説明

ナビゲーション装置

【課題】周辺地域について、放送で受信した当該地域に関連する情報を提供する「ナビゲーション装置」を提供する。
【解決手段】ニュース収集部は、放送受信機23が受信したニュース番組の文字列情報を取得し、各ニュース項目の内容を表す文字列を、当該文字列に含まれる地名に相当する地点の座標である関連地点座標や当該ニュース項目の文字列の受信日時と共に、ニュースレコードとしてメモリ20に格納する。制御部19は、表示する地図画像301の表示範囲内の関連地点座標を持つニュースレコードをメモリ20の中から探索し、探索した各ニュースレコードのニュース内容、受信日時をニュース情報310として、案内画像の地図画像301上の、ニュースレコードの関連地点座標に対応する位置に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車に搭載されたナビゲーション装置において、ユーザの、放送受信機で受信した情報の活用を支援する技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車に搭載されたナビゲーション装置において、ユーザの、放送受信機で受信した情報を活用を支援する技術としては、デジタルTV放送を視聴しているユーザの指示に応じて、デジタルTV放送で受信した文字列中に含まれる地名を抽出し、抽出した地名に対応する地点の地図を、デジタルTV放送で受信した映像と共に表示する技術が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0003】
また、自動車に搭載されたナビゲーション装置において、ユーザの、放送受信機で受信した情報を活用を支援する技術としては、TV放送を視聴しているユーザの指示に応じて、TV放送で受信した映像に対して文字認識処理を施して、映像中に画像として含まれる文字列中の住所や電話番号を抽出し、抽出した住所や電話番号に対応する地点をユーザ設定地点として記憶したり、目的地として設定する技術も知られている(たとえば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2002-135677公報
【特許文献2】特開2004-271232公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記各従来の技術によれば、TV放送を視聴しているユーザは、TV放送で放送された情報である放送情報に興味をもったときに、簡単な操作で、その放送情報に関連する地点の地理的情報の提供を受けることができる。
さて、一般的にいって、ユーザは自身の周辺地域などの自身に関係する地域の情報に対しては興味を持つものである。しかしながら、前述した従来の各技術によれば、たとえば、ユーザが自身の周辺地域に関連する放送情報を得ようとする場合には、そのような放送情報が放送されるかどうかも分からないまま、延々と放送を視聴し続ける必要がある。したがって、これらの従来の各技術では、ユーザに対して、ユーザが知っていれば興味を持ったであろう、ユーザに関係する地域の放送情報を、ユーザの過度の負担なく提供することができない。
【0005】
そこで、本発明は、ユーザに過度の負担をかけることなく、ユーザに関係する地域について、放送で受信した当該地域に関連する情報を、当該情報に関連する地点の地理的情報と共にユーザに提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題達成のために、本発明は、地図を表示するナビゲーション装置を、前記地図を表示する地図表示手段と、放送を受信する放送受信機と、メモリと、前記放送受信機に、ニュースの内容を表す文字列をコンテンツとして含むニュース番組放送を受信させ、前記放送受信機が受信したニュース番組放送に含まれるニュース項目毎に、当該ニュース項目についてのニュース内容を表す文字列と、当該ニュース項目についてのニュース内容を表す文字列に含まれる地名に相当する地点の地理的座標とを含めたニュースレコードを作成し、前記メモリに格納するニュース情報収集手段と、前記メモリに格納されているニュースレコードのうちの、前記地図表示手段が表示する地図の地理的範囲内に含まれる前記地理的座標を含むニュースレコードを対象ニュースレコードとして、各対象ニュースレコードに含まれる文字列を、当該文字列と同じ対象ニュースレコードに含まれる地理的座標に対応する、前記表示する地図上の位置に表示するニュース情報表示手段とを含めて構成したものである。
【0007】
