説明

ナビゲーション装置

【課題】 ユーザが出発時点で確認すべき事項についてユーザに注意を促すことのできるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 現在位置から目的地までの推奨経路を探索する経路探索手段4と、現在の時刻を検出する時刻検出手段5と、外部の状態を検出する状態検出手段6と、複数の確認項目を記憶する確認項目記憶手段7と、確認項目記憶手段に記憶されている複数の確認項目の中から、経路探索手段で探索された推奨経路、時刻検出手段で検出された現在時刻および状態検出手段で検出された外部状態の少なくとも1つに基づき、確認項目を選択する確認項目選択手段8と、確認項目選択手段で選択された確認項目を表すメッセージを出力する出力手段9とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば運転者が車両のエンジンを始動させた時に、ドライブに関する確認項目を自動的にユーザに提示する機能を有するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、多種多様な目的地に関する情報の取得が可能なナビゲーションシステムが知られている(例えば、特許文献1参照)。このナビゲーションシステムは、目的地に至る道路経路を表示して教示するだけでなく、あらかじめ目的地に関する電話番号やインターネットホームページアドレス等といった付加情報をメモリに格納しておき、指定された目的地に対応する電話番号やインターネットホームページアドレスにアクセスして必要な情報、例えば定休日、営業時間、料金等を問い合わせることにより、目的地に関する情報を得ることができる。
【0003】
【特許文献1】特開平11−142174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載されたナビゲーションシステムでは、目的地に関する情報は出発時点で得られるものの、例えば目的地に到着した時に宿泊を要するか否かといった判断はユーザが行うしかない。そこで、例えば宿泊の要否、ルートの所要時間、有料道路の利用可否等といったユーザが出発時点で確認すべき事項について注意を促すことのできるナビゲーション装置が望まれている。
【0005】
この発明は、上述した要請に応えるためになされたものであり、ユーザが出発時点で確認すべき事項についてユーザに注意を促すことのできるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明に係るナビゲーション装置は、上記目的を達成するために、現在位置から目的地までの推奨経路を探索する経路探索手段と、現在の時刻を検出する時刻検出手段と、外部の状態を検出する状態検出手段と、複数の確認項目を記憶する確認項目記憶手段と、確認項目記憶手段に記憶されている複数の確認項目の中から、経路探索手段で探索された推奨経路、時刻検出手段で検出された現在時刻および状態検出手段で検出された外部状態の少なくとも1つに基づき、確認項目を選択する確認項目選択手段と、確認項目選択手段で選択された確認項目を表すメッセージを出力する出力手段とを備えている。
【発明の効果】
【0007】
この発明に係るナビゲーション装置によれば、目的地までの推奨経路、現在時刻および外部状態の少なくとも1つに基づき選択された確認項目を表すメッセージを出力するので、ユーザが出発時点で確認すべき事項についてユーザに注意を促すことができる。その結果、ユーザは、例えば目的地までの推奨経路や所要時間、有料道路の利用可否等について、確認に時間を取られることなく事前に確認することができるので、安心してドライブできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の機能的な構成を示すブロック図である。このナビゲーション装置は、現在位置検出手段1、入力手段2、道路データ記憶手段3、経路探索手段4、時刻検出手段5、車両状態検出手段6、確認項目記憶手段7、確認項目選択手段8および出力手段9から構成されている。
【0009】
現在位置検出手段1は、一定の時間間隔、例えば1秒毎に、自車両の現在位置と自車両が進行している方位を検出する。この現在位置検出手段1で検出された自車両の現在位置を表す位置データおよび進行方位を表す方位データは、経路探索手段4に送られる。入力手段2は、ユーザからの入力を受け付ける。この入力手段2によって、例えば目的地が入力されると、その目的地を表すデータは経路探索手段4に送られる。また、入力手段2によって、例えば運転者に確認を促す確認項目の数、確認者、確認項目を確認の対象とするかどうかを表す判定要否等(詳細は後述する)が入力された場合は、それらを表すデータは確認項目選択手段8に送られる。
【0010】
