説明

ナビゲーション装置

【課題】
走行時に運転者がタッチパネルの間違った位置を押すことによる誤操作を低減することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】
ナビゲーション装置に搭載された車速センサの信号により車両の走行/非走行を検出する。車両の走行が検出された場合は、ナビゲーション装置のタッチパネルに表示されたボタン32、33のタッチエリア34、35を非走行時のタッチエリアよりも大きくする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示/入力デバイスとしてタッチパネル装置を用いたナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
運転者がタッチパネルでナビゲーション装置を操作する際、操作指の腹部と爪部の同時接触による誤操作を低減させるために、タッチパネルのタッチエリアを表示エリアから偏倚させたナビゲーション装置が知られている(特許文献1)。
【特許文献1】特開2003−344086号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載されているタッチパネルを用いることによって、停車時のナビゲーション装置の誤操作は低減することはできる。しかし、走行中に運転者はタッチパネルを注視できないので、タッチエリアを表示エリアから偏倚した程度では誤操作を低減することはできない。
【課題を解決するための手段】
【0004】
請求項1の発明のナビゲーション装置は、画面上に道路地図と各種ボタンが表示されるとともに、押圧された画面上の位置を示す位置信号を出力するタッチパネルと、前記ボタンに対応するタッチパネル上の有効領域を設定するとともに、前記位置信号がいずれのボタンに対応する有効領域内の信号であるかを判定し、判定結果にしたがって、前記ボタンに割り当てられている機能を実行する制御手段と、車両の走行/非走行を検出する検出手段と、前記検出手段が走行を検出しているときは、非走行を検出している場合に比べて、前記有効領域を増大する領域設定手段とを備えることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記検出手段が走行を検出するときは、非走行を検出している場合に比べ、前記表示されているボタンの表示領域を増大するボタン表示領域増大手段を備えることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1のナビゲーション装置において、前記検出手段が走行を検出するときは、非走行を検出している場合に比べ、前記表示されているボタンの表示領域を増大するボタン表示領域増大手段を備えることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1乃至3のいずれか一に記載のナビゲーション装置において、前記ボタンを並列に並べて表示することを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれか一に記載のナビゲーション装置において、前記検出手段が走行を検出しているときに機能の実行が禁止されるボタンを非表示とするとともに、そのボタンに対応するタッチパネル上の有効領域を無効化するボタン無効手段を備えることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1乃至4のいずれか一に記載のナビゲーション装置において、前記検出手段が走行を検出しているときに機能の実行が禁止されるボタンの表示領域を縮小するとともに、そのボタンに対応するタッチパネル上の有効領域を縮小することを特徴とする。
請求項7の発明のナビゲーション装置は、画面上に道路地図と各種ボタンが表示されるとともに、押圧された画面上の位置を示す位置信号を出力するタッチパネルと、前記ボタンに対応するタッチパネル上の有効領域を設定するとともに、前記位置信号がいずれのボタンに対応する有効領域内の信号であるかを判定し、判定結果にしたがって、前記ボタンに割り当てられている機能を実行する制御手段と、車両のイルミ信号を検出するイルミ信号検出手段と、前記イルミ信号検出手段がイルミ信号を検出しているときは、イルミ信号を検出していない場合に比べて、前記有効領域を増大するイルミ信号領域設定手段とを備えることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項7のナビゲーション装置において、前記イルミ信号領域設定手段は、ヘットライト点灯時に使用するボタンに対応する有効領域のみ増大することを特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明のナビゲーション装置によれば、運転中のナビゲーション装置のタッチパネルによる誤操作を低減することができる。