ナビゲーション装置
【課題】 サーバから予測交通情報を効率よくダウンロードする。
【解決手段】
経路探索に使用する可能性が高い予測交通情報に絞ってダウンロードする。具体的には、ナビゲーション装置は、現在位置、経由地、目的地周辺については、詳細道路、主要道路、幹線道路の予測交通情報をダウンロードし、その他の領域については、主要道路、幹線道路の予測交通情報のみダウンロードする。また、予め定めた日時(例えば、深夜/早朝)にはダウンロードしないようにする。また、周辺に予測交通情報が提供されるリンクがない場合もダウンロードしない。
【解決手段】
経路探索に使用する可能性が高い予測交通情報に絞ってダウンロードする。具体的には、ナビゲーション装置は、現在位置、経由地、目的地周辺については、詳細道路、主要道路、幹線道路の予測交通情報をダウンロードし、その他の領域については、主要道路、幹線道路の予測交通情報のみダウンロードする。また、予め定めた日時(例えば、深夜/早朝)にはダウンロードしないようにする。また、周辺に予測交通情報が提供されるリンクがない場合もダウンロードしない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に車載用ナビゲーション装置の交通情報のダウンロード方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、予測交通情報を用いて、経路探索を行う車載用ナビゲーション装置が記載されている。予測交通情報は、過去の交通情報と現在の交通情報から生成された現在時刻以降の交通情報である。この車載用ナビゲーション装置は、サーバから予測交通情報をダウンロードして経路探索に用いる。
【0003】
【特許文献1】特開2000−76580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、予測交通情報は、サーバ側で更新されていく。したがって、より実情に即した経路を探索するためには、ナビゲーション装置は、最新の予測交通情報をダウンロードした方がよい。しかし、常に全ての予測交通情報をダウンロードするのでは、通信量が膨大となる。また、経路探索などのナビゲーション処理に用いられなかった予測交通情報は無駄となる。
【0005】
本発明の目的は、簡便な処理で効率よく予測速通情報をダウンロードすることにある。具体的には、ナビゲーション処理(例えば、経路探索)に用いる可能性が高い予測交通情報に絞り込んでダウンロードすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく本発明のナビゲーション装置は、道路種別ごとに現在以降における交通情報である予測交通情報を記憶するサーバ装置に接続する手段と、ダウンロードする予測交通情報の道路種別を決定する道路種別決定手段と、前記道路種別決定手段で決定された道路種別に関する予測交通情報を前記サーバ装置からダウンロードする手段とを有する。そして、前記道路種別決定手段は、ダウンロードする予測交通情報の地図上の領域に応じて道路種別を決定する。
【0007】
また、ナビーション装置は、ダウンロードする日時又はしない日時を記憶する記憶手段と、現在日時が前記記憶手段のダウンロードする日時の場合、現在以降における交通情報である予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報をダウンロードし、現在日時が前記記憶手段のダウンロードしない日時の場合、前記サーバ装置から前記予測交通情報をダウンロードしない手段とを有していてもよい。
【0008】
また、ナビゲーション装置は、現在位置周辺に、予測交通情報が提供されるリンクが予め定めた数以下又は予め定めた割合以下の場合、予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報のダウンロードを行わないようにしてもよい。
【0009】
また、ナビゲーション装置は、経路上に、予測交通情報が提供されるリンクが予め定めた数以下又は予め定めた割合以下の場合、予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報のダウンロードを行わないようにしてもよい。
【0010】
また、ナビゲーション装置は、予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報をダウンロードする時間の間隔を日時によって変化させるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態にかかるナビゲーションシステムの概略構成図である。図示するように、本実施形態のナビゲーションシステムは、車載用ナビゲーション装置100と、交通情報配信サーバ200とを有する。車載用ナビゲーション装置100と交通情報配信サーバ200とは、無線基地局(不図示)とネットワーク400を介して接続される。また、交通情報配信サーバ200からの交通情報は、FM多重放送局201、ビーコン202によっても車載用ナビゲーション装置100に送信される。
【0013】
交通情報配信サーバ200は、車載用ナビゲーション装置100に交通情報を配信するサーバ装置である。交通情報配信サーバ200は、自身の記憶装置に、予測交通情報210を保持する。
【0014】
予測交通情報210は、現在以降の未来の交通情報である。予測交通情報210は、例えば、過去の交通情報と現在の交通情報から生成される。
【0015】
図2は、予測交通情報210の構成例である。予測交通情報210は、リンクについて、時間帯ごとの旅行時間等を含む。すなわち、地図上の領域を区分けしたメッシュ領域の識別コード(メッシュID)211ごとに、道路を構成するリンクの識別コード(リンクID)212と、時間帯213と、そのリンクの旅行時間214と、渋滞度215を含んでいる。
【0016】
このような予測交通情報は、過去に収集された交通情報に基づいて生成することができる。図3に、予測交通情報の生成方法の例を示す。
【0017】
図3において、符号41は、過去に収集された交通情報から求められた、あるリンクの旅行時間Tdの経時変化を示す。符号42は、現在の交通情報から求められた、そのリンクの旅行時間Td’の経時変化を示す。現在時刻をtとする。
【0018】
まず、現在の交通情報から求められたリンク旅行時間Td’42と過去のリンク旅行時間Td41との差分43を、所定時刻間隔ごとに求める。そして、求めた差分の平均44を求める。時刻(t+n)における予測旅行時間Td’(t+n)は、
Td(t+n)+(差分の平均) により求めることができる。
【0019】
予測交通情報は、上記の方法で生成されたものに限られない。過去の日の時系列データと当日の時系列データを比較して類似している日のデータを利用して生成されたものであってもよい。
【0020】
なお、交通情報配信サーバ200の記憶装置には、後述する車載用ナビゲーション装置100が保持する地図データと同様の構成の地図データ、あるいは地図データに含まれる各リンクの道路種別と交通情報に含まれる各リンクとの関係を表すテーブルが記憶されている。すなわち、地図データから、各リンクの道路種別が特定できるようになっている。
【0021】
また、交通情報配信サーバ200は、現況交通情報を配信するものであってもよい。
【0022】
図4は、車載用ナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、車載用ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4と、入力装置5と、車輪速センサ6と、地磁気センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、車内LAN装置11と、FM多重放送受信装置12と、ビーコン受信装置13と、ネットワーク通信装置14とを有する。
【0023】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ6〜8やGPS受信装置9から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3に記憶されている地図データおよび交通情報配信サーバ200から受信した時系列交通情報を用いて、ユーザから指示された目的地と現在地(出発地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、音声入出力装置4やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0024】
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、CRTや液晶ディスプレイなどで構成される。演算処理部1とディスプレイ2との間の信号S1は、RGB信号やNTSC(National Television System Committee)信号で接続するのが一般的である。
【0025】
記憶装置3は、CD-ROMやDVD-ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、交通情報配信サーバ200からダウンロードした予測交通情報210が記憶される。また、地図データ310も記憶されている。
