説明

ナビゲーション装置

【課題】走行案内に不要な区画の地図データを本体内の記憶手段に記憶させないようにする。
【解決手段】地図データ読出手段が読み出した地図データに道路リンクデータが含まれるか否かを判定し(S104)、地図データ読出手段が読み出した地図データに道路リンクデータが含まれると判定された場合、地図データ読取装置が読み出した地図データを本体内の外部メモリ17に記憶させる(S116)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地図データが記憶された外部記憶媒体から地図データを予め定められた区画単位で読み出して、本体内に設けられた内部記憶媒体に記憶させ、この内部記憶媒体に記憶された地図データに基づいて走行案内を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置には、地図データが記憶されたCDやDVDなどの外部記憶媒体から地図データの一部を読み出してナビゲーション本体内に設けられた本体メモリに記憶し、この本体メモリに記憶された地図データに基づいて走行案内を行うコリドー機能を備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
このようなコリドー機能を備えたナビゲーション装置は、地図データが記憶された外部記憶媒体に代えて音楽データが記憶された外部記憶媒体をディスク挿入部に挿入しても、本体メモリに記憶された地図データに基づいて走行案内を行うため、走行案内を中断することなく外部記憶媒体から音楽データを読み出して音楽再生することが可能である。
【特許文献1】特開2003−83754号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ナビゲーション装置で用いられる地図データは、図4に示すように、矩形状の地図区画に分割された複数の区画(メッシュ)によって構成されている。図中、最上部にある最も大きな1枚の矩形が、最上位の階層用の広域メッシュを表し、最下部にある複数の矩形のそれぞれが、最下位の階層用の詳細メッシュを表し、最上部と最下部との間にある複数の矩形のそれぞれが、中間の階層用の中域メッシュを表している。1つの広域メッシュがカバーする領域を、複数の中域メッシュがカバーし、また、1つの中域メッシュがカバーする領域を、複数の詳細メッシュがカバーしている。また、これらの各メッシュには、道路リンクデータ、ランドマークデータ、交差点名称データ等の情報が含まれている。
【0005】
コリドー機能を備えたナビゲーション装置には、外部記憶媒体に記憶された地図データを本体メモリに記憶させる際に、例えば、図5に示すように、自車位置Sから目的地Gまでの誘導経路を含む一定区画の最上位階層の広域メッシュ(図中、矩形の各区画)を外部記憶媒体からメッシュ単位で順に読み出して本体メモリのコリドー用として割り当てられた領域に記憶させ、更に、図6に示すように、ユーザによって特定された読み出し起点(この図の例では現在位置Sと目的地G)を中心とした一定領域(図中、太線で示す各区画)について、広域メッシュの下位階層のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)を読み出して、本体メモリのコリドー用として割り当てられた領域に記憶させるものがある。
【0006】
このようなナビゲーション装置は、広域メッシュよりも下位階層のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)を読み出す際に、図7(a)〜(f)に示す手順(アルゴリズム)に従って地図データを読み出し、本体メモリに記憶させる。
【0007】
例えば、ユーザの操作によって現在位置が読み出し起点(図中、星印で示す)として指定されると、図7(a)に示すように、現在位置を読み出し起点として、この読み出し起点を含む広域メッシュを読み出し対象として確定し、この広域メッシュの下位階層のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)を本体メモリに記憶させる。次に、図7(b)に示すように、この読み出し起点を含む広域メッシュの左側に位置する広域メッシュを読み出し対象として確定し、この広域メッシュの下位階層のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)を本体メモリに記憶させる。同様にして、図7(c)〜(f)に示すように、読み出し起点を含む広域メッシュを中心として、この広域メッシュの周囲を広げるように読み出し対象の広域メッシュを確定し、各広域メッシュの下位階層のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)を本体メモリに記憶させる。このような処理を、本体メモリのコリドー用領域に記憶される地図データのデータ量が予め定められた容量となるまで繰り返し行うようになっている。