また、タッチパネルを操作する際、タッチパネルを注視する必要がないので運転中も安全にタッチパネルを操作することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明の実施形態によるナビゲーション装置の構成を図1に示す。図1のナビゲーション装置1は、地図表示などの通常のナビゲーション機能をタッチパネルによる入力操作で行うようにしている。ナビゲーション装置1は、制御回路11、ROM12、RAM13、現在地検出装置14、画像メモリ15、タッチパネル16、VICS(道路交通情報システム)情報受信部17およびディスクドライブ18を有している。ディスクドライブ18には、地図データが記録されたDVD−ROM19が装填される。
【0007】
制御回路11は、マイクロプロセッサ及びその周辺回路からなり、RAM13を作業エリアとしてROM12に格納された制御プログラムを実行して各種の制御を行う。この制御回路11がDVD−ROM19に記憶された地図データに基づいて所定の経路探索処理を行うと、その処理結果が推奨経路としてタッチパネル16に表示される。
【0008】
現在地検出装置14は車両の現在地を検出する装置であり、たとえば、車両の進行方位を検出する振動ジャイロ14a、車速を検出する車速センサ14b、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ14cなどからなる。ナビゲーション装置1は、この現在地検出装置14により検出された車両の現在地に基づいて、地図の表示範囲や経路探索開始点などを決定するとともに、地図上にその現在地を表示する。
【0009】
画像メモリ15は、タッチパネル16に表示するための画像データを格納する。この画像データは道路地図描画用データや各種の図形データからなり、それらはディスクドライブ18によって読み込まれるDVD−ROM19に記憶された地図データに基づいて、適宜生成される。ナビゲーション装置1は、このようにして生成された画像データを用いることによって地図表示など行うことができる。
【0010】
タッチパネル16は、地図データなどの各種情報に基づいて、自車位置付近の道路地図などの各種情報を画面表示として運転者に提供する。また、タッチパネル16は入力スイッチとしての機能を有する。タッチパネル16に表示された地図画面や各種ボタン、表示メニューなどを指で押圧すると、押圧された画面上の位置は制御回路11へ出力され、目的地を設定したり、各種ボタンや表示メニューに対応する機能を実行させたりすることができる。
【0011】
目的地が運転者により設定されると、ナビゲーション装置1はGPSセンサ14cにより検出された現在地を出発地として目的地までの経路演算を所定のアルゴリズムに基づいて行う。このようにして求められたルート(以下探索ルートという)は、表示形態、たとえば表示色などを変えることによって、ほかの道路とは区別して画面表示される。これにより、運転者は地図上の探索ルートを画面上で認識することができる。また、ナビゲーション装置1は、探索ルートに従って車両が走行できるように、運転者に対して画面や音声などによる進行方向指示を行い、車両を誘導する。
【0012】
VICS情報受信部17は、図示しないVICS情報センターから供給される渋滞情報などのVICS情報を受信し、制御回路11に出力する。このVICS情報は主に高速道路上に設置されている電波ビーコンや、主に一般道路上に設置されている光ビーコン、またはFM多重放送によって送信される。ナビゲーション装置1は、これらによって送信されたVICS情報をVICS情報受信部18により受信する。
【0013】
ディスクドライブ18は、装填されたDVD−ROM19から、タッチパネル16へ地図を表示するための地図データを読み出す。なお、DVD−ROM以外の他の記録メディア、たとえばCD−ROMやハードディスクなどより地図データを読み出してもよい。
【0014】
次に、タッチパネル16について詳細に説明する。図2は車両が停車しているときのタッチパネル16の表示画面例である。タッチパネル16の表示画面には、自車位置21を表示した地図画面とともに、地図画面を上下にスクロールするスクロールボタン22および地図の表示範囲距離を指定する表示範囲指定ボタン(縮尺率変更スイッチ)23などの各種ボタンが表示されている。スクロールボタン22および表示範囲指定ボタン23を指で押圧すると、ボタンに対応する機能が実行される。破線24および25は各ボタン22および23のタッチエリアを示す。タッチエリアとは、押圧操作を検知し得るパネル上のスイッチ領域である。停車中(非走行中)は、運転者はタッチパネル16を注視して操作することができるので、ボタン22および23の大きさ(表示エリア)より一回り大きいタッチエリア24、25を設定すれば、指の押圧位置のずれによる誤操作を防ぐことができる。しかし、走行時はタッチパネル16を注視することができないので、指の押圧位置のずれが大きくなり、表示エリアより一回り大きいタッチエリア24、25を設定しても指の押圧位置のずれによる誤操作を防ぐことができないことが予想される。
