説明

ナビゲーション装置

【課題】 運転者による入力操作をより確実に拒否し、助手席側や後部座席の乗員による入力操作をより確実に受け付けると共に、搭乗者の健康状態を診断して提示する。
【解決手段】 車両走行中において、ハンドル操作が両手で行われてる場合の入力操作、及びリモコンを両手で操作している場合の入力操作は、運転者以外の搭乗者が行っていると判断することができる。ナビゲーション装置では、リモコンとステアリングホイルに、体脂肪計、体温計等から成る1対のセンサ部を配置して基礎データ(体脂肪率等)を測定すると共に、両手を使用しているか否かを判断する。両手を使用していない場合、走行中の操作が禁止される走行中禁止操作の受付を禁止する。一方、両手を使用している場合には全ての操作を受け付けると共に、両手を使用して測定した基礎データから健康状態を診断し、診断結果を提示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に係り、例えば、入力操作の受付及び拒否と健康診断に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の現在位置や目的地までの走行経路等を案内するナビゲーション装置が広く普及している。
このナビゲーション装置では、車両が走行中であると判断されると、複雑な操作に対して設定操作制限がかかるようになっている。
例えば、ナビゲーション装置の場合、車両走行中は、目的地を新たに設定する等のキー入力が禁止されて、入力操作を受け付けないようになっている。
【0003】
これに対して、運転者による操作に対して入力操作を制限し、助手席や後部座席の乗員による操作については受け付けるようにした技術が特許文献1や特許文献2で提案されている。
特許文献2では、リモコンの受光部に受光方向を判断する手段を設け、運転席側から受光したか、助手席側から受光したかを判断して、運転席側から操作した場合は操作の受付を禁止し、助手席側から受光した場合は操作を許可するようにしている。
また、特許文献3では、運転者が操作できない位置、例えば、助手席のドア側のダッシュパネル上部に別途スイッチを設け、そのスイッチが押された時に限り、車両の走行中においてもスイッチの操作を受け付けるようにしている。
【0004】
【特許文献1】特開平11−248466
【特許文献2】特開平 5−164565
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1記載技術では、運転者が助手席側に手をのばしてリモコンを操作することが可能である。これに対して、助手席側の指向性を強くすると、助手席側での操作もリモコンの位置によっては操作が受け付けられなくなる可能性がある。
一方、特許文献2記載技術では、助手席の乗員がドア側のスイッチを押し、運転者が入力操作を行うというように、助手席乗員と運転者とが分担することで、運転者による入力が可能になる。
そして、従来のナビゲーション装置では、搭乗者の健康状態を診断と併せて、リモコンや入力装置の入力の制限と許可を行うようにした技術は存在しない。
【0006】
そこで、本発明は、運転者による入力操作をより確実に拒否し、助手席側や後部座席の乗員による入力操作をより確実に受け付ける、と共に、搭乗者の健康状態を診断して提示することが可能なナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)請求項1に記載した発明では、入力装置本体と、前記入力装置本体に配置された1又は複数の操作キーと、前記入力装置本体に配置され、搭乗者の健康状態を診断する基礎データを測定する基礎データ測定手段と、両手を使用した前記基礎データの測定がされない場合には前記操作された操作キーの受付を拒否し、両手を使用した前記基礎データの測定がされる場合には前記操作キーの操作を受け付けて該操作キーに対応する処理を行う制御部と、前記測定した基礎データに基づいて、前記測定した搭乗者の健康状態を診断する診断手段と、前記診断結果を提示する健康状態提示手段と、をナビゲーション装置に具備させて前記目的を達成する。
(2)請求項2に記載した発明では、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記基礎データ測定手段は、搭乗者の基礎データとして、体脂肪、血圧、脈拍数、及び体温のうちの少なくとも1つを測定する、ことを特徴とする。
(3)請求項3に記載した発明では、請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置において、前記基礎データ測定手段による測定値に対応する健康状態が規定された健康状態診断テーブルを備え、前記診断手段は、この健康状態診断テーブルを参照して前記搭乗者の健康状態を診断する、ことを特徴とする。
(4)請求項4に記載した発明では、請求項1、請求項2、又は請求項3に記載のナビゲーション装置において、前記制御部は、両手を使用した前記基礎データの測定がされない場合には前記操作された特定処理に対応する操作キーの受付を拒否し、両手を使用した前記基礎データの測定がされる場合には全ての操作キーの操作を受け付けて該操作キーに対応する処理を行うことを特徴とする。