このようなナビゲーション装置によれば、ユーザがナビゲーション装置の案内を受けるために見ることになる地図上の、放送受信機が受信したニュースの内容に関連した地点に対応する位置に、そのニュースの内容の内容が表示されることになる。したがって、ユーザは、ニュースの取得のための特段の負担を担うことなく、放送受信機が受信したニュースの内容を、そのニュースの内容に関連する地点の地図上の情報とともに、取得することができるようになる。
【0008】
また、ユーザが見ている地図は、何らかの意味においてユーザに関係している地域であるので、ユーザに、ユーザにとって関係するであろうと思われるニュースの内容を自動的に提示することができる。たとえば、このようなナビゲーション装置は、さらに、現在位置を算出する現在位置算出手段を設け、前記地図表示手段が、前記現在位置算出手段が算出した現在位置周辺の当該現在位置を含む地理的範囲の地図を表示するようにすれば、ユーザが興味を持つであろうと推測される、ユーザの周辺地域に関連するニュースを自動的に提示することができる。
【0009】
また、前記課題達成のために、本発明は、地図を表示するナビゲーション装置を、前記地図を表示する地図表示手段と、放送を受信する放送受信機と、メモリと、前記放送受信機に、ニュースの内容を表す文字列をコンテンツとして含むニュース番組放送を受信させ、前記放送受信機が受信したニュース番組放送に含まれるニュース項目毎に、当該ニュース項目についてのニュース内容を表す文字列と、当該ニュース項目についてのニュース内容を表す文字列に含まれる地名に相当する地点の地理的座標とを含めたニュースレコードを作成し、前記メモリに格納するニュース情報収集手段と、前記メモリに格納されたニュースレコードの文字列に含まれる地名のリストを表示し、表示したリスト上で地名の選択を受け付ける地名選択受付手段と、前記リスト上で地名の選択に応答して、または、前記リスト上で地名の選択を受け付けた後のユーザの所定のニュース項目文字列表示指示操作に応じて、前記地名選択受付手段が受け付けた地名を前記ニュース項目の文字列中に含むニュースレコードに含まれる前記文字列を表示するニュース項目文字列表示手段と、前記リスト上で地名の選択後のユーザの所定の目的設定指示操作に応じて、前記地名選択受付手段が受け付けた地名を前記文字列中に含むニュースレコードに含まれる地理的座標を目的地として設定する目的地設定手段と、現在位置を算出する現在位置算出手段と、前記目的地設定手段が設定した目的地までの前記現在位置算出手段が算出した現在位置からの経路を探索し、前記表示する地図上に探索した経路を表す経路案内手段とを含めて構成したものである。
【0010】
このようなナビゲーション装置によれば、地名から、当該地名に相当する地点に対応するニュースの内容を取得することができると共に、その地名に相当する地点を目的地に設定したりすることができるようになる。したがって、ユーザは、地名を目安にして、容易に、自身に関係する地域のニュースの内容を取得しすることができると共に、そのニュースの内容からその地名の地点に興味を持った場合には、即座にその地点を目的地に設定することができるようになる。
【0011】
ここで、このようなナビゲーション装置は、前記地名選択受付手段において、前記メモリに格納されたニュースレコードの前記文字列に含まれる地名を、当該地名を前記文字列中に含むニュースレコードに含まれる地理的座標が示す地点までの、前記現在位置算出手段が算出した現在位置からの距離または道程距離の小さい順に並べた前記リストを表示するように構成してもよい。このようにすることにより、ユーザの、自身の周辺地域についてのニュース内容の取得を、より容易化することができる。
【0012】
また、このようなナビゲーション装置は、前記地名選択受付手段において、前記メモリに格納されたニュースレコードの文字列に含まれる地名のリストを、前記メモリに格納されたニュースレコードの文字列に含まれる地名及び当該地名の前後の文字列よりなる文字列のリストの形態で表示するようにしてもよい。
【0013】
このようにすることにより、ユーザは、ニュースの内容の全体を閲覧することなく、地名のリスト上で、その地名に相当する地点に関連するニュースの内容が、興味をひくものであるかどうかの一定の判断を行うことができるようになる。
【発明の効果】
【0014】
以上のように、本発明によれば、ユーザに過度の負担をかけることなく、ユーザの周辺地域について、放送で受信した当該地域に関連する情報を、当該情報に関連する地点の地理的情報と共にユーザに提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態につい説明する。
