説明

ナビゲーション装置

【課題】ユーザの利便性を損なうことなく、在庫切れの物品を補充可能な案内対象への経路誘導をおこなうことを課題とする。
【解決手段】ナビゲーション装置10は、所望の収容スペース(すなわち、冷蔵庫20)に格納される物品を監視する物品監視装置30から物品の在庫情報を取得する在庫情報取得部16aと、在庫情報取得部16aによって取得された物品の在庫情報をもとに、物品の在庫が不足しているか否かを判定する在庫判定部16bと、在庫判定部16bによって物品の在庫が不足していると判定された場合に、該物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうルート設定部16cとを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、予め設定された予定経路情報および自車両の位置情報をもとに自車両の経路設定をおこなうナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、食料収容庫や冷蔵庫などの「ストッカー」に格納される食料品や飲食物などの物品の在庫は、必要とされる数量について常時確保されていることが要求される。このような要求を背景にして、特許文献1に開示された「冷蔵庫」では、冷蔵庫に監視カメラなどの監視機能を付加するとともに、該監視結果(すなわち、在庫情報)を送信する通信機能を付加している。
【0003】
かかる「冷蔵庫」によれば、冷蔵庫内に保存されている物品の在庫情報を所望のユーザ(例えば、冷蔵庫の所有者もしくはこの所有者に関係する人物)の携帯電話、PDA、パーソナルコンピュータ(以下「PC」という)などの情報処理端末に通知することができる。
【0004】
このとき、かかる物品の在庫情報の「通知」(例えば、「冷蔵庫」内に格納されている物品の在庫が不足している旨の通知)を車両の運転中に受けた場合には、ユーザは、車両に搭載されたナビゲーション装置の機能を利用して物品の補充(すなわち、コンビニ、スーパー、デパートなどの店舗での物品の購入)をおこなう。
【0005】
【特許文献1】特開2002−147928号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来技術におけるナビゲーション装置では、補充を要する旨の通知を受けた場合に、購入をおこなおうとする店舗の選定操作および該選定された店舗への経路設定操作などの煩雑な操作をユーザに強いることとなるため、ユーザの利便性を損なうという問題点があった。
【0007】
具体的に説明すると、ユーザは、物品の補充を要する旨(在庫切れ)の通知を受けた場合に、ナビゲーション装置に登録された店舗情報から在庫切れの物品(例えば、食料品や飲食物など)を購入可能な店舗を検索したり、また、かかるナビゲーション装置に接続された通信メディアを介してインターネット上でかかる店舗を検索し、このようにして検索された店舗から実際に物品を購入する店舗を選定する必要がある。さらに、このようにして選定された店舗を目的地として登録する経路設定操作をユーザに強いることとなる。
【0008】
このように、上記の従来技術におけるナビゲーション装置において、在庫切れの物品を補充(購入)可能な案内対象(店舗)への経路誘導のサービスを受けようとしても、煩雑なユーザ操作をおこなわなければかかるサービスを受けることができない。
【0009】
そこで、本発明は、上述した従来技術による課題(問題点)を解消するためになされたものであり、ユーザの利便性を損なうことなく、在庫切れの物品を補充可能な案内対象への経路誘導をおこなうことができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1の発明に係るナビゲーション装置は、予め設定された予定経路情報および自車両の位置情報をもとに自車両の経路設定をおこなうナビゲーション装置であって、所望の収容スペースに格納される物品を監視する物品監視手段から受信した物品の在庫情報をもとに、前記物品の在庫が不足しているか否かを判定する在庫判定手段と、前記在庫判定手段によって物品の在庫が不足していると判定された場合に、該物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなう経路設定手段と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項2の発明に係るナビゲーション装置は、上記の発明において、前記在庫判定手段は、前記物品監視手段から受信した物品の在庫情報をもとに、前記物品の数量が所定の数値以下であるか否かを判定し、前記経路設定手段は、前記在庫有無判定手段によって物品の数量が所定の数値以下であると判定された場合に、該物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことを特徴とする。
【0012】
また、請求項3の発明に係るナビゲーション装置は、上記の発明において、前記経路設定手段は、前記物品を補充可能な案内対象のうち、前記自車両から前記収容スペースが存在する地点までの経路上に存在する案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことを特徴とする。
【0013】
また、請求項4の発明に係るナビゲーション装置は、上記の発明において、前記経路設定手段は、前記物品を補充可能な案内対象のうち、前記収容スペースが存在する地点から所定の距離以内に存在する案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことを特徴とする。
【0014】
また、請求項5の発明に係るナビゲーション装置は、上記の発明において、前記経路設定手段は、前記在庫判定手段によって物品の在庫が不足していないと新に判定された場合に、前記物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定処理を中止することを特徴とする。
【0015】
また、請求項6の発明に係るナビゲーション装置は、上記の発明において、前記物品の在庫が不足した場合に、自車両の目的地として経路設定をおこなう案内対象を受け付ける案内対象受付手段をさらに備え、前記経路設定手段は、前記在庫判定手段によって物品の在庫が不足していると判定された場合に、前記案内対象受付手段によって受け付けた案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことを特徴とする。