(5)請求項5に記載した発明では、請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4に記載のナビゲーション装置において、前記制御部は、車両が走行中でないと判断した場合に、全ての操作キーの操作を受け付けて前記操作キーに対応する処理を行う、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、基礎データが両手を使用しないで測定される場合には操作された操作キーの受付を拒否し、両手を使用して測定される場合には該操作キーに対応する処理を行うと共に、測定した基礎データから健康状態を診断してその結果を提示するので、運転者による入力操作をより確実に拒否し、助手席側や後部座席の乗員による入力操作をより確実に受け付ける、と共に、搭乗者の健康状態を診断して提示することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明のナビゲーション装置における好適な実施形態について、図1から図5を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態では、車両の走行中において、運転者は両手をハンドルから離すことはないということを前提として、ハンドル操作が両手で行われてる場合の入力操作、及びリモコンを両手で操作している場合の入力操作は、運転者以外の搭乗者が行っていると判断することができる。
そこで、本実施形態のナビゲーション装置では、入力装置(表示装置の入力部又はリモコン)及びステアリングホイルに、両手を使用していることを確認することができる両手使用確認手段として、体脂肪計、及び血圧計、脈拍数計、体温計から成る1対のセンサ部を配置して基礎データ(体脂肪率、血圧、脈拍数、体温)を測定する。
【0010】
1対のセンサ部は、直進状態におけるステアリングホイルの左右に配置され、入力装置はリモコンの側面又は裏面と操作キーの操作面とに配置される。
体脂肪計は、1対の電極を備え両電極が1対のセンサ部に対応して配置される。
血圧計、脈拍数計、体温計は、1対のセンサ部に対応して測定部とタッチセンサを備えており、入力装置の場合、側面又は裏面に測定部が配置され、操作キーの表面にタッチセンサが配置される。
【0011】
体脂肪率を測定できない場合、及び、血圧、脈拍数、体温を測定できるがタッチセンサの検出がない場合が、両手で操作されていない場合、すなわち、両手を使用した基礎データの測定がされない場合に該当する。
一方、体脂肪率を測定できる場合、及び血圧、脈拍数、体温が測定でき且つタッチセンサの検出がある場合が、両手で操作されている場合、すなわち、両手を使用した基礎データの測定がされる場合に該当する。
そして車両の走行中において、両手を使用した基礎データの測定がされない場合には、走行中の操作が禁止される走行中禁止操作、例えば、施設検索の操作受付を禁止する。
一方、両手を使用した基礎データの測定がされる場合には、運転者以外の者が操作していると判断できるので、走行中禁止操作を含めて全ての操作を受け付ける。
【0012】
本実施形態では、受け付けた操作が施設検索等の走行中禁止操作である場合には、必ずステアリングホイル、又は入力装置が両手で操作されているので、センサ部で全基礎データを測定することができる。
この基礎データの測定値に基づいて、例えば、被測定者(通常は運転者)の健康状態がどの区分に該当するかを判定する。
健康状態の区分としては、例えば、良好A、普通B、不安Cに分類される。例えば、最高血圧120以下はA、120〜145はB、145以上はCのように区分し、また、体脂肪率が20以下はA、20〜28はB、28以上はCというように各測定項目毎に診断をする。
【0013】
そして、診断した健康状態が、表示装置に表示され、又は/及び、スピーカから音声で報知される。例えば、「あなたの健康状態はAです」と表示装置に表示されるとともに、音声による出力がなされる。
また、健康状態を円グラブ、棒グラフ、数値表示などにより表示装置に表示するようにしてもよい。
【0014】
本実施形態の場合、さらに、健康状態に応じた施設を検索するようになっている。
そのため、施設データには、各施設毎に健康区分データが格納される。健康区分データは、基礎データに基づいて行う健康状態の診断の区分に対応して、各健康状態A、B、C…に対応したフラグが格納される。
例えば、健康状態AとBのフラグが格納されている施設は、健康状態Aの搭乗者と健康状態Bの搭乗者に提案してよいが、健康状態Cの搭乗者に対しては提案しないようになっている。
【0015】
本実施形態によれば、例えば、運転者の体脂肪率が運転中にステアリングホイルに配置されたセンサで測定され、健康状態A〜Cのいずれかについて診断され、対応した施設が提示される。
例えば、ジャンル「レストラン」で施設検索の要求があり、健康状態を測定して体脂肪率が28以上であれば健康状態Cと判断されたものとする。この場合、レストランに分類される施設のうち、健康状態Cに区分されている「焼き肉店」等のレストランが抽出対象から除かれ、健康状態AとBにフラグが格納されている「和食」等のレストランが抽出され、健康状態の評価と共に表示される。
