説明

ナビゲーション装置

【課題】
決まった曜日、決まった時間帯、決まった目的地に出かけていく場合に登録地リストに予め登録しておいた登録地リストを呼び出して登録地を表示させ、そのリストから所望の登録地を選択しなければならないので登録した地点が多ければ多いほど操作が増え煩わしい課題があった。
【解決手段】
現在の時刻情報を曜日及び時間帯を示す時間帯コードに変換し、新たに目的地が設定されると現在の前記時間帯コードを基に予め決められた時間帯コード毎に目的地の設定回数を記憶し、目的地の設定回数が所定回数を超えると目的地及び時間帯コードを特異設定地点として記憶し、ナビゲーション装置が起動された際の現在の時間帯コードを基に目的地を検索して現在の時間帯コードに対応する特異設定地点が存在するときはこの目的地を新たな目的地として経路を探索するもので所定の条件下で頻繁に出かけていく場所を自動的に目的地に設定して経路探索を行なうことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば自動車に搭載される、或いは操作者に携帯して持ち運ばれる移動体のナビゲーション装置に係り、特に指定した場所への経路探索を行なう新規な経路探索機能を備えたナビゲーション装置に関するものである。尚、本発明は移動体のナビゲーション装置であるが、説明の便宜上自動車の例について説明する。
【背景技術】
【0002】
一般の自動車に搭載されたナビゲーション装置においては、GPS衛星からのGPS信号、ジャイロセンサからのジャイロ信号、車速センサからの車速パルス信号等を取得して現在の自動車の位置(緯度経度で示される座標値)や自動車の進行方向、走行速度などを算出し、DVD-ROMやハードディスク等の記録媒体に格納されている道路データ等を含む地図データを検索して現在の自動車位置(座標)を含む地図データを読み出し、この読み出した地図データに基づいて自動車の位置を示す三角形のアイコンが所定の位置にくるように地図と自車位置マークをナビゲーション装置の表示画面上に表示するようになっている。
【0003】
また、この他にナビゲーション装置の主な機能としては、目的地となる地点の検索や、この目的地までの経路の探索及びこの経路に沿った音声等による誘導案内等がある。
そして、操作者によりこの目的地として設定した地点や地図上で指定した任意の地点をリスト化して所定数だけ登録しておく登録地リストを作成することができ、目的地を設定する際にその登録地リストの中から該当する目的地を選択して設定できるようになっている。尚、最近ではこうした登録地点の特殊な地点として自宅の位置を別途登録しておくことができ、簡単な操作で経路探索や経路誘導を行なえる装置も提案されてきている。
【特許文献1】特開平10−267682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、決まった曜日の決まった時間帯に決まった目的地(いわゆる特異目的地)に出かけていくような場合でもこうした登録地リストに予め登録しておいた場所から目的地として設定する為にはいちいちメニューから登録地リストを呼び出して表示させ、その中から所望の登録地を選択しなければならないので登録した地点が多ければ多いほどこうした操作が増え煩わしいものであった。
【0005】
一方、特異目的地なので何度も利用していて良く知っている道路だからといって登録地リストの目的地に設定しないでおくと、経路上に渋滞等の交通障害が発生した場合に交通障害区間を避ける迂回路を設定しようとしても登録地リストに目的地が登録されていないため施設検索、住所検索及び電話番号検索等の操作のための入力作業が必要となり非常に手間がかかってしまうという現象も生じていた。
【0006】
また、特開平10−267682号公報(特許文献1)では、必ず戻ってくるであろう場所(一般に回帰地点と呼ばれている。)を設定しておき、目的地が特に設定されていない場合などにその回帰地点を目的地として自動で設定するものも提案されているが、自宅など特定の場所に限られており使い勝手が悪いという課題があった。
【0007】
このような点に鑑み、本発明の目的は決まった曜日の決まった時間帯に決まった目的地に出かけるといった、或いは最終の目的地となる地点が最も多い目的地が頻繁に出かける目的地と定義するといったような所定の条件下で頻繁に出かけていく場所を自動的に目的地に設定して経路探索を行なうナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1の特徴は、
