説明

ナビゲーション装置

【課題】有効な省エネルギー運転支援機能を提供することができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】車両の走行状況を検出するセンサ部と、現在位置を測位するGPS受信部と、地図情報を記憶した地図記憶部と、出力手段と、を備えたナビゲーション装置10において、ナビゲーション装置10は、更に、停車判定部111と、アイドリング情報記録部18と、を備え、停車判定部111は、センサ部15の出力に基づいてアイドリングした状態で車両が所定時間以上停車したことを判定するとともに、GPS受信部12が測位した現在位置の情報および現在位置に基づいて地図記憶部から得た地図情報に基づいてアイドリングの適否を判定し、不適切なアイドリング状態にあることを示すアイドリング情報をアイドリング情報記録部18に記録する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃費を考慮して省エネルギー運転を支援する省エネルギー運転支援機能を有する車載用のナビゲーション装置に関するものであり、特に、ナビゲーション装置が各種センサや測位手段から取得する情報に基づいてアイドリング状態を識別し、渋滞中や交差点内あるいは交差点まで所定の範囲内にある場合など、エンジンを停止するにふさわしくない場合には不適切なアイドリングとして検出しないようにしたナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データや道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られており、このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
上記カーナビゲーション装置は、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)を利用したものであり、地球上を周回している複数のGPS衛星から送信されるGPS信号をGPSアンテナで受信し、該GPS信号に含まれる衛星位置や時計情報等を解析して位置の特定化を行うものである。該複数のGPS衛星の個数は少なくとも4個以上必要である。GPSの単独測位精度は一般的に10m強であるが、DGPS(Differential GPS:ディファレンシャルGPS)を採用することにより5m以下に向上する。
【0004】
ナビゲーション装置は経路探索のために道路ネットワークのデータベースを備えている。この道路ネットワークのデータベースは、地図データの道路(経路)を、その結節点、屈曲点などの位置をノードとするノードデータ、各ノードを結ぶ経路をリンクとするリンクデータ、全てのリンクのコスト情報(距離や所要時間)を有するリンクコストデータを蓄積したものである。ナビゲーション装置は、このデータベースを参照して、出発地のノードから目的地のノードに至るリンクを順次探索し、リンクのコスト情報が最小となるノード、リンクをたどって案内経路とすることによって最短の経路を探索して案内する。このようなデータベースを用いた経路探索の手法としてはラベル確定法あるいはダイクストラ法と言われる手法が用いられる。
【0005】
また、最近では、地球環境、エネルギー資源を有効に活用することが大きな課題になっており、自動車の走行による地球環境の悪化を抑制し、エネルギー資源の不適切な消費を防止するためのシステムが考慮されている。このような機能は省エネルギー運転支援機能ということができ、例えば、車両から運転の状況を示すデータを収集して、燃料などのエネルギーの消費が不適切になるような運転状況があった場合に、統計的にあるいはリアルタイムに報知するシステムが提案されている。
【0006】
このような省エネルギー運転支援機能を有するシステムは、例えば、下記の特許文献1(特開2003−316864号公報)に車両の運行管理システムとして開示されている。この特許文献1に開示された車両の運行管理システムは、車両から運転状況を示すデータを収集する情報センタを備えて構成されている。また、各車両には制御回路が備えられ、この制御回路により各種センサから速度やエンジン回転数などの車両情報を取得し、情報センタに送信する。情報センタは、車両情報から現在の車両の運転状態を分析して省エネ運転が実行されていない場合には、省エネ運転を守るように指示を出す。制御回路は情報センタからの指示を表示器に表示する。
【0007】
例えば、省エネ運転をしていないとして定められる条件としては、次のような項目を設定している。すなわち、速度に比べてエンジン回転数が高い場合、つまり低速走行しているにも関わらず、エンジン回転数が高い、または速度変化が小さいにもかかわらずエンジン回転数が頻繁に高くなるという事象が発生した場合、走行距離が増加しないにもかかわらず、エンジン回転数が高い、またはアイドリング状態に長期間ある場合、速度に適したシフトポジションが選択されていない場合、急な加減速が頻繁に発生している場合、車速が高い場合、短時間のうちにシフトポジションが頻繁に変わる場合、アクセル開度が短時間のうちに頻繁に大小変化している場合などの条件にあてはまる場合である。同様にして安全運転を支援する機能を盛り込むこともできる。
