ナビゲーション装置
【課題】後部座席の状況を知らせることができるナビゲーション装置。
【解決手段】車両のナビゲーション装置は、後部座席方向を撮影する撮影装置と、後部座席の着席者の異常を検知する異常検知手段と、異常検知手段により異常を検知した場合、撮像装置で撮影した映像を表示する手段とを備えている。
【解決手段】車両のナビゲーション装置は、後部座席方向を撮影する撮影装置と、後部座席の着席者の異常を検知する異常検知手段と、異常検知手段により異常を検知した場合、撮像装置で撮影した映像を表示する手段とを備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に車載用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
交通情報や目的地までの経路を表示する車載用ナビゲーション装置がある（非特許文献１参照）。
【０００３】
【非特許文献１】特許庁 標準技術集「カーナビゲーション装置のユーザーインターフェイス」、１−Ｃ ルート表示
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、従来の車載用ナビゲーション装置では、ユーザは、後部座席の状況を知ることはできない。例えば、幼児、老人、ペットなどを後部座席に乗せる場合がある。かかる場合に、運転手であるユーザが後部座席の状況を把握できると便利である。
【０００５】
本発明の目的は、後部座席の状況を知らせることができるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決すべく、本発明の車両のナビゲーション装置は、後部座席の方向を撮影する手段を備えている。
【０００７】
例えば、本発明の車両のナビゲーション装置は、後部座席方向を撮影する撮影装置と、前記後部座席の着席者の異常を検知する異常検知手段と、前記異常検知手段により異常を検知した場合、前記撮影装置で撮影した映像を表示する手段とを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【０００９】
図１は、本発明の一実施形態にかかる車載用ナビゲーション装置１００の概略構成図である。図示するように、車載用ナビゲーション装置１００は、制御部１１０と、ＧＰＳ(Global Positioning System)受信装置１２０と、記憶装置１３０と、ディスプレイ１４０と、スピーカ（音声出力装置）１５０と、入力装置（リモコン）１６０と、カメラ１７０と、温度センサ１８０と、動作センサ１９０とを備えている。
【００１０】
制御部１１０は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えばＧＰＳ受信装置１２０から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置１３０から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ１４０へ表示する。また、記憶装置１３０に記憶されている地図データを用いて、ユーザから指示された目的地と現在地（出発地）とを結ぶ最適な経路（推奨経路）を探索する。また、スピーカ１５０やディスプレイ１４０を用いてユーザを誘導する。かかる制御部１１０は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するＣＰＵ(Central Processing Unit)と、ＲＡＭ、ＲＯＭ等のメモリと、制御部１１０と他の構成１２０〜１９０を仲介するインターフェースと、これらを接続するバスにより構成されるコンピュータシステムにより達成される。制御部１１０が行う各処理は、ＣＰＵがメモリにロードしたプログラムを実行することにより達成される。
【００１１】
ＧＰＳ受信装置１２０は、車両の現在位置、進行速度および進行方位を測定する。
【００１２】
記憶装置１３０は、ＣＤ-ＲＯＭやＤＶＤ-ＲＯＭやＨＤＤやＩＣカードといった記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、地図データが記憶されている。地図データには、経路探索に必要な、地図上の道路を構成するリンクに関するリンクデータが含まれている。また、地図データには、（ｉ）駐車場、高速道路上の緊急停止可能な場所などの安全に停止できる施設、（ｉｉ）幼児のオムツを取り替えられる施設、トイレなどの公共の施設、（ｉｉｉ）通常の病院、小児科のある病院、動物病院などの病院、の位置、住所、電話番号などの情報が含まれている。
【００１３】
ディスプレイ１４０は、制御部１１０で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ１４０は、ＣＲＴや液晶ディスプレイなどで構成される。