図1に、本実施形態に係る車載システムの構成を示す。
図示するように車載システム1は、操作部11と、表示装置12と、車両状態センサ13と、GPS受信機14と、地図を表す地図データを記憶したHDDなどの記憶装置である地図データ記憶部15と、現在状態算出部16と、ルート探索部17と、案内画像生成部18と、制御部19と、メモリ20と、操作部11や表示装置12を用いたユーザと車載システム各部間の入出力を処理するGUI制御部21、ニュース情報処理部22と、放送局2から放送されたFM多重放送やデジタルTV放送などの文字列情報を含む放送を受信する放送受信機23と、CD-DAプレイヤやMDプレイヤなどの音源機器であるオーディオソース機器24と、オーディオアンプ25と、スピーカ26とを備えて構成される。
【0016】
ここで、車両状態センサ13は、角加速度センサや地磁気センサなどである方位センサや車速パルスセンサなどである車速センサなどの車両状態を検出するセンサ群である。
但し、以上の車載システム1の一部は、ハードウエア的には、マイクロプロセッサや、メモリや、その他のグラフィックプロセッサやジオメトリックプロセッサ等の周辺デバイスを有する一般的な構成を備えたCPU回路として構成してよく、この場合の、CPU回路としてした各部は、マイクロプロセッサが予め用意されたプログラムを実行することにより具現化するプロセスとして実現される。また、この場合、このようなプログラムは、記録媒体や適当な通信路を介してCPU回路に提供されるものであって良い。
【0017】
次に、図2aに示すように、地図データ記憶部15には、地図を表す地図データとサービスデータとが記憶されている。また、サービスデータは、ユーザが興味を持つであろう地点として予め選定された複数の地点のそれぞれについて設けた地点レコードを含む。そして、地点レコードには、地点に対して一意に与えた地点識別子、地点のガソリンスタンド、温泉地などの種別を表す地点種別、地点の名称を表す地点名称、地点の経緯度座標を表す地点座標、地点の住所を表す地点住所、地点の電話番号、その他の地点に関する各種情報である地点詳細説明が格納されている。
【0018】
次に、図2bは、本実施形態において、メモリ20に格納するニュースデータを示すものである。
図示するように、ニュースデータは、放送受信機23を用いて受信したニュース項目毎に設けたニュースレコードよりなり、各ニュースレコードには、対応するニュース項目の識別子であるニュース識別子、対応するニュース項目の受信日時を示す受信日時、関連地点識別子、関連地点名称、関連地点座標、対応するニュース項目のニュースの内容を表す文字列であるニュース内容を含む。ここで、このようなニュースレコードは、ニュース情報処理部22が作成しメモリ20に格納する。このニュース情報処理部22の動作については後述する。
【0019】
さて、このような構成において、車載システム1の現在状態算出部16は、以下の処理を繰り返し行う。
すなわち、現在状態算出部16は、車両状態センサ13やGPS受信機14の出力から推定される現在位置に対して、地図データ記憶部15から読み出した地図データが示す前回決定した現在位置の周辺の地図とのマップマッチング処理などを施して、現在位置として最も確からしい座標と、現在の進行方向として最も確からしい方向とを、それぞれ現在位置、現在進行方位として決定し、メモリ20に設定する。
【0020】
また、制御部19は、ユーザの目的地設定要求に応じて、ユーザから操作部11、GUI制御部21を介して目的地の設定を受け付け、これをメモリ20にセットする。そして、制御部19は、目的地の設定を受け付けたならば、目的地までの推奨ルートをルート探索部17に探索させる。ルート探索部17は、必要地理的範囲の地図データを地図データ記憶部15から読み出し、メモリ20に設定されている現在位置から目的地までの最小コストの経路を、距離最小などの所定のコストモデルに基づいて推奨ルートとして算出し、算出した推奨ルートの経路データを、メモリ20にセットする。
【0021】
また、制御部19は、メモリ20にセットされた現在位置が目的地近傍となったならば、目的地到着と判定し、メモリ20にセットされている目的地と推奨ルートをクリアする処理を行う。
