説明

ナビゲーション装置

【課題】 ナビゲーション装置に方向指示器の操作の検出部を搭載することにより、種々の機能の付加が可能になる。従来は方向指示器の操作を検出するために、ハーネスやエレクトロタップを使用して車両の配線を行っていた。しかしながら、この配線は一般の使用者には困難であるので、この配線を不要にする。
【解決手段】 方向指示器のウインカー音を検出する検出手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、前記検出手段の検出に基づいて方向指示器の操作のON/OFFを判定し、前記現在位置検出手段の検出に基づいて曲折方向を判定する判定手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、方向指示器の操作を検出するナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置に方向指示器(ウインカー)の操作の検出部を搭載することにより、種々の機能の付加が可能になる。例えば、曲折予定の交差点での方向指示器の操作忘れを報知する機能(例えば特許文献1)、往路時に方向指示器を操作した地点を帰路時に参考表示する機能(例えば特許文献2)、往路時に曲折した交差点を後方撮像して帰路時に参考表示する機能、そして、走行軌跡から新たな道路地図を作成するときの交差点記入機能などが考えられる。
【0003】
従来は、方向指示器の操作の検出方法は、方向指示器の作動信号(ON信号/OFF信号)を取得するための配線(ハーネスやエレクトロタップ等)を車両に行って、ナビゲーション装置に接続するものであった。
【特許文献1】特開2001−255167号公報
【特許文献2】特開平11−51670号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、一般の使用者が方向指示器の操作の検出を行う配線を車両に施すことは非常に困難であった。ハーネスやエレクトロタップいずれの場合も、まず、ハンドル部のカバーを外さなければならない。カバーを外す方法は、ネジを外した後、探り当てたホックを外さなければならないが、ホックの位置を探り当てるのが、一般の使用者には困難である。また、カバーを破損しないようにホックを外さなければならない。次に、方向指示器のスイッチ信号を出力するコネクタかコードを探す。これを探し出すのも一般の使用者には困難である。コネクタの場合は適合するハーネスを購入して取り付け、信号を取り出す線を追加する。コードの場合はエレクトロタップを取り付けて信号を取り出す線を追加する。取り出した信号の線をナビゲーション装置に接続する。このように、一般の使用者には困難な取り付けである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、方向指示器のウインカー音を検出する検出手段と、
該検出手段の検出に基づいて方向指示器の操作のON/OFFを判定する判定手段とを備えたことを特徴としている。
【0006】
これによると、方向指示器の作動信号を取得するための配線を車両に行うことなく、方向指示器の操作を検出することができるので、使用者が容易に装置を取り付けることができる。
【0007】
また、方向指示器のウインカー音を検出する検出手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、走行予定経路を記憶する記憶手段と、方向指示器が操作されていないことを報知する報知手段と、
前記記憶手段に記憶される走行予定経路を走行中に現在位置が曲折予定の交差点の所定距離以内になっても前記検出手段が前記ウインカー音を検出しなかったときに前記報知手段により方向指示器が操作されていないことを報知させる制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0008】
これによると、方向指示器の作動信号を取得するための配線を車両に行うことなく、方向指示器の操作を検出することができるので、使用者が容易に装置を取り付けて、方向指示器が操作されていないことを報知させることができる。
【0009】
また、方向指示器のウインカー音を検出する検出手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、後方を撮像する撮像手段と、
前記検出手段の検出と前記現在位置検出手段の検出に基づいて交差点の曲折を判定し、その後方向指示器の操作がONからOFFに戻ったときに前記撮像手段により後方の交差点を撮像させる制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】
