説明

ナビゲーション装置

【課題】 最適な経路案内をより高い精度で実現することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 制御装置6は、分岐点に近づくと、交通情報受信装置4を介して受信した道路交通情報通信システムの交通情報から部分経路及び迂回経路の交通状態を求める。制御装置6は、この求めた部分経路及び迂回経路の両交通状態のパターンと同じ又は近似するパターンの交通状態の部分経路情報及び迂回経路情報をそれぞれ部分経路情報記憶部11及び迂回経路情報記憶部12から読み出す。制御装置6は、読み出した部分経路情報及び迂回経路情報からそれぞれ第1所要時間と第2所要時間を読み出し表示部2aに表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、目的地までの経路を表示しその時々で的確に案内表示して車両の移動を容易にすることからその利用が益々増大している。そして、ナビゲーション装置にあって、過去一度でも通った経路を記憶しておき、次の新たな案内経路の探索時や、迂回経路の探索時に利用することができるナビゲーション装置が提案されている(例えば、特許文献1)。このナビゲーション装置は、例えば、途中で過去に通った経路を選択してその経路を利用して目的地を設定することができる。
【特許文献1】特開平9−178501号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、案内経路に従って走行中に、行く先が渋滞という交通情報を外部(例えば道路交通情報通信システム)から取得したとき、そこを回避するために、渋滞手前の分岐点から外れて、渋滞ルートを回避して再び先の案内経路に合流する迂回経路が探索される。しかし、探索された迂回経路は、スムーズに目的地に到達するとは限らなかった。例えば、渋滞を回避するために、迂回経路に逃げてくる車が多くかえって時間を要する場合である。
【0004】
前記特許文献1のナビゲーション装置においても、過去に通った経路を迂回経路として選択しても、そのときの行く先の交通状態に対する迂回経路の交通状態はわからないため、スムーズに目的地に到達するとは限らない。
【0005】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、最適な経路案内をより高い精度で実現することができるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、第1地点から第2地点を結ぶ複数の経路の各々について、走行した経路の所要時間とその経路を走行するときの該経路と他の経路に対するそれぞれの交通状態とからなる経路情報をそれぞれ記憶した経路情報記憶手段と、前記第1地点から第2地点に走行するとき、そのときの各経路に対するそれぞれの交通状態のパターンと同じ又は近似するパターンを持つ交通状態の経路情報を、前記各経路の各々について前記経路情報記憶手段から読み出し、その読み出した各経路の経路情報中の所要時間をそれぞれ出力する制御手段とを有する。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、外部システムからの交通情報を受信する受信手段を備え、前記制御手段は、その受信手段が受信した交通情報からそのときの各経路に対するそれぞれの交通状態を判断し、前記同じ又は近似するパターンを持つ交通状態の経路情報を前記経路情報記憶手段から読み出すようにした。
【0008】
請求項3の発明は、第1地点から第2地点を結ぶ複数の経路の各々について、走行した経路の所要時間とその経路を走行するときの該経路と他の経路に対するそれぞれの交通状態とからなる経路情報を走行する毎に作成する経路情報作成手段と、前記経路情報作成手段が作成した経路情報を各経路毎に記憶した経路情報記憶手段とを有する。
【0009】
請求項4の発明は、請求項3に記載のナビゲーション装置において、外部システムからの交通情報を受信する受信手段を備え、前記経路情報作成手段は、その受信手段が受信した交通情報からそのときの各経路に対するそれぞれの交通状態を求めて、前記経路情報を走行する毎に作成するようにした。
【0010】
請求項5の発明は、探索した目的地までの案内経路の案内途中で、前記案内経路から外れたとき、その外れた前記案内経路上の分岐点から分岐して再び案内経路上の合流点に合流する迂回経路を探索するナビゲーション装置において、外部システムから、前記分岐点から前記合流点までの前記案内経路上の部分経路とその部分経路に対する迂回経路の交通状態を受信する受信手段と、前記部分経路を走行する毎に求められた、その第1所要時間とそのときの前記部分経路及び前記迂回経路の両交通状態とからなる該部分経路に対する部分経路情報を記憶した部分経路情報記憶部と、前記迂回経路を走行する毎に求められた、その第2所要時間とそのときの前記部分経路及び前記迂回経路の両交通状態とからなる該迂回経路に対する迂回経路情報を記憶した迂回経路情報記憶部と、前記分岐点に到達するとき、そのときの前記部分経路と前記迂回経路の両交通状態のパターンと同じ又は近似するパターンの交通状態の部分経路情報と迂回経路情報を部分経路情報記憶部及び迂回経路情報記憶部からそれぞれ読み出し、読み出した部分経路情報と迂回経路情報の第1所要時間と第2所要時間の少なくともいずれか一方の所要時間または経路を表示部に出力する制御手段とを有する。