検索結果の表示(施設表示)は、現在位置や検索基準点(地図上においてカーソルで指定した地点)から近い順にソートしてリスト表示される。
【0016】
このような構成とすることで、リモコンやモニタ装置等を片手では操作できないため、特定の入力操作について運転者による走行中の操作ができなくなると共に、両手を使用することが可能な助手席や後部座席の乗員による操作が可能となる。
そして、走行中禁止操作が可能な場合には両手での操作がされているため、健康状態を診断しその診断結果を画像や音声で提示することができる。
さらに、走行中になされた操作が施設検索である場合、ステアリングホイル又はリモコンが両手で操作されていなければ走行中禁止操作として操作が禁止される。一方、両手で操作されていれば、操作者に対する基礎データを測定して健康状態を診断し、健康状態に応じた施設を案内することができる。
このように本実施形態によれば、運転者による走行中禁止操作をより確実にし、運転者以外の者の全操作をより確実にしつつ、操作者の健康状態を診断して提示することができる。
【0017】
(2)実施形態の詳細
図1は、ナビゲーション装置の構成を表したものである。
図1に示されるように、ナビゲーション装置は、ナビゲーション装置全体を制御するナビゲーション制御部10を備えている。
また、ナビゲーション装置は、ナビゲーション制御部10に対して入力手段として機能し各種操作の入力を行うと共に、搭乗者の健康状態を測定する健康状態測定手段とて機能するリモコン(リモートコントローラ20)を備えている。
ナビゲーション装置はまた、ステアリングホイル30に配置され、健康状態測定手段として機能するセンサ部(後述する)を備えており、ナビゲーション制御部10と接続されている。
このナビゲーション制御部10には、表示装置11、スピーカ12、現在位置検出部13、記憶部14、停止状態検出部15が接続されている。
【0018】
ナビゲーション制御部10は、図示しないCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムで構成されており、RAMを所定の作業領域としてROMや記憶部14に格納された各種プログラムを実効することで、本実施形態における操作受付処理を含め、目的地設定、経路探索、経路案内、各種情報の提供等の各種機能を実現するようになっている。
【0019】
表示装置11は、液晶ディスプレイ11aを備えており、この液晶ディスプレイ11aには、経路案内に必要な目的地設定用の画面を表示したり、走行中の現在位置を地図と共に表示したり、さらに経路案内において車両の走行すべき経路を表示したりするようになっている。
またディスプレイ11aには、本実施形態の施設検索において、診断された搭乗者の健康状態が表示される(健康状態提示手段)と共に、搭乗者の健康状態に応じて推奨すべく検索された施設の名称等がリスト表示されたり、リストから選択された施設の詳細情報などが表示されるようになっている。
なお、本実施形態の表示装置11としては液晶ディスプレイ11aが使用されるが、他にCRTやプラズマディスプレイ等を使用するようにしてもよい。
【0020】
液晶ディスプレイ11aには、また、表示画面の内容に応じてユーザが操作し得る操作キーが表示される。例えば、現在地周辺の地図を表示している画面において、目的地設定を選択するための目的地設定キー、表示している地図の縮尺を変更するためのキー、オーディオの操作を選択するキー等の各種操作キーが表示される。
なお、これらの操作キーは、液晶ディスプレイ11aの外側の外側パネル部11bに常設された専用操作キーとして配置するようにしてもよい。
【0021】
表示装置11は、液晶ディスプレイ11aの表面にタッチパネルが配置されており、液晶ディスプレイ11aに表示された各種操作キーに対応する表示部位を押圧(タッチ)することで当該部位に対応した操作キーが選択されるようになっている。
また、例えば、目的地を設定する所定の操作において、表示された地図上の地点を押圧することで、押圧点に対応する地図上の地点が選択されるようになっている。
【0022】
表示装置11の外側パネル部11bには、リモコン受光部11cが配置されている。
リモコン受光部11cは、リモコン20から送信される情報の受信手段として機能する。
リモコン20から受信する情報としては、入力された操作信号の他に、リモコン20で検出されたリモコン操作者の健康状態に関する基礎データがある。
本実施形態におけるリモコン20は、赤外線リモコンが採用されており、赤外線によるシリアル通信により入力された操作内容に対応する信号が送信され、リモコン受光部11cでこれを受光してナビゲーション制御部10で受信内容が解析されるようになっている。
【0023】
なお、リモコン20の通信方式としては、赤外線に限られるものではなく、ブルートゥース等の他の無線通信方式により構成するようにしてもよい。
その場合、リモコン受光部11cに代えて、リモコン20の通信方式に対応したリモコン受信部が外側パネル部11bに配置され、対応した受信情報の解析がナビゲーション制御部10で行われるように構成される。
【0024】
