説明

ナビゲーション装置

【課題】情報記録媒体より取得した情報に基づき目的地を設定する場合に、ユーザに時間的損失を与えてしまうことを回避可能なナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】カーナビゲーション装置1の制御回路2は、QRコードより取得した施設や店舗等の情報を、当該QRコードに記録されている有効期限に基づき有効性を判断し、有効性が無いと判断すると、携帯電話機10を介してQRコードに記録されているURLにアクセスすることで代替情報を取得する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報記録媒体より施設や店舗等の情報を取得して目的地が設定されると、その目的地までの走行経路を検索して経路案内を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、カーナビゲーション装置に目的地を設定する場合は、DVDやハードディスクなどの記憶装置に予め記憶されている場所の情報を検索して設定するのが通常である。即ち、上記のような大容量の記憶装置には、膨大な検索データベースを持たせることもできるので、ユーザは、その中から行きたい場所を高い自由度で設定することが可能である。
その一方で、ユーザにとっては、目的地の住所や施設等の名称をマニュアルで入力したり、提示された大量の候補リストから目的地を絞り込む必要があり、設定操作が煩わしいという面もあった。
【0003】
上記の問題を解決するものとして、QRコード(登録商標)に含まれる位置情報を利用して目的地を設定する技術が、特許文献1,2等に開示されている。現在、QRコードは雑誌や広告などに広く利用されているので、ユーザは、それらに掲載されている施設や店舗などの情報を参照して、予め行きたい場所を決定しておけば良い。そして、選択したQRコードをリーダにより読取るだけで、カーナビゲーション装置に目的地を設定することができるため、利便性が極めて良好となる。
【特許文献1】特開2001−33265号公報
【特許文献2】特開2005−31068号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、雑誌や広告などに掲載されている情報は静的なものであるから、時間の経過に伴いその情報が古くなってしまうことは避けられない。そのため、ナビゲーション装置がQRコードから読取った情報に基づき設定した目的地に案内すると、提供を受けられるはずのサービス期間が既に終了していたり、店舗自体がその場所から移転している場合も想定され、ユーザに多大な時間的損失を与えるおそれがある。また、情報自体は古くなっていないとしても、目的地として設定した店舗がユーザの想定を超えた遠くに位置しているような場合、その店舗を利用することは困難であり、情報が実質的に利用不能であることも想定される。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、情報記録媒体より取得した情報に基づき目的地を設定する場合に、ユーザに時間的損失を与えてしまうことを回避可能なナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載のナビゲーション装置によれば、判断手段によって、情報記録媒体より取得した情報に有効性が無いと判断されると、当該情報に基づく目的地の設定を禁止する。従って、情報記録媒体に記録されている情報の有効性が既に喪失している場合や前記情報が実質的に無効である場合に目的地を徒に設定して、ユーザに時間的損失を与えてしまうことは回避される。
【0007】
請求項2記載のナビゲーション装置によれば、情報記録媒体に、施設や店舗等に関連するより多くの情報が取得可能である情報源にアクセスするための通信先情報が記録されている場合、代替情報取得手段は、判断手段によって情報記録媒体より取得された情報に有効性が無いと判断されると、通信手段を介して前記情報源にアクセスすることで代替情報を取得する。即ち、情報記録媒体に記録されている情報の有効性が既に喪失している場合は、それに替わる有効な情報を外部の情報源より取得して利用することができる。従って、ユーザが新たな情報を取得するために自ら設定操作を行う必要はなく、利便性を向上させることができる。
【0008】
請求項3記載のナビゲーション装置によれば、判断手段は、情報記録媒体に情報の有効期限が記録されている場合、その有効期限とその時点の日付けとを比較することで情報の有効性を判断するので、有効性をより確実に判断することができる。
【0009】
請求項4記載のナビゲーション装置によれば、判断手段は、現在地から施設や店舗等までの距離に応じて情報の有効性を判断する。即ち、情報記録媒体より取得された情報に含まれている施設や店舗等が現在地から余りに遠い位置にあるような場合は、ユーザにとって利用し易いとは言い難いため、所定の距離内に位置する店舗等を有効とすることで、妥当に判断を行うことができる。
【0010】
請求項5記載のナビゲーション装置によれば、判断手段は、情報記録媒体に情報の発効日が記録されている場合、その発効日からその時点の日付けまでの経過日数に応じて、前記情報の有効性を判断する。即ち、請求項4で述べたような情報の有効期限が記録されていない場合でも、情報の発効日に基づいて装置側独自で有効性を妥当に判定することができる。
