説明

ナビゲーション装置

【課題】ユーザの道路の学習の度合いを考慮して、ユーザにとって必要な誘導情報になるべく絞って出力する。
【解決手段】
ナビゲーション装置は、ユーザの道路の学習度合いを求める手段を有し、ユーザの学習度合いが高い場合、出力する誘導情報の量を減らす。具体的には、ユーザの顔を撮像する撮像装置を備え、撮像画像を基に、ユーザの顔の向きからユーザが表示装置を見たか判断し、分岐点ごとに、表示装置を見たか否かの履歴を記憶しておく。そして、最近の履歴において、表示装置を見た回数が少ない場合、その分岐点の学習度合いが高いとして、誘導情報の量を減らす。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に車載用ナビゲーション装置の誘導技術に関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザの要求に応じて目的地までの経路を探索し、探索した経路を用いて、誘導情報(案内情報)を表示する車載用ナビゲーション装置がある。一方、ユーザが、ナビゲーション装置の誘導に頼り、道順を覚えないことを考慮して、特許文献1には、道順の学習を支援する情報を出力する車載用ナビゲーション装置が記載されている。
【0003】
【特許文献1】特開2003−287425号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1の技術では、ユーザの学習の度合いを考慮していない。これでは、ユーザが道順を学習しているにも関らず、不要な誘導情報を出力することになる。また、常時豊富な誘導情報が提供されると、ユーザは覚えることをしない。
【0005】
本発明の目的は、ユーザの学習の度合いを考慮して、ユーザにとって必要な誘導情報になるべく絞って出力する技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決すべく、本発明のナビゲーション装置は、ユーザの道路に関する学習度を記憶する手段と、前記学習度に応じて誘導情報の量を決定する手段と、前記決定した誘導情報を出力する手段とを有する。
【0007】
また、ナビゲーション装置は、表示装置と、誘導情報を前記表示装置に出力する誘導情報出力手段と、ユーザが前記表示装置に表示された誘導情報を見たか否かを判定する判定手段と、前記判定手段の判定結果を記憶する記憶手段と、前記記憶手段により記憶した判定結果を用いて、前記ユーザの学習度を求める学習度算出手段とを有していてもよい。そして、前記誘導情報出力手段は、前記学習度算出手段により求められた前記ユーザの学習度に応じて、出力する誘導情報の量を異ならせるようにしてもよい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【0009】
図1は、車載用ナビゲーション装置100の概略構成図である。図示するように、車載用ナビゲーション装置100は、演算処理部1と、ディスプレイ2と、記憶装置3と、音声入出力装置4と、入力装置5と、車輪速センサ6と、地磁気センサ7と、ジャイロセンサ8と、GPS(Global Positioning System)受信装置9と、FM多重放送受信装置12と、ビーコン受信装置13と、撮像装置15とを有する。
【0010】
演算処理部1は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えば各種センサ6〜8やGPS受信装置9から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置3から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ2へ表示する。また、記憶装置3に記憶されている地図データおよび交通情報配信サーバ200から受信した時系列交通情報を用いて、ユーザから指示された目的地と現在地(出発地)とを結ぶ最適な経路(推奨経路)を探索する。また、音声入出力装置4やディスプレイ2を用いてユーザを誘導する。
【0011】
ディスプレイ2は、演算処理部1で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ2は、CRTや液晶ディスプレイなどで構成される。演算処理部1とディスプレイ2との間の信号S1は、RGB信号やNTSC(National Television System Committee)信号で接続するのが一般的である。