【0011】
請求項6の発明は、請求項5に記載のナビゲーション装置において、前記部分経路を走行するのに要した前記第1所要時間を求めるとともに、前記部分経路を走行するときの前記部分経路と前記迂回経路の両交通状態を求め、その第1所要時間とその両交通状態とからなる前記部分経路情報を作成し、前記部分経路情報記憶部に記憶する部分経路情報作成手段と、前記迂回経路を走行するのに要した第2所要時間を求めるとともに、前記迂回経路を走行するときの前記部分経路と前記迂回経路の両交通状態を求め、その第2所要時間とその両交通状態とからなる前記迂回経路情報を作成し、前記迂回経路情報記憶部に記憶する迂回経路情報作成手段とを有する。
【0012】
請求項7の発明は、外部システムからの交通状態を受信する受信手段と、案内経路上の分岐点から外れて再び前記案内経路の合流点に合流する迂回経路を探索する迂回経路探索手段と、前記分岐点に到達するときに、前記分岐点から前記合流点までの前記案内経路上の部分経路と前記迂回経路探索手段にて探索された前記迂回経路の両交通状態を求めるとともに、前記部分経路を使って走行したとき、その部分経路での第1所要時間を求め、その第1所要時間と前記部分経路及び迂回経路の両交通状態とから部分経路情報を作成する部分経路情報作成手段と、前記部分経路情報作成手段が作成した部分経路情報を記憶する部分経路情報記憶部と、前記分岐点に到達するときに、前記部分経路と前記迂回経路の両交通状態を求めるとともに、前記迂回経路を使って走行したとき、その迂回経路での第2所要時間を求め、その第2所要時間と前記部分経路及び迂回経路の両交通状態とから迂回経路情報を作成する迂回経路情報作成手段と前記部分経路情報作成手段が作成した迂回経路情報を記憶する迂回経路情報記憶部とを有する。
【0013】
請求項8の発明は、外部システムからの交通状態を受信する受信手段と、案内経路上の分岐点から外れたとき、前記分岐点につながる複数の経路の交通状態を取得して、前記分岐点から外れ再び前記案内経路の合流点に合流したとき、その迂回経路に対する交通状態と前記迂回経路に対するその分岐点から合流点まで案内経路上の部分経路に対する交通状態を、前記取得した複数の経路の交通状態からそれぞれ求め、その求めた両交通状態とその迂回経路を走行したときの第2所要時間とで迂回経路情報を作成する迂回経路情報作成手段と、前記迂回経路情報作成手段が作成した迂回経路情報を記憶する迂回経路情報記憶部とを有する。
【発明の効果】
【0014】
請求項1の発明によれば、経路情報記憶手段には、各経路に対する経路情報にそのときの各経路の交通状態のパターンが記憶されている。制御手段は、第1地点から第2地点に走行するとき、そのときの各経路の交通状態のパターンと、同じ又は近似するパターンの経路情報を、各経路の各々について経路情報記憶手段から読み出す。従って、読み出された各経路の経路情報の所要時間は、いまから第1地点から第2地点に走行するときの各経路の交通状態のパターンと同じ又は近似する条件での所要時間となる。その結果、例えば、現在の各経路の交通状態でどの経路を選択すれば、最も早く第2地点に到着するか高い精度で知ることができることから、最適な経路案内をより高い精度で実現することができる。
【0015】
請求項2の発明によれば、制御手段は、第1地点から第2地点に走行するとき、受信手段を介して受信した外部システムからの交通情報に基づいてそのときの各経路に対するそれぞれの交通状態を求めることができる。
【0016】
請求項3の発明によれば、経路情報作成手段は、第1地点から第2地点を結ぶ複数の経路の一つを走行すると、そのときの各経路の交通状態とその走行した経路の所要時間とからなるその走行した経路に対する経路情報を作成し、経路情報記憶手段に記憶する。従って、経路情報記憶手段に記憶される各経路に対する経路情報を使用することによって、例えば、現在の各経路の交通状態でどの経路を選択すれば、最も早く第2地点に到着するか高い精度で知ることができ、最適な経路案内を実現することができる。
【0017】
請求項4に記載の発明によれば、経路情報作成手段は、第1地点から第2地点に走行して経路情報を作成するとき、受信手段を介して受信する外部システムからの交通情報に基づいてそのときの各経路に対するそれぞれの交通状態を求めることができる。
【0018】
請求項5の発明によれば、制御手段は、前記分岐点に到達するとき、そのときの部分経路と迂回経路の交通状態のパターンと、同じ又は近似するパターンの経路情報を、部分経路情報記憶部の部分経路情報と、迂回経路情報記憶部の迂回経路情報とからそれぞれ読み出す。この、読み出された部分経路情報の第1所要時間と迂回経路情報の第2所要時間は、いまから分岐点から合流点まで走行するときの部分経路と迂回経路の交通状態のパターンとそれぞれ同じ又は近似する条件での所要時間となる。その結果、例えば、現在の部分経路及び迂回経路の両交通状態ではどの経路を選択すれば、最も早く第2地点に到着するか高い精度で知ることができことから、最適な経路案内をより高い精度で実現することができる。
【0019】
請求項6の発明によれば、部分経路情報作成手段は、部分経路を走行する毎に第1所要時間を求めるとともに、部分経路を走行するときの部分経路と迂回経路の両交通状態を求めて部分経路情報を作成して部分経路情報記憶部に記憶する。迂回経路情報作成手段は、迂回経路を走行する毎に第2所要時間を求めるとともに、迂回経路を走行するときの部分経路と迂回経路の両交通状態を求めて迂回経路情報を作成して迂回経路情報記憶部に記憶する。従って、走行する毎の新たな部分経路情報又は迂回経路情報が作成され記憶されることから、より精度の高い経路案内が実現できる。