【0011】
請求項6記載のナビゲーション装置によれば、取得された情報に同種の施設や店舗等が複数含まれている場合は、現在地から各施設や店舗等までの距離を計算し、その距離が最も短いものを目的として設定する。即ち、取得された情報の選択に任意性がある場合には、現在地からの距離が短く、ユーザにとって最も利用し易い施設や店舗等を選択することができる。
【0012】
請求項7記載のナビゲーション装置によれば、判断手段が行なう有効性の判断条件を、ユーザが設定可能とする。即ち、情報の有効性の基準は、夫々のユーザにとって相対的に認識されることも想定されるので、各ユーザの認識に適合するように判断条件を設定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を車両用ナビゲーション装置に適用した場合の一実施例について図面を参照して説明する。図1は車両に搭載されたカーナビゲーション装置1の全体構成を示すブロック図である。カーナビゲーション装置1は、制御回路(判断手段,代替情報取得手段)2に対し、位置検出装置(位置取得手段)3、地図データ入力器(地図データ取得手段)4、操作スイッチ群(入力手段)5、画像入力装置(情報取得手段)6、表示装置7、音声出力装置8、VICS(登録商標:Vehicle Information and Communication System,道路交通情報取得手段)送受信機9、携帯電話機(通信手段)10、外部メモリ11、RTC(Real Time Clock,時計手段)12などを接続して構成されている。
【0014】
制御回路2は、カーナビゲーション装置1の動作全般を制御する機能を有しており、マイクロコンピュータを主体として構成されている。すなわち、制御回路2は、CPU、ROM、RAM、I/O及びこれらを接続するバスなど(いずれも図示せず)を備えて構成されている。このうち、ROMにはカーナビゲーション装置1を動作させるための実行プログラムや有料道路の通行料割引を受けるための実行プログラムなどが格納され、RAMにはプログラム実行時の一時データや地図データ入力器4から取得した地図データ、VICS送受信機9や携帯電話機10を介して取得した情報などが一時的に格納されるようになっている。
【0015】
位置検出装置3は、車両のピッチ角を検出するためのGセンサ13、車両のロール角を検出するためのジヤイロスコープ14、距離センサ15及びGPS(Global Positioning System )受信機16などから構成されている。これらのセンサ等13〜16は夫々性質の異なる検出誤差を有するので、これらを組み合わせることにより、互いに検出誤差を補正しながら精度の高い位置検出を行ない得るようにしている。なお、要求される検出精度レベルによっては、全てのセンサ等13〜16を備える必要はなく、適宜選択して設ける構成とすることができる。更に、ステアリングの回転センサや各タイヤの回転を検出する車輪センサなどを組み合わせて位置検出装置3を構成しても良い。
【0016】
地図データ入力器4は、例えばDVD−ROMやハードディスクなどの情報記録媒体と、この情報記録媒体からデータを読み取る読取装置とから構成されており、読取装置によりデータを情報記録媒体から読み取って制御回路2に入力する。ここで、地図データ入力器4が備えているデータとしては、地図データ、マップマッチング用データ、経路を音声で案内するためのデータ、目的地の地名などからその目的地の地図上の位置を検索するデータ、同じく目的地の地名などをジャンル別に検索できるようにするためのデータなどがある。
【0017】
上記の地図データは、表示装置7の液晶ディスプレイに地図を表示するためのデータで、リンク情報、ノード情報などを備えている。これは、地図上の道路を交差点、分岐点、合流点、所定角度以上のカーブなどの屈曲点を示すノードにより複数に分割し、夫々のノード間をリンクとして規定し、それらリンクを接続することにより地図を構成するという考え方に基づく。上記リンク情報は、各リンクについて、リンクの固有ID、リンクの長さを示すリンク長(道路長)、リンクの始端と終端の座標、リンクの道路幅、道路種別(国道、県道などの一般道、高速道路等)などの属性情報からなる。また、上記ノード情報は、各ノードについて、ノードの固有ID、座標、ノード属性例えば立体交差点や多車線交差点などを示すデータなどから構成されている。
【0018】
上記目的地の地図上の位置を地名などから検索するデータ(地図検索データ)は、地名や建築物名や施設の名称などから地図上の位置を検索するための地図索引データとして構成されている。同じく目的地の地名などをジャンル別に検索できるようにするためのデータは、地名、施設、建築物などを、レストラン、ホテル、駅、遊園地、公共施設などの各種ジャンルに分けると共に、地域毎に分けたデータからなる。なお、上記の施設としては、公園、遊園地、病院、役所、デパート、コンビニエンスストア、飲食店、高速道路のサービスエリアなどが含まれる。
【0019】