現在の時刻情報を曜日及び時間帯を示す時間帯コードに変換し、新たに目的地が設定されると現在の前記時間帯コードを基に予め決められた時間帯コード毎に目的地の設定回数を記憶し、目的地の設定回数が所定回数を超えると目的地及び時間帯コードを特異設定地点として記憶し、ナビゲーション装置が起動された際の現在の時間帯コードを基に目的地を検索して現在の時間帯コードに対応する目的地が存在するときはこの目的地を新たな目的地として設定して経路を探索するものである。
【0009】
本発明の第2の特徴は、
現在の時刻情報を曜日及び時間帯を示す時間帯コードに変換し、ナビゲーション装置が起動された起動時刻に対応する予め決められた時間帯コードを記憶し、車両のキーオフに連動して現在地の地点位置情報を起動時間帯コード毎に分類して記憶し、ナビゲーション装置が起動された際の時間帯コードを基に最も多く記憶されている地点位置情報を検索し、現在の時間帯コードに対応する地点位置情報が存在する時はこの地点を新たな目的地として設定して経路を探索するものである。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したような手段を備えることにより、面倒な操作を行なうことなく特定の目的地が設定されるとともに、目的地まで向かう途中で交通障害があって経路から外れた場合でも迅速に自動的に目的地までの別の経路を再探索することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下に本発明の一実施例を図面に基づき詳細に説明するが、以下に説明する実施例に限られることなく本発明は種々の変形、応用ができることは言うまでもない。
【実施例1】
【0012】
まず、本発明になる自動車に搭載する形式のナビゲーション装置の内部構成例について図1を用いて説明する。
ナビゲーション装置1は演算処理部10、外部記憶装置20、センサ部30、表示部40、外部情報受信部50、入出力部60等から構成されている。
【0013】
演算処理部10はCPU(Central Processing Unit)11、Flash ROM(Read Only Memory) からなる記憶装置12、DRAM(Dynamic Random Access Memory)13から構成されている。もちろん演算処理部10を構成する要素はこれら以外にもあるが、本発明の説明に関連のない構成要素の図示は省略してある。
【0014】
CPU11は後述するアプリケーションプログラムを実行するほか種々の演算をするために用いられる。
例えばセンサ部30からの信号を所定のロジックに従って演算したり、GPS(Global Positioning System)信号受信部51からの情報に基づいて車両の現在位置を算出し、算出した現在位置情報から表示に必要な地図情報を外部記憶装置20から読み出して現在位置としての自車位置マークと共に表示部40に表示する機能を有している。
また、CPU11はユーザにより任意に指定された2地点間の距離を後述のデータベースに格納された指定地点の座標値データから算出する処理も行なうことができる。
【0015】
記憶装置12はナビゲーション装置1の各種機能のアプリケーションプログラムやその演算に必要なデータなどを記憶しておくもので、ここではFlash ROM12を用いているがこれと同等の機能を有するEPROM等であってもよい。
DRAM13は処理中の作業エリアとして使用したり、地図データなどを一時記憶したりするために用いられるもので、地図情報や演算データ、起動時間の時間帯情報等を記憶したりするものである。
【0016】
外部記憶装置20は地図データ、道路種別、道路データを構成するノードやリンク構成情報等の経路計算用道路データ、座標値、電話番号、住所等の施設情報等のナビゲーション処理に必要な情報をデータベースとして構築している。
そして、外部記憶装置20は前述した情報を記憶しているDVD(Digital Versatile Disk)23が挿入されるDVDドライブ21及びハードディスク装置22の組み合わせで構成されている。
尚、後述する目的地設定履歴や特異設定地点情報及び最終到達地点情報等はこのハードディスク装置22に更新記録されるように構成されている。
【0017】
センサ部30は方位センサ31、ジャイロ32を備えており、方位センサ31は地球が有している磁場を検出して自動車の向きを検出し、また、ジャイロ32は光ファイバジャイロや振動ジャイロ等が用いられ、自動車が回転した角度を検出するものである。
これらの方位センサ31及びジャイロ32の検出信号はアナログーディジタル変換器(A/D)34によりディジタル信号に変換されて内部バス70を介して演算処理部10に送られる。
