ナビゲーション装置
【課題】現在位置付近に高速道路と一般道が存在する場合でも、より正確にいずれかの道路上に出発地点を設定して、経路探索を行う。
【解決手段】
ナビゲーション装置は、経路探索を行う場合、最後に走行していた道路と同種の道路で、かつ現在位置から最も近い道路上に、経路探索の開始点を設定する。最後に走行した道路と同じ道路上に、経路探索の開始点を設定してもよい。
【解決手段】
ナビゲーション装置は、経路探索を行う場合、最後に走行していた道路と同種の道路で、かつ現在位置から最も近い道路上に、経路探索の開始点を設定する。最後に走行した道路と同じ道路上に、経路探索の開始点を設定してもよい。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に車載用ナビゲーション装置の経路探索技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在位置から最も近いリンクを開始リンクに設定し、当該開始リンクから目的地までの経路を探索する車載用ナビゲーション装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−178682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、現在位置に最も近いリンクを、開始リンクとして設定すると、不都合が生じる場合がある。例えば、図8に示すように、駐車場510が高速道路505付近にある場合である。車両が、走行軌跡521に示すように、一般道501を通って、隣接する駐車場510に進入し停車したとする。この地点で、経路探索を行うと、駐車場510に最も近い高速道路505のリンクが、開始リンクに設定され、高速道路上を出発地点とする経路が探索されてしまう。これでは、適切な経路探索はできない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、より正確に開始リンクを設定して、経路探索を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明のナビゲーション装置は、最後に走行した道路と同種の道路上に、開始点を設定して、経路探索を行う。
【0007】
例えば、本発明のナビゲーション装置は、地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを記憶する手段と、現在位置を算出する手段と、前記現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段とを有している。そして、前記経路探索手段は、前記現在位置が最後に存在したリンクの属する道路と同じ道路種別の道路に属するリンクからの経路を探索する。
【0008】
また、ナビゲーション装置は、地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを記憶する手段と、マップマッチングにより地図上の現在位置を求めるマップマッチング手段と、前記リンクデータを用いて現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段とを有していてもよい。そして、前記マップマッチング手段は、リンク上またはリンク上でない位置に、現在位置を求めるものであり、前記経路探索手段は、最後にリンク上にマッチングした現在位置の存在するリンクの道路種別と同一の道路種別のリンクを、開始リンクに設定し、当該開始リンクから目的地までの経路を探索するようにしてもよい。
【0009】
また、前記経路探索手段は、前記現在位置が最後に存在したリンクの属する道路と同じ道路に属するリンクからの経路を探索するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、車載用ナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、車載用ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4と、入力装置5と、車輪速センサ6と、地磁気センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、車内LAN装置11と、FM多重放送受信装置12と、ビーコン受信装置13と、ネットワーク通信装置15とを有する。
【0012】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ6〜8やGPS受信装置9から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3に記憶されている地図データおよび交通情報配信サーバ200から受信した時系列交通情報を用いて、ユーザから指示された目的地と現在地(出発地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、音声入出力装置4やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0013】
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、CRTや液晶ディスプレイなどで構成される。演算処理部1とディスプレイ2との間の信号S1は、RGB信号やNTSC(National Television System Committee)信号で接続するのが一般的である。
【0014】
記憶装置3は、CD-ROMやDVD-ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、地図データ300が記憶されている。
【0015】
図2は、地図データ300の構成を示す図である。地図データ300は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)310ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ311を含む。
【0016】