【0016】
また、請求項7の発明に係るナビゲーション装置は、上記の発明において、前記物品を補充可能な案内対象に係るセールス情報を取得するセールス情報取得手段をさらに備え、前記経路設定手段は、前記セールス情報取得手段によって取得されたセールス情報をもとに、前記物品を補充可能な案内対象から所定の条件を満たす案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことを特徴とする。
【0017】
また、請求項8の発明に係るナビゲーション装置は、上記の発明において、前記経路設定手段は、履歴情報蓄積手段によって蓄積された案内対象の選定傾向の履歴情報をもとに、前記物品を補充可能な案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことを特徴とする。
【0018】
また、請求項9の発明に係るナビゲーション装置は、上記の発明において、前記在庫判定手段は、前記物品監視手段から受信した複数の物品の在庫情報、並びに構成要素情報記憶手段によって記憶された複数の物品から生成される生成物の構成要素情報をもとに、前記複数の物品の在庫が当該生成物を生成する上で不足しているか否かを判定し、前記経路設定手段は、前記在庫判定手段によって前記複数の物品の在庫が当該生成物を生成する上で不足していると判定された場合に、該生成物を生成する上で不足する物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことを特徴とする。
【0019】
また、請求項10の発明に係るナビゲーション装置は、上記の発明において、前記在庫判定手段は、複数の前記物品監視手段から受信した物品の在庫情報をもとに、前記物品の在庫が不足しているか否かを判定する在庫判定処理を複数の収容スペース、或いは各収容スペースごとにおこなうことを特徴とする。
【0020】
また、請求項11の発明に係るナビゲーション装置は、上記の発明において、前記物品監視手段から受信した物品の在庫情報を通知する在庫情報通知手段をさらに備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、所望の収容スペースに格納される物品を監視する物品監視手段から受信した物品の在庫情報をもとに、物品の在庫が不足しているか否かを判定し、物品の在庫が不足していると判定された場合に、該物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうこととしたので、ユーザの利便性を損なうことなく、在庫切れの物品を補充可能な案内対象への経路誘導をおこなうことが可能なナビゲーション装置が得られるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明によれば、物品監視手段から受信した物品の在庫情報をもとに、物品の数量が所定の数値以下であるか否かを判定し、物品の数量が所定の数値以下であると判定された場合に、該物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうこととしたので、ユーザが必要とする在庫量の基準に応じて在庫の有無を判定することができ、ユーザが補充すべきと判断する在庫状況になった時点で、在庫切れの物品を補充可能な案内対象への経路誘導をおこなうことが可能なナビゲーション装置が得られるという効果を奏する。
【0023】
また、本発明によれば、物品を補充可能な案内対象のうち、自車両から収容スペースが存在する地点までの経路上に存在する案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうこととしたので、在庫切れの物品を回り道せずに補充可能な案内対象に経路誘導することが可能なナビゲーション装置が得られるという効果を奏する。
【0024】
また、本発明によれば、物品を補充可能な案内対象のうち、収容スペースが存在する地点から所定の距離以内に存在する案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうこととしたので、収納スペースの所在地から近い地点で在庫切れの物品を補充させ、物品の鮮度の低下を抑制することが可能なナビゲーション装置が得られるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明によれば、物品の在庫が不足していないと新に判定された場合に、物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定処理を中止することとしたので、物品が重複して補充される事態を防止することが可能なナビゲーション装置が得られるという効果を奏する。
【0026】
また、本発明によれば、物品の補充をおこなう場合に、自車両の目的地として経路設定をおこなう案内対象を受け付け、物品の在庫が不足していると判定された場合に、受け付けた案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうこととしたので、ユーザの嗜好に応じた案内対象(コンビニ、スーパー、デパートなどの店舗)で在庫切れの物品を補充させることが可能なナビゲーション装置が得られるという効果を奏する。
【0027】
また、本発明によれば、物品を補充可能な案内対象に係るセールス情報を取得し、取得されたセールス情報をもとに、物品を補充可能な案内対象から所定の条件を満たす案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうこととしたので、物品の購入得失および/または案内対象の営業日時などのセールス情報が考慮された経路誘導をおこなうことが可能なナビゲーション装置が得られるという効果を奏する。
【0028】
また、本発明によれば、履歴情報蓄積手段によって蓄積された案内対象の選定傾向の履歴情報をもとに、物品を補充可能な案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうこととしたので、ユーザの選定傾向が反映された案内対象を自車両の目的地として選定することができ、ユーザの個人特性に応じた経路誘導をおこなうことが可能なナビゲーション装置が得られるという効果を奏する。
【0029】