【0018】
また、センサ部30は車輪速センサ33を備えており、車輪速センサ33は車輪の回転に伴って出力されるパルス信号をカウンタ35により計数することにより自動車の走行距離信号を検出し、この走行距離信号は同様に内部バス70を介して演算処理部10に送られる。
【0019】
GPS信号受信部51はGPSアンテナ54を介してGPS衛星からの信号を受信し、自動車と衛星との間の距離および距離の変化率を測定することにより、自動車の現在位置、進行方向および進行方位を測定するもので、これらの測定データはSCI(Serial Communication Interface)53から内部バス70を介して演算部10に送られる。
【0020】
更にFM情報受信部52はFM多重受信機55を介してFM放送に重畳されているVICS情報を定期的に受信し、渋滞情報や交通規制及び交通事故発生情報等の交通情報を取り込みSCI53から内部バス70を介して演算部10に送られる。これらの交通情報は地図情報と共に表示部40で表示されるものである。
【0021】
表示部40は表示ドライバ41、コントローラ43、バッファ44等よりなる表示制御手段及び液晶パネル42から構成され、内部バス70を介して演算処理部10から送られてくるデータをバッファ44に格納し、これに基づいて表示装置42に地図、誘導ルート、自車位置などを表示させるものである。
【0022】
また、コントローラ43は液晶パネル42に設置されたタッチパネル45に設けられた多数のタッチセンサーからの信号を受けてユーザの指等で押された位置を検出する処理も行なっており、検出した位置に関する情報は割込みをかけてCPU11に送るようになっている。
【0023】
入出力部60はユーザによる指示を受け付けるハードスイッチやジョグスイッチなどで構成されるKey PAD62、ユーザの操作するリモコン65からの光信号を受信するリモコン受光部61、演算処理部10が生成したユーザへのメッセージをスピーカ(SP)66で音声信号に変換すると共にマイク68を介して入力される音声信号を取り込んで信号変換するCODEC63等により構成されている。
これらはPIO(Port Input/Output)64及び内部バス70を介して演算処理部10とデータのやり取りを実行する。
【0024】
先ず、図2は本実施例における時間帯情報を示したもので、時間帯情報(以後、時間帯コードと称する。)は平日と休日の2つの分類に分けられ、更に一日の時間帯は6時〜12時、12時〜16時、16時〜19時及び19時〜の4つの時間帯に分けられ、それぞれ6ビットのコードで表されるように構成されている。
尚、これらはハードディスク装置22に設けた所定の格納領域に記憶されており、この時間帯の分類はこれに限られず任意に変更可能である。
【0025】
そして、6ビットのコードは具体的には、最上位ビットは月曜日から金曜日で構成される平日と、土曜日と日曜日で構成される休日を区別する為に使用され、平日を“0”と定義し、“休日を“1”と定義されている。
【0026】
真中の3ビットは曜日順に割り付けていて、例えば月曜日は“000”と定義され、金曜日は“100” と定義され、土曜日は“000” と定義され、日曜日は“001”と定義されている。
【0027】
更に上述したように1日を4区分の時間帯に分けて下位2ビットを割り付けており、最も早い6時〜12時は“00”と定義され、以下12時〜16時は“01” と定義され、16時〜19時は“10” と定義され、19時〜は“11”と定義されている。
【0028】
次に、本発明のナビゲーション装置における一連の処理動作の中で目的地の設定履歴を作成する処理動作について図3及び図4を用いて詳細に説明する。
【0029】
図3は目的地として設定された地点を時間帯別に分類する目的地設定履歴のイメージを目的地設定履歴表として表したものであり、一番左列が目的地に設定された登録地点の名称を示し、表中の時間帯区分の下側に記載されている数値は目的地として設定された設定回数を示している。ここで、時間帯区分は図2に示されている時間帯コードに対応している。
【0030】
例えば、AA商事の場合には時間帯コード“000000”に対応する時間帯、つまり月曜日の午前中の6時〜12時の間に目的地として22回だけ設定されたことを示しており、また、例えばCCゴルフ場の場合には時間帯コード“100100”に対応する時間帯、つまり日曜日の午前中の6時〜12時の間に目的地として8回だけ設定されたことを示している。尚、設定回数値はその地点が新たに目的地として設定される度に更新されていくようになっており、この設定履歴はハードディスク装置22内に設けた所定の格納領域に格納されている。