【0026】
図5は、地図データ310の構成を示す図である。地図データ310は、メッシュID311ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ312を含む。
【0027】
リンクデータ312は、リンクID3121ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報3122、リンクを含む道路の種別情報3123、リンクの長さを示すリンク長情報3124、2つのノードにそれぞれ接続するリンクのリンクID(接続リンクID)3126などを含む。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。また、地図データ310には、対応するメッシュ領域に含まれている道路以外の地図構成物の情報(名称、種別、座標情報など)も含まれている。種別情報3123には、詳細道路(細かい道路、狭い道路(例えば幅5m以下の道路)、一般道、主要道路、幹線道路などの道路種別がふくまれている。
【0028】
図4に戻って説明する。音声入出力装置4は、演算処理部1で生成したユーザへのメッセージを音声信号に変換し出力する。また、ユーザが発した声を認識し演算処理部1にその内容を転送する処理を行う。
【0029】
入力装置5は、ユーザからの指示を受け付けるユニットである。入力装置5は、スクロールキー、縮尺変更キーなどのハードスイッチ、ジョイスティック、ディスプレイ上に貼られたタッチパネルなどで構成される。
【0030】
センサ6〜8およびGPS受信装置9は、車載用ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。車輪速センサ6は、車輪の円周と計測される車輪の回転数の積から距離を測定し、さらに対となる車輪の回転数の差から移動体が曲がった角度を計測する。地磁気センサ7は、地球が保持している磁場を検知し、移動体が向いている方角を検出する。ジャイロ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体が回転した角度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定する。
【0031】
車内LAN装置11は、車載用ナビゲーション装置100が搭載された車両の様々な情報、例えばドアの開閉情報、ライトの点灯状態情報、エンジンの状況や故障診断結果などを受ける。
【0032】
FM多重放送受信装置12は、FM多重放送信号としてFM多重放送局201から送られてくる概略現況交通データ、交通規制情報、および、天気情報を受信する。
【0033】
ビーコン受信装置13は、ビーコン202から送られてくるリンク旅行時間を含む現況交通データを受信する。
【0034】
ネットワーク通信装置14は、車載用ナビゲーション装置100と、交通情報配信サーバ200との間の情報の授受を仲介する。また、定期的あるいは経路探索の際に、交通情報配信サーバ200にアクセスし、予測交通情報や現況交通情報を受信する。
【0035】
図6は、演算処理部1の機能構成を示す図である。
【0036】
図示するように、演算処理部1は、ユーザ操作解析部41と、経路探索部42と、経路記憶部43と、経路誘導部44と、現在位置算出部46と、表示処理部45と、通信処理部47と、受信情報記憶部48とを有する。
【0037】
現在位置算出部46は、車輪速センサ6で計測される距離パルスデータS5およびジャイロ8で計測される角加速度データS7を各々積分した結果得られる距離データおよび角度データを用い、そのデータを時間軸で積分していくことにより、初期位置(X,Y)から自車走行後の位置である現在地(X′,Y′)を定期的に演算する。また、演算結果を用いて、マップマッチ処理することにより、形状の相関が最も高い道路(リンク)上に、現在地を合わせ込む。
【0038】
ユーザ操作解析部41は、入力装置5に入力されたユーザからの要求を受け、その要求内容を解析して、その要求内容に対応する処理が実行されるように演算処理部1の各部を制御する。例えば、ユーザが推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を表示処理部45に要求する。また、現在地(出発地)から目的地までの経路を演算する処理を経路探索部42に要求する。
【0039】
経路探索部42は、ダイクストラ法等を用いて、指定された2地点(現在地、目的地)間を結ぶ経路のコスト(例えば、旅行時間)が最少となる経路を探索する。経路記憶部43は、経路探索部42で探索された経路の情報を記憶する。
【0040】
経路誘導部44は、経路探索部42で探索された経路を用いて経路誘導を行う。例えば、経路の情報と、現在地の情報とを比較し、交差点等を通過する前に直進すべきか、右左折すべきかを音声出入力装置4を用いて音声でユーザに知らせる。また、経路誘導部44は、ディスプレイ2に表示された地図上に進行すべき方向を表示して、ユーザに推奨経路を通知する。
【0041】
表示処理部45は、ディスプレイ2への表示が要求される領域にある地図データを記憶装置3から受け取り、指定された縮尺、描画方式で、道路、その他の地図構成物や、現在地、目的地、誘導経路のための矢印といったマークを描画するように地図描画コマンドを生成する。そして、生成したコマンドを、ディスプレイ2に送信する。
【0042】
通信処理部47は、予測交通情報のダウンロード要求を受け付けると、ネットワーク通信装置14を介して、交通情報配信サーバ200に接続し、予測交通情報のダウンロードを要求する。そして、ダウンロードした予測交通情報を受信情報記憶部48に記憶させる。また、通信処理部47は、FM多重放送局201やビーコン202から受信した交通情報を受信情報記憶部48に記憶させる。なお、記憶装置3が、書換え可能なHDD、フラッシュROMなどで構成される場合は、通信処理部47は、受信した情報を、記憶装置3に記憶させるようにしてもよい。
【0043】
図7は、演算処理部1のハードウェア構成例を示す図である。
【0044】
図示するように、演算処理部1は、各デバイス間をバス32で接続した構成としてある。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、メモリ間およびメモリと各デバイスとの間のデータ転送を実行するDMA(Direct Memory Access)24と、グラフィックス描画を実行し且つ表示制御を行う描画コントローラ25と、グラフィックスイメージデータを蓄えるVRAM(Video Random Access Memory)26と、イメージデータをRGB信号に変換するカラーパレット27と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器28と、シリアル信号をバスに同期したパラレル信号に変換するSCI(Serial Communication Interface)29と、パラレル信号をバスに同期させてバス上にのせるPIO(Parallel Input/Output)30と、パルス信号を積分するカウンタ31と、を有する。
【0045】
[動作の説明]次に、車載用ナビゲーション装置100の動作について説明する。
【0046】
ユーザ操作解析部41は、ユーザから入力装置5を介して、ダウンロード条件の設定要求を受け付けると、表示処理部45を介して、ディスプレイ2にダウンロード条件設定画面を表示する。
【0047】
図8は、かかる設定画面530の一例である。図示するように、設定画面530には、予測交通情報をダウンロードするタイミングが選択できるように、いくつかの選択肢531〜533が表示されている。本実施形態では、ダウンロード条件として、いくつかのモードがある。例えば、「深夜/早朝はダウンロードしない」モード、「平日の朝/夕はダウンロードする」モード、「日曜はダウンロードしない」モードなどである。ダウンロードしない条件のモードは、予測交通情報に変化が少ないことを考慮して、ダウンロードの不要な日時を設定するために設けられている。複数のモードを同時に設定することも可能であるが、ダウンロードする条件と、ダウンロードしない条件が重なった場合、ダウンロードする条件が優先するようになっている。詳しくは後述する。
【0048】
ユーザ操作解析部41は、ユーザの選択した内容で、ダウンロード条件のモードを設定する。
【0049】
つぎに、ユーザ操作解析部41が、ユーザから入力装置5を介して、経路探索要求を受け付けたときの処理の流れについて説明する。図9は、かかる動作の概略を示すフロー図である。
【0050】
まず、ユーザ操作解析部41は、出発地および目的地を設定する。ユーザ操作解析部41は、通常、現在位置算出部46で求めた現在地を出発地に設定する。ユーザ操作解析部41はまた、ユーザの指示に基づき目的地を設定する。例えばユーザ操作解析部41は、記憶装置3から地図データに登録されている地図構成物を読み込む。ユーザ操作解析部41は、表示処理部45を介してディスプレイ2に、これらの地図構成物を表示する。ユーザ操作解析部41は、入力装置5を介してユーザより、表示中の地図構成物の情報の中から目的地を選択させる。ユーザ操作解析部41はまた、出発時刻を設定する。現在時刻を出発時刻に設定する場合は、図示していない内蔵タイマなどを用いて推奨経路の探索要求を受け付けた時に取得した現在時刻を出発時刻に設定する(S102)。