また、本発明によれば、物品監視手段から受信した複数の物品の在庫情報、並びに構成要素情報記憶手段によって記憶された複数の物品から生成される生成物の構成要素情報をもとに、複数の物品の在庫が当該生成物を生成する上で不足しているか否かを判定し、複数の物品の在庫が当該生成物を生成する上で不足していると判定された場合に、該生成物を生成する上で不足する物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうこととしたので、物品の組合せを考慮して在庫の有無を判定することができ、物品の在庫を多面的に管理することが可能なナビゲーション装置が得られるという効果を奏する。
【0030】
また、本発明によれば、複数の前記物品監視手段から受信した物品の在庫情報をもとに、物品の在庫が不足しているか否かを判定する在庫判定処理を複数の収容スペース、或いは各収容スペースごとにおこなうこととしたので、収納スペースの組合せを考慮して在庫の有無を判定することができ、物品の在庫を多面的に管理することが可能なナビゲーション装置が得られるという効果を奏する。
【0031】
また、本発明によれば、物品監視手段から受信した物品の在庫情報を通知することとしたので、ユーザに物品の在庫状況を正確に把握させることが可能なナビゲーション装置が得られるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るナビゲーション装置の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本実施例で用いる用語の概念を最初に説明してから、本発明に係るナビゲーションシステムの概要および特徴を説明し、その後、本実施例1に係るナビゲーションシステムを説明し、最後に、他の実施例として種々の変形例(実施例3)を説明することとする。
【0033】
(用語の説明)
以下に、本実施例で用いる用語の概念を簡単に説明する。本実施例で用いる「収容スペース」とは、食料品や飲食物など食品に係る「物品」を格納する食料収容庫や冷蔵庫などの「ストッカー」や、所定の製品もしくはその製品の部品などの「物品」を格納する「倉庫」を指す。
【0034】
また、本実施例で用いる「生成物」とは、所定の食材品や、所定の部品から生成される結果物、すなわち調理、製造などの作用を経て生成される料理、製造物を指し、また、本実施例で用いる「構成要素」とは、かかる「生成物」の構成要素、たとえば「生成物」が「カレー」であれば、構成要素はカレーのルー、ジャガイモ、玉葱、にんじんなどの各構成物品(食材品)を指す。
【0035】
(概要および特徴)
まず最初に、本発明に係るナビゲーションシステムの概要および特徴を説明する。図1は、本実施例1に係るナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。同図に示すように、このナビゲーションシステム1は、冷蔵庫20に格納される物品を監視する物品監視装置30およびナビゲーション装置10がインターネット2を介して相互に通信可能に接続された構成となる。このうち、物品監視装置30は、冷蔵庫20に格納される物品を監視し、該監視結果(すなわち、物品の在庫情報)をナビゲーション装置10に通知するものである。
【0036】
ここで、本発明に係るナビゲーション装置10は、所望の収容スペース(すなわち、冷蔵庫20)に格納される物品を監視する物品監視装置30から受信した物品の在庫情報をもとに、物品の在庫が不足しているか否かを判定し、物品の在庫が不足していると判定した場合に、該物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなう「経路設定処理」に主たる特徴があり、かかる「経路設定処理」によって、ユーザの利便性を損なうことなく、在庫切れの物品を補充可能な案内対象への経路誘導をおこなうことができるようにしている。
【0037】
この主たる特徴を具体的に説明すると、このナビゲーション装置10では、物品監視装置30による物品の在庫情報の通知と連動して、物品の補充を要する場合に、在庫切れの物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことで、在庫切れの物品の補充(購入)をおこなおうとする店舗の選定操作および該選定された店舗への経路設定操作などの煩雑な操作を省くことができるようにしている。
【0038】
したがって、上記した従来技術の例で言えば、在庫切れ(補充を要する旨)の通知を受けた場合に購入をおこなおうとする店舗の選定操作および該選定した店舗の経路設定操作などの煩雑な操作をユーザに委ねるのではなく、物品監視装置30による物品の在庫情報の通知と連動して、物品の補充を要する場合に、在庫切れの物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうこととしたので、ユーザの利便性を損なうことなく、在庫切れの物品を補充可能な案内対象への経路誘導をおこなうことが可能になる。
【実施例1】
【0039】
次に、本実施例1に係るナビゲーションシステムについて説明する。なお、ここでは、本実施例1に係るナビゲーションシステムの構成を説明した後に、このナビゲーションシステムの各種処理の手順を説明することとする。
【0040】
(ナビゲーションシステムの構成)
図1は、本実施例1に係るナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。同図に示すように、このナビゲーションシステム1は、冷蔵庫20に格納される物品を監視する物品監視装置30およびナビゲーション装置10がインターネット2を介して相互に通信可能に接続された構成となる。
【0041】
このうち、物品監視装置30は、冷蔵庫20に格納される物品の在庫状況を監視カメラ32aおよび32b(以下、適宜これらを監視カメラ32と言う。)で撮像し、該撮像された画像データ(すなわち、物品の在庫状況が撮像された画像)をナビゲーション装置10に送信する監視装置であり、図2に示すように、ドアセンサ31aおよびドアセンサ31b(以下、適宜これらをドアセンサ31と言う。)、監視カメラ32、通信処理部33、制御部34、並びに画像保持部35を備える。
【0042】