また、画像入力装置6は、CCD(Charge Coupled Device)やCMOSイメージセンサなどで構成されるエリアセンサであり、例えば雑誌の広告ページなどに印刷されているQRコードなどの2次元コードの画像を光学的に読取ると電気的な画像信号に変換して、制御回路2に出力する。制御回路2は、その画像信号を2値化して明暗パターンのデータとして読み込むと、QRコードに記録されている情報をデコードするようになっている。尚、この場合、QRコード等が印刷されている紙面等が請求項上の「情報記録媒体」に対応する。
【0020】
表示装置7は、地図データや文字或いは記号などを表示するための表示画面としてカラー液晶ディスプレイを備えて構成されており、その液晶ディスプレイの表面には、操作スイッチ群5の一部を構成する透明な前記タッチパネルが貼り付けられている。操作スイッチ群5は、データを入力したり、設定事項を入力したりするために使用されるもので、例えば表示装置7の周辺に設けられた押釦スイッチなどからも構成されている。
【0021】
音声出力装置8は、制御回路2からの音声合成指令により音声を合成してスピーカ10から出力する。VICS送受信機9は、外部情報源であるVICSから送信される道路交通情報を受信して制御回路2に入力するもので、FM多重放送や電波ビーコン,光ビーコンなどの各種インフラに対応している。制御回路2は、VICS送受信機9から入力された道路交通情報により、交通規制地点、渋滞している道路とその渋滞区間などを検出する。
【0022】
携帯電話機10は、携帯電話システムの基地局17及びインターネットなどの通信ネットワーク18を介して情報提供元のデータベース(DB,情報源)19に接続できるようになっており、データベース19から情報などを取得する。データベース19は、例えばインターネット上のWebサーバとして構成されている。外部メモリ11は、例えばフラッシュメモリカードや小型のハードディスクなどで構成され、制御回路2がデータを保存したり、例えばパーソナルコンピュータのような他の機器との間でデータ授受を行う場合などに使用される。RTC(Real Time Clock)12は時刻を計時するためのICであり、現在時刻情報を制御回路2に与える。
【0023】
制御回路2は、位置検出装置3から入力される情報に基づき自車両の現在位置を演算して、地図データに基づいてその現在位置周辺の道路地図を表示装置9の液晶ディスプレイに表示すると共に、その表示された道路地図に重ねて自車両の現在位置および進行方向を示すポインタを表示する。
また、制御回路2は、目的地までの案内経路を探索する経路探索手段としての機能、およびその経路に従って自車の進行すべき方向を指示するために、音声出力装置8にて音声を合成して出力したり、或いは表示装置7の画面に表示したりするという走行案内手段としての機能を有している。即ち、操作スイッチ群5を操作して目的地、或いは経由地を設定すると、現在位置(出発地)から目的地までの最適経路を案内経路として自動設定すると共に、その案内経路を表示装置7に表示されている道路地図上に通常の道路色とは異なる色で表示する。そして、制御回路2は、案内経路に従って自動車の進行方向を音声などで案内する。なお、最適経路を設定する方法としてはダイクストラ法などが用いられる。
【0024】
図2には、例えば雑誌の広告ページなどに印刷されており、店舗の広告に対応したQRコードに記録されている情報の一例を示す。これらの情報は、広告の掲載日及び広告内容の有効期限、系列店舗の数、同様の広告をインターネット上のホームページのコンテンツとしても提供している場合、そのホームページにアクセスするためのURL(Uniform Resource Locator)、各系列店舗の店舗名や電話番号、緯度経度などの位置情報などである。従って、制御回路2は、画像処理装置6を介してQRコードに記録されている情報を読取りデコードすると、その店舗等の位置情報に基づいて車両の走行目的地を設定することが可能となっている。
【0025】
次に、本実施例の作用について図3も参照して説明する。図3は、制御回路2による処理内容を、本発明の要旨に係る部分(目的地設定)のみ示すフローチャートである。運転者が、目的地を設定するために画像処理装置6を介してQRコードに記録されている例えば店舗の情報を読取らせると(ステップS1)、制御回路2は、読取った情報をデコードする。そして、その情報に含まれている広告などの有効期限とその時点の日時とを比較することで、読取った情報が有効な期限内であるか否かを判断する(ステップS2)。
【0026】
ステップS2において情報が有効な期限内であれば(「YES」)、制御回路2は、読取った情報に目的とする店舗が複数含まれているか否かを判断する(ステップS3)。店舗の情報が1つだけである場合は(「NO」)、現在地からその店舗までの距離を位置情報に基づいて計算し、その距離が有効距離として予め設定されている距離D(例えば、20km)以下であるか否かを判断する(ステップS5)。そして、店舗までの距離がD以下であれば(「YES」)その店舗を目的地として設定し(ステップS6)、処理を終了する。以降に、設定された目的地までの経路検索や経路案内などの処理が上述したように行なわれる。
【0027】