リンクデータ311は、リンクID321ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報322、リンクを含む道路の種別情報323、リンクの長さを示すリンク長情報324、リンク旅行時間325、2つのノードにそれぞれ接続するリンクのリンクID(接続リンクID)326などを含む。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。また、リンク旅行時間325は、日時、天気などの条件ごとに対応付けられたリンク旅行時間であってもよい。
【0017】
また、地図データ300には、対応するメッシュ領域に含まれている道路以外の地図構成物(例えば、駐車場)の情報(名称、種別、座標情報など)も含まれている。
【0018】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、演算処理部1で生成したユーザへのメッセージを音声信号に変換し出力する。また、ユーザが発した声を認識し演算処理部1にその内容を転送する処理を行う。
【0019】
入力装置5は、ユーザからの指示を受け付けるユニットである。入力装置5は、スクロールキー、縮尺変更キーなどのハードスイッチ、ジョイスティック、ディスプレイ上に貼られたタッチパネルなどで構成される。
【0020】
センサ6〜8およびGPS受信装置9は、車載用ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。車輪速センサ6は、車輪の円周と計測される車輪の回転数の積から距離を測定し、さらに対となる車輪の回転数の差から移動体が曲がった角度を計測する。地磁気センサ7は、地球が保持している磁場を検知し、移動体が向いている方角を検出する。ジャイロ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体が回転した角度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定する。
【0021】
車内LAN装置11は、車載用ナビゲーション装置100が搭載された車両の様々な情報、例えばドアの開閉情報、ライトの点灯状態情報、エンジンの状況や故障診断結果などを受ける。
【0022】
FM多重放送受信装置12は、FM多重放送信号としてFM多重放送局から送られてくる概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスステーション/パーキング)情報、駐車場情報、天気情報などを受信する。
【0023】
ビーコン受信装置13は、ビーコンから送られてくる現況交通情報、規制情報、SA/PA情報、駐車場情報などを受信する。
【0024】
ネットワーク通信装置15は、車載用ナビゲーション装置100と、交通情報配信するサーバとの間の情報の授受を仲介する。
【0025】
図3は、演算処理部1の機能ブロック図である。
【0026】
図示するように、演算処理部1は、ユーザ操作解析部41と、経路探索部42と、経路誘導部43と、現在位置算出部44と、情報記憶部45、表示処理部46とを有する。
【0027】
ユーザ操作解析部41は、入力装置5に入力されたユーザからの要求を受け、その要求内容を解析して、その要求内容に対応する処理が実行されるように演算処理部1の各部を制御する。例えば、ユーザが推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を表示処理部45に要求する。また、現在地(出発地)から目的地までの経路を演算する処理を経路探索部42に要求する。
【0028】
現在位置算出部44は、車輪速センサ6で計測される距離パルスデータS5およびジャイロ8で計測される角加速度データS7を各々積分した結果得られる距離データおよび角度データを用い、そのデータを時間軸で積分していくことにより、初期位置(X,Y)から自車走行後の位置である仮想現在位置(X′,Y′)を定期的に演算する。また、演算結果を用いて、マップマッチ処理することにより、形状の相関が最も高い道路(リンク)上に、現在位置の候補点を求める。
【0029】
経路探索部42は、ダイクストラ法等を用いて、指定された2地点(現在地、目的地)間を結ぶ経路のコスト(例えば、旅行時間)が最少となる経路を探索する。
【0030】
経路誘導部43は、経路探索部42で探索された経路を用いて経路誘導を行う。例えば、経路の情報と、現在地の情報とを比較し、交差点等を通過する前に直進すべきか、右左折すべきかを音声出入力装置4を用いて音声でユーザに知らせる。また、経路誘導部43は、ディスプレイ2に表示された地図上に進行すべき方向を表示して、ユーザに推奨経路を通知する。
【0031】
表示処理部46は、ディスプレイ2への表示が要求される領域にある地図データを記憶装置3から受け取り、指定された縮尺、描画方式で、道路、その他の地図構成物や、現在地、目的地、推奨経路のための矢印といったマークを描画するように地図描画コマンドを生成する。そして、生成したコマンドを、ディスプレイ2に送信する。
【0032】
図4は、演算処理部1のハードウェア構成例を示す図である。
【0033】
図示するように、演算処理部1は、各デバイス間をバス32で接続した構成としてある。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、メモリ間およびメモリと各デバイスとの間のデータ転送を実行するDMA(Direct Memory Access)24と、グラフィックス描画を実行し且つ表示制御を行う描画コントローラ25と、グラフィックスイメージデータを蓄えるVRAM(Video Random Access Memory)26と、イメージデータをRGB信号に変換するカラーパレット27と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器28と、シリアル信号をバスに同期したパラレル信号に変換するSCI(Serial Communication Interface)29と、パラレル信号をバスに同期させてバス上にのせるPIO(Parallel Input/Output)30と、パルス信号を積分するカウンタ31と、を有する。