【0008】
しかし、このような手順では、例えば、海しか含まれないメッシュのように走行案内に不要なメッシュであっても広域メッシュの下位階層のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)の地図データが本体メモリに記憶されてしまうため、その分だけ走行案内に有効な区画の地図データを本体メモリに記憶できなくなってしまうといった問題がある。
【0009】
本発明は上記問題に鑑みたもので、走行案内に不要な区画の地図データを本体内の記憶手段に記憶させないようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明の第1の特徴は、地図データ読出手段が読み出した地図データに道路リンクデータが含まれるか否かを判定し、地図データ読出手段が読み出した地図データに道路リンクデータが含まれると判定された場合、地図データ読取装置が読み出した地図データを本体内の記憶媒体に記憶させることである。
【0011】
このような構成では、地図データ読出手段が読み出した地図データに道路リンクデータが含まれないと判定された場合、地図データ読取装置が読み出した地図データを本体内の記憶媒体に記憶させないので、走行案内に不要な区画の地図データを本体メモリに記憶させないようにすることができる。
【0012】
また、本発明の第2の特徴は、地図データ読出手段が読み出した地図データに含まれる道路リンクデータから地図データに含まれる道路の道路種別を識別し、識別した道路種別に基づいて地図データ読出手段が読み出した地図データに特定の道路種別の道路が含まれるか否かを判定し、地図データ読出手段が読み出した地図データに特定の道路種別の道路が含まれると判定した場合に、地図データ読出手段が読み出した地図データを記憶手段に記憶させることである。
【0013】
このような構成では、地図データ読出手段が読み出した地図データに含まれる道路の道路種別に応じて地図データ読出手段が読み出した地図データを記憶手段に記憶させたり、記憶させないようにすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の構成を図1に示す。ナビゲーション装置1は、位置検出器10、デッキ15、操作スイッチ群16、外部メモリ17、表示装置18および制御回路19を備えている。
【0015】
位置検出器10は、いずれも周知の地磁気センサ11、ジャイロスコープ12、距離センサ13およびGPS受信機14等のセンサを有しており、これらセンサの各々の性質に基づいた自車位置を特定するための情報を制御回路19に出力する。
【0016】
デッキ15は、地図データあるいは音楽データ等の各種データが記憶されたCDやDVDなどの外部記憶媒体を挿入するためのディスク挿入部、このディスク挿入部への外部記憶媒体の挿入を検知する検知部、ディスク挿入部へ挿入された外部記憶媒体から地図データ、音楽データ等の各種データを読み出して制御回路19に出力するデータ読出部(いずれも図示せず)を備えている。
【0017】
地図データは、図4に示したように、最上位階層の広域メッシュ、中間階層の中域メッシュ、最下位階層の詳細メッシュによって構成されている。1つの広域メッシュがカバーする領域を、複数の中域メッシュがカバーし、また、1つの中域メッシュがカバーする領域を、複数の詳細メッシュがカバーしており、上位と下位の階層で整合性が保たれている。また、各メッシュには、道路リンクデータ、ランドマークデータ、交差点名称データ等の情報が含まれている。また、道路リンクデータには、高速道路、幹線道路、国道、県道、市町村道などの道路種別を示す情報が関連付けられている。
【0018】
操作スイッチ群16は、表示装置18の表示画面の周囲に設けられた複数のメカニカルスイッチ、表示装置18の表示画面に重ねて設けられたタッチパネル等の入力装置からなり、ユーザによるメカニカルスイッチの押下、タッチパネルのタッチに応じた信号を制御回路19に出力する。
【0019】
外部メモリ17は、DRAMによって構成されている。この外部メモリ17には、後述する地図データ読出処理によって外部記憶媒体から読み出された地図データを記憶するためのコリドー用領域が設けられている。
【0020】
表示装置18は、液晶等の表示画面を備え、制御回路19から入力される映像信号に応じた映像を表示画面に表示する。