【特許文献1】特開2003−316864号公報(図1、段落[0015]、[0016])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献1に開示された運行管理システムは、運転状況に関するデータを収集して情報センタに送信する車載機器を車両に設置し、また、その車載機器に情報センタからの情報を表示する機能を備える必要があり、設置のためのコストが必要になるという問題点がある。また、運行管理、運転支援のための情報センタを設置するため設備投資が必要であり、多くの一般ドライバを対象とする支援装置として提供可能なシステムには不適切であるという問題点がある。
【0009】
自動車において不適切に燃料を消費するケースとしては停車中のエンジン作動、いわゆるアイドリングによる燃料の消費がある。しかしながら、上記特許文献1に開示された運行管理、運転支援システムにおいては、停車中に長時間アイドリングが継続している場合いに車載機器に報知するものではあるが、車載装置を持つ車両がどのような状態にあるかを分析するものではないので、一定の基準で画一的に不適切なアイドリングを判断せざるを得ないという問題点がある。
【0010】
自動車は、渋滞中の道路を走行中に停止したり、交差点手前で信号により停止したりする。このような場合、停車中であってもエンジンを停止しないほうが燃費の点、安全運転の点からも好ましい場合がある。すなわち、車両が置かれた状況により不適切なアイドリングとして状態を把握すべき場合と、そうでない場合があり、上記特許文献1に開示された運行管理、運転支援システムではこのような対応ができないという問題点があった。
【0011】
本願の発明者は上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、運転を支援するための既存の車載装置として、所望の出発地から目的地までの経路を探索して目的地までの距離や所要時間が最も小さい最適経路を案内するナビゲーション装置が普及している点に着目し、ナビゲーション装置が各種センサや測位手段から取得する情報、あるいは、走行中の道路を含む地図情報に基づいて、アイドリング状態を識別して省エネルギー運転支援を行うようになせば上記問題点を解消し得ることに想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0012】
すなわち、本発明は前述の問題点を解消することを課題とし、有効な省エネルギー運転支援機能を提供することができるナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を解決するために、本願の請求項1にかかる発明は、
車両の走行状況を検出するセンサ部と、現在位置を測位するGPS受信部と、地図情報を記憶した地図記憶部と、出力手段と、を備えたナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、更に、停車判定部と、アイドリング情報記録部と、を備え、前記停車判定部は、前記センサ部の出力に基づいてアイドリングした状態で車両が所定時間以上停車したことを判定するとともに、前記GPS受信部が測位した現在位置の情報および現在位置に基づいて地図記憶部から得た地図情報に基づいて前記アイドリングの適否を判定し、不適切なアイドリング状態にあることを示すアイドリング情報を前記アイドリング情報記録部に記録することを特徴とするナビゲーション装置。
【0014】
請求項2にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記アイドリング情報は、不適切なアイドリングの時間を含むことを特徴とする。
【0015】
請求項3にかかる発明は、請求項1または請求項2にかかるナビゲーション装置において、前記停車判定部は、前記不適切なアイドリングを判定した場合には、前記出力手段にその旨を報知することを特徴とする。
【0016】
請求項4にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記停車判定部は、前記センサ部の出力に基づいてアイドリングした状態で車両が所定時間以上停車したことを判定した場合、前記GPS受信部が測位した現在位置の情報および現在位置に基づいて地図記憶部から得た地図情報に基づいて、前記案内経路上に現在位置がない場合に不適切なアイドリングと判定することを特徴とする。
【0017】
請求項5にかかる発明は、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記停車判定部は、前記センサ部の出力に基づいてアイドリングした状態で車両が所定時間以上停車したことを判定した場合、前記GPS受信部が測位した現在位置の情報および現在位置に基づいて地図記憶部から得た地図情報に基づいて、前記案内経路上に現在位置がある場合には、更に、当該案内経路が渋滞している場合あるいは現在位置が交差点近傍である場合に適切なアイドリングであると判定することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1にかかる発明においては、ナビゲーション装置は、停車判定部と、アイドリング情報記録部と、を備え、前記停車判定部は、前記センサ部の出力に基づいてアイドリングした状態で車両が所定時間以上停車したことを判定するとともに、前記GPS受信部が測位した現在位置の情報および現在位置に基づいて地図記憶部から得た地図情報に基づいて前記アイドリングの適否を判定し、不適切なアイドリング状態にあることを示すアイドリング情報を前記アイドリング情報記録部に記録する。