このうち、通信処理部33は、ナビゲーション装置10との間で通信をおこなう処理部である。具体的には、ナビゲーション装置10における在庫情報取得部16aから物品の在庫情報取得要求を受信した場合に、監視カメラ32で物品の在庫状況が撮像された画像を物品の在庫情報として送信する。
【0043】
制御部34は、物品監視装置30を全体制御する処理部であり、具体的には、監視カメラ32を用いた物品の在庫状況の撮像処理および物品の在庫情報取得要求に対する応答処理を制御する。
【0044】
より詳細には、物品の在庫状況の撮像は、冷蔵庫20のドアが開けられた場合(すなわち、ドアセンサ31によって冷蔵庫20のドア状態が「開」と検出された場合)におこなわれ、このようにして物品の在庫状況が撮像された撮像画像の画像データは、画像保持部35に記憶されることとなる。そして、在庫情報取得部16aから物品の在庫情報取得要求を受信した場合に、画像保持部35によって記憶された画像データを読み込み、該読み込まれた画像データを物品の在庫情報としてナビゲーション装置10に送信する。
【0045】
ここで、本発明に係るナビゲーション装置10について説明する。このナビゲーション装置10は、予め設定された予定経路情報および自車両の位置情報をもとに自車両の経路設定をおこなうものであり、図3に示すように、入力部11a、出力部11b、通信制御IF部12、通信メディア13、GPS受信機14、記憶部15、制御部16を備える。
【0046】
このうち、入力部11aは、ユーザからの入力操作を受け付けるインターフェースであり、例えば、冷蔵庫20内に格納された物品(例えば、「ビール」)の在庫情報の取得要求の受付、並びに在庫判定部16bによる物品の在庫判定に用いる閾値、すなわち物品の在庫が確保されていると判定する場合の下限値(例えば、最低基準値「6本」)の設定の受付をおこなう。
【0047】
また、出力部11bは、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイスであり、例えば、ナビゲーション画面や、物品の在庫情報の通知画面などを表示する。なお、本実施例では、入力部11aおよび出力部11bの両者を併せてタッチパネル11として構成することとする。
【0048】
通信制御IF部12は、ナビゲーション装置10とインターネット1との間で、通信メディア13を介して各種情報の通信を制御するものである。また、GPS(Global Positioning System)受信機14は、GPS人工衛星からの情報を受信して時刻情報の取得、自車両の位置情報の特定をおこなう。なお、この通信メディア13は、携帯電話機やPHS、また、LANカードのような通信機能を有するものであればいずれの通信メディアであっても良い。
【0049】
記憶部15は、制御部16による各種処理に必要なデータおよびプログラムを格納する格納手段(記憶手段)であり、地図情報記憶部15aと、選定条件記憶テーブル15bとを備える。このうち、地図情報記憶部15aは、各種の案内対象(例えば、コンビニ、スーパー、デパートなどの店舗)に係る情報(すなわち、店舗の名称や住所などの情報)と、該案内対象の地図情報とを対応付けて記憶する処理部である。
【0050】
選定条件記憶テーブル15bは、物品を補充可能な複数の案内対象から目的地となる案内対象を抽出するための所定の選定条件を記憶するテーブルであり、具体的には、案内対象の「選定条件」と、該案内対象が「選定条件」を満たす場合の動作とを対応付けて記憶している。
【0051】
より詳細には、図4に示す例では、在庫切れの物品(本例では、「ビール」)を補充可能な案内対象(すなわち、コンビニ、スーパー、デパートなどの店舗)が自車両3の現在位置から冷蔵庫20の所在地までの経路上に存在する案内対象であれば、目的地候補として案内対象を抽出する「ルール1」と、在庫切れの物品「ビール」を補充可能な案内対象が冷蔵庫20の所在地から所定の距離(例えば、「1km」)以内に存在する案内対象であれば、目的地候補として案内対象を抽出する「ルール2」とを「選定条件」として保持している。
【0052】
この「ルール1」を選定条件として設けた理由は、在庫切れの物品を回り道せずに補充可能な案内対象に経路誘導する趣旨であり、「ルール2」を選定条件として設けた理由は、冷蔵庫の所在地から近い地点で在庫切れの物品を補充させ、物品の鮮度の低下を抑制する趣旨である。
【0053】
制御部16は、OS(Operating System)などの制御プログラム、各種の処理手順などを規定したプログラムおよび所要データを格納するための内部メモリを有し、これらによって種々の処理を実行する処理部であり、特に本発明に密接に関連するものとしては、在庫情報取得部16a、在庫判定部16b、ルート設定部16cおよび在庫情報通知部16dを有する。
【0054】
このうち、在庫情報取得部16aは、物品監視装置30に対して物品の在庫情報の取得要求をおこなって物品の在庫情報を取得する処理部である。具体的には、ユーザからタッチパネル11を介して物品の在庫情報の取得要求を受け付けた場合、或いは所定の監視時間ごとに物品の在庫情報の取得要求をおこなって物品監視装置30から物品の在庫情報を取得する。
【0055】
在庫判定部16bは、在庫情報取得部16aによって取得された物品の在庫情報をもとに、物品の在庫が不足しているか否かを判定する処理部である。具体的には、在庫情報取得部16aによって物品の在庫情報として取得された撮像画像(物品の在庫状況が撮像された画像)の画像データに対して画像認識処理をおこなって物品の数量を検出し、該検出された物品の数量が所定の数値以下であるか否かを判定する。
【0056】
より詳細には、冷蔵庫20内の物品「ビール」の在庫状況が撮像された撮像画像(入力画像)と、物品「ビール」の基準画像(参照画像)との画像認証処理をおこなって冷蔵庫20に物品「ビール」が何本格納されているかを検出し、該検出された物品「ビール」の本数が最低基準値「6本」より少なければ、在庫が不足していると判定し、最低基準値「6本」以上であれば、在庫が有ると判定する。
【0057】
このように、物品の在庫情報をもとに、物品の数量が所定の数値以下であるか否かを判定し、物品の数量が所定の数値以下であると判定された場合に、該物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことで、ユーザが必要とする在庫量の基準に応じて在庫の有無を判定することができ、ユーザが補充すべきと判断する在庫状況になった時点で、在庫切れの物品を補充可能な案内対象への経路誘導をおこなうことが可能になる。