道路データ記憶手段3は、道路データおよび該道路データに関する情報を記憶する。この道路データ記憶手段3の内容は、経路探索手段4によって取り込まれ、該経路探索手段4において最短時間で目的地へ到達することができる推奨経路を探索するために使用される。
【0011】
経路探索手段4は、現在位置検出手段1から送られてくる現在位置に最も近い道路を出発地道路とし、入力手段2から入力された目的地に最も近い道路を目的地道路とし、道路データ記憶手段3から道路データを取り込み、この取り込んだ道路データに基づき出発地道路から最短時間で目的地道路へ至る推奨経路を求める。この経路探索手段4は、さらに、求めた推奨経路を走行するのに要する時間(走行時間)、および推奨経路として有料道路を利用するか否かを求める。この経路探索手段4で求められた推奨経路、走行時間および有料道路の利用の有無を表すデータは、確認項目選択手段8に送られる。
【0012】
時刻検出手段5は、現在の時刻を検出する。この時刻検出手段5は、例えばタイマを用いて構成することができる。この時刻検出手段5で検出された現在時刻は、確認項目選択手段8に送られる。車両状態検出手段6は、この発明の状態検出手段に対応し、燃料の残量(リットル)、車両の平均燃費(km/リットル)およびETC(Electronic Toll Collection)カードの挿入の有無を検出し、確認項目選択手段8に送る。
【0013】
確認項目記憶手段7は、複数の確認項目リストを記憶している。図2は、確認項目記憶手段7に格納される確認項目リストの例を示す。この例では、「父」、「母」および「兄」といった3名の運転者の確認項目リストが確認項目記憶手段7に記憶されている。各確認項目リストは、運転者に確認を促す確認項目、確認を促すための条件および確認を促すための情報を記憶している。
【0014】
図3は、各確認項目リストの構成を示す。各確認項目リストは、「項目番号」、「確認項目」、「判定内容」および「判定要否」から成り、「判定内容」は、「出発時刻(Pnt)」、「到着時刻(Pnt)」、「経路情報・有料(Pnt)」、「残走行距離(Pnt)」および「経路情報・時間(Pnt)」に分けられている。ここで、(Pnt)は、条件が満たされた場合に、当該確認項目の優先度として使用される確認ポイントに加算される値である(詳細は後述する)。
【0015】
「項目番号」は、各確認項目に付されたIDである。「確認項目」は、運転者に確認を促す内容を規定した情報であり、確認のメッセージを表示するための情報および読みの情報を含む。「判定内容」は、当該確認項目が確認の対象として選択されるための条件を規定した情報である。「判定要否」は、当該確認項目を確認の対象として採用するか否かを規定する情報である。
【0016】
「判定内容」に含まれる「出発時刻(Pnt)」は、出発時刻に関する条件を規定する情報であり時間帯で表される。「到着時刻(Pnt)」は、目的地への到着時刻に関する条件を規定する情報であり時間帯で表される。「経路情報・有料(Pnt)」は、目的地までの推奨経路における有料道路の利用の有無に関する条件を規定する情報であり、利用の有無で表される。「残走行距離(Pnt)」は、目的地までの推奨経路の残りの走行距離に関する条件を規定する情報であり、距離(km)で表される。「経路情報・時間(Pnt)」は、目的地に到着するまでの時間に関する条件を規定する情報であり時間で表される。なお、「判定内容」の欄の“−”は常に条件が満たさないことを表し、“All”は常に条件が満たされることを表す。
【0017】
確認項目選択手段8は、入力手段2から入力された内容に応じて、確認項目記憶手段7から確認項目リストを取得し、時刻検出手段5から得られる現在時刻、車両状態検出手段6から得られる車両状態および経路探索手段4から得られる推奨経路に関する情報に基づいて、ユーザに対して確認を促す必要がある確認項目を、入力手段2から入力された確認項目数だけ選択し、出力手段9に送る。出力手段9は、確認項目選択手段8から送られてきた確認項目を、例えば画面に表示したり、音声でスピーカから出力することによってユーザに提示する。
【0018】
図4は、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。このナビゲーション装置は、位置検出部21、操作部22、制御部23、表示部28、発声部29、データ記憶部30、ECU(Electronic Control Unit)制御部31およびETC制御部32から構成されている。
【0019】
位置検出部21は、例えば地磁気センサ、車速センサ、GPS受信機等から構成されている。この位置検出部21を構成する各種センサ等から得られたデータは、制御部23に送られる。上述した現在位置検出手段1は、位置検出部21と制御部23とから構成されている。制御部23は、位置検出部21から送られてくるデータに基づいて現在位置データおよび方位データを生成する。操作部22は、上述した入力手段2に対応し、リモートコントローラ、タッチパネル、キースイッチ、ライトペン等といった入力器具から構成されている。この操作部22から入力されたデータ、例えば、目的地、確認項目数、確認者、判定要否等を表すデータは制御部23に送られる。