【0034】
[動作の説明]次に、上記構成の車載用ナビゲーション装置100の動作について説明する。
【0035】
車載用ナビゲーション装置100は、所定距離走行するごとに、現在位置の候補点を求める処理を行う。
【0036】
図5は、かかる現在位置算出処理のフロー図である。
【0037】
現在位置算出部44は、所定距離(例えば、20m)走行するごとに、前回の現在位置の候補点からの相対変位(移動距離、移動方位)を、GPS受信装置9や各種センサ6〜8の出力から求める。そして、前回の候補点に、相対変位を加算して、仮想現在位置を求める(S102)。
【0038】
次に、現在位置算出部55は、マップマッチングにより、仮想現在位置がマッチするリンクの選択を試みる(S104)。具体的には、現在位置算出部44は、リンクデータ321を参照して、仮想現在位置から所定の範囲内に存在するリンクを抽出する。さらに、検索されたリンクのうち、その方位と車両の進行方位との差が所定値以内であるリンクを選択する。
【0039】
こうして、いずれかのリンクが選択された場合(S104でYes)、現在位置算出部44は、選択したリンク上に新たな候補点を算出する(S106)。なお、このように、いずれかのリンク上にマッチした候補点を、「マッチング候補点」と呼ぶ。
【0040】
一方、リンクが選択されなかった場合(S104でNo)、現在位置算出部44は、S102で求めた仮想現在位置を、そのまま新たな候補点とする(S108)。なお、このように、いずれのリンクにもマッチしていない候補点を、「フリー候補点」と呼ぶ。
【0041】
現在位置算出部44は、以上の処理(S102〜S108)を繰り返して、現在位置の候補点を更新していく。
【0042】
次に、経路探索処理について説明する。
【0043】
図6は、経路探索処理のフロー図である。このフローは、ユーザから入力装置5を介して、経路探索要求を受け付けたときに開始される。
【0044】
まず、経路探索部42は、出発地、目的地の設定を行う(S210)。ここでは、現在位置が出発地に設定された場合について説明する。
【0045】
経路探索部42は、開始リンクと終了リンクを設定し(S220)、開始リンクから終了リンクまでの経路を探索する(S230)。経路探索部42は、例えば、リンク旅行時間をコストとして、総コストが最少の経路をダイクストラ法等により探索する。
【0046】
ここで、経路探索部42は、リンクデータ321を参照して、目的地に最も近いリンクを選択して、終了リンクに設定する。
【0047】
一方、開始リンクは、以下のようにして設定する。
【0048】
図7は、開始リンクの設定処理のフロー図である。また、図8は、具体的に、開始リンクを選択する方法を説明するための図である。
【0049】
図8において、駐車場510は、高速道路505の付近にある。車両は、走行軌跡521に示すように、一般道501を通って、隣接する駐車場510に進入し停車するとする。その後、車両は、走行軌跡522に示すように、道路521とは異なる一般道502へ向けて発進するとする。そして、ユーザは、駐車場510の地点において、車載用ナビゲーション装置100に経路探索を要求するとする。
【0050】
車両が一般道501を走行中、現在位置算出部44は、一般道501のリンク上に仮想現在位置をマッチさせることができる。したがって、一般道501のリンク上に、マッチング候補点を算出する。
【0051】
一方、車両が駐車場510に進入すると、現在位置算出部44は、仮想現在位置をリンクにマッチさせることができなくなる。したがって、いずれのリンク上にもマッチしていないフリー候補点を算出する。
【0052】
なお、現在位置算出部44は、候補点を順次更新していくが、過去の候補点を、マッチング候補点かフリー候補点かの情報とともに、情報記憶部45に蓄積していく。
【0053】
図7を用いて開始リンク設定処理について説明する。
【0054】
まず、経路探索部42は、情報記憶部44に記憶されている過去のマッチング候補点の中から、最後に記憶されたマッチング候補点(言い換えれば、直近のマッチング候補点)の情報を抽出する。そして、リンクデータ321を参照して、そのマッチング候補点の存在するリンクの道路種別323を特定する(S222)。
【0055】
図8に示すように、軌跡521を走行後、駐車場510において、経路探索要求がなされた場合、最後のマッチング候補点は、一般道501のリンク上にある。したがって、最後のマッチング候補点のリンクの道路種別として、「一般道」が特定される。
【0056】
次に、経路探索部42は、現在位置算出部44から、現在位置の候補点を受信する。さらに、経路探索部42は、リンクデータ321を参照して、候補点から近い順に、リンクを1つ抽出する(S224)。
【0057】
図8の例では、経路探索部42は、現在位置算出部44から、駐車場510の位置のフリー候補点を受信することになる。そして、最寄りの高速道路505のリンクを抽出することになる。
【0058】
次に、S224で抽出したリンクの道路種別が、S222で特定した最後のマッチング候補点のリンクの道路種別と同じであるか否か判定する(S226)。
【0059】
道路種別が異なる場合(S226でNo)、経路探索部42は、S224に戻り、現在位置の候補点から前回抽出したリンクの次に近いリンクを選択し、以降の処理(S226)を行う。
【0060】
図8の例では、最寄りのリンクは「高速道路」であるのに対して、最後のマッチング候補点のリンクは「一般道」である。したがって、道路種別が異なるため、経路探索部42は、S224に戻って、前回抽出したリンクの次ぎに近いリンクとして、一般道502のリンクを抽出する。
【0061】
道路種別が同じリンクである場合(S226でYes)、経路探索部42は、S222で抽出したリンクを、開始リンクに設定し(S228)、開始リンク設定処理を終了する。
【0062】
図8の例では、道路502のリンクは、最後のマッチング候補点のリンクの道路と同種(一般道)である。したがって、経路探索部42は、道路502のリンクを、開始リンクとして設定する。
【0063】
こうして、開始リンクが設定されると、経路探索部42は、開始リンクから目的地までの経路を探索する(S230)。
