を読み込む画像読込ステップと、上記画像読込ステップにて読み込んだ地図画像に含まれる文字列を検出する文字列検出ステップと、上記文字列検出ステップにて検出した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する目的地設定ステップと、上記目的地設定ステップにて設定した目的地までのルートガイドを実行するルートガイド実行ステップとを含む構成である。
【0050】
したがって、ユーザが所持している地図からの目的地設定を容易化することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
本発明の一実施形態について図1から図11に基づいて説明すると以下の通りである。
【0052】
〔発明の概要〕
ここでは、まず図9(a)−(c)に基づいて本実施形態に係るナビゲーション装置100の概要について説明する。図9は、ナビゲーション装置100の動作の一例を示す図である。より詳細には、同図(a)は地図画像を読み取るときの状態を示し、同図(b)は読み取った地図画像を表示した状態を示し、同図(c)は表示した地図画像から目的地が選択された後の状態を示している。
【0053】
同図(a)に示すように、ナビゲーション装置100は、センサ内蔵液晶パネル301を備えている。センサ内蔵液晶パネル301は、画像の表示機能を有しており、ナビゲーション装置100は、センサ内蔵液晶パネル301にナビゲーション用地図画像(以下、ナビ用地図と呼ぶ)を表示させてルートガイドを行う。
【0054】
また、センサ内蔵液晶パネル301は、画像の表示機能に加えて、近傍の対象物を画像として検出する機能を有している。これにより、センサ内蔵液晶パネル301は、タッチパネルとしての機能を有する。また、同図(a)に示すように、センサ内蔵液晶パネル301に地図画像Mをスキャンさせることができるようになっている。なお、地図画像Mは、ナビゲーション装置100のユーザがこれから向かう目的地が記載された地図である。
【0055】
そして、ナビゲーション装置100に地図画像Mをスキャンさせると、同図(b)に示すように、スキャンさせた地図画像Mがセンサ内蔵液晶パネル301に表示される。ナビゲーション装置100では、表示させた地図画像Mに記載の目的地にユーザがタッチすることによって、当該目的地をルートガイドの目的地に設定することができるようになっている。
【0056】
このように、ナビゲーション装置100では、地図画像Mから目的地を設定することができるようになっているので、ユーザは目的地を容易に設定することができる。なお、地図画像Mは、どのような地図画像であってもよい。
【0057】
すなわち、地図画像Mには、上記特許文献2のように特定のロゴマークが記載されている必要がない。例えば、雑誌やパンフレット等に記載されている地図画像をセンサ内蔵液晶パネル301に読み取らせることによって、目的地を設定することもできる。
【0058】
また、ナビゲーション装置100は、スキャンした地図画像Mから目的地が選択(タッチ)されると、同図(c)に示すように、スキャンした地図画像Mと同じ範囲のナビ用地図がスキャンした地図画像Mと同じ向きで表示される。これにより、ユーザは、地図画像Mとナビ用地図との対応関係を容易に把握することができ、所望の目的地が設定されたか否かを容易に確認することができる。
【0059】
以上のようにして、目的地の設定及び確認が行われた後は、一般的なナビゲーション装置と同様に、ナビ用地図と音声等によって、目的地までのルートガイドが行われる。
【0060】
また、ナビゲーション装置100では、上述のように手動で目的地を設定することもできるし、スキャンした地図画像Mから自動的に目的地を設定することもできる。いずれにせよ、ナビゲーション装置100によれば、ユーザはスキャンさせた地図画像Mに記載された目的地を、ルートガイドの目的地として容易に設定することができる。
【0061】
〔センサ内蔵液晶パネル301の概要〕
次に、センサ内蔵液晶パネル301の詳細について説明する。上記ナビゲーション装置100が備えるセンサ内蔵液晶パネル301は、データの表示に加え、対象物の画像検出が可能な液晶パネルである。ここで、対象物の画像検出とは、例えば、ユーザが指やペンなどでポインティング(タッチ)した位置の検出や、印刷物等の画像の読み取り(スキャン)である。なお、表示に用いるデバイスは、液晶パネルに限定されるものではなく、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどであってもよい。
【0062】
図2を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構造について説明する。図2は、センサ内蔵液晶パネル301の断面を模式的に示す図である。なお、ここで説明するセンサ内蔵液晶パネル301は一例であり、表示面と読取面とが共用されているものであれば、任意の構造のものが利用できる。
【0063】
図示のとおり、センサ内蔵液晶パネル301は、背面側に配置されるアクティブマトリクス基板51Aと、表面側に配置される対向基板51Bとを備え、これら基板の間に液晶層52を挟持した構造を有している。アクティブマトリクス基板51Aには、画素電極56、データ信号線57、光センサ回路32(図示せず)、配向膜58、偏光板59などが設けられる。対向基板51Bには、カラーフィルタ53r(赤)、53g(緑)、53b(青)、遮光膜54、対向電極55、配向膜58、偏光板59などが設けられる。また、センサ内蔵液晶パネル301の背面には、バックライト307が設けられている。
【0064】
なお、光センサ回路32に含まれるフォトダイオード6は、青のカラーフィルタ53bを設けた画素電極56の近傍に設けられているが、この構成に限定されるものではない。赤のカラーフィルタ53rを設けた画素電極56の近傍に設けてもよいし、緑のカラーフィルタ53gを設けた画素電極56の近傍に設けてもよい。
【0065】
次に、図3(a)および図3(b)を参照しながら、ユーザが、指やペンで、センサ内蔵液晶パネル301上をタッチした位置を検出する2種類の方法について説明する。
【0066】
図3(a)は、反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。バックライト307から光63が出射されると、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、指などの対象物64により反射された光63を検知する。これにより、対象物64の反射像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、反射像を検知することにより、タッチした位置を検出することができる。
【0067】
また、図3(b)は、影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。図3(b)に示すように、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、対向基板51Bなどを透過した外光61を検知する。しかしながら、ペンなどの対象物62がある場合は、外光61の入射が妨げられるので、光センサ回路32が検知する光量が減る。これにより、対象物62の影像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、影像を検知することにより、タッチした位置を検出することもできる。
【0068】
上述のように、フォトダイオード6は、バックライト307より出射された光の反射光(影像)を検知してもよいし、外光による影像を検知してもよい。また、上記2種類の検知方法を併用して、影像と反射像とを両方を同時に検知するようにしてもよい。
【0069】
〔ナビゲーション装置100の要部構成〕
次に、図4を参照しながら、上記ナビゲーション装置100の要部構成について説明する。図4は、ナビゲーション装置100の要部構成を示すブロック図である。図示のように、ナビゲーション装置100は、表示/光センサ部(表示部)300、回路制御部600、データ処理部700、主制御部800、記憶部901、一次記憶部902、操作部903、外部通信部907、音声出力部908、および音声入力部909を備えている。なお、ナビゲーション装置100は、表示/光センサ部300を複数備えていてもよい。
【0070】
表示/光センサ部300は、いわゆる光センサ内蔵液晶表示装置である。表示/光センサ部300は、センサ内蔵液晶パネル301、バックライト307、それらを駆動するための周辺回路309を含んで構成される。
【0071】
センサ内蔵液晶パネル301は、マトリクス状に配置された複数の画素回路31および光センサ回路32を含んで構成される。センサ内蔵液晶パネル301の詳細な構成については後述する。
【0072】
周辺回路309は、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、信号変換回路306、バックライト駆動回路308を含む。
【0073】
液晶パネル駆動回路304は、回路制御部600の表示制御部601からのタイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)に従って、制御信号(G)およびデータ信号(S)を出力し、画素回路31を駆動する回路である。画素回路31の駆動方法の詳細については後述する。
【0074】
光センサ駆動回路305は、回路制御部600のセンサ制御部602からのタイミング制御信号(TC2)に従って、信号線(R)に電圧を印加し、光センサ回路32を駆動する回路である。光センサ回路32の駆動方法の詳細については後述する。
【0075】
信号変換回路306は、光センサ回路32から出力されるセンサ出力信号(SS)をデジタル信号(DS)に変換し、該変換後の信号をセンサ制御部602に送信する回路である。
【0076】
バックライト307は、複数の白色LED(Light Emitting Diode)を含んでおり、センサ内蔵液晶パネル301の背面に配置される。そして、バックライト駆動回路308から電源電圧が印加されると、バックライト307は点灯し、センサ内蔵液晶パネル301に光を照射する。なお、バックライト307は、白色LEDに限らず、他の色のLEDを含んでいてもよい。また、バックライト307は、LEDに代えて、例えば、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を含むものであってもよい。
【0077】
バックライト駆動回路308は、回路制御部600のバックライト制御部603からの制御信号(BK)がハイレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加し、逆に、バックライト制御部603からの制御信号がローレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加しない。
【0078】
次に、回路制御部600について説明する。回路制御部600は、表示/光センサ部300の周辺回路309を制御するデバイスドライバとしての機能を備えるものである。回路制御部600は、表示制御部601、センサ制御部602、バックライト制御部603、および表示データ記憶部604を備えている。
【0079】
表示制御部601は、データ処理部700の表示データ処理部701から表示データを受信するとともに、表示データ処理部701からの指示に従って、表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304に、タイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)を送信し、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0080】
なお、表示制御部601は、表示データ処理部701から受信した表示データを、表示データ記憶部604に一次記憶させる。そして、当該一次記憶させた表示データに基づいて、データ信号(D)を生成する。表示データ記憶部604は、例えば、VRAM(video random access memory)などである。
【0081】
センサ制御部602は、データ処理部700のセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305に、タイミング制御信号(TC2)を送信し、センサ内蔵液晶パネル301にてスキャンを実行させる。
【0082】
また、センサ制御部602は、信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。そして、センサ内蔵液晶パネル301に含まれる全ての光センサ回路32から出力されたセンサ出力信号(SS)に対応するデジタル信号(DS)に基づいて、画像データを生成する。つまり、センサ内蔵液晶パネル301の読み取り領域全体で読み取った画像データを生成する。そして、該生成した画像データをセンサデータ処理部703に送信する。
【0083】
バックライト制御部603は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300のバックライト駆動回路308に制御信号(BK)を送信し、バックライト307を駆動させる。
【0084】
なお、ナビゲーション装置100が、複数の表示/光センサ部300を備える場合、表示制御部601は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示するかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304を制御する。また、センサ制御部602は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行うかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305を制御するとともに、当該指示に応じた表示/光センサ部300の信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。
【0085】
次に、データ処理部700について説明する。データ処理部700は、主制御部800から受信する「コマンド」に基づいて、回路制御部600に指示を与えるミドルウェアとしての機能を備えるものである。なお、コマンドの詳細については後述する。
【0086】
データ処理部700は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703を備えている。そして、データ処理部700が、主制御部800からコマンドを受信すると、該受信したコマンドに含まれる各フィールド(後述する)の値に応じて、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703の少なくとも一方が動作する。
【0087】
表示データ処理部701は、主制御部800から表示データを受信するとともに、データ処理部700が受信したコマンドに従って、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与え、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。なお、コマンドに応じた、表示データ処理部701の動作については、後述する。
【0088】
センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0089】
また、センサデータ処理部703は、センサ制御部602から画像データを受信し、当該画像データをそのまま画像データバッファ704に格納する。そして、センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、画像データバッファ704に記憶されている画像データに基づいて、「全体画像データ」、「部分画像データ(部分画像の座標データを含む)」、および「座標データ」の少なくともいずれか1つを、主制御部800に送信する。なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについては、後述する。また、コマンドに応じた、センサデータ処理部703の動作については、後述する。
【0090】
次に、主制御部800は、アプリケーションプログラムを実行するものである。主制御部800は、記憶部901に格納されているプログラムを、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される一次記憶部902に読み出して実行する。
【0091】
主制御部800で実行されるアプリケーションプログラムは、センサ内蔵液晶パネル301に表示データを表示させたり、センサ内蔵液晶パネル301にて対象物のスキャンを行わせたりするために、データ処理部700に対して、コマンドおよび表示データを送信する。また、コマンドに「データ種別」を指定した場合は、当該コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、データ処理部700から受信する。
【0092】
なお、回路制御部600、データ処理部700、および主制御部800は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ等で構成することができる。また、データ処理部700は、ASIC(application specific integrate circuit)などの回路で構成されていてもよい。
【0093】
次に、記憶部901は、図示のように、主制御部800が実行するプログラムおよびデータを格納するものである。なお、主制御部800が実行するプログラムは、アプリケーション固有のプログラムと、各アプリケーションが共用可能な汎用プログラムとに分離されていてもよい。
【0094】
次に、操作部903は、ナビゲーション装置100のユーザの入力操作を受け付けるものである。操作部903は、例えば、スイッチ、リモコンなどの入力デバイスで構成される。そして、操作部903は、ナビゲーション装置100のユーザの入力操作に応じた制御信号を生成し、該生成した制御信号を主制御部800へ送信する。
【0095】
なお、上記スイッチの例としては、電源のオンとオフとを切り替える電源スイッチ905、予め所定の機能が割り当てられているユーザスイッチ906などのハードウェアスイッチを想定している。
【0096】
その他、ナビゲーション装置100は、無線/有線通信によって外部装置と通信を行うための外部通信部907、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力部908、音声信号を入力するためのマイク等の音声入力部909などを適宜備えていてもよい。
【0097】
〔コマンドの詳細〕
次に、図5および図6を参照しながら、主制御部800からデータ処理部700に送信されるコマンドの詳細について説明する。図5は、コマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。また、図6は、コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【0098】
図5に示すように、コマンドは、「ヘッダ」、「データ取得タイミング」、「データ種別」、「スキャン方式」、「スキャン画像階調」、「スキャン解像度」、「スキャンパネル」、「表示パネル」、および「予備」の各フィールドを含んでいる。そして、各フィールドには、例えば、図6に示す値が指定可能である。
【0099】
「ヘッダ」フィールドは、フレームの開始を示すフィールドである。「ヘッダ」フィールドであることが識別可能であれば、「ヘッダ」フィールドの値は、どのような値であってもよい。
【0100】
次に、「データ取得タイミング」フィールドは、データを主制御部800へ送信すべきタイミングを指定するフィールドである。「データ取得タイミング」フィールドには、例えば、“00”(センス)、“01”(イベント)、および“10”(オール)という値が指定可能である。
【0101】
ここで、“センス”は、最新のデータを直ちに送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“センス”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されている最新のデータを、直ちに、主制御部800に送信する。
【0102】
また、“イベント”は、センサ制御部602から受信する画像データに変化が生じたタイミングで送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“イベント”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、センサ制御部602から受信する画像データに、所定の閾値より大きい変化が生じたタイミングで、主制御部800に送信する。
【0103】