【0058】
ルート設定部16cは、在庫判定部16bによって物品の在庫が不足していると判定された場合に、該物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなう処理部である。具体的には、在庫判定部16bによって冷蔵庫20内の物品「ビール」の本数が最低基準値「6本」より少ないと判定された場合に、在庫切れの物品を補充可能な案内対象のうち、選定条件記憶テーブル15bに記憶された選定条件を満たす案内対象を抽出し、該抽出した案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなう。
【0059】
より詳細には、ルート設定部16cは、地図情報記憶部15aに登録された店舗情報から在庫切れの物品「ビール」を購入可能な店舗を検索したり、また、通信メディア13を介してインターネット2上で物品「ビール」を購入可能な店舗を検索することで、在庫切れの物品「ビール」を補充可能な案内対象をリスト化する。
【0060】
そして、ルート設定部16cは、在庫切れの物品「ビール」を補充可能な案内対象のうち、選定条件記憶テーブル15bに記憶された選定条件「ルール1」および/または「ルール2」を満たす案内対象を抽出する。具体的には、在庫切れの物品「ビール」を補充可能な案内対象(すなわち、コンビニ、スーパー、デパートなどの店舗)が自車両3の現在位置から冷蔵庫20の所在地までの経路上に存在するという選定条件「ルール1」を満たす場合、また、在庫切れの物品「ビール」を補充可能な案内対象が冷蔵庫20の所在地から所定の距離(例えば、「1km」)以内に存在するという選定条件「ルール2」を満たす場合に、目的地候補として案内対象を抽出する。
【0061】
このように、物品を補充可能な案内対象のうち、自車両から収容スペースが存在する地点までの経路上に存在する案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことで、在庫切れの物品を回り道せずに補充可能な案内対象に経路誘導することが可能になる。
【0062】
また、物品を補充可能な案内対象のうち、収容スペースが存在する地点から所定の距離以内に存在する案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことで、収納スペースの所在地から近い地点で在庫切れの物品を補充させ、物品の鮮度の低下を抑制することが可能になる。
【0063】
なお、このルート設定部16cは、在庫判定部16bによって物品の在庫が不足していないと新に判定された場合に、物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定処理を中止する。このように、かかる「経路設定処理」を中止することとしたのは、物品の在庫が不足となる状況が部分的に発生したとしても、他者によって物品が補充されたならば、新に物品を補充する必要はなく、この「経路設定処理」が継続されることによって物品が重複して補充される事態を防止するためである。
【0064】
在庫情報通知部16dは、物品監視装置30から受信した物品の在庫情報を通知する処理部である。例えば、図5に示すように、在庫判定部16bによって物品の在庫が不足していると判定された場合に、物品の在庫が不足している旨(物品の補充を要する旨)をタッチパネル11に表示するとともに、在庫切れの物品を補充可能な案内対象に経路誘導をおこなう旨を確認表示する。なお、この時、音声による通知(この場合、在庫不足の通知)も同様におこなわれることとする。
【0065】
さらに、在庫情報通知部16dは、確認表示画面200における「画像で確認」のボタンの押下を受け付けた際に、具体的な在庫情報として、冷蔵庫20内の物品「ビール」の在庫状況が撮像された撮像画像を通知するようにする。なお、運転者への通知には、一般的に、画面表示と音声出力とが併用されるが、車両の運転時にディスプレイを注視させることは好ましくないので、音声による通知を主としておこなうようにしても良い。
【0066】
このように、物品監視装置30から受信した物品の在庫情報を通知することで、ユーザに物品の在庫状況を正確に把握させることが可能になる。
【0067】
(各種処理の手順)
次に、本実施例1に係るナビゲーションシステムの各種処理の手順について説明する。図6は、本実施例1に係る経路設定処理の手順を示すフローチャートである。この「経路設定処理」は、ナビゲーションシステム1が起動している場合に、所定の監視時間(例えば、「1時間」)ごとにおこなわれる。なお、ここでは、冷蔵庫20内に格納された物品「ビール」の在庫情報を管理する場合の例について説明する。
【0068】
同図に示すように、直前の物品の在庫情報取得要求がおこなわれてから所定の監視時間「1時間」が経過した場合(ステップS601肯定)に、在庫情報取得部16aは、物品の在庫情報取得要求を物品監視装置30に送信する(ステップS602)。
【0069】
続いて、物品監視装置30では、かかる物品の在庫情報取得要求を受信する(ステップS603)。これを契機に、制御部34は、画像保持部35によって記憶された画像データを読み込み(ステップS604)、該読み込まれた画像データを物品「ビール」の在庫情報として在庫情報取得部16aに送信する(ステップS605)。
【0070】
そして、ナビゲーション装置10における在庫情報取得部16aでは、物品監視装置30から物品の在庫情報として画像データを受信し(ステップS606)、在庫判定部16bは、この在庫情報取得部16aによって物品の在庫情報として取得された撮像画像(冷蔵庫20内の物品「ビール」の在庫状況が撮像された画像)の画像データに対して画像認識処理をおこなって物品「ビール」の数量を検出し(ステップS607)、該検出された物品「ビール」の数量が所定の数値以下であるか否か(すなわち、最低基準値「6本」より少ないか否か)を判定する(ステップS608)。
【0071】
ここで、物品「ビール」の本数が所定の数値以下である場合(すなわち、最低基準値「6本」より少ない場合)には(ステップS608肯定)、ルート設定部16cは、地図情報記憶部15aに登録された店舗情報から在庫切れの物品「ビール」を購入可能な店舗を検索して読み込む(ステップS609)。
【0072】