【0019】
このような構成によれば、省エネルギー運転支援を行う車載装置を設けることなく、ナビゲーション装置において、車両の走行状況から適切なアイドリングと不適切なアイドリングを識別して不適切なアイドリングの情報を記録することができ、きめ細かい省エネルギー運転支援を行うことができるようになる。
【0020】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、アイドリング情報は、不適切なアイドリングの時間を含むから、不適切なアイドリングの時間を知ることができ、きめ細かい省エネルギー運転支援を行うことができるようになる。
【0021】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1または請求項2にかかるナビゲーション装置において、前記停車判定部は、前記不適切なアイドリングを判定した場合には、前記出力手段にその旨を報知する。このような構成によれば、不適切なアイドリングがあった場合に利用者に報知し、省エネルギー運転を促すことができるようになる。
【0022】
また、請求項4にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記停車判定部は、前記センサ部の出力に基づいてアイドリングした状態で車両が所定時間以上停車したことを判定した場合、前記GPS受信部が測位した現在位置の情報および現在位置に基づいて地図記憶部から得た地図情報に基づいて、前記案内経路上に現在位置がない場合に不適切なアイドリングと判定する。このような構成によれば、アンドリングの適否を識別することができ、きめ細かい省エネルギー運転支援を行うことができるようになる。
【0023】
また、請求項5にかかる発明においては、請求項1にかかるナビゲーション装置において、前記停車判定部は、前記センサ部の出力に基づいてアイドリングした状態で車両が所定時間以上停車したことを判定した場合、前記GPS受信部が測位した現在位置の情報および現在位置に基づいて地図記憶部から得た地図情報に基づいて、前記案内経路上に現在位置がある場合には、更に、当該案内経路が渋滞している場合あるいは現在位置が交差点近傍である場合に適切なアイドリングであると判定する。このような構成によれば、アンドリングの適否を識別することができ、きめ細かい省エネルギー運転支援を行うことができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーションシステムを例示するものであって、本発明をこのナビゲーションシステムに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーションシステムにも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0025】
図1は、本発明の実施例にかかるナビゲーション装置10の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置10は、制御部11、GPS受信部12、地図記憶部13、表示部14、センサ部15、入力部16、経路記憶部17、アイドリング情報記録部18、音声出力部19などを備えて構成されている。
【0026】
GPS受信部12は、複数のGPS衛星から送信されている信号を受信し、現在の位置を緯度・経度で算出する測位手段であり、ナビゲーション装置10が搭載された自動車の現在位置を所定の時間間隔で測位するものである。地図記憶部13には地図および経路探索のためのネットワークデータ(ノード、リンク、リンクコスト)が蓄積されている。
【0027】
表示部14は、液晶表示ユニットなどで構成される表示手段であり、地図や案内経路が表示される。表示部14に表示される地図や案内経路は、GPS受信部12で測位した現在位置を中心にして表示され、現在位置が経路上を進行するに従ってスクロール表示される。現在位置が案内経路上の交差点などの手前(所定の距離)になると、当該交差点の進行方向(直進、右折、左折)などのガイダンスを表示部14に表示したり、スピーカなどで構成された音声出力部19を介して出力したりする。
【0028】
入力部16はテンキーや文字入力キー、機能キー、タッチパネルなどを備えた入力手段であり、また、入力部16は表示部14に表示されたメニュー画面の項目を選択するための選択キー、カーソルキーを備えている。
【0029】