【0020】
制御部23は、例えば、入力回路24、メモリ25、CPU26および出力回路27を備えたマイクロコンピュータから構成されている。入力回路24は、位置検出部21、操作部22、ECU制御部31およびETC制御部32からのデータを入力し、CPU26に送る。メモリ25は、CPU26が各種処理に使用するデータを一時的に記憶する。このメモリ25は、上述した確認項目記憶手段7としても使用される。
【0021】
CPU26は、入力回路24から入力されたデータを、メモリ25を使用して処理し、処理結果を出力回路27に送る。出力回路27は、CPU26から送られてくる処理結果を表示信号に変換して表示部28に送るとともに、音声信号に変換して発声部29に送る。上述した経路探索手段4および確認項目選択手段8は、この制御部23によって構成されている。また、時刻検出手段5は、制御部23に内蔵される図示しないタイマによって構成されている。
【0022】
表示部28は、制御部23から送られてくる表示信号に基づき確認のメッセージを表示する。発声部29は、制御部23から送られてくる音声信号に基づき確認のメッセージを音声により出力する。データ記憶部30は、上述した道路データ記憶手段3に対応し、例えばCDやDVDといった記録媒体に記憶された道路地図データ等を読み出す外部記憶装置から構成されている。このデータ記憶部30によって読み出された道路地図データ等は、制御部23に送られる。
【0023】
ECU制御部31は、上述した車両状態検出手段6に対応し、燃料の残量(リットル)および車両の平均燃費(km/リットル)を算出して制御部23に送る。ETC制御部32は、上述した車両状態検出手段6に対応し、ETCカードの挿入の有無を検出し、検出結果を制御部23に送る。
【0024】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の動作を、図5および図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0025】
車両のエンジン始動によってナビゲーション装置に電源が投入されると、図5のフローチャートに示すように、まず、現在位置が取得される(ステップST11)。すなわち、現在位置検出手段1は、現在位置および進行方位を検出し、現在位置データおよび方位データを経路探索手段4に送る。次いで、目的地が取得される(ステップST12)。すなわち、入力手段2は、ユーザによって入力された目的地を経路探索手段4に送る。
【0026】
次いで、探索経路が取得される(ステップST13)。すなわち、経路探索手段4は、ステップST11において取得された現在位置とステップST12において取得された目的地とに基づいて、道路データ記憶手段3に格納されている道路データを参照して現在位置から目的地へ至る経路を探索する。そして、経路探索手段4は、探索された経路から、最短時間で目的地へ到達することができる推奨経路を取得するとともに、この推奨経路を走行するのに要する推定所要時間および有料道路の利用の有無の情報を取得して確認項目選択手段8に送る。
【0027】
次いで、時刻情報が取得される(ステップST14)。すなわち、時刻検出手段5は、現在時刻を取得して確認項目選択手段8に送る。次いで、車両情報が取得される(ステップST15)。詳しくは、車両状態検出手段6は、燃料の残量(リットル)、車両の平均燃費(km/リットル)およびETCカードの挿入の有無を表す情報を取得して確認項目選択手段8に送る。
【0028】
次いで、確認項目数の入力が行われる(ステップST16)。すなわち、入力手段2は、ユーザによって入力された確認項目数を確認項目選択手段8に送る。確認項目数は、ユーザに提示する確認項目の数である。次いで、確認者(ユーザ)が入力される(ステップST17)。すなわち、入力手段2は、ユーザによって入力された確認者を確認項目選択手段8に送る。ここで入力される確認者は、確認項目リストを選択するために使用される。確認者としては、確認項目記憶手段7に記憶されている確認項目リストに付されている名称、例えば図2に示すような「父」、「母」、「兄」等が用いられる。
【0029】
次いで、確認項目リストが取得される(ステップST18)。すなわち、確認項目選択手段8は、ステップST17において取得された確認者に該当する確認項目リストを、確認項目記憶手段7から取得する。例えば、図2に示すような確認項目リストが確認項目記憶手段7に格納されている状態で、例えばステップST17において「父」が入力されたとすると、「父」に該当する確認項目リストが確認項目選択手段8に送られる。
【0030】