スピーカ12は、図示しない音声プロセッサが接続され、ナビゲーション制御部10による制御のもと各種音声を出力するようになっている。
スピーカ12からは、例えば、「この道300m先を右方向です」といった経路案内用の音声や、液晶ディスプレイ11aに表示された各種画面操作方法についての操作案内音声等が出力されるようになっている。
またスピーカ12からは、本実施形態における施設検索の際に診断した搭乗者の健常状態を報知する音声、例えば、「リモコンを操作された方/運転者の健康状態はBです」といった音声が出力されるようになっている(健康状態提示手段)。
なお、スピーカ12は、車両に配置されているオーディオ用のスピーカを兼用するようにしてもよい。
【0025】
現在位置検出部13は、ナビゲーション装置を搭載している車両の現在位置(例えば、緯度、経度による絶対位置)を検出する。検出した現在位置は、例えば、経路案内において道路データとのマッチング等に使用され、液晶ディスプレイ11aに表示された地図上に車両の現在位置として表示される。
現在位置検出部13としては、例えば人工衛星を利用して車両の位置を測定するGPS(Global Positioning System)、車速センサ、ジャイロセンサ、方位センサ、舵角センサ、距離センサ等の1又は複数を備えている。
【0026】
記憶部14は、プログラム記憶部14aとデータ記憶部14bを備えている。
プログラム記憶部14aには、本実施形態における操作受付プログラムの他、経路案内を行うための各種プログラムとして目的地設定プログラム、経路探索プログラム、経路案内プログラム、その他各種プログラムが格納されている。
データ記憶部14bには、ナビゲーション処理に必要な各種データとして、地図データ、道路データ、操作受付プログラムで使用される走行中禁止操作テーブル、施設検索プログラムで使用される施設データ(図3で後述)及び健康状態診断テーブル等の各種データが格納されている。
【0027】
走行中禁止操作テーブルには、本実施形態の操作受付プログラムにおいて、走行中には受付が禁止される操作(操作に対応する識別データ)が格納されている。
走行中の受付が禁止される操作としては、例えば、目的地設定(住所入力など複数の階層順に項目を選択する場合、電話番号入力など)、ナビゲーションの案内表示方法の設定変更などがある。
一方、走行中でも操作禁止としない操作で、走行中禁止操作テーブルには規定されていない操作として、例えば、施設検索、縮尺の切り替え、ワンタッチで目的地設定できる操作(登録済みの自宅へ帰るなど)、などがある。
【0028】
健康状態診断テーブルは、本実施形態において測定項目となっている基礎データ(体脂肪、血圧、脈拍数、体温)の測定値に対する健康状態の区分が規定されている。
例えば、最高血圧120以下がA、120〜145がB、145以上がCに規定され、また、体脂肪率が20以下がA、20〜28がB、28以上がCに規定されている。
そして、各区分毎に点数化されており、A=p点、B=q点、C=r点(p>q>r)、これらの各測定項目毎の点数の合計値Xが所定の閾値t1以上(X≧t1)であれば健康状態A、また、合計値Xが閾値t1未満t2(t1>t2)以上(t1>X≧t2)であれば健康状態B、合計値Xが閾値t2未満(X<t2)であれば健康状態Cというように総合的に健康状態が診断される。
【0029】
なお、健康状態の診断については、各測定項目毎の点数の合計値Xではなく平均値から判断するようにしてもよい。この場合、例えば、閾値T1、T2(T1>T2)に対して、平均値をEとして、E≧T1の場合に健康状態A、T1>E≧T2の場合に健康状態B、E<T2の場合に健康状態Cとする。
また、他の方法により健康状態を診断するようにしてもよい。
【0030】
停止状態検出部15は、車両が停止状態であるか否かをナビゲーション制御部10で判断するための状態を検出する。
本実施形態での停止状態検出部15は、車速センサを備え、車速がナビゲーション制御部10に供給される。ナビゲーション制御部10では車速V=0の場合にナビゲーション停止状態であると判断するようになっている。
なお、ナビゲーション制御部10は、車速V>所定車速v1(例えば、5km/h)である場合に停止状態と判断するようにしてもよい。
また、停止状態検出部15は、シフトレバー位置を検出し、又はサイドブレーキのオン、オフを検出してナビゲーション制御部10に供給するようにしてもよい。この場合、ナビゲーション制御部10は、シフトレバー位置がパーキングP位置である場合、サイドブレーキがオンである場合に停止状態と判断する。
なお、停止状態検出部15の車速センサは、現在位置検出部13の車速センサと兼用するようにしてもよい。
【0031】
次に、基礎データ測定手段として機能するリモコン20とステアリングホイル30による、基礎データの測定について説明する。
図2は、リモコン20とステアリングホイル30の外観構成を表したものである。
リモコン20は、図2(a)に示されるように、送信部25と、カーソル移動キー22、縮尺選択キー23、その他の操作キー24、及び1対のセンサ部21a、21bを備えている。
【0032】
リモコン20の送信部25からは、赤外線により操作内容等の各種操作信号と、センサ部31a、31bで測定された体脂肪率等の各種基礎データが送信される。