【0031】
次に目的地の設定履歴を作成していく処理動作について図4を用いて詳細に説明すると、まずタッチセンサーによって操作者により目的地の設定要求がなされるとCPU11は図4で定義される目的地設定処理のための割り込み処理タスクを起動する。
【0032】
この目的地設定処理が起動されると、ステップ102(以下ステップをSと表記する。)で設定要求が発生した現在の時刻情報から図2に示すような時間帯コードを作成する。
そして、S104に進んで図3に示す目的地設定履歴表を参照して、この時間帯コードに該当する部分に目的地が登録されているかどうか判定する。
【0033】
S104の判定で今回の登録地点が目的地として既に登録されていれば(“Y”の場合)、S106に進んで対応する時間帯コードにおける設定回数値を1だけ増やし、一方、S104で登録されていないと判断されれば(“N”の場合)、S108に進んで新規に今回の登録地点を登録するとともに、該当する時間帯に設定回数値として1を格納する。
【0034】
その後、S110に進んで設定回数値が所定回数(例えば30回)を越えたかどうか判定し、設定回数が所定回数を越えない(“N”の場合)には経路探索処理S114に進んで現在の位置から今回設定された目的地までの経路探索及び誘導情報の作成処理を行なう。
【0035】
一方、S110で所定回数を越えたと判断された場合(“Y”の場合)にはS112に進んで、この目的地となる地点を特異設定地点として時間帯コードとともにハードディスク装置22内の設定履歴とは別に設けられた特異設定地点登録領域に格納する。このように特異設定地点は“決まった曜日”の“決まった時間帯”に出かける“決まった目的地”と定義される。
【0036】
その後、S114に進んで現在の位置から今回設定された目的地までの経路探索及び誘導情報の作成処理を行なう。尚、従来は目的地が設定されると予め設定された探索条件に基づいてS114の経路探索等の処理にすぐに移行するようになっていた。
【0037】
次に、本発明のナビゲーション装置における起動時の目的地自動設定処理について図5及び図6を用いて説明する。
【0038】
ナビゲーション装置が起動或いはリセットされると、S200で初期設定処理の中で起動時間帯設定フラグを“1”にセットする。その後、S202に進んでイベント割り込みが発生したかどうかを判定するが、その一つとして今回の場合ではGPS信号受信部51を介してGPS衛星からの信号を受信したかどうかを判定し、受信していない場合(“無”の場合)は再びGPS衛星からの信号を監視する。
一方、S202でGPS衛星からの信号を受信してイベント割り込みが発生したと判断すると(“有”の場合)、S204に進んでどのような種類の割り込みか種別を判定し、今回はGPS信号による割り込みであるので図6に示すGPS信号割り込み処理に移行する。
【0039】
上述のように図5に示す処理動作の中でGPS衛星からの信号を受信してGPS信号割り込みが発生すると図6のGPS信号割り込み処理が起動される。
図6において、S212で図5のS200でセットされた起動時間帯設定フラグのセット有無をチェックし、起動時間帯設定フラグがセットされていなければ(“0”の場合)、S214に進んで時間帯コードを生成せずにGPS信号から自車位置の算出処理を行なう。
【0040】
次に、自車位置の算出処理が終了するとS216に進んでS214で求められた自車位置情報を基に外部記憶装置20から表示すべき地図データを読み出し、この地図データと自車位置を示す自車位置マークの座標を表示部40に送って表示画面上に地図と自車位置マークを表示して割り込み処理を終了する。
【0041】
一方、S212で起動時間帯設定フラグが“1”にセットされていれば(“1”の場合)、S220に進んでGPS衛星からの信号に含まれる時刻情報から時間帯コードを作成してDRAM13に一時格納する。
【0042】
次にS222に進み、ハードディスク装置22内の特異設定地点登録領域に今回作成された時間帯コードに対応する特異設定地点が登録されているかどうか判断する。
S222の判断で特異設定地点が登録されているならば(“有”の場合)、S226に進み起動時間帯設定フラグをリセットした後、S228に進んで特異設定地点を新たな目的地に設定して経路探索処理を行ないDRAM13に記憶させる。この後必要に応じて表示画面45に探索された経路情報を地図上に表示すれば目的地までの経路を操作者に示すことができる。その後、図5のGPS信号受信の割り込みを待ち受ける状態に移行する。