【0020】
請求項7の発明によれば、迂回経路探索手段は、案内経路上の分岐点から外れて再び前記案内経路の合流点に合流する迂回経路を探索する。そして、部分経路情報作成手段は、分岐点に到達するときに、部分経路と迂回経路探索手段にて探索された迂回経路の両交通状態を求めるとともに、部分経路を使って走行したとき、その部分経路での第1所要時間を求めて部分経路情報を作成して部分経路情報記憶部に記憶する。また、迂回経路情報作
成手段は、分岐点に到達するときに、部分経路と迂回経路の両交通状態を求めるとともに、迂回経路を使って走行したとき、その迂回経路での第2所要時間を求めて迂回経路情報を作成して迂回経路情報記憶部に記憶する。従って、走行する毎に、迂回経路が探索され、しかも、それに基づいて新たな部分経路情報又は迂回経路情報が作成され記憶されることから、より精度の高い経路案内が実現できる。
【0021】
請求項8の発明によれば、部分経路情報作成手段は、案内経路上の分岐点から外れると、分岐点につながる複数の経路の交通状態を取得して、分岐点から外れ再び前記案内経路の合流点に合流したとき、その迂回経路と迂回経路に対する部分経路の交通状態をそれぞれ求め、その迂回経路を走行したときの第2所要時間とで迂回経路情報を作成して迂回経路情報記憶部に記憶する。従って、ユーザの意思で迂回経路を走行したときでも、迂回経路情報が作成され記憶されることから、より精度の高い経路案内が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明のナビゲーション装置の一実施形態を図面に従って説明する。図1は、自動車に搭載されたナビゲーション装置の電気的構成を示す電気ブロック回路図を示す。
図1において、ナビゲーション装置(以下、ナビ装置という)1は、データ入出力装置2、現在位置検出装置3、交通情報受信装置4、情報記憶装置5及び制御装置6を備えている。そして、制御装置6は、データ入出力装置2、現在位置検出装置3、交通情報受信装置4及び情報記憶装置5にそれぞれ電気的に接続され、各装置2〜6を統括制御する。
【0023】
データ入出力装置2は、例えば、各種操作ボタンを備え、経路案内を行うための各種操作信号を制御装置6に出力する。データ入出力装置2は、表示部2aを備えている。表示部2aは、液晶ディスプレイ等からなり、経路案内のための画像を表示する。また、表示部2aは、タッチパネルスイッチ機能を備えた表示装置であって、画面上の入力箇所を指でタッチすることにより、案内経路のための各種の操作信号が制御装置6に出力される。
【0024】
現在位置検出装置3は、該ナビ装置1を搭載した自動車の現在位置を検出する。現在位置検出装置3は、GPS装置(Global Positioning System)、車速センサ、方位センサ
等を備え、その時々の自動車の現在位置を算出するための各種検出信号を制御装置6に出力する。
【0025】
受信手段としての交通情報受信装置4は、外部システムとしての道路交通情報通信システムから送信される交通情報を受信するための受信装置であって、受信した交通情報を制御装置6に出力する。道路交通情報通信システムの情報センタからの交通情報は、走行中の自動車に対して走行先の経路(道路)等の混雑、渋滞、非渋滞等の交通状態を含む情報である。この交通情報によって、経路(道路)に設定されたノードとノードを結ぶ各リンクの交通状態が把握することができるようになる。交通情報受信装置4は、この交通情報を受信すると、制御装置6に出力する。
【0026】
情報記憶装置5は、経路情報記憶手段を構成する部分経路情報記憶部11及び迂回経路情報記憶部12を備えている。
部分経路情報記憶部11には、部分経路情報が記憶される。部分経路情報は、ユーザが設定した案内経路であってその案内経路上の第1地点しての分岐点と、その分岐点から外れて別の経路(以下、迂回経路という)で再び前記案内経路に合流することのできる第2地点としての合流点との間を、この案内経路(この一部経路を以下、部分経路という)を使って走行したときに要した所要時間(以下、第1所要時間という)を有している。また、部分経路情報は、その部分経路を走行するときの部分経路の交通状態とその部分経路に対する迂回経路の交通状態とを有している。尚、部分経路と迂回経路の両交通状態は、本実施形態では、道路交通情報通信システムから取得した交通情報中の混雑、渋滞、非渋滞
のいずれかが交通状態として記憶される。
【0027】
迂回経路情報記憶部12は、迂回経路情報が記憶される。迂回経路情報は、迂回経路を使って走行したときに要した所要時間(以下、第2所要時間という)を有している。また、迂回経路情報は、その迂回経路を走行するときの迂回経路の交通状態とその迂回経路に対する部分経路の交通状態とを有している。尚、部分経路と迂回経路の両交通状態は、本実施形態では、道路交通情報通信システムから取得した交通情報中の混雑、渋滞、非渋滞のいずれかが交通状態として記憶される。
【0028】
情報記憶装置5は、地図データ記憶部13、探索データ記憶部14及びプログラムデータ記憶部15を備えている。
