説明

ナビゲーション装置

【課題】 地図の表示範囲の制御を単純化し、操作ミスを少なくする。
【解決手段】 目的地などの地点入力に基づき経路探索を行い、探索した経路にしたがって経路案内を行うナビゲーション装置において、地図データを記憶する記憶手段3と、回転操作とエンター操作により入力操作を行うためのジョグダイヤル11と、地図を表示する表示手段12と、ジョグダイヤルの操作に応じて記憶手段3に記憶した地図データを読み出して表示手段12に地図を表示する表示制御手段4とを備え、表示制御手段4は、ジョグダイヤル11が回転操作されている間は回転操作の方向に応じて地図のズーム制御を行い、ジョグダイヤル11の回転操作が止められると地図の移動制御を行うモードを選択可能な状態にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、目的地などの地点入力に基づき経路探索を行い、探索した経路にしたがって経路案内を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーションシステムにおいて、地図を表示して地点を検索したり登録する場合に、地図の表示範囲を移動したり(スクロール)、縮尺を変更したり(ズーム)する操作が行われる。従来、リモコンを使い画面中を移動する/画面を移動させる操作には、複合操作(全方向に移動操作)が可能なジョイスティックを操作デバイスの中心としている。そのほかに、タッチパネルの画面にスクロール方向のタッチエリアを表示し、方向をタッチして選択しスクロールするものや、8方向のスクロールメニューを表示し、その1つをマウスで指示してスクロールするもの、トラックボールを用いてボールの回転方向、回転速度によりスクロールするものなど(例えば、特許文献1〜3参照)がある。
【特許文献1】特開平6−4025号公報
【特許文献2】特開平9−44084号公報
【特許文献3】特開平9−81032号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記従来の方法では、スクロールはできてもズームを行うために別の操作方法が必要であった。例えば、縮尺を変更するためのボタンをスクロール用の操作デバイスと別に設ける場合がある。この場合、ボタンの位置を間違えて操作するなど、操作ミスをしてしまうこともある。
【0004】
特に従来のジョイスティックによる操作では、スティックを各方向に「倒す」/スティックを軸方向に「押す」という多方向、複数軸(前後左右多方向+上下)の操作が複合して成立しているので、ユーザには、意図しない方向へ倒す、押すという操作ミスが発生しやすいという問題がある。また、ジョイスティックを基本としている操作では、スティックの「倒す」/「押す」の操作量や操作時間により移動量を決定していたため、ユーザの所望する地点を越えてしまったり手前で止まってしまったりして、微妙な操作をすることが困難である。ジョイスティックを基本としている操作の遷移では、操作回数が少なく、複合的な操作ができる反面、ユーザには、1操作に対する負荷が増加し、ストレスを感じやすい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上記の課題を解決するものであって、地図の表示範囲の制御を単純化し、操作ミスを少なくするものである。
【0006】
そのために本発明は、目的地などの地点入力に基づき経路探索を行い、探索した経路にしたがって経路案内を行うナビゲーション装置において、地図データを記憶する記憶手段と、回転操作とエンター操作により入力操作を行うジョグダイヤルと、地図を表示する表示手段と、前記ジョグダイヤルの入力操作に応じて前記記憶手段に記憶した地図データを読み出して前記表示手段に地図を表示する表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記ジョグダイヤルが回転操作されている間は回転操作の方向に応じて地図のズーム制御を行い、前記ジョグダイヤルの回転操作が止められると地図の移動制御を行うモードを選択可能な状態にすることを特徴とし、また、前記表示制御手段は、地図のズーム制御を行うモードにおいて、前記ジョグダイヤルの回転操作が止められたときに前記表示手段の画面に地図のズーム制御を行うモードを解除するボタンを表示し選択可能な状態にすることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