【0064】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0065】
上記実施形態によれば、最後に走行した道路と同種の道路上に、経路探索の始点を求めることができる。したがって、図8に示すように、実際は、高速道路上にいないにも関らず、高速道路が最寄りにあるために、高速道路上を開始点とする経路が探索されてしまうのを防止できる。
【0066】
本発明は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、本発明の要旨の範囲内で、様々な変形が可能である。
【0067】
例えば、最後にマッチングしていたリンクを、そのまま経路探索の開始リンクとしてもよい。駐車場が狭い場合は、通常、元の道路に戻るので、このようにしても大きな問題とならない。図8に示すように、駐車場が広く、入口側の道路と出口側の道路が異なる場合は、多少誤差が生じるものの、全く異なる道路種別の道路を開始点としてしまうことは、防止できる。
【0068】
また、図7のS226では、同種の道路か否かを判定しているが、特定の種別の道路か否かの判定は一致するか否かで判定してもよい。例えば、経路探索部42は、まず、S222で特定した道路種別が、高速道路か否かを判定する。さらに、S224で抽出したリンクの道路種別が、高速道路か否を判定する。そして、判定結果が一致する場合(S226でYes)、S224で抽出したリンクを開始リンクとする。かかる場合、有料道路か否か、一般道か否かの判定結果を用いてもよい。
【0069】
また、上記の実施形態では、理解容易のため、現在位置の候補点が一つの場合で説明したが、複数の候補点があってもよい。すなわち、現在位置算出部44は、複数の候補点について、上記処理(S102〜S108)を行うようにしてもよい。かかる場合は、候補点ごとに信頼度を算出して、信頼度が最大の候補点を、現在位置の表示に用いる候補点(表示候補点)に設定するようにする。そして、図7の開始リンクを求める処理では、信頼度が最大の候補点を基準にして、その候補点から近い順にリンクを抽出するようにする(S224)。
【0070】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、車載用ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】図2は、記憶装置3に記憶されている地図データの構成例を示す図である。
【図3】図3は、演算処理部1のハードウェア構成を示す図である。
【図4】図4は、演算処理部1の機能構成を示す図である。
【図5】図5は、現在位置算出処理のフロー図である。
【図6】図6は、経路探索処理のフロー図である。
【図7】図7は、開始リンクの特定処理のフロー図である。
【図8】図8は、実施形態を具体的に説明するための地図である。
【符号の説明】
【0072】
100・・・車載用ナビゲーション装置、
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・車輪速センサ、7・・・地磁気センサ、8・・・ジャイロ、9・・・GPS受信機、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・DMA、25・・・描画コントローラ、26・・・VRAM、27・・・カラーパレット、28・・・A/D変換器、29・・・SCI、30・・・PIO、31・・・カウンタ、41・・・ユーザ操作解析部、42・・・経路探索部、43・・・経路誘導部、44・・・現在位置算出部、45・・・情報記憶部、46・・・表示処理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に車載用ナビゲーション装置の経路探索技術に関する。
【背景技術】
【0002】
現在位置から最も近いリンクを開始リンクに設定し、当該開始リンクから目的地までの経路を探索する車載用ナビゲーション装置が知られている。
【0003】
【特許文献1】特開平8−178682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、現在位置に最も近いリンクを、開始リンクとして設定すると、不都合が生じる場合がある。例えば、図8に示すように、駐車場510が高速道路505付近にある場合である。車両が、走行軌跡521に示すように、一般道501を通って、隣接する駐車場510に進入し停車したとする。この地点で、経路探索を行うと、駐車場510に最も近い高速道路505のリンクが、開始リンクに設定され、高速道路上を出発地点とする経路が探索されてしまう。これでは、適切な経路探索はできない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、より正確に開始リンクを設定して、経路探索を行うことにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明のナビゲーション装置は、最後に走行した道路と同種の道路上に、開始点を設定して、経路探索を行う。
【0007】
例えば、本発明のナビゲーション装置は、地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを記憶する手段と、現在位置を算出する手段と、前記現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段とを有している。そして、前記経路探索手段は、前記現在位置が最後に存在したリンクの属する道路と同じ道路種別の道路に属するリンクからの経路を探索する。
【0008】
また、ナビゲーション装置は、地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを記憶する手段と、マップマッチングにより地図上の現在位置を求めるマップマッチング手段と、前記リンクデータを用いて現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段とを有していてもよい。そして、前記マップマッチング手段は、リンク上またはリンク上でない位置に、現在位置を求めるものであり、前記経路探索手段は、最後にリンク上にマッチングした現在位置の存在するリンクの道路種別と同一の道路種別のリンクを、開始リンクに設定し、当該開始リンクから目的地までの経路を探索するようにしてもよい。