カーソル移動キー22は、液晶ディスプレイ11aに表示されている操作キーのなかから、仮選択状態(未決定状態)にあるキーの位置を上下、左右に変更するためのキーである。カーソル移動キー22の上下、左右に表示された三角マーク位置に対応した位置が押されると、その位置に対応した方向にキーの仮選択状態の変更を指示する操作信号が出力されるようになっている。また、カーソル移動キー22の中心部の円マーク部が決定キーに対応しており、ここが押されると仮選択状態にあるキーに対する決定を指示する操作信号が出力されるようになっている。
【0033】
縮尺選択キー23は、液晶ディスプレイ11aに表示されている地図の縮尺変更を指示するためのキーである。
縮尺選択キー23は、現在表示されている地図に対して、広域キーが押下されると1段階大きな縮尺率の地図の表示を指示する操作信号が出力され、詳細キーが押下されると1段階小さな縮尺率の地図の表示を指示する操作信号が出力される。
【0034】
その他の操作キー24には、例えば、音声の大きさを変更するための音声キー等がある。
【0035】
基礎データを測定するセンサ部21aはリモコン20の操作キーの配置面からみて側面に配置され、センサ部21bは、各操作キー(カーソル移動キー22、縮尺選択キー23、その他の操作キー24)の操作面に配置されている。
なお、センサ部21aは、側面以外にも、リモコン20の裏面や、図示した側と反対側(操作面からみて右側の側面)に配置しても良く、さらに、リモコンの側面や裏面、上下面にリモコンを把持するための把持部を配置し、この把持部にセンサ部21aを配置するようにしてもよい。
【0036】
ステアリングホイル30には、図2(b)に示されるように、直進状態の位置における左右両側に1対のセンサ部31a、31bが配置されており、運転者がステアリング操作により握った手から基礎データを測定するようになっている。
本実施形態においてステアリングホイル30で測定された基礎データは、接続線を介してナビゲーション制御部10と接続されている(図1参照)が、リモコン20と同様に、赤外線通信やブルートゥース等による無線通信により、表示装置11のリモコン受光部11cに送信するようにしてもよい。
【0037】
リモコン20及びステアリングホイル30は、健康状態を判断するための基礎データとして、体脂肪計、血圧計、脈拍数計、体温計を備えており、これらの各測定部がセンサ部21a、21b、及びセンサ部31a、31bに配置されている。
なお、血圧計、脈拍数計、体温計は、それぞれ測定部とタッチセンサを備えており、測定部がセンサ部21a、31aに配置され、タッチセンサがセンサ部21b、31bに配置されている。
【0038】
体脂肪計は、リモコン20の両センサ部21a、21bとステアリングホイル30の両センサ部31a、31bに配置された一対の電極を有し、各電極がリモコン20の操作者や車両運転者の手で握られた状態で、基礎データとしての体脂肪率を測定する。
体脂肪計は、脂肪の非伝導体性を利用して、両電極から身体に微弱電流を流し、生体インピーダンス(体の電気抵抗)の測定値から体脂肪率を求めることで測定する。
【0039】
体温計は、例えば体脂肪計用の電極の温度を測定し、その温度をリモコン20の操作者や車両運転者の体温を基礎データとして測定する。
【0040】
血圧計は、例えば、人体において心臓の収縮に伴う血液の脈波が心臓から指先に到達するまでの脈波伝播時間(PWTT:Pulse Wave Transmit Time)と血圧との相関関係を利用して血圧測定を行うものである。
血圧計は、心臓の拍動時に発生する電位変化を検知して心臓の収縮タイミングを検知するための電極センサと、指先の血流量の変化を赤外線により検知して脈波が指先に到達したタイミング(脈拍)を捉えるための赤外線センサを備えており、これらセンサにより検知した脈波伝播時間に基づいた演算により血圧を測定する。
本実施形態の血圧計としては、一方のセンサ部21a、31aに心臓の収縮タイミング(心電波(R波))を検知するための電極センサを配置し、他方のセンサ部21b、31bに赤外線センサが配置される。
【0041】
なお、特開2000−107141号公報に記載されるように、心臓からの距離の差を利用して、脈拍を計測する脈拍センサを両センサ部21a、21b、31a、31bに配置するようにしてもよい。
この場合のリモコン20は、一方のセンサ例えば、センサ部21bを、操作キーに配置するようにする。これにより、リモコン20を把持した手からセンサ部21aで脈泊を検出し、操作キーから他方の手で操作した際に操作キーに配置されたセンサ部21bで脈泊が検出される。
本実施形態の血圧計は、その他各種公知の方法を採用することができる。
【0042】
脈泊数計は、センサ部21a、31aに、血流に向けて超音波を発振する発振器と、血流で反射された反射派を受信する受信器が配置され、受信した反射派の周波数変化や振幅の変化から脈拍を検出し、その間隔から脈拍数を測定する。
なお、脈拍数計としては、血圧計と兼用し、血圧計で測定した脈拍を利用して脈泊数を測定するようにしてもよい。
【0043】