【0012】
記憶装置3は、CD-ROMやDVD-ROMやHDDやICカードといった記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、地図データが記憶されている。
【0013】
地図データは、地図上の区画された領域であるメッシュごとに、そのメッシュ領域に含まれる道路を構成する各リンクのリンクデータを含んでいる。リンクデータは、リンクを構成する2つのノード(開始ノード、終了ノード)の座標情報、リンクを含む道路の種別情報、リンクの長さを示すリンク長情報、リンク旅行時間(経路探索時のコスト)、2つのノードにそれぞれ接続するリンクのリンクID(接続リンクID)などを含んでいる。また、地図データには、対応するメッシュ領域に含まれている道路以外の地図構成物(例えば、駐車場)の情報(名称、種別、座標情報など)も含まれている。
【0014】
音声入出力装置4は、演算処理部1で生成したユーザへのメッセージを音声信号に変換し出力する。また、ユーザが発した声を認識し演算処理部1にその内容を転送する処理を行う。
【0015】
入力装置5は、ユーザからの指示を受け付けるユニットである。入力装置5は、スクロールキー、縮尺変更キーなどのハードスイッチ、ジョイスティック、ディスプレイ上に貼られたタッチパネルなどで構成される。
【0016】
センサ6〜8およびGPS受信装置9は、車載用ナビゲーション装置100で現在地(自車位置)を検出するために使用されるものである。車輪速センサ6は、車輪の円周と計測される車輪の回転数の積から距離を測定し、さらに対となる車輪の回転数の差から移動体が曲がった角度を計測する。地磁気センサ7は、地球が保持している磁場を検知し、移動体が向いている方角を検出する。ジャイロ8は、光ファイバジャイロや振動ジャイロ等で構成され、移動体が回転した角度を検出するものである。GPS受信装置9は、GPS衛星からの信号を受信し移動体とGPS衛星間の距離と距離の変化率を3個以上の衛星に対して測定することで移動体の現在位置、進行速度および進行方位を測定する。
【0017】
FM多重放送受信装置12は、FM多重放送信号としてFM多重放送局から送られてくる概略現況交通情報、規制情報、SA/PA(サービスステーション/パーキング)情報、駐車場情報、天気情報などを受信する。
【0018】
ビーコン受信装置13は、ビーコンから送られてくる現況交通情報、規制情報、SA/PA情報、駐車場情報などを受信する。
【0019】
撮像装置15は、ユーザの顔の位置の画像を撮像する装置である。図4に示すように、車両のダッシュボード200やルームミラー位置に設置されている。撮像装置15は、ユーザがナビゲーション装置100のディスプレイ2を見たか否かを判定するために用いられる画像を撮像する。ユーザがディスプレイ2を見ずに正面(車両の進行方向)を見ている場合は、撮像装置15は、例えば、図5(a)に示すように、正面の顔の画像を取得する。一方、ユーザがディスプレイ2を見ている場合、撮像装置15は、例えば、図5(b)に示すように、横顔の画像を取得する。
【0020】
図2は、演算処理部1の機能ブロック図である。
【0021】
図示するように、演算処理部1は、ユーザ操作解析部41と、経路探索部42と、経路誘導部43と、現在位置算出部44と、情報記憶部45、表示処理部46、撮像画像処理部47とを有する。
【0022】
ユーザ操作解析部41は、入力装置5に入力されたユーザからの要求を受け、その要求内容を解析して、その要求内容に対応する処理が実行されるように演算処理部1の各部を制御する。例えば、ユーザが推奨経路の探索を要求したときは、目的地を設定するため、地図をディスプレイ2に表示する処理を表示処理部45に要求する。また、現在地(出発地)から目的地までの経路を演算する処理を経路探索部42に要求する。
【0023】
現在位置算出部44は、車輪速センサ6で計測される距離パルスデータS5およびジャイロ8で計測される角加速度データS7を各々積分した結果得られる距離データおよび角度データを用い、そのデータを時間軸で積分していくことにより、初期位置(X,Y)から自車走行後の位置である仮想現在位置(X′,Y′)を定期的に演算する。また、演算結果を用いて、マップマッチ処理することにより、形状の相関が最も高い道路(リンク)上に、現在位置の候補点を求める。