【0043】
また、S222の判断で特異設定地点が登録されていないならば(“無”の場合)、S224に進んで起動時間帯設定フラグをリセットして割り込み処理を終了し、図5のGPS信号受信の割り込みを待ち受ける状態に移行する。
【0044】
以上説明したように、決まった曜日の決まった時間帯に決まった目的地に出かけるといった所定の条件下で頻繁に出かけていく場所を自動的に目的地に設定して経路探索を行なうことができるようになる。
【実施例2】
【0045】
以上説明した実施例1では、図3にあるように目的地に設定した地点と設定された時刻に相当する時間帯コードの組み合わせで特異設定地点を登録するようにしたが、別の実施例として車両のキーがオフされた最終地点と車両のキーがオンされた時間帯情報を組み合わせてその履歴を登録していくようにしても同様の効果を得ることができるものである。
この場合も実施例1と同様に、最終地点の設定回数が所定設定回数に達した場合に特異設定地点の1つとして別途登録しておくことで同様な処理を実行できるものである。
【0046】
以下、ナビゲーション装置における実施例2の処理動作について図7を用いて説明するが、ナビゲーション装置の立ち上がり時に目的地を設定する処理については実施例1と同じなので説明は省略する。
【0047】
図7に示す処理動作は車両キーのオフ時の処理であり、車両キーがオフされると到達地履歴更新処理として起動されるものである。
まず、S302においてDRAM13内の所定領域に一時記憶しておいた、ナビゲーション装置が起動する起動時刻に対応するGPS衛星からの信号で得られた時刻情報を曜日及び時間帯を示す時間帯コードと現在の自車位置情報を読み出す。
【0048】
そして、S304に進んで図3に示すような目的地設定履歴表と同様の考え方で作成された最終地点履歴表を参照して、この時間帯コードに該当する部分に今回の最終地点が登録されているかどうか判定する。
【0049】
S304の判定で今回の最終地点が最終地点履歴表に既に登録されていれば(“Y”の場合)、S306に進んで対応する時間帯コードにおける設定回数値を1だけ増やし、一方、S304で登録されていないと判断されれば(“N”の場合)、S308に進んで新規に今回の登録地点を登録するとともに、該当する時間帯に設定回数値として1を格納する。
【0050】
その後、S310に進んで設定回数値が所定回数(例えば30回)を越えたかどうか判定し、設定回数が所定回数を越えない(“N”の場合)には車両キーのオフ時の対応処理に進みナビゲーション装置の電源を遮断する。
【0051】
一方、S310で所定回数を越えたと判断された場合(“Y”の場合)にはS312に進んで、この最終地点を特異設定地点として時間帯コードとともにハードディスク装置22内の設定履歴とは別に設けられた特異設定地点登録領域に格納する。このように特異設定地点はもっとも頻繁に出かける最終の目的地と定義される。その後、車両キーのオフ時の対応処理に進みナビゲーション装置の電源を遮断する。
そして、特異設定地点が登録された後は図5及び図6に示した処理動作にしたがって特異設定地点が目的地として設定されて経路案内されるようになる。
【0052】
以上説明したように、最も頻繁に出かける最終地点が最も頻繁に出かける特異設定地点と定義され、このような所定の条件下で頻繁に出かけていく場所を自動的に目的地に設定して経路探索を行なうことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の一実施例であるナビゲーション装置の内部構成を説明する図である。
【図2】本発明の一実施例であるナビゲーション装置における時間帯情報の生成方法を説明する図である。
【図3】本発明の一実施例のナビゲーション装置における目的地設定履歴を示す表について説明する図である。
【図4】本発明の一実施例のナビゲーション装置における目的地設定履歴を作成する処理を説明するフローチャート図である。
【図5】本発明の一実施例であるナビゲーション装置における起動時の処理を説明するフローチャート図である。
【図6】本発明の一実施例であるナビゲーション装置における目的地自動設定処理を説明するフローチャート図である。
【図7】本発明の別の実施例であるナビゲーション装置における目的地自動設定処理を説明するフローチャート図である。
【符号の説明】
【0054】