【0051】
次に、経路探索部42は、日時を基準として、予測交通情報のダウンロードが不要か否か判定する(S103)。具体的には、まず。経路探索部42は、ユーザ操作解析部41により設定された、ダウンロード条件のモードを参照する。
【0052】
そして、「深夜/早朝はダウンロードしない」モードに設定されている場合、経路探索部42は、現在時刻が、深夜または早朝(例えば、23:00〜5:00)である場合、ダウンロード不要と判定する(S103でYes)。
【0053】
また、「平日の朝/夕はダウンロードする」モードに設定されている場合、経路探索部42は、現在の日時が、月曜〜金曜の朝または夕(例えば、5:00〜10:00、または16:00〜19:00)の場合、ダウンロード要と判定する(S103でNo)。
【0054】
また、「日曜はダウンロードしない」モードに設定されている場合、経路探索部42は、現在の曜日が日曜日である場合、ダウンロード不要と判定する(S103でYes)。
【0055】
なお、設定されたダウンロードする条件(ダウンロード要)とダウンロードしない条件(ダウンロード不要)が重なった場合、ダウンロード要を優先する(S103でNo)。
【0056】
経路探索部42は、ダウンロード不要と判定した場合(S103でYes)、S110に処理を移行し、経路探索を開始する。
【0057】
一方、ダウンロード不要と判定しなかった場合(S103でNo)、経路探索部42は、出発地から目的地までの経路に関連するメッシュ(関連メッシュ)を特定する(S104)。具体的には、経路探索部42は、まず、地図データを用いて、リンク長をコストとして総コストが最少となる経路を探索する。なお、以前に、同一の出発地及び目的地の経路が探索され経路記憶部43に記憶されている場合、その経路を用いればよく、新たに経路を探索しなくてもよい。
【0058】
次に、図10に示すように、地図データを用いて、出発地302から目的地303までの経路304を構成するリンクを含むメッシュ305を特定し、関連メッシュとする。図10において、符号301は、地図上の区画されたメッシュを示し、305は関連メッシュを示す。
【0059】
なお、経路探索を行わずに、出発地と目的地とを結ぶ直線から所定の距離(例えば10km)の範囲にあるメッシュを関連メッシュとしてもよい。また、経路を探索しない場合は、現在位置周辺(例えば、20km以内)のメッシュを関連メッシュとしてもよい。
【0060】
関連メッシュが特定されると、経路探索部42は、関連メッシュごとに、ダウンロードする予測交通情報の対象を決定する(S105)。経路探索部42は、経路探索で用いる道路、言い換えれば、経路を構成するリンクの候補となるリンク(候補リンク)に関する予測交通情報がダウンロードの対象となるようにする。経路探索では、後述するように、出発地、経由地、目的地周辺では、詳細道路(狭い道路)を含めて経路探索を行う。その他の領域では、詳細道路を含めずに、幹線道路、主要道路のみを用いて経路探索を行う。そこで、経路探索部42は、出発地(現在位置)、経由地、目的地を含む関連メッシュについては、経路探索処理が対象とする道路種別を含むリンクの予測交通情報、すなわち、詳細道路、主要道路及び幹線道路に関する予測交通情報をダウンロードの対象とする。一方、その他の関連メッシュについては、経路探索処理が対象とする道路種別を含むリンクの予測交通情報、すなわち、主要道路及び幹線道路に関する予測交通情報をダウンロードの対象とする。
【0061】
ダウンロードの対象が決定されると、経路探索部42は、図11に示すように、ダウンロード要求情報390を生成する。具体的には、経路探索部42は、ダウンロード要求情報390に、1つの関連メッシュについて、1レコードを作成する。そして、各レコードに、メッシュID391として関連メッシュのメッシュIDを格納する。道路種別392として、その関連メッシュのダウンロード対象の道路種別を格納する。
【0062】
こうして、経路探索部42は、全ての関連メッシュに関して、ダウンロードする予測交通情報の対象を決定し、ダウンロード要求情報390を生成する。なお、ダウンロード要求情報390は、一旦メモリに格納される。
【0063】
次に、経路探索部42は、通信処理部47に、予測交通情報をダウンロードするように指示する。これを受けて、通信処理部47は、ダウンロード要求情報390を交通情報配信サーバ200に送信する。そして、交通情報配信サーバ200に予測交通情報をダウンロードするように要求する(S107)。
【0064】
これを受けて、交通情報配信サーバ200は、自身の記憶装置に記憶されている予測交通情報210の中から、ダウンロード要求情報390で特定される範囲の予測交通情報を抽出する。具体的には、交通情報配信サーバ200は、予測交通情報210の中から、ダウンロード要求情報390に含まれているメッシュID391と同じメッシュID211でかつ、道路種別392に属するリンクのリンクID212の予測交通情報(時間帯213ごとのリンク旅行時間214、渋滞情報215)を抽出する。そして、抽出した予測交通情報を、車載用ナビゲーション装置100に送信(ダウンロード)する。なお、交通情報配信サーバ200は、リンクがどの道路種別に属するかを、自身の記憶装置に記憶されている地図データにより判断する。
【0065】
車載用ナビゲーション装置100の通信処理部47は、交通情報配信サーバ200から予測交通情報を受信し、受信情報記憶部48に記憶させる(S108)。
【0066】
次に、経路探索部42は、予測交通情報を用いて、経路探索を行う(S110)。具体的には、リンクコストとして、そのリンクの予想通行時刻に相当する時間帯のリンク旅行時間を用いて、出発地から目的地までの総コストが最少となる経路を探索する。このとき、予測交通情報にリンク旅行時間が含まれているリンクについては、そのリンク旅行時間をそのリンクのコストとする。予測交通情報にリンク旅行時間が含まれていないリンクについては、受信情報記憶部48に記憶された現況交通情報のリンク旅行時間をそのリンクのコストとする。現況交通情報にも、リンク旅行時間が含まれていない場合、リンクデータ312から求めたリンク旅行時間(リンク長を予め定めた移動速度(例えば時速40km)で除した値)を、候補リンクのリンク旅行時間とする。
【0067】
また、出発地、経由地、目的地の周辺については、詳細道路(狭い道路)を経路を構成する候補に含めて経路探索する。その他の領域については、詳細道路を含めずに、主要道路、幹線道路のみを候補として経路探索する。
【0068】
経路探索部42は、探索した経路を表示処理部45を介してディスプレイ2に表示する(S112)。
【0069】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0070】
本実施形態によれば、予測交通情報に変化が少ない場合を考慮して、ダウンロード不要な日時を設定できる。また、出発地、経由地、目的地については、細かい道路に関する予測交通情報をダウンロード対象とし、その他については、主要道路、幹線道路に関する予測交通情報のみをダウンロード対象とする。したがって、経路探索などのナビゲーション処理に使用される可能性が高い予測交通情報に絞ってダウンロードするので、通信効率がよい。
【0071】
本発明は、上記実施形態に限定されず、さまざまな変形が可能である。
【0072】
例えば、現在日時が予め定めた日時である場合にのみ、予測交通情報をダウンロードするようにしてもよい。
【0073】
かかる場合、記憶装置3には、図12に示すように、ダウンロード日時に関する情報が記憶されている。この情報には、ダウンロードする日371と時間帯372が格納されている。
【0074】
経路探索部42は、図9に示すフローのS103のダウンロードするか否かの決定の際に、現在日時が、指定されたダウンロードする日371であり、かつ時間帯372であるか否か判定するようにする。そして、指定されたダウンロード日時でない場合、ダウンロードしないと決定するようにする。一方、指定されたダウンロード日時の場合、S104移行の処理を行うようにする。
【0075】
このようにすれば、予め定めた日時においてのみダウンロードすることができる。
【0076】
また、経路探索する場所に応じて予測交通情報をダウンロードするか否か決定してもよい。
【0077】
例えば、経路探索部42は、出発地(現在位置)周辺(例えば、出発地を含むメッシュ)に、予測交通情報が提供されるリンクがない場合、あるいは、予測交通情報が提供されるリンクの割合が所定以下である場合、予測交通情報をダウンロードしないと決定する。なお、現況交通情報が提供されているリンクを予測交通情報が提供されているリンクと仮定する。あるいは、予め予測交通情報が提供されるリンクを特定する情報を記憶装置3に記憶させておく。出発地を含むメッシュに含まれるリンクに現況交通情報が提供されているリンクがない場合、または、所定数未満もしくは所定割合以下(メッシュに含まれるリンク数に対する現況交通情報が提供されているリンク数の割合が、所定値以下(例えば50%以下))である場合、ダウンロードしないと決定する。
【0078】