【0015】
そこで、本発明によるタッチパネル16では、図3に示すように、走行時のタッチエリア34、35の面積を、図2に示す停車時におけるタッチエリア24、25の面積より大きくする。このように、スクロールボタン22および表示範囲指定ボタン23のタッチエリア34、35の面積を停車時のスクロールボタン22および表示範囲指定ボタン23のタッチエリア24、25の面積より大きくすることにより、押圧位置が目的のボタンの表示位置からずれても目的のボタンを押すことができる。たとえば、走行時のタッチエリア34、35の面積は、停車時のタッチエリア24、25の面積に比べ200%以上大きくすることが好ましい。また、タッチエリア24、25、34、35の範囲を表示画面に表示してもよいし、地図画面の表示の邪魔になるようであれば表示しなくてもよい。
【0016】
本発明によるタッチパネル16の表示処理を図4のフローチャートを参照して説明する。このフローチャートは、図1の制御回路11で実行されるプログラムによる処理である。ステップS401において、車速センサ14bの信号により車両の走行/非走行を検出する。ステップS402で、車両の走行/非走行を判定する。車両の走行が判定された場合はステップS403へ進み、車両の非走行(停車)が判定された場合はステップS404へ進む。ステップS403では、タッチパネル16に表示されるボタン22、23のタッチエリア34、35を停車時のタッチエリア24、25に比べて拡大する。ステップS404では、タッチパネル16に表示されるボタン22、23のタッチエリア24、25を走行時のタッチエリア34、35より小さくする。
【0017】
押圧するとスクロールボタン22および表示範囲指定ボタン23に割り当てられた機能が実行する有効領域であるタッチエリア24、25の設定について、図5を参照して説明する。タッチパネル16の左下を座標原点(0,0)とすると、表示されているスクロールボタン22の形状は長方形なので対角線上の2点(Xa,Ya)、(Xb,Yb)を指定することによりタッチエリア34を設定することができる。表示範囲指定ボタン23のタッチエリア35も同様に、対角線上の2点(Xc,Yc)、(Xd,Yd)を指定することにより設定することができる。
【0018】
次に、設定されたタッチエリアの押圧と、表示されたボタンの機能の動作との関係について説明する。まず初めに、タッチパネルの原理を図6、図7を参照して説明する。図6はタッチパネルの断面を示す図であり、図7はタッチパネルの動作原理を説明する図である。タッチパネル600は、ITO(Indium Tin Oxide)膜などの透明導電膜61を形成したガラス基板62に、スペーサ63をはさんで、ITO膜などの透明導電膜64を形成したPET(Polyethylene Terephalate)フィルム65を貼り合わせることによって作製する。PETフィルム65は可撓性を有するので、PETフィルム65の表面を押圧すると、ガラス基板62に形成された透明導電膜61とPETフィルム65に形成された透明導電膜64は押圧した位置で短絡を起こす。
【0019】
この押圧をして短絡を起こした位置を図7のA点とする。透明導電膜64が形成されているPETフィルム65にX軸電極71、72を形成する。透明導電膜61が形成されているガラス基板62にY軸電極73、74を形成する。そして、X軸電極71、72およびY軸電極73、74はタッチパネルコントロール部75に接続されている。Aの位置で押圧されるとき、X軸電極73、74に電圧を印加すると、透明導電膜61と64は短絡されているので、Y軸電極において電圧が検出される。この検出された電圧値から押圧位置のX座標がタッチパネルコントロール部75にて算出される。一方、Y軸電極に電圧を印加すると、同様にしてX軸電極において電圧が検出される。この検出された電圧値により押圧位置のY座標がタッチパネルコントロール部75にて算出される。以上より、X軸電極とY軸電極に相互に電圧を印加することにより、押圧位置Aの位置(X,Y)が算出される。このように算出された押圧位置Aは位置信号として制御回路11へ出力される。
【0020】
この位置信号における押圧位置が、設定されたタッチエリア、Xa≦X≦Xb、Ya≦Y≦Ybの領域内であると判定されると、制御回路11は、スクロールボタン22に割り当てられた機能を実行させる。また、位置信号における押圧位置がタッチエリアXc≦X≦Xd、Yc≦Y≦Ydの領域内であると判定されると、制御回路11は表示範囲指定ボタン23に割り当てられた機能を実行させる。
【0021】
このようなナビゲーション装置によれば次のような作用効果が得られる。