これによると、方向指示器の作動信号を取得するための配線を車両に行うことなく、方向指示器の操作を検出することができるので、使用者が容易に装置を取り付けて、自動的に曲折した交差点の撮像をすることができる。
【0011】
また、方向指示器のウインカー音を検出する検出手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、後方を撮像する撮像手段と、
前記検出手段の検出と前記現在位置検出手段の検出に基づいて交差点の曲折を判定し、曲折した交差点から所定距離走行したときにあるいは方向指示器の操作がONからOFFに戻ったときから所定距離走行したときに前記撮像手段により後方の交差点を撮像させる制御手段とを備えたことを特徴としている。
【0012】
これによると、方向指示器の作動信号を取得するための配線を車両に行うことなく、方向指示器の操作を検出することができるので、使用者が容易に装置を取り付けて、曲折した交差点の撮像をすることができる。
【0013】
また、方向指示器のウインカー音を検出する検出手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記検出手段の検出に基づいて方向指示器の操作のON/OFFを判定し、前記現在位置検出手段の検出に基づいて曲折方向を判定する判定手段とを備えたことを特徴としている。
【0014】
これによると、方向指示器の作動信号を取得するための配線を車両に行うことなく、方向指示器の操作を検出することができるので、使用者が容易に装置を取り付けて、方向指示器の操作のON/OFFと曲折の方向を知ることができる。
【0015】
また、方向指示器のウインカー音を検出する検出手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、該現在位置検出手段に基づく走行軌跡により新たな道路を作成する道路作成手段とを備え、
前記道路作成手段は、前記検出手段の検出と前記現在位置検出手段の検出に基づいて交差点の有無を判定し、新たな道路に交差点を登録することを特徴としている。
【0016】
これによると、方向指示器の作動信号を取得するための配線を車両に行うことなく、方向指示器の操作を検出することができるので、使用者が容易に装置を取り付けて、交差点を登録することができる。
【0017】
また、前記道路作成手段は、交差点の通過後に前記現在位置検出手段の検出に基づいて交差点の曲折方向を判定することを特徴としている。
【0018】
これによると、使用者が容易に装置を取り付けて、交差点の曲折方向を知ることができる。
【発明の効果】
【0019】
ナビゲーション装置に方向指示器の操作の検出部を搭載することにより、種々の機能の付加が可能になる。本願発明は、ウインカー音を検出することにより方向指示器の操作を検出するために、車両の配線が不要になり、使用者が容易に装置を取り付けることが可能となる。尚、左折、右折の方向はナビゲーション機能の現在位置検出により知ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
[実施の形態1]
〈ナビゲーション装置等の構成について〉
図2は、車両(不図示)に搭載されたナビゲーション装置79の構成を示すブロック図である。
【0021】
この図2に示すように、ナビゲーション装置79は、少なくとも、位置センサー群(車両位置検出ユニット)19、メディア放送受信部21、HDD(記憶部)22、モニター(報知部)3、スピーカー(報知部)4、操作ボタン群(入力部)5、集音マイク(横行指示検出部)6、タイマー(経過時間計測部)7、内蔵電池23、RAM(Random Access Memory)24、ROM(Read Only Memory)25、および制御部1を含むように構成されている。
【0022】
位置センサー群19は、速度検出部11、GPS(Global Positioning System)測位部12、ジャイロスコープ13、距離検出部14、および地磁気検出部15を含むように構成されている。
【0023】
速度検出部11は、車両に備え付けられた車軸の回転状態に基づいて速度を検出するものであり、GPS測位部12は、GPS衛星からの電波信号(GPS信号)を利用し、車両の緯度・経度・高度等を特定するものである。
【0024】
ジャイロスコープ13は、GPS衛星からの電波を受信できない場合の補助手段として組み込まれているものであり、前後・左右・上下と3方向に対応する軸を用い、基準点からの相対位置を求めるものである。
【0025】
距離検出部14は、車両の前後方向の加速度等から走行距離を検出するものであり、地磁気検出部15は、地磁気から車両の進行方向を検出するものである。
【0026】
メディア放送受信部21は、メディア放送受信アンテナを介して、TV(TeleVision)放送局やラジオ放送局から送信されてくるTV放送信号やラジオ放送信号を受信するものである。