これら、リモコン20及びステアリングホイル30で測定された基礎データは、次のタイミングでナビゲーション制御部10に送信される。
すなわち、リモコン20、ステアリングホイル30に基礎データ用の送信ボタンを配置し、この送信ボタンが押された際に送信される。
なお、ステアリングホイル30の場合、予め規定された時間間隔毎に基礎データを測定し、その測定後自動的に送信するようにしてもよい。
逆に、ステアリングホイル30は、ナビゲーション制御部10から要求があった際に基礎データを測定して送信するようにしてもよい。
また、リモコン20の場合、リモコン20が握られた際、すなわち、センサ部21a、21bによる測定が可能になった際に基礎データを測定し、操作キーが押された際に操作キーに対応する情報と共に、基礎データを送信するようにしてもよい。
【0044】
図3は、施設データの内容を概念的に表したものである。
施設データは、各施設の識別番号(通し番号)、名称、住所、座標、ジャンル、健康区分データを備えており、さらに、各施設によって電話番号、URL、メールアドレス、画像データ、おすすめ情報等の各種データが格納されている。
施設のジャンルは、一番大きな分類として「食」(食事)、「店」(コンビニ等)、「車」(ガソリンスタンド等)、「宿」(宿泊)、「遊」(遊園地)等に分類されており、各分類の下位に細分類が複数層に分類されている。
例えば、ジャンル「食」の下位には、「レストラン」、「ファミリーレストラン」、「ファーストフード」、「ラーメン」等に分類されている。
図3に表示した施設データは、ジャンル「食」の下位にある「レストラン」についての施設データが例示されている。
【0045】
図3に示すように、各施設データには、健康区分データとして、健康状態A、健康状態B、健康状態Cエリアが確保されており、各エリアには、フラグが付与されるようになっている。
そして、フラグが付与されている施設が各健康状態における施設検索対象となる。例えば、施設○○○は健康状態A、Bにフラグが付与されているので、健康状態Aと診断された場合には検索対象となるが、フラグが付与されていない健康状態Cと診断された場合には検索対象から外される。
【0046】
なお、施設データの健康区分データは、本実施形態の場合、健康状態A、健康状態B、健康状態Cの3つに区分されているが、この区分は、後述する健康状態判断における区分と一致しているものである。
従って、健康状態の判断として更に細かくnの場合に分けて診断する場合には、施設データの健康区分データもn種類に区分されることになる。
【0047】
本実施形態のナビゲーション装置では、このようなリモコン20から送信される操作信号をリモコン受光部11cで受光して該操作を受け付けるか否か、及び表示装置11に配置された操作キーの操作を受け付けるか否かについて、ナビゲーション制御部10で判断される。
図3は、操作受付プログラムによる操作受付処理の動作を表したフローチャートである。
【0048】
ナビゲーション制御部10は、リモコン20又表示部11の操作キーから入力操作がされたか否かを監視している(ステップ10)。
入力操作を検出すると(ステップ10;Y)、ナビゲーション制御部10は、ステアリングホイル30が両手で操作されているか否かを判断する(ステップ11)。すなわち、ナビゲーション制御部10は、体脂肪率を測定できない場合、及び、血圧、脈拍数、体温を測定できるがタッチセンサの検出がない場合に、両手で操作されていないと判断する。一方、体脂肪率を測定できる場合、及び血圧、脈拍数、体温が測定でき且つタッチセンサの検出がある場合に、両手で操作されていると判断する。
【0049】
ステアリングホイル30が両手で操作されていると判断される場合(ステップ11;Y)、ナビゲーション制御部10は、ステップ10で検出した入力操作を受け付ける(ステップ14)。
一方、ステアリングホイル30が両手で操作されていないと判断される場合(ステップ11;N)、ナビゲーション制御部10は、停止状態検出部15で検出される車速から車両が走行中か否かを判断する(ステップ12)。
本実施形態においてナビゲーション制御部10は、車両が走行中か否かの判断は、車速V>0である場合に走行中であると判断し、車速V=0の場合に車両が停止中であると判断する。
【0050】
なお、本実施形態では、ステップ12において車両が停止中か否かを判断するが、車速Vが所定値V1(例えば、5km/h)より大きいか否かを判断するようにしてもよい。
すなわち、車速がV>V1の場合ステップ13に移行し、車速V≦V1の微速である場合にステップ15に移行するようにしてもよい。
【0051】
車両が停止中である場合、すなわち車両が走行中で無い場合(ステップ12;N)、運転者による操作を含めて全ての操作を可能にするため、ナビゲーション制御部10は、ステップ10で検出した入力操作を受付ける(ステップ14)。
【0052】
一方、車両が走行中である場合(ステップ12;Y)、ナビゲーション制御部10は、受信した操作信号から、リモコン20が両手で操作されているか否かを判断する(ステップ13)。
両手で操作されているか否かについては、送信される操作信号に、センサ部21aと21bの測定信号(基礎データとタッチセンサ信号の両者)が含まれるか否かを判断し、含まれている場合に両手で操作されていると判断する。