また、“オール”は、所定周期でデータを送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“オール”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、所定周期で、主制御部800に送信する。なお、上記所定周期は、光センサ回路32にてスキャンを行う周期と一致する。
【0104】
次に、「データ種別」フィールドは、センサデータ処理部703から取得するデータの種別を指定するフィールドである。なお、「データ種別」フィールドには、例えば、“001”(座標)、“010”(部分画像)、および“100”(全体画像)という値が指定可能である。さらに、これらの値を加算することによって、“座標”と、“部分画像”/“全体画像”とを、同時に指定可能である。例えば、“座標”と“部分画像”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0105】
センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“全体画像”であるコマンドを受信すると、画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを主制御部800に送信する。画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを、「全体画像データ」と称する。
【0106】
また、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信すると、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域を抽出し、該抽出した領域の画像データを主制御部800に送信する。ここで、当該画像データを、「部分画像データ」と称する。なお、上記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出されたそれぞれの部分画像データを主制御部800に送信する。
【0107】
さらに、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信したとき、部分画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標の部分画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、上記代表座標とは、例えば、上記部分画像データの中心の座標、上記部分画像データの重心の座標などが挙げられる。
【0108】
次に、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“座標”であるコマンドを受信すると、上記代表座標の全体画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、上記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された、それぞれの部分画像データの、全体画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標を示す座標データのそれぞれを主制御部800に送信する(多点検出)。
【0109】
なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの具体例については、模式図を参照しながら後述する。
【0110】
次に、「スキャン方式」フィールドは、スキャン実行時に、バックライト307を点灯するか否かを指定するフィールドである。「スキャン方式」フィールドには、例えば、“00”(反射)、“01”(透過)、および“10”(反射/透過)という値が指定可能である。
【0111】
“反射”は、バックライト307を点灯した状態でスキャンを行うことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“反射”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305とバックライト駆動回路308とが同期して動作するように、センサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。
【0112】
また、“透過”は、バックライト307を消灯した状態でスキャンを行うことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“透過”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305を動作させ、バックライト駆動回路308と動作させないようにセンサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。なお、“反射/透過”は、“反射”と“透過”とを併用してスキャンを行うことを指定するものである。
【0113】
次に、「スキャン画像階調」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの階調を指定するフィールドである。「スキャン画像階調」フィールドには、例えば、“00”(2値)、および“01”(多値)という値が指定可能である。
【0114】
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“2値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データをモノクロデータとして、主制御部800に送信する。
【0115】
また、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“多値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを多階調データとして、主制御部800に送信する。
【0116】
次に、「スキャン解像度」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの解像度を指定するフィールドである。「スキャン解像度」フィールドには、例えば、“0”(高)および“1”(低)という値が指定可能である。
【0117】
ここで、“高”は、高解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“高”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを高解像度で主制御部800に送信する。例えば、画像認識などの画像処理を行う対象の画像データ(指紋などの画像データ)には、“高”を指定することが望ましい。
【0118】
また、“低”は、低解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“低”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを低解像度で主制御部800に送信する。例えば、タッチした位置等が分かる程度でよい画像データ(タッチした指や手の画像データなど)には、“低”を指定することが望ましい。
【0119】
次に、「スキャンパネル」フィールドは、表示/光センサ部300が複数設けられている場合に、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行うかを指定するフィールドであり、スキャンを行う表示/光センサ部300を示すデータが格納される。
【0120】
すなわち、センサデータ処理部703は、スキャンを実行させるコマンドを受信したときには、「スキャンパネル」フィールドにて指定された表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305およびバックライト駆動回路308を制御するように、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0121】
次に、「表示パネル」フィールドは、表示/光センサ部300を複数備えている場合に、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示させるかを指定するフィールドであり、表示を行う表示/光センサ部300を示すデータが格納される。
【0122】
すなわち、表示データ処理部701は、画像を表示させるコマンドを受信したときには、「表示パネル」フィールドにて指定された表示/光センサ部300の、液晶パネル駆動回路304およびバックライト駆動回路308を制御するように、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0123】
次に、「予備」フィールドは、上述したフィールドにて指定可能な情報以外の情報をさらに指定する必要がある場合に、適宜指定されるフィールドである。
【0124】
なお、主制御部800にて実行されるアプリケーションは、コマンドを送信するにあたり、上述したフィールドを全て使用する必要はなく、使用しないフィールドには無効値(NULL値など)を設定しておけばよい。
【0125】
また、ユーザが指やペンなどでタッチした位置の座標データを取得したいときは、「データ種別」フィールドに“座標”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、指やペンなどは動きがあるため、さらに、当該コマンドの「データ取得タイミング」フィールドに“オール”を指定し、座標データを取得するようにすることが望ましい。また、タッチした位置の座標データが取得できればよいため、スキャンの精度は高くなくてもよい。したがって、上記コマンドの「スキャン解像度」フィールドの値は“低”を指定しておけばよい。
【0126】
また、コマンドの「データ種別」フィールドに“座標”を指定した場合において、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301を同時にタッチした場合は、該タッチした位置の座標データのそれぞれを取得することができる(多点検出)。
【0127】
また、原稿などの対象物の画像データを取得する場合、「データ種別」フィールドに“全体画像”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、原稿などの対象物は、通常、静止させた状態でスキャンを実行することが一般的であるため、周期的にスキャンを実行する必要はない。従って、この場合は、「データ取得タイミング」フィールドに“センス”または“イベント”を指定することが望ましい。なお、原稿などの対象物をスキャンするときは、ユーザが文字を読みやすいように、スキャン精度は高い方が望ましい。したがって、「スキャン解像度」フィールドには“高”を指定することが望ましい。
【0128】
〔全体画像データ/部分画像データ/座標データ〕
次に、図7を参照しながら、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについて、例を挙げて説明する。図7(a)に示す画像データは、対象物がセンサ内蔵液晶パネル301上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。また、図7(b)に示す画像データは、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしているときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。
【0129】
ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしたとき、当該タッチした近傍の光センサ回路32が受光する光量が変化するため、当該光センサ回路32が出力する電圧に変化が生じ、その結果として、センサ制御部602が生成する画像データのうち、ユーザがタッチした部分の画素値の明度に変化が生じることとなる。
【0130】
図7(b)に示す画像データでは、図7(a)に示す画像データと比べると、ユーザの指に該当する部分の画素値の明度が高くなっている。そして、図7(b)に示す画像データにおいて、明度が所定の閾値より大きく変化している画素値を全て含む最小の矩形領域(領域PP)が、“部分画像データ”である。
【0131】
なお、領域APで示される画像データが、“全体画像データ”である。
【0132】
また、部分画像データ(領域PP)の代表座標Zの、全体画像データ(領域AP)における座標データは(Xa,Ya)であり、部分画像データ(領域PP)における座標データは(Xp,Yp)である。
【0133】
〔センサ内蔵液晶パネルの構成〕
次に、図8を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構成、および、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路309の構成について説明する。図8は、表示/光センサ部300の要部、特に、センサ内蔵液晶パネル301の構成および周辺回路309の構成を示すブロック図である。
【0134】
センサ内蔵液晶パネル301は、光透過率(輝度)を設定するための画素回路31、および、自身が受光した光の強度に応じた電圧を出力する光センサ回路32を備えている。なお、画素回路31は、赤色、緑色、青色のカラーフィルタのそれぞれに対応するR画素回路31r、G画素回路31g、B画素回路31bの総称として用いる。
【0135】
画素回路31は、センサ内蔵液晶パネル301上の列方向(縦方向)にm個、行方向(横方向)に3n個配置される。そして、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bの組が、行方向(横方向)に連続して配置される。この組が1つの画素を形成する。
【0136】
画素回路31の光透過率を設定するには、まず、画素回路31に含まれるTFT(Thin Film Transistor)33のゲート端子に接続される走査信号線Giにハイレベル電圧(TFT33をオン状態にする電圧)を印加する。その後、R画素回路31rのTFT33のソース端子に接続されているデータ信号線SRjに、所定の電圧を印加する。同様に、G画素回路31gおよびB画素回路31bについても、光透過率を設定する。そして、これらの光透過率を設定することにより、センサ内蔵液晶パネル301上に画像が表示される。
【0137】
次に、光センサ回路32は、一画素毎に配置される。なお、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bのそれぞれの近傍に1つずつ配置されてもよい。
【0138】
光センサ回路32にて光の強度に応じた電圧を出力させるためには、まず、コンデンサ35の一方の電極に接続されているセンサ読み出し線RWiと、フォトダイオード36のアノード端子に接続されているセンサリセット線RSiとに所定の電圧を印加する。この状態において、フォトダイオード36に光が入射されると、入射した光量に応じた電流がフォトダイオード36に流れる。そして、当該電流に応じて、コンデンサ35の他方の電極とフォトダイオード36のカソード端子との接続点(以下、接続ノードV)の電圧が低下する。そして、センサプリアンプ37のドレイン端子に接続される電圧印加線SDjに電源電圧VDDを印加すると、接続ノードVの電圧は増幅され、センサプリアンプ37のソース端子からセンシングデータ出力線SPjに出力される。そして、当該出力された電圧に基づいて、光センサ回路32が受光した光量を算出することができる。
【0139】
次に、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路である、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、およびセンサ出力アンプ44について説明する。
【0140】
液晶パネル駆動回路304は、画素回路31を駆動するための回路であり、走査信号線駆動回路3041およびデータ信号線駆動回路3042を含んでいる。
【0141】
走査信号線駆動回路3041は、表示制御部601から受信したタイミング制御信号TC1に基づいて、1ライン時間毎に、走査信号線G1〜Gmの中から1本の走査信号線を順次選択し、該選択した走査信号線にハイレベル電圧を印加するとともに、その他の走査信号線にローレベル電圧を印加する。
【0142】
データ信号線駆動回路3042は、表示制御部601から受信した表示データD(DR、DG、およびDB)に基づいて、1ライン時間毎に、1行分の表示データに対応する所定の電圧を、データ信号線SR1〜SRn、SG1〜SGn、SB1〜SBnに印加する(線順次方式)。なお、データ信号線駆動回路3042は、点順次方式で駆動するものであってもよい。
【0143】
光センサ駆動回路305は、光センサ回路32を駆動するための回路である。光センサ駆動回路305は、センサ制御部602から受信したタイミング制御信号TC2に基づいて、センサ読み出し信号線RW1〜RWmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサ読み出し信号線に所定の読み出し用電圧を印加するとともに、その他のセンサ読み出し信号線には、所定の読み出し用電圧以外の電圧を印加する。また、同様に、タイミング制御信号TC2に基づいて、センサリセット信号線RS1〜RSmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサリセット信号線に所定のリセット用電圧を印加するとともに、その他のセンサリセット信号線には、所定のリセット用電圧以外の電圧を印加する。
【0144】
センシングデータ出力信号線SP1〜SPnはp個(pは1以上n以下の整数)のグループにまとめられ、各グループに属するセンシングデータ出力信号線は、時分割で順次オン状態になるスイッチ47を介して、センサ出力アンプ44に接続される。センサ出力アンプ44は、スイッチ47により接続されたセンシングデータ出力信号線のグループからの電圧を増幅し、センサ出力信号SS(SS1〜SSp)として、信号変換回路306へ出力する。
【0145】
〔ナビゲーション装置100の詳細な構成〕
次に、ナビゲーション装置100の主制御部800及び記憶部901の詳細な構成について、図1に基づいて説明する。図1は、ナビゲーション装置100の要部構成を示すブロック図である。
【0146】
図示のように、ナビゲーション装置100の主制御部800には、スキャン処理部(画像読込手段)11、スキャンデータ格納部12、文字認識部(文字列検出手段)13、表示処理部14、目的地判断部(目的地設定手段、ルートガイド用地図表示手段)15、及びルートガイド実行部(ルートガイド実行手段)16が含まれている。
【0147】
スキャン処理部11は、センサ内蔵液晶パネル301に画像検出を行わせる。具体的には、スキャン処理部11は、「データ取得タイミング」フィールドに“イベント”、「データ種別」フィールドに“全体画像”または“部分画像”、「スキャン方式」フィールドに“反射”、「スキャン画像階調」フィールドに“多値”または“2値”、「スキャン解像度」フィールドに“高”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信する。
【0148】
これにより、センサ内蔵液晶パネル301に地図画像をかざしたときには、地図画像が表示/光センサ部300で取得され、取得された地図画像がスキャン処理部11に送られる。
【0149】
また、スキャン処理部11は、センサ内蔵液晶パネル301に対する接触位置の検知も行う。これにより、センサ内蔵液晶パネル301のタッチパネル機能が実現される。具体的には、スキャン処理部11は、「データ取得タイミング」フィールドに“イベント”、「データ種別」フィールドに“座標”、「スキャン方式」フィールドに“反射”、「スキャン画像階調」フィールドに“2値”、「スキャン解像度」フィールドに“低”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信する。
【0150】
これにより、センサ内蔵液晶パネル301に指やペン先で触れたときには、接触位置の座標が表示/光センサ部300で取得され、取得された座標が主制御部800に送られる。そして、主制御部800では、この座標に対応する処理が実行される。
【0151】
スキャンデータ格納部12には、スキャン処理部11がセンサ内蔵液晶パネル301に画像検出を行わせて取得したスキャンデータが格納される。スキャンデータ格納部12に格納されたスキャンデータは、センサ内蔵液晶パネル301に表示され、また文字認識に供される。
【0152】
文字認識部13は、スキャンデータ格納部12に格納されているスキャンデータに文字認識処理を行って、当該スキャンデータに含まれる文字を認識し、認識した文字のうち連続する文字を文字列として抽出する。なお、文字認識の方法及び文字列の抽出方法としては、公知の技術を適用することもできる。
【0153】