そして、ルート設定部16cは、在庫切れの物品「ビール」を補充可能な案内対象のうち、選定条件記憶テーブル15bに記憶された選定条件「ルール1」および/または「ルール2」を満たす案内対象を抽出する(ステップS610)。
【0073】
その後、在庫情報通知部16dは、物品の在庫が不足している旨(物品の補充を要する旨)を表示するとともに、在庫切れの物品を補充可能な案内対象に経路誘導をおこなう旨をタッチパネル11に確認表示する(ステップS611)。
【0074】
最後に、現ルート設定における案内対象から在庫切れの物品を補充可能な案内対象へのルート設定の更新、或いはルート設定「OFF」からの更新を受け付けた場合(ステップS612肯定)に、ルート設定部16cは、抽出した案内対象を自車両の目的地とするルート設定を実行する(ステップS613)。
【0075】
上述してきたように、本実施例1に係るナビゲーションシステム1によれば、物品監視装置30による物品の在庫情報の通知と連動して、物品の補充を要する場合に、該物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうこととしたので、ユーザの利便性を損なうことなく、在庫切れの物品を補充可能な案内対象への経路誘導をおこなうことが可能になる。
【実施例2】
【0076】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例1以外にも、上記特許請求の範囲に記載した技術的思想の範囲内において種々の異なる実施例にて実施されてもよいものである。そこで、以下に示すように、(1)構成、(2)物品の監視、(3)案内対象の選定、(4)在庫判定、(5)その他等にそれぞれ区分けして異なる実施例を説明する。
【0077】
(1)構成
例えば、実施例1では、車両に搭載されるナビゲーション装置10が本発明に係る機能(すなわち、在庫情報取得部16a、在庫判定部16b、ルート設定部16cおよび在庫情報通知部16d)を有する構成について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、外部のサーバ装置がこれら本発明に係る機能を有するようにしても良い。
【0078】
例えば、図7に示すサーバ装置100に、在庫情報取得部140a、在庫判定部140b、案内対象決定部140d(実施例1におけるルート設定部16cに対応)および/または在庫情報通知部140eを設けるようにしても良い。このように、本発明に係る機能を外部のサーバ装置に分散するよう構成することで、ナビゲーション装置の処理負荷およびメモリの肥大化を軽減することができる。
【0079】
(2)物品の監視
また、実施例1では、冷蔵庫20に格納される物品を監視する装置として、監視カメラ32を用いることとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、赤外線センサや接触センサなどの物品の在庫状況を監視することができるものであれば任意の監視装置を用いることができる。例えば、物品にタグを付し、これらのタグから発せられるタグ情報を用いて物品を監視するようにしても良い。
【0080】
また、実施例1では、冷蔵庫20に格納された物品の在庫状況を監視する実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、食品が格納された食料収納庫、或いは所定の製品もしくはその製品の部品が格納された倉庫の物品を監視する場合でも本発明を同様に適用することができる。
【0081】
(3)案内対象の選定
また、本発明では、物品の補充をおこなう場合に、自車両の目的地として経路設定をおこなう案内対象を受け付け、物品の在庫が不足していると判定された場合に、受け付けた案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうようにしても良い。このように、予め登録された案内対象を自車両の目的地として選定することで、ユーザが好む案内対象(コンビニ、スーパー、デパートなどの店舗)で在庫切れの物品を補充させることが可能になる。
【0082】
また、本発明では、物品を補充可能な案内対象に係るセールス情報を取得し、取得されたセールス情報をもとに、物品を補充可能な案内対象から所定の条件を満たす案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうようにしても良い。
【0083】
例えば、図7に示すように、サーバ装置100において、店舗端末40−1〜40−nからインターネット2を介して在庫切れの物品を補充可能な店舗に係るセールス情報(例えば、物品の購入得失、店舗の営業日時などの情報)を取得するセールス情報取得部140cを新たに具備させる。このセールス情報取得部140cによって取得されたセールス情報をもとに、案内対象選定部140dは、所定の選定条件(例えば、物品の値段や品質など購入得失に係る条件、或いは店舗の営業日時に係る条件)を満たす店舗を選定し、該選定した店舗をナビゲーション装置10に送信する。
【0084】
このように、物品を補充可能な案内対象に係るセールス情報を取得し、取得されたセールス情報をもとに、物品を補充可能な案内対象から所定の条件を満たす案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことで、物品の購入得失および/または案内対象の営業日時などのセールス情報が考慮された経路誘導をおこなうことが可能になる。
【0085】
また、本発明では、案内対象の選定傾向の履歴情報をもとに、物品を補充可能な案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうようにしても良い。
【0086】
例えば、図7に示すように、サーバ装置100において、店舗の選定傾向の履歴情報(例えば、同一の店舗を選定する傾向や物品の価格が低い店舗を選定する傾向などのユーザの選定傾向に係る情報)を記憶する履歴情報DB130を新たに具備させる。この履歴情報DB130に記憶された店舗の選定傾向の履歴情報をもとに、案内対象選定部140dは、物品を補充可能な店舗を選定し、該選定した店舗をナビゲーション装置10に送信する。
【0087】
このように、案内対象の選定傾向の履歴情報をもとに、物品を補充可能な案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことで、ユーザの選定傾向が反映された案内対象を自車両の目的地として選定することができ、ユーザの個人特性に応じた経路誘導をおこなうことが可能になる。