また、S104で特定した関連メッシュについて、予測交通情報が提供されているリンクがない場合、所定数以下の場合、あるいは、所定の割合以下である場合、予測交通情報をダウンロードしないと決定してもよい。
【0079】
また、関連メッシュを特定するために仮に探索した経路上に、予測交通情報が提供されているリンクがない場合、所定数以下の場合、あるいは、所定の割合以下である場合、予測交通情報をダウンロードしないと決定してもよい。
【0080】
また、経路誘導部44が、経路誘導中に、予測交通情報をダウンロードし、再経路探索する場合でも、図9に示したフローのようにして、ダウンロードするか否かの決定をし、ダウンロードの対象の決定を行ってもよい。かかる場合は、経路誘導部44が、ダウンロード要求情報390を生成し、通信処理部47を介して、交通情報配信サーバ200に予測交通情報のダウンロード要求を行う。
【0081】
例えば、経路誘導部44は、日時に応じて予測交通情報をダウンロードするか否か決定してもよい。
【0082】
具体的には、経路誘導部44は、現在日時が、ユーザ操作解析部41により設定されたダウンロードしない条件に一致する場合、予測交通情報をダウンロードしないようにする。
【0083】
また、経路誘導部44は、ダウンロードする間隔を、ダウンロードする日時によって異ならせてもよい。例えば、経路誘導部44は、現在時刻が、深夜または早朝(例えば、23:00〜5:00)である場合、ダウンロード間隔を他の時間帯より長くする。例えば、通常20分間隔でダウンロードするところを、30分間隔でダウンロードするようにする。また、記憶装置3に、日時とダウンロード間隔を対応付けたテーブルを記憶するようにして、経路誘導部44は、当該テーブルを参照して、ダウンロード間隔を決定するようにしてもよい。
【0084】
上記実施形態では、車載用ナビゲーション装置100が、ダウンロードする対象を絞り込んで、交通情報配信装置200に、ダウンロード要求をするようにした。本実施形態はこれに限らず、交通情報配信装置200が、ダウンロードする対象を絞って、ダウンロードするようにしてもよい。
【0085】
なお、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】図1は、本発明の実施形態にかかるナビゲーションシステムの概略構成図である。
【図2】図2は、予測交通情報の構成例である。
【図3】図3は、予測交通情報の生成方法を説明するための図である。
【図4】図4は、車載用ナビゲーション装置100の概略構成図である。
【図5】図5は、記憶装置3に記憶されている地図データの構成を示す図である。
【図6】図6は、演算処理部1の機能構成を示す図である。
【図7】図7は、演算処理部1のハードウェア構成を示す図である。
【図8】図8は、ダウンロード条件の設定画面の表示例である。
【図9】図9は、車載用ナビゲーション装置100の処理の概略を示すフロー図である。
【図10】図10は、経路から関連メッシュを特定する様子を説明するための図である。
【図11】図11は、ダウンロード要求情報の構成例である。
【図12】図12は、ダウンロード日時を指定する情報の構成例である。
【符号の説明】
【0087】
100…車載用ナビゲーション装置、200…交通情報配信サーバ、400…ネットワーク、
1…演算処理部、2…ディスプレイ、3…記憶装置、4…音声出入力装置、5…入力装置、6…車輪速センサ、7…地磁気センサ、8…ジャイロ、9…GPS受信機、11…車内LAN装置、12…FM多重放送受信装置、13…ビーコン受信装置、14…ネットワーク通信装置、21…CPU、22…RAM、23…ROM、24…DMA、25…描画コントローラ、26…VRAM、27…カラーパレット、28…A/D変換器、29…SCI、30…PIO、31…カウンタ、41…ユーザ操作解析部、42…経路探索部、43…経路記憶部、44…経路誘導部、45…表示処理部、46…現在位置算出部、47…通信処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に車載用ナビゲーション装置の交通情報のダウンロード方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、予測交通情報を用いて、経路探索を行う車載用ナビゲーション装置が記載されている。予測交通情報は、過去の交通情報と現在の交通情報から生成された現在時刻以降の交通情報である。この車載用ナビゲーション装置は、サーバから予測交通情報をダウンロードして経路探索に用いる。
【0003】
【特許文献1】特開2000−76580号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、予測交通情報は、サーバ側で更新されていく。したがって、より実情に即した経路を探索するためには、ナビゲーション装置は、最新の予測交通情報をダウンロードした方がよい。しかし、常に全ての予測交通情報をダウンロードするのでは、通信量が膨大となる。また、経路探索などのナビゲーション処理に用いられなかった予測交通情報は無駄となる。
【0005】
本発明の目的は、簡便な処理で効率よく予測速通情報をダウンロードすることにある。具体的には、ナビゲーション処理(例えば、経路探索)に用いる可能性が高い予測交通情報に絞り込んでダウンロードすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく本発明のナビゲーション装置は、道路種別ごとに現在以降における交通情報である予測交通情報を記憶するサーバ装置に接続する手段と、ダウンロードする予測交通情報の道路種別を決定する道路種別決定手段と、前記道路種別決定手段で決定された道路種別に関する予測交通情報を前記サーバ装置からダウンロードする手段とを有する。そして、前記道路種別決定手段は、ダウンロードする予測交通情報の地図上の領域に応じて道路種別を決定する。
【0007】
また、ナビーション装置は、ダウンロードする日時又はしない日時を記憶する記憶手段と、現在日時が前記記憶手段のダウンロードする日時の場合、現在以降における交通情報である予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報をダウンロードし、現在日時が前記記憶手段のダウンロードしない日時の場合、前記サーバ装置から前記予測交通情報をダウンロードしない手段とを有していてもよい。
【0008】
また、ナビゲーション装置は、現在位置周辺に、予測交通情報が提供されるリンクが予め定めた数以下又は予め定めた割合以下の場合、予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報のダウンロードを行わないようにしてもよい。
【0009】
また、ナビゲーション装置は、経路上に、予測交通情報が提供されるリンクが予め定めた数以下又は予め定めた割合以下の場合、予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報のダウンロードを行わないようにしてもよい。
【0010】
また、ナビゲーション装置は、予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報をダウンロードする時間の間隔を日時によって変化させるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明の一実施形態にかかるナビゲーションシステムの概略構成図である。図示するように、本実施形態のナビゲーションシステムは、車載用ナビゲーション装置100と、交通情報配信サーバ200とを有する。車載用ナビゲーション装置100と交通情報配信サーバ200とは、無線基地局(不図示)とネットワーク400を介して接続される。また、交通情報配信サーバ200からの交通情報は、FM多重放送局201、ビーコン202によっても車載用ナビゲーション装置100に送信される。
【0013】
交通情報配信サーバ200は、車載用ナビゲーション装置100に交通情報を配信するサーバ装置である。交通情報配信サーバ200は、自身の記憶装置に、予測交通情報210を保持する。
【0014】
予測交通情報210は、現在以降の未来の交通情報である。予測交通情報210は、例えば、過去の交通情報と現在の交通情報から生成される。
【0015】
図2は、予測交通情報210の構成例である。予測交通情報210は、リンクについて、時間帯ごとの旅行時間等を含む。すなわち、地図上の領域を区分けしたメッシュ領域の識別コード(メッシュID)211ごとに、道路を構成するリンクの識別コード(リンクID)212と、時間帯213と、そのリンクの旅行時間214と、渋滞度215を含んでいる。
【0016】
このような予測交通情報は、過去に収集された交通情報に基づいて生成することができる。図3に、予測交通情報の生成方法の例を示す。
【0017】
図3において、符号41は、過去に収集された交通情報から求められた、あるリンクの旅行時間Tdの経時変化を示す。符号42は、現在の交通情報から求められた、そのリンクの旅行時間Td’の経時変化を示す。現在時刻をtとする。
【0018】
まず、現在の交通情報から求められたリンク旅行時間Td’42と過去のリンク旅行時間Td41との差分43を、所定時刻間隔ごとに求める。そして、求めた差分の平均44を求める。時刻(t+n)における予測旅行時間Td’(t+n)は、