【0053】
リモコン20が両手で操作されていると判断できる場合(ステップ13;Y)、運転者以外の乗員による操作であると判断できるので、ナビゲーション制御部10は、ステップ10で検出した入力操作を受け付ける(ステップ14)。
【0054】
一方、リモコン20が両手で操作されていると判断できない場合(ステップ13;N)、運転者による操作の可能性があるので、ナビゲーション制御部10は、ステップ10で検出した操作が走行中における運転者の操作が禁止されている走行中禁止操作か否かを判断する(ステップ15)。
すなわち、ナビゲーション制御部10は、受信した操作信号に対応する操作がデータ記憶部14bの走行中禁止操作テーブルに格納されている場合に禁止されている操作であると判断する。
【0055】
ナビゲーション制御部10は、走行中禁止操作でなければ(ステップ15;N)ステップ13に移行して入力操作を受付ける。
一方、走行中禁止操作であれば(ステップ15;Y)、ナビゲーション制御部10は、
ステップ10で検出した操作の受付を禁止して(ステップ16)、メインルーチンにリターンする。
【0056】
ステップ14においてリモコン20の入力を受け付けた場合、ナビゲーション制御部10は、受け付けた入力操作が施設検索か否か判断し(ステップ17)、施設検索でない場合には(ステップ17;N)、入力操作に対応した処理を実行し(ステップ18)メインルーチンにリターンする。
なお、施設検索は走行中禁止操作に該当するため、ステップ15;Nの場合に受け付けた入力操作は常にステップ18に移行することになる。
【0057】
一方、受け付けた入力操作が施設検索である場合(ステップ17;Y)、ナビゲーション制御部10は、健康状態に対応した施設検索処理を実行し(ステップ19)、メインルーチンにリターンする。
【0058】
なお、図3に示した操作受付処理では、ステップ11〜ステップ15の順で判断したが、必ずしもこの順番である必要はない。
すなわち、ステアリングホイル30を両手で操作していず、走行中であり、リモコンが両手で操作されていず、且つ、走行中禁止操作である場合に、入力操作受付を禁止し(ステップ16)、それ以外の場合に入力操作を受け付ける(ステップ14)ようになっていればよく、判断の順は問わない。
【0059】
以上説明したように、本実施形態のナビゲーション装置によれば、操作キーが配置されたリモコン20や表示装置11に両手で操作されているか否かを判断することが可能なセンサ部21a、21b、31a、31bを配置したので、走行中禁止操作に対応する操作キーの操作を有効にするためには、必ず両手を使用する必要がある。
このため、走行中禁止操作の運転者による入力操作をより確実に拒否することが可能になる。
そして、ステアリングホイルを両手で操作している場合、及びリモコン20を両手で操作している場合には、必ず基礎データを測定することが可能になり、この場合には、常に走行中禁止操作キーの入力操作が受け付けられるので、健康状態に対応した施設検索処理を行うことができる。
【0060】
次に以上のように構成された車両における、健康状態を考慮した施設検索の処理動作について説明する。
図5は、施設検索処理の動作を表したフローチャートである。
【0061】
ナビゲーション制御部10は、リモコン20の入力操作や、液晶ディスプレイ11aの入力キー操作により施設検索が選択されると、リモコン20又はステアリングホイル30から基礎データを受信する(ステップ20)。
【0062】
そしてナビゲーション制御部10は、受信した基礎データに基づいて、例えば、被測定者(通常は運転者)の健康状態の診断を行う(ステップ21)。
すなわち、ナビゲーション制御部10は、受信した各測定項目毎の基礎データをデータ記憶部14bの健康状態診断テーブルに従って、各測定項目毎の点数を求め、その合計値Xを算出する。
そして、ナビゲーション制御部10は、合計値Xが所定の閾値t1以上(X≧t1)であれば健康状態Aと診断する。
また、ナビゲーション制御部10は、合計値Xが閾値t1未満t2(t1>t2)以上(t1>X≧t2)であれば健康状態Bと診断し、合計値Xが閾値t2未満(X<t2)であれば健康状態Cと診断する。
【0063】
次いで、ナビゲーション制御部10は、診断した健康状態を液晶ディスプレイ11aに表示すると共に、スピーカ12から健康状態を知らせる音声を出力することで、健康状態を報知する(ステップ22)。
例えば、診断結果がCであった場合、液晶ディスプレイ11aに「リモコンを操作された方/運転者の健康状態はCです」と表示すると共に、スピーカ12から同内容の音声が出力される。
【0064】
ついで、ナビゲーション制御部10は、健康状態A〜Cの診断結果に応じて(ステップ23)、その健康状態において勧める施設の検索を行う(ステップ24〜ステップ26)。
すなわち、ナビゲーション制御部10は、データ記憶部14bの施設データから診断した健康状態A〜Cに対応する健康区分にフラグが付与されている施設を検索する。例えば、健康状態Cと診断した場合には、施設データに格納されている施設のうち、健康状態区分Cにフラグが付与されている施設を検索する。