地図データ記憶部13は、地図表示、案内経路、目的地設定、住所検索、電話検索等のために利用される目的地データ、地図データ等の各種データが記憶されている。探索データ記憶部14は、経路探索等に利用される道路データ、固定車速等のデータが記憶されている。
【0029】
プログラムデータ記憶部15は、経路探索、経路案内等を実行するプログラム等、各種プログラム及びデータが記憶されている。また、プログラムデータ記憶部15は、前記部分経路情報記憶部11に記憶される部分経路情報及び迂回経路情報記憶部12に記憶される迂回経路情報を作成し記憶するためのプログラムや、その部分経路情報及び迂回経路情報を使っての経路案内を実行するためのプログラムを記憶する。
【0030】
制御装置6は、マイクロコンピュータを備え、プログラムデータ記憶部15に記憶したプログラムに従って検索処理、探索処理、経路情報作成処理、経路案内処理等、各種の経路案内のための処理を実行する。即ち、本実施形態の制御装置6は、特許請求項の範囲で示す、制御手段、経路情報作成手段、部分経路情報作成手段、迂回経路情報作成手段、迂回経路探索手段を構成する。
【0031】
検索処理は、公知の処理であって、例えば、現在位置検出装置3からの検出信号に基づいて現在位置を割り出し、地図データ記憶部13に記憶された地図データ等の各種データを用いて表示部2aに表示された地図上に現在位置を表示する。また、検索処理は、ユーザがデータ入出力装置2を操作して入力された目的地を表示部2aに表示された地図上に現在位置を表示したりする。探索処理は、公知の処理であって、ユーザがデータ入出力装置2を操作して、又は、自動で、探索データ記憶部14の道路データ等を使って2地点間の経路を探索する。
【0032】
経路情報作成処理は、走行中に実行され、その分岐点に到達しその分岐点から部分経路又は迂回経路を使って合流点に到達する毎に、そのときの部分経路情報又は迂回経路を作成し、部分経路情報記憶部11又は迂回経路情報記憶部12に記憶する処理である。
【0033】
経路案内処理は、案内経路に沿って走行しているそのときどきで、変化する現在位置を画面上に地図で表示したり、ユーザに対し音声でサポート案内したりする。また、経路案内処理は、分岐点に到達するとき、部分経路情報記憶部11及び迂回経路情報記憶部12の部分経路情報及び迂回経路情報を使って、そのまま案内経路(部分経路)に従って走行するか、迂回経路に従って走行するかを案内したりする。本実施形態では、分岐点に到達すると、図2に示すように、前記表示部2aに案内画面Gが表示される。案内画面Gには、分岐点から、現在案内している案内経路(部分経路)に対して迂回経路があるとき、部分経路と迂回経路をそれぞれ使った場合の合流点までの所要時間(第1及び第2所要時間)が表示されるようになっている。
【0034】
次に、上記のように構成したナビ装置1の作用について説明する。
まず、部分経路情報及び迂回経路情報を作成し部分経路情報記憶部11及び迂回経路情報記憶部12に記憶する処理について説明する。
【0035】
今、自動車が、ナビ装置1の表示部2aに表示された探索された案内経路に従って現在位置から目的地に向かって走行している。このとき、図3に示すように、ナビ装置1の表示部2aには、太線で示す案内経路R1が表示されているとともに、現在位置を示すマークPが表示されている。
【0036】
この状態では、制御装置6は、図4に示すフローチャーに従って処理を行う。制御装置6は、次に通過する分岐点N1の700メートル手前までに、事前に分岐点N1から外れて再び案内経路R1に合流する別の経路を探索する(ステップS10)。そして、探索した結果、合流することのできる別の経路(迂回経路)が探索されない場合(ステップS12でNO)、ステップS10に戻り、次の分岐点での迂回経路の探索を行う。
【0037】
一方、合流することのできる別の経路が探索されると(ステップS12でYES)、制御装置6はその別の経路を迂回経路R1bとして制御装置6に内蔵したメモリ6aに一時記憶する(ステップS14)。このとき、制御装置6は、その分岐点N1と迂回経路R1bが合流する案内経路R1上の合流点N2間の案内経路R1の経路を部分経路R1aとしてメモリ6aに一時記憶する。
【0038】
次に、制御装置6は、現在位置が分岐点N1の700メートル手前まで来たかどうか判定し(ステップS16)、分岐点N1の700メートル手前まで到達すると(ステップS16でYES)、交通情報受信装置4を介して道路交通情報通信システムからの交通情報を取得する(ステップS18)。詳述すると、制御装置6は、交通情報から前記部分経路R1a上の交通状態(混雑、渋滞又非渋滞)と前記迂回経路R1b上に交通状態(混雑、渋滞又非渋滞)を取得する。
【0039】
続いて、制御装置6は、部分経路R1aと迂回経路R1bの2つの交通状態を、メモリ6aに記憶する(ステップS20)。
次に、制御装置6は、分岐点N1を通過したかどうか判断する(ステップS22)。そして、ユーザは、部分経路R1a又は迂回経路R1bのいずれかを使って分岐点N1を通過する。制御装置6は分岐点N1を通過したと判断すると(ステップS22でYES)、その通過した日時及び曜日をメモリ6aに一時記憶する(ステップS24)。
【0040】