【００１４】
スピーカ１５０は、制御部１１０で生成したユーザへのメッセージを音声信号に変換し出力する。
【００１５】
入力装置１６０は、ユーザからの指示を受け付けるユニットである。入力装置１６０は、スクロールキー、縮尺変更キーなどのハードスイッチ、ジョイスティック、ディスプレイ上に貼られたタッチパネルなどで構成される。
【００１６】
カメラ１７０は、図２に示すように、後部座席２０１がある方向を撮影可能に前部座席の後方に配置され、後部座席の着席者の様子を撮影する撮像装置である。カメラ１７０は、例えば、ＣＣＤカメラなどの小型カメラで構成される。
【００１７】
温度センサ１８０は、図２に示すように、後部座席２０１に設置され、後部座席の温度変化を検出する。後部座席２０１にチャイルドシート２０２を配置する場合、温度センサ１８０は、幼児の尿によるオムツの温度変化を検知するために、チャイルドシート２０２の内部、若しくはオムツに近接する位置に設置されていてもよい。
【００１８】
動作センサ１９０は、図２に示すように、後部座席に設置され、後部座席に着席した者の動作の変化を検出する。例えば、振動センサや、感圧センサなどで構成される。チャイルドシートを配置する場合、動作センサ１９０は、幼児の動きを敏感に検知するため、チャイルドシートの内部に設置されていてもよい。
【００１９】
［動作の説明］次に、上記構成の車載用ナビゲーション装置１００の動作について説明する。
【００２０】
図３は、車載用ナビゲーション装置１００の動作の処理の流れを示すフロー図である。
【００２１】
このフローは、電源投入時に開始するか、若しくは、ユーザから開始要求を受け付けたときに開始される。
【００２２】
まず、制御部１１０は、後部座席に着席する者（「後席者」という）の登録を行う（Ｓ１０１）。具体的には、制御部１１０は、図４に示すように、ディスプレイ２に、後席者の登録画面を表示する。登録画面４００には、後席者として、「子供」、「お年寄り」、「ペット」の中から選択できるように選択肢４０１が表示される。そして、制御部１１０は、ユーザから入力装置１６０を介して選択された内容で、後席者の登録を行う。
【００２３】
なお、制御部１１０は、すでに後席者の登録が済んでいる場合、Ｓ１０１の処理を省略してもよい。
【００２４】
次に、制御部１１０は、ナビゲーション画面を表示する（Ｓ１０２）。具体的には、制御部１１０は、現在位置周辺の地図を表示したり、探索した目的地までの経路を表示したり、経路誘導のための情報を表示したりする。
【００２５】
その間、制御部１１０は、後席者の異常を監視する（Ｓ１０３、Ｓ１０４）。具体的には、制御部１１０は、温度センサ１８０と動作センサ１９０の出力から異常か否かを判定する。例えば、温度センサ１８０により、予め定めた値以上の温度が検知された場合、幼児の尿漏れと判断できるので、異常と判定する。また、動作センサ１９０により、予め定めた値以上の動作が検知された場合、後席者が何らかの事情で激しく動いていると判断できるので、異常と判定する。若しくは、動作が急に変化した場合、例えば、これまで検知されなかった所定の振動が検知されるようになった場合、または、これまで検知していた所定の振動が検知されなくなった場合も、異常と判定するようにしてもよい。
【００２６】
後席者の異常を判定した場合（Ｓ１０４でＹｅｓ）、制御部１１０は、後席者の異常を知らせる警告をスピーカ１５０を介して発音させる（Ｓ１０５）。警告は、ブザー音でもよいし、「後席者に動作がありました」などのメッセージを発声してもよい。
【００２７】
次に、制御部１１０は、ディスプレイ１４０に、カメラ１７０で撮影した後部座席方向の映像を表示する。なお、制御部１１０は、このときに撮影を開始するようにしてもよいし、常時行っていてもよい。
【００２８】
図６は、かかる場合のディスプレイ１４０の表示画面の遷移例である。図６（ａ）のように、ナビゲーション画面５００が表示されているときに（Ｓ１０２）、異常が検知されると（Ｓ１０４でＹｅｓ）、図６（ｂ）のように、後部座席の映像５１２を含む画面５１０が表示される。制御処理部１１０は、後部座席の映像を表示する際、「後席者の変化を検出しました。温度変化です」などと、異常を検知した旨と、その異常の内容５１１を表示するようにしてもよい。
【００２９】
図３を参照して、次に、制御部１１０は、ユーザから入力装置１６０を介して、周辺施設の検索要求を受け付ける（Ｓ１０７）。周辺施設の検索要求を受け付けなかった場合（Ｓ１０７でＮｏ）、制御部１１０は、Ｓ１０２に戻り、再びナビゲーション画面の表示を行う。
【００３０】
一方、周辺施設の検索要求を受け付けた場合（Ｓ１０７でＹｅｓ）、制御部１１０は、周辺施設の検索処理を行う（Ｓ１０８）。
【００３１】
図５は、かかる周辺施設検索処理のフロー図である。
【００３２】