(1)走行時のタッチエリア面積を停車時に比べて大きくしたので、運転者のタッチパネル16を注視できない状況下においても、押圧位置のずれによる誤操作を防ぐことができる。
【0022】
図8は、走行時の指の押圧位置のずれによる誤操作を防止する他の表示例を示す図である。走行中にタッチパネル16に表示されるボタン82、83そのものの図柄を停止時(非走行時)におけるボタン22、23より大きくする。この場合、タッチエリア84、85は、ボタン82、83そのものの図柄の表示領域である表示エリア82、83と同一もしくは一回り大きくする。
【0023】
図9はその処理手順例を示す。図4と同様なステップには同一符号を付して相違点のみ説明する。ステップS402で車両の走行が判定されるとステップS903へ進み表示エリアとタッチエリアを大きくし、車両の非走行が判定されるとステップS904へ進み表示エリアとタッチエリアを小さくする。このように、ボタン82および表示範囲指定ボタン83の表示エリアとタッチエリアの面積を、図2に示した車両の非走行中のスクロールボタン22および表示範囲指定ボタン23の表示エリアとタッチエリアの面積より大きくしても同様の作用効果が得られる。この場合も、走行時の表示エリアの面積は、非走行時の表示エリアの面積に比べ200%以上の大きさにすることが好ましい。また、タッチエリア84、85の範囲を表示エリア82、83よりも一回り大きくした場合、その領域を表示してもよいし、表示しなくてもよい。
【0024】
図10、11は本発明によるタッチパネル16の他の表示例を示す図である。タッチパネル16に表示されるボタンとして、図10に示されるメニュー画面のように複数のボタンが隣接して並んで表示されるものがある。このメニュー画面は経路探索に関するメニューである。このようなメニュー表示をされたとき、各ボタンのタッチエリアを拡大するとボタン同士のタッチエリアが重なってしまう。このような場合は、次のようにして走行時の指の押圧位置のずれによる誤操作を防止する。車両が停止しているときに、探索経路に関するメニュー表示画面では図10に示すように、ルート探索、迂回路探索、ルート編集、探索条件設定、全ルート表示、ルート消去の各ボタン101〜106が表示される。このときの各ボタンのタッチエリアは、タッチエリア同士の重なり合いを防ぐために各ボタン101〜106の表示エリアと同じ範囲に設定されている。
【0025】
走行時にルート編集、探索条件設定、全ルート表示およびルート消去の操作を行うと危険なので、走行時は、ルート編集、探索条件設定、全ルート表示およびルート消去のボタンに割り当てられた機能の実行を禁止する場合がある。この場合は、図11に示すようにこれらのボタン103〜106は表示しない。走行時の実行が禁止されていないルート探索および迂回路探索のボタン101、102のみ表示するとともに、それらルート探索および迂回路探索のボタン101、102より大きい範囲を各々のタッチエリア111、112とする。このように、走行時に実行が禁止されていないボタン101、102のみを表示することによって、タッチエリア111、112を大きくすることによる重なり合いを防ぐことができる。
【0026】
また、図12に示すように、走行時に実行が禁止されていないルート探索と迂回路探索のボタン121、122を停車時の表示エリア101、102に比べて大きく表示するとともに、ボタン同士のタッチエリアの重なり合いを防ぐためにタッチエリアは表示エリアと同じ範囲に設定する。また、走行時に実行が禁止されているルート編集、探索条件設定、全ルート表示およびルート消去のボタン103〜106の走行時の表示エリアは、停車時の表示エリアと同じ大きさかまたは逆に小さく表示する。
【0027】
このような表示形態により、ボタンが並んで表示される場合にボタン同士のタッチエリアが重なることはなく、走行時の誤操作を避けることができる。走行時の実行が禁止されていないボタンの表示エリアの面積は、走行時使用する可能性の高いものほど大きくしてもよい。例えば、図12の表示画面で、ルート探索ボタン121より迂回路探索ボタン122を押す可能性が高いので、迂回路探索ボタン122をルート探索ボタン121より大きく表示してもよい。
【0028】
本発明の実施形態では、図4のステップS402で走行/非走行の判定を車速センサ14bの信号に基づいて行ったが、パーキングブレーキを操作しているか否かによって判定してもよい。
【0029】