【0088】
(4)在庫判定
また、本発明では、複数の物品の在庫情報、並びに複数の物品から生成される生成物の構成要素情報をもとに、複数の物品の在庫が当該生成物を生成する上で不足しているか否かを判定し、複数の物品の在庫が当該生成物を生成する上で不足していると判定された場合に、該生成物を生成する上で不足する物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうようにしても良い。
【0089】
例えば、図7に示すように、サーバ装置100において、複数の食材品から調理される料理のレシピ情報(例えば、「料理」が「カレー」であれば、カレーのルー、ジャガイモ、玉葱、にんじんなどの食材品およびその食材品の分量の情報を指す。)を記憶するレシピ情報DB120を新たに具備させる。このレシピ情報DB120に記憶された複数の食材品から調理される料理のレシピ情報、並びに物品監視装置30−1および30−2から受信した複数の食材品の在庫情報をもとに、在庫判定部140bは、冷蔵庫20−1(図示せず)および食品収納庫20−2(図示せず)に格納された複数の食材品の在庫が当該料理(例えば、「カレー」)を調理する上で不足しているか否かを判定する。
【0090】
そして、案内対象選定部140dは、在庫判定部140bによって食材品の在庫が「カレー」を調理する上で不足していると判定された場合に、「カレー」を調理する上で不足する食材品を購入可能な店舗を案内対象として選定し、該選定した案内対象をナビゲーション装置10に送信する。
【0091】
このとき、在庫情報通知部140eは、「カレー」を調理する上で不足する食材品の名称およびその食材品の分量などのレシピ情報もナビゲーション装置10に送信する。また、調理をおこなう上での不足するレシピ情報の通知をおこなうとともに、食材品の在庫状況をもとに準備しやすい料理を提案する通知をおこなうようにしても良い。
【0092】
このように、複数の物品の在庫情報、並びに複数の物品から生成される生成物の構成要素情報をもとに、複数の物品の在庫が当該生成物を生成する上で不足しているか否かを判定し、複数の物品の在庫が当該生成物を生成する上で不足していると判定された場合に、該生成物を生成する上で不足する物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことで、物品の組合せを考慮して在庫の有無を判定することができ、物品の在庫を多面的に管理することが可能になる。
【0093】
また、本発明では、複数の物品監視装置から受信した物品の在庫情報をもとに、物品の在庫が不足しているか否かを判定する在庫判定処理を複数の収容スペース、或いは各収容スペースごとにおこなうようにしても良い。例えば、自宅の冷蔵庫および親類や知人の冷蔵庫など、複数の収容スペース全体として物品の在庫が不足しているか否かを判定したり、また、自宅に存在する複数の冷蔵庫(例えば、一方の冷蔵庫には、飲料品、もう一方の冷蔵庫には、食料品が格納されている場合など)に格納された物品の在庫がそれぞれ不足しているか否かを判定したりする。
【0094】
このように、複数の物品監視装置から受信した物品の在庫情報をもとに、物品の在庫が不足しているか否かを判定する在庫判定処理を複数の収容スペース、或いは各収容スペースごとにおこなうことで、収納スペースの組合せを考慮して在庫の有無を判定することができ、物品の在庫を多面的に管理することが可能になる。
【0095】
また、実施例1では、同種の物品(例えば、「ビール」)であれば、銘柄の一致或いは不一致を問わず同一物品として在庫の有無を判定することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、同種の物品「ビール」であっても、銘柄ごとに在庫の有無を判定するようにしても良い。これによって、在庫の有無をより詳細に判定することができ、また、在庫切れの物品を補充可能な案内対象を種類のみではなく銘柄も考慮して経路誘導をおこなうことで、より効果的なナビゲーションサービスを提供することが可能になる。
【0096】
(5)その他
また、実施例1では、物品の在庫情報として、物品の在庫状況が撮像された撮像画像をナビゲーション装置10に送信する実施例について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、物品監視装置30で物品の数量を検出し、該検出した物品の数量に係る情報を物品の在庫情報としてナビゲーション装置10やサーバ装置100に送信するようにしても良い。
【0097】
また、本発明では、在庫判定部16bまたは140bによって収容スペースに格納されている物品の在庫が不足していると判定された場合に、該収容スペースに補充される物品を格納する補充用物品収容スペースから収容スペースへ物品を補充する物品補充機構を設けるようにしても良い。例えば、収容スペースが物品「ジュース」を所定の保管状態(冷蔵状態)で格納する収納スペース(冷蔵庫)である場合に、物品「ジュース」の在庫が不足しているならば、所望の棚などの収納庫に格納された物品「ジュース」を冷蔵庫に自動的に補充することで、ユーザが店舗で購入しなくとも所定の保管状態が確保された物品を補充することが可能になる。
【0098】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【0099】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0100】
以上のように、本発明に係るナビゲーション装置は、予め設定された予定経路情報および自車両の位置情報をもとに自車両の経路設定をおこなうナビゲーション装置に有用であり、特に、ユーザの利便性を損なうことなく、在庫切れの物品を補充可能な案内対象への経路誘導をおこなうことができるナビゲーション装置に適している。
【図面の簡単な説明】
【0101】
【図1】本実施例1に係るナビゲーションシステムの構成を示すシステム構成図である。
【図2】本実施例1に係る物品監視装置の構成を示すブロック図である。
【図3】本実施例1に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図4】選定条件記憶テーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。