また、制御部19は、メモリ20にセットされた現在位置またはユーザのスクロール操作に従って定まる地点を基準地点とし、この基準地点と、その時点で設定されている地図の表示縮尺などに従って地図を表示を表示する範囲である地図表示範囲を算定する。そして、案内画像生成部18は、制御部19が算定した地図表示範囲の地図画像を、地図データ記録部に記憶された地図データに基づいて描画する。また、描画した地図画像上に、メモリ20にセットされている現在位置や推奨ルートや目的地を表す図形を描画した案内画像を生成しGUI制御部21を介して表示装置12に表示する。
【0022】
図3aは、このようにして表示装置12に表示される案内画像の例を示すものであり、この例では、案内画像は、現在位置を基準地点として、その地図表示範囲が定められたものとなっている。また、この案内画像は、現在位置周辺の地図画像301上に、現在位置を表す現在位置マーク302や、地図表示範囲内の推奨ルートを表すルート図形303や、目的地を表す目的地マーク304が表されたものとなっている。
【0023】
また、制御部19は、GUI制御部21を介して受け取った操作部11のユーザ操作に応じて、オーディオアンプ25のスピーカ26への音声の出力レベルの制御や、オーディオアンプ25における、スピーカ26に出力する音声のソースとなる機器のオーディオソース機器24と放送受信機23のうちからの選択の制御や、オーディオソース機器24や放送受信機23の各種動作の制御を行う。また、放送受信機23がTV放送受信機である場合には、制御部19は、GUI制御部21を介して受け取った操作部11のユーザ操作に応じて、放送受信機23が受信した映像のGUI制御部21を介した表示装置12への表示も制御する。
【0024】
次に、前述したニュースレコードの作成と格納のためにニュース情報処理部22が行うニュース収集処理について説明する。
図4に、このニュース収集処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、まず、予め設定された目的ニュース番組放送開始日時が到来するのを監視する(ステップ402)。ここで、目的ニュース番組とは、たとえば、ある放送チャネルにおいて毎週同じ曜日の同じ時間帯に放送されるウイークリーニュース番組などの特定のニュース番組であり、目的ニュース番組放送開始日時とは、この特定のニュース番組の放送開始日時を指す。
【0025】
そして、目的ニュース番組放送開始日時が到来したならば、放送受信機23に、このニュース番組の受信を開始させ、放送受信機23が放送で受信した文字列情報を取得する(ステップ404)。
そして、取得した文字列情報を解析して各ニュース項目のニュースの内容を表す文字列を抽出すると共に、1ニュース項目の文字列を取得する毎に(ステップ406)、取得したニュース項目の文字列について以下の処理を行う。
すなわち、まず、地図データ記憶部15に格納されているサービスデータ中のいずれかの地点レコードの地点名称と一致する文字列部分を、ニュース項目の文字列中から抽出する(ステップ408)。
そして、そのような文字列部分を抽出できなかったならば(ステップ410)、目的ニュース番組の受信が終了しているかどうかを目的ニュース番組の放送終了時刻等より判定し(ステップ418)、終了していなければ、ステップ406に戻って次のニュース項目の文字列の処理に進む。
【0026】
一方、いずれかの地点レコードの地点名称と一致する文字列部分を、ニュース項目の文字列中から抽出できた場合には(ステップ410)、新規なニュースレコードを生成してメモリ20に格納し(ステップ412)、生成したニュースレコードのニュース識別子に一意となるように生成した値を格納し、生成したニュースレコードの受信日時に現在日時を格納し、生成したニュースレコードのニュース内容に取得したニュース項目の文字列を格納する(ステップ414)。また、抽出した文字列部分と地点名称が一致する地点レコードの地点識別子を、生成したニュースレコードの関連地点識別子として格納し、抽出した文字列部分を生成したニュースレコードの関連地点名称として格納し、抽出した文字列部分と地点名称が一致する地点レコードの地点座標を生成したニュースレコードの関連地点座標として格納する(ステップ416)。
【0027】
そして、目的ニュース番組の受信が終了しているかどうかを目的ニュース番組の放送終了時刻等より判定し(ステップ418)、終了していなければ、ステップ406に戻って次のニュース項目の文字列の処理に進む。
一方、ステップ418で、目的ニュース番組の受信が終了していると判定された場合には、放送受信機23の受信動作を停止し(ステップ420)、ステップ402に戻って、次回の目的ニュース番組放送開始日時の到来を待つ。
以上、ニュース情報処理部22が行うニュース収集処理について説明した。