【0024】
経路探索部42は、ダイクストラ法等を用いて、指定された2地点(現在地、目的地)間を結ぶ経路のコスト(例えば、旅行時間)が最少となる経路を探索する。
【0025】
経路誘導部43は、経路探索部42で探索された経路を用いて経路誘導を行う。例えば、経路誘導部43は、経路の情報と、現在地の情報とを比較し、交差点等を通過する前に直進すべきか、右左折すべきかを音声出入力装置4を用いて音声でユーザに知らせる。また、ディスプレイ2に表示された地図上に進行すべき方向を表示して、ユーザに推奨経路を通知する。
【0026】
表示処理部46は、ディスプレイ2への表示が要求される領域にある地図データを記憶装置3から受け取り、指定された縮尺、描画方式で、道路、その他の地図構成物や、現在地、目的地、推奨経路のための矢印といったマークを描画するように地図描画コマンドを生成する。そして、生成したコマンドを、ディスプレイ2に送信する。
【0027】
撮像画像処理部47は、撮像装置15が取得した画像を基に、ユーザが、ディスプレイ2を見たか否かを判定する。図5(a)及び(b)に示すように、ユーザがディプレイ2を見ているか否かで、取得される画像内のユーザの顔や目の位置及び方向が異なる。そこで、撮像画像処理部47は、例えば、画像の中央部の目の位置(2つの黒い点)の位置により、ディスプレイ2を見ているか否か判定する。例えば、目の位置が、正面からずれた場合、ユーザがディスプレイ2を見たと判定する。若しくは、撮像画像処理部47は、車載用ナビゲーション装置100に対して入力装置5を介して操作がされているときの画像(図5の(b)の画像)を、テンプレートとして登録しておく。操作がされているとき、ユーザはディスプレイ2を見ているはずだからである。そこで、撮像画像処理部47は、取得した画像とテンプレートとのパターンマッチングを試みて、マッチングした場合に、「ユーザはディスプレイ2を見ている」と判定する。なお、その他の画像処理の方法により、ユーザがディスプレイ2を見ているか否かを判定してもよい。
【0028】
図3は、演算処理部1のハードウェア構成例を示す図である。
【0029】
図示するように、演算処理部1は、各デバイス間をバス32で接続した構成としてある。演算処理部1は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するCPU(Central Processing Unit)21と、記憶装置3から読み出した地図データ、演算データなどを格納するRAM(Random Access Memory)22と、プログラムやデータを格納するROM(Read Only Memory)23と、メモリ間およびメモリと各デバイスとの間のデータ転送を実行するDMA(Direct Memory Access)24と、グラフィックス描画を実行し且つ表示制御を行う描画コントローラ25と、グラフィックスイメージデータを蓄えるVRAM(Video Random Access Memory)26と、イメージデータをRGB信号に変換するカラーパレット27と、アナログ信号をデジタル信号に変換するA/D変換器28と、シリアル信号をバスに同期したパラレル信号に変換するSCI(Serial Communication Interface)29と、パラレル信号をバスに同期させてバス上にのせるPIO(Parallel Input/Output)30と、パルス信号を積分するカウンタ31と、を有する。
【0030】
[動作の説明]次に、上記構成の車載用ナビゲーション装置100の動作について説明する。
【0031】
車載用ナビゲーション装置100の経路探索部42は、ユーザからの要求に応じて目的地までの経路を探索する。また、経路誘導部43は、探索された経路をディスプレイ2の地図上に表示し、交差点などにおいて、「次ぎの交差点を右折です」などの誘導情報を、音声入出力装置4又はディスプレイ2を介して出力する。
【0032】
経路誘導中、経路誘導部42は、ユーザがディスプレイ2の表示を確認したか否かのデータ(確認頻度データ450)を情報記憶部45に登録していく。
【0033】
図6は、確認頻度データ450の登録処理の流れを示すフロー図である。
【0034】
