説明

ナビゲーション装置及びプログラム

【課題】時間制約のある物品を携行して他施設へ立ち寄ることを警告する。
【解決手段】設定した目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置において、目的地設定手段(1)と、時間制約のある物品を販売している施設をジャンル毎に記憶した記憶手段(3)と、記憶手段に記憶されている施設を読み出し、停車した施設が時間制約のある物品を販売しているジャンルの施設であるか否かを判断する第1判断手段(4a)と、前記停車後出発して停車した施設又は目的地として設定した施設が警告を発する対象の施設であるか否かを判断する第2判断手段(4a)と、前記第1判断手段により先に停車した施設が時間制約物品販売施設と判断され、且つ、前記第2判断手段により後に停車または目的地として設定した施設が警告対象施設と判断されたとき警告を発する制御手段(4b)とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は時間制約のある物品を携行して他施設へ立ち寄ることに警告を発するナビゲーション装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両に持ち込まれる携行品に付けられたタグからスキー道具、ゴルフバッグ等の携行品情報を無線通信を介して読み取り、読み取った携行品の種別に対応する施設ジャンルを検索して目的地設定を行えるようにしたナビゲーション装置が提案されている(特許文献1)。また、設定した目的地付近に到達して同種または代わりの目的地を設定しようとする際に、それまでの目的地から判断し、次の目的地としてふさわしい施設を迅速に設定するようにしたナビゲーションも提案されている(特許文献2)。
【特許文献1】特開2005−283368号公報
【特許文献2】特開2002−296062号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記したような従来のナビゲーション装置は、目的地の設定を迅速に機械的に行えるようにしている。そのため、例えば、生鮮食品や冷凍食品等の時間制約のある物品を購入して帰宅する際でも、これらの食品を購入したことを忘れて他の施設等を立ち寄り地点として容易かつ迅速に目的地として設定できてしまうため、帰宅途中に寄り道してしまう可能性ある。この場合、施設に立ち寄った時間や気温の状況によっては購入した物品が劣化してしまうおそれがある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は上記課題を解決しようとするものであり、時間制約のある物品を携行して他施設へ立ち寄ることに対して警告することを目的とする。
そのために本発明は、設定した目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置において、目的地設定手段と、時間制約のある物品を販売している施設をジャンル毎に記憶した記憶手段と、前記記憶手段に記憶されている施設を読み出し、停車した施設が時間制約のある物品を販売しているジャンルの施設であるか否かを判断する第1判断手段と、前記停車後出発して停車した施設又は目的地として設定した施設が警告を発する対象の施設であるか否かを判断する第2判断手段と、前記第1判断手段により先に停車した施設が時間制約物品販売施設と判断され、且つ、前記第2判断手段により後に停車または目的地として設定した施設が警告対象施設と判断されたとき警告を発する制御手段とを備えたことを特徴とする。
また本発明は、設定した目的地まで経路案内を行うナビゲーション装置において、目的地設定手段と、車両の停車時に車内の物品に付されたタグ情報を無線通信で取得し、該タグ情報から時間制約のある物品が存在するか否かを判断する第1判断手段と、前記停車後出発して停車した施設又は目的地として設定した施設が警告を発する対象の施設であるか否かを判断する第2判断手段と、前記第1判断手段により車内に時間制約のある物品が存在すると判断され、且つ前記第2判断手段により後に停車または目的地として設定した施設が警告対象施設と判断されたとき警告を発する制御手段とを備えたことを特徴とする。
また本発明は、目的地設定手段により設定した目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置を制御するプログラムにおいて、時間制約のある物品を販売している施設をジャンル毎に記憶した記憶手段から施設を読み出すステップ、停車した施設が時間制約のある物品を販売しているジャンルの施設であるか否かを判断する第1判断ステップ、前記停車後出発して停車した施設又は目的地として設定した施設が警告を発する対象の施設であるか否かを判断する第2判断ステップ、前記第1判断ステップにより先に停車した施設が時間制約物品販売施設と判断され、且つ、前記第2判断ステップにより後に停車または目的地として設定した施設が警告対象施設と判断されたとき警告を発するステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
また本発明は、目的地設定手段により設定した目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置を制御するプログラムにおいて、車両の停車時に車内の物品に付されたタグ情報を無線通信で取得し、該タグ情報から時間制約のある物品が存在するか否かを判断する第1判断ステップ、前記停車後出発して停車した施設又は目的地として設定した施設が警告を発する対象の施設であるか否かを判断する第2判断ステップ、前記第1判断ステップにより車内に時間制約のある物品が存在すると判断され、且つ前記第2判断ステップにより後に停車または目的地として設定した施設が警告対象施設と判断されたとき警告を発するステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明は、時間制約のある物品を販売している施設に行った後、或いは物品に付されたタグから時間制約のある物品を検出したとき、例えば自宅等の最終目的地以外の施設に立ち寄ろうとしたときに警告するようにしたので時間制約のある物品の劣化を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