次いで、確認項目の抽出が行われる(ステップST19)。すなわち、確認項目選択手段8は、ステップST18において取得し確認項目リストと、ステップST13からST15において取得されたデータとに基づき、ユーザに提示する確認項目を優先度の高い順に、ステップST16で入力された確認項目数だけ抽出する。このステップST19において実行される確認項目の抽出処理の詳細を、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0031】
確認項目の抽出処理では、まず、確認項目リストの確認項目数mが取得される(ステップST21)。図3に示す確認項目リストの例では、項目番号の最大値である「6」が取得される。次いで、確認項目数をカウントするためのカウンタ(図示しない)の内容nが「1」に初期化される(ステップST22)。次いで、確認項目リストの項目番号(n)の判定要否が「要」であるか否かが調べられる(ステップST23)。このステップST23で、判定要否が「要」でないことが判断されると、シーケンスはステップST24に進む。従って、判定要否が「要」でない確認項目については一切の判定が行われず、確認ポイントは与えられない。
【0032】
上記ステップST23において、判定要否が「要」であることが判断されると、ステップST14において取得された現在時刻が、項目番号(n)の出発時刻に含まれるか否かが調べられる(ステップST24)。このステップST24において、現在時刻が項目番号(n)の出発時刻に含まれることが判断されると、項目番号(n)の確認ポイントに、その出発時刻に付されているPntが加算される(ステップST25)。
【0033】
今、現在時刻がAM8:00とすると、図3に示す項目番号(1)の出発時刻の条件は「All」であり常に条件を満たすので、ステップST24では現在時刻が項目番号(n)の出発時刻に含まれると判断される。この場合、出発時刻に付されているPntは「1.0」であるので、確認ポイントに「1.0」が加算される。また、項目番号(2)の場合は、出発時刻の条件は「19:00〜24:00」であり、現在時刻はAM8:00であるので条件を満たさず、ステップST24では現在時刻が項目番号(n)の出発時刻に含まれないと判断される。また、項目番号(3)の場合は、出発時刻の条件は「−」であり常に条件を満たさないので、ステップST24では現在時刻が項目番号(n)の出発時刻に含まれないと判断される。上記ステップST24において、現在時刻が項目番号(n)の出発時刻に含まれないことが判断されると、ステップST25の処理はスキップされる。
【0034】
次に、ステップST13において取得された推奨経路の推定所要時間と、ステップST14において取得された現在時刻とに基づき目的地への到着時刻が求められ、この求められた到着時刻が項目番号(n)の到着時刻に含まれるか否かが調べられる(ステップST26)。このステップST26において、求められた到着時刻が項目番号(n)の到着時刻に含まれることが判断されると、項目番号(n)の確認ポイントに、その到着時刻に付されているPntが加算される(ステップST27)。一方、到着時刻が項目番号(n)の到着時刻に含まれないことが判断されると、ステップST27の処理はスキップされる。
【0035】
今、現在時刻がAM8:00であり、推定所要時間が14時間であるとすると、目的地到着時刻は22:00となる。図3に示す項目番号(1)の場合、到着時刻の条件は「−」であり常に条件を満たさないので、ステップST26においては、到着時刻は項目番号(n)の到着時刻に含まれないと判断される。また、項目番号(3)の場合、到着時刻の条件は「20:0〜24:00」であり、到着時刻22:00は、到着時刻の条件を満たすので、ステップST26においては、到着時刻は項目番号(n)の到着時刻に含まれると判断される。この場合、到着時刻に付されたPntは「2.0」であるので、確認ポイントに「2.0」が加算される。
【0036】
次に、ステップST13において取得された推奨経路における有料道路の利用の有無が、項目番号(n)の経路情報・有料の条件と一致するか否かが調べられる(ステップST28)。このステップST28において、一致することが判断されると、項目番号(n)の確認ポイントに、その経路情報・有料に付されているPntが加算される(ステップST29)。一方、推奨経路における有料道路の利用の有無が、項目番号(n)の経路情報・有料の条件と一致しないことが判断されると、ステップST29の処理はスキップされる。
【0037】
今、推奨経路における有料道路の利用の有無が「利用」であるとすると、図3に示す項目番号(1)の場合は、経路情報・有料の条件は「−」であり常に条件を満たさないので、ステップST28においては、推奨経路における有料道路の利用の有無が項目番号(n)の経路情報・有料の条件と一致しないと判断される。また、項目番号(4)の場合は、経路情報・有料の条件は「利用」であるので条件を満たし、ステップST28においては、推奨経路における有料道路の利用の有無が項目番号(n)の経路情報・有料の条件と一致すると判断される。この場合、経路情報・有料に付されているPntは「2.5」であるので、確認ポイントに「2.5」が加算される。