【0027】
HDD(Hard Disk Drive)22は、地図情報(マップデータ)やTV放送信号・ラジオ放送信号に基づく映像情報・音声情報(映像音声情報)等を記憶するものである。なお、マップデータ等の記憶するものとして、HDD22に限らず、CD(Compact Disc)やDVD(Digital Versatile Disk)等であっても構わない。
【0028】
モニター(表示部)3は、例えば液晶パネルから構成されるものであり、地図情報やTV放送信号に基づく映像情報等を表示するものである。
【0029】
スピーカー(放音部)4は、TV放送信号やラジオ放送信号に基づく音声情報等を放音したり、ナビゲーションの案内音声等を放音したりするものである。
【0030】
操作ボタン群(タッチ操作部)5は、少なくとも、ナビ/TVキー50、録画開始キー51a、録画停止キー51b、地図拡大キー52a、地図縮小キー52b、経路設定キー53、作図開始キー54a、作図終了キー54b、交差点選択キー55、音量増加キー54a、音量減少キー54b、および4方向キー57・ENTERキー58、を含むように構成されている。なお、操作ボタン群5は、操作ボタン5と表現してもよい。
【0031】
ナビ/TVキー50は、モニター3上に、ナビゲーション装置79によるナビゲーション情報等(ナビ設定画面や地図情報等)を表示させるか、TV放送の映像情報等を表示させるか否かを決定するものである。
【0032】
録画開始キー51a・録画停止キー51bは、映像音声情報等をHDD22に録画を開始させるか録画を停止させるかを決定するためのものである。
【0033】
地図拡大キー52a・地図縮小キー52bは、ナビゲーションに使用される地図画像(マップデータ)を拡大させるか縮小させるかを決定させるものである。経路設定キー53は、ユーザーの行きたい場所(すなわち目的地)の情報を入力させるものである。
【0034】
作図開始キー54aは、後述する未登録の道路をマップデータ上に新たに登録すること(新道路登録)を開始させるものであり、作図終了キー54bは、この新道路登録を終了させるものである。
【0035】
交差点選択キー55は、上記の新道路登録において、登録する道路上における交差点を選択させるものである。
【0036】
音量増加キー54a・音量減少キー54bは、制御部1に対して、音声情報に基づく音量を増加あるいは減少(UP/DOWN)させるか否かを決定させるものである。
【0037】
4方向キー57・ENTERキー58は、各種操作(例えば進行方向表示等)を行わせるものである。
【0038】
集音マイク(集音部)6は、車両に搭載された方向指示器(ウインカー)31の指示音(ウインカー音)を集音するものである。また、この集音マイク6は、ユーザーの発する声を集音するようにもなっている。そして、この集音された声に応じて、制御部1は、上記の新道路登録における交差点の選択を行うようになっている。
【0039】
タイマー7は、経過時間を計測するものであり、本発明のナビゲーション装置79では、ウインカー31がON状態からOFF状態になった後からの経過時間を計測するようになっている。
【0040】
内蔵電池23は、例えば不図示の車両搭載型バッテリー電池からの電力供給受けて、電力を蓄電できる電池である。そして、この内蔵電池23を設けることで、ナビゲーション装置79は、例えば車両から取り外したときでも、動作可能となっている。
【0041】
RAM24は、制御部1による処理結果(ナビゲーションによる道案内結果等)を記憶するものであり、ROM25は、ナビゲーション装置79を動作させるための制御プログラム等を記憶するものである。
【0042】
制御部1は、ナビゲーション装置79全体の動作制御等を行う中枢部分となっており、ナビゲーション装置79の各部材の駆動を有機的に制御して、ナビゲーション動作を統括制御するものである。
【0043】
例えば、制御部1は、位置センサー群19における速度検出部11からの車速信号、GPS測位部12からのGPS信号、ジャイロスコープ13からの位置信号、距離検出部14からの走行距離信号、および、地磁気検出部15からの進行方向信号等を一定時間毎(定期的に)に取り込み、車両の走行軌跡を検出するようになっている。
【0044】
また、この制御部1は、この走行軌跡に基づく未登録の道路をHDD22に記憶されているマップデータ上に新たに登録させるようにもなっている。そして、特に、制御部1は、新たに道路を登録させるときに、交差点の有無までも登録できるようになっている。
〔本発明のナビゲーション装置における道路登録工程について〕
ここで、上述した制御部1が、マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録する工程(方法)について、図1のフローチャートを用いて説明する。なお、フローチャートにおける各ステップをSと表記する。