やがて、合流点N2に到達し通過すると(ステップS26でYES)、制御装置6は、その時の通過時刻をメモリ6aに記憶し、その分岐点N1から合流点N2まで走行した経路(部分経路R1a又は迂回経路R1b)を走行履歴から特定し、所要時間を算出しメモリ6aに一時記憶する(ステップS28)。詳述すると、制御装置6は、部分経路R1aを使って走行した場合には、分岐点N1の通過時刻と合流点N2の通過時刻から算出した所要時間を、部分経路R1aに対する第1所要時間とする。反対に、制御装置6は、迂回経路R1bを使って走行した場合には、前記算出した所要時間を、迂回経路R1bに対する第2所要時間とする。
【0041】
第1所要時間又は第2所要時間が算出されると、制御装置6は、その所要時間と、メモリ6aに記憶していた各交通状態、通過した日時及び曜日から経路情報を作成する(ステップS30)。詳述すると、部分経路R1aに対する第1所要時間が算出されると、制御装置6は、第1所要時間、分岐点N1を通過した曜日及び日時、そのときの部分経路R1a及び迂回経路R1bの両交通状態とからなる該部分経路R1aに対する部分経路情報を作成して部分経路情報記憶部11に記憶する。反対に、迂回経路R1bに対する第2所要
時間が算出されると、制御装置6は、第2所要時間、分岐点N1を通過した曜日及び日時、そのときの部分経路R1a及び迂回経路R1bの両交通状態とからなる該迂回経路R1bに対する迂回経路情報を作成して迂回経路情報記憶部12に記憶する。
【0042】
従って、合流点N2を通過すると、走行した経路の所要時間の他に、その走行した経路上の交通状態、走行しなかった経路上の交通状態、分岐点N1を通過した曜日及び日時が、その走行した経路の経路情報として記憶される。
【0043】
つまり、部分経路R1aを走行したとき、第1所要時間、部分経路R1a及び迂回経路R1bの両交通状態、分岐点N1を通過した曜日及び日時が、部分経路情報記憶部11に部分経路情報として記憶される。一方、迂回経路R1bを走行したとき、第2所要時間、部分経路R1a及び迂回経路R1bの両交通状態、分岐点N1を通過した曜日及び日時が、迂回経路情報記憶部12に迂回経路情報として記憶される。
【0044】
このように、制御装置6は、いずれかの経路情報を作成し記憶すると、一つの経路情報の作成処理を終了し次の新たな経路情報の作成処理を行う。
従って、例えば、案内経路R1において、部分経路R1a及び迂回経路R1bを何度も走行すればするほど、部分経路情報記憶部11に記憶される部分経路情報の数及び迂回経路情報記憶部12に記憶される迂回経路情報の数が増えるため、分岐点N1においてその時々で同じ又は近似した交通状態の部分経路情報と迂回経路情報を取得できることになる。
【0045】
次に、迂回経路情報の作成について、別の作成方法を図5に示すフローチャートに従って説明する。
この方法は、事前に迂回経路が探索されて部分経路情報及び迂回経路情報が作成されるのではなく、ユーザの意思で案内回路から外れて再び案内経路に合流した場合の経路情報(この場合、迂回経路情報)の作成の方法である。この方法は、例えば、データ入出力装置2の操作ボタンを操作して、モード切替によって実行することができる。
【0046】
今、自動車が、ナビ装置1の表示部2aに表示された探索された案内経路に従って現在位置から目的地に向かって走行している。
このとき、制御装置6は、案内終了かどうかチェックするとともに案内経路R1を外れたかどうかチェックしながら通常の経路案内処理を行う(ステップS40、S41、S42)。そして、案内経路R1から外れると(ステップS42でYES)、制御装置6は、外れた地点(分岐点N1)で受信した交通情報を全てメモリ6aに一時記憶する(ステップS44)。詳述すると、制御装置6は、外れた地点(分岐点N1)を中心に道路交通情報通信システムが送信している一定範囲の全ての経路の交通情報を記憶する。続いて、制御装置6は、外れた地点(分岐点N1)の位置情報と通過時刻をメモリ6aに一時記憶する(ステップS46)。
【0047】
次に、制御装置6は、案内終了かどうかチェックするとともに、もとの案内経路R1に合流したかどうかチェックしながら通常の経路案内処理を行う(ステップS48、S49,S50)。そして、案内経路R1に合流すると(ステップS50でYES)、制御装置6は、その合流点N2の位置情報と通過時刻をメモリ6aに一時記憶する(ステップS52)。続いて、制御装置6は、案内経路R1の分岐点N1から合流点N2までの部分経路R1aを合流点N2から特定し、その部分経路R1aにおける交通情報を先に記憶した全ての経路の交通情報から抽出し、部分経路R1aの交通状態としてメモリ6aに一時記憶する(ステップS54)。さらに、制御装置6は、案内経路R1の分岐点N1から外れて合流点N2まで走行してきた迂回経路R1bを走行履歴から特定し、その迂回経路R1bの交通状態を先にメモリ6aに記憶した全ての経路の交通情報から求め、迂回経路R1b
の交通状態としてメモリ6aに一時記憶する(ステップS54)。
【0048】
次に、制御装置6は、分岐点N1と合流点N2の通過時刻から、迂回経路R1bを走行したのに要した第2所要時間を算出する(ステップS56)。第2所要時間を算出すると、制御装置6は、第2所要時間、部分経路R1a及び迂回経路R1bの両交通状態とからなる該迂回経路に対する迂回経路情報を迂回経路情報記憶部12に記憶する(ステップS58)。そして、一つの迂回経路情報の作成処理が終了すると、制御装置6は前記ステップS40に移り、次の経路情報の処理を実行する。
【0049】
従って、この場合、部分経路R1aの部分経路情報は作成されないが、ユーザの意思で走行した迂回経路R1bの迂回経路情報を作成することができる。