【0009】
また、前記経路探索手段は、前記現在位置が最後に存在したリンクの属する道路と同じ道路に属するリンクからの経路を探索するようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0011】
図1は、車載用ナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、車載用ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4と、入力装置5と、車輪速センサ6と、地磁気センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、車内LAN装置11と、FM多重放送受信装置12と、ビーコン受信装置13と、ネットワーク通信装置15とを有する。
【0012】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ6〜8やGPS受信装置9から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3に記憶されている地図データおよび交通情報配信サーバ200から受信した時系列交通情報を用いて、ユーザから指示された目的地と現在地(出発地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、音声入出力装置4やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0013】
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、CRTや液晶ディスプレイなどで構成される。演算処理部1とディスプレイ2との間の信号S1は、RGB信号やNTSC(National Television System Committee)信号で接続するのが一般的である。
【0014】
記憶装置3は、CD-ROMやDVD-ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、地図データ300が記憶されている。
【0015】
図2は、地図データ300の構成を示す図である。地図データ300は、地図上の区画された領域であるメッシュの識別コード(メッシュID)310ごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータ311を含む。
【0016】
リンクデータ311は、リンクID321ごとに、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報322、リンクを含む道路の種別情報323、リンクの長さを示すリンク長情報324、リンク旅行時間325、2つのノードにそれぞれ接続するリンクのリンクID(接続リンクID)326などを含む。なお、ここでは、リンクを構成する2つのノードについて開始ノードと終了ノードとを区別することで、同じ道路の上り方向と下り方向とを、それぞれ別のリンクとして管理するようにしている。また、リンク旅行時間325は、日時、天気などの条件ごとに対応付けられたリンク旅行時間であってもよい。
【0017】
また、地図データ300には、対応するメッシュ領域に含まれている道路以外の地図構成物(例えば、駐車場)の情報(名称、種別、座標情報など)も含まれている。
【0018】
図1に戻って説明する。音声入出力装置4は、演算処理部1で生成したユーザへのメッセージを音声信号に変換し出力する。また、ユーザが発した声を認識し演算処理部1にその内容を転送する処理を行う。
【0019】
入力装置5は、ユーザからの指示を受け付けるユニットである。入力装置5は、スクロールキー、縮尺変更キーなどのハードスイッチ、ジョイスティック、ディスプレイ上に貼られたタッチパネルなどで構成される。
【0020】
センサ6〜8およびGPS受信装置9は、車載用ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。車輪速センサ6は、車輪の円周と計測される車輪の回転数の積から距離を測定し、さらに対となる車輪の回転数の差から移動体が曲がった角度を計測する。地磁気センサ7は、地球が保持している磁場を検知し、移動体が向いている方角を検出する。ジャイロ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体が回転した角度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定する。
【0021】
車内LAN装置11は、車載用ナビゲーション装置100が搭載された車両の様々な情報、例えばドアの開閉情報、ライトの点灯状態情報、エンジンの状況や故障診断結果などを受ける。
【0022】
FM多重放送受信装置12は、FM多重放送信号としてFM多重放送局から送られてくる概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスステーション/パーキング)情報、駐車場情報、天気情報などを受信する。
【0023】
ビーコン受信装置13は、ビーコンから送られてくる現況交通情報、規制情報、SA/PA情報、駐車場情報などを受信する。
【0024】
ネットワーク通信装置15は、車載用ナビゲーション装置100と、交通情報配信するサーバとの間の情報の授受を仲介する。
【0025】
図3は、演算処理部1の機能ブロック図である。
【0026】
図示するように、演算処理部1は、ユーザ操作解析部41と、経路探索部42と、経路誘導部43と、現在位置算出部44と、情報記憶部45、表示処理部46とを有する。
【0027】