【0045】
まず、ユーザーは、新道路登録を開始させる作図開始キー54aをONにする(S1)。すると、制御部1は、位置センサー群19からの信号から求められる走行軌跡をマップデータ上に登録(更新)し始める(S2)。
【0046】
そして、車両が交差点で曲がろうとするとき、ユーザーは、車両の曲がる方向と同方向に向けてウインカー31をONにする。すると、車内には、ウインカーがONになっていることを知らしめる報知音(ウインカー音)が響くようになっている。
【0047】
そこで、制御部1は、集音マイク6を用いて、このウインカー音を集音するようになっている。この集音により制御部1はウインカー31のONを検出する(〔方向指示検出工程〕;S3)。尚、この集音でウインカー音を検出しなければ、制御部1はウインカーがOFFであると判定する。また、ウインカー音であるか否かの判定は、所定の周期で判定してもよく、予め使用する車両のウインカー音を登録させ、これと比較させてもよい。
【0048】
そして、制御部1は、このウインカー音を集音したとき、スピーカー5を用いて、交差点の種類の選択を促す音声(例えば、「交差点の種類を選択してください。」)を発すると共に、モニター3上(図3参照)に交差点の種類を表示するようになっている(〔交差点種類報知工程〕;S4,S5)。
【0049】
このように、交差点の種類がモニター3上に表示されており、かつ、ウインカー31がOFFになるまでの間(S5〜S6の間;すなわちS6のNO)、例えば交差点をみつけて曲がろうとしたものの、交差点上で信号待ちをしているような間に、ユーザーがモニター3を参照して、交差点選択キー55で、交差点の種類を選択できる(〔交差点選択工程〕;S7のYES)。すると、制御部1は、選択された交差点をマップデータ上に登録させる(〔交差点登録工程〕;S8)。
【0050】
一方、S6にてYESの場合、例えば交差点をみつけて曲がろうとしたとき、交差点上
で信号待ちすることなく、スムーズに曲がりきった場合、その曲がりきった後に、ユーザーが、曲がった交差点の種類を、交差点選択キー55で選択するようになっている(〔交差点選択工程〕;S9のYES)
しかしながら、交差点を曲がった後も継続して運転が続行されている場合(例えば、次の交差点までが遠距離の場合)、交差点通過後にユーザーは交差点の種類を選択できない。そこで、制御部1は、タイマー7を用いて、ウインカー31のOFF後からの経過時間を計測させるようになっている(〔経過時間計測工程〕;S10)。
【0051】
そして、この経過計測時間が、例えば、予め制御部1内に記憶されている閾経過時間(およそ30秒)を超えるか否かについて比較する、すなわちタイムUPか否かについて判定する。(〔経過時間比較工程〕;S11)。そして、制御部1が、タイムUPと判定した場合(S11のYES)、交差点の種類を明確にしないものの、交差点が存在する旨のみをマップデータ上に登録させる(S8)。
【0052】
一方、タイムUPまでの間に(S11のNO)、ユーザーが、交差点選択キー55で曲がった交差点の種類を選択していると(〔交差点選択工程〕;S12のYES)、制御部1は、その選択された交差点をマップデータ上に登録する。
【0053】
なお、ユーザーが作図終了キー54bをONにすれば(S13のYES)、新道路登録は終了するが、作図終了キー54bがONされるまでは(S13のNO)、継続して新道路はマップデータ上に登録(更新)されるようになっている(S13→S2)。
〔マップデータ上に登録される交差点の一例〕
ここで、マップデータ上に登録される道路の一例について、図1・図3・図4を用いて説明する。
【0054】
図4(a)は、登録済みの登録道路Aから登録道路Bまでに至る未登録の道路(新道路C)ができており、ユーザーの車両が、この新道路Cをマップデータに登録するために、登録道路Aから新道路Cを経て登録道路Bまで向かおうとしている状態を示している。
【0055】
したがって、新道路Cは、まだ、マップデータ上には登録されていない(したがって、点線にて図示)し、ユーザーも登録道路Aから登録道路Bに向かう過程(すなわち新道路C)で6カ所(P1〜P6)も、曲がらなくてはならないことを認知していない。
【0056】
図4(b)は、新道路Cを走行した後に、各交差点がマップデータ上に登録されている状態を示している。そこで、以下に各交差点(P1〜P6)にて行われた登録について詳説する。
【0057】
まず、ユーザーが、新道路Cをみつけ、この道路を通ることで、マップデータ上に登録させようとする場合、作図開始キー54aをON(S1)にして走り出すようになる。そして、最初の交差点(曲がり角)を通過したとき、ユーザーが交差点の種類の選択を忘れていた、あるいは、車両の運転に集中せざるを得ず、交差点の種類を選択できなかった(S11→S8)。そのため、単純に交差点が存在することを示す「交」が登録される(P1参照)。