【0021】
制御回路19は、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータによって構成されており、制御回路19のCPUは、ROMに記憶されたプログラムに従って各種処理を行う。
【0022】
制御回路19のCPUが行う処理としては、位置検出器10から入力される各種信号に基づいて自車位置を算出する自車位置算出処理、自車位置周辺の地図上に自車位置マークを重ねて表示する地図表示処理、ユーザの操作スイッチ群16の操作によって入力された条件に合った目的地を検索する目的地検索処理、ユーザの操作スイッチ群16の操作に応じて出発地から目的地までの案内経路を算出する経路算出処理、案内経路に従って走行案内を行う経路案内処理などがある。
【0023】
また、制御回路19は、デッキ15の挿入部に挿入された外部記憶媒体から地図データをメッシュ単位で読み出し、この読み出した地図データを外部メモリ19のコリドー用領域に記憶させる地図データ読込処理も行う。
【0024】
制御回路19は、この地図データ読込処理において、まず、外部記憶媒体から自車位置周辺の一定区画の最上位階層の広域メッシュを読み出して外部メモリ19のコリドー用領域に記憶させ、更に、ユーザの操作に応じて確定した読み出し起点(例えば、現在位置や目的地)を含む広域メッシュを中心とした一定領域について、広域メッシュの下位階層のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)を読み出して、外部メモリ19のコリドー用領域に記憶させる。
【0025】
また、この広域メッシュの下位階層のメッシュを読み出して、外部メモリ19のコリドー用領域に記憶させる際に、図7(a)〜(f)に示した手順と同様に、読み出し起点を含む広域メッシュを読み出し対象として確定し、この広域メッシュを中心として、この広域メッシュの周囲を広げるように読み出し対象の広域メッシュを確定し、各広域メッシュの下位階層のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)を順次読み出し、この読み出した各メッシュの地図データを外部メモリ19のコリドー用領域に記憶させる処理を行う。
【0026】
制御回路19は、外部メモリ19のコリドー用領域に広域メッシュの階層のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)が記憶されている地点では、ユーザの操作によって設定された表示スケールに従って地図表示を行い、外部メモリ19のコリドー用領域に広域メッシュしか記憶されていない地点では、表示スケールを広域表示に切り替えて走行案内を行う。
【0027】
制御回路19は、地図データが外部メモリ19に記憶された後、地図データが記憶された外部記憶媒体に代えて音楽データが記憶されたメディアがデッキ15に挿入されても、外部メモリ17に記憶された地図データに基づいて走行案内を行うとともに、デッキ15の挿入されたメディアから音楽データを読み出して音楽再生するようになっている。
【0028】
また、制御回路19は、表示装置18に地図データの読み込み先を切り替えるための画面を表示させ、ユーザの操作によって指定された読み込み先に地図データの読み込み先を切り替えて走行案内を行う。すなわち、ユーザの操作によってデッキ15の挿入部に挿入された外部記憶媒体が地図データの読み込み先として指定された場合には、デッキ15の挿入部に挿入された外部記憶媒体から地図データを読み出して走行案内を行い、ユーザの操作によって外部メモリ17が地図データの読み込み先として指定された場合には、外部メモリ17から地図データを読み出して走行案内を行う。また、デッキ15から外部記憶媒体が取り外されたことが検知されると、地図データの読み出し先を外部メモリ17に切り替えて走行案内を行う。
【0029】
図2に、制御回路19による地図データ読込処理のフローチャートを示す。制御回路19は、ユーザの操作スイッチ群16の操作に応じて地図データ読込処理の開始を指示するための表示部を含むメニュー画面を表示装置18の表示画面に表示させ、ユーザの操作によって地図データ読込処理の開始を指示するための表示部が選択されると、デッキ15のディスク挿入部に挿入された外部記憶媒体から、図6に示したような自車位置Sから目的地Gまでの誘導経路を含む一定区画の最上位階層の広域メッシュ(図中、矩形の各区画)をメッシュ単位で順次読み出して、外部メモリ19のコリドー用領域に記憶させた後、図2に示す地図データ読込処理を開始する。なお、ここでは、予め上記した経路算出処理によって自車位置から目的地までの誘導経路が設定されているものとして説明する。