なお、操作キーから検索対象となるジャンルが指定されている場合、ナビゲーション制御部10は、当該指定されているジャンルの範囲で検索を行う。
【0065】
ナビゲーション制御部10は、検索した施設を液晶ディスプレイ11aに表示する(ステップ27)。
ナビゲーション制御部10は、液晶ディスプレイ11aに検索した施設を表示する場合、現在位置検出部13で検出された車両の現在位置からの距離が近い順に施設をソートして表示する。
【0066】
なお、施設検索の指示を行う際に、液晶ディスプレイ11aに表示された地図上の所定地点をカーソルで検索基準地点として指定している場合、ナビゲーション制御部10は、車両の現在位置ではなく、指定された検索基準地点からの距離が近い順に施設をソートして表示する。
【0067】
以上説明したように、本実施形態によれば、測定した搭乗者の健康状態の基礎データから健康状態を診断し、診断した健康状態に応じた施設を検索して提示するようにしたので、搭乗者の健康を考慮したお薦めの施設を提案することができる。
例えば、体脂肪率や血圧が高いために総合的に健康状態Cと診断される場合には、焼き肉や中華料理等の油分が多い飲食店を区分Cとすることで、これらの店を検索対象から除外することができる。
【0068】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は説明した実施形態に限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲において各種の変形を行うことが可能である。
例えば、説明した実施形態では、車両用インターネット装置、電子メール装置、テレビ電話、ファクシミリ装置等に適用するようにしてもよい。
例えば、ラジオ受信装置に適用した場合、放送局の登録操作(周波数の選択と登録処理等)を走行中禁止操作とすることができる。
【0069】
また、説明した実施形態では、走行中禁止操作とそれ以外の操作とを区別したが、両者を区別せずに、走行中において両手を使用していないと判断される操作(ステップ13;Nの場合)は全て入力操作を禁止するようにしてもよい。
【0070】
また、本実施形態による健康状態判断は、健康状態を判断する基礎データを総合して健康状態を診断するようにしているが、測定される各基礎データ毎に健康状態を診断するようにしてもよい。例えば、体脂肪率は健康状態A1、B1、C1の3種類、血圧は健康状態A2、健康状態B2、健康状態C3の3種類、体温は健康状態A3と健康状態Bの2種類、…という具合に各測定項目毎に診断する。
この場合、健康状態で診断される各健康状態に応じて、健康区分データも各施設に対した基礎データ毎に区分されることになる。
【0071】
このように、健康状態の区分及び診断を各測定項目毎とすることで、より搭乗者の健康状態に合致した施設の提供と、細かな健康管理を行うことができる。
例えば、血圧が高くて健康状態Cである場合には、塩分が多い料理店を検索対象から除外する(該当する施設の血圧区分にフラグを付与しない)ことで、より細かな健康状態管理を行うことができる。
【0072】
また、別の変形例として、ユーザが施設を検索する際にジャンル(検索項目)を指定している場合、指定されたジャンルに応じて、健康状態を判断する項目を変更するようにしてもよい。
例えば、レストラン等の飲食に関する検索の場合には、体脂肪率が測定項目となり、レジャー施設の場合には血圧や脈拍数が測定項目となるようにしてもよい。
【0073】
また、説明した実施形態では、健康状態に対応して検索した施設を液晶ディスプレイ11aにリスト表示する場合について説明したが、表示方法はこれに限定されるものではなく、他の方法でもよい。
例えば、ナビゲーション制御部10は、液晶ディスプレイ11aに表示されている地図の表示範囲内に存在する施設を抽出し、各施設の座標から対応する地図上の位置に表示する。施設を表示する際には、施設に対応するマークを表示する。表示するマークとしては、各施設に対して最も細かく分類されているジャンルに対応するマークが表示される。例えば、検索した施設の最小分類が和食である場合、地図上の該当位置に和食のイメージをデザインしたマーク(絵)が表示される。
ユーザにより、表示したマークがタッチされると、ナビゲーション制御部10は、当該位置に存在する施設の詳細情報を液晶ディスプレイ11aに表示する。
【0074】
また、説明した実施形態及びその変形において、健康状態に対応した施設を検索して表示し、表示した施設からいずれかの施設が選択された場合に、ナビゲーション制御部10は、選択された施設を目的地、又は中継地点として現在位置から施設までの走行経路を探索し、経路案内を行うようにしてもよい。
【0075】
本実施形態では、基礎データ測定手段としてリモコン20と、ステアリングホイル30の両方を備える構成としたが、いずれか一方としてもよい。
【0076】
なお、本実施形態のように、リモコン20とステアリングホイル30の両方で基礎データを測定する場合、運転者の基礎データがステアリングホイル30から測定され、運転者以外の搭乗者の基礎データがリモコン20から測定される場合がある。
この場合、ナビゲーション制御部10は、運転者と他の搭乗者の健康状態をそれぞれの基礎データから別