尚、ここでは、通過した曜日、及び年月日を記憶しなかったが、あわせて記憶するようにしても良い。
【0050】
次に、部分経路情報記憶部11及び迂回経路情報記憶部12に記憶される各部分経路に対する部分経路情報及び各迂回経路に対する迂回経路情報を使っての経路案内について図6に示すフローチャートに従って説明する。
【0051】
今、自動車が、ナビ装置1の表示部2aに表示された探索された案内経路に従って現在位置から目的地に向かって走行している。このとき、ナビ装置1の表示部2aには、図3に示すように、太線で示す案内経路R1が表示されているとともに、現在位置を示すマークPが表示されている。
【0052】
このとき、制御装置6は、次に通過する分岐点N1の700メートル手前までに、案内経路R1において分岐点N1から外れてまた再び案内経路R1に合流する迂回経路R1bがあるかどうか検索する(ステップS60)。この検索は、迂回経路情報記憶部12に記憶されている各迂回経路に対する迂回経路情報を検索することによって行われる。そして、検索した結果、迂回経路R1bがない場合(ステップS62でNO)、ステップS60に戻り、次の分岐点での迂回経路の検索を行う。
【0053】
一方、迂回経路R1bが1つ又はそれ以上検索されると(ステップS622でYES)、制御装置6は、その検索した迂回経路R1bに対する1つ又はそれ以上の迂回経路情報をメモリ6aに一時記憶する(ステップS64)。このとき、制御装置6は、その検索された迂回経路R1bに対する部分経路R1aの部分経路情報を部分経路情報記憶部11から検索し読み出し一時記憶する(ステップS66)。このとき、迂回経路R1bに対する部分経路R1aの部分経路情報も1つ又はそれ以上読み出されるものとする。
【0054】
次に、制御装置6は、現在位置が分岐点N1の700メートル手前まで来たかどうか判定し(ステップS68)、分岐点N1の700メートル手前まで到達すると(ステップS68でYES)、交通情報受信装置4を介して道路交通情報通信システムからの交通情報を取得する(ステップS70)。詳述すると、制御装置6は、交通情報の中から前記部分経路R1a上の交通状態と前記迂回経路R1b上の交通状態を取得する。
【0055】
続いて、制御装置6は、この現在の部分経路R1aと迂回経路R1bの両交通状態のパターンと同じ又は近似するパターンの交通状態を持つ部分経路R1aの部分経路情報と迂回経路R1bの迂回経路情報があるか、前記ステップS64、S66で一時記憶した部分経路情報及び迂回経路情報から検索しそれぞれ1つずつ読み出す(ステップS74)。
【0056】
ここで、同じパターン又は近似とは、本実施形態では、以下のこという。例えば、現在の部分経路R1aの交通状態が「渋滞」、現在の迂回経路R1bの交通状態が「混雑」の
とき、部分経路情報の持つ部分経路R1aの交通状態が「渋滞」であって迂回経路R1bの交通状態が「混雑」であり、迂回経路情報の持つ部分経路R1aの交通状態が「渋滞」であって迂回経路R1bの交通状態が「渋滞」とする。
【0057】
このとき、部分経路情報の持つ交通状態のパターンは現在の部分経路R1a及び迂回経路R1bの交通状態のパターンは同じパターンという。また、迂回経路情報の持つ交通状態のパターンと現在の部分経路R1a及び迂回経路R1bの交通状態のパターンは、迂回経路R1bの交通状態が「混雑」と「渋滞」となって一方が相違するため近似するパターンという。
【0058】
次に、制御装置6は、読み出された部分経路情報及び迂回経路情報に基づいて、表示部2aに部分経路R1a又は迂回経路R1bのいずれかを選択して合流点N2まで走行するかを案内するための画像を表示する(ステップS76)。
【0059】
図2は、表示部2aに表示された案内画面Gである。案内画面Gは、分岐点N1から部分経路R1aを使って走行した場合と迂回経路R1bを使って走行した場合の合流点N2までの所要時間(第1及び第2所要時間)がそれぞれ表示される。ユーザはこれを参考にしてどちらかを選択して走行する。
【0060】
ここで、表示される各経路R1a,R1bの各所要時間は、分岐点N1に到達したとき、そのときの部分経路R1a及び迂回経路R1bの交通状態と同じ又は近似するパターンの交通状態を持つ部分経路情報及び迂回経路情報の第1及び第2所要時間を使って表示したので、精度の高い所要時間を表示することができ、最適な経路案内が可能となる。そして、制御装置6は、案内画面Gを表示すると、分岐点N1で経路選択案内処理を終了する。
【0061】
次に、上記のように構成したナビゲーション装置1の効果について以下に述べる。
(1)本実施形態によれば、制御装置6によって、分岐点に到達するときに、部分経路情報記憶部11から、現在の部分経路R1a及び迂回経路R1bの両交通状態のパターンと同じ又は近似するパターンの交通状態で過去に部分経路R1aを走行したときの所要時間(第1所要時間)を読み出すようにした。又、制御装置6によって、同様に、迂回経路情報記憶部12から現在の部分経路R1a及び迂回経路R1bの両交通状態のパターンと同じ又は近似したパターンの交通状態で過去に迂回経路R1bを走行したときの所要時間(第2所要時間)を読み出すようにした。つまり、そのときどきで、部分経路R1a及び迂回経路R1bの両交通状態のパターンが変わっても、同じ又は近似したパターンの交通状態での第1所要時間と第2所要時間が表示部2aに制御装置6によって表示されるため、高い精度で早く合流点に到着するかを知ることができ、最適な経路案内を実現することができる。