【0030】
まず、読み出し起点を確定する(S102)。具体的には、メニュー画面に、自車位置、目的地、ユーザの操作によって指定された地点の中から読み出し起点を選択する画面を表示させ、この表示画面からユーザによって選択されたものを読み出し起点として確定とする。ここでは、自車位置が読み出し起点として選択され、自車位置算出処理によって算出された自車位置を読み出し起点として確定したものとして説明する。
【0031】
次に、読み出し対象のメッシュに道路リンクデータが含まれるか否かを判定する(S104)。本実施形態では上述したように、読み出し起点を含む広域メッシュの下位階層の全てのメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)を読み出し対象として確定する。ここでは、この読み出し対象のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)に道路リンクデータが含まれるか否かを判定する。
【0032】
読み出し対象のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)の1つにでも道路リンクデータが含まれる場合、S104の判定はYESとなり、次に、道路種別を識別する(S106)。具体的には、読み出し対象のメッシュに含まれる道路リンクデータから、これらのメッシュに含まれる全ての道路の道路種別を識別する。
【0033】
次に、S106で取得した道路種別に基づいて読み出し対象のメッシュに特定の道路種別の道路が含まれるか否かを判定する(S108)。具体的には、高速道路、国道、県道を幹線道路として、読み出し対象のメッシュに高速道路、国道、県道のいずれかが含まれるか否かを判定する。
【0034】
ここで、読み出し対象のメッシュに幹線道路が含まれる場合、S108の判定はYESとなり、読み出し対象のメッシュを「地図データを読み出すメッシュ」として確定し(S110)、次に、メッシュ単位で地図データを読み出す(S112)。具体的には、デッキ15の挿入部に挿入された外部記憶媒体から読み出し対象のメッシュ、すなわち読み出し起点を含む広域メッシュの下位階層の全メッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)の地図データを読み出す。
【0035】
次に、外部メモリ17のコリドー用領域に空きがあるか否かを判定する(S114)。本実施形態において、外部メモリ17のコリドー用領域には、一定区画の最上位階層の広域メッシュと広域メッシュ60区画分程度の下位階層のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)の地図データを記憶する程度の容量が割り当てられている。ここでは、先のS112にて読み出した地図データのデータ量と外部メモリ17からコリドー用領域に割り当てられた容量を比較して、先のS112で読み出した地図データの容量よりもコリドー用領域の空き容量が大きい場合にはコリドー用領域に空きがあると判定し、S112で読み出した地図データの容量よりもコリドー用領域の空き容量が先の小さい場合にはコリドー用領域に空きがないと判定する。
【0036】
先のS112で読み出した地図データの容量よりもコリドー用領域の空き容量が大きい場合、S114の判定はYESとなり、次に、先のS112にて読み出した地図データを外部メモリ17のコリドー用領域に格納し(S116)、次に、読み出し対象のメッシュを更新する(S118)。具体的には、予め取り決められた順序に従って読み出し対象のメッシュを決定する。本実施形態では、上述したように、読み出し起点を含む広域メッシュを中心として、この広域メッシュの周囲を時計回りに広げるように順に読み出し対象のメッシュを広げていく。ここでは、読み出し起点を含む広域メッシュの左側に位置する広域メッシュの下位階層のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)を読み出し対象として決定し、S104へ戻る。
【0037】
このように、読み出し対象のメッシュを順次更新しながら、読み出し対象のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)を外部メモリ17に記憶させる処理を繰り返す。
【0038】
また、読み出し対象のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)に道路リンクデータが含まれない場合、S104の判定はNOとなり、その読み出し対象のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)を外部メモリ17に記憶させることなく、S118へ進む。