まず、制御部１１０は、ユーザから検索する周辺施設の指定を受け付ける（Ｓ２０１）。このとき、制御部１１０は、図６（ｃ）に示すように、検索する施設の指定を受け付ける画面５２０を表示する。本実施形態では、「安全に停車できる施設」、「公共施設」、「病院」の中から選択できるようになっている。
【００３３】
検索する施設として「安全に停車できる施設」が選択された場合、制御部１１０は、地図データに含まれている「安全に停車できる施設」の中から、現在位置に最も近い施設を検索する（Ｓ２０２）。
【００３４】
検索する施設として「公共施設」が選択された場合、制御部１１０は、地図データに含まれている「公共施設」の中から、現在位置に最も近い施設を検索する（Ｓ２０３）。
【００３５】
検索する施設として「病院」が選択された場合、制御部１１０は、Ｓ１０１にて後席者として登録された者に応じた病院を検索する。すなわち、後席者として「お年寄り」が登録されている場合、制御部１１０は、地図データに含まれている「通常の病院」の中から、現在位置に最も近い病院を検索する（Ｓ２０５）。また、後席者として「ペット」が登録されている場合、制御部１１０は、地図データに含まれている「動物病院」の中から、現在位置に最も近い病院を検索する（Ｓ２０６）。また、後席者として「子供」が登録されている場合、制御部１１０は、地図データに含まれている「小児科のある病院」の中から、現在位置に最も近い病院を検索する（Ｓ２０７）。
【００３６】
こうして、いずれかの施設を検索すると、制御部１１０は、図３のＳ１０９以降の処理を行う。
【００３７】
すなわち、制御部１１０は、検索した施設を目的地（経由地）に設置し（Ｓ１０９）、現在位置からその目的地（経由地）までの経路を探索し（Ｓ１１０）、探索した経路を用いて誘導を開始し（Ｓ１１１）、その施設に到着すると処理を終了する。
【００３８】
図６（ｄ）は、検索する施設として「病院」が選択され、かつ後席者として「子供」が登録されていた場合に、小児科のある病院が検索され、その病院までの経路５３１が表示された画面５３０を示す。
【００３９】
以上、本発明の一実施形態について説明した。本発明は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、本発明の要旨の範囲内で様々な変形が可能である。
【００４０】
例えば、後席者の異常を検知する方法は、上記した方法に限定されない。カメラ１７０で撮影した画像から、後席者の動作の異常を判定してもよい。例えば、所定時間内で、画像変化が所定値以上の場合、異常を判定する。
【００４１】
また、異常が無くなった場合、例えば、動作センサ１９０によりこれまで検知していた所定の振動が、検知されなくなった場合、幼児などが寝ておとなしくなったと考えられるので、図７に示すように、撮影した画像５１２を表示してもよい。図７の例では、カメラの映像とともに、動作がなくなったことを示すメッセージを表示している。
【００４２】
また、後部座席を撮影した映像と、ナビゲーション画面とを同時に表示してもよい。例えば、制御部１１０は、異常を検知した後、施設までの経路を探索し表示する際、経路誘導を行う間、経路とともに、カメラの映像を表示するようにする。図８は、その様子を示す。このように、カメラ映像７０２とともに経路７０１が表示されれば、ユーザは、経路誘導を受けつつ、後部者の様子をチェックすることができる。
【００４３】
また、後部座席の着席者に対応させて施設（公共施設、病院など）を記憶しておき、周辺施設の検索（Ｓ１０８）では、Ｓ１０１で登録された着席者に対応する施設を記憶された施設の中から検索するようにしてもよい。
【００４４】
また、図３、図５で示した処理のステップは、適宜省略することや順番の変更が可能である。
【００４５】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００４６】
【図１】図１は、車載用ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図２】図２は、カメラ１７０、温度センサ１８０、動作センサ１９０などの設置位置を説明する図である。
【図３】図３は、車載用ナビゲーション装置の動作のフロー図である。
【図４】図４は、後席者登録画面の表示例である。
【図５】図５は、施設検索処理（図３のＳ１０８）のフロー図である。
【図６】図６は、表示画面の遷移例である。
【図７】図７は、画面の表示例である。
【図８】図８は、画面の表示例である
【符号の説明】
【００４７】
１００…車載用ナビゲーション装置、
１１０…制御部、１２０…ＧＰＳ受信機、１３０…記憶装置、１４０…ディスプレイ、１５０…スピーカ、１６０…入力装置、１７０…カメラ、１８０…温度センサ、１９０…動作センサ、２０１…後部座席、２０２…チャイルドシート
【技術分野】
【０００１】