さて、ニュース情報処理部22は、このようなニュース収集処理の他、メモリ20に格納されているニュースレコードの内、受信日時が一定期間(たとえば、1週間)以上過去のニュースレコードを削除するニュースレコード整理処理も行う。
次に、このようにしてメモリ20に格納されたニュースレコードを用いて制御部19が行うニュース表示処理について説明する。
図5aに、このニュース表示処理の手順を示す。
図示するように、この処理では、まず、案内画像生成部18が案内画像に含める地図画像301の地理的範囲である地図表示範囲内の関連地点座標を持つニュースレコードをメモリ20の中から探索する(ステップ502)。そして、そのようなニュースレコードを探索できなかった場合には(ステップ504)、ステップ508に進む。一方、地図表示範囲内の関連地点座標を持つニュースレコードを探索できた場合には(ステップ504)、探索した各ニュースレコードのニュース内容、受信日時をニュース情報として、案内画像の地図画像301上の、ニュースレコードの関連地点座標に対応する位置にGUI制御部21を介して表示し(ステップ506)、ステップ508に進む。
【0028】
図3bは、このようにして表示されたニュース情報を示すものである。図中、310が表示された地図情報を示す。ここで、図示したニュース情報は、図3cに示すような、関連地点名称として「新横浜大さん橋国際旅客ターミナル」を持ち、関連地点座標として「新横浜大さん橋国際旅客ターミナル」の地理的位置を示す座標を持つニュースレコードに対応するものである。そして、この例では、このようなニュースレコードに従って、このニュースレコードのニュース内容に格納された文字列と受信日時に格納された日時が、ニュース情報301として、案内画像の地図画像301において「新横浜大さん橋国際旅客ターミナル」が表される位置に重畳表示されている。
【0029】
さて、図5aに戻り、ステップ508では、地図表示範囲が変化するのを待つ。そして、地図表示範囲が変化したならば、その時点で表示している地図情報を消去し(ステップ510)、ステップ502からの処理を再度行う。
以上、制御部19が行うニュース表示処理について説明した。
このようなニュース表示処理によれば、ユーザがナビゲーション装置のナビゲーションを受けるために見ることになる案内画像に含まれる地図画像301の上の、放送受信機23が受信したニュース項目の文字列に含まれる地名に相当する地点に対応する位置に、そのニュース項目の文字列が表示されることになる。したがって、ユーザは、ニュースの取得のための特段の負担を担うことなく、放送受信機23が受信した各ニュース項目の内容を表す文字列、そのニュース項目の文字列が含まれる地名に相当する地点の地図上の情報とともに、取得することができるようになる。特に、現在位置を基準位置として地図表示範囲を定めているときには、ユーザが興味を持つであろうと推測される、ユーザの現在位置の周辺地域に関連するニュース項目の文字列が自動的に表示されることになる。
【0030】
さて、制御部19は、このようなニュース表示処理によって表示したニュース情報を利用した目的地の設定処理も行う。
すなわち、図3dに示すように、表示しているニュース情報310がユーザによってカーソル311などにより選択されたならば、目的地設定メニューウインドウ312を表示し、目的地の変更を変更ボタン3121により、目的地の追加を追加ボタン3122により受け付ける。ただし、その時点で、目的地が設定されていない場合には、変更ボタン3121は表示せず、目的地の変更は受け付けない。
【0031】
そして、目的地の変更ボタン3121がユーザによって操作されたならば、目的地設定メニューウインドウ312を閉じ、目的地を選択されたニュース情報に対応するニュースレコードの関連地点座標に変更し、ルート探索部17に変更後の目的地までの推奨ルートを再探索させる。また、追加ボタン3122がユーザによって操作されたならば、目的地設定メニューウインドウ312を閉じ、その時点で目的地が設定されている場合には、選択されたニュース情報310に対応するニュースレコードの関連地点座標を経由地として追加し、それまでに設定されている全ての経由地を経由して目的地に至る推奨ルートを、ルート探索部17に探索させる。また、追加ボタンがユーザによって操作された場合に、その時点で目的地が設定されていない場合には、選択されたニュース情報310に対応するニュースレコードの関連地点座標を目的地として設定し、ルート探索部17に変更後の目的地までの推奨ルートを再探索させる。なお、目的地設定メニューウインドウ312のいいえボタン3123がユーザによって操作された場合には、単に目的地設定メニューウインドウ312を閉じる動作を行う。