【0039】
また、読み出し対象のメッシュに道路リンクデータが含まれていても、幹線道路が含まれない場合、S108の判定はNOとなり、読み出し対象のメッシュを外部メモリ17に記憶させることなく、S104へ戻る。
【0040】
また、S114において、先のS112で読み出した地図データの容量よりもコリドー用領域の空き容量が小さい場合、S114の判定はNOとなり、本処理を終了する。
【0041】
また、ユーザによって読み出し起点として目的地が設定されると、目的地を読み出し起点として、図2に示した地図データ読込処理を開始する。
【0042】
図3に、上記した地図データ読込処理によって、現在位置Gと目的地Gを各読み出し起点として、広域メッシュよりも下位階層のメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)を外部メモリ17に記憶した場合の領域を例示する。図中、太線で示す各区画が外部メモリ17に記憶された領域を示している。図6に示した従来の地図データ読込処理の場合と比較すると、図6では海しか含まれないメッシュでも外部メモリ17に記憶されるが、図3では海しか含まれないメッシュの代わりに走行案内に有効な幹線道路が含まれるメッシュが外部メモリ17に記憶されることが分かる。
【0043】
また、ユーザの操作によって特定の地点が読み出し起点として指定されると、指定された地点を読み出し起点として図2に示した地図データ読込処理を開始する。
【0044】
上記した構成によれば、デッキ15が読み出した地図データに道路リンクデータが含まれないと判定された場合、デッキ15が読み出した地図データが外部メモリ17に記憶されないので、走行案内に不要な区画の地図データを外部メモリ17に記憶させないようにすることができる。
【0045】
また、デッキ15が読み出した地図データに含まれる道路リンクデータから地図データに含まれる道路の道路種別を識別し、識別した道路種別に基づいてデッキ15が読み出した地図データに特定の道路種別の道路が含まれるか否かを判定し、デッキ15が読み出した地図データに特定の道路種別の道路が含まれると判定した場合、デッキ15が読み出した地図データを外部メモリ17に記憶させるので、例えば、地図データ読出手段が読み出した地図データに幹線道路が含まれる場合には読み出した地図データを外部メモリ17に記憶させ、地図データ読出手段が読み出した地図データに細街路しか含まれない場合には読み出した地図データを外部メモリ17に記憶させない、といったように、地図データ読出手段が読み出した地図データに含まれる道路の道路種別に応じて地図データ読出手段が読み出した地図データを記憶手段に記憶させたり、記憶させないようにすることが可能である。
【0046】
なお、上記実施形態における構成と特許請求の範囲の構成との対応関係について説明すると、デッキ15が地図データ読出手段に相当し、S118が読出対象決定手段に相当し、S116が地図データ記憶制御手段に相当し、外部メモリ17が記憶手段に相当し、S104が第1の判定手段に相当し、S106が道路種別識別手段に相当し、S108が第2の判定手段に相当する。
【0047】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々なる形態で実施することができる。
【0048】
例えば、上記実施形態では、本体内の記憶手段として外部メモリ17に地図データを記憶させる例を示したが、外部メモリ17に限定されるものではなく、例えば、制御回路19の内部メモリなど、他の記憶媒体に記憶させるようにしてもよい。
【0049】
また、上記実施形態では、S108において、高速道路、国道、県道を幹線道路として、読み出し対象のメッシュに幹線道路が含まれるか否かを判定する例を示したが、この例に限定されるものではなく、例えば、読み出し対象のメッシュに高速道路または国道が含まれるか否かを判定する等、読み出し対象のメッシュに含まれる道路種別を変更して判定するようにしてもよい。
【0050】
また、上記実施形態では、図7(a)〜(f)に示したように、読み出し起点を含む広域メッシュを読み出し対象として確定し、この広域メッシュを中心として、この広域メッシュの周囲を広げるように読み出し対象のメッシュを更新する例を示したが、このような読み出し対象の更新手順に限定されるものではない。
【0051】