そして、文字認識部13は、抽出した文字列と、該文字列の抽出位置とを対応付けた、文字列−位置対応情報を、図示しない文字認識結果格納部に格納する。文字列−位置対応情報は、例えば下記の表1のようなデータとなる。表1は、図9に示す地図画像Mをスキャンしたときに生成される文字列−位置対応情報の一例を示している。
【0154】
なお、表1の例では、抽出位置を、センサ内蔵液晶パネル301の表示領域における位置を示す座標で表現することを想定しているが、抽出位置は、抽出された各文字列の相対位置を示すものであればよく、この例に限られない。例えば、スキャンデータ中に基準点を設定し、基準点に対してどの方向に位置しているかを示す情報を抽出位置としてもよい。
【0155】
【表1】
【0156】
表示処理部14は、センサ内蔵液晶パネル301に画像を表示する処理を行う。例えば、表示処理部14は、スキャンデータ格納部12に格納されているスキャンデータをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる処理も行う。なお、スキャンデータは、スキャン対象物の鏡像であるから、スキャンデータをそのまま表示させると、文字や方角等が反転して表示される。そこで、表示処理部14は、スキャンデータを反転させて表示する。
【0157】
目的地判断部15は、上記文字列−位置対応情報に格納されている文字列から1つの文字列を選択し、選択した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する。目的地判断部15は、ユーザの選択により、または自らの判断により、上記文字列−位置対応情報に格納されている文字列から1つの文字列を選択するが、ここではまずユーザの選択により文字列を選択する場合、すなわち目的地を手動設定する場合の例について説明する。
【0158】
また、目的地判断部15は、読み込んだ地図画像から目的地が選択された後、選択された目的までのルートガイドを行うためにナビ用地図に表示を切り替えるときに、読み込んだ地図画像に記載されている各地点が同じ配置となり、かつ地図の向きが同じになるようにナビ用地図を表示させる処理も行う。
【0159】
ルートガイド実行部16は、ユーザによって設定された目的地までのルートガイドを行う。具体的には、ルートガイド実行部16は、図示しない位置取得部から、ナビゲーション装置100の現在地を示す位置情報を取得し、該位置情報が示す位置を含む地図画像をナビ用地図データ格納部23から読み出す。次に、表示処理部14に指示して、上記読み出した地図画像をセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0160】
そして、ルートガイド実行部16は、表示させた地図に重畳して目的地までのルートを表示すると共に、表示したルートをユーザが辿ることができるように、音声出力部908に音声ガイドを行わせる。なお、音声ガイドは必須ではない。また、上記位置取得部は、ナビゲーション装置100の現在位置を取得するものであり、GPS(Global Positioning System)等で実現可能である。
【0161】
また、図示のように、記憶部901には、文字認識用データ格納部21、地名辞書22、及びナビ用地図データ格納部23が含まれている。
【0162】
文字認識用データ格納部21には、文字認識部13が文字認識を行うときに用いる文字データ等が格納されている。文字認識部13は、文字認識用データ格納部21に格納されているデータに基づいて、スキャンデータに含まれる文字列を抽出する。
【0163】
地名辞書22は、ナビ用地図に含まれる地名とその位置とが対応付けられたデータベースである。目的地判断部15は、地名辞書22を参照することにより、文字認識部13が文字認識した文字列が示す地名の位置を特定する。地名辞書22は、例えば下記の表2のようなデータとすることもできる。なお、表2の例では、位置を緯度及び経度で示しているが、地名辞書22は、地名に対応するナビ用地図を読み出すことができるようになっていればよく、この例に限られない。
【0164】
また、上記のように、ここでは目的地判断部15が、地名辞書22を用いて目的地の位置を特定し、特定した位置をルートガイド実行部16に伝達してルートガイドを行わせることを想定している。しかしながら、目的地判断部15が目的地とする文字列の決定までの処理を行い、ルートガイド実行部16が目的地判断部15の決定した文字列と地名辞書22とを用いて目的地の位置を特定するようにしてもよい。
【0165】
【表2】
【0166】
ナビ用地図データ格納部23には、ルートガイド実行部16が、ルートガイドを行うときにセンサ内蔵液晶パネル301に表示させるナビ用地図が格納されている。ナビ用地図は、位置と縮尺とに基づいて検索できるように格納されている。すなわち、位置と縮尺とを入力することにより、その位置及び縮尺のナビ用地図をナビ用地図データ格納部23から読み出して、センサ内蔵液晶パネル301に表示させることができるようになっている。
【0167】
〔ナビゲーション装置100が実行する処理の流れ(目的地手動設定)〕
続いて、目的地を手動設定する場合に、ナビゲーション装置100が実行する処理の流れについて、図10に基づいて説明する。図10は、ナビゲーション装置100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0168】
上述のように、スキャン処理部11は、表示/光センサ部300にスキャンを実行させるコマンドを送信する。このため、ユーザが、地図画像をセンサ内蔵液晶パネル301にかざしたときには、スキャンが行われ、当該地図画像のスキャンデータが表示/光センサ部300からデータ処理部700を介してスキャン処理部11に送られる。そして、スキャン処理部11は、受け取ったスキャンデータをスキャンデータ格納部12に格納する。つまり、ユーザが、地図画像をセンサ内蔵液晶パネル301にかざしたときに、地図画像の読み込みが行われる(S1)。
【0169】
スキャンデータがスキャンデータ格納部12に格納されると、文字認識部13は、格納されたスキャンデータに文字認識処理を施し(S2)、表示処理部14は、格納されたスキャンデータ、すなわち読み込んだ地図画像をセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる(S3)。なお、図10では、文字認識処理の後で地図画像を表示する例を示しているが、地図画像の表示を先に行うようにしてもよいし、文字認識処理と地図画像の表示とを平行して行うようにしてもよい。
【0170】
読み込んだ地図画像が表示されると、目的地判断部15は、地図画像上の地点の選択を待ち受ける(S4)。具体的には、目的地判断部15は、スキャン処理部11に指示して、センサ内蔵液晶パネル301へのユーザの接触を検知させ、接触位置を示す座標を送信させる。
【0171】
ここで、スキャン処理部11から接触位置を示す座標を受け取ったときには、目的地判断部15は、受け取った座標が、文字認識された文字列の表示領域に含まれるか否かを判断する。そして、目的地判断部15は、表示領域に含まれると判断した場合に、当該表示領域に対応する文字列が示す地点がユーザによって選択されたと判断する。
【0172】
なお、目的地判断部15は、例えば、接触位置を示す座標が、文字列の表示領域に含まれるか否かを、当該文字列が検出された座標(上記文字列−位置対応情報に含まれている)に基づいて判断することができる。また、文字認識部13が文字列を抽出するときに、文字が表示されている領域を示すデータを上記文字列−位置対応情報と共に格納するようにしてもよい。
【0173】
また、この表示領域は、ユーザが当該表示領域を選択することができると認識できるように、地図画像の他の部分と識別可能に表示することが好ましい。識別可能に表示する方法としては、例えば、表示領域の外縁にラインを表示する、表示色や表示輝度を変化させる等が挙げられる。
【0174】
目的地判断部15は、以上のような処理によって地点選択が行われたと判断した場合(S4でYES)には、選択された地点を目的地として設定することの可否をユーザに確認させるための処理を行う。すなわち、まず、目的地判断部15は、S2の文字認識処理によって文字認識された文字列を文字認識部13から受け取り、受け取った文字列を地名辞書22から検索する(S5)。
【0175】
続いて、目的地判断部15は、文字認識した文字列が、読み込んだ地図画像と同じ配置で表示されるナビ用地図を表示処理部14に指示してセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる(S6)。この具体的な方法について以下説明する。
【0176】
すなわち、地名辞書22では、地名と位置とが対応付けられているので、目的地判断部15は、地名辞書22を用いることによって、読み込んだ地図画像から文字認識された文字列が示す地名の位置を特定することができる。そこで、目的地判断部15は、まず、文字認識された文字列が示す地名の位置をそれぞれ特定する。そして、目的地判断部15は、特定された位置が全て含まれる地図の縮尺及び中心位置を特定する。
【0177】
このようにして特定した縮尺及び中心位置を用いることにより、目的地判断部15は、読み込んだ地図画像に含まれる地名が全て含まれるナビ用地図をナビ用地図データ格納部23から読み出すことができる。ここで読み出されたナビ用地図は、読み込んだ地図画像に含まれる地名が全て含まれていることから、その縮尺も読み込んだ地図画像と同程度になる。
【0178】
また、上記文字列−位置対応情報は、文字認識した文字列の、読み込んだ地図画像上の位置を示している(表1参照)。この位置と、地名辞書22から求めた位置とを比較することにより、目的地判断部15は、読み込んだ地図画像の向き(どちらが北になっているか等)を特定することができる。
【0179】
これにより、目的地判断部15は、読み込んだ地図画像に含まれる地名が全て含まれるナビ用地図を読み込んだ地図画像と同じ向きで表示させることができる。このように、ナビ用地図を、読み込んだ地図画像と同程度の縮尺で、かつ同じ向きとなるように表示することにより、ユーザは読み込んだ地図画像とナビ用地図との対応関係を容易に認識することができる(図9(b)(c)参照)。
【0180】
続いて、目的地判断部15は、表示処理部14に指示して、S4で選択されたと判断した地点を目的地登録するか否かをユーザに問い合わせるメッセージを、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示させる(S7)。
【0181】
また、このときに、目的地登録の可否をユーザに選択させる選択項目も合わせて表示する。例えば、「目的地に登録しますか?」とのメッセージと共に、「はい」「いいえ」の選択項目を表示することにより、ユーザは目的地登録の可否を選択することが可能になる。なお、選択項目を選択する操作は、センサ内蔵液晶パネル301のタッチパネル機能により実現可能である。
【0182】
また、このときには、目的地判断部15は、S4で選択されたと判断した地点をユーザが認識することができるように、S4で選択されたと判断した地点を示す情報をナビ用地図と共に表示させることが好ましい。例えば、図9(c)に示すように、矢印を表示してもよいし、目的地の名称を表示してもよい。
【0183】
そして、上記メッセージを表示した後、目的地判断部15は、登録する旨の入力操作を待ち受ける(S8)。例えば、S7において「はい」「いいえ」の選択項目を表示した場合には、目的地判断部15は、「はい」が選択されたときには、登録する旨の入力操作が行われたと判断し、「いいえ」が選択されたときには、登録する旨の入力操作が行われなかったと判断する。
【0184】
ここで、登録する旨の入力操作が行われなかったと判断した場合(S8でNO)には、目的地判断部15は、目的地の設定を行わずに処理を終了する。一方、登録する旨の入力操作が行われたと判断した場合(S8でYES)には、目的地判断部15は、S4で選択されたと判断した地点をルートガイド実行部16に伝達して処理を終了する。
【0185】
これにより、S4で選択されたと判断した地点が目的地に設定され(S9)、ルートガイド実行部は、現在地から設定された目的地までのルート検索を行い、ルートガイドを実行する。
【0186】
〔変形例〕
上記の例では、地図画像から選択された地点の目的地登録の可否をユーザに選択させる例について説明したが、地図画像上の地点が選択されたとき(S4でYES)に、選択された地点を目的地に設定(S9)にするようにしてもよい。また、この場合には、読み込んだ地図画像のうち、ユーザが選択した地点の近傍のみについて文字認識を行うようにしてもよい。これにより、文字認識処理の所要時間を短縮することができる。
【0187】
また、S2の文字認識処理において抽出された文字列の中には、地名辞書22を用いて位置の特定を行うことができないもの、すなわち地名辞書22に登録されていない文字列が含まれている場合がある。例えば、上記表1の文字列−位置対応情報では、「K電鉄N線」や「至N市」等の文字列が検出されているが、表2の地名辞書22にはこれらの文字列が含まれていない。したがって、「K電鉄N線」や「至N市」等の文字列に対応する地点は特定することができない。
【0188】
また、地名辞書22に登録されている文字列であっても、一般に目的地に設定されないものもある。例えば、表2の地名辞書22の「交差点HI1」や「交差点HI2」、「HN道路」等は、交差点名や道路名であるから、目的地に設定されることは少ないと考えられる。
【0189】
そこで、目的地判断部15は、文字列−位置対応情報に含まれる文字列のうち、地名辞書22に含まれており、かつ交差点名や道路名ではない文字列のみを選択可能にするようにしてもよい。なお、この処理は、例えば、目的地として設定することの可否を示す情報を地名辞書22に格納されている各地名に対応付けておくことで実現することができる。
【0190】
また、スキャンした地図に記載されている目的地が小規模な店舗や民家であるような場合には、その文字列が地名辞書22に含まれていないことも考えられるが、ユーザが目的地として設定したい地点は、その小規模な店舗や民家である。そこで、目的地判断部15は、地名辞書22に含まれていない地点の選択も受け付けるようにしてもよい。
【0191】
この場合には、目的地判断部15は、文字列−位置対応情報に含まれる各文字列が地名辞書22に含まれているか否かを確認し、含まれていると判断した文字列の位置をそれぞれ特定する。これにより、スキャンした地図画像とナビ用地図とのおおよその対応関係を把握することができる。
【0192】
したがって、センサ内蔵液晶パネル301に表示した地図画像上における、ユーザが触れた位置と、地名辞書22によって位置が特定された文字列との位置関係を求めることにより、ユーザが触れた位置に対応するナビ用地図上のおおよその位置を特定することができ、これを目的地に設定することができる。
【0193】
〔目的地を自動設定する例について〕
上述の例では、読み込んだ地図画像上から、ユーザが目的地を選択することによって目的地設定を行う例について説明したが、ナビゲーション装置100は、読み込んだ地図画像に基づいて、目的地を自動的に設定するものであってもよい。
【0194】
〔目的地の自動設定方法〕
一般に、雑誌やパンフレット等に掲載されている地図では、目的地の名称がハイライトされて記載されていることが多い。すなわち、目的地の名称は、同じ地図上の他の地名や施設名等と異なる態様で記載されていることが多い。ナビゲーション装置100は、これを利用することによって、目的地の自動設定を行う。
【0195】
具体的には、ナビゲーション装置100では、地図画像から文字認識した文字列の字体または装飾を判別する。そして、当該地図画像中で使用頻度が最も低い字体または装飾で記載された文字列が示す地点を目的地に設定する。
【0196】
なお、上記字体としては、例えば、フォントの種類(明朝、ゴシック等)、色、斜体、及び文字の太さ、反転文字等を適用することもできる。また、上記装飾としては、例えば、下線、外枠、影付き、浮き出し、中抜き、浮き彫り等を適用することもできる。
【0197】
より具体的には、例えば文字認識部13が、文字認識処理を行ったときに、文字認識した各文字列の字体または装飾を判別し、判別結果を上記文字列−位置対応情報と共に記憶しておくようにすればよい。これにより、目的地判断部15は、抽出された文字列の中から、他の文字列と字体または装飾の異なる文字列を特定し、この文字列が示す地点を目的地に設定することができる。
【0198】
また、目的地の名称は、他の地名等よりも大きい文字サイズで記載されていることも多い。したがって、文字認識部13が、文字認識処理を行ったときに、文字認識した各文字列のサイズを検出し、最も文字サイズが大きい文字列については、その旨を上記文字列−位置対応情報と共に記憶しておくようにすればよい。これにより、目的地判断部15は、抽出された文字列の中から、最も文字サイズが大きい文字列を特定し、この文字列が示す地点を目的地に設定することができる。
【0199】
ここで、読み込ませた地図に記載されている目的地が、地名辞書22に登録されていない場合や、複数登録されている場合(例えば「ふれあいセンター」のように、同一名称の施設が複数登録されている場合)には、上記の方法では1つの目的地を選択することができない。
【0200】
そこで、このような場合には、目的地以外の文字列を用いて目的地の絞込みを行う。すなわち、目的地判断部15は、目的地の候補が複数となったときには、目的地以外の文字列で特定される各地点について、その位置を地名辞書22で特定する。そして、目的地候補を、目的地以外の文字列で特定される地点から最も近い位置のものに絞り込む。
【0201】
また、雑誌やパンフレット等に掲載されている地図には、目的地の電話番号、URL(Uniform Resource Locator)、住所等の情報が含まれている場合があり、またバーコードや2次元コード(例えばQRコード(登録商標))等のような形態で情報が組み込まれている場合がある。
【0202】
そこで、このような情報を利用して目的地の絞込みを行うようにしてもよい。例えば、検出した文字列がハイフンや括弧で区切られた所定桁数の数字の並びであればこれを電話番号と認識することができる。そして、認識した電話番号と、電話番号と該電話番号で特定される位置とが対応付けられたデータベースとを用いて目的地の位置を特定することができる。また、検出した文字列が「○○市○○町△丁目」のような並びであれば、これが住所であると認識することができるので、認識した住所を用いて目的地の位置を特定することができる。
【0203】
なお、以上のような絞込み処理を行った後も、目的地の候補が1つに絞り込まれなかった場合や、絞込み処理を行わず、複数の目的地の候補が検出された場合には、何れの目的地を設定するかをユーザに選択させるようにすればよい(詳細については後述する)。
【0204】
また、上記のようにして複数の文字列から目的地に設定するものを選択したときに、当該文字列が地名辞書22に登録されていないことも考えられる。このような場合には、目的地に最も近い位置の文字列に対応する地点を目的地に設定してもよい。
【0205】
〔ナビゲーション装置100が実行する処理の流れ(目的地自動設定)〕
続いて、ナビゲーション装置100が目的地を自動設定する場合の処理の流れについて、図11に基づいて説明する。図11は、目的地を自動設定する場合にナビゲーション装置100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、図10と同様の処理については同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0206】
図11の例では、図示のように、地図画像の読み込み(S1)及び文字認識処理(S2)が行われた後、目的地判断部15は、文字認識した文字列を地名辞書22から検索する(S5)。なお、S1の処理が行われた後の任意のタイミングで、図10の例と同様に、読み込んだ地図画像を表示するステップ(S3)を実行してもよい。
【0207】
そして、目的地判断部15は、表示処理部14に指示して、ナビ用地図データ格納部23から読み出した、文字認識した文字列が、読み込んだ地図画像と同じ配置で表示されるナビ用地図をセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる(S6)。
【0208】
ここで、目的地判断部15は、文字認識部13が抽出した文字列の中から、上記〔目的地の自動設定方法〕で説明した方法にて目的地候補を抽出する(S11)。なお、S11の処理は、S5の処理の後で行われればよく、S6の処理の前に行ってもよいし、S6の処理と平行して行ってもよい。
【0209】
続いて、目的判断部15は、抽出した目的地候補が1つであるか否かを確認する(S12)。ここで、抽出した目的地候補が1つである場合(S12でYES)には、目的地判断部15は、S11で抽出した目的地候補をルートガイドの目的地としてルートガイド実行部16に伝達し(S9)、処理を終了する。なお、ルートガイド実行部16への伝達は、抽出した目的地候補(文字列)をそのまま送信することによって行ってもよいし、地名辞書22を用いて特定した位置を送信することによって行ってもよい。