以上の説明から明らかなように、本発明によれば、地図データを記憶する記憶手段と、回転操作とエンター操作により入力操作を行うジョグダイヤルと、地図を表示する表示手段と、前記ジョグダイヤルの入力操作に応じて前記記憶手段に記憶した地図データを読み出して前記表示手段に地図を表示する表示制御手段とを備え、前記表示制御手段は、前記ジョグダイヤルが回転操作されている間は回転操作の方向に応じて地図のズーム制御を行い、前記ジョグダイヤルの回転操作が止められると地図の移動制御を行うモードを選択可能な状態にするので、ジョグダイヤルの2方向の回転操作の単純性を活かしつつ、スムーズな地図のズーム及び移動が可能になる。しかも、操作回数は増えるが、デバイス操作に明快さが加わるので、操作ミスも少なくなり、地図のズーム及び移動の方向の修正も速やかにでき、ユーザの操作ストレスを軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。図1は本発明に係るナビゲーション装置の実施の形態を示す図であり、経路案内に関する情報を入出力する入出力装置1、自車両の現在位置に関する情報を検出する現在位置検出装置2、経路の算出に必要なナビゲーション用データおよび案内に必要な表示案内データ等が記憶されている情報記憶装置3、経路探索処理や経路案内に必要な表示案内処理を行うと共にシステム全体の制御を行う中央処理装置4から構成したものである。まず、それぞれの構成について説明する。
【0009】
入出力装置1は、目的地を入力したり、運転者が必要な時に案内情報を音声および/または画面により出力できるように、運転者の意志によりナビゲーション処理を中央処理装置4に指示すると共に、処理後のデータなどをプリント出力する機能を備えている。その機能を実現するための手段として、入力部には、目的地を電話番号や地図上の座標などにて入力したり、経路案内をリクエストしたりするジョグダイヤル11を有する。ジョグダイヤル11は、ダイヤルと中心部にエンターキーとを有し、回転操作することにより、画面中のカーソルや強調表示した選択位置を移動させ、エンター操作する(押す)ことにより、選択位置を決定するものであり、単独であるいは有線又は光等を用いた無線のリモコンとして他のキースイッチと組み合わせて使用してもよい。勿論、入力部として、リモコンやタッチスイッチ等の入力装置を用いてもよい。また、出力部には、入力データを画面表示したり、運転者のリクエストに応じ自動的に経路案内を画面で表示するディスプレイ12、中央処理装置4で処理したデータや情報記憶装置3に格納されたデータをプリント出力するプリンタ13および経路案内を音声で出力するスピーカ16などを備えている。
【0010】
ここで、音声入力を可能にするための音声認識装置やICカードや磁気カードに記録されたデータを読み取るための記録カード読み取り装置を付加することもできる。また、ナビゲーションに必要なデータを蓄積し、運転者の要求により通信回線を介して提供される情報センターや、予め地図データや目的地データなどの運転者固有のデータが記憶されている電子手帳などの情報源との間でデータのやりとりを行うためのデータ通信装置を付加することもできる。
【0011】
ディスプレイ12は、カラーCRTやカラー液晶表示器により構成されており、中央処理装置4が処理する地図データや案内データに基づく経路設定画面、区間図画面、交差点図画面などナビゲーションに必要なすべての画面をカラー表示出力すると共に、本画面に経路案内の設定および経路案内中の案内や画面の切り換え操作を行うためのボタンが表示される。特に、通過交差点名などの通過交差点情報は、随時、区間図画面にポップアップでカラー表示される。
【0012】
このディスプレイ12は、運転席近傍のインストルメントパネル内に設けられており、運転者は区間図を見ることにより自車両の現在位置を確認し、またこれからの経路についての情報を得ることができる。また、ディスプレイ12に機能ボタンの表示に対応してタッチスイッチが設けられる場合には、ボタンをタッチすることにより入力される信号に基づいて上記の操作が実行されるように構成される。このボタンとタッチスイッチなどから構成される入力信号発生手段は入力部を構成するものであるが、ここではその詳細な説明を省略する。