Td(t+n)+(差分の平均) により求めることができる。
【0019】
予測交通情報は、上記の方法で生成されたものに限られない。過去の日の時系列データと当日の時系列データを比較して類似している日のデータを利用して生成されたものであってもよい。
【0020】
なお、交通情報配信サーバ200の記憶装置には、後述する車載用ナビゲーション装置100が保持する地図データと同様の構成の地図データ、あるいは地図データに含まれる各リンクの道路種別と交通情報に含まれる各リンクとの関係を表すテーブルが記憶されている。すなわち、地図データから、各リンクの道路種別が特定できるようになっている。
【0021】
また、交通情報配信サーバ200は、現況交通情報を配信するものであってもよい。
【0022】
図4は、車載用ナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、車載用ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4と、入力装置5と、車輪速センサ6と、地磁気センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、車内LAN装置11と、FM多重放送受信装置12と、ビーコン受信装置13と、ネットワーク通信装置14とを有する。
【0023】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ6〜8やGPS受信装置9から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3に記憶されている地図データおよび交通情報配信サーバ200から受信した時系列交通情報を用いて、ユーザから指示された目的地と現在地(出発地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、音声入出力装置4やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0024】
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、CRTや液晶ディスプレイなどで構成される。演算処理部1とディスプレイ2との間の信号S1は、RGB信号やNTSC(National Television System Committee)信号で接続するのが一般的である。
【0025】
記憶装置3は、CD-ROMやDVD-ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、交通情報配信サーバ200からダウンロードした予測交通情報210が記憶される。また、地図データ310も記憶されている。
【0026】
図5は、地図データ310の構成を示す図である。地図データ310は、メッシュID311ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ312を含む。
【0027】
リンクデータ312は、リンクID3121ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報3122、リンクを含む道路の種別情報3123、リンクの長さを示すリンク長情報3124、2つのノードにそれぞれ接続するリンクのリンクID(接続リンクID)3126などを含む。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。また、地図データ310には、対応するメッシュ領域に含まれている道路以外の地図構成物の情報(名称、種別、座標情報など)も含まれている。種別情報3123には、詳細道路(細かい道路、狭い道路(例えば幅5m以下の道路)、一般道、主要道路、幹線道路などの道路種別がふくまれている。
【0028】
図4に戻って説明する。音声入出力装置4は、演算処理部1で生成したユーザへのメッセージを音声信号に変換し出力する。また、ユーザが発した声を認識し演算処理部1にその内容を転送する処理を行う。
【0029】
入力装置5は、ユーザからの指示を受け付けるユニットである。入力装置5は、スクロールキー、縮尺変更キーなどのハードスイッチ、ジョイスティック、ディスプレイ上に貼られたタッチパネルなどで構成される。
【0030】
センサ6〜8およびGPS受信装置9は、車載用ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。車輪速センサ6は、車輪の円周と計測される車輪の回転数の積から距離を測定し、さらに対となる車輪の回転数の差から移動体が曲がった角度を計測する。地磁気センサ7は、地球が保持している磁場を検知し、移動体が向いている方角を検出する。ジャイロ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体が回転した角度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定する。
【0031】
車内LAN装置11は、車載用ナビゲーション装置100が搭載された車両の様々な情報、例えばドアの開閉情報、ライトの点灯状態情報、エンジンの状況や故障診断結果などを受ける。
【0032】
FM多重放送受信装置12は、FM多重放送信号としてFM多重放送局201から送られてくる概略現況交通データ、交通規制情報、および、天気情報を受信する。
【0033】
ビーコン受信装置13は、ビーコン202から送られてくるリンク旅行時間を含む現況交通データを受信する。
【0034】
ネットワーク通信装置14は、車載用ナビゲーション装置100と、交通情報配信サーバ200との間の情報の授受を仲介する。また、定期的あるいは経路探索の際に、交通情報配信サーバ200にアクセスし、予測交通情報や現況交通情報を受信する。
【0035】
図6は、演算処理部1の機能構成を示す図である。
【0036】
図示するように、演算処理部1は、ユーザ操作解析部41と、経路探索部42と、経路記憶部43と、経路誘導部44と、現在位置算出部46と、表示処理部45と、通信処理部47と、受信情報記憶部48とを有する。
【0037】
現在位置算出部46は、車輪速センサ6で計測される距離パルスデータS5およびジャイロ8で計測される角加速度データS7を各々積分した結果得られる距離データおよび角度データを用い、そのデータを時間軸で積分していくことにより、初期位置(X,Y)から自車走行後の位置である現在地(X′,Y′)を定期的に演算する。また、演算結果を用いて、マップマッチ処理することにより、形状の相関が最も高い道路(リンク)上に、現在地を合わせ込む。
【0038】
ユーザ操作解析部41は、入力装置5に入力されたユーザからの要求を受け、その要求内容を解析して、その要求内容に対応する処理が実行されるように演算処理部1の各部を制御する。例えば、ユーザが推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を表示処理部45に要求する。また、現在地(出発地)から目的地までの経路を演算する処理を経路探索部42に要求する。
【0039】
経路探索部42は、ダイクストラ法等を用いて、指定された2地点(現在地、目的地)間を結ぶ経路のコスト(例えば、旅行時間)が最少となる経路を探索する。経路記憶部43は、経路探索部42で探索された経路の情報を記憶する。
【0040】
経路誘導部44は、経路探索部42で探索された経路を用いて経路誘導を行う。例えば、経路の情報と、現在地の情報とを比較し、交差点等を通過する前に直進すべきか、右左折すべきかを音声出入力装置4を用いて音声でユーザに知らせる。また、経路誘導部44は、ディスプレイ2に表示された地図上に進行すべき方向を表示して、ユーザに推奨経路を通知する。
【0041】
表示処理部45は、ディスプレイ2への表示が要求される領域にある地図データを記憶装置3から受け取り、指定された縮尺、描画方式で、道路、その他の地図構成物や、現在地、目的地、誘導経路のための矢印といったマークを描画するように地図描画コマンドを生成する。そして、生成したコマンドを、ディスプレイ2に送信する。
【0042】
通信処理部47は、予測交通情報のダウンロード要求を受け付けると、ネットワーク通信装置14を介して、交通情報配信サーバ200に接続し、予測交通情報のダウンロードを要求する。そして、ダウンロードした予測交通情報を受信情報記憶部48に記憶させる。また、通信処理部47は、FM多重放送局201やビーコン202から受信した交通情報を受信情報記憶部48に記憶させる。なお、記憶装置3が、書換え可能なHDD、フラッシュROMなどで構成される場合は、通信処理部47は、受信した情報を、記憶装置3に記憶させるようにしてもよい。
【0043】
図7は、演算処理部1のハードウェア構成例を示す図である。
【0044】