以上の説明では、車両が走行しているか停車しているかを判定してタッチパネル16のタッチエリアや表示エリアの大きさを変更したが、車速によってタッチエリアや表示エリアの大きさを変更してもよい。例えば、車両が低速(10km/h以下)で走行している場合は、タッチパネル16を注視する余裕があるので、停止しているときと同じ大きさのタッチエリアでも押圧位置のずれによる誤操作の可能性は小さいものと考えられる。よって車両の速度によって、例えば10km/h以下か否かによって、タッチエリアの範囲や表示エリアの大きさを変更してもよい。また、車速によってタッチエリアや表示エリアの大きさを大きくする倍率を変えてもよい。車速によって運転者のタッチパネル16を注視する時間が異なるからである。例えば、車両の速度が50km/hのときは、停止しているときの200倍の大きさにし、100km/hのときは300倍としてもよい。
【0030】
本発明の実施形態では、車両の走行と停車に応じてタッチエリアや表示エリアの大きさを変更したが、ヘッドライトの点灯の有無によってタッチエリアや表示エリアの大きさを変更してもよい。車両の周りが暗くなるとタッチパネル16の表示も見えにくくなるので、押圧位置のずれによる誤操作の可能性が高くなる。よって車両の周りが暗くなりヘッドライトを点灯した場合はタッチエリアを大きくしたり、表示エリアを大きくして誤操作を防止することができる。ヘッドライトが点灯しているか否かはライトスイッチが点灯しているとき出力されるイルミ信号を制御回路11にて検出することにより判定することができる。
【0031】
また、イルミ信号と車速の双方の情報を用いてもよい。車両が走行しているとタッチパネル16を注視することのできる時間は短いためタッチパネル16の表示をよく見ることができず、車両の周りが暗くなると、さらにタッチパネル16の表示は見えにくくなる。よって、車速とイルミ信号を検知したときのタッチエリアや表示エリアの大きさを、車速のみ検知したときのタッチエリアや表示エリアの大きさに比べて拡大するため、イルミ信号と車速の双方の情報を用いてもよい。
【0032】
また、イルミ信号を検知したときタッチエリアを拡大するボタンを、ヘッドライト点灯時に使用するボタンのみとしてもよい。例えば、表示画面の設定メニューを開いた場合、ヘッドライトを点灯していないときには図13に示す表示画面のように表示し、ヘッドライトを点灯しているときは図14に示す表示画面のように表示してもよい。図13、14では、画面のコントラストを調節するボタン131と、減光切替、画面消、表示色切替、表示位置調整、終了の各ボタン132〜136が表示されている。ヘッドライト点灯時は運転を開始しているので、画面の調整をすることはなく、画面を消す画面消のボタン133しか使用しない。よって、図14に示すようにヘッドライト点灯時は画面消のボタン143の表示エリアだけを拡大し、タッチエリアを拡大する。このようにして、ヘッドライト点灯時において画面消のボタン143の押圧位置のずれによる誤操作を防止することができる。
【0033】
以上説明した本発明の実施形態では、車両の走行/非走行やヘッドライトの点灯/消灯によってタッチエリアの範囲を変更したが、道路の種別や道路幅によってタッチエリアの範囲を変更してもよい。例えば車両が走行している道路が一般道であるか、細街路であるかによって、タッチエリアの範囲を変更してもよい。
【0034】
細街路を走行しているときは、交通量は少なく、また車両の速度は遅いのでタッチパネル16を注視する余裕があり、車両が停止しているときのタッチエリアと同じ表示形態で問題はない。しかし、車両が一般道を走行しているときは、交通量も多くまた車両の速度も速いので、細街路走行に比べてタッチパネル16を注視することはできない。よって、車両が一般道を走行しているときはタッチエリアの範囲を大きくする。このようにして、一般道走行中のタッチパネル16の押圧位置のずれによる誤操作を防止することができる。車両が走行している道路の種別や道幅は、現在地検出装置14により検出される車両の現在地とDVD−ROM19に記憶されている地図データより判定することができる。
【0035】
特許請求の範囲の要素と実施の形態との対応関係を説明する。
本願発明の各種ボタンはスクロールボタン22と表示範囲指定ボタン23とに対応し、有効領域はタッチエリア34、35に対応する。制御手段は制御回路11に対応し、検出手段は車速センサ14bに対応し、ボタンの表示領域はスクロールボタン22と表示範囲指定ボタン23に対応する。機能の実行が禁止されるボタンは、ルート編集ボタン103、探索条件設定ボタン104、全ルート表示ボタン105、ルート消去ボタン106に対応する。イルミ信号検出手段は制御回路11に対応し、ヘッドライト点灯時に使用するボタンは画面消143に対応する。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明のナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】車両が停車しているときのタッチパネルの表示画面を示す図である。
【図3】走行時にタッチエリアの面積を拡大したタッチパネルの表示画面を示す図である。
【図4】本発明におけるタッチエリアの面積を拡大する表示処理を説明するフローチャートである。