また、ステップS3において、読取った情報に目的とする店舗が複数含まれている場合(「YES」)、制御回路2は、各店舗までの距離を計算し、それらの中から現在地より最も近い店舗を目的地候補として選択すると(ステップS4)、ステップ5に移行する。即ち、一般に、現在地から最短距離に位置する店舗がユーザにとって利用し易いと想定されるからである。
【0028】
一方、ステップS2においてQRコードより読取った情報が有効な期限内でない場合(「NO」)、また、ステップS5において現在地から店舗までの距離が有効距離Dを超えている場合(「NO」)、制御回路2は、その時点で携帯電話機10が通信状態にあり、QRコードより読取った情報に含まれているURLにアクセスを行っているか否かを判断する(ステップS7)。アクセスを行っていない、即ち未接続の場合(「YES」)、制御回路2は、携帯電話機10を介して前記URLが示すネット上のホームページ等にアクセスを行い、コンテンツをダウンロードして目的地候補の店舗に関する最新(と推定される)情報を入手する(ステップS8)。
【0029】
上記のステップS5において「NO」と判断するケースでは、QRコードより取得された情報に含まれている店舗が現在地から比較的遠い位置にあることから、ユーザにとってその店舗が利用し易いとは言い難い。従って、URLが示す情報源より代替情報を取得することで、現在地からより近くにある店舗の情報が得られることを期待するのが好ましいため、ステップS7に移行する。
【0030】
ステップS8において最新の情報を入手すると、制御回路2は、QRコードより読取った情報と上記最新の情報とを比較して、後者の情報が実際に前者より更新されているものか否かを判断し(ステップS9)、更新されていれば(「YES」)ステップS2に戻り、その更新されている情報が有効期限内であるかを判断する。一方、ステップS9において、前記URLより取得した情報が更新されていない場合は(「NO」)、ユーザにその旨を音声メッセージなどにより報知して警告を行い、目的地の設定をキャンセルして(ステップS10)処理を終了する。
【0031】
また、ステップS9において「YES」と判断した結果移行したステップS2において、前記URLより取得した情報が有効期限外であった場合は(「NO」)再度ステップS7に移行する。この時点では、前記URLに対するアクセスは行われていないので(コンテンツより情報を取得した後、携帯電話機10による接続は断たれる)、「NO」と判断してステップS10に移行する。
【0032】
以上のように本実施例によれば、カーナビゲーション装置1の制御回路2は、QRコードより取得した施設や店舗等の情報に有効性が無いと判断すると、携帯電話機10を介してQRコードより得られたURLにアクセスすることで代替情報を取得するようにした。従って、QRコードに記録されている情報の有効性が既に喪失している場合は、それに替わる有効な情報をURLが示すホームページなどのコンテンツより取得して利用することができ、ユーザが新たな情報を取得するために自ら設定操作を行う必要はなく、利便性を向上させることができる。そして、最終的に取得した情報の何れについても有効性がないと判断するとその情報に基づく目的地の設定を禁止するので、ユーザに時間的損失を与えてしまうことを回避できる。
【0033】
また、制御回路2は、現在地から施設や店舗等までの距離に応じて情報の有効性を判断するので、QRコードに含まれている施設や店舗等が、現在地から余りに遠い位置にあるような場合は代替情報を取得して、現在地からより近くにある施設や店舗等の情報を得ることが可能となる。
また、制御回路2は、QRコードに情報の有効期限が記録されている場合は、その有効期限とその時点の日付けとを比較することで情報の有効性を判断するので、有効性をより確実に判断することができる。
更に、制御回路2は、取得された情報に同種の施設や店舗等が複数含まれている場合は、現在地から各施設や店舗等までの距離を計算し、その距離が最も短いものを目的として設定する。即ち、取得された情報に任意性がある場合には、現在地からの距離が短くユーザにとって最も利用し易い施設や店舗等を選択することができる。
【0034】
本発明は上記し又は図面に記載した実施例にのみ限定されるものではなく、以下のような変形が可能である。
情報取得手段として、カメラ機能付き携帯電話機を利用してQRコードを撮像し、その画像情報をカーナビゲーション装置に送信するようにしても良い。
情報が記録されているものはQRコードに限ることなく、その他、PDF417(登録商標)、データマトリックス(登録商標)、マキシコード(登録商標)などの2次元コード(情報コード)であっても良い。また、情報記録媒体としては、これらの情報コードが印刷された紙面に限ることなく、例えば同様に施設や店舗等の情報が記録されているICカードや、リムーバブルディスクのような外部メモリ11を利用しても良い。
【0035】
記録されている情報に「有効期限」が含まれていない場合は、広告掲載日(情報の発効日)とその時点での日時とを比較し、予め任意に設定した有効期限(例えば、50日)内であるか否かによって情報の有効性を判定しても良い。この場合、有効期限が記録されていない場合でも、装置側独自で有効性を妥当に判定することができる。
また、記録されている情報に「広告掲載日」が含まれていない場合には、URLにアクセスを行うようにしても良い。