【0013】
現在位置検出装置2は、車両の現在位置に関する情報を検出、或いは受信する装置であり、地磁気センサなどで構成される絶対方位センサ24、ステアリングセンサ、ジャイロなどで構成される相対方位センサ25、車輪の回転数から走行距離を検出する距離センサ26、衛星航法システム(GPS)を利用したGPS受信装置21及び通信装置を備えている。前記通信装置は、交通情報取得手段であるVICS(道路交通情報システム;Vehicle Information & Communication System)受信装置22及びデータ送受信装置23から構成され、VICSは、道路交通情報をリアルタイムでFM多重(文字放送)、電波ビーコン、光ビーコンによって車両に伝送するもので、FM多重は広いエリアにわたり粗い情報を伝送し、電波ビーコン及び光ビーコンの情報は、ビーコンを中心として半径10km程度以内の狭いエリアの詳細な情報であって、車両がビーコンを通過すると受信できるようになっている。VICS送信データは、各道路毎に付けられたリンク番号に対して、渋滞度(例えば、通行不可、渋滞、混雑、交通量多い、平常などの混雑の度合い)、渋滞先頭位置、渋滞長、通行規制(工事情報、通行止めなど)、旅行時間(所定速度での所要時間)から構成されている。また、データ送受信装置23は、例えば携帯電話やパソコンであり、運転者の要求により交通情報センター(例えばATIS)との間でナビゲーションに必要な情報のやりとりを行うものである。
【0014】
情報記憶装置3は、ナビゲーション用のプログラム及びデータを記憶した外部記憶装置で、例えばCD−ROMである。プログラムは、地図描画部、経路探索部、経路案内部、現在位置計算部、目的地設定操作制御部等からなりナビゲーションの信号出力処理を行うアプリケーション部及びOS部等で構成され、ここに、経路探索などの処理を行うためのプログラムや経路案内に必要な表示出力制御、音声案内に必要な音声出力制御を行うためのプログラム及びそれに必要なデータ、さらには経路案内及び地図表示に必要な表示情報データが格納されている。また、データは、経路案内に必要な地図データ(道路地図、住宅地図、建造物形状地図等)、交差点データ、ノードデータ、道路データ、写真データ、登録地点データ、目的地点データ、案内道路データ、詳細目的地データ、目的地読みデータ、電話番号データ、住所データ、その他のデータのファイルからなりナビゲーション装置に必要なすべてのデータが記憶されている。
【0015】
中央処理装置4は、種々の演算処理を実行するCPU40、重要な情報(例えば経路探索や経路案内を実行するプログラムや条件設定を行うデータ、各種パラメータのデータなど)を不揮発的に記憶するための書き換え可能なROM(書き換え可能な不揮発性記憶手段)であるフラッシュメモリ41(例えば電気的に消去可能なEEPROM:Electrically Erasable and Programable ROM) 、フラッシュメモリ41のプログラムチェック、更新処理を行うためのプログラム(プログラム読み込み手段)さらにはフラッシュメモリ41及びRAM43のデータチェックを行いこれらに記憶された情報を相互に書き換え可能に制御するためのプログラムを格納した不揮発性記憶手段であるROM42、運転者の操作により任意の地点の情報を登録するメモリ地点、学習機能により蓄積される頻度情報、各種検出手段の誤差修正情報などの個人別に記憶される情報を、一時的(揮発的)に格納するとともに、ACCがOFFされても格納した情報を保持することができる読み書き自在な揮発性記憶手段であるRAM43(例えば、一時的に記憶した情報を電気的に保持できるSRAM:Static RAM)、ディスプレイへの画面表示に使用する画像データが記憶された画像メモリ44、CPU40からの表示出力制御信号に基づいて画像メモリ44から画像データを取り出し、画像処理を施してディスプレイに出力する画像プロセッサ45、CPUからの音声出力制御信号に基づいて情報記憶装置3から読み出した音声、フレーズ、1つにまとまった文章、音等を合成してアナログ信号に変換してスピーカ16に出力する音声プロセッサ46、通信による入出力データのやり取りを行う通信インタフェース47および現在位置検出装置2のセンサ信号を取り込むためのセンサ入力インタフェース48、内部ダイアグ情報に日付や時間を記入するための時計49などを備えている。