【0038】
なお、上述した例では、推奨経路が有料道路を利用する場合に、高速料金に関する確認項目の確認ポイントにPntを加算するように構成したが、例えばステップST15で得られるETCカードの挿入の有無の情報によってETCカードの挿入の「有」が示されている場合は、推奨経路が有料を利用する場合であっても確認ポイントにPntを加算しないように構成することができる。これは、既にETCカードの挿入の「有」を検出しているため、高速料金の確認は不要だからである。また、ETCカードによる支払可能料金と推奨経路の走行に必要な高速料金とを比較し、支払可能料金が高速料金より少ない場合にのみ確認ポイントにPntを加算するように構成することもできる。
【0039】
次に、ステップST15において取得された燃料の残量(リットル)と車両の平均燃費(km/リットル)とに基づき残走行距離が求められ、この求められた残走行距離が項目番号(n)の残走行距離に含まれるか否かが調べられる(ステップST30)。このステップST30において、求められた残走行距離が項目番号(n)の残走行距離に含まれることが判断されると、項目番号(n)の確認ポイントに、その残走行距離に付されているPntが加算される(ステップST31)。一方、ステップST30において、求められた残走行距離が項目番号(n)の残走行距離に含まれないことが判断されると、ステップST31の処理はスキップされる。
【0040】
今、ステップST15において取得された燃料残量が6リットルであり、車両の平均燃費が7Km/リットルであるとすると、残走行距離は6(リットル)×7(Km/リットル)=42(Km)となる。図3に示す確認項目リストの項目番号(1)の場合、残走行距離の条件は「−」であり常に条件を満たさないので、ステップST30においては、求められた残走行距離が項目番号(n)の残走行距離に含まれないと判断される。また、項目番号(5)の場合は、残走行距離の条件は「50Km以下」であり、残走行距離42Kmは残走行距離の条件を満たすので、ステップST30においては、求められた残走行距離が項目番号(n)の残走行距離に含まれると判断される。この場合、残走行距離に付されているPntは「3.0」であるので、確認ポイントに「3.0」が加算される。
【0041】
次に、ステップST13において取得された推奨経路の推定所要時間が、項目番号(n)の経路情報・時間に含まれるか否かが調べられる(ステップST32)。このステップST32において、推奨経路の推定所要時間が、項目番号(n)の経路情報・時間に含まれることが判断されると、項目番号(n)の確認ポイントに、その経路情報・時間に付されているPntが加算される(ステップST33)。一方、ステップST32において、推奨経路の推定所要時間が、項目番号(n)の経路情報・時間に含まれないと判断されると、ステップST33の処理はスキップされる。
【0042】
今、ステップST15において取得された推奨経路の推定所要時間が14時間(840分)であるとすると、図3に示す確認項目リストの項目番号(1)の場合は、経路情報・時間の条件は「−」であり常に条件を満たさないので、ステップST32においては、推奨経路の推定所要時間が、項目番号(n)の経路情報・時間に含まれないと判断される。また、項目番号(6)の経路情報・時間の条件は「60分以上」であり、推奨経路の推定所要時間840分は条件を満たすので、ステップST32においては、推奨経路の推定所要時間が、項目番号(n)の経路情報・時間に含まれると判断される。この場合、経路情報・時間に付されたPntは「1.4」であるので、確認ポイントに「1.4」が加算される。
【0043】
ステップST34においては、カウンタの内容nがインクリメント(+1)される。次いで、カウンタの内容nが確認項目リストの確認項目数mより大きくなったか否かが調べられる(ステップST35)。ここで、大きくなっていないことが判断されると、シーケンスはステップST23に戻り、上述した処理が繰り返される。一方、ステップST35において、カウンタの内容nが確認項目リストの確認項目数mより大きくなったことが判断されると、すべての確認項目(図3に示す例では6個の確認項目)に対する処理が完了したことが認識され、次いで、確認ポイントの大きい順に確認項目が並び替えられ、確認ポイントが大きい確認項目から順に、ステップST16で入力された確認項目数の確認項目が取得される(ステップST36)。
【0044】