【図5】確認表示画面の一例を示す図である。
【図6】本実施例1に係る経路設定処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】本発明に係るナビゲーションシステムの変形例を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
【0102】
1 ナビゲーションシステム
2 インターネット
3 自車両
10 ナビゲーション装置
11 タッチパネル
11a 入力部
11b 出力部
12,110 通信制御IF部
13 通信メディア
14 GPS受信機
15 記憶部
15a 地図情報記憶部
15b 選定条件記憶テーブル
16,140 制御部
16a,140a 在庫情報取得部
16b,140b 在庫判定部
16c,140d ルート設定部(案内対象設定部)
16d,140e 在庫情報通知部
20 冷蔵庫
30 物品監視装置
31 ドアセンサ
32 監視カメラ
33 通信処理部
34 制御部
35 画像保持部
40 店舗端末
100 サーバ装置
120 レシピ情報DB
130 履歴情報DB

【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め設定された予定経路情報および自車両の位置情報をもとに自車両の経路設定をおこなうナビゲーション装置であって、
所望の収容スペースに格納される物品を監視する物品監視手段から受信した物品の在庫情報をもとに、前記物品の在庫が不足しているか否かを判定する在庫判定手段と、
前記在庫判定手段によって物品の在庫が不足していると判定された場合に、該物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなう経路設定手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記在庫判定手段は、前記物品監視手段から受信した物品の在庫情報をもとに、前記物品の数量が所定の数値以下であるか否かを判定し、
前記経路設定手段は、前記在庫有無判定手段によって物品の数量が所定の数値以下であると判定された場合に、該物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記経路設定手段は、前記物品を補充可能な案内対象のうち、前記自車両から前記収容スペースが存在する地点までの経路上に存在する案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記経路設定手段は、前記物品を補充可能な案内対象のうち、前記収容スペースが存在する地点から所定の距離以内に存在する案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことを特徴とする請求項1、2または3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記経路設定手段は、前記在庫判定手段によって物品の在庫が不足していないと新に判定された場合に、前記物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定処理を中止することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記物品の補充をおこなう場合に、自車両の目的地として経路設定をおこなう案内対象を受け付ける案内対象受付手段をさらに備え、
前記経路設定手段は、前記在庫判定手段によって物品の在庫が不足していると判定された場合に、前記案内対象受付手段によって受け付けた案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記物品を補充可能な案内対象に係るセールス情報を取得するセールス情報取得手段をさらに備え、
前記経路設定手段は、前記セールス情報取得手段によって取得されたセールス情報をもとに、前記物品を補充可能な案内対象から所定の条件を満たす案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記経路設定手段は、履歴情報蓄積手段によって蓄積された案内対象の選定傾向の履歴情報をもとに、前記物品を補充可能な案内対象を選定し、該選定された案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことを特徴とする請求項1〜7のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記在庫判定手段は、前記物品監視手段から受信した複数の物品の在庫情報、並びに構成要素情報記憶手段によって記憶された複数の物品から生成される生成物の構成要素情報をもとに、前記複数の物品の在庫が当該生成物を生成する上で不足しているか否かを判定し、
前記経路設定手段は、前記在庫判定手段によって前記複数の物品の在庫が当該生成物を生成する上で不足していると判定された場合に、該生成物を生成する上で不足する物品を補充可能な案内対象を自車両の目的地とする経路設定をおこなうことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記在庫判定手段は、複数の前記物品監視手段から受信した物品の在庫情報をもとに、前記物品の在庫が不足しているか否かを判定する在庫判定処理を複数の収容スペース、或いは各収容スペースごとにおこなうことを特徴とする請求項1〜9のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
前記物品監視手段から受信した物品の在庫情報を通知する在庫情報通知手段をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜10のいずれか一つに記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−170619(P2006−170619A)
【公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−358944(P2004−358944)
【出願日】平成16年12月10日(2004.12.10)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】