【0032】
図3eは、このようにしてニュース情報310に対応する地点である「新横浜大さん橋国際旅客ターミナル」が追加ボタン3122によって経由地に追加されたために、この経由地を経由する目的地までの推奨ルートが探索され、ルート図形303が探索された推奨ルートを表すものに変化したようすを示している。また、図示した例では、経由地を表す経由地マーク305も、地図画像301上に表示している。
【0033】
このような目的地の設定処理によれば、ユーザは、地図画像301の上に表示されるニュース項目の文字列が示すニュース項目の内容と、その地点の位置から、ちょっと立ち寄ってみようかと興味を持った地点については、即座にその地点を目的地に設定して当該地点までの経路案内を受けることができるようになる。
【0034】
以下、制御部19がニュースレコードを用いて行うニュース関連地点選択受付処理について説明する。
図5bに、このニュース関連地点選択受付処理の手順を示す。
ここで、この処理は、GUI制御部21、操作部11を介して、ユーザよりニュースジャンルからの地点選択要求を受け付けた場合に実行される。
さて、図示するように、この処理では、まず、メモリ20に格納されているニュースレコードを、所定のソート項目に従ってソートする(ステップ552)。ここで、このソートは、たとえば、所定のソート項目をニュースレコードの受信日時とし、受信日時のより新しいものがより前に来るようにニュースレコードをソートしたり、所定のソート項目をニュースレコードの関連地点座標とし、関連地点座標が現在地により近いものがより前に来るようにニュースレコードをソートしたり、所定のソート項目をニュースレコードの関連地点座標とし、ルート探索部17を用いて求めた関連地点座標までの現在地からの推奨ルートの道程距離の小さいものがより前に来るようにニュースレコードをソートしたりすることにより行う。
【0035】
次に、ソートした各ニュースレコードのニュース内容から、ニュースレコードの関連地点名称の文字列とその前後の文字列を全体で所定長の文字列となるように抽出する(ステップ554)。そして、抽出した文字列を、たとえば、図6aに示すように案内画像上に表示した地点リストウインドウ601中に、ソートしたニュースレコードの順番に従った順番でリスト表示する(ステップ556)。
【0036】
ここで、図示するように地点リストウインドウ601には、各ニュースレコードのニュース内容から抽出した関連地点名称の文字列とその前後の文字列よりなる文字列を関連地点名称の文字列部分を強調した形態でリスト表示したリスト602と、変更ボタン603と、追加ボタン604と、いいえボタン605が設けられている。ただし、その時点で、目的地が設定されていない場合には、変更ボタン603は表示しない。
【0037】
さて、図5bに戻り、地点リストウインドウ601を表示したならば、ユーザのリスト602の中の文字列の選択の発生と(ステップ558)、変更ボタン603の操作による目的地変更指示の発生と(ステップ560)、追加ボタン604の操作による目的地追加指示の発生と(ステップ562)、いいえボタン605によるキャンセル指示の発生と(ステップ564)を監視する。ただし、変更ボタン603の操作による目的地変更指示と、追加ボタン604の操作による目的地追加指示は、ユーザによってリスト601の中の文字列が既に選択されている場合にのみ受け付ける。
【0038】
そして、ユーザのリスト601の中の文字列の選択が発生したならば(ステップ558)、選択された文字列を抽出したニュースレコードのニュース内容、受信日時をニュース情報610として、選択された文字列付近に表示する(ステップ566)。ただし、このようなニュース情報610の表示に代えて、地図表示範囲を、選択された文字列を抽出したニュースレコードに格納されている関連地点座標を含む範囲に変更することにより、図3bに示したニュース情報310の表示の形態で、この選択された文字列を抽出したニュースレコードのニュース内容、受信日時をユーザに提示するようにしてもよい。
【0039】
また、変更ボタン603の操作による目的地変更指示が発生したならば(ステップ560)、地点リストウインドウ601やニュース情報610の表示を消去し、目的地を、その時点で選択されている文字列を抽出したニュースレコードの関連地点座標に変更し(ステップ568)、ルート探索部17に変更後の目的地までの推奨ルートを再探索させ(ステップ572)、処理を終了する。