例えば、ステップST14において取得された現在時刻がAM8:00であり、ステップST13において取得された経路の推定所要時間が14時間であり、ステップST13において取得された推奨経路の有料道路の利用の有無が「利用」であり、ステップST15において取得された燃料の残量(リットル)が6リットルであり、ステップST15において取得された車両の平均燃費(km/リットル)が7km/リットルである場合、各項目番号の確認項目に与えられる確認ポイント数は次の通りとなる。
項目番号(1)=1.0ポイント(出発時間該当)
項目番号(2)=0.0ポイント(該当無し)
項目番号(3)=2.0ポイント(到着時刻該当)
項目番号(4)=2.5ポイント(経路情報・有料該当)
項目番号(5)=3.0ポイント(残走行距離該当)
項目番号(6)=1.4ポイント(経路情報・時間該当)
【0045】
これを確認ポイントの大きい順に並べ替えると次のようになる。
項目番号(5)=3.0ポイント
項目番号(4)=2.5ポイント
項目番号(3)=2.0ポイント
項目番号(6)=1.4ポイント
項目番号(1)=1.0ポイント
項目番号(2)=0.0ポイント
ステップST16で入力された確認項目数が「2」である場合、ステップST36においては、項目番号(5)および項目番号(4)の確認項目が取得される。すなわち、取得された確認項目の表示内容は次のようになる。
「給油が必要です」
「高速料金は有りますか」
【0046】
以上の確認項目の抽出処理が終了すると、シーケンスは図5に示すフローチャートのステップST20に進み、確認項目の提示が行われる。すなわち、確認項目選択手段8は、ステップST36において取得された確認項目を、出力手段9に送る。これにより、例えば図7に示すように、表示部28の画面上に、「給油が必要です」および「高速料金は有りますか」というメッセージが表示される。
【0047】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置によれば、目的地までの推奨経路、現在時刻および外部状態等に基づき選択された確認項目を表すメッセージを表示するので、ユーザが出発時点で確認すべき事項についてユーザに注意を促すことができる。その結果、ユーザは、例えば目的地までの推奨経路や所要時間、有料道路の利用可否等について、確認に時間を取られることなく事前に確認することができるので、安心してドライブできる。
【0048】
なお、上述した実施の形態1に係るナビゲーション装置の動作説明では、抽出した確認項目の内容を表示部20の画面上に表示する場合についてのみ言及したが、確認項目に含まれる「読みの情報」を音声信号に変換して発声部29に送ることにより、音声にてメッセージを出力することもできる。また、画面表示と音声による出力とを併用することもできる。
【0049】
また、上述した実施の形態1に係るナビゲーション装置の動作説明では、あらかじめ定められた判定要否に従って確認項目の全てについて条件を満たすかどうかの判定を行う場合についてのみ言及したが、入力手段2からの入力により確認項目リストの判定要否が「否」に書き換えられた場合は、当該確認項目に対する条件の判定は行われない。
【0050】
例えば、入力手段2から、『項目番号2「お酒は飲んでいませんか」=否』のように入力すると、その内容は確認項目選択手段8へ伝えられる。あるいは、図8に示すように、表示部28の画面に判定要否を設定するメニューが表示され、このメニュー上で判定要否を設定すると、その設定内容は確認項目選択手段8へ伝えられる。確認項目選択手段8は、確認項目記憶手段7から確認項目リストを取得し、該当する確認項目の判定要否を書き換える。図9は確認項目リストの項目番号(2)の判定要否が「否」に変更された例を示している。これにより、図6のフローチャートにおけるステップST23において、「No」と判定されるので、確認ポイントが与えられない。その結果、その確認項目はメッセージとして出力する対象から外される。この構成によれば、複数のユーザの各々に適した確認項目を設定することができるので、利便性が向上する。
【0051】
また、上述した実施の形態1に係るナビゲーション装置では、確認項目として、図3に示す6個を例示したが、確認項目の数や内容は、これらに限定されない。例えば、確認項目として、「メガネを持ちましたか」、「チェーンを持ちましたか」、「天候に対する準備をしましたか」といった内容を有する情報を採用することができる。
【0052】
