説明

ナビゲーション装置

【課題】車外または屋外での道案内を低価格な機器を利用して実現することができるナビゲーション装置を提供すること。
【解決手段】CPU5は、ROM4に格納されたナビゲーション用プログラムを実行して、探索された経路に対応する音声案内データ24と交差点名データ25をHDD5から読出し、探索された経路に対応する音声案内データ24とこの音声案内データ24に対応する交差点名データ25とを結合して、圧縮された結合データをメモリスロット11に挿入された外部メモリ10の記憶領域に転送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーザを目的地まで案内するナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のナビゲーション装置として、ナビゲーション装置本体と、ナビゲーション装置本体に着脱可能に設けられた表示操作ユニットとを備え、表示操作ユニットがナビゲーション装置本体から転送された地図データを記憶しこの地図データに基づいて経路案内を行うことを特徴とするナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1を参照)。
【特許文献1】特開2003−315065号公報(第5頁、図2を参照)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来のナビゲーション装置においては、地図データがナビゲーション装置本体から表示操作ユニットに転送されているにすぎないので、ユーザは車外で道案内を希望する場合に表示操作ユニットを車外に持ち出さなければならず、余計な荷物が増えてしまうという問題があった。
【0004】
この点、余計な荷物を増やすことなく車外での道案内を実現するものとして、地図データをユーザが常日頃から持ち歩いているPDAに転送することが考えられる。ところが、PDAは高価格であってその普及率も低いので、地図データを低価格な機器に転送できるようにすることが好ましい。
【0005】
そこで、本発明は、従来の問題を解決するためになされたもので、車外または屋外での道案内を低価格な機器を利用して実現することができるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るナビゲーション装置は、目的地まで音声案内するための音声案内データをこの音声案内データを記憶する地図データベースから外部メモリに転送する転送手段としてコンピュータを機能させるためのナビゲーション用プログラムを実行する構成を有している。
【0007】
この構成によれば、音声案内データが外部メモリを介して端末装置に転送されるので、車外または屋外での道案内を低価格な機器を利用して実現することができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、目的地まで音声案内するための音声案内データをこの音声案内データを記憶する地図データベースから外部メモリに転送する転送手段としてコンピュータを機能させるためのナビゲーション用プログラムを設けることによって、車外または屋外での道案内を低価格な機器を利用して実現することができるという効果を有するナビゲーション装置を提供することができるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明に係るナビゲーション装置を実施するための最良の形態について、図1ないし図4を参照しながら説明する。図1に示すように、ナビゲーション装置1は、I/F2と、地図データベースとしてのHDD3と、各種プログラムを格納するROM4と、ROM4に格納された各種プログラムを実行してデータを処理するCPU5と、CPU5によって処理されたデータなどを保持するRAM6とを備える。
【0010】
I/F2には、ユーザが出発地や目的地などを設定するために操作する操作部7、音声を出力するスピーカ8、画像を出力するディスプレイ9、SDメモリなどの外部メモリ10を挿入するためのメモリスロット11、GPS電波を受信するGPSレシーバ12と、車速を検知する車速センサ13および方位を検知する方位センサ14が接続されている。
【0011】
HDD3には、経路探索に用いられる経路探索データ21などが記憶されている。図2に示すように、経路探索データ21は、リンクコストの計算に用いられるリンクコストデータ22、ノードとノードとの接続を示すノードデータ23、交差点名を表示するための交差点名データ24や各交差点を音声案内するための音声案内データ25などで構成されている。
【0012】
ROM4には、CPU5などを、目的地まで音声案内するための音声案内データをこの音声案内データを記憶する地図データベースから外部メモリに転送する転送手段と、転送手段によって転送される音声案内データとこの音声案内データに対応する交差点名データとを結合する結合手段として機能させるためのナビゲーション用プログラムが格納されている。このナビゲーション用プログラムは、さらに、CPU5などを、交差点名を表示するための交差点名データをこの交差点名データを記憶する地図データベースから外部メモリに転送する転送手段として機能させる。また、本実施の形態に係るナビゲーション用プログラムは、コンピュータを転送手段によって転送される音声案内データ、この音声案内データに対応する交差点名データおよび無音を示すブランクデータを結合する結合手段として機能させる。
【0013】
以上のように構成されたナビゲーション装置1について、図3および図4を参照しながらその動作を説明する。図3に示すように、CPU5は、ROM4に格納されたナビゲーション用プログラムを実行して、経路探索が要求されているか否かを判定する(ステップS1)。具体的には、操作部7によって入力された出発地データや目的地データなどがRAM6に保持されているか否かが判定される。
【0014】
ステップS1において、経路探索が要求されていないとの判定がなされると(S1のNo)、CPU5は、ROM4に格納されたナビゲーション用プログラムを実行して、経路探索に係るデータ処理を終了する。
【0015】
他方、ステップS1において、経路探索が要求されているとの判定がなされると(S1のYes)、CPU5は、ROM4に格納されたナビゲーション用プログラムを実行して、HDD3に記憶されたリンクコストデータ22やノードデータ23などを読み出す(ステップS2)。
【0016】
リンクコストデータ22などが読み出されると、CPU5は、ROM4に格納されたナビゲーション用プログラムを実行して、出発地から目的地までの経路を探索する(ステップS3)。
【0017】
経路が探索されると、CPU5は、ROM4に格納されたナビゲーション用プログラムを実行して、探索された経路に対応する音声案内データ24をHDD3から読み出す(ステップS4)。つまり、探索された経路上に存在する各案内地点で音声案内を行うための音声案内データ24が読み出される。例えば、交差点付近で音声案内を行うための音声案内データ24の一例として、「交差点を右です。」といったものがある。