制御部11はマイクロプロセッサからなる制御回路であり、図示していないROM、RAMを備えている。ROMには各部動作を制御するプログラムを記憶している。例えば、制御部11が経路探索するためのプログラム、ナビゲーション装置10が搭載された車両の停止を検出するとともに、各種センサの出力やGPS受信部12から取得する情報に基づいてアイドリング状態を識別するプログラムが記憶されている。従って、制御部11は停車判定部111、経路探索部112が含まれて構成されたものなっている。
【0030】
経路探索部112は、入力部16から入力された出発地、目的地などの経路探索条件に応じて地図記憶部13に記憶された経路探索用のネットワークデータを参照して最適な経路を案内経路として探索する。経路探索部112が探索した案内経路の情報や交差点ノードごとのガイダンスの情報は経路記憶部17に記憶され、表示部14に案内経路を表示し、音声出力部19を介して音声ガイドを行う。
【0031】
表示部14に表示される地図は、現在位置を中心とした所定の範囲の地図情報か地図記憶部13から取得(読み出し)され、表示画面の中央を現在位置として表示される。経路探索部が経路探索をして案内経路が求められている場合には、表示部14に表示された地図上に表示色を異なる色としたりして案内経路が重ね合わせて表示される。
【0032】
一般に、日常的に走行している自宅と職場などの経路はその都度ナビゲーション機能を用いて経路探索することはなく、地図と現在位置だけが表示部14に表示され、ガイダンスを受けないで使用することが殆どであり、ナビゲーション機能が使用されるのは、行楽地や観光地に出かける場合やドライブなどで経路の不案内な場所に出かける場合である。
【0033】
センサ部15は、車速センサ、舵角センサ、加速度センサ、エンジン回転数センサ、タイマなどから構成され、車両の走行状態を検出するものであり、各センサ出力を連続的に計測することにより、走行軌跡を取得することができる。停車判定部111は、車両の停車とエンジンの動作および現在位置の情報、現在位置に基づいて地図記憶部から得た地図情報に基づいて、アイドリング状態であってもよい場合か否を判定し、不適切なアイドリングの回数や時間をカウント(計測)してアイドリング情報を出力する。この計測出力はアイドリング情報記録部18に記録され、表示部14にアイドリングストップするように報知したり、音声出力部19に音声出力したりする。この判定は以下のようにして行われる。
【0034】
すなわち、停車判定部111は先ず車速センサや加速度センサの出力、エンジン回転数センサ出力とタイマにより所定時間以上車両が停車状態にあり、かつエンジンが動作状態であるかを判定する。所定時間以上停止状態でない場合はこの判定を繰り返す。所定の時間以上停車状態でエンジンが動作中である場合は、停車判定部111は、GPS受信部12が測位した現在位置情報と現在位置に基づいて地図記憶部から得た地図情報とに基づいてアイドリング状態にあってもよい場合(適切なアイドリング状態)か、不適切なアイドリング状態にあるかを判定する。
【0035】
アイドリング状態にあってもよい場合とは、例えば、現在位置が道路の交差点手前や交差点内にあって信号や対向車両の通過待ちをしている状態である。このような状態でエンジンを停止することは車両のスムーズな走行や安全走行を阻害するので、不適切なアイドリング状態ではなく、走行に必要(適切)なアイドリング状態である。
【0036】
また、走行道路が渋滞していて走行、停止を繰り返しているような場合もアイドリング状態であってもよい場合である。このような状態を判定した場合、停車判定部111はアイドリング情報を出力しない。すなわち、不適切なアイドリングの回数や時間としてカウントしない。これにより、走行上必要なアイドリングと不適切なアイドリングを識別してアイドリング情報を出力することができる。このため、きめ細かい判定に基づいて効果的な省エネルギー運転支援を実現することができるようになる。
【0037】
次に、停車判定部111の動作手順を図2のフローチャートに基づいて、詳細に説明する。先ず、停車判定部111は、ステップS11の処理においてセンサ部15の出力に基づいて、車両が所定時間にわたり停車状態でエンジンが動作中であるかを判定する。ステップS11の判定処理において、停車が所定時間に達していない場合、ステップS11の判定処理を繰り返す。
【0038】
エンジンを動作させたまま停車中で所定時間が経過したことを検出すると、停車判定部111は、ステップS12の処理に進み、現在位置の情報、現在位置に基づいて地図記憶部から取得した地図情報に基づいてマップマッチングが可能な位置かを判定する。
【0039】
マップマッチングとは、GPS受信部12により測位した現在位置情報に含まれる誤差を地図の道路上に補正する処理であり、通常は一定の範囲内で、現在位置から最も近い道路(リンク)に垂線を下ろして補正した現在位置とする処理をいう。マップマッチングが可能であるということは、車両が道路上を走行中であることを意味する。
【0040】
マップマッチングができない場合は道路から外れて駐車場や道路近傍の店舗などに立ち寄っていることが推定できる。この状態で停車が所定時間以上の場合はアイドリングストップすべき状態にあると判定でき、ステップS13の処理において、アイドリング情報をアイドリング情報記録部18に記録し、ステップS14の処理において表示部14などにアイドリングをストップするように報知する。