本発明は、ナビゲーション装置に関し、特に車載用ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
交通情報や目的地までの経路を表示する車載用ナビゲーション装置がある（非特許文献１参照）。
【０００３】
【非特許文献１】特許庁 標準技術集「カーナビゲーション装置のユーザーインターフェイス」、１−Ｃ ルート表示
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
しかし、従来の車載用ナビゲーション装置では、ユーザは、後部座席の状況を知ることはできない。例えば、幼児、老人、ペットなどを後部座席に乗せる場合がある。かかる場合に、運転手であるユーザが後部座席の状況を把握できると便利である。
【０００５】
本発明の目的は、後部座席の状況を知らせることができるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
上記課題を解決すべく、本発明の車両のナビゲーション装置は、後部座席の方向を撮影する手段を備えている。
【０００７】
例えば、本発明の車両のナビゲーション装置は、後部座席方向を撮影する撮影装置と、前記後部座席の着席者の異常を検知する異常検知手段と、前記異常検知手段により異常を検知した場合、前記撮影装置で撮影した映像を表示する手段とを備えている。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
以下に、本発明の一実施形態について、図面を参照して説明する。
【０００９】
図１は、本発明の一実施形態にかかる車載用ナビゲーション装置１００の概略構成図である。図示するように、車載用ナビゲーション装置１００は、制御部１１０と、ＧＰＳ(Global Positioning System)受信装置１２０と、記憶装置１３０と、ディスプレイ１４０と、スピーカ（音声出力装置）１５０と、入力装置（リモコン）１６０と、カメラ１７０と、温度センサ１８０と、動作センサ１９０とを備えている。
【００１０】
制御部１１０は、様々な処理を行う中心的ユニットである。例えばＧＰＳ受信装置１２０から出力される情報を基にして現在地を検出する。また、得られた現在地情報に基づいて、表示に必要な地図データを記憶装置１３０から読み出す。また、読み出した地図データをグラフィックス展開し、そこに現在地を示すマークを重ねてディスプレイ１４０へ表示する。また、記憶装置１３０に記憶されている地図データを用いて、ユーザから指示された目的地と現在地（出発地）とを結ぶ最適な経路（推奨経路）を探索する。また、スピーカ１５０やディスプレイ１４０を用いてユーザを誘導する。かかる制御部１１０は、数値演算及び各デバイスを制御するといった様々な処理を実行するＣＰＵ(Central Processing Unit)と、ＲＡＭ、ＲＯＭ等のメモリと、制御部１１０と他の構成１２０〜１９０を仲介するインターフェースと、これらを接続するバスにより構成されるコンピュータシステムにより達成される。制御部１１０が行う各処理は、ＣＰＵがメモリにロードしたプログラムを実行することにより達成される。
【００１１】
ＧＰＳ受信装置１２０は、車両の現在位置、進行速度および進行方位を測定する。
【００１２】
記憶装置１３０は、ＣＤ-ＲＯＭやＤＶＤ-ＲＯＭやＨＤＤやＩＣカードといった記憶媒体で構成されている。この記憶媒体には、地図データが記憶されている。地図データには、経路探索に必要な、地図上の道路を構成するリンクに関するリンクデータが含まれている。また、地図データには、（ｉ）駐車場、高速道路上の緊急停止可能な場所などの安全に停止できる施設、（ｉｉ）幼児のオムツを取り替えられる施設、トイレなどの公共の施設、（ｉｉｉ）通常の病院、小児科のある病院、動物病院などの病院、の位置、住所、電話番号などの情報が含まれている。
【００１３】
ディスプレイ１４０は、制御部１１０で生成されたグラフィックス情報を表示するユニットである。ディスプレイ１４０は、ＣＲＴや液晶ディスプレイなどで構成される。
【００１４】
スピーカ１５０は、制御部１１０で生成したユーザへのメッセージを音声信号に変換し出力する。
【００１５】
入力装置１６０は、ユーザからの指示を受け付けるユニットである。入力装置１６０は、スクロールキー、縮尺変更キーなどのハードスイッチ、ジョイスティック、ディスプレイ上に貼られたタッチパネルなどで構成される。
【００１６】
カメラ１７０は、図２に示すように、後部座席２０１がある方向を撮影可能に前部座席の後方に配置され、後部座席の着席者の様子を撮影する撮像装置である。カメラ１７０は、例えば、ＣＣＤカメラなどの小型カメラで構成される。
【００１７】
温度センサ１８０は、図２に示すように、後部座席２０１に設置され、後部座席の温度変化を検出する。後部座席２０１にチャイルドシート２０２を配置する場合、温度センサ１８０は、幼児の尿によるオムツの温度変化を検知するために、チャイルドシート２０２の内部、若しくはオムツに近接する位置に設置されていてもよい。