【0062】
(2)本実施形態では、制御装置6によって、部分経路R1aを走行するだけでそのときの部分経路情報を、又、迂回経路R1bを走行するだけでそのときの迂回経路情報をそれぞれ作成し記憶するため、情報量を容易な方法で大量に蓄積できより精度の高い経路案内を実現させることができる。
【0063】
(3)本実施形態では、ユーザの意志で案内経路R1の分岐点N1から外れて再び前記案内経路R1上の合流点N2に合流するような場合においても、制御装置6によって、その迂回経路R1bを走行しただけでそのときの迂回経路情報をそれぞれ作成し記憶するため、情報量を容易な方法で大量に蓄積できより精度の高い経路案内を実現させることができる。
【0064】
(4)本実施形態では、部分経路R1a及び迂回経路R1bの両交通状態を、交通情報受信装置4によって、道路交通情報通信システムから取得するようにしたので、簡単な方法でしかも精度の高い交通情報(交通状態)を得ることができる。
【0065】
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
○上記実施形態では、交通状態のパターンを、混雑、渋滞、非渋滞の3個の渋滞に関する交通状態であったが、交通状態の中に、時間帯、年月日、曜日、季節、又は天候等を加えて実施してもよい。この場合、より精度の高い情報が取得できより精度の高い最適な経路案内を実現することができる。
○上記実施形態では、部分経路と迂回経路の2つの経路について説明したが、要は、第1地点から第2地点を結ぶ経路が2以上存在する場合においも実施してもよい。
○上記実施形態では分岐点に到達する直前において、その分岐点から先の各交通状態を取得して部分経路か迂回経路のいずれかを案内するようにした。これを、部分経路情報及び迂回経路情報の交通状態に、さらに分岐点よりかなり手前の地点における交通状態を加えて実施してもよい。この場合、分岐点よりかなり手前の地点において、かなり先の迂回経路の存在とその選択の有無を表示案内することができる。
○上記実施形態では、分岐点N1に到達するときに、図2に示す案内画面Gに部分経路R1aを使った場合の所要時間と迂回経路R1bを使った場合の所要時間とを表示するようにしたが、例えば、所要時間が短いいずれか一方を表示部2aに表示するようにしてもよい。また、所要時間の代わりに、部分経路R1aを使った場合の所要時間(第1所要時間)と迂回経路R1bを使った場合の所要時間(第2所要時間)の差を求め、例えば「右の経路の方が10分早いです」等の所要時間の差に基づく案内を、表示部2aに表示したり、表示と共に音声案内してもよい。
○上記実施形態では、案内画面Gに部分経路R1aを使った場合の所要時間と迂回経路R1bを使った場合の所要時間を表示するようにした。これを、例えば、案内経路R1を表示した地図上に迂回経路R1bと部分経路R1aを異なる色又は点滅で他の経路と異なる表示をするとともに、それぞれの第1及び第2所要時間をあわせて表示するようにしてもよい。
○上記実施形態では、第1及び第2所要時間を表示するようにした。このとき、現在の交通状態、第1所要時間及び第2所要時間を取得した日時(過去に走行したときの日時)とそのときの交通状態をそれぞれあわせて表示するようにしてもよい。ユーザは判断材料が増えより最適な経路を選択することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】ナビゲーション装置の電気的構成を示すブロック図。
【図2】案内画面を説明する説明図。
【図3】部分経路情報及び迂回経路情報の作成を説明するための説明図。
【図4】部分経路情報及び迂回経路情報の作成を説明するためのフローチャート。
【図5】迂回経路情報の作成を説明するためのフローチャート。
【図6】経路案内の動作を説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0067】
1…ナビゲーション装置(ナビ装置)、2…データ入出力、2a…表示部、3…現在位置検出装置、4…受信手段としての交通情報受信装置、5…情報記憶装置、6…制御手段、部分経路情報作成手段、迂回経路情報作成手段又は迂回経路探索手段としての制御装置、6a…メモリ、11…経路情報記憶手段を構成する部分経路情報記憶部、12…経路情報記憶手段を構成する迂回経路情報記憶部、13…地図データ記憶部、14…探索データ記憶部、15…プログラムデータ記憶部、R1…案内経路、R1a…部分経路、R1b…迂回経路、N1…第1地点としての分岐点、N2…第2地点としての合流点。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1地点から第2地点を結ぶ複数の経路の各々について、走行した経路の所要時間とその経路を走行するときの該経路と他の経路に対するそれぞれの交通状態とからなる経路情報をそれぞれ記憶した経路情報記憶手段と、
前記第1地点から前記第2地点に走行するとき、そのときの各経路に対するそれぞれの交通状態のパターンと同じ又は近似するパターンを持つ交通状態の経路情報を、前記各経路の各々について前記経路情報記憶手段から読み出し、その読み出した各経路の経路情報中の所要時間をそれぞれ出力する制御手段と
を有するナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
外部システムからの交通情報を受信する受信手段を備え、