1:ナビゲーション装置、10:演算処理部、11:CPU、12:Flash ROM、13:DRAM、20:外部記憶装置、21:DVDドライブ、22:ハードディスク装置、30:センサ部、40:表示部、51:GPS信号受信部、52:交通情報受信部、60:入出力部、70:バス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データや道路データ等のナビゲーション処理に必要な情報等が記憶されている記憶手段と、少なくとも現在の位置を検出して現在の位置周辺の地図を前記記憶手段から検索し、検索された地図上に前記現在の位置を重ねて表示画面上に表示する制御手段とを備えたナビゲーション装置において、前記制御手段は
新たに目的地が設定される毎に、曜日を含む設定時間帯毎に設定回数を計数して前記設定回数が所定値を超えると特異設定地点として登録する機能と、
ナビゲーション装置が起動された際の現在の時間帯を基に前記特異設定地点を検索し、前記現在の時間帯に対応する特異設定地点が存在するときに新たな目的地として経路を探索する機能と
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
地図データや道路データ等のナビゲーション処理に必要な情報等が記憶されている記憶手段と、少なくとも現在の位置を検出して現在の位置周辺の地図を前記記憶手段から検索し、探索された地図上に前記現在の位置を重ねて表示画面上に表示する制御手段とを備えたナビゲーション装置において、前記制御手段は
現在の時刻情報を曜日及び一日の時間帯を示す時間帯コードに変換する時間帯情報生成手段と、
新たに目的地が設定されると現在の前記記時間帯コードを基に予め決められた時間帯コード毎に前記目的地の設定回数を記憶する目的地設定履歴記憶手段と、
前記目的地設定履歴記憶手段に記憶された前記目的地の設定回数が所定回数を超えると前記目的地及び前記時間帯コードを特異設定地点として記憶する特異設定地点記憶手段と、
ナビゲーション装置が起動された際の現在の時間帯コードを基に前記特異設定地点記憶手段に記憶されている目的地を検索し、前記現在の時間帯コードに対応する目的地が存在するときはこの目的地を新たな目的地として経路を探索する目的地経路探索手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
地図データや道路データ等のナビゲーション処理に必要な情報等が記憶されている記憶手段と、少なくとも現在の位置を検出して現在の位置周辺の地図を前記記憶手段から検索し、探索された地図上に前記現在の位置を重ねて表示画面上に表示する制御手段とを備えたナビゲーション装置において、前記制御手段は
車両のキーオフに連動して現在の最終地点位置情報をキーオフされる前のナビゲーション装置の起動時間帯毎に分類して記憶する機能と
前記ナビゲーション装置が起動された際の時間帯を基に最も多く記憶されている最終地点位置情報を検索し、現在の時間帯に対応する最終地点位置情報が存在する時はこの地点を新たな目的地として経路を探索する機能と
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
地図データや道路データ等のナビゲーション処理に必要な情報等が記憶されている記憶手段と、少なくとも現在の位置を検出して現在の位置周辺の地図を前記記憶手段から検索し、探索された地図上に前記現在の位置を重ねて表示画面上に表示する制御手段とを備えたナビゲーション装置において、
前記制御手段は
現在の時刻情報を曜日及び一日の時間帯を示す時間帯コードに変換する時間帯情報生成手段と、
前記ナビゲーション装置が起動された起動時刻に対応する予め決められた時間帯コードを記憶する起動時間帯記憶手段と、
車両のキーオフに連動して現在地の地点位置情報を前記起動時間帯記憶手段に記憶されている起動時間帯コード毎に分類して記憶する時間帯別最終地点記憶手段と、
前記ナビゲーション装置が起動された際に前記時間帯情報生成手段より得られた時間帯コードを基に前記時間帯別最終地点記憶手段に最も多く記憶されている地点位置情報を検索し、現在の時間帯コードに対応する地点位置情報が存在する時はこの地点を新たな目的地として設定して経路を探索する目的地経路探索手段と
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−226821(P2006−226821A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−40723(P2005−40723)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(501348139)株式会社 エイチ・シー・エックス (86)
【Fターム(参考)】