【0041】
マップマッチングが可能な状態にあれば道路上を走行していると判断できるので、ステップS15の処理において渋滞している道路かを判定する。道路の渋滞情報は、通常の車載用ナビゲーション装置と同様に、例えば、FM放送などで提供される道路交通情報を受信することによって行うことができる。
【0042】
渋滞している道路を走行中であればステップS11の処理に戻り、タイマをリセットして、所定時間以上の停車を判定する処理を繰り返す。渋滞がない場合は、ステップS16の処理に進み、GPS受信部12が測位した位置情報と地図情報に基づいて、現在位置(マップマッチングされた補正位置)が交差点内あるいは交差点近傍であるかを判定する。交差点近傍でない場合はアイドリングストップすべき状態であると判定し、ステップS13の処理において、アイドリング情報をアイドリング情報記録部18に記録し、ステップS14の処理において表示部14などにアイドリングをストップするように報知する。
【0043】
ステップS16の判定において、現在位置が交差点内あるいは交差点近傍である場合には、車両が信号待ちをしている状態であり、アイドリングしていても良い状態にあると推定できるからステップS11の処理に戻り、タイマをリセットして、所定時間以上の停車を判定する処理を繰り返す。
【0044】
以上のように、本発明は、支援のための車載装置を新たに必要とせず、ナビゲーション装置に機能を組み込むことができ、渋滞中や交差点内あるいは交差点まで所定の範囲内にある場合など、エンジンを停止するにふさわしくない場合には不適切なアイドリングとして検出しないようにしたものであるから、走行上必要なアイドリングと不適切なアイドリングを識別してアイドリング情報を出力することができる。このため、きめ細かい判定に基づいて効果的な省エネルギー運転支援を実現することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例にかかるナビゲーション装置の動作手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0046】
10・・・・ナビゲーション装置
11・・・・制御部
111・・・停車判定部
112・・・経路探索部
12・・・・GPS受信部
13・・・・地図記憶部
14・・・・表示部
15・・・・センサ部
16・・・・入力部
17・・・・経路記憶部
18・・・・アイドリング情報記録部
19・・・・音声出力部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の走行状況を検出するセンサ部と、現在位置を測位するGPS受信部と、地図情報を記憶した地図記憶部と、出力手段と、を備えたナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、更に、停車判定部と、アイドリング情報記録部と、を備え、前記停車判定部は、前記センサ部の出力に基づいてアイドリングした状態で車両が所定時間以上停車したことを判定するとともに、前記GPS受信部が測位した現在位置の情報および現在位置に基づいて地図記憶部から得た地図情報に基づいて前記アイドリングの適否を判定し、不適切なアイドリング状態にあることを示すアイドリング情報を前記アイドリング情報記録部に記録することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記アイドリング情報は、不適切なアイドリングの時間を含むことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記停車判定部は、前記不適切なアイドリングを判定した場合には、前記出力手段にその旨を報知することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記停車判定部は、前記センサ部の出力に基づいてアイドリングした状態で車両が所定時間以上停車したことを判定した場合、前記GPS受信部が測位した現在位置の情報および現在位置に基づいて地図記憶部から得た地図情報に基づいて、前記案内経路上に現在位置がない場合に不適切なアイドリングと判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記停車判定部は、前記センサ部の出力に基づいてアイドリングした状態で車両が所定時間以上停車したことを判定した場合、前記GPS受信部が測位した現在位置の情報および現在位置に基づいて地図記憶部から得た地図情報に基づいて、前記案内経路上に現在位置がある場合には、更に、当該案内経路が渋滞している場合あるいは現在位置が交差点近傍である場合に適切なアイドリングであると判定することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−298345(P2007−298345A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−125485(P2006−125485)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】