【0210】
一方、抽出した目的地候補が複数である場合(S12でNO)には、目的地判断部15は、S11で抽出した目的地候補を、表示処理部14に指示してセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる(S13)。なお、S13では、ユーザが目的地候補を認識することができるように表示が行われればよい。例えば、ナビ用地図上に表示されている目的地候補の文字列を、目的地候補以外の文字列と識別可能に表示(色や表示輝度を変える、拡大表示する、矢印を付す、枠で囲む等)するようにしてもよい。
【0211】
また、このときに、どの目的地候補を目的地登録するかをユーザに選択させるメッセージも合わせて表示する。例えば、「どの地点を目的地に登録しますか?」とのメッセージと共に、S11で抽出した目的地候補を一覧表示することにより、ユーザは所望の目的地候補を選択して目的に登録することが可能になる。なお、目的地候補を選択する操作は、センサ内蔵液晶パネル301のタッチパネル機能により実現可能である。
【0212】
目的地判断部15は、表示した目的地候補の何れかを選択する入力操作を待ち受ける(S14)。そして、目的地判断部15は、目的地候補の何れかを選択する入力操作が行われたと判断した場合(S14でYES)に、選択された目的地候補をルートガイドの目的地としてルートガイド実行部16に伝達し(S9)、処理を終了する。
【0213】
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0214】
最後に、ナビゲーション装置100の各ブロック、特にスキャン処理部11及び目的地判断部15は、上述のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現することができる。
【0215】
すなわち、ナビゲーション装置100は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるナビゲーション装置100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記ナビゲーション装置100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0216】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0217】
また、ナビゲーション装置100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、VPN(仮想専用網:virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0218】
無論、ナビゲーション装置100を回路等のハードウェアロジックによって構成することも可能であり、ナビゲーション装置100をハードウェアロジックで構成した場合であっても、上記と同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0219】
本発明によれば、様々な態様の地図からナビゲーション装置の目的地入力を容易に行うことができる。ナビゲーション装置は、目的地までのルートガイドを行うものであればよく特に限定されないが、例えばカーナビゲーション装置や、ナビゲーション機能を搭載した携帯電話機等の携帯端末等に特に好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0220】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、ナビゲーション装置の特に主制御部及び記憶部の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記ナビゲーション装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの断面を示す模式図である。
【図3】同図(a)は、上記ナビゲーション装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルにて反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図であり、同図(b)は、上記センサ内蔵液晶パネルにて影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。
【図4】上記ナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【図5】上記ナビゲーション装置で用いられるコマンドのフレーム構造の一例を示す模式図である。
【図6】上記コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を示す説明図である。
【図7】同図(a)は、上記ナビゲーション装置にて、対象物がセンサ内蔵液晶パネル上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル全体をスキャンした結果として得られる画像データであり、同図(b)は、上記ナビゲーション装置にて、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネルをタッチしているときに、スキャンした結果として得られる画像データである。
【図8】上記センサ内蔵液晶パネルの構成およびその周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図9】上記ナビゲーション装置の動作の一例を示す図であり、同図(a)は地図画像を読み取るときの状態を示し、同図(b)は読み取った地図画像を表示した状態を示し、同図(c)は表示した地図画像から目的地が選択された後の状態を示している。
【図10】目的地を手動設定する場合に上記ナビゲーション装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】目的地を自動設定する場合に上記ナビゲーション装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0221】
11 スキャン処理部(画像読込手段)
13 文字認識部(文字列検出手段)
15 目的地判断部(目的地設定手段、ルートガイド用地図表示手段)
16 ルートガイド実行部(ルートガイド実行手段)
100 ナビゲーション装置
300 表示/光センサ部(表示部)
800 主制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図上で目的地までのルートガイドを行うナビゲーション装置の目的地設定を容易にする技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、カーナビゲーション装置に代表されるような、地図上で目的地までのルートガイドを自動で行うナビゲーション装置が広く用いられている。また、近年では、携帯電話機等の携帯端末にナビゲーション機能を搭載し、人を目的地までルートガイドすることも行われている。
【0003】
ここで、ナビゲーション装置にルートガイドを実行させるためには、ユーザは、まず目的地を入力する必要がある。目的地の入力方法としては、例えばナビゲーション装置に表示されている地図上に目的地を表示させて選択する方法、住所を入力する方法、及び目的地の電話番号を入力する方法等が一般的である。しかしながら、上記従来の入力方法は、入力完了するまでのステップが多いため、入力に手間がかかり、また入力ミスが発生しやすいという問題がある。
【0004】
ところで、ナビゲーション装置の実際の使用シーンにおいて、目的地の入力は、パンフレット等に記載されている地図や住所を見ながら行うことが多い。下記の特許文献1では、この点に着目して、目的地の地図をナビゲーション装置に容易に表示させる方法を提案している。
【0005】
具体的には、特許文献1には、まず、目的地の地図をスキャナで読み取ったスキャンデータをナビゲーション装置に送信し、ナビゲーション装置においてスキャンデータに含まれる地名を抽出し、抽出した地名を含む地図を表示することが記載されている。これにより、ユーザは、目的地の地図をスキャンするだけで容易に目的地設定を行うことができる。
【0006】
また、下記の特許文献2にも、目的地の地図をスキャナで読み取ることによって、目的地の設定を容易にする技術が開示されている。具体的には、特許文献2には、目的地の地図をスキャナで読み取ったスキャンデータから、ロゴマークを抽出し、抽出したロゴマークの位置関係から、上記地図の示す場所を特定し、特定した場所の地図(ナビゲーション用の地図)を表示することが記載されている。この方法を用いた場合には、目的地の地図をスキャンするだけで、ナビゲーション用の地図が表示されるので、ユーザは表示された地図から目的地を容易に設定することができる。なお、ロゴマークとは、コンビニエンスストアやガソリンスタンド等を示すマークである。
【特許文献1】特開平8−54251号公報(1996年2月27日公開)
【特許文献2】特開2005−77929号公報(2005年3月24日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、上記従来の構成では、スキャンした地図が示す位置のナビゲーション用の地図が表示されるのみであり、表示されたナビゲーション用の地図から目的地を設定する操作はユーザが行う必要があるが、この操作がユーザにとって容易ではない。
【0008】
すなわち、ユーザがスキャンした地図とナビゲーション用の地図とは、全く別の地図であるから、同じ位置の地図であっても含まれる内容は異なっている。このため、ユーザは、ナビゲーション用の地図から、スキャンした地図に記載されている目的地をスムーズに選択することが難しい。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ユーザが所持している地図から、目的地設定を容易に行うことのできるナビゲーション装置等を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係るナビゲーション装置は、上記課題を解決するために、表示部に表示させたルートガイド用の地図を用いてルートガイドを行い、設定された目的地までユーザを誘導するナビゲーション装置であって、目的地が記載された地図画像を読み込む画像読込手段と、上記画像読込手段が読み込んだ地図画像に含まれる文字列を検出する文字列検出手段と、上記文字列検出手段が検出した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する目的地設定手段と、上記目的地設定手段が設定した目的地までのルートガイドを実行するルートガイド実行手段とを備えていることを特徴としている。
【0011】
また、本発明に係るナビゲーション装置の制御方法は、上記課題を解決するために、表示部に表示させたルートガイド用の地図を用いてルートガイドを行い、設定された目的地までユーザを誘導するナビゲーション装置の制御方法であって、目的地が記載された地図画像を読み込む画像読込ステップと、上記画像読込ステップにて読み込んだ地図画像に含まれる文字列を検出する文字列検出ステップと、上記文字列検出ステップにて検出した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する目的地設定ステップと、上記目的地設定ステップにて設定した目的地までのルートガイドを実行するルートガイド実行ステップとを含むことを特徴としている。
【0012】
上記の構成または方法によれば、地図画像に含まれる文字列が検出されて、検出された文字列が示す地点が目的地に設定され、設定された目的地へのルートガイドが実行される。したがって、ユーザは、所持している地図画像を上記ナビゲーション装置に読み込ませるだけで、容易に目的地設定を行うことができる。
【0013】
なお、上記ルートガイドとは、画像及び音声の何れかまたは両方を用いて設定された目的地までユーザを誘導する処理を指す。また、ルートガイドの出発地点は、ナビゲーション装置の現在地としてもよいし、別途設定された地点としてもよい。さらに、ルートガイドの出発地点と、設定された目的地との間に経由地点が設定されていてもよい。
【0014】
ここで、地図には、複数の文字列が含まれていることが多く、複数の文字列が検出されたときには、その中から目的地として設定する1つを選択する必要がある。そして、選択した文字列が示す地点は、ユーザの意図する目的地と一致している必要がある。
【0015】
そこで、上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が複数の文字列を検出した場合に、検出された各文字列に含まれる文字の字体及び装飾の少なくとも一方を判別し、上記複数の文字列の中で使用頻度が最も低い字体または装飾を使って記載された文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することが好ましい。
【0016】
一般に、店舗や施設等を紹介する雑誌やパンフレット等に掲載されている地図では、読者が目的地を容易に認識できるように、目的地である店舗や施設等を示す文字の字体や装飾を、他の文字と変えて記載することが多い。したがって、使用頻度の最も低い字体や装飾で記載されている文字列は、目的地である店舗や施設等を示している可能性が高い。
【0017】
このため、上記の構成によれば、検出された複数の文字列の中から、ユーザの意図する目的地と一致している可能性の高い文字列を選択し、当該文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することができる。
【0018】
なお、文字の字体としては、例えば、フォントの種類(明朝、ゴシック等)、斜体、文字の太さ、反転文字、及び文字の色等を適用することができ、装飾としては、例えば、下線、外枠、影付き、浮き出し、中抜き、浮き彫り等を適用することができる。無論、文字の字体及び装飾は、文字列が目的地を指すものであるか否かを判定する判断材料となるものであればよく、これらの例に限定されない。
【0019】
ここで、店舗や施設等を紹介する雑誌やパンフレット等に掲載されている地図では、読者が目的地を容易に認識できるように、目的地である店舗や施設等を示す文字を他の文字よりも大きな文字で記載することも多い。
【0020】
そこで、上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が複数の文字列を検出した場合に、検出された各文字列に含まれる文字のサイズが他の文字列よりも大きい文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定するものであってもよい。
【0021】
上記の構成によっても、検出された複数の文字列の中から、ユーザの意図する目的地と一致している可能性の高い文字列を選択し、当該文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することができる。
【0022】
また、店舗や施設等を紹介する雑誌やパンフレット等に掲載されている地図では、店舗や施設等の電話番号が記載されていることもある。
【0023】
そこで、上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が検出した文字列に電話番号が含まれている場合に、当該電話番号で特定される地点をルートガイドの目的地に設定することが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、ユーザの意図する目的地と一致する地点をルートガイドの目的地に設定することができる。なお、電話番号から目的地を特定する方法としては、例えば電話番号と地点とを対応付けたデータベースを用いる方法が挙げられる。
【0025】
また、上記ナビゲーション装置は、上記ルートガイド用の地図に表示される文字列と、該文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定することの可否を示す設定可否情報とを関連付けて格納する設定可否情報記憶部を備え、上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が検出した文字列のうち、関連付けられている上記設定可否情報が目的地に設定することができることを示している文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定することが好ましい。
【0026】
ここで、地図画像から検出する文字列には、道路名、交差点名等のように一般に目的地に設定されないものが含まれていることが多い。そこで、上記の構成によれば、関連付けられた設定可否情報が目的地に設定することができることを示している文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定する。
【0027】
したがって、複数の文字列が検出された場合であっても、目的地にされることが少ない文字列(例えば、道路名や交差点名)を除外して、目的地とする文字列を決定することにより、効率よく目的地を設定することができる。
【0028】
また、上記目的地設定手段は、目的地に設定する文字列である目的地文字列を決定したときに、該目的地文字列が示す地点が複数存在する場合に、上記文字列検出手段が検出した複数の文字列のうち上記目的地文字列以外の文字列が示す地点との距離が近い地点を目的地に設定することが好ましい。
【0029】
ここで、検出した文字列によって地点を特定するときに、複数の候補が挙がることがある。例えば、「ふれあいセンター」のような一般によく用いられる施設名の文字列が検出されたときには、ルートガイドの目的地に設定することのできる「ふれあいセンター」が複数挙がることがある。このような場合には、複数の「ふれあいセンター」のうち、ユーザが目的地に設定したい「ふれあいセンター」を特定する必要がある。
【0030】
そこで、上記の構成によれば、目的地文字列以外の文字列、すなわち目的地を設定するための文字列として決定されなかった文字列が示す地点を特定し、上記複数の候補の中から、この地点との距離が近い地点を目的地に設定する。これにより、目的地文字列に対応する地点が複数存在している場合であっても、ユーザの意図に沿った地点を確実に目的地に設定することができる。
【0031】
また、上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が検出した複数の文字列から、目的地に設定する文字列である目的地文字列を決定できない場合に、検出された複数の文字列の1つをユーザに選択させ、ユーザが選択した文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定することが好ましい。
【0032】
上述した各構成によれば、検出された複数の文字列の中から、ユーザの意図する目的地と一致しているものを選択し、当該文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することができるが、ユーザの意図する目的地と一致しているものを1つに絞り込むことができない場合も考えられる。
【0033】
そこで、上記の構成によれば、複数の文字列から1つの目的地文字列を決定することができないときには、文字列をユーザに選択させ、ユーザが選択した文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定する。したがって、ユーザの意図する目的地と一致している地点を確実にルートガイドの目的地に設定することができる。
【0034】
なお、ユーザに文字列を選択させるときには、検出された全文字列の中から選択させてもよいが、上述した各構成によって、文字列の候補を絞り込んだ上でユーザに選択させることが好ましい。例えば、同じ文字サイズの文字列が2つ検出され、他の文字列の文字サイズがこれらよりも小さい場合には、上記2つの文字列の何れかを選択させることにより、ユーザは所望の目的地に対応する文字列をより容易に選択することができる。
【0035】
また、上記ナビゲーション装置は、上記画像読込手段が読み込んだ地図画像を表示部に表示する画像表示手段と、上記画像表示手段が表示した地図画像に含まれる文字列に対するユーザの選択を受け付ける選択手段とを備え、上記目的地設定手段は、上記選択手段が選択を受け付けた文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することが好ましい。
【0036】
上記の構成によれば、読み込まれた地図画像は表示部に表示され、ユーザは表示部に表示された文字列を選択して目的地を設定することができる。また、読み込ませた地図画像には、目的地が記載されているので、この地図画像から目的地を選択することは容易である。したがって、上記の構成によれば、ユーザは、極めて容易に所望の地点をルートガイドの目的地に設定することができる。