【0040】
また、追加ボタン604の操作による目的地追加指示が発生したならば(ステップ562)、地点リストウインドウ601やニュース情報610の表示を消去し、その時点で目的地が設定されていない場合には、その時点で選択されている文字列を抽出したニュースレコードの関連地点座標を目的地として設定し(ステップ570)、ルート探索部17に変更後の目的地までの推奨ルートを再探索させ(ステップ572)、処理を終了する。また、追加ボタン604の操作による目的地追加指示が発生した場合に(ステップ562)、その時点で目的地が設定されている場合には、地点リストウインドウ601やニュース情報610の表示を消去し、その時点で選択されている文字列を抽出したニュースレコードの関連地点座標を経由地として追加し(ステップ570)、それまでに設定されている全ての経由地を経由して目的地に至る推奨ルートを、ルート探索部17に探索させ(ステップ572)、処理を終了する。
【0041】
また、いいえボタン605によるキャンセル指示が発生した場合には(ステップ564)、地点リストウインドウ601やニュース情報610の表示を消去し、そのまま処理を終了する。
このようなニュース関連地点選択受付処理によれば、ユーザは、地名から、当該地名に相当する地点に関連するニュース項目の内容を取得することができると共に、ニュース項目の内容に興味を持った地名に相当する地点を即座に目的地に設定したりすることができるようになる。また、ニュース項目に関連する地名のリスト601として、ニュース項目の文字列に含まれる当該地名にその前後の文字列を連結した文字列リストを表示するので、ユーザは、このリスト601から、各地名に相当する地点に関連するニュース項目の内容が、興味をひくものであるかどうかの一定の判断を行うことができるようになる。
【0042】
以上、本発明の実施形態について説明した。
なお、本実施形態において説明した、放送受信機23で受信したニュース情報をユーザへ提示する技術は、ナビゲーション装置以外の、地図を表示する、放送受信機23を備えた任意のシステムに同様に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施形態に係る車載システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係る車載システムが保持する地図データとサービスデータを示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係る車載システムの表示例を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る車載システムが行うニュース収集処理を示すフローチャートである。
【図5】本発明の実施形態に係る車載システムが行うニュース表示処理とニュース関連地点選択受付処理を示すフローチャートである。
【図6】本発明の実施形態に係る車載システムの表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1…車載システム、2…放送局、11…操作部、12…表示装置、13…車両状態センサ、14…GPS受信機、15…地図データ記憶部、16…現在状態算出部、17…ルート探索部、18…案内画像生成部、19…制御部、20…メモリ、21…GUI制御部、22…ニュース情報処理部、23…放送受信機、24…オーディオソース機器、25…オーディオアンプ、26…スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図を表示するナビゲーション装置であって、
前記地図を表示する地図表示手段と、
放送を受信する放送受信機と、
メモリと、
前記放送受信機に、ニュースの内容を表す文字列をコンテンツとして含むニュース番組放送を受信させ、前記放送受信機が受信したニュース番組放送に含まれるニュース項目毎に、当該ニュース項目についてのニュース内容を表す文字列と、当該ニュース項目についてのニュース内容を表す文字列に含まれる地名に相当する地点の地理的座標とを含めたニュースレコードを作成し、前記メモリに格納するニュース情報収集手段と、
前記メモリに格納されているニュースレコードのうちの、前記地図表示手段が表示する地図の地理的範囲内に含まれる前記地理的座標を含むニュースレコードを対象ニュースレコードとして、各対象ニュースレコードに含まれる文字列を、当該文字列と同じ対象ニュースレコードに含まれる地理的座標に対応する、前記地図表示手段が表示する地図上の位置に表示するニュース情報表示手段とを有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1記載のナビゲーション装置であって、