経路誘導中、経路誘導部43は、地図データを参照して、現在位置が、分岐点に近づいたか否か判定する(S102)。具体的には、現在位置が分岐点から予め定めた距離(例えば50m)以内になったとき、分岐点に近づいたと判定する。
【0035】
現在位置が分岐点に近づいた場合(S102でYes)、経路誘導部43は、現在位置が分岐点を通過するまでの間に、「ユーザがディスプレイ2を見たか否か」の判定を、撮像画像処理部48に指示する。これを受けて、撮像画像処理部47は、撮像した画像を基に、「ユーザがディスプレイ2を見たか否か」の判定を行い、結果を経路誘導部43に送る。経路誘導部43は、その判定結果を撮像画像処理部48から受信する(S104)。
【0036】
次に、経路誘導部43は、判定結果を確認頻度データ450に登録する。
【0037】
図7は、確認頻度データ450の構成を示す図である。経路誘導部43は、その分岐点の分岐点ID451に対応させて、通過日時452と、判定結果453とを確認頻度データ450に格納する。
【0038】
経路誘導部43は、現在位置が分岐点に差し掛かるごと、以上の処理(S104〜S106)を行う。こうして、分岐点における「ディスプレイ2を見たか否か」の履歴として、確認頻度データ450が蓄積されていく。
【0039】
つぎに、経路誘導中の誘導情報の出力処理について説明する。
【0040】
図8は、かかる誘導情報の出力処理のフロー図である。
【0041】
経路誘導部43は、経路誘導中、現在位置が、誘導情報を出力すべき分岐点(誘導分岐点)に近づいたか否か判定する(S202)。具体的には、現在位置が誘導分岐点から予め定めた距離(例えば、50m)以内になった場合、誘導分岐点に近づいたと判定する。なお、誘導分岐点は、右折や左折する旨の誘導情報を出力する地点であり、経路誘導部43により特定される。
【0042】
現在位置が誘導分岐点に近づいた場合(S202でYes)、経路誘導部43は、確認頻度データ450を参照して、その誘導分岐点に関するユーザの学習度を求める(S204)。具体的には、まず、確認頻度データ450の中から、その誘導分岐点の最近10回通過分のデータを抽出する。そして、その最近10回通過分のデータの中から、「ディスプレイ2を確認しなかった」旨の情報が格納されたデータの数を求める。こうして、最近10回通過したうちの、ディスプレイ2を確認しなかった回数を求める。確認しなかった回数が多いほど、ユーザがその分岐点を学習したものと考えられるので、経路誘導部43は、求めた「確認しなかった回数」を学習度とする。
【0043】
次に、経路誘導部43は、学習度が所定値(例えば7)以上かどうか判定する(S206)。
【0044】
学習度が所定値未満の場合(S206でNo)、経路誘導部43は、通常の誘導情報を出力する。すなわち、音声と表示により誘導情報を出力する。そして、S202に戻る。
【0045】
一方、学習度が所定値以上の場合(S206でYes)、経路誘導部43は、通常とは異なる量の誘導情報を出力する。本実施形態では、出力する誘導情報の量を、通常の誘導情報の量より減らす。例えば、経路誘導部43は、音声のみ、若しくは表示のみにより、誘導情報を出力する。または、音量を通常より小さくしてもよい。また、学習度に応じて、音量を変えてもよい。また、経路誘導部43は、誘導分岐点が予め定められた重要度の高い分岐点であるか否か判定し、重要度が高い分岐点のときのみ誘導情報を出力するようにしてもよい。重要度が高い分岐点とは、例えば、目的地方面に向かう幹線道路の分岐点、幹線道路から右左折する十字路の分岐点、高速道路の入口、出口の分岐点等である。
【0046】
S210の処理を行ったのち、経路誘導部43は、S202に戻って処理を続ける。
【0047】
こうして、経路誘導部43は、誘導分岐点に差し掛かるたびに、上記の処理S204〜S210)を繰り返す。
【0048】
以上、本発明の一実施形態について説明した。
【0049】
上記実施形態によれば、ユーザの道路に関する学習の度合いに応じて、出力する誘導情報の量を異ならせることができる。すなわち、当初は、音声と表示により、十分な誘導情報を出力する。一方、ユーザが道路を熟知した場合、表示のみにするなどして、必要以上の情報を提示しないようにできる。このようにすれば、ユーザの学習を支援するもこともできる。
【0050】