【0037】
また、上記表示部は、画像の表示機能と共に、当該表示部の画像表示面にて画像を検知する機能を有し、上記画像読込手段は、上記表示部に画像の検知を行わせることによって、地図画像の読み込みを行うことが好ましい。
【0038】
上記の構成によれば、ユーザは、地図画像を表示部にかざす(または載置する)ことによって、地図画像を読み込ませることができる。したがって、地図画像を読み込ませるためのスキャナ等を別途搭載する必要がなく、このためナビゲーション装置をコンパクトに構成することが可能になる。なお、画像の表示機能と画像の検知機能とを有する表示部としては、例えば光センサ内蔵液晶表示パネルを適用することもできる。
【0039】
また、上記ルートガイド実行手段は、上記画像読込手段が読み込んだ地図画像を上記表示部に表示する画像表示手段と、上記目的地設定手段が、上記文字列検出手段の検出した複数の文字列の中から目的地の設定を行ったときに、上記文字列検出手段が検出した文字列が示す地点のそれぞれが含まれており、かつ上記表示部に表示した地図画像と地図上の方位が合うように、上記ルートガイド用の地図を表示するルートガイド用地図表示手段を備えていることが好ましい。
【0040】
ここで、ルートガイド用の地図と、ユーザが読み込ませた地図画像とは異なっている。このため、読み込ませた地図画像から、ルートガイド用の地図に表示が切り替えられたときには、ユーザは、目的地が意図に沿った地点に設定されたか否かを確認することが難しいことも考えられる。
【0041】
そこで、上記の構成によれば、目的地が設定されたときに、文字列検出手段が検出した文字列が示す地点のそれぞれが含まれ、かつ上記表示部に表示した地図画像と地図上の方位が同じになるように、ルートガイド用の地図を表示する。
【0042】
これにより、ユーザは、表示部の表示が、ユーザが読み込ませた地図画像からルートガイド用の地図に切り替わったときにも、読み込ませた地図画像と、ルートガイド用の地図との対応関係を容易に認識することが可能になる。
【0043】
なお、「地図上の方位が合うように表示する」とは、表示部に表示させた状態において、地図上で設定されている方位を一致させるように表示することを意味する。例えば、読み込ませた地図画像が、表示部に表示させたときに上が北となっている場合に、「地図上の方位が合うようにルートガイド用の地図を表示する」と、ルートガイド用の地図も表示部に表示させたときに上が北となる。
【0044】
「地図上の方位が合うように表示する」具体的な方法としては、例えば、検出された文字列が示す各地点の位置関係を、読み込ませた地図とルートガイド用の地図とで一致させる方法が挙げられる。また、例えば、読み込ませた地図に、方位を示すマークが記載されている場合には、これを認識して方位を合わせるようにしてもよい。
【0045】
なお、読み込ませた地図画像によっては、記載されている各地点の位置関係がルートガイド用の地図と異なっていることもあるので、読み込ませた地図の方位と、ルートガイド用の地図の方位とを完全に一致させることが難しい。
【0046】
また、読み込ませた地図画像と、ルートガイド用の地図との対応関係を確認した結果、ユーザの意図しない目的地に設定されていることが判明することも考えられる。そこで、このような場合に目的地の設定を取り消すことができるように、表示をルートガイド用の地図に切り替えたときには、現在選択されている目的地をルートガイドの目的地に設定することの可否をユーザに選択させるようにすることが好ましい。
【0047】
また、上記ナビゲーション装置は、コンピュータによって実現してもよく、この場合には、コンピュータを上記ナビゲーション装置の各手段として動作させることにより、上記ナビゲーション装置をコンピュータにて実現させる制御プログラム、及びそれを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体も本発明の範疇に入る。
【発明の効果】
【0048】
以上のように、本発明に係るナビゲーション装置は、目的地が記載された地図画像を読み込む画像読込手段と、上記画像読込手段が読み込んだ地図画像に含まれる文字列を検出する文字列検出手段と、上記文字列検出手段が検出した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する目的地設定手段と、上記目的地設定手段が設定した目的地までのルートガイドを実行するルートガイド実行手段とを備えている構成である。
【0049】
また、本発明に係るナビゲーション装置の制御方法は、以上のように、目的地が記載された地図画像を読み込む画像読込ステップと、上記画像読込ステップにて読み込んだ地図画像に含まれる文字列を検出する文字列検出ステップと、上記文字列検出ステップにて検出した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する目的地設定ステップと、上記目的地設定ステップにて設定した目的地までのルートガイドを実行するルートガイド実行ステップとを含む構成である。
【0050】
したがって、ユーザが所持している地図からの目的地設定を容易化することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0051】
本発明の一実施形態について図1から図11に基づいて説明すると以下の通りである。
【0052】
〔発明の概要〕
ここでは、まず図9(a)−(c)に基づいて本実施形態に係るナビゲーション装置100の概要について説明する。図9は、ナビゲーション装置100の動作の一例を示す図である。より詳細には、同図(a)は地図画像を読み取るときの状態を示し、同図(b)は読み取った地図画像を表示した状態を示し、同図(c)は表示した地図画像から目的地が選択された後の状態を示している。
【0053】
同図(a)に示すように、ナビゲーション装置100は、センサ内蔵液晶パネル301を備えている。センサ内蔵液晶パネル301は、画像の表示機能を有しており、ナビゲーション装置100は、センサ内蔵液晶パネル301にナビゲーション用地図画像(以下、ナビ用地図と呼ぶ)を表示させてルートガイドを行う。
【0054】
また、センサ内蔵液晶パネル301は、画像の表示機能に加えて、近傍の対象物を画像として検出する機能を有している。これにより、センサ内蔵液晶パネル301は、タッチパネルとしての機能を有する。また、同図(a)に示すように、センサ内蔵液晶パネル301に地図画像Mをスキャンさせることができるようになっている。なお、地図画像Mは、ナビゲーション装置100のユーザがこれから向かう目的地が記載された地図である。
【0055】
そして、ナビゲーション装置100に地図画像Mをスキャンさせると、同図(b)に示すように、スキャンさせた地図画像Mがセンサ内蔵液晶パネル301に表示される。ナビゲーション装置100では、表示させた地図画像Mに記載の目的地にユーザがタッチすることによって、当該目的地をルートガイドの目的地に設定することができるようになっている。
【0056】
このように、ナビゲーション装置100では、地図画像Mから目的地を設定することができるようになっているので、ユーザは目的地を容易に設定することができる。なお、地図画像Mは、どのような地図画像であってもよい。
【0057】
すなわち、地図画像Mには、上記特許文献2のように特定のロゴマークが記載されている必要がない。例えば、雑誌やパンフレット等に記載されている地図画像をセンサ内蔵液晶パネル301に読み取らせることによって、目的地を設定することもできる。
【0058】
また、ナビゲーション装置100は、スキャンした地図画像Mから目的地が選択(タッチ)されると、同図(c)に示すように、スキャンした地図画像Mと同じ範囲のナビ用地図がスキャンした地図画像Mと同じ向きで表示される。これにより、ユーザは、地図画像Mとナビ用地図との対応関係を容易に把握することができ、所望の目的地が設定されたか否かを容易に確認することができる。
【0059】
以上のようにして、目的地の設定及び確認が行われた後は、一般的なナビゲーション装置と同様に、ナビ用地図と音声等によって、目的地までのルートガイドが行われる。
【0060】
また、ナビゲーション装置100では、上述のように手動で目的地を設定することもできるし、スキャンした地図画像Mから自動的に目的地を設定することもできる。いずれにせよ、ナビゲーション装置100によれば、ユーザはスキャンさせた地図画像Mに記載された目的地を、ルートガイドの目的地として容易に設定することができる。
【0061】
〔センサ内蔵液晶パネル301の概要〕
次に、センサ内蔵液晶パネル301の詳細について説明する。上記ナビゲーション装置100が備えるセンサ内蔵液晶パネル301は、データの表示に加え、対象物の画像検出が可能な液晶パネルである。ここで、対象物の画像検出とは、例えば、ユーザが指やペンなどでポインティング(タッチ)した位置の検出や、印刷物等の画像の読み取り(スキャン)である。なお、表示に用いるデバイスは、液晶パネルに限定されるものではなく、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどであってもよい。
【0062】
図2を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構造について説明する。図2は、センサ内蔵液晶パネル301の断面を模式的に示す図である。なお、ここで説明するセンサ内蔵液晶パネル301は一例であり、表示面と読取面とが共用されているものであれば、任意の構造のものが利用できる。
【0063】
図示のとおり、センサ内蔵液晶パネル301は、背面側に配置されるアクティブマトリクス基板51Aと、表面側に配置される対向基板51Bとを備え、これら基板の間に液晶層52を挟持した構造を有している。アクティブマトリクス基板51Aには、画素電極56、データ信号線57、光センサ回路32(図示せず)、配向膜58、偏光板59などが設けられる。対向基板51Bには、カラーフィルタ53r(赤)、53g(緑)、53b(青)、遮光膜54、対向電極55、配向膜58、偏光板59などが設けられる。また、センサ内蔵液晶パネル301の背面には、バックライト307が設けられている。
【0064】
なお、光センサ回路32に含まれるフォトダイオード6は、青のカラーフィルタ53bを設けた画素電極56の近傍に設けられているが、この構成に限定されるものではない。赤のカラーフィルタ53rを設けた画素電極56の近傍に設けてもよいし、緑のカラーフィルタ53gを設けた画素電極56の近傍に設けてもよい。
【0065】
次に、図3(a)および図3(b)を参照しながら、ユーザが、指やペンで、センサ内蔵液晶パネル301上をタッチした位置を検出する2種類の方法について説明する。
【0066】
図3(a)は、反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。バックライト307から光63が出射されると、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、指などの対象物64により反射された光63を検知する。これにより、対象物64の反射像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、反射像を検知することにより、タッチした位置を検出することができる。
【0067】
また、図3(b)は、影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。図3(b)に示すように、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、対向基板51Bなどを透過した外光61を検知する。しかしながら、ペンなどの対象物62がある場合は、外光61の入射が妨げられるので、光センサ回路32が検知する光量が減る。これにより、対象物62の影像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、影像を検知することにより、タッチした位置を検出することもできる。
【0068】
上述のように、フォトダイオード6は、バックライト307より出射された光の反射光(影像)を検知してもよいし、外光による影像を検知してもよい。また、上記2種類の検知方法を併用して、影像と反射像とを両方を同時に検知するようにしてもよい。
【0069】
〔ナビゲーション装置100の要部構成〕
次に、図4を参照しながら、上記ナビゲーション装置100の要部構成について説明する。図4は、ナビゲーション装置100の要部構成を示すブロック図である。図示のように、ナビゲーション装置100は、表示/光センサ部(表示部)300、回路制御部600、データ処理部700、主制御部800、記憶部901、一次記憶部902、操作部903、外部通信部907、音声出力部908、および音声入力部909を備えている。なお、ナビゲーション装置100は、表示/光センサ部300を複数備えていてもよい。
【0070】
表示/光センサ部300は、いわゆる光センサ内蔵液晶表示装置である。表示/光センサ部300は、センサ内蔵液晶パネル301、バックライト307、それらを駆動するための周辺回路309を含んで構成される。
【0071】
センサ内蔵液晶パネル301は、マトリクス状に配置された複数の画素回路31および光センサ回路32を含んで構成される。センサ内蔵液晶パネル301の詳細な構成については後述する。
【0072】
周辺回路309は、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、信号変換回路306、バックライト駆動回路308を含む。
【0073】
液晶パネル駆動回路304は、回路制御部600の表示制御部601からのタイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)に従って、制御信号(G)およびデータ信号(S)を出力し、画素回路31を駆動する回路である。画素回路31の駆動方法の詳細については後述する。
【0074】
光センサ駆動回路305は、回路制御部600のセンサ制御部602からのタイミング制御信号(TC2)に従って、信号線(R)に電圧を印加し、光センサ回路32を駆動する回路である。光センサ回路32の駆動方法の詳細については後述する。
【0075】
信号変換回路306は、光センサ回路32から出力されるセンサ出力信号(SS)をデジタル信号(DS)に変換し、該変換後の信号をセンサ制御部602に送信する回路である。
【0076】
バックライト307は、複数の白色LED(Light Emitting Diode)を含んでおり、センサ内蔵液晶パネル301の背面に配置される。そして、バックライト駆動回路308から電源電圧が印加されると、バックライト307は点灯し、センサ内蔵液晶パネル301に光を照射する。なお、バックライト307は、白色LEDに限らず、他の色のLEDを含んでいてもよい。また、バックライト307は、LEDに代えて、例えば、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を含むものであってもよい。
【0077】
バックライト駆動回路308は、回路制御部600のバックライト制御部603からの制御信号(BK)がハイレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加し、逆に、バックライト制御部603からの制御信号がローレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加しない。
【0078】
次に、回路制御部600について説明する。回路制御部600は、表示/光センサ部300の周辺回路309を制御するデバイスドライバとしての機能を備えるものである。回路制御部600は、表示制御部601、センサ制御部602、バックライト制御部603、および表示データ記憶部604を備えている。
【0079】
表示制御部601は、データ処理部700の表示データ処理部701から表示データを受信するとともに、表示データ処理部701からの指示に従って、表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304に、タイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)を送信し、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0080】
なお、表示制御部601は、表示データ処理部701から受信した表示データを、表示データ記憶部604に一次記憶させる。そして、当該一次記憶させた表示データに基づいて、データ信号(D)を生成する。表示データ記憶部604は、例えば、VRAM(video random access memory)などである。
【0081】
センサ制御部602は、データ処理部700のセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305に、タイミング制御信号(TC2)を送信し、センサ内蔵液晶パネル301にてスキャンを実行させる。
【0082】
また、センサ制御部602は、信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。そして、センサ内蔵液晶パネル301に含まれる全ての光センサ回路32から出力されたセンサ出力信号(SS)に対応するデジタル信号(DS)に基づいて、画像データを生成する。つまり、センサ内蔵液晶パネル301の読み取り領域全体で読み取った画像データを生成する。そして、該生成した画像データをセンサデータ処理部703に送信する。
【0083】
バックライト制御部603は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部300のバックライト駆動回路308に制御信号(BK)を送信し、バックライト307を駆動させる。
【0084】
なお、ナビゲーション装置100が、複数の表示/光センサ部300を備える場合、表示制御部601は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示するかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の液晶パネル駆動回路304を制御する。また、センサ制御部602は、データ処理部700から、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行うかの指示を受けたとき、当該指示に応じた表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305を制御するとともに、当該指示に応じた表示/光センサ部300の信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。
【0085】
次に、データ処理部700について説明する。データ処理部700は、主制御部800から受信する「コマンド」に基づいて、回路制御部600に指示を与えるミドルウェアとしての機能を備えるものである。なお、コマンドの詳細については後述する。
【0086】
データ処理部700は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703を備えている。そして、データ処理部700が、主制御部800からコマンドを受信すると、該受信したコマンドに含まれる各フィールド(後述する)の値に応じて、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703の少なくとも一方が動作する。
【0087】
表示データ処理部701は、主制御部800から表示データを受信するとともに、データ処理部700が受信したコマンドに従って、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与え、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。なお、コマンドに応じた、表示データ処理部701の動作については、後述する。
【0088】
センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0089】
また、センサデータ処理部703は、センサ制御部602から画像データを受信し、当該画像データをそのまま画像データバッファ704に格納する。そして、センサデータ処理部703は、データ処理部700が受信したコマンドに従って、画像データバッファ704に記憶されている画像データに基づいて、「全体画像データ」、「部分画像データ(部分画像の座標データを含む)」、および「座標データ」の少なくともいずれか1つを、主制御部800に送信する。なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについては、後述する。また、コマンドに応じた、センサデータ処理部703の動作については、後述する。
【0090】