【0018】
音声案内データ24が読み出されると、CPU5は、ROM4に格納されたナビゲーション用プログラムを実行して、音声案内される交差点名を表示するための交差点名データ25をHDD3から読み出す(ステップS5)。交差点名データ25の一例として、「数寄屋橋交差点」と表示するためのものがある。
【0019】
交差点名データ25が読み出されると、CPU5は、ROM4に格納されたナビゲーション用プログラムを実行して、音声案内データ24とこの音声案内データ24に対応する交差点名データ25とを結合する(ステップS6)。
【0020】
例えば、数寄屋橋交差点の手前で「交差点を右です。」との音声案内が行われる場合、図4に示すように、「数寄屋橋交差点」との交差点名を表示するための交差点名データ25a、「交差点を右です」との音声案内を出力するための音声案内データ24aおよび無音を示すブランクデータ26が結合される。そして、「数寄屋橋交差点」との交差点名はヘッドホンステレオの操作部31に表示され、「交差点を右です」との音声案内はヘッドホンステレオのイヤホン32に出力される。また、図示しないヘッドホンステレオ本体は、ブランクデータを認識することによってある音声案内データと他の音声案内データとを区切りを認識する。
【0021】
ステップS6において音声案内データ24などが結合されると(以下、音声案内データ24などが結合されたものを結合データという)、CPU5は、ROM4に格納されたナビゲーション用プログラムを実行して、結合データを圧縮する(ステップS7)。
【0022】
結合データが圧縮されると、CPU5は、ROM4に格納されたナビゲーション用プログラムを実行して、圧縮された結合データをメモリスロット11に挿入された外部メモリ10の記憶領域に転送する(ステップS8)。
【0023】
以上本実施の形態によれば、音声案内データ24が外部メモリ10に転送されるので、外部メモリ10を利用可能なヘッドホンステレオなどの安価な機器を利用して音声案内を実現することができる。
【0024】
また、本実施の形態によれば、音声案内データ24aはこの音声案内データ24aに対応する交差点名データ25aと結合した状態で転送されるので、交差点名をヘッドホンステレオの操作部31に表示することができる。
【0025】
また、本実施の形態によれば、音声案内データ24aと他の音声案内データとの間にブランクデータが存在するので、各交差点についての音声案内データ24を容易にサーチさせることができる。
【0026】
なお、ナビゲーション用プログラムは、CPU5などを、第1の交差点を音声案内するための第1の音声案内データおよび第2の交差点を音声案内するための第2の音声案内データをそれぞれ外部メモリ10の異なる記憶領域に転送する転送手段として機能させてもよい。
【0027】
例えば、数寄屋橋交差点を音声案内するための第1の音声案内データと銀座四丁目交差点を音声案内するための第2の音声案内データとはそれぞれ外部メモリ10の異なる記憶領域に転送される。ここで、外部メモリ10がディスク型メモリであれば、第1の音声案内データと第2の音声案内データとはそれぞれ異なるトラックに転送される。
【0028】
このように、第1の交差点を音声案内するための第1の音声案内データおよび第2の交差点を音声案内するための第2の音声案内データがそれぞれ外部メモリ10の異なる記憶領域に転送されるので、各交差点についての音声案内データを容易にサーチさせることができる。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上のように、本発明に係るナビゲーション装置は、車外または屋外での道案内を低価格な機器を利用して実現することができるという効果を有し、車載AV機器などとして有用である。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の最良の実施の形態に係るナビゲーション装置のハードウエア構成を示すブロック図
【図2】本実施の形態における地図データベースの構成を示す図
【図3】本実施の形態に係るナビゲーション装置の動作を示すフローチャート
【図4】交差点名データ、音声案内データおよびブランクデータの結合関係を示す図
【符号の説明】
【0031】
1 ナビゲーション装置
3 HDD(地図データベース)
4 ROM(転送手段、結合手段)
5 CPU(転送手段、結合手段)
10 外部メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、目的地まで音声案内するための音声案内データをこの音声案内データを記憶する地図データベースから外部メモリに転送する転送手段として機能させるためのナビゲーション用プログラム。
【請求項2】
前記転送手段は、交差点名を表示するための交差点名データをこの交差点名データを記憶する地図データベースから外部メモリに転送することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション用プログラム。
【請求項3】
コンピュータを、前記転送手段によって転送される音声案内データとこの音声案内データに対応する交差点名データとを結合する結合手段として機能させることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション用プログラム。
【請求項4】
前記結合手段は、前記転送手段によって転送される音声案内データ、この音声案内データに対応する交差点名データおよび無音を示すブランクデータを結合することを特徴とする請求項3に記載のナビゲーション用プログラム。
【請求項5】
前記転送手段は、第1の交差点を音声案内するための第1の音声案内データおよび第2の交差点を音声案内するための第2の音声案内データをそれぞれ前記外部メモリの異なる記憶領域に転送することを特徴とする請求項1ないし請求項4の何れかに記載のナビゲーション用プログラム。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5の何れかに記載のナビゲーション用プログラムを実行することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−29894(P2006−29894A)
【公開日】平成18年2月2日(2006.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−206914(P2004−206914)
【出願日】平成16年7月14日(2004.7.14)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】