【００１８】
動作センサ１９０は、図２に示すように、後部座席に設置され、後部座席に着席した者の動作の変化を検出する。例えば、振動センサや、感圧センサなどで構成される。チャイルドシートを配置する場合、動作センサ１９０は、幼児の動きを敏感に検知するため、チャイルドシートの内部に設置されていてもよい。
【００１９】
［動作の説明］次に、上記構成の車載用ナビゲーション装置１００の動作について説明する。
【００２０】
図３は、車載用ナビゲーション装置１００の動作の処理の流れを示すフロー図である。
【００２１】
このフローは、電源投入時に開始するか、若しくは、ユーザから開始要求を受け付けたときに開始される。
【００２２】
まず、制御部１１０は、後部座席に着席する者（「後席者」という）の登録を行う（Ｓ１０１）。具体的には、制御部１１０は、図４に示すように、ディスプレイ２に、後席者の登録画面を表示する。登録画面４００には、後席者として、「子供」、「お年寄り」、「ペット」の中から選択できるように選択肢４０１が表示される。そして、制御部１１０は、ユーザから入力装置１６０を介して選択された内容で、後席者の登録を行う。
【００２３】
なお、制御部１１０は、すでに後席者の登録が済んでいる場合、Ｓ１０１の処理を省略してもよい。
【００２４】
次に、制御部１１０は、ナビゲーション画面を表示する（Ｓ１０２）。具体的には、制御部１１０は、現在位置周辺の地図を表示したり、探索した目的地までの経路を表示したり、経路誘導のための情報を表示したりする。
【００２５】
その間、制御部１１０は、後席者の異常を監視する（Ｓ１０３、Ｓ１０４）。具体的には、制御部１１０は、温度センサ１８０と動作センサ１９０の出力から異常か否かを判定する。例えば、温度センサ１８０により、予め定めた値以上の温度が検知された場合、幼児の尿漏れと判断できるので、異常と判定する。また、動作センサ１９０により、予め定めた値以上の動作が検知された場合、後席者が何らかの事情で激しく動いていると判断できるので、異常と判定する。若しくは、動作が急に変化した場合、例えば、これまで検知されなかった所定の振動が検知されるようになった場合、または、これまで検知していた所定の振動が検知されなくなった場合も、異常と判定するようにしてもよい。
【００２６】
後席者の異常を判定した場合（Ｓ１０４でＹｅｓ）、制御部１１０は、後席者の異常を知らせる警告をスピーカ１５０を介して発音させる（Ｓ１０５）。警告は、ブザー音でもよいし、「後席者に動作がありました」などのメッセージを発声してもよい。
【００２７】
次に、制御部１１０は、ディスプレイ１４０に、カメラ１７０で撮影した後部座席方向の映像を表示する。なお、制御部１１０は、このときに撮影を開始するようにしてもよいし、常時行っていてもよい。
【００２８】
図６は、かかる場合のディスプレイ１４０の表示画面の遷移例である。図６（ａ）のように、ナビゲーション画面５００が表示されているときに（Ｓ１０２）、異常が検知されると（Ｓ１０４でＹｅｓ）、図６（ｂ）のように、後部座席の映像５１２を含む画面５１０が表示される。制御処理部１１０は、後部座席の映像を表示する際、「後席者の変化を検出しました。温度変化です」などと、異常を検知した旨と、その異常の内容５１１を表示するようにしてもよい。
【００２９】
図３を参照して、次に、制御部１１０は、ユーザから入力装置１６０を介して、周辺施設の検索要求を受け付ける（Ｓ１０７）。周辺施設の検索要求を受け付けなかった場合（Ｓ１０７でＮｏ）、制御部１１０は、Ｓ１０２に戻り、再びナビゲーション画面の表示を行う。
【００３０】
一方、周辺施設の検索要求を受け付けた場合（Ｓ１０７でＹｅｓ）、制御部１１０は、周辺施設の検索処理を行う（Ｓ１０８）。
【００３１】
図５は、かかる周辺施設検索処理のフロー図である。
【００３２】
まず、制御部１１０は、ユーザから検索する周辺施設の指定を受け付ける（Ｓ２０１）。このとき、制御部１１０は、図６（ｃ）に示すように、検索する施設の指定を受け付ける画面５２０を表示する。本実施形態では、「安全に停車できる施設」、「公共施設」、「病院」の中から選択できるようになっている。
【００３３】
検索する施設として「安全に停車できる施設」が選択された場合、制御部１１０は、地図データに含まれている「安全に停車できる施設」の中から、現在位置に最も近い施設を検索する（Ｓ２０２）。
【００３４】
検索する施設として「公共施設」が選択された場合、制御部１１０は、地図データに含まれている「公共施設」の中から、現在位置に最も近い施設を検索する（Ｓ２０３）。
【００３５】