現在位置を算出する現在位置算出手段と、
前記地図表示手段は、前記現在位置算出手段が算出した現在位置周辺の当該現在位置を含む地理的範囲の地図を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
地図を表示するナビゲーション装置であって、
前記地図を表示する地図表示手段と、
放送を受信する放送受信機と、
メモリと、
前記放送受信機に、ニュースの内容を表す文字列をコンテンツとして含むニュース番組放送を受信させ、前記放送受信機が受信したニュース番組放送に含まれるニュース項目毎に、当該ニュース項目についてのニュース内容を表す文字列と、当該ニュース項目についてのニュース内容を表す文字列に含まれる地名に相当する地点の地理的座標とを含めたニュースレコードを作成し、前記メモリに格納するニュース情報収集手段と、
前記メモリに格納されたニュースレコードの文字列に含まれる地名のリストを表示し、表示したリスト上で地名の選択を受け付ける地名選択受付手段と、
前記リスト上で地名の選択に応答して、または、前記リスト上で地名の選択を受け付けた後のユーザの所定のニュース項目文字列表示指示操作に応じて、前記地名選択受付手段が受け付けた地名を前記ニュース項目の文字列中に含むニュースレコードに含まれる前記文字列を表示するニュース項目文字列表示手段と、
前記リスト上で地名の選択後のユーザの所定の目的設定指示操作に応じて、前記地名選択受付手段が受け付けた地名を前記文字列中に含むニュースレコードに含まれる地理的座標を目的地として設定する目的地設定手段と、
現在位置を算出する現在位置算出手段と、
前記目的地設定手段が設定した目的地までの前記現在位置算出手段が算出した現在位置からの経路を探索し、前記地図表示手段が表示する地図上に探索した経路を表す経路案内手段とを有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3記載のナビゲーション装置であって、
前記地名選択受付手段は、前記メモリに格納されたニュースレコードの前記文字列に含まれる地名を、当該地名を前記文字列中に含むニュースレコードに含まれる地理的座標が示す地点までの、前記現在位置算出手段が算出した現在位置からの距離または道程距離の小さい順に並べた前記リストを表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項3または4記載のナビゲーション装置であって、
前記地名選択受付手段は、前記メモリに格納されたニュースレコードの文字列に含まれる地名のリストを、前記メモリに格納されたニュースレコードの文字列に含まれる地名及び当該地名の前後の文字列よりなる文字列のリストの形態で表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
地図を表示する地図表示装置と放送受信機とを備えたシステムにおいて、前記放送受信機で受信したニュースの情報をユーザに提示するニュース情報提示方法であって、
前記システムにおいて、前記放送受信機で、ニュースの内容を表す文字列をコンテンツとして含むニュース番組放送を受信し、前記放送受信機が受信したニュース番組放送に含まれるニュース項目毎に、当該ニュース項目についてのニュース内容を表す文字列と、当該ニュース項目についてのニュース内容を表す文字列に含まれる地名に相当する地点の地理的座標とを含めたニュースレコードを作成し、保持するステップと、
前記システムにおいて、保持しているニュースレコードのうちの、前記表示する地図の地理的範囲内に含まれる前記地理的座標を含むニュースレコードを対象ニュースレコードとして、各対象ニュースレコードに含まれる文字列を、当該文字列と同じ対象ニュースレコードに含まれる地理的座標に対応する、前記表示する地図上の位置に表示するステップとを有することを特徴とするニュース情報提示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−194742(P2006−194742A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−6525(P2005−6525)
【出願日】平成17年1月13日(2005.1.13)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】