【図5】本発明におけるタッチパネルのタッチエリアの設定について説明するための図である。
【図6】タッチパネルの断面図である。
【図7】タッチパネルの動作原理を説明する図である。
【図8】走行時に表示エリアとタッチエリアを拡大したタッチパネルの表示画面を示す図である。
【図9】本発明における表示エリア、タッチエリアを拡大する表示処理を説明するフローチャートである。
【図10】車両が停止しているときの経路探索に関するメニューを開いたときのタッチパネルの表示画面を示す図である。
【図11】走行時に経路探索に関するメニューを開いたとき、走行時実行が禁止されていないボタンのみ残し、タッチエリアの範囲を拡大して表示したタッチパネルの表示画面を示す図である。
【図12】走行時に経路探索に関するメニューを開いたとき、タッチエリアの範囲を拡大して表示したタッチパネルの表示画面を示す図である。
【図13】ヘッドライトを点灯していないとき表示画面の設定メニューを開いたときのタッチパネルの表示画面を示す図である。
【図14】ヘッドライト点灯時の表示画面の設定メニューを開いたときのタッチパネルの表示画面を示す図である。
【符号の説明】
【0037】
1 ナビゲーション装置
11 制御回路
14 現在地検出装置
16 タッチパネル
21 自車位置
22 スクロールボタン
23 表示範囲設定ボタン
34、35 タッチエリア
75 タッチパネルコントロール部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面上に道路地図と各種ボタンが表示されるとともに、押圧された画面上の位置を示す位置信号を出力するタッチパネルと、
前記ボタンに対応するタッチパネル上の有効領域を設定するとともに、前記位置信号がいずれのボタンに対応する有効領域内の信号であるかを判定し、判定結果にしたがって、前記ボタンに割り当てられている機能を実行する制御手段と、
車両の走行/非走行を検出する検出手段と、
前記検出手段が走行を検出しているときは、非走行を検出している場合に比べて、前記有効領域を増大する領域設定手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記検出手段が走行を検出するときは、非走行を検出している場合に比べ、前記表示されているボタンの表示領域を増大するボタン表示領域増大手段を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、
前記有効領域を前記ボタンとともに表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一に記載のナビゲーション装置において、
前記ボタンを並列に並べて表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一に記載のナビゲーション装置において、
前記検出手段が走行を検出しているときに機能の実行が禁止されるボタンを非表示とするとともに、そのボタンに対応するタッチパネル上の有効領域を無効化するボタン無効手段を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1乃至4のいずれか一に記載のナビゲーション装置において、
前記検出手段が走行を検出しているときに機能の実行が禁止されるボタンの表示領域を縮小するとともに、そのボタンに対応するタッチパネル上の有効領域を縮小することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
画面上に道路地図と各種ボタンが表示されるとともに、押圧された画面上の位置を示す位置信号を出力するタッチパネルと、
前記ボタンに対応するタッチパネル上の有効領域を設定するとともに、前記位置信号がいずれのボタンに対応する有効領域内の信号であるかを判定し、判定結果にしたがって、前記ボタンに割り当てられている機能を実行する制御手段と、
車両のイルミ信号を検出するイルミ信号検出手段と、
前記イルミ信号検出手段がイルミ信号を検出しているときは、イルミ信号を検出していない場合に比べて、前記有効領域を増大するイルミ信号領域設定手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項7のナビゲーション装置において、
前記イルミ信号領域設定手段は、ヘットライト点灯時に使用するボタンに対応する有効領域のみ増大することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−17478(P2006−17478A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−193050(P2004−193050)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】