【0058】
次に、十字路が現れ、この十字路で信号待ちをしたので、ユーザーが交差点選択キー55を用いて「十字路」という交差点を選択すると(S7→S8)、P2に示すような十字路が登録される。なお、このとき十字路であることを示す「+」を同時に登録されるようにしてもよい。
【0059】
続いての交差点では、直進可能なT字路であったので、ウインカー31がOFFになった後、ユーザー自身が交差点選択キー55を用いて「T字路(直進可)」という交差点を選択すると(S12→S8)、P3に示すような直進可能なT字路が登録される。なお、このときT字路であることを示す「T」を同時に登録されるようにしてもよい(下記での同様に登録可能としている)。また、ウインカー31の音声情報のみでは、左折か右折かは判断できない。しかしながら、位置検出センサー群19に基づく位置情報の変化を利用して、ナビゲーション装置79は車両の左折・右折を判断するようになっている。
【0060】
次の交差点では、左右の曲がることはできるが直進不可能なT字路であったので、左折のウインカー31がOFFになった後、ユーザー自身が交差点選択キー55を用いて「T字路(直進不可)」という交差点を選択すると(S12→S8)、P4に示すような直進不可なT字路が登録される。
【0061】
次の交差点では、P4同様に、左右の曲がることはできるが直進不可能なT字路であったので、右折のウインカー31がOFFになった直後、ユーザーと同席していた友人が交差点選択キー55を用いて「T字路(直進不可)」という交差点を選択すると(S9→S8)、P5に示すような直進不可なT字路が登録される。
【0062】
そして、次の交差点は、交差点の種類例に挙げられていない三差路であったので、ユーザーは、その三差路での信号待ちの間に、ユーザーが交差点選択キー55を用いて「その他」という交差点を選択すると(S7→S8)、P6に示すような「交」が登録される。
【0063】
すると、マップデータ上には、図4(b)のように、交差点情報が付加された新道路Cが登録されるようになる。
〔本発明の種々有る特徴の一例について〕
以上のように、本発明のナビゲーション装置79は、上述したように、車両に備わるウインカー31の作動の有無(例えばウインカー音)を検出する集音マイク6が設けられている。そして、この集音マイク6によって、ウインカー31が作動したと検出された場合、制御部1が、マップデータ上に新たに登録する道路に交差点を登録するようになっている。
【0064】
このように、集音マイク6でウインカー31の作動の有無を検出するために、使用者は車両にウインカー31の作動の有無を検出するための配線を施す必要がない。尚、左折、右折の方向はナビゲーション機能の現在位置検出により知ることができる。
[その他の実施の形態]
この集音マイク6によるウインカー31の作動の検出の他の適用例を説明する。
【0065】
図6は交差点で方向指示器が操作されていないことを報知する動作を示すフローチャートである。交差点30m以内になっても、ウインカー音を検出しなかった場合は、まだ方向指示器が操作されていないことを音や表示で使用者に知らせる。
【0066】
図7は曲折した交差点を後方撮像して記録するフローチャートである。ウインカー音を検出し、このとき前方に交差点があれば、この交差点は曲折する交差点であると判断する。そして、ウインカー音を検出しなくなれば、この交差点を通過したものと判定して後方の交差点を撮像し、保存する。この撮像は帰路時に参考表示することができる。撮像は静止画像でもよく、動画でもよい。また、図8に示す如く、交差点から所定距離移動したときに撮像してもよく、ウインカー音を検出しなくなったときから所定距離移動したときに撮像してもよい。
【0067】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、種々の変更、適用が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0068】
本発明は、車両に搭載されるナビゲーション装置であって、マップデータに未登録の道路を新たに登録できるナビゲーション装置に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0069】
【図1】本発明のナビゲーション装置の新たな道路を登録する工程を示すフローチャートである。
【図2】本発明のナビゲーション装置の内部構成を示すブロック図である。
【図3】選択される交差点の種類の表示を示す説明図である。
【図4】本発明のナビゲーション装置によって作成される新道路を示す図である。