また、上記実施形態では、自車位置から目的地までの誘導経路を含む一定区画の最上位階層の広域メッシュを外部記憶媒体からメッシュ単位で順に読み出して外部メモリ19に記憶させ、更に、読み出し起点として確定された地点を含む広域メッシュを中心とした一定領域について、広域メッシュの下位階層のメッシュを読み出して、外部メモリ19に記憶させる例を示したが、このような階層別の読み出し方に限定されるものではなく、例えば、外部記憶媒体から広域メッシュを読み出して外部メモリ19に記憶させることなく、自車位置から目的地までの誘導経路を含む一定区画の中域メッシュを外部記憶媒体から読み出して外部メモリ19に記憶させ、更に、読み出し起点として確定された地点を含む中域メッシュを中心とした一定領域について、中域メッシュの下位階層のメッシュを読み出して、外部メモリ19に記憶させるようにしてもよい。
【0052】
また、上記実施形態では、予め現在位置から目的地までの誘導経路が設定された場合の例を示したが、誘導経路が設定されていない場合に適用してもよい。
【0053】
また、上記実施形態では、地図データが広域メッシュ、中域メッシュ、詳細メッシュの3階層に階層化された場合の例を示したが、このような階層に限定されるものではなく、例えば、2層や4層として階層化された構成としてもよく、また、1層のみの構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明の一実施形態に係るナビゲーション装置の構成を示す図である。
【図2】制御回路による地図データ読込処理のフローチャートである。
【図3】地図データ読込処理によって外部メモリに記憶されたメッシュを示す図である。
【図4】地図データの構成を模式的に示した図である。
【図5】地図データ読込処理によって外部メモリに記憶される広域メッシュを示す図である。
【図6】地図データ読込処理によって外部メモリに記憶されるメッシュ(中域メッシュ、詳細メッシュ)を示す図である。
【図7】広域メッシュの下位階層のメッシュの読み出し手順を説明するための図である。
【符号の説明】
【0055】
1…ナビゲーション装置、10…位置検出器、11…地磁気センサ、
12…ジャイロスコープ、13…距離センサ、14…GPS受信機、15…デッキ、
16…操作スイッチ群、17…外部メモリ、18…表示装置、19…制御回路。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データが記憶された外部記憶媒体から前記地図データを予め定められた区画単位で読み出す地図データ読出手段と、前記地図データの読み出し対象区画の順序を決定する読出対象決定手段と、前記読出対象決定手段によって決定された前記読み出し対象区画の順序に従って前記地図データ読出手段が読み出した前記地図データを本体内の記憶手段に記憶させる地図データ記憶制御手段と、を備え、前記記憶手段に記憶された地図データに基づいて走行案内を行うナビゲーション装置であって、
前記地図データ読出手段が読み出した前記地図データに道路リンクデータが含まれるか否かを判定する第1の判定手段を、備え、
前記地図データ記憶制御手段は、前記第1の判定手段によって前記地図データ読出手段が読み出した前記地図データに道路リンクデータが含まれると判定された場合、前記地図データ読取装置が読み出した前記地図データを前記記憶手段に記憶させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記第1の判定手段によって前記地図データ読出手段が読み出した前記地図データに道路リンクデータが含まれると判定された場合、前記地図データ読出手段が読み出した前記地図データに含まれる道路の道路種別を識別する道路種別識別手段と、
前記道路種別識別手段によって識別された前記道路種別に基づいて前記地図データ読出手段が読み出した前記地図データに特定の道路種別の道路が含まれるか否かを判定する第2の判定手段と、を備え、
前記地図データ記憶制御手段は、前記第2の判定手段によって前記地図データ読出手段が読み出した前記地図データに特定の道路種別の道路が含まれると判定された場合、前記地図データ読出手段が読み出した前記地図データを前記記憶手段に記憶させることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−163416(P2007−163416A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−363291(P2005−363291)
【出願日】平成17年12月16日(2005.12.16)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】