図示するように、演算処理部1は、各デバイス間をバス32で接続した構成としてある。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、メモリ間およびメモリと各デバイスとの間のデータ転送を実行するDMA(Direct Memory Access)24と、グラフィックス描画を実行し且つ表示制御を行う描画コントローラ25と、グラフィックスイメージデータを蓄えるVRAM(Video Random Access Memory)26と、イメージデータをRGB信号に変換するカラーパレット27と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器28と、シリアル信号をバスに同期したパラレル信号に変換するSCI(Serial Communication Interface)29と、パラレル信号をバスに同期させてバス上にのせるPIO(Parallel Input/Output)30と、パルス信号を積分するカウンタ31と、を有する。
【0045】
[動作の説明]次に、車載用ナビゲーション装置100の動作について説明する。
【0046】
ユーザ操作解析部41は、ユーザから入力装置5を介して、ダウンロード条件の設定要求を受け付けると、表示処理部45を介して、ディスプレイ2にダウンロード条件設定画面を表示する。
【0047】
図8は、かかる設定画面530の一例である。図示するように、設定画面530には、予測交通情報をダウンロードするタイミングが選択できるように、いくつかの選択肢531〜533が表示されている。本実施形態では、ダウンロード条件として、いくつかのモードがある。例えば、「深夜/早朝はダウンロードしない」モード、「平日の朝/夕はダウンロードする」モード、「日曜はダウンロードしない」モードなどである。ダウンロードしない条件のモードは、予測交通情報に変化が少ないことを考慮して、ダウンロードの不要な日時を設定するために設けられている。複数のモードを同時に設定することも可能であるが、ダウンロードする条件と、ダウンロードしない条件が重なった場合、ダウンロードする条件が優先するようになっている。詳しくは後述する。
【0048】
ユーザ操作解析部41は、ユーザの選択した内容で、ダウンロード条件のモードを設定する。
【0049】
つぎに、ユーザ操作解析部41が、ユーザから入力装置5を介して、経路探索要求を受け付けたときの処理の流れについて説明する。図9は、かかる動作の概略を示すフロー図である。
【0050】
まず、ユーザ操作解析部41は、出発地および目的地を設定する。ユーザ操作解析部41は、通常、現在位置算出部46で求めた現在地を出発地に設定する。ユーザ操作解析部41はまた、ユーザの指示に基づき目的地を設定する。例えばユーザ操作解析部41は、記憶装置3から地図データに登録されている地図構成物を読み込む。ユーザ操作解析部41は、表示処理部45を介してディスプレイ2に、これらの地図構成物を表示する。ユーザ操作解析部41は、入力装置5を介してユーザより、表示中の地図構成物の情報の中から目的地を選択させる。ユーザ操作解析部41はまた、出発時刻を設定する。現在時刻を出発時刻に設定する場合は、図示していない内蔵タイマなどを用いて推奨経路の探索要求を受け付けた時に取得した現在時刻を出発時刻に設定する(S102)。
【0051】
次に、経路探索部42は、日時を基準として、予測交通情報のダウンロードが不要か否か判定する(S103)。具体的には、まず。経路探索部42は、ユーザ操作解析部41により設定された、ダウンロード条件のモードを参照する。
【0052】
そして、「深夜/早朝はダウンロードしない」モードに設定されている場合、経路探索部42は、現在時刻が、深夜または早朝(例えば、23:00〜5:00)である場合、ダウンロード不要と判定する(S103でYes)。
【0053】
また、「平日の朝/夕はダウンロードする」モードに設定されている場合、経路探索部42は、現在の日時が、月曜〜金曜の朝または夕(例えば、5:00〜10:00、または16:00〜19:00)の場合、ダウンロード要と判定する(S103でNo)。
【0054】
また、「日曜はダウンロードしない」モードに設定されている場合、経路探索部42は、現在の曜日が日曜日である場合、ダウンロード不要と判定する(S103でYes)。
【0055】
なお、設定されたダウンロードする条件(ダウンロード要)とダウンロードしない条件(ダウンロード不要)が重なった場合、ダウンロード要を優先する(S103でNo)。
【0056】
経路探索部42は、ダウンロード不要と判定した場合(S103でYes)、S110に処理を移行し、経路探索を開始する。
【0057】
一方、ダウンロード不要と判定しなかった場合(S103でNo)、経路探索部42は、出発地から目的地までの経路に関連するメッシュ(関連メッシュ)を特定する(S104)。具体的には、経路探索部42は、まず、地図データを用いて、リンク長をコストとして総コストが最少となる経路を探索する。なお、以前に、同一の出発地及び目的地の経路が探索され経路記憶部43に記憶されている場合、その経路を用いればよく、新たに経路を探索しなくてもよい。
【0058】
次に、図10に示すように、地図データを用いて、出発地302から目的地303までの経路304を構成するリンクを含むメッシュ305を特定し、関連メッシュとする。図10において、符号301は、地図上の区画されたメッシュを示し、305は関連メッシュを示す。
【0059】
なお、経路探索を行わずに、出発地と目的地とを結ぶ直線から所定の距離(例えば10km)の範囲にあるメッシュを関連メッシュとしてもよい。また、経路を探索しない場合は、現在位置周辺(例えば、20km以内)のメッシュを関連メッシュとしてもよい。
【0060】
関連メッシュが特定されると、経路探索部42は、関連メッシュごとに、ダウンロードする予測交通情報の対象を決定する(S105)。経路探索部42は、経路探索で用いる道路、言い換えれば、経路を構成するリンクの候補となるリンク(候補リンク)に関する予測交通情報がダウンロードの対象となるようにする。経路探索では、後述するように、出発地、経由地、目的地周辺では、詳細道路(狭い道路)を含めて経路探索を行う。その他の領域では、詳細道路を含めずに、幹線道路、主要道路のみを用いて経路探索を行う。そこで、経路探索部42は、出発地(現在位置)、経由地、目的地を含む関連メッシュについては、経路探索処理が対象とする道路種別を含むリンクの予測交通情報、すなわち、詳細道路、主要道路及び幹線道路に関する予測交通情報をダウンロードの対象とする。一方、その他の関連メッシュについては、経路探索処理が対象とする道路種別を含むリンクの予測交通情報、すなわち、主要道路及び幹線道路に関する予測交通情報をダウンロードの対象とする。
【0061】
ダウンロードの対象が決定されると、経路探索部42は、図11に示すように、ダウンロード要求情報390を生成する。具体的には、経路探索部42は、ダウンロード要求情報390に、1つの関連メッシュについて、1レコードを作成する。そして、各レコードに、メッシュID391として関連メッシュのメッシュIDを格納する。道路種別392として、その関連メッシュのダウンロード対象の道路種別を格納する。
【0062】
こうして、経路探索部42は、全ての関連メッシュに関して、ダウンロードする予測交通情報の対象を決定し、ダウンロード要求情報390を生成する。なお、ダウンロード要求情報390は、一旦メモリに格納される。
【0063】
次に、経路探索部42は、通信処理部47に、予測交通情報をダウンロードするように指示する。これを受けて、通信処理部47は、ダウンロード要求情報390を交通情報配信サーバ200に送信する。そして、交通情報配信サーバ200に予測交通情報をダウンロードするように要求する(S107)。
【0064】
これを受けて、交通情報配信サーバ200は、自身の記憶装置に記憶されている予測交通情報210の中から、ダウンロード要求情報390で特定される範囲の予測交通情報を抽出する。具体的には、交通情報配信サーバ200は、予測交通情報210の中から、ダウンロード要求情報390に含まれているメッシュID391と同じメッシュID211でかつ、道路種別392に属するリンクのリンクID212の予測交通情報(時間帯213ごとのリンク旅行時間214、渋滞情報215)を抽出する。そして、抽出した予測交通情報を、車載用ナビゲーション装置100に送信(ダウンロード)する。なお、交通情報配信サーバ200は、リンクがどの道路種別に属するかを、自身の記憶装置に記憶されている地図データにより判断する。
【0065】
車載用ナビゲーション装置100の通信処理部47は、交通情報配信サーバ200から予測交通情報を受信し、受信情報記憶部48に記憶させる(S108)。
【0066】
次に、経路探索部42は、予測交通情報を用いて、経路探索を行う(S110)。具体的には、リンクコストとして、そのリンクの予想通行時刻に相当する時間帯のリンク旅行時間を用いて、出発地から目的地までの総コストが最少となる経路を探索する。このとき、予測交通情報にリンク旅行時間が含まれているリンクについては、そのリンク旅行時間をそのリンクのコストとする。予測交通情報にリンク旅行時間が含まれていないリンクについては、受信情報記憶部48に記憶された現況交通情報のリンク旅行時間をそのリンクのコストとする。現況交通情報にも、リンク旅行時間が含まれていない場合、リンクデータ312から求めたリンク旅行時間(リンク長を予め定めた移動速度(例えば時速40km)で除した値)を、候補リンクのリンク旅行時間とする。
【0067】