この中央処理装置4において、現在位置検出装置2の各センサにより取得されたデータをセンサ入力インタフェース48より取り込むと、そのデータに基づきCPU40は、一定時間毎に現在位置座標を算出し、一時的にRAM43に書き込む。この現在位置座標は、各種データの検出誤差を考慮してマップマッチング処理を行ったものである。また、各種センサによる出力値は、常に補正が行われる。ここで、経路案内は運転者が画面表示、音声出力のいずれでも選択できるように構成されている。
【0016】
なお、ナビゲーション用のプログラム及びデータは、データ送受信装置23を介して外部から読み込むようなシステムとしてもよい。このようにデータ送受信装置23を介して必要なナビゲーション用のプログラム及びデータを外部から読み込むようにすることにより、必要なプログラムや最新のデータを適宜更新して格納できるようにすることができ、また、情報記憶装置3を省き直接中央処理装置4のフラッシュメモリ41やRAM43に格納することもできる。
【0017】
次に、動作を説明する。図2は本発明に係るナビゲーション装置の全体の流れを説明するための図である。ナビゲーション装置としてシステムを立ち上げて、地点入力、経路探索、経路案内などを行うまでの中央処理装置4のCPU40により実行する処理の概要は、図2に示すようにまず、初期化処理を行ってCD−ROMからナビゲーションプログラムを読み出し、これをフラッシュメモリ41に格納して起動する(ステップS11)。しかる後、例えば現在位置検出装置2より現在位置を取得する処理を行い、現在位置を中心としてその周辺地図を表示すると共に、現在位置の名称などを表示する(ステップS12)。次に、電話番号や住所、施設名称、登録地点などを用いて目的地を設定する処理を行い(ステップS13)、現在位置から目的地までの経路探索を行う(ステップS14)。経路が決まると、現在位置検出装置2による現在位置追跡を行いながら、目的地に到着するまで経路案内の表示出力、音声出力の処理を行う(ステップS15)。
【0018】
本発明は、上記ナビゲーション装置において、画面外周を上下左右と4隅の8つに分割して、それぞれを移動方向とすると共に、モード解除のボタンエリアを設ける。そして、ジョグダイヤルを操作デバイスとし、その回転操作により各移動方向とモード解除を選択位置として移動させて移動方向軸、モード解除の選択、決定を行い、その決定後に、モード解除があるまで移動方向軸でのジョグダイヤルの回転操作の方向に応じた画面の移動を制御する。つまり、2段階操作により移動方向軸の決定を行って画面の移動を制御する。また、移動方向軸の決定後は、ジョグダイヤルの回転操作の方向に応じて正逆2方向に単純化する。以下にそれらの処理及び地図の表示制御について説明する。図3は地図の表示制御を行う画面の例を示す図、図4は地図の移動画面での移動方向軸の選択操作中の例を示す図、図5は地図の移動画面での移動方向軸が決定された状態の例を示す図、図6は地図の移動制御をジョグダイヤルの操作により行う処理の流れを説明するための図、図7は地図のズーム制御をジョグダイヤルの操作により行う処理の流れを説明するための図である。
【0019】
本発明に係るナビゲーション装置における地図の表示制御を行う画面では、例えば地図を表示した画面においてジョグダイヤルの操作をトリガとして図3に示すように地図上にセットメニュー、移動、ズームなどのコマンドボタンを表示する。セットメニューのボタンは地点セットを行うモードに入る場合に用い、移動のボタンは後述する地図の移動を制御するモードに入る場合に用い、ズームは地図のズーミングを行うモードに入る場合に用いる。また、閉じるのボタンはコマンドボタンの表示を閉じる場合に用い、メニューのボタンは検索のモードに入る場合に用い、再音声のボタンは出力された案内音声を再度聞きたい場合に用い、全ルートのボタンは探索された全ルートを画面に出したい場合に用い、再探索のボタンは一度探索されたルートを別ルートで再探索したい場合に用いる。これらのボタンは、ジョグダイヤルの回転操作の方向に応じて所定の順序で選択位置が移動し、エンター操作で選択位置を決定する。