次に、主制御部800は、アプリケーションプログラムを実行するものである。主制御部800は、記憶部901に格納されているプログラムを、例えばRAM(Random Access Memory)等で構成される一次記憶部902に読み出して実行する。
【0091】
主制御部800で実行されるアプリケーションプログラムは、センサ内蔵液晶パネル301に表示データを表示させたり、センサ内蔵液晶パネル301にて対象物のスキャンを行わせたりするために、データ処理部700に対して、コマンドおよび表示データを送信する。また、コマンドに「データ種別」を指定した場合は、当該コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、データ処理部700から受信する。
【0092】
なお、回路制御部600、データ処理部700、および主制御部800は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ等で構成することができる。また、データ処理部700は、ASIC(application specific integrate circuit)などの回路で構成されていてもよい。
【0093】
次に、記憶部901は、図示のように、主制御部800が実行するプログラムおよびデータを格納するものである。なお、主制御部800が実行するプログラムは、アプリケーション固有のプログラムと、各アプリケーションが共用可能な汎用プログラムとに分離されていてもよい。
【0094】
次に、操作部903は、ナビゲーション装置100のユーザの入力操作を受け付けるものである。操作部903は、例えば、スイッチ、リモコンなどの入力デバイスで構成される。そして、操作部903は、ナビゲーション装置100のユーザの入力操作に応じた制御信号を生成し、該生成した制御信号を主制御部800へ送信する。
【0095】
なお、上記スイッチの例としては、電源のオンとオフとを切り替える電源スイッチ905、予め所定の機能が割り当てられているユーザスイッチ906などのハードウェアスイッチを想定している。
【0096】
その他、ナビゲーション装置100は、無線/有線通信によって外部装置と通信を行うための外部通信部907、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力部908、音声信号を入力するためのマイク等の音声入力部909などを適宜備えていてもよい。
【0097】
〔コマンドの詳細〕
次に、図5および図6を参照しながら、主制御部800からデータ処理部700に送信されるコマンドの詳細について説明する。図5は、コマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。また、図6は、コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【0098】
図5に示すように、コマンドは、「ヘッダ」、「データ取得タイミング」、「データ種別」、「スキャン方式」、「スキャン画像階調」、「スキャン解像度」、「スキャンパネル」、「表示パネル」、および「予備」の各フィールドを含んでいる。そして、各フィールドには、例えば、図6に示す値が指定可能である。
【0099】
「ヘッダ」フィールドは、フレームの開始を示すフィールドである。「ヘッダ」フィールドであることが識別可能であれば、「ヘッダ」フィールドの値は、どのような値であってもよい。
【0100】
次に、「データ取得タイミング」フィールドは、データを主制御部800へ送信すべきタイミングを指定するフィールドである。「データ取得タイミング」フィールドには、例えば、“00”(センス)、“01”(イベント)、および“10”(オール)という値が指定可能である。
【0101】
ここで、“センス”は、最新のデータを直ちに送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“センス”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されている最新のデータを、直ちに、主制御部800に送信する。
【0102】
また、“イベント”は、センサ制御部602から受信する画像データに変化が生じたタイミングで送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“イベント”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、センサ制御部602から受信する画像データに、所定の閾値より大きい変化が生じたタイミングで、主制御部800に送信する。
【0103】
また、“オール”は、所定周期でデータを送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“オール”であるコマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、所定周期で、主制御部800に送信する。なお、上記所定周期は、光センサ回路32にてスキャンを行う周期と一致する。
【0104】
次に、「データ種別」フィールドは、センサデータ処理部703から取得するデータの種別を指定するフィールドである。なお、「データ種別」フィールドには、例えば、“001”(座標)、“010”(部分画像)、および“100”(全体画像)という値が指定可能である。さらに、これらの値を加算することによって、“座標”と、“部分画像”/“全体画像”とを、同時に指定可能である。例えば、“座標”と“部分画像”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0105】
センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“全体画像”であるコマンドを受信すると、画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを主制御部800に送信する。画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを、「全体画像データ」と称する。
【0106】
また、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信すると、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域を抽出し、該抽出した領域の画像データを主制御部800に送信する。ここで、当該画像データを、「部分画像データ」と称する。なお、上記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出されたそれぞれの部分画像データを主制御部800に送信する。
【0107】
さらに、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるコマンドを受信したとき、部分画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標の部分画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、上記代表座標とは、例えば、上記部分画像データの中心の座標、上記部分画像データの重心の座標などが挙げられる。
【0108】
次に、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“座標”であるコマンドを受信すると、上記代表座標の全体画像データにおける位置を示す座標データを主制御部800に送信する。なお、上記部分画像データが複数抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された、それぞれの部分画像データの、全体画像データにおける代表座標を検出し、当該代表座標を示す座標データのそれぞれを主制御部800に送信する(多点検出)。
【0109】
なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの具体例については、模式図を参照しながら後述する。
【0110】
次に、「スキャン方式」フィールドは、スキャン実行時に、バックライト307を点灯するか否かを指定するフィールドである。「スキャン方式」フィールドには、例えば、“00”(反射)、“01”(透過)、および“10”(反射/透過)という値が指定可能である。
【0111】
“反射”は、バックライト307を点灯した状態でスキャンを行うことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“反射”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305とバックライト駆動回路308とが同期して動作するように、センサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。
【0112】
また、“透過”は、バックライト307を消灯した状態でスキャンを行うことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“透過”であるコマンドを受信すると、光センサ駆動回路305を動作させ、バックライト駆動回路308と動作させないようにセンサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。なお、“反射/透過”は、“反射”と“透過”とを併用してスキャンを行うことを指定するものである。
【0113】
次に、「スキャン画像階調」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの階調を指定するフィールドである。「スキャン画像階調」フィールドには、例えば、“00”(2値)、および“01”(多値)という値が指定可能である。
【0114】
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“2値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データをモノクロデータとして、主制御部800に送信する。
【0115】
また、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“多値”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを多階調データとして、主制御部800に送信する。
【0116】
次に、「スキャン解像度」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの解像度を指定するフィールドである。「スキャン解像度」フィールドには、例えば、“0”(高)および“1”(低)という値が指定可能である。
【0117】
ここで、“高”は、高解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“高”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを高解像度で主制御部800に送信する。例えば、画像認識などの画像処理を行う対象の画像データ(指紋などの画像データ)には、“高”を指定することが望ましい。
【0118】
また、“低”は、低解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“低”であるコマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを低解像度で主制御部800に送信する。例えば、タッチした位置等が分かる程度でよい画像データ(タッチした指や手の画像データなど)には、“低”を指定することが望ましい。
【0119】
次に、「スキャンパネル」フィールドは、表示/光センサ部300が複数設けられている場合に、どの表示/光センサ部300にて対象物のスキャンを行うかを指定するフィールドであり、スキャンを行う表示/光センサ部300を示すデータが格納される。
【0120】
すなわち、センサデータ処理部703は、スキャンを実行させるコマンドを受信したときには、「スキャンパネル」フィールドにて指定された表示/光センサ部300の光センサ駆動回路305およびバックライト駆動回路308を制御するように、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0121】
次に、「表示パネル」フィールドは、表示/光センサ部300を複数備えている場合に、どの表示/光センサ部300にて表示データを表示させるかを指定するフィールドであり、表示を行う表示/光センサ部300を示すデータが格納される。
【0122】
すなわち、表示データ処理部701は、画像を表示させるコマンドを受信したときには、「表示パネル」フィールドにて指定された表示/光センサ部300の、液晶パネル駆動回路304およびバックライト駆動回路308を制御するように、表示制御部601およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0123】
次に、「予備」フィールドは、上述したフィールドにて指定可能な情報以外の情報をさらに指定する必要がある場合に、適宜指定されるフィールドである。
【0124】
なお、主制御部800にて実行されるアプリケーションは、コマンドを送信するにあたり、上述したフィールドを全て使用する必要はなく、使用しないフィールドには無効値(NULL値など)を設定しておけばよい。
【0125】
また、ユーザが指やペンなどでタッチした位置の座標データを取得したいときは、「データ種別」フィールドに“座標”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、指やペンなどは動きがあるため、さらに、当該コマンドの「データ取得タイミング」フィールドに“オール”を指定し、座標データを取得するようにすることが望ましい。また、タッチした位置の座標データが取得できればよいため、スキャンの精度は高くなくてもよい。したがって、上記コマンドの「スキャン解像度」フィールドの値は“低”を指定しておけばよい。
【0126】
また、コマンドの「データ種別」フィールドに“座標”を指定した場合において、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301を同時にタッチした場合は、該タッチした位置の座標データのそれぞれを取得することができる(多点検出)。
【0127】
また、原稿などの対象物の画像データを取得する場合、「データ種別」フィールドに“全体画像”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信することとなるが、原稿などの対象物は、通常、静止させた状態でスキャンを実行することが一般的であるため、周期的にスキャンを実行する必要はない。従って、この場合は、「データ取得タイミング」フィールドに“センス”または“イベント”を指定することが望ましい。なお、原稿などの対象物をスキャンするときは、ユーザが文字を読みやすいように、スキャン精度は高い方が望ましい。したがって、「スキャン解像度」フィールドには“高”を指定することが望ましい。
【0128】
〔全体画像データ/部分画像データ/座標データ〕
次に、図7を参照しながら、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについて、例を挙げて説明する。図7(a)に示す画像データは、対象物がセンサ内蔵液晶パネル301上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。また、図7(b)に示す画像データは、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしているときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。
【0129】
ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしたとき、当該タッチした近傍の光センサ回路32が受光する光量が変化するため、当該光センサ回路32が出力する電圧に変化が生じ、その結果として、センサ制御部602が生成する画像データのうち、ユーザがタッチした部分の画素値の明度に変化が生じることとなる。
【0130】
図7(b)に示す画像データでは、図7(a)に示す画像データと比べると、ユーザの指に該当する部分の画素値の明度が高くなっている。そして、図7(b)に示す画像データにおいて、明度が所定の閾値より大きく変化している画素値を全て含む最小の矩形領域(領域PP)が、“部分画像データ”である。
【0131】
なお、領域APで示される画像データが、“全体画像データ”である。
【0132】
また、部分画像データ(領域PP)の代表座標Zの、全体画像データ(領域AP)における座標データは(Xa,Ya)であり、部分画像データ(領域PP)における座標データは(Xp,Yp)である。
【0133】
〔センサ内蔵液晶パネルの構成〕
次に、図8を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構成、および、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路309の構成について説明する。図8は、表示/光センサ部300の要部、特に、センサ内蔵液晶パネル301の構成および周辺回路309の構成を示すブロック図である。
【0134】
センサ内蔵液晶パネル301は、光透過率(輝度)を設定するための画素回路31、および、自身が受光した光の強度に応じた電圧を出力する光センサ回路32を備えている。なお、画素回路31は、赤色、緑色、青色のカラーフィルタのそれぞれに対応するR画素回路31r、G画素回路31g、B画素回路31bの総称として用いる。
【0135】
画素回路31は、センサ内蔵液晶パネル301上の列方向(縦方向)にm個、行方向(横方向)に3n個配置される。そして、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bの組が、行方向(横方向)に連続して配置される。この組が1つの画素を形成する。
【0136】
画素回路31の光透過率を設定するには、まず、画素回路31に含まれるTFT(Thin Film Transistor)33のゲート端子に接続される走査信号線Giにハイレベル電圧(TFT33をオン状態にする電圧)を印加する。その後、R画素回路31rのTFT33のソース端子に接続されているデータ信号線SRjに、所定の電圧を印加する。同様に、G画素回路31gおよびB画素回路31bについても、光透過率を設定する。そして、これらの光透過率を設定することにより、センサ内蔵液晶パネル301上に画像が表示される。
【0137】
次に、光センサ回路32は、一画素毎に配置される。なお、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bのそれぞれの近傍に1つずつ配置されてもよい。
【0138】
光センサ回路32にて光の強度に応じた電圧を出力させるためには、まず、コンデンサ35の一方の電極に接続されているセンサ読み出し線RWiと、フォトダイオード36のアノード端子に接続されているセンサリセット線RSiとに所定の電圧を印加する。この状態において、フォトダイオード36に光が入射されると、入射した光量に応じた電流がフォトダイオード36に流れる。そして、当該電流に応じて、コンデンサ35の他方の電極とフォトダイオード36のカソード端子との接続点(以下、接続ノードV)の電圧が低下する。そして、センサプリアンプ37のドレイン端子に接続される電圧印加線SDjに電源電圧VDDを印加すると、接続ノードVの電圧は増幅され、センサプリアンプ37のソース端子からセンシングデータ出力線SPjに出力される。そして、当該出力された電圧に基づいて、光センサ回路32が受光した光量を算出することができる。
【0139】
次に、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路である、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、およびセンサ出力アンプ44について説明する。
【0140】
液晶パネル駆動回路304は、画素回路31を駆動するための回路であり、走査信号線駆動回路3041およびデータ信号線駆動回路3042を含んでいる。
【0141】
走査信号線駆動回路3041は、表示制御部601から受信したタイミング制御信号TC1に基づいて、1ライン時間毎に、走査信号線G1〜Gmの中から1本の走査信号線を順次選択し、該選択した走査信号線にハイレベル電圧を印加するとともに、その他の走査信号線にローレベル電圧を印加する。
【0142】
データ信号線駆動回路3042は、表示制御部601から受信した表示データD(DR、DG、およびDB)に基づいて、1ライン時間毎に、1行分の表示データに対応する所定の電圧を、データ信号線SR1〜SRn、SG1〜SGn、SB1〜SBnに印加する(線順次方式)。なお、データ信号線駆動回路3042は、点順次方式で駆動するものであってもよい。