前記制御手段は、その受信手段が受信した交通情報からそのときの各経路に対するそれぞれの交通状態を判断し、前記同じ又は近似するパターンを持つ交通状態の経路情報を前記経路情報記憶手段から読み出すようにしたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
第1地点から第2地点を結ぶ複数の経路の各々について、走行した経路の所要時間とその経路を走行するときの該経路と他の経路に対するそれぞれの交通状態とからなる経路情報を走行する毎に作成する経路情報作成手段と、
前記経路情報作成手段が作成した経路情報を各経路毎に記憶した経路情報記憶手段と
を有するナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
外部システムからの交通情報を受信する受信手段を備え、
前記経路情報作成手段は、その受信手段が受信した交通情報からそのときの各経路に対するそれぞれの交通状態を求めて、前記経路情報を走行する毎に作成するようにしたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
探索した目的地までの案内経路の案内途中で、前記案内経路から外れたとき、その外れた前記案内経路上の分岐点から分岐して再び案内経路上の合流点に合流する迂回経路を探索するナビゲーション装置において、
外部システムから、前記分岐点から前記合流点までの前記案内経路上の部分経路とその部分経路に対する迂回経路の交通状態を受信する受信手段と、
前記部分経路を走行する毎に求められた、その第1所要時間とそのときの前記部分経路及び前記迂回経路の両交通状態とからなる該部分経路に対する部分経路情報を記憶した部分経路情報記憶部と、
前記迂回経路を走行する毎に求められた、その第2所要時間とそのときの前記部分経路及び前記迂回経路の両交通状態とからなる該迂回経路に対する迂回経路情報を記憶した迂回経路情報記憶部と、
前記分岐点に到達するとき、そのときの前記部分経路と前記迂回経路の両交通状態のパターンと同じ又は近似するパターンの交通状態の部分経路情報と迂回経路情報を部分経路情報記憶部及び迂回経路情報記憶部からそれぞれ読み出し、読み出した部分経路情報と迂回経路情報の第1所要時間と第2所要時間の少なくともいずれか一方の所要時間または経路を表示部に出力する制御手段と
を有するナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーション装置において、
前記部分経路を走行するのに要した前記第1所要時間を求めるとともに、前記部分経路を走行するときの前記部分経路と前記迂回経路の両交通状態を求め、その第1所要時間と
その両交通状態とからなる前記部分経路情報を作成し、前記部分経路情報記憶部に記憶する部分経路情報作成手段と、
前記迂回経路を走行するのに要した第2所要時間を求めるとともに、前記迂回経路を走行するときの前記部分経路と前記迂回経路の両交通状態を求め、その第2所要時間とその両交通状態とからなる前記迂回経路情報を作成し、前記迂回経路情報記憶部に記憶する迂回経路情報作成手段と
を有するナビゲーション装置。
【請求項7】
外部システムからの交通状態を受信する受信手段と、
案内経路上の分岐点から外れて再び前記案内経路の合流点に合流する迂回経路を探索する迂回経路探索手段と、
前記分岐点に到達するときに、前記分岐点から前記合流点までの前記案内経路上の部分経路と前記迂回経路探索手段にて探索された前記迂回経路の両交通状態を求めるとともに、前記部分経路を使って走行したとき、その部分経路での第1所要時間を求め、その第1所要時間と前記部分経路及び迂回経路の両交通状態とから部分経路情報を作成する部分経路情報作成手段と、
前記部分経路情報作成手段が作成した部分経路情報を記憶する部分経路情報記憶部と、
前記分岐点に到達するときに、前記部分経路と前記迂回経路の両交通状態を求めるとともに、前記迂回経路を使って走行したとき、その迂回経路での第2所要時間を求め、その第2所要時間と前記部分経路及び迂回経路の両交通状態とから迂回経路情報を作成する迂回経路情報作成手段と
前記部分経路情報作成手段が作成した迂回経路情報を記憶する迂回経路情報記憶部と
を有するナビゲーション装置。
【請求項8】
外部システムからの交通状態を受信する受信手段と、
案内経路上の分岐点から外れたとき、前記分岐点につながる複数の経路の交通状態を取得して、前記分岐点から外れ再び前記案内経路の合流点に合流したとき、その迂回経路に対する交通状態と前記迂回経路に対するその分岐点から合流点まで案内経路上の部分経路に対する交通状態を、前記取得した複数の経路の交通状態からそれぞれ求め、その求めた両交通状態とその迂回経路を走行したときの第2所要時間とで迂回経路情報を作成する迂回経路情報作成手段と、
前記迂回経路情報作成手段が作成した迂回経路情報を記憶する迂回経路情報記憶部と
を有するナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−23252(P2006−23252A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−203746(P2004−203746)
【出願日】平成16年7月9日(2004.7.9)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】