ユーザ操作解析部41は、入力装置5に入力されたユーザからの要求を受け、その要求内容を解析して、その要求内容に対応する処理が実行されるように演算処理部1の各部を制御する。例えば、ユーザが推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を表示処理部45に要求する。また、現在地(出発地)から目的地までの経路を演算する処理を経路探索部42に要求する。
【0028】
現在位置算出部44は、車輪速センサ6で計測される距離パルスデータS5およびジャイロ8で計測される角加速度データS7を各々積分した結果得られる距離データおよび角度データを用い、そのデータを時間軸で積分していくことにより、初期位置(X,Y)から自車走行後の位置である仮想現在位置(X′,Y′)を定期的に演算する。また、演算結果を用いて、マップマッチ処理することにより、形状の相関が最も高い道路(リンク)上に、現在位置の候補点を求める。
【0029】
経路探索部42は、ダイクストラ法等を用いて、指定された2地点(現在地、目的地)間を結ぶ経路のコスト(例えば、旅行時間)が最少となる経路を探索する。
【0030】
経路誘導部43は、経路探索部42で探索された経路を用いて経路誘導を行う。例えば、経路の情報と、現在地の情報とを比較し、交差点等を通過する前に直進すべきか、右左折すべきかを音声出入力装置4を用いて音声でユーザに知らせる。また、経路誘導部43は、ディスプレイ2に表示された地図上に進行すべき方向を表示して、ユーザに推奨経路を通知する。
【0031】
表示処理部46は、ディスプレイ2への表示が要求される領域にある地図データを記憶装置3から受け取り、指定された縮尺、描画方式で、道路、その他の地図構成物や、現在地、目的地、推奨経路のための矢印といったマークを描画するように地図描画コマンドを生成する。そして、生成したコマンドを、ディスプレイ2に送信する。
【0032】
図4は、演算処理部1のハードウェア構成例を示す図である。
【0033】
図示するように、演算処理部1は、各デバイス間をバス32で接続した構成としてある。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、メモリ間およびメモリと各デバイスとの間のデータ転送を実行するDMA(Direct Memory Access)24と、グラフィックス描画を実行し且つ表示制御を行う描画コントローラ25と、グラフィックスイメージデータを蓄えるVRAM(Video Random Access Memory)26と、イメージデータをRGB信号に変換するカラーパレット27と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器28と、シリアル信号をバスに同期したパラレル信号に変換するSCI(Serial Communication Interface)29と、パラレル信号をバスに同期させてバス上にのせるPIO(Parallel Input/Output)30と、パルス信号を積分するカウンタ31と、を有する。
【0034】
[動作の説明]次に、上記構成の車載用ナビゲーション装置100の動作について説明する。
【0035】
車載用ナビゲーション装置100は、所定距離走行するごとに、現在位置の候補点を求める処理を行う。
【0036】
図5は、かかる現在位置算出処理のフロー図である。
【0037】
現在位置算出部44は、所定距離(例えば、20m)走行するごとに、前回の現在位置の候補点からの相対変位(移動距離、移動方位)を、GPS受信装置9や各種センサ6〜8の出力から求める。そして、前回の候補点に、相対変位を加算して、仮想現在位置を求める(S102)。
【0038】
次に、現在位置算出部55は、マップマッチングにより、仮想現在位置がマッチするリンクの選択を試みる(S104)。具体的には、現在位置算出部44は、リンクデータ321を参照して、仮想現在位置から所定の範囲内に存在するリンクを抽出する。さらに、検索されたリンクのうち、その方位と車両の進行方位との差が所定値以内であるリンクを選択する。
【0039】
こうして、いずれかのリンクが選択された場合(S104でYes)、現在位置算出部44は、選択したリンク上に新たな候補点を算出する(S106)。なお、このように、いずれかのリンク上にマッチした候補点を、「マッチング候補点」と呼ぶ。
【0040】
一方、リンクが選択されなかった場合(S104でNo)、現在位置算出部44は、S102で求めた仮想現在位置を、そのまま新たな候補点とする(S108)。なお、このように、いずれのリンクにもマッチしていない候補点を、「フリー候補点」と呼ぶ。
【0041】
現在位置算出部44は、以上の処理(S102〜S108)を繰り返して、現在位置の候補点を更新していく。
【0042】
次に、経路探索処理について説明する。
【0043】
図6は、経路探索処理のフロー図である。このフローは、ユーザから入力装置5を介して、経路探索要求を受け付けたときに開始される。
【0044】
まず、経路探索部42は、出発地、目的地の設定を行う(S210)。ここでは、現在位置が出発地に設定された場合について説明する。
【0045】
経路探索部42は、開始リンクと終了リンクを設定し(S220)、開始リンクから終了リンクまでの経路を探索する(S230)。経路探索部42は、例えば、リンク旅行時間をコストとして、総コストが最少の経路をダイクストラ法等により探索する。
【0046】
ここで、経路探索部42は、リンクデータ321を参照して、目的地に最も近いリンクを選択して、終了リンクに設定する。
【0047】
一方、開始リンクは、以下のようにして設定する。
【0048】
図7は、開始リンクの設定処理のフロー図である。また、図8は、具体的に、開始リンクを選択する方法を説明するための図である。
【0049】
図8において、駐車場510は、高速道路505の付近にある。車両は、走行軌跡521に示すように、一般道501を通って、隣接する駐車場510に進入し停車するとする。その後、車両は、走行軌跡522に示すように、道路521とは異なる一般道502へ向けて発進するとする。そして、ユーザは、駐車場510の地点において、車載用ナビゲーション装置100に経路探索を要求するとする。
【0050】
車両が一般道501を走行中、現在位置算出部44は、一般道501のリンク上に仮想現在位置をマッチさせることができる。したがって、一般道501のリンク上に、マッチング候補点を算出する。