【0143】
光センサ駆動回路305は、光センサ回路32を駆動するための回路である。光センサ駆動回路305は、センサ制御部602から受信したタイミング制御信号TC2に基づいて、センサ読み出し信号線RW1〜RWmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサ読み出し信号線に所定の読み出し用電圧を印加するとともに、その他のセンサ読み出し信号線には、所定の読み出し用電圧以外の電圧を印加する。また、同様に、タイミング制御信号TC2に基づいて、センサリセット信号線RS1〜RSmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサリセット信号線に所定のリセット用電圧を印加するとともに、その他のセンサリセット信号線には、所定のリセット用電圧以外の電圧を印加する。
【0144】
センシングデータ出力信号線SP1〜SPnはp個(pは1以上n以下の整数)のグループにまとめられ、各グループに属するセンシングデータ出力信号線は、時分割で順次オン状態になるスイッチ47を介して、センサ出力アンプ44に接続される。センサ出力アンプ44は、スイッチ47により接続されたセンシングデータ出力信号線のグループからの電圧を増幅し、センサ出力信号SS(SS1〜SSp)として、信号変換回路306へ出力する。
【0145】
〔ナビゲーション装置100の詳細な構成〕
次に、ナビゲーション装置100の主制御部800及び記憶部901の詳細な構成について、図1に基づいて説明する。図1は、ナビゲーション装置100の要部構成を示すブロック図である。
【0146】
図示のように、ナビゲーション装置100の主制御部800には、スキャン処理部(画像読込手段)11、スキャンデータ格納部12、文字認識部(文字列検出手段)13、表示処理部14、目的地判断部(目的地設定手段、ルートガイド用地図表示手段)15、及びルートガイド実行部(ルートガイド実行手段)16が含まれている。
【0147】
スキャン処理部11は、センサ内蔵液晶パネル301に画像検出を行わせる。具体的には、スキャン処理部11は、「データ取得タイミング」フィールドに“イベント”、「データ種別」フィールドに“全体画像”または“部分画像”、「スキャン方式」フィールドに“反射”、「スキャン画像階調」フィールドに“多値”または“2値”、「スキャン解像度」フィールドに“高”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信する。
【0148】
これにより、センサ内蔵液晶パネル301に地図画像をかざしたときには、地図画像が表示/光センサ部300で取得され、取得された地図画像がスキャン処理部11に送られる。
【0149】
また、スキャン処理部11は、センサ内蔵液晶パネル301に対する接触位置の検知も行う。これにより、センサ内蔵液晶パネル301のタッチパネル機能が実現される。具体的には、スキャン処理部11は、「データ取得タイミング」フィールドに“イベント”、「データ種別」フィールドに“座標”、「スキャン方式」フィールドに“反射”、「スキャン画像階調」フィールドに“2値”、「スキャン解像度」フィールドに“低”を指定したコマンドをデータ処理部700に送信する。
【0150】
これにより、センサ内蔵液晶パネル301に指やペン先で触れたときには、接触位置の座標が表示/光センサ部300で取得され、取得された座標が主制御部800に送られる。そして、主制御部800では、この座標に対応する処理が実行される。
【0151】
スキャンデータ格納部12には、スキャン処理部11がセンサ内蔵液晶パネル301に画像検出を行わせて取得したスキャンデータが格納される。スキャンデータ格納部12に格納されたスキャンデータは、センサ内蔵液晶パネル301に表示され、また文字認識に供される。
【0152】
文字認識部13は、スキャンデータ格納部12に格納されているスキャンデータに文字認識処理を行って、当該スキャンデータに含まれる文字を認識し、認識した文字のうち連続する文字を文字列として抽出する。なお、文字認識の方法及び文字列の抽出方法としては、公知の技術を適用することもできる。
【0153】
そして、文字認識部13は、抽出した文字列と、該文字列の抽出位置とを対応付けた、文字列−位置対応情報を、図示しない文字認識結果格納部に格納する。文字列−位置対応情報は、例えば下記の表1のようなデータとなる。表1は、図9に示す地図画像Mをスキャンしたときに生成される文字列−位置対応情報の一例を示している。
【0154】
なお、表1の例では、抽出位置を、センサ内蔵液晶パネル301の表示領域における位置を示す座標で表現することを想定しているが、抽出位置は、抽出された各文字列の相対位置を示すものであればよく、この例に限られない。例えば、スキャンデータ中に基準点を設定し、基準点に対してどの方向に位置しているかを示す情報を抽出位置としてもよい。
【0155】
【表1】
【0156】
表示処理部14は、センサ内蔵液晶パネル301に画像を表示する処理を行う。例えば、表示処理部14は、スキャンデータ格納部12に格納されているスキャンデータをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる処理も行う。なお、スキャンデータは、スキャン対象物の鏡像であるから、スキャンデータをそのまま表示させると、文字や方角等が反転して表示される。そこで、表示処理部14は、スキャンデータを反転させて表示する。
【0157】
目的地判断部15は、上記文字列−位置対応情報に格納されている文字列から1つの文字列を選択し、選択した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する。目的地判断部15は、ユーザの選択により、または自らの判断により、上記文字列−位置対応情報に格納されている文字列から1つの文字列を選択するが、ここではまずユーザの選択により文字列を選択する場合、すなわち目的地を手動設定する場合の例について説明する。
【0158】
また、目的地判断部15は、読み込んだ地図画像から目的地が選択された後、選択された目的までのルートガイドを行うためにナビ用地図に表示を切り替えるときに、読み込んだ地図画像に記載されている各地点が同じ配置となり、かつ地図の向きが同じになるようにナビ用地図を表示させる処理も行う。
【0159】
ルートガイド実行部16は、ユーザによって設定された目的地までのルートガイドを行う。具体的には、ルートガイド実行部16は、図示しない位置取得部から、ナビゲーション装置100の現在地を示す位置情報を取得し、該位置情報が示す位置を含む地図画像をナビ用地図データ格納部23から読み出す。次に、表示処理部14に指示して、上記読み出した地図画像をセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0160】
そして、ルートガイド実行部16は、表示させた地図に重畳して目的地までのルートを表示すると共に、表示したルートをユーザが辿ることができるように、音声出力部908に音声ガイドを行わせる。なお、音声ガイドは必須ではない。また、上記位置取得部は、ナビゲーション装置100の現在位置を取得するものであり、GPS(Global Positioning System)等で実現可能である。
【0161】
また、図示のように、記憶部901には、文字認識用データ格納部21、地名辞書22、及びナビ用地図データ格納部23が含まれている。
【0162】
文字認識用データ格納部21には、文字認識部13が文字認識を行うときに用いる文字データ等が格納されている。文字認識部13は、文字認識用データ格納部21に格納されているデータに基づいて、スキャンデータに含まれる文字列を抽出する。
【0163】
地名辞書22は、ナビ用地図に含まれる地名とその位置とが対応付けられたデータベースである。目的地判断部15は、地名辞書22を参照することにより、文字認識部13が文字認識した文字列が示す地名の位置を特定する。地名辞書22は、例えば下記の表2のようなデータとすることもできる。なお、表2の例では、位置を緯度及び経度で示しているが、地名辞書22は、地名に対応するナビ用地図を読み出すことができるようになっていればよく、この例に限られない。
【0164】
また、上記のように、ここでは目的地判断部15が、地名辞書22を用いて目的地の位置を特定し、特定した位置をルートガイド実行部16に伝達してルートガイドを行わせることを想定している。しかしながら、目的地判断部15が目的地とする文字列の決定までの処理を行い、ルートガイド実行部16が目的地判断部15の決定した文字列と地名辞書22とを用いて目的地の位置を特定するようにしてもよい。
【0165】
【表2】
【0166】
ナビ用地図データ格納部23には、ルートガイド実行部16が、ルートガイドを行うときにセンサ内蔵液晶パネル301に表示させるナビ用地図が格納されている。ナビ用地図は、位置と縮尺とに基づいて検索できるように格納されている。すなわち、位置と縮尺とを入力することにより、その位置及び縮尺のナビ用地図をナビ用地図データ格納部23から読み出して、センサ内蔵液晶パネル301に表示させることができるようになっている。
【0167】
〔ナビゲーション装置100が実行する処理の流れ(目的地手動設定)〕
続いて、目的地を手動設定する場合に、ナビゲーション装置100が実行する処理の流れについて、図10に基づいて説明する。図10は、ナビゲーション装置100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【0168】
上述のように、スキャン処理部11は、表示/光センサ部300にスキャンを実行させるコマンドを送信する。このため、ユーザが、地図画像をセンサ内蔵液晶パネル301にかざしたときには、スキャンが行われ、当該地図画像のスキャンデータが表示/光センサ部300からデータ処理部700を介してスキャン処理部11に送られる。そして、スキャン処理部11は、受け取ったスキャンデータをスキャンデータ格納部12に格納する。つまり、ユーザが、地図画像をセンサ内蔵液晶パネル301にかざしたときに、地図画像の読み込みが行われる(S1)。
【0169】
スキャンデータがスキャンデータ格納部12に格納されると、文字認識部13は、格納されたスキャンデータに文字認識処理を施し(S2)、表示処理部14は、格納されたスキャンデータ、すなわち読み込んだ地図画像をセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる(S3)。なお、図10では、文字認識処理の後で地図画像を表示する例を示しているが、地図画像の表示を先に行うようにしてもよいし、文字認識処理と地図画像の表示とを平行して行うようにしてもよい。
【0170】
読み込んだ地図画像が表示されると、目的地判断部15は、地図画像上の地点の選択を待ち受ける(S4)。具体的には、目的地判断部15は、スキャン処理部11に指示して、センサ内蔵液晶パネル301へのユーザの接触を検知させ、接触位置を示す座標を送信させる。
【0171】
ここで、スキャン処理部11から接触位置を示す座標を受け取ったときには、目的地判断部15は、受け取った座標が、文字認識された文字列の表示領域に含まれるか否かを判断する。そして、目的地判断部15は、表示領域に含まれると判断した場合に、当該表示領域に対応する文字列が示す地点がユーザによって選択されたと判断する。
【0172】
なお、目的地判断部15は、例えば、接触位置を示す座標が、文字列の表示領域に含まれるか否かを、当該文字列が検出された座標(上記文字列−位置対応情報に含まれている)に基づいて判断することができる。また、文字認識部13が文字列を抽出するときに、文字が表示されている領域を示すデータを上記文字列−位置対応情報と共に格納するようにしてもよい。
【0173】
また、この表示領域は、ユーザが当該表示領域を選択することができると認識できるように、地図画像の他の部分と識別可能に表示することが好ましい。識別可能に表示する方法としては、例えば、表示領域の外縁にラインを表示する、表示色や表示輝度を変化させる等が挙げられる。
【0174】
目的地判断部15は、以上のような処理によって地点選択が行われたと判断した場合(S4でYES)には、選択された地点を目的地として設定することの可否をユーザに確認させるための処理を行う。すなわち、まず、目的地判断部15は、S2の文字認識処理によって文字認識された文字列を文字認識部13から受け取り、受け取った文字列を地名辞書22から検索する(S5)。
【0175】
続いて、目的地判断部15は、文字認識した文字列が、読み込んだ地図画像と同じ配置で表示されるナビ用地図を表示処理部14に指示してセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる(S6)。この具体的な方法について以下説明する。
【0176】
すなわち、地名辞書22では、地名と位置とが対応付けられているので、目的地判断部15は、地名辞書22を用いることによって、読み込んだ地図画像から文字認識された文字列が示す地名の位置を特定することができる。そこで、目的地判断部15は、まず、文字認識された文字列が示す地名の位置をそれぞれ特定する。そして、目的地判断部15は、特定された位置が全て含まれる地図の縮尺及び中心位置を特定する。
【0177】
このようにして特定した縮尺及び中心位置を用いることにより、目的地判断部15は、読み込んだ地図画像に含まれる地名が全て含まれるナビ用地図をナビ用地図データ格納部23から読み出すことができる。ここで読み出されたナビ用地図は、読み込んだ地図画像に含まれる地名が全て含まれていることから、その縮尺も読み込んだ地図画像と同程度になる。
【0178】
また、上記文字列−位置対応情報は、文字認識した文字列の、読み込んだ地図画像上の位置を示している(表1参照)。この位置と、地名辞書22から求めた位置とを比較することにより、目的地判断部15は、読み込んだ地図画像の向き(どちらが北になっているか等)を特定することができる。
【0179】
これにより、目的地判断部15は、読み込んだ地図画像に含まれる地名が全て含まれるナビ用地図を読み込んだ地図画像と同じ向きで表示させることができる。このように、ナビ用地図を、読み込んだ地図画像と同程度の縮尺で、かつ同じ向きとなるように表示することにより、ユーザは読み込んだ地図画像とナビ用地図との対応関係を容易に認識することができる(図9(b)(c)参照)。
【0180】
続いて、目的地判断部15は、表示処理部14に指示して、S4で選択されたと判断した地点を目的地登録するか否かをユーザに問い合わせるメッセージを、センサ内蔵液晶パネル301Aに表示させる(S7)。
【0181】
また、このときに、目的地登録の可否をユーザに選択させる選択項目も合わせて表示する。例えば、「目的地に登録しますか?」とのメッセージと共に、「はい」「いいえ」の選択項目を表示することにより、ユーザは目的地登録の可否を選択することが可能になる。なお、選択項目を選択する操作は、センサ内蔵液晶パネル301のタッチパネル機能により実現可能である。
【0182】
また、このときには、目的地判断部15は、S4で選択されたと判断した地点をユーザが認識することができるように、S4で選択されたと判断した地点を示す情報をナビ用地図と共に表示させることが好ましい。例えば、図9(c)に示すように、矢印を表示してもよいし、目的地の名称を表示してもよい。
【0183】
そして、上記メッセージを表示した後、目的地判断部15は、登録する旨の入力操作を待ち受ける(S8)。例えば、S7において「はい」「いいえ」の選択項目を表示した場合には、目的地判断部15は、「はい」が選択されたときには、登録する旨の入力操作が行われたと判断し、「いいえ」が選択されたときには、登録する旨の入力操作が行われなかったと判断する。
【0184】
ここで、登録する旨の入力操作が行われなかったと判断した場合(S8でNO)には、目的地判断部15は、目的地の設定を行わずに処理を終了する。一方、登録する旨の入力操作が行われたと判断した場合(S8でYES)には、目的地判断部15は、S4で選択されたと判断した地点をルートガイド実行部16に伝達して処理を終了する。
【0185】
これにより、S4で選択されたと判断した地点が目的地に設定され(S9)、ルートガイド実行部は、現在地から設定された目的地までのルート検索を行い、ルートガイドを実行する。
【0186】
〔変形例〕
上記の例では、地図画像から選択された地点の目的地登録の可否をユーザに選択させる例について説明したが、地図画像上の地点が選択されたとき(S4でYES)に、選択された地点を目的地に設定(S9)にするようにしてもよい。また、この場合には、読み込んだ地図画像のうち、ユーザが選択した地点の近傍のみについて文字認識を行うようにしてもよい。これにより、文字認識処理の所要時間を短縮することができる。
【0187】
また、S2の文字認識処理において抽出された文字列の中には、地名辞書22を用いて位置の特定を行うことができないもの、すなわち地名辞書22に登録されていない文字列が含まれている場合がある。例えば、上記表1の文字列−位置対応情報では、「K電鉄N線」や「至N市」等の文字列が検出されているが、表2の地名辞書22にはこれらの文字列が含まれていない。したがって、「K電鉄N線」や「至N市」等の文字列に対応する地点は特定することができない。
【0188】
また、地名辞書22に登録されている文字列であっても、一般に目的地に設定されないものもある。例えば、表2の地名辞書22の「交差点HI1」や「交差点HI2」、「HN道路」等は、交差点名や道路名であるから、目的地に設定されることは少ないと考えられる。
【0189】
そこで、目的地判断部15は、文字列−位置対応情報に含まれる文字列のうち、地名辞書22に含まれており、かつ交差点名や道路名ではない文字列のみを選択可能にするようにしてもよい。なお、この処理は、例えば、目的地として設定することの可否を示す情報を地名辞書22に格納されている各地名に対応付けておくことで実現することができる。
【0190】
また、スキャンした地図に記載されている目的地が小規模な店舗や民家であるような場合には、その文字列が地名辞書22に含まれていないことも考えられるが、ユーザが目的地として設定したい地点は、その小規模な店舗や民家である。そこで、目的地判断部15は、地名辞書22に含まれていない地点の選択も受け付けるようにしてもよい。
【0191】
この場合には、目的地判断部15は、文字列−位置対応情報に含まれる各文字列が地名辞書22に含まれているか否かを確認し、含まれていると判断した文字列の位置をそれぞれ特定する。これにより、スキャンした地図画像とナビ用地図とのおおよその対応関係を把握することができる。
【0192】
したがって、センサ内蔵液晶パネル301に表示した地図画像上における、ユーザが触れた位置と、地名辞書22によって位置が特定された文字列との位置関係を求めることにより、ユーザが触れた位置に対応するナビ用地図上のおおよその位置を特定することができ、これを目的地に設定することができる。
【0193】
〔目的地を自動設定する例について〕
上述の例では、読み込んだ地図画像上から、ユーザが目的地を選択することによって目的地設定を行う例について説明したが、ナビゲーション装置100は、読み込んだ地図画像に基づいて、目的地を自動的に設定するものであってもよい。
【0194】
〔目的地の自動設定方法〕
一般に、雑誌やパンフレット等に掲載されている地図では、目的地の名称がハイライトされて記載されていることが多い。すなわち、目的地の名称は、同じ地図上の他の地名や施設名等と異なる態様で記載されていることが多い。ナビゲーション装置100は、これを利用することによって、目的地の自動設定を行う。
【0195】
具体的には、ナビゲーション装置100では、地図画像から文字認識した文字列の字体または装飾を判別する。そして、当該地図画像中で使用頻度が最も低い字体または装飾で記載された文字列が示す地点を目的地に設定する。
【0196】
なお、上記字体としては、例えば、フォントの種類(明朝、ゴシック等)、色、斜体、及び文字の太さ、反転文字等を適用することもできる。また、上記装飾としては、例えば、下線、外枠、影付き、浮き出し、中抜き、浮き彫り等を適用することもできる。
【0197】
より具体的には、例えば文字認識部13が、文字認識処理を行ったときに、文字認識した各文字列の字体または装飾を判別し、判別結果を上記文字列−位置対応情報と共に記憶しておくようにすればよい。これにより、目的地判断部15は、抽出された文字列の中から、他の文字列と字体または装飾の異なる文字列を特定し、この文字列が示す地点を目的地に設定することができる。
【0198】
また、目的地の名称は、他の地名等よりも大きい文字サイズで記載されていることも多い。したがって、文字認識部13が、文字認識処理を行ったときに、文字認識した各文字列のサイズを検出し、最も文字サイズが大きい文字列については、その旨を上記文字列−位置対応情報と共に記憶しておくようにすればよい。これにより、目的地判断部15は、抽出された文字列の中から、最も文字サイズが大きい文字列を特定し、この文字列が示す地点を目的地に設定することができる。