検索する施設として「病院」が選択された場合、制御部１１０は、Ｓ１０１にて後席者として登録された者に応じた病院を検索する。すなわち、後席者として「お年寄り」が登録されている場合、制御部１１０は、地図データに含まれている「通常の病院」の中から、現在位置に最も近い病院を検索する（Ｓ２０５）。また、後席者として「ペット」が登録されている場合、制御部１１０は、地図データに含まれている「動物病院」の中から、現在位置に最も近い病院を検索する（Ｓ２０６）。また、後席者として「子供」が登録されている場合、制御部１１０は、地図データに含まれている「小児科のある病院」の中から、現在位置に最も近い病院を検索する（Ｓ２０７）。
【００３６】
こうして、いずれかの施設を検索すると、制御部１１０は、図３のＳ１０９以降の処理を行う。
【００３７】
すなわち、制御部１１０は、検索した施設を目的地（経由地）に設置し（Ｓ１０９）、現在位置からその目的地（経由地）までの経路を探索し（Ｓ１１０）、探索した経路を用いて誘導を開始し（Ｓ１１１）、その施設に到着すると処理を終了する。
【００３８】
図６（ｄ）は、検索する施設として「病院」が選択され、かつ後席者として「子供」が登録されていた場合に、小児科のある病院が検索され、その病院までの経路５３１が表示された画面５３０を示す。
【００３９】
以上、本発明の一実施形態について説明した。本発明は、上記実施形態に限定されない。上記実施形態は、本発明の要旨の範囲内で様々な変形が可能である。
【００４０】
例えば、後席者の異常を検知する方法は、上記した方法に限定されない。カメラ１７０で撮影した画像から、後席者の動作の異常を判定してもよい。例えば、所定時間内で、画像変化が所定値以上の場合、異常を判定する。
【００４１】
また、異常が無くなった場合、例えば、動作センサ１９０によりこれまで検知していた所定の振動が、検知されなくなった場合、幼児などが寝ておとなしくなったと考えられるので、図７に示すように、撮影した画像５１２を表示してもよい。図７の例では、カメラの映像とともに、動作がなくなったことを示すメッセージを表示している。
【００４２】
また、後部座席を撮影した映像と、ナビゲーション画面とを同時に表示してもよい。例えば、制御部１１０は、異常を検知した後、施設までの経路を探索し表示する際、経路誘導を行う間、経路とともに、カメラの映像を表示するようにする。図８は、その様子を示す。このように、カメラ映像７０２とともに経路７０１が表示されれば、ユーザは、経路誘導を受けつつ、後部者の様子をチェックすることができる。
【００４３】
また、後部座席の着席者に対応させて施設（公共施設、病院など）を記憶しておき、周辺施設の検索（Ｓ１０８）では、Ｓ１０１で登録された着席者に対応する施設を記憶された施設の中から検索するようにしてもよい。
【００４４】
また、図３、図５で示した処理のステップは、適宜省略することや順番の変更が可能である。
【００４５】
なお、上記の実施形態では、本発明を車載用ナビゲーション装置に適用した例について説明したが、本発明は車載用以外のナビゲーション装置にも適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【００４６】
【図１】図１は、車載用ナビゲーション装置の概略構成図である。
【図２】図２は、カメラ１７０、温度センサ１８０、動作センサ１９０などの設置位置を説明する図である。
【図３】図３は、車載用ナビゲーション装置の動作のフロー図である。
【図４】図４は、後席者登録画面の表示例である。
【図５】図５は、施設検索処理（図３のＳ１０８）のフロー図である。
【図６】図６は、表示画面の遷移例である。
【図７】図７は、画面の表示例である。
【図８】図８は、画面の表示例である
【符号の説明】
【００４７】
１００…車載用ナビゲーション装置、
１１０…制御部、１２０…ＧＰＳ受信機、１３０…記憶装置、１４０…ディスプレイ、１５０…スピーカ、１６０…入力装置、１７０…カメラ、１８０…温度センサ、１９０…動作センサ、２０１…後部座席、２０２…チャイルドシート
【特許請求の範囲】
【請求項１】
車両のナビゲーション装置であって、
後部座席方向を撮影するための撮影装置と、
前記後部座席の着席者の異常を検知する異常検知手段と、
前記異常検知手段により異常を検知した場合、前記撮影装置で撮影した映像を表示する手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項２】
請求項１において、
前記異常検知手段により異常を検知した場合、警告を発音する手段を備える
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項３】
請求項１において、
前記異常検知手段は、
温度センサを備え、当該温度センサが所定値以上の温度を検知した場合、異常を検知したとする
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項４】