【図5】他の実施の形態(ウインカー操作忘れ報知)を示すフローチャートである。
【図6】他の実施の形態(後方の交差点撮像)を示すフローチャートである。
【図7】他の実施の形態(後方の交差点撮像)を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0070】
1 制御部
3 モニター(報知部、表示部)
4 スピーカー(報知部、放音部)
5 操作ボタン群(入力部、タッチ操作部)
6 集音マイク(方向指示検出部、集音部)
7 タイマー(経過時間計測部)
11 速度検出部
12 GPS測位部
13 ジャイロスコープ
14 距離検出部
15 地磁気検出部
19 位置検出センサー群(車両位置検出ユニット)
22 HDD(記憶部)
31 ウインカー(方向指示器)
54a 作図開始キー
54b 作図終了キー
55 交差点選択キー
79 ナビゲーション装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方向指示器のウインカー音を検出する検出手段と、
該検出手段の検出に基づいて方向指示器の操作のON/OFFを判定する判定手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
方向指示器のウインカー音を検出する検出手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、走行予定経路を記憶する記憶手段と、方向指示器が操作されていないことを報知する報知手段と、
前記記憶手段に記憶される走行予定経路を走行中に現在位置が曲折予定の交差点の所定距離以内になっても前記検出手段が前記ウインカー音を検出しなかったときに前記報知手段により方向指示器が操作されていないことを報知させる制御手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
方向指示器のウインカー音を検出する検出手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、後方を撮像する撮像手段と、
前記検出手段の検出と前記現在位置検出手段の検出に基づいて交差点の曲折を判定し、その後方向指示器の操作がONからOFFに戻ったときに前記撮像手段により後方の交差点を撮像させる制御手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
方向指示器のウインカー音を検出する検出手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、後方を撮像する撮像手段と、
前記検出手段の検出と前記現在位置検出手段の検出に基づいて交差点の曲折を判定し、曲折した交差点から所定距離走行したときにあるいは方向指示器の操作がONからOFFに戻ったときから所定距離走行したときに前記撮像手段により後方の交差点を撮像させる制御手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
方向指示器のウインカー音を検出する検出手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記検出手段の検出に基づいて方向指示器の操作のON/OFFを判定し、前記現在位置検出手段の検出に基づいて曲折方向を判定する判定手段とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
方向指示器のウインカー音を検出する検出手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、該現在位置検出手段に基づく走行軌跡により新たな道路を作成する道路作成手段とを備え、
前記道路作成手段は、前記検出手段の検出と前記現在位置検出手段の検出に基づいて交差点の有無を判定し、新たな道路に交差点を登録することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
前記道路作成手段は、交差点の通過後に前記現在位置検出手段の検出に基づいて交差点の曲折方向を判定することを特徴とする請求項6に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−221362(P2006−221362A)
【公開日】平成18年8月24日(2006.8.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−33340(P2005−33340)
【出願日】平成17年2月9日(2005.2.9)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】