【0051】
一方、車両が駐車場510に進入すると、現在位置算出部44は、仮想現在位置をリンクにマッチさせることができなくなる。したがって、いずれのリンク上にもマッチしていないフリー候補点を算出する。
【0052】
なお、現在位置算出部44は、候補点を順次更新していくが、過去の候補点を、マッチング候補点かフリー候補点かの情報とともに、情報記憶部45に蓄積していく。
【0053】
図7を用いて開始リンク設定処理について説明する。
【0054】
まず、経路探索部42は、情報記憶部44に記憶されている過去のマッチング候補点の中から、最後に記憶されたマッチング候補点(言い換えれば、直近のマッチング候補点)の情報を抽出する。そして、リンクデータ321を参照して、そのマッチング候補点の存在するリンクの道路種別323を特定する(S222)。
【0055】
図8に示すように、軌跡521を走行後、駐車場510において、経路探索要求がなされた場合、最後のマッチング候補点は、一般道501のリンク上にある。したがって、最後のマッチング候補点のリンクの道路種別として、「一般道」が特定される。
【0056】
次に、経路探索部42は、現在位置算出部44から、現在位置の候補点を受信する。さらに、経路探索部42は、リンクデータ321を参照して、候補点から近い順に、リンクを1つ抽出する(S224)。
【0057】
図8の例では、経路探索部42は、現在位置算出部44から、駐車場510の位置のフリー候補点を受信することになる。そして、最寄りの高速道路505のリンクを抽出することになる。
【0058】
次に、S224で抽出したリンクの道路種別が、S222で特定した最後のマッチング候補点のリンクの道路種別と同じであるか否か判定する(S226)。
【0059】
道路種別が異なる場合(S226でNo)、経路探索部42は、S224に戻り、現在位置の候補点から前回抽出したリンクの次に近いリンクを選択し、以降の処理(S226)を行う。
【0060】
図8の例では、最寄りのリンクは「高速道路」であるのに対して、最後のマッチング候補点のリンクは「一般道」である。したがって、道路種別が異なるため、経路探索部42は、S224に戻って、前回抽出したリンクの次ぎに近いリンクとして、一般道502のリンクを抽出する。
【0061】
道路種別が同じリンクである場合(S226でYes)、経路探索部42は、S222で抽出したリンクを、開始リンクに設定し(S228)、開始リンク設定処理を終了する。
【0062】
図8の例では、道路502のリンクは、最後のマッチング候補点のリンクの道路と同種(一般道)である。したがって、経路探索部42は、道路502のリンクを、開始リンクとして設定する。
【0063】
こうして、開始リンクが設定されると、経路探索部42は、開始リンクから目的地までの経路を探索する(S230)。
【0064】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0065】
上記実施形態によれば、最後に走行した道路と同種の道路上に、経路探索の始点を求めることができる。したがって、図8に示すように、実際は、高速道路上にいないにも関らず、高速道路が最寄りにあるために、高速道路上を開始点とする経路が探索されてしまうのを防止できる。
【0066】
本発明は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、本発明の要旨の範囲内で、様々な変形が可能である。
【0067】
例えば、最後にマッチングしていたリンクを、そのまま経路探索の開始リンクとしてもよい。駐車場が狭い場合は、通常、元の道路に戻るので、このようにしても大きな問題とならない。図8に示すように、駐車場が広く、入口側の道路と出口側の道路が異なる場合は、多少誤差が生じるものの、全く異なる道路種別の道路を開始点としてしまうことは、防止できる。
【0068】
また、図7のS226では、同種の道路か否かを判定しているが、特定の種別の道路か否かの判定は一致するか否かで判定してもよい。例えば、経路探索部42は、まず、S222で特定した道路種別が、高速道路か否かを判定する。さらに、S224で抽出したリンクの道路種別が、高速道路か否を判定する。そして、判定結果が一致する場合(S226でYes)、S224で抽出したリンクを開始リンクとする。かかる場合、有料道路か否か、一般道か否かの判定結果を用いてもよい。
【0069】
また、上記の実施形態では、理解容易のため、現在位置の候補点が一つの場合で説明したが、複数の候補点があってもよい。すなわち、現在位置算出部44は、複数の候補点について、上記処理(S102〜S108)を行うようにしてもよい。かかる場合は、候補点ごとに信頼度を算出して、信頼度が最大の候補点を、現在位置の表示に用いる候補点(表示候補点)に設定するようにする。そして、図7の開始リンクを求める処理では、信頼度が最大の候補点を基準にして、その候補点から近い順にリンクを抽出するようにする(S224)。
【0070】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【図1】図1は、車載用ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】図2は、記憶装置3に記憶されている地図データの構成例を示す図である。
【図3】図3は、演算処理部1のハードウェア構成を示す図である。
【図4】図4は、演算処理部1の機能構成を示す図である。
【図5】図5は、現在位置算出処理のフロー図である。
【図6】図6は、経路探索処理のフロー図である。
【図7】図7は、開始リンクの特定処理のフロー図である。
【図8】図8は、実施形態を具体的に説明するための地図である。
【符号の説明】
【0072】
100・・・車載用ナビゲーション装置、