請求項１において、
前記異常検知手段は、
振動を検出する振動センサを備え、当該振動センサが所定値以上の振動を検知した場合、異常を検知したとする
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項５】
請求項１において、
前記異常検知手段が異常を検知した場合、周囲の施設の検索要求を受け付ける手段と、
受け付けた検索要求に応じて周囲の施設を検索する手段
とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項６】
請求項１において、
着席者に応じた施設を記憶する手段と、
後部座席の着席者を登録する手段と、
前記異常検知手段が異常を検知した場合、登録された前記後部座席の着席者に応じた施設を検索する手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項７】
請求項１において、
前記異常検知手段が異常を検知した場合、周囲の施設を検索する手段と、
検索した施設までの経路を探索する手段と、
探索した経路を、前記撮影装置で撮影した後部座席の画像とともに表示する手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項８】
ナビゲーション装置に接続される温度センサ又は動作センサを備えた車載用座席。
【請求項１】
車両のナビゲーション装置であって、
後部座席方向を撮影するための撮影装置と、
前記後部座席の着席者の異常を検知する異常検知手段と、
前記異常検知手段により異常を検知した場合、前記撮影装置で撮影した映像を表示する手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項２】
請求項１において、
前記異常検知手段により異常を検知した場合、警告を発音する手段を備える
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項３】
請求項１において、
前記異常検知手段は、
温度センサを備え、当該温度センサが所定値以上の温度を検知した場合、異常を検知したとする
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項４】
請求項１において、
前記異常検知手段は、
振動を検出する振動センサを備え、当該振動センサが所定値以上の振動を検知した場合、異常を検知したとする
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項５】
請求項１において、
前記異常検知手段が異常を検知した場合、周囲の施設の検索要求を受け付ける手段と、
受け付けた検索要求に応じて周囲の施設を検索する手段
とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項６】
請求項１において、
着席者に応じた施設を記憶する手段と、
後部座席の着席者を登録する手段と、
前記異常検知手段が異常を検知した場合、登録された前記後部座席の着席者に応じた施設を検索する手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項７】
請求項１において、
前記異常検知手段が異常を検知した場合、周囲の施設を検索する手段と、
検索した施設までの経路を探索する手段と、
探索した経路を、前記撮影装置で撮影した後部座席の画像とともに表示する手段と
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項８】
ナビゲーション装置に接続される温度センサ又は動作センサを備えた車載用座席。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図７】
【図８】
【公開番号】特開２００６−３４７２３２（Ｐ２００６−３４７２３２Ａ）
【公開日】平成１８年１２月２８日（２００６．１２．２８）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００５−１７２８３２（Ｐ２００５−１７２８３２）
【出願日】平成１７年６月１３日（２００５．６．１３）
【出願人】（５９１１３２３３５）株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成１８年１２月２８日（２００６．１２．２８）
【国際特許分類】
【出願日】平成１７年６月１３日（２００５．６．１３）
【出願人】（５９１１３２３３５）株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Ｆターム（参考）】
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