さらに、上述した実施の形態1に係るナビゲーション装置では、車両のエンジン始動によってナビゲーション装置に電源が投入されたタイミングで確認のメッセージが出力されるように構成したが、確認のメッセージを出力するタイミングはエンジン始動時に限定されない。例えば、ナビゲーション装置の所定のボタンが任意のタイミングで押されることにより、その時点における車両の状態に応じて、確認のメッセージを出力するように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の確認項目記憶手段に格納される確認項目リストの例を示す図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の確認項目記憶手段に格納される各確認項目リストの構成を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップST19で行われる確認項目の抽出処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で表示されるメッセージの例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の確認項目リストの判定要否を書き換えるメニューを示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の確認項目リストの他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0054】
1 現在位置検出手段、2 入力手段、3 道路データ記憶手段、4 経路探索手段、5 時刻検出手段、6 車両状態検出手段、7 確認項目記憶手段、8 確認項目選択手段、9 出力手段、21 位置検出部、22 操作部、23 制御部、24 入力回路、25 メモリ、26 CPU、27 出力回路、28 表示部、29 発声部、30 データ記憶部、31 ECU制御部、32 ETC制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置から目的地までの推奨経路を探索する経路探索手段と、
現在の時刻を検出する時刻検出手段と、
外部の状態を検出する状態検出手段と、
複数の確認項目を記憶する確認項目記憶手段と、
前記確認項目記憶手段に記憶されている複数の確認項目の中から、前記経路探索手段で探索された推奨経路、前記時刻検出手段で検出された現在時刻および前記状態検出手段で検出された外部状態の少なくとも1つに基づき確認項目を選択する確認項目選択手段と、
前記確認項目選択手段で選択された確認項目を表すメッセージを出力する出力手段
とを備えたナビゲーション装置。
【請求項2】
確認項目記憶手段に記憶されている複数の確認項目の各々は、経路探索手段で探索された推奨経路、時刻検出手段で検出された現在時刻および状態検出手段で検出された外部状態の各々に関連付けられた優先度を有し、
確認項目選択手段は、
前記確認項目記憶手段に記憶されている複数の確認項目の中から優先度の高い所定数の確認項目を選択する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
出力手段は、
確認項目選択手段で選択された確認項目を表すメッセージを表示または音声の少なくとも1つによって出力する
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
確認項目記憶手段に記憶されている複数の確認項目の各々は、当該確認項目を確認の対象とするかどうかを表す判定要否情報を有し、
前記確認項目記憶手段に記憶されている確認項目が有する判定要否情報を変更する入力手段を備え、
確認項目選択手段は、
前記確認項目記憶手段に記憶されている複数の確認項目のうちの判定要否情報によって確認の対象とすることが示されている確認項目の中から、前記経路探索手段で探索された推奨経路、前記時刻検出手段で検出された現在時刻および前記状態検出手段で検出された外部状態の少なくとも1つに基づき確認項目を選択する、
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
確認項目記憶手段は、各々が複数の確認項目を含む複数の確認項目リストを記憶し、各確認項目リストに含まれる複数の確認項目の各々は、当該確認項目を確認の対象とするかどうかを表す判定要否情報を有し、
前記確認項目記憶手段に記憶されている複数の確認項目リストの各々に含まれる確認項目が有する判定要否情報を前記確認項目リスト毎に変更する入力手段を備え、
確認項目選択手段は、
前記確認項目記憶手段に記憶されている各確認項目リストに含まれる複数の確認項目のうちの判定要否情報によって確認の対象とすることが示されている確認項目の中から、前記経路探索手段で探索された推奨経路、前記時刻検出手段で検出された現在時刻および前記状態検出手段で検出された外部状態の少なくとも1つに基づき確認項目を選択する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−317177(P2006−317177A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137498(P2005−137498)
【出願日】平成17年5月10日(2005.5.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】