なお、ジョグダイヤルの回転操作の方向を逆にすると選択位置の移動順序が反転する。ここで、移動ボタンを選択位置として決定すると遷移し、移動方向軸の選択を行うモードの画面の例を示したのが図4であり、画面外周を上下左右と4隅の8つに分割して、それぞれを移動方向とすると共に、モード解除の「戻る」、「ズーム」のボタンエリアを設けている。図4に示す画面では、ジョグダイヤルを回転操作に応じて強調表示した選択位置が8つに分割した移動方向のエリアと「戻る」、「ズーム」のボタンを順に移動し、エンター操作によりその選択位置を決定する。例えば「ズーム」のボタンを選択位置として決定すると、地図のズーム制御を行う画面になり、「戻る」のボタンを選択位置として決定すると、図3に示す画面に戻る。移動方向のいずれかのエリアを選択位置として決定すると、その移動方向軸での地図の移動制御を行うことができる。図4に示す状態では左上方向のエリアを選択位置としており、ここで、エンター操作されると、この移動方向軸を決定し、図5に示すように移動方向軸に対応する左上方向とその逆の右下方向のエリア、「戻る」のボタンの表示を残して他のエリアのボタンの輝度を極端に落とし、左上方向を強調表示する。図5に示す画面では、ジョグダイヤルを回転操作に応じて強調表示している左上方向に地図を移動している状態である。ジョグダイヤルの回転操作が止められると、地図の移動が停止して「戻る」を強調表示し、再び同じ方向にジョグダイヤルの回転操作が行われると、左上方向に地図を移動するが、逆の方向にジョグダイヤルの回転操作が行われると、逆の右下方向に地図を移動する。つまり、移動方向軸を固定したままジョグダイヤルの回転操作の方向に応じて地図の移動方向を反転させる。「戻る」は、この移動方向軸を変えるために使われ、ジョグダイヤルの回転操作が止められ、「戻る」を強調表示している状態でエンター操作されると、図4に示す画面に戻る。
【0020】
次に、地図の移動を制御する場合の処理の流れを図6により説明する。まず、図3の画面で移動の選択位置を決定されたことにより、図4に示す移動操作及び縮尺呼び出しボタンを表示する(ステップS21)。ジョグダイヤルの回転操作により選択位置が移動し、エンター操作されると、その選択位置が「移動」(外周の8つの選択エリアのいずれか)か「縮尺」(ズーム)か「戻る」かを判定する(ステップS22)。「戻る」の場合には、前の画面に戻り、「縮尺」の場合には図7で後述する処理のステップS31へ移行し、「移動」の場合には移動方向のボタンを決定する(ステップS23)。次に、ジョグダイヤルの回転操作に応じて移動方向が順方向か逆方向かを判定して(ステップS24)、それぞれの判定に従い決定方向又は逆方向に地図を移動する(ステップS25、S26)。さらにジョグダイヤルの回転操作が継続しているか否かを判定し(ステップS27)、回転操作が継続している場合(YESの場合)には、ステップS24に戻って同様の処理を繰り返し、回転操作が止まった場合(NOの場合)には、選択位置の強調表示を完了ボタン「戻る」へ戻す(ステップS28)。続いて移動が再開/完了かを判定する(ステップS29)。これは、ジョグダイヤルが回転操作されたか(再開)エンター操作されたか(完了)であり、再開の場合には、再度ステップS24に戻り、完了の場合には、地図の移動制御を完了する。
【0021】
また、ステップS22で「縮尺」の場合に行う地図のズーミング処理は、図7に示すように広域ボタン、詳細ボタンからなる縮尺ボタンを表示し(ステップS31)、ジョグダイヤルの回転操作の方向に応じて縮尺方向が順方向か逆方向かを判定する(ステップS32)。順方向の場合には広域地図にズーミングし(ステップS33)、逆方向の場合には詳細地図にズーミングする(ステップS34)。さらにジョグダイヤルの回転操作が継続しているか否かを判定し(ステップS35)、回転操作が継続している場合(YESの場合)には、ステップS32に戻って同様の処理を繰り返し行い、回転操作が止まった場合(NOの場合)には、選択位置の強調表示を完了ボタン「戻る」へ戻す(ステップS36)。続いて縮尺が再開/完了かを判定する(ステップS37)。これは、ジョグダイヤルが回転操作されたか(再開)、「戻る」ボタンの選択位置でエンター操作されたか(完了)であり、再開の場合には、再度ステップS31に戻り、完了の場合には、地図のズーム制御を完了する。なお、地図のズーミングは、図3に示す「ズーム」、図4に示す「ズーム」のいずれのボタンからも遷移することができる。