また、上記実施形態では、最近の学習度(確認頻度)に応じて、誘導情報の量を決定する。すなわち、ユーザが一旦学習した後、忘れてしまった場合でも、最近の確認回数が増えれば、再び、誘導情報の量が増える。したがって、そのときのユーザの学習の度合いに即した情報提供ができる。
【0051】
本発明は、上記実施形態に制限されない。上記実施形態は、本発明の要旨の範囲内で、様々な変形が可能である。
【0052】
例えば、学習度は、確認頻度データ450を基に、様々な統計処理により、確認頻度を求めるなどして算出することができる。
【0053】
また、誘導分岐点の学習度が高い場合(S204でYes)、経路誘導部43は、現在位置が目的地までの経路から大きく外れたか否かを判定し、大きく外れた場合(例えば、50m以上離れた場合)に、誘導情報を出力するようにしてもよい。
【0054】
また、上記実施形態では、学習度が所定値以上になった場合、誘導情報を減少させているが、このとき、ユーザの年齢を考慮してもよい。具体的には、ユーザ操作解析部41は、事前にユーザから年齢の入力を受け付ける。そして、経路誘導部43は、誘導情報を減らす基準となる学習度の「所定値」を高齢なほど高く設定する。すなわち、高齢なほど、学習度が高くても、通常の誘導情報が出力されるようにして、誘導情報を減少させないようにする。
【0055】
また、ユーザごとの学習度に応じて、出力する誘導情報を異ならせてもよい。具体的には、車載用ナビゲーション装置100は、ユーザ認証装置を有する。ユーザ認証装置は、ユーザから、ユーザを特定する情報(ユーザID)の入力を受け付けて、ユーザを認証する。そして、経路誘導部43は、確認頻度データを登録する際、認証したユーザに対応させて、登録するようにする。経路誘導部43は、誘導情報出力処理において学習度を求める際(S204)、認証されたユーザの確認頻度データを用いて、学習度を求めるようにする。
【0056】
このようにすれば、車載用ナビゲーション装置100は、ユーザごとの道路の学習度を考慮して、誘導情報の出力を行うことができる。
【0057】
また、学習度に応じて誘導情報を減らす処理(S208)を、ユーザの生活圏の一つ外、準生活圏(居住地の周辺市町村)において実行するようにしてもよい。この範囲に限定するのは、ユーザが不慣れな地域であり、学習する意味があるからである。具体的には、経路誘導部43は、学習度が所定値以上の場合(S206でYes)、現在位置が準生活圏(例えば、予め入力されているユーザの住所から半径5km以内)であるか判定し、準生活圏内の場合にのみ、誘導情報の量を減らす。それ以外の場合は、S208に移行し、通常通り、誘導情報を出力するようにする。
【0058】
また、S210において誘導情報を出力しているときに、ユーザから通常の誘導情報の出力要求を受け付けた場合、経路誘導部43は、S208に移行し、通常の誘導情報を出力するようにするようにしてもよい。
【0059】
また、経路誘導部43は、学習に役立つ情報を出力するようにしてもよい。例えば、「この国道X号線は、A市〜B市まで続いている道路です」などと、現在位置が存在する道路に関する情報を出力する。
【0060】
また、経路誘導部43は、学習に役立つ情報として過去の走行履歴を出力してもよい。例えば、経路誘導部43は、走行履歴を情報記憶部45に蓄積する。そして、現在位置が過去に所定回数走行した道路にある場合、走行履歴を参照して、「以前、X月X日、XXへ行くときに通った道ですね」などと、学習に役立つ情報を出力する。
【0061】
また、上述したように、学習の度合いによって変化させるのは、誘導情報の量に限らず、その内容や出力の仕方(音声、表示など)であってもよい。
【0062】
また、上記実施形態では、分岐点ごとに学習度を求めるようにしているが、道路、地域、特定の地点、建物、目印となる地点などごとに、学習度を求めるようにしてもよい。
【0063】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、車載用ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図2】図2は、演算処理部1のハードウェア構成を示す図である。
【図3】図3は、演算処理部1の機能構成を示す図である。
【図4】図4は、撮像装置15の設置位置を説明するための図である。
【図5】図5(a)はユーザが前方を向いているときの画像の例であり、図5(b)はユーザがディスプレイを見ているときの画像の例である。