1・・・演算処理部、2・・・ディスプレイ、3・・・記憶装置、4・・・音声出入力装置、5・・・入力装置、6・・・車輪速センサ、7・・・地磁気センサ、8・・・ジャイロ、9・・・GPS受信機、21・・・CPU、22・・・RAM、23・・・ROM、24・・・DMA、25・・・描画コントローラ、26・・・VRAM、27・・・カラーパレット、28・・・A/D変換器、29・・・SCI、30・・・PIO、31・・・カウンタ、41・・・ユーザ操作解析部、42・・・経路探索部、43・・・経路誘導部、44・・・現在位置算出部、45・・・情報記憶部、46・・・表示処理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置であって、
地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを記憶する手段と、
現在位置を算出する手段と、
前記現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段とを有し、
前記経路探索手段は、
前記現在位置が最後に存在したリンクの属する道路と同じ道路種別の道路に属するリンクから開始する経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
ナビゲーション装置であって、
地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを記憶する手段と、
マップマッチングにより地図上の現在位置を求めるマップマッチング手段と、
前記リンクデータを用いて現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段とを有し、
前記マップマッチング手段は、リンク上またはリンク上でない位置に、現在位置を求めるものであり、
前記経路探索手段は、
最後にリンク上にマッチングした現在位置の存在するリンクの道路種別と同一の道路種別のリンクを、開始リンクに設定し、当該開始リンクから目的地までの経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記経路探索手段は、
最後にリンク上にマッチングした現在位置の存在するリンクの道路種別と同一の道路種別のリンクであって、当該現在位置から最も近いリンクを、開始リンクに設定し、当該開始リンクから目的地までの経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記道路種別には、高速道路、有料道路及び一般道のうち少なくとも1つが含まれている
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
ナビゲーション装置であって、
地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを記憶する手段と、
現在位置を算出する手段と、
前記現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段とを有し、
前記経路探索手段は、
前記現在位置が最後に存在したリンクの属する道路と同じ道路に属するリンクからの経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項1】
ナビゲーション装置であって、
地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを記憶する手段と、
現在位置を算出する手段と、
前記現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段とを有し、
前記経路探索手段は、
前記現在位置が最後に存在したリンクの属する道路と同じ道路種別の道路に属するリンクから開始する経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
ナビゲーション装置であって、
地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを記憶する手段と、
マップマッチングにより地図上の現在位置を求めるマップマッチング手段と、
前記リンクデータを用いて現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段とを有し、
前記マップマッチング手段は、リンク上またはリンク上でない位置に、現在位置を求めるものであり、
前記経路探索手段は、
最後にリンク上にマッチングした現在位置の存在するリンクの道路種別と同一の道路種別のリンクを、開始リンクに設定し、当該開始リンクから目的地までの経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記経路探索手段は、
最後にリンク上にマッチングした現在位置の存在するリンクの道路種別と同一の道路種別のリンクであって、当該現在位置から最も近いリンクを、開始リンクに設定し、当該開始リンクから目的地までの経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1において、
前記道路種別には、高速道路、有料道路及び一般道のうち少なくとも1つが含まれている
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
ナビゲーション装置であって、
地図上の道路を構成するリンクのリンクデータを記憶する手段と、
現在位置を算出する手段と、
前記現在位置から目的地までの経路を探索する経路探索手段とを有し、
前記経路探索手段は、
前記現在位置が最後に存在したリンクの属する道路と同じ道路に属するリンクからの経路を探索する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【公開番号】特開2006−275766(P2006−275766A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−95289(P2005−95289)
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年3月29日(2005.3.29)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】
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