また、ステップS2において、最初に有効期限に基づく有効性を判定しているが、最初に現在地から店舗までの有効距離Dを参照することで、有効性を判定するようにしても良い(その場合、ステップS5は削除すれば良い)。
店舗等の位置を示す情報は、緯度,経度に限ることなく、マップコード(登録商標)を利用しても良い。また、店舗の名称、電話番号、住所に基づいて地図データが有している情報から位置を検索しても良い。
【0036】
時刻情報は、RTC12より取得するものに限らず、GPS信号に含まれている時刻情報を利用しても良い。
情報の有効性を判断するための条件として、有効期限日数や有効距離Dを、ユーザが操作スイッチ群5により入力設定できるように構成しても良い。また、有効性を期限と距離との何れにより判断するかを設定しても良い。即ち、情報の有効性の基準は、夫々のユーザにとって相対的に認識されることも想定されるので、各ユーザの認識に適合するように判断条件を設定することができる。
必ずしもURLにアクセスして代替情報を取得する必要はなく、情報コードより取得した情報に有効性がないと判断した時点で、当該情報に基づく目的地の設定を禁止するだけであっても良い。
車両用のナビゲーション装置に限ることはない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明を車両用ナビゲーション装置に適用した場合の一実施例であり、カーナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図
【図2】雑誌の広告ページなどに印刷されており、店舗の広告に対応したQRコードに記録されている情報の一例を示す図
【図3】カーナビゲーション装置の制御回路による処理内容を、本発明の要旨に係る部分のみ示すフローチャート
【符号の説明】
【0038】
図面中、1はカーナビゲーション装置、2は制御回路(判断手段,代替情報取得手段)、3は位置検出装置(位置取得手段)、4は地図データ入力器(地図データ取得手段)、5は操作スイッチ群(入力手段)、6は画像入力装置(情報取得手段)、7は表示装置、8は音声出力装置、10は携帯電話機(通信手段)、12はRTC(時計手段)、19はデータベース(情報源)を示す。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
施設や店舗等の情報が記録されている情報記録媒体より前記情報を取得する情報取得手段を備え、前記情報に含まれている施設や店舗等が目的地として設定されると前記目的地までの走行経路を検索し、前記走行経路に沿って経路案内を行うナビゲーション装置において、
前記情報取得手段により取得された情報の有効性を判断する判断手段を備え、
この判断手段によって前記情報に有効性が無いと判断されると、当該情報に基づく目的地の設定を禁止することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記情報記録媒体に、前記施設や店舗等に関連するより多くの情報が取得可能な情報源にアクセスするための通信先情報が記録されている場合、
前記通信先情報に基づき外部と通信を行うことで、前記情報源にアクセス可能な通信手段と、
前記判断手段によって前記情報に有効性が無いと判断されると、前記通信手段を介して前記情報源にアクセスし、当該情報源より代替情報を取得する代替情報取得手段とを備えることを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記判断手段は、前記情報記録媒体に情報の有効期限が記録されている場合、前記有効期限と、その時点の日付けとを比較することで前記情報の有効性を判断することを特徴とする請求項1又は2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記判断手段は、現在地から前記施設や店舗等までの距離に応じて、前記情報の有効性を判断することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記判断手段は、前記情報記録媒体に情報の発効日が記録されている場合、前記発効日からその時点の日付けまでの経過日数に応じて、前記情報の有効性を判断することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
取得された情報に、同種の施設や店舗等が複数含まれている場合は、現在地から各施設や店舗等までの距離を計算し、その距離が最も短いものを目的地として設定することを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記判断手段が行なう有効性の判断条件を、ユーザが設定可能であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載のナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−155661(P2007−155661A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−354867(P2005−354867)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】