【0199】
ここで、読み込ませた地図に記載されている目的地が、地名辞書22に登録されていない場合や、複数登録されている場合(例えば「ふれあいセンター」のように、同一名称の施設が複数登録されている場合)には、上記の方法では1つの目的地を選択することができない。
【0200】
そこで、このような場合には、目的地以外の文字列を用いて目的地の絞込みを行う。すなわち、目的地判断部15は、目的地の候補が複数となったときには、目的地以外の文字列で特定される各地点について、その位置を地名辞書22で特定する。そして、目的地候補を、目的地以外の文字列で特定される地点から最も近い位置のものに絞り込む。
【0201】
また、雑誌やパンフレット等に掲載されている地図には、目的地の電話番号、URL(Uniform Resource Locator)、住所等の情報が含まれている場合があり、またバーコードや2次元コード(例えばQRコード(登録商標))等のような形態で情報が組み込まれている場合がある。
【0202】
そこで、このような情報を利用して目的地の絞込みを行うようにしてもよい。例えば、検出した文字列がハイフンや括弧で区切られた所定桁数の数字の並びであればこれを電話番号と認識することができる。そして、認識した電話番号と、電話番号と該電話番号で特定される位置とが対応付けられたデータベースとを用いて目的地の位置を特定することができる。また、検出した文字列が「○○市○○町△丁目」のような並びであれば、これが住所であると認識することができるので、認識した住所を用いて目的地の位置を特定することができる。
【0203】
なお、以上のような絞込み処理を行った後も、目的地の候補が1つに絞り込まれなかった場合や、絞込み処理を行わず、複数の目的地の候補が検出された場合には、何れの目的地を設定するかをユーザに選択させるようにすればよい(詳細については後述する)。
【0204】
また、上記のようにして複数の文字列から目的地に設定するものを選択したときに、当該文字列が地名辞書22に登録されていないことも考えられる。このような場合には、目的地に最も近い位置の文字列に対応する地点を目的地に設定してもよい。
【0205】
〔ナビゲーション装置100が実行する処理の流れ(目的地自動設定)〕
続いて、ナビゲーション装置100が目的地を自動設定する場合の処理の流れについて、図11に基づいて説明する。図11は、目的地を自動設定する場合にナビゲーション装置100が実行する処理の一例を示すフローチャートである。なお、図10と同様の処理については同一の参照番号を付し、その説明を省略する。
【0206】
図11の例では、図示のように、地図画像の読み込み(S1)及び文字認識処理(S2)が行われた後、目的地判断部15は、文字認識した文字列を地名辞書22から検索する(S5)。なお、S1の処理が行われた後の任意のタイミングで、図10の例と同様に、読み込んだ地図画像を表示するステップ(S3)を実行してもよい。
【0207】
そして、目的地判断部15は、表示処理部14に指示して、ナビ用地図データ格納部23から読み出した、文字認識した文字列が、読み込んだ地図画像と同じ配置で表示されるナビ用地図をセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる(S6)。
【0208】
ここで、目的地判断部15は、文字認識部13が抽出した文字列の中から、上記〔目的地の自動設定方法〕で説明した方法にて目的地候補を抽出する(S11)。なお、S11の処理は、S5の処理の後で行われればよく、S6の処理の前に行ってもよいし、S6の処理と平行して行ってもよい。
【0209】
続いて、目的判断部15は、抽出した目的地候補が1つであるか否かを確認する(S12)。ここで、抽出した目的地候補が1つである場合(S12でYES)には、目的地判断部15は、S11で抽出した目的地候補をルートガイドの目的地としてルートガイド実行部16に伝達し(S9)、処理を終了する。なお、ルートガイド実行部16への伝達は、抽出した目的地候補(文字列)をそのまま送信することによって行ってもよいし、地名辞書22を用いて特定した位置を送信することによって行ってもよい。
【0210】
一方、抽出した目的地候補が複数である場合(S12でNO)には、目的地判断部15は、S11で抽出した目的地候補を、表示処理部14に指示してセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる(S13)。なお、S13では、ユーザが目的地候補を認識することができるように表示が行われればよい。例えば、ナビ用地図上に表示されている目的地候補の文字列を、目的地候補以外の文字列と識別可能に表示(色や表示輝度を変える、拡大表示する、矢印を付す、枠で囲む等)するようにしてもよい。
【0211】
また、このときに、どの目的地候補を目的地登録するかをユーザに選択させるメッセージも合わせて表示する。例えば、「どの地点を目的地に登録しますか?」とのメッセージと共に、S11で抽出した目的地候補を一覧表示することにより、ユーザは所望の目的地候補を選択して目的に登録することが可能になる。なお、目的地候補を選択する操作は、センサ内蔵液晶パネル301のタッチパネル機能により実現可能である。
【0212】
目的地判断部15は、表示した目的地候補の何れかを選択する入力操作を待ち受ける(S14)。そして、目的地判断部15は、目的地候補の何れかを選択する入力操作が行われたと判断した場合(S14でYES)に、選択された目的地候補をルートガイドの目的地としてルートガイド実行部16に伝達し(S9)、処理を終了する。
【0213】
〔付記事項〕
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0214】
最後に、ナビゲーション装置100の各ブロック、特にスキャン処理部11及び目的地判断部15は、上述のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現することができる。
【0215】
すなわち、ナビゲーション装置100は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアであるナビゲーション装置100の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記ナビゲーション装置100に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0216】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0217】
また、ナビゲーション装置100を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、VPN(仮想専用網:virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0218】
無論、ナビゲーション装置100を回路等のハードウェアロジックによって構成することも可能であり、ナビゲーション装置100をハードウェアロジックで構成した場合であっても、上記と同様の効果を奏する。
【産業上の利用可能性】
【0219】
本発明によれば、様々な態様の地図からナビゲーション装置の目的地入力を容易に行うことができる。ナビゲーション装置は、目的地までのルートガイドを行うものであればよく特に限定されないが、例えばカーナビゲーション装置や、ナビゲーション機能を搭載した携帯電話機等の携帯端末等に特に好適に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0220】
【図1】本発明の一実施形態を示すものであり、ナビゲーション装置の特に主制御部及び記憶部の要部構成を示すブロック図である。
【図2】上記ナビゲーション装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの断面を示す模式図である。
【図3】同図(a)は、上記ナビゲーション装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルにて反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図であり、同図(b)は、上記センサ内蔵液晶パネルにて影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。
【図4】上記ナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【図5】上記ナビゲーション装置で用いられるコマンドのフレーム構造の一例を示す模式図である。
【図6】上記コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を示す説明図である。
【図7】同図(a)は、上記ナビゲーション装置にて、対象物がセンサ内蔵液晶パネル上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル全体をスキャンした結果として得られる画像データであり、同図(b)は、上記ナビゲーション装置にて、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネルをタッチしているときに、スキャンした結果として得られる画像データである。
【図8】上記センサ内蔵液晶パネルの構成およびその周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図9】上記ナビゲーション装置の動作の一例を示す図であり、同図(a)は地図画像を読み取るときの状態を示し、同図(b)は読み取った地図画像を表示した状態を示し、同図(c)は表示した地図画像から目的地が選択された後の状態を示している。
【図10】目的地を手動設定する場合に上記ナビゲーション装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【図11】目的地を自動設定する場合に上記ナビゲーション装置が実行する処理の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0221】
11 スキャン処理部(画像読込手段)
13 文字認識部(文字列検出手段)
15 目的地判断部(目的地設定手段、ルートガイド用地図表示手段)
16 ルートガイド実行部(ルートガイド実行手段)
100 ナビゲーション装置
300 表示/光センサ部(表示部)
800 主制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部に表示させたルートガイド用の地図を用いてルートガイドを行い、設定された目的地までユーザを誘導するナビゲーション装置であって、
地図画像を読み込む画像読込手段と、
上記画像読込手段が読み込んだ地図画像に含まれる文字列を検出する文字列検出手段と、
上記文字列検出手段が検出した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する目的地設定手段と、
上記目的地設定手段が設定した目的地までのルートガイドを実行するルートガイド実行手段とを備えていることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が複数の文字列を検出した場合に、検出された各文字列に含まれる文字の字体及び装飾の少なくとも一方を判別し、上記複数の文字列の中で使用頻度が最も低い字体または装飾を使って記載された文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が複数の文字列を検出した場合に、検出された各文字列に含まれる文字のサイズが他の文字列よりも大きい文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が検出した文字列に電話番号が含まれている場合に、当該電話番号で特定される地点をルートガイドの目的地に設定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
上記ルートガイド用の地図に表示される文字列と、該文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定することの可否を示す設定可否情報とを関連付けて格納する設定可否情報記憶部を備え、
上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が検出した文字列のうち、関連付けられている上記設定可否情報が目的地に設定することができることを示している文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
上記目的地設定手段は、目的地に設定する文字列である目的地文字列を決定したときに、該目的地文字列が示す地点が複数存在する場合に、上記文字列検出手段が検出した複数の文字列のうち、上記目的地文字列以外の文字列が示す地点との距離が近い地点を目的地に設定することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が検出した複数の文字列から、目的地に設定する文字列である目的地文字列を決定できない場合に、検出された複数の文字列の1つをユーザに選択させ、ユーザが選択した文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
上記画像読込手段が読み込んだ地図画像を上記表示部に表示する画像表示手段と、
上記画像表示手段が表示した地図画像に含まれる文字列に対するユーザの選択を受け付ける選択手段とを備え、
上記目的地設定手段は、上記選択手段が選択を受け付けた文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
上記表示部は、画像の表示機能と共に、当該表示部の画像表示面にて画像を検知する機能を有し、
上記画像読込手段は、上記表示部に画像の検知を行わせることによって、地図画像の読み込みを行うことを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
上記画像読込手段が読み込んだ地図画像を上記表示部に表示する画像表示手段と、
上記目的地設定手段が、上記文字列検出手段の検出した複数の文字列の中から目的地の設定を行ったときに、上記文字列検出手段が検出した文字列が示す地点のそれぞれが含まれており、かつ上記表示部に表示した地図画像と地図上の方位が合うように、上記ルートガイド用の地図を表示するルートガイド用地図表示手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
表示部に表示させたルートガイド用の地図を用いてルートガイドを行い、設定された目的地までユーザを誘導するナビゲーション装置の制御方法であって、
目的地が記載された地図画像を読み込む画像読込ステップと、
上記画像読込ステップにて読み込んだ地図画像に含まれる文字列を検出する文字列検出ステップと、
上記文字列検出ステップにて検出した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する目的地設定ステップと、
上記目的地設定ステップにて設定した目的地までのルートガイドを実行するルートガイド実行ステップとを含むことを特徴とするナビゲーション装置の制御方法。
【請求項1】
表示部に表示させたルートガイド用の地図を用いてルートガイドを行い、設定された目的地までユーザを誘導するナビゲーション装置であって、
地図画像を読み込む画像読込手段と、
上記画像読込手段が読み込んだ地図画像に含まれる文字列を検出する文字列検出手段と、
上記文字列検出手段が検出した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する目的地設定手段と、
上記目的地設定手段が設定した目的地までのルートガイドを実行するルートガイド実行手段とを備えていることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が複数の文字列を検出した場合に、検出された各文字列に含まれる文字の字体及び装飾の少なくとも一方を判別し、上記複数の文字列の中で使用頻度が最も低い字体または装飾を使って記載された文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が複数の文字列を検出した場合に、検出された各文字列に含まれる文字のサイズが他の文字列よりも大きい文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が検出した文字列に電話番号が含まれている場合に、当該電話番号で特定される地点をルートガイドの目的地に設定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
上記ルートガイド用の地図に表示される文字列と、該文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定することの可否を示す設定可否情報とを関連付けて格納する設定可否情報記憶部を備え、
上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が検出した文字列のうち、関連付けられている上記設定可否情報が目的地に設定することができることを示している文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
上記目的地設定手段は、目的地に設定する文字列である目的地文字列を決定したときに、該目的地文字列が示す地点が複数存在する場合に、上記文字列検出手段が検出した複数の文字列のうち、上記目的地文字列以外の文字列が示す地点との距離が近い地点を目的地に設定することを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
上記目的地設定手段は、上記文字列検出手段が検出した複数の文字列から、目的地に設定する文字列である目的地文字列を決定できない場合に、検出された複数の文字列の1つをユーザに選択させ、ユーザが選択した文字列に対応する地点をルートガイドの目的地に設定することを特徴とする請求項1から6の何れか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
上記画像読込手段が読み込んだ地図画像を上記表示部に表示する画像表示手段と、
上記画像表示手段が表示した地図画像に含まれる文字列に対するユーザの選択を受け付ける選択手段とを備え、
上記目的地設定手段は、上記選択手段が選択を受け付けた文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
上記表示部は、画像の表示機能と共に、当該表示部の画像表示面にて画像を検知する機能を有し、
上記画像読込手段は、上記表示部に画像の検知を行わせることによって、地図画像の読み込みを行うことを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
上記画像読込手段が読み込んだ地図画像を上記表示部に表示する画像表示手段と、
上記目的地設定手段が、上記文字列検出手段の検出した複数の文字列の中から目的地の設定を行ったときに、上記文字列検出手段が検出した文字列が示す地点のそれぞれが含まれており、かつ上記表示部に表示した地図画像と地図上の方位が合うように、上記ルートガイド用の地図を表示するルートガイド用地図表示手段を備えていることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
表示部に表示させたルートガイド用の地図を用いてルートガイドを行い、設定された目的地までユーザを誘導するナビゲーション装置の制御方法であって、
目的地が記載された地図画像を読み込む画像読込ステップと、
上記画像読込ステップにて読み込んだ地図画像に含まれる文字列を検出する文字列検出ステップと、
上記文字列検出ステップにて検出した文字列が示す地点をルートガイドの目的地に設定する目的地設定ステップと、
上記目的地設定ステップにて設定した目的地までのルートガイドを実行するルートガイド実行ステップとを含むことを特徴とするナビゲーション装置の制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−139475(P2010−139475A)
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−318391(P2008−318391)
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年12月15日(2008.12.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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