また、出発地、経由地、目的地の周辺については、詳細道路(狭い道路)を経路を構成する候補に含めて経路探索する。その他の領域については、詳細道路を含めずに、主要道路、幹線道路のみを候補として経路探索する。
【0068】
経路探索部42は、探索した経路を表示処理部45を介してディスプレイ2に表示する(S112)。
【0069】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0070】
本実施形態によれば、予測交通情報に変化が少ない場合を考慮して、ダウンロード不要な日時を設定できる。また、出発地、経由地、目的地については、細かい道路に関する予測交通情報をダウンロード対象とし、その他については、主要道路、幹線道路に関する予測交通情報のみをダウンロード対象とする。したがって、経路探索などのナビゲーション処理に使用される可能性が高い予測交通情報に絞ってダウンロードするので、通信効率がよい。
【0071】
本発明は、上記実施形態に限定されず、さまざまな変形が可能である。
【0072】
例えば、現在日時が予め定めた日時である場合にのみ、予測交通情報をダウンロードするようにしてもよい。
【0073】
かかる場合、記憶装置3には、図12に示すように、ダウンロード日時に関する情報が記憶されている。この情報には、ダウンロードする日371と時間帯372が格納されている。
【0074】
経路探索部42は、図9に示すフローのS103のダウンロードするか否かの決定の際に、現在日時が、指定されたダウンロードする日371であり、かつ時間帯372であるか否か判定するようにする。そして、指定されたダウンロード日時でない場合、ダウンロードしないと決定するようにする。一方、指定されたダウンロード日時の場合、S104移行の処理を行うようにする。
【0075】
このようにすれば、予め定めた日時においてのみダウンロードすることができる。
【0076】
また、経路探索する場所に応じて予測交通情報をダウンロードするか否か決定してもよい。
【0077】
例えば、経路探索部42は、出発地(現在位置)周辺(例えば、出発地を含むメッシュ)に、予測交通情報が提供されるリンクがない場合、あるいは、予測交通情報が提供されるリンクの割合が所定以下である場合、予測交通情報をダウンロードしないと決定する。なお、現況交通情報が提供されているリンクを予測交通情報が提供されているリンクと仮定する。あるいは、予め予測交通情報が提供されるリンクを特定する情報を記憶装置3に記憶させておく。出発地を含むメッシュに含まれるリンクに現況交通情報が提供されているリンクがない場合、または、所定数未満もしくは所定割合以下(メッシュに含まれるリンク数に対する現況交通情報が提供されているリンク数の割合が、所定値以下(例えば50%以下))である場合、ダウンロードしないと決定する。
【0078】
また、S104で特定した関連メッシュについて、予測交通情報が提供されているリンクがない場合、所定数以下の場合、あるいは、所定の割合以下である場合、予測交通情報をダウンロードしないと決定してもよい。
【0079】
また、関連メッシュを特定するために仮に探索した経路上に、予測交通情報が提供されているリンクがない場合、所定数以下の場合、あるいは、所定の割合以下である場合、予測交通情報をダウンロードしないと決定してもよい。
【0080】
また、経路誘導部44が、経路誘導中に、予測交通情報をダウンロードし、再経路探索する場合でも、図9に示したフローのようにして、ダウンロードするか否かの決定をし、ダウンロードの対象の決定を行ってもよい。かかる場合は、経路誘導部44が、ダウンロード要求情報390を生成し、通信処理部47を介して、交通情報配信サーバ200に予測交通情報のダウンロード要求を行う。
【0081】
例えば、経路誘導部44は、日時に応じて予測交通情報をダウンロードするか否か決定してもよい。
【0082】
具体的には、経路誘導部44は、現在日時が、ユーザ操作解析部41により設定されたダウンロードしない条件に一致する場合、予測交通情報をダウンロードしないようにする。
【0083】
また、経路誘導部44は、ダウンロードする間隔を、ダウンロードする日時によって異ならせてもよい。例えば、経路誘導部44は、現在時刻が、深夜または早朝(例えば、23:00〜5:00)である場合、ダウンロード間隔を他の時間帯より長くする。例えば、通常20分間隔でダウンロードするところを、30分間隔でダウンロードするようにする。また、記憶装置3に、日時とダウンロード間隔を対応付けたテーブルを記憶するようにして、経路誘導部44は、当該テーブルを参照して、ダウンロード間隔を決定するようにしてもよい。
【0084】
上記実施形態では、車載用ナビゲーション装置100が、ダウンロードする対象を絞り込んで、交通情報配信装置200に、ダウンロード要求をするようにした。本実施形態はこれに限らず、交通情報配信装置200が、ダウンロードする対象を絞って、ダウンロードするようにしてもよい。
【0085】
なお、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】図1は、本発明の実施形態にかかるナビゲーションシステムの概略構成図である。
【図2】図2は、予測交通情報の構成例である。
【図3】図3は、予測交通情報の生成方法を説明するための図である。
【図4】図4は、車載用ナビゲーション装置100の概略構成図である。
【図5】図5は、記憶装置3に記憶されている地図データの構成を示す図である。
【図6】図6は、演算処理部1の機能構成を示す図である。
【図7】図7は、演算処理部1のハードウェア構成を示す図である。
【図8】図8は、ダウンロード条件の設定画面の表示例である。
【図9】図9は、車載用ナビゲーション装置100の処理の概略を示すフロー図である。
【図10】図10は、経路から関連メッシュを特定する様子を説明するための図である。
【図11】図11は、ダウンロード要求情報の構成例である。
【図12】図12は、ダウンロード日時を指定する情報の構成例である。
【符号の説明】
【0087】
100…車載用ナビゲーション装置、200…交通情報配信サーバ、400…ネットワーク、
1…演算処理部、2…ディスプレイ、3…記憶装置、4…音声出入力装置、5…入力装置、6…車輪速センサ、7…地磁気センサ、8…ジャイロ、9…GPS受信機、11…車内LAN装置、12…FM多重放送受信装置、13…ビーコン受信装置、14…ネットワーク通信装置、21…CPU、22…RAM、23…ROM、24…DMA、25…描画コントローラ、26…VRAM、27…カラーパレット、28…A/D変換器、29…SCI、30…PIO、31…カウンタ、41…ユーザ操作解析部、42…経路探索部、43…経路記憶部、44…経路誘導部、45…表示処理部、46…現在位置算出部、47…通信処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置であって、
道路種別ごとに現在以降における交通情報である予測交通情報を記憶するサーバ装置に接続する手段と、
ダウンロードする予測交通情報の道路種別を決定する道路種別決定手段と、
前記道路種別決定手段で決定された道路種別に関する予測交通情報を前記サーバ装置からダウンロードする手段とを有し、
前記道路種別決定手段は、ダウンロードする予測交通情報の地図上の領域に応じて道路種別を決定する
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記道路種別決定手段は、
現在位置または目的地周辺の領域の道路種別を、その他の領域の道路種別より、細かい道路が含まれるように決定する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
ナビゲーション装置であって、
地図上の区画されたメッシュ領域および道路種別ごとに現在以降における交通情報である予測交通情報を記憶するサーバ装置に接続する手段と、
ダウンロードする予測交通情報のメッシュ領域を決定する領域決定手段と、
前記領域決定手段で決定されたメッシュ領域について、ダウンロードする予測交通情報の道路種別を決定する道路種別決定手段と
前記領域決定手段で決定されたメッシュ領域に関する予測交通情報であって前記道路種別決定手段で決定された道路種別に関する予測交通情報を前記サーバ装置からダウンロードする手段と
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
ナビゲーション装置であって、
地図上の区画された領域及び道路種別ごとに現在以降における交通情報である予測交通情報を記憶するサーバ装置に接続する手段と、
ダウンロードする予測交通情報の領域を決定する領域決定手段と、
前記領域決定手段で決定された領域について、ダウンロードする予測交通情報の道路種別を決定する道路種別決定手段と、
前記領域決定手段で決定された領域に関する予測交通情報であって前記道路種別決定手段で決定された道路種別に関する予測交通情報を前記サーバ装置からダウンロードする手段と、
地図上の領域によって経路を構成する道路の候補とする道路(候補道路)の道路種別を異ならせて経路探索を行う経路探索手段とを有し、
前記道路種別決定手段は、前記経路探索手段においてその領域について候補道路となる道路の道路種別を、ダウンロードする予測交通情報の道路種別と決定する