以だい発明を実施するための最良の形態について説明する。
図1は本実施形態に係る車両用ナビゲーション装置の構成例を示すブロック図である。施設等の地点の情報を入力するキーボード、マウス、タッチパネル、操作キー等からなる入力装置1、現在位置に関する情報を検出する現在位置検出装置2、地図データ、道路データ、施設等の地点データ、経路の探索に必要なナビゲーション用データ、経路案内に必要な表示/音声の案内データ、さらに地図の表示、経路探索、音声案内等の案内を行うためのプログラム(アプリケーション及び/又はOS)等を記憶するとともに、ジャンル毎に生鮮食料品や冷凍食品等の時間制約のある物品を販売している施設やジャンル毎に平均滞在時間が設定された施設などが記憶された情報記憶装置3、制御手段4bにより情報記憶装置3から施設を読み出し、停車した施設が時間制約のある物品を販売しているジャンルの施設であるか否か、或いは、車両の停車時に車内の物品に付されたタグ情報を通信装置5を介して無線通信で取得し、取得したタグ情報から時間制約のある物品が存在するか否か、また、停車後出発して停車した施設や目的地として設定した施設が警告を発する対象の施設であるか否か等を判断する判断手段4aと、判断手段4aにより先に停車した施設が時間制約物品販売施設、或いは車内に時間制約のある物品が存在すると判断され、且つ、後に停車または目的地として設定した施設が警告対象施設と判断された場合など、判断手段4aによる判断結果に応じて警告を発する制御手段4bを備え、ナビゲータ処理手段として地図の表示処理、経路探索処理、経路案内に必要な表示/音声案内処理、さらにシステム全体の制御を行う中央処理装置4、車両の走行に関する情報である交通情報を送受信し、車両の現在位置に関する情報を検出して位置情報を送受信するとともに、ICタグリーダが接続され、送信電波で活性化した物品に付された物品種別を示す情報が格納されているICタグから送信される信号を受信してICタグの情報を読み取る通信装置5、経路案内に関する情報を出力し、制御手段4bから出力される警告を表示したり音声案内するディスプレイ、スピーカその他の出力装置6から構成されている。なお、車両の停車は、エンジンOFFやエンジンON操作が行われた場合、或いはドアの開閉等により検出される。
【0007】
図2は時間制約のある物品を販売している施設の例を示す図である。
図はメインジャンルが店舗の施設についてそのサブジャンル名を列挙したものである。ここに列挙した施設のうち、生鮮食品や冷凍食品等の時間経過や熱によって劣化するもの(時間制約のある物)を販売している店舗に立寄警告のフラグ(図の○印)を付して情報記憶装置3に格納する。時間制約のある物品を販売する店舗は、主に、食料品を扱う店舗が対象となるため、サブジャンルが食品関連のものに立寄警告フラグを付すことになる。ここでは、「食料品」、「ケーキ・菓子・パン」の店舗に立寄警告のフラグが付されている。ユーザがこの施設に立ち寄った場合、例えば、施設敷地内でエンジンOFFした場合、ナビゲーション装置は警告モードとなり、その後、自宅(或いは知人宅等の最終目的地)に着く前に寄り道しようとして施設敷地内に入ったときなどに警告を行う。また、物品に付されたICタグから無線通信により取得した物品情報から時間制約のある物品が検出された場合、施設に停車又は施設を目的地に設定したとき警告する。
【0008】
図3は施設に立ち寄るときの警告内容の例を示す図である。
図示のように自車位置(自車マークMの位置)が道路から外れて施設などに立ち寄ったとき、案内画面に「冷蔵・冷凍が必要な購入物は無いか、ご確認ください」のように表示して警告し、同じ内容を音声案内する。
【0009】
図4はジャンル毎の施設滞在時間の例を説明する図である。
時間制約のある物を携行して他の施設に立ち寄る場合でも、滞在時間が短くて済む施設であれば購入物品が劣化する問題は生じない。そのため、施設のジャンル毎に滞在時間のレベルを設定し、所定のレベル以上のジャンルの施設に立ち寄ろうとしたときのみ警告するようにしてもよい。ここでは、例えば、滞在時間が3時間の施設として、飲食店、デパート、スポーツ施設、カラオケボックス、滞在時間が2時間の施設として、スーパー、文具店、レンタル店、日用雑貨店、滞在時間が1時間の施設として、コンビニエンスストア、ガソリンスタンドを例示しており、滞在時間が3時間(レベル3)以上の場合にのみ警告するようにしてもよい。もちろん、この滞在時間はより細かく、例えば30分単位で分類するようにしてもよい。また、外気温が低い場合には物品の劣化は起こりにくくなるので、気温によって警告する滞在時間のレベルを変更するようにてもよく、例えば、暑い時は、滞在時間のレベルに拘わらず全ジャンルの施設に立ち寄る場合に警告を出し、寒いときは、レベル2以上のジャンルのみ警告を出すようにしてもよい。
【0010】
図5は警告する場合の処理フローを説明する図である。
エンジンOFFされたか否か判断し(ステップS1)、次いで、エンジンOFFが、図2に示した立寄警告フラグが付された対象施設内か否か判断し(ステップS2)、立寄警告フラグが付された対象施設であれば立ち寄り警告モードが開始する(ステップS3)。次いで、新規の目的地の設定があるか否か判断し(ステップS4)、設定がある場合、目的地が個人宅か否か判断する(ステップS5)。ここで、個人宅とは、施設情報の無い地点又は自宅などを意味し、時間制約のある物品はここで処理されると考えられる地点(最終目的地)である。ステップS4において新規の目的地設定がなく、ステップS5において目的地が個人宅の場合、次いで、施設に到着か否か判断し(ステップS6)、施設に到着していない場合はステップS4に戻る。ステップS5において、目的地が個人宅でない場合は立ち寄り警告する(ステップS7)。ステップS6において施設に到着した場合、到着施設が個人宅か否か判断し(ステップS8)、個人宅の場合は立ち寄り警告モードは終了し、個人宅でない場合は立ち寄り警告する(ステップS7)。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本実施形態に係るナビゲーション装置の構成例を示す図である。