【0022】
図8は地図の移動画面の他の構成例を示す図であり、画面の外周ではなく画面の一辺にボタン領域を設けて移動方向軸と完了、ズームのボタンを表示するものである。この画面の場合には、ジョグダイヤルの回転操作の方向に応じて図示上から下の方向へあるいは下から上の方向へ選択位置の強調表示したボタンを移動し、エンター操作して選択位置を決定している。
【0023】
なお、本発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば上記実施の形態では、画面外周を上下左右と4隅に8分割した地図の移動方向のボタンを設定したが、16方向や無段階に移動方向が選択できるようにボタンを設定してもよいし、また、探索した経路上に沿って、いわゆるデモ走行に対応した地図の移動を選択できるようにしてもよい。また、ジョグダイヤルの回転操作の速さや操作の継続時間に応じて地図の移動速度やズーミング速度を変更させるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明に係るナビゲーション装置の実施の形態を示す図である。
【図2】本発明に係るナビゲーション装置の全体の流れを説明するための図である。
【図3】地図の表示制御を行う画面の例を示す図である。
【図4】地図の移動画面での移動方向軸の選択操作中の例を示す図である。
【図5】地図の移動画面での移動方向軸が決定された状態の例を示す図である。
【図6】地図の移動制御をジョグダイヤルの操作により行う処理の流れを説明するための図である。
【図7】地図のズーム制御をジョグダイヤルの操作により行う処理の流れを説明するための図である。
【図8】地図の移動画面の他の構成例を示す図である。
【符号の説明】
【0025】
1…入出力装置、2…現在位置検出装置、3…情報記憶装置、4…中央処理装置、11…ジョグダイヤル、12…ディスプレイ、13…プリンタ、16…スピーカ、21…GPS受信装置、22…VICS受信装置、23…データ送受信装置、24…絶対方位センサ、25…相対方位センサ、25は距離センサ、40…CPU、41…フラッシュメモリ、42…ROM、43…RAM、44…画像メモリ、45…画像プロセッサ、46…音声プロセッサ、47…通信インターフェース、48…入力インターフェース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地などの地点入力に基づき経路探索を行い、探索した経路にしたがって経路案内を行うナビゲーション装置において、
地図データを記憶する記憶手段と、
回転操作とエンター操作により入力操作を行うジョグダイヤルと、
地図を表示する表示手段と、
前記ジョグダイヤルの入力操作に応じて前記記憶手段に記憶した地図データを読み出して前記表示手段に地図を表示する表示制御手段と
を備え、前記表示制御手段は、前記ジョグダイヤルが回転操作されている間は回転操作の方向に応じて地図のズーム制御を行い、前記ジョグダイヤルの回転操作が止められると地図の移動制御を行うモードを選択可能な状態にすることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記表示制御手段は、地図のズーム制御を行うモードにおいて、前記ジョグダイヤルの回転操作が止められたときに前記表示手段の画面に地図のズーム制御を行うモードを解除するボタンを表示し選択可能な状態にすることを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−317458(P2006−317458A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−154731(P2006−154731)
【出願日】平成18年6月2日(2006.6.2)
【分割の表示】特願平10−371750の分割
【原出願日】平成10年12月28日(1998.12.28)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】