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記経路探索は、現在位置または目的地周辺の領域の候補道路の道路種別を、その他の領域の候補道路の道路種別より、細かい道路を含むようにして経路探索を行う
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
ナビーション装置において、
ダウンロードする日時又はしない日時を記憶する記憶手段と、
現在日時が前記記憶手段のダウンロードする日時の場合、現在以降における交通情報である予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報をダウンロードし、
現在日時が前記記憶手段のダウンロードしない日時の場合、前記サーバ装置から前記予測交通情報をダウンロードしない手段と
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記ダウンロードする日時又はしない日時を受け付ける手段と、
受け付けたダウンロードする日時又はしない日時を前記記憶手段に記憶させる手段と
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
ナビゲーション装置であって、
現在位置周辺に、予測交通情報が提供されるリンクが予め定めた数以下又は予め定めた割合以下の場合、予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報のダウンロードを行わない
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
ナビゲーション装置であって、
経路上に、予測交通情報が提供されるリンクが予め定めた数以下又は予め定めた割合以下の場合、予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報のダウンロードを行わない
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
ナビゲーション装置であって、
予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報をダウンロードする時間の間隔を日時によって変化させる
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
ナビゲーション装置の交通情報のダウンロード方法であって、
道路種別ごとに現在以降における交通情報である予測交通情報を記憶するサーバ装置に接続する手段を有し、
ダウンロードする予測交通情報の道路種別を決定する道路種別決定ステップと、
前記道路種別決定ステップで決定された道路種別に関する予測交通情報を前記サーバ装置からダウンロードするステップとを有し、
前記道路種別決定ステップは、ダウンロードする予測交通情報の地図上の領域に応じて道路種別を決定する
を有することを特徴とする交通情報のダウンロード方法。
【請求項1】
ナビゲーション装置であって、
道路種別ごとに現在以降における交通情報である予測交通情報を記憶するサーバ装置に接続する手段と、
ダウンロードする予測交通情報の道路種別を決定する道路種別決定手段と、
前記道路種別決定手段で決定された道路種別に関する予測交通情報を前記サーバ装置からダウンロードする手段とを有し、
前記道路種別決定手段は、ダウンロードする予測交通情報の地図上の領域に応じて道路種別を決定する
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記道路種別決定手段は、
現在位置または目的地周辺の領域の道路種別を、その他の領域の道路種別より、細かい道路が含まれるように決定する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
ナビゲーション装置であって、
地図上の区画されたメッシュ領域および道路種別ごとに現在以降における交通情報である予測交通情報を記憶するサーバ装置に接続する手段と、
ダウンロードする予測交通情報のメッシュ領域を決定する領域決定手段と、
前記領域決定手段で決定されたメッシュ領域について、ダウンロードする予測交通情報の道路種別を決定する道路種別決定手段と
前記領域決定手段で決定されたメッシュ領域に関する予測交通情報であって前記道路種別決定手段で決定された道路種別に関する予測交通情報を前記サーバ装置からダウンロードする手段と
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
ナビゲーション装置であって、
地図上の区画された領域及び道路種別ごとに現在以降における交通情報である予測交通情報を記憶するサーバ装置に接続する手段と、
ダウンロードする予測交通情報の領域を決定する領域決定手段と、
前記領域決定手段で決定された領域について、ダウンロードする予測交通情報の道路種別を決定する道路種別決定手段と、
前記領域決定手段で決定された領域に関する予測交通情報であって前記道路種別決定手段で決定された道路種別に関する予測交通情報を前記サーバ装置からダウンロードする手段と、
地図上の領域によって経路を構成する道路の候補とする道路(候補道路)の道路種別を異ならせて経路探索を行う経路探索手段とを有し、
前記道路種別決定手段は、前記経路探索手段においてその領域について候補道路となる道路の道路種別を、ダウンロードする予測交通情報の道路種別と決定する
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4において、
前記経路探索は、現在位置または目的地周辺の領域の候補道路の道路種別を、その他の領域の候補道路の道路種別より、細かい道路を含むようにして経路探索を行う
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
ナビーション装置において、
ダウンロードする日時又はしない日時を記憶する記憶手段と、
現在日時が前記記憶手段のダウンロードする日時の場合、現在以降における交通情報である予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報をダウンロードし、
現在日時が前記記憶手段のダウンロードしない日時の場合、前記サーバ装置から前記予測交通情報をダウンロードしない手段と
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6において、
前記ダウンロードする日時又はしない日時を受け付ける手段と、
受け付けたダウンロードする日時又はしない日時を前記記憶手段に記憶させる手段と
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
ナビゲーション装置であって、
現在位置周辺に、予測交通情報が提供されるリンクが予め定めた数以下又は予め定めた割合以下の場合、予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報のダウンロードを行わない
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
ナビゲーション装置であって、
経路上に、予測交通情報が提供されるリンクが予め定めた数以下又は予め定めた割合以下の場合、予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報のダウンロードを行わない
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
ナビゲーション装置であって、
予測交通情報を記憶するサーバ装置から当該予測交通情報をダウンロードする時間の間隔を日時によって変化させる
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
ナビゲーション装置の交通情報のダウンロード方法であって、
道路種別ごとに現在以降における交通情報である予測交通情報を記憶するサーバ装置に接続する手段を有し、
ダウンロードする予測交通情報の道路種別を決定する道路種別決定ステップと、
前記道路種別決定ステップで決定された道路種別に関する予測交通情報を前記サーバ装置からダウンロードするステップとを有し、
前記道路種別決定ステップは、ダウンロードする予測交通情報の地図上の領域に応じて道路種別を決定する
を有することを特徴とする交通情報のダウンロード方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−208157(P2006−208157A)
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−19844(P2005−19844)
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年8月10日(2006.8.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年1月27日(2005.1.27)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
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