【図2】施設データを説明する図である。
【図3】案内画面の例を説明する図である。
【図4】ジャンル毎の施設滞在時間の例を説明する図である。
【図5】警告する場合の処理フローを示す図である。
【符号の説明】
【0012】
1…入力装置、2…現在位置検出装置、3…情報記憶装置、4…中央処理装置、4a…検出手段、4b…制御手段、5…通信装置、6…出力装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設定した目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置において、
目的地設定手段と、
時間制約のある物品を販売している施設をジャンル毎に記憶した記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されている施設を読み出し、停車した施設が時間制約のある物品を販売しているジャンルの施設であるか否かを判断する第1判断手段と、
前記停車後出発して停車した施設又は目的地として設定した施設が警告を発する対象の施設であるか否かを判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段により先に停車した施設が時間制約物品販売施設と判断され、且つ、前記第2判断手段により後に停車または目的地として設定した施設が警告対象施設と判断されたとき警告を発する制御手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記記憶手段には、さらにジャンル毎に平均滞在時間が設定された施設が記憶され、
前記第2判断手段は、前記記憶手段に記憶されている施設の平均滞在時間を読み出し、平均滞在時間が所定時間以上のジャンルの施設に停車又は該施設を目的地に設定したとき警告を発する対象の施設であると判断する請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
設定した目的地まで経路案内を行うナビゲーション装置において、
目的地設定手段と、
車両の停車時に車内の物品に付されたタグ情報を無線通信で取得し、該タグ情報から時間制約のある物品が存在するか否かを判断する第1判断手段と、
前記停車後出発して停車した施設又は目的地として設定した施設が警告を発する対象の施設であるか否かを判断する第2判断手段と、
前記第1判断手段により車内に時間制約のある物品が存在すると判断され、且つ前記第2判断手段により後に停車または目的地として設定した施設が警告対象施設と判断されたとき警告を発する制御手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
ジャンル毎に平均滞在時間が設定された施設データを記憶した記憶手段を備え、
前記第2判断は、前記記憶手段に記憶されている施設の平均滞在時間を読み出し、平均滞在時間が所定時間以上のジャンルの施設に停車又は該施設を目的地に設定したとき警告を発する対象の施設であると判断する請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記制御手段は、日時または外気温により前記所定時間を変更する請求項2または4記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記制御手段は、自宅への到着予想時刻に基づいて前記所定時間を変更する請求項2または4記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記第2判断手段は、停車後出発して停車した施設又は目的地として設定した施設が自宅である場合に警告を発する対象の施設ではないと判断する請求項1または3記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
目的地設定手段により設定した目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置を制御するプログラムにおいて、
時間制約のある物品を販売している施設をジャンル毎に記憶した記憶手段から施設を読み出すステップ、
停車した施設が時間制約のある物品を販売しているジャンルの施設であるか否かを判断する第1判断ステップ、
前記停車後出発して停車した施設又は目的地として設定した施設が警告を発する対象の施設であるか否かを判断する第2判断ステップ、
前記第1判断ステップにより先に停車した施設が時間制約物品販売施設と判断され、且つ、前記第2判断ステップにより後に停車または目的地として設定した施設が警告対象施設と判断されたとき警告を発するステップ、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。
【請求項9】
目的地設定手段により設定した目的地までの経路案内を行うナビゲーション装置を制御するプログラムにおいて、
車両の停車時に車内の物品に付されたタグ情報を無線通信で取得し、該タグ情報から時間制約のある物品が存在するか否かを判断する第1判断ステップ、
前記停車後出発して停車した施設又は目的地として設定した施設が警告を発する対象の施設であるか否かを判断する第2判断ステップ、
前記第1判断ステップにより車内に時間制約のある物品が存在すると判断され、且つ前記第2判断ステップにより後に停車または目的地として設定した施設が警告対象施設と判断されたとき警告を発するステップ、
をコンピュータに実行させることを特徴とするプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−85315(P2010−85315A)
【公開日】平成22年4月15日(2010.4.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−256395(P2008−256395)
【出願日】平成20年10月1日(2008.10.1)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】