【図6】図6は、確認頻度データの登録処理のフロー図である。
【図7】図7は、確認頻度データの構成例である。
【図8】図8は、誘導情報出力処理のフロー図である。
【符号の説明】
【0065】
100 ・・・車載用ナビゲーション装置、
1 ・・・演算処理部、2 ・・・ディスプレイ、3 ・・・記憶装置、4 ・・・音声出入力装置、5 ・・・入力装置、6 ・・・車輪速センサ、7 ・・・地磁気センサ、8 ・・・ジャイロ、9 ・・・GPS受信機、12 ・・・FM多重放送受信装置、13 ・・・ビーコン受信装置、15 ・・・撮像装置、
21 ・・・CPU、22 ・・・RAM、23 ・・・ROM、24 ・・・DMA、25 ・・・描画コントローラ、26 ・・・VRAM、27 ・・・カラーパレット、28 ・・・A/D変換器、29 ・・・SCI、30 ・・・PIO、31 ・・・カウンタ、41 ・・・ユーザ操作解析部、42 ・・・経路探索部、43 ・・・経路誘導部、44 ・・・現在位置算出部、45 ・・・情報記憶部、46 ・・・表示処理部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置であって、
ユーザの道路に関する学習度を記憶する手段と、
前記学習度に応じて誘導情報の量を決定する手段と、
前記決定した量の誘導情報を出力する手段と
を有することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
ナビゲーション装置であって、
表示装置と、
誘導情報を前記表示装置に出力する誘導情報出力手段と、
ユーザが前記表示装置に表示された誘導情報を見たか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段の判定結果を記憶する記憶手段と、
前記記憶手段により記憶した判定結果を用いて、前記ユーザの学習度を求める学習度算出手段とを有し、
前記誘導情報出力手段は、
前記学習度算出手段により求められた前記ユーザの学習度に応じて、出力する誘導情報の量を異ならせる
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記ユーザの画像を取得する撮像装置を有し、
前記判定手段は、
前記撮像装置が取得した撮像画像に基づいて前記ユーザが前記表示装置を見たか否か判定する
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項2において、
前記誘導情報出力手段は、
前記ユーザの学習度が所定値以上の場合、当該所定値未満の場合に比べて、出力する誘導情報の量を減らす
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項2において、
音声出力装置を有し、
前記誘導情報出力手段は、
前記ユーザの学習度が所定値以上の場合、当該所定値未満の場合に比べて、音量を小さくして、前記音声出力装置に誘導情報を出力させる
【請求項6】
請求項2において、
音声出力装置を有し、
前記誘導情報出力手段は、
前記ユーザの学習度が所定値未満の場合、前記音声出力装置及び前記表示装置の両方に誘導情報を出力させ、
前記ユーザの学習度が所定値以上の場合、前記音声出力装置及び前記表示装置のいずれか一方に誘導情報を出力させる
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項2において、
前記ユーザを認証する認証手段を有し、
前記記憶手段は、
前記認証手段で認証したユーザに対応させて判定結果を記憶し、
前記学習度算出手段は、
前記認証手段で認証したユーザの判定結果を用いて当該ユーザの学習度を求め、
前記誘導情報出力手段は、
前記認証手段で認証したユーザの学習度に応じて、出力する誘導情報の量を異ならせる
ことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−292403(P2006−292403A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−109549(P2005−109549)
【出願日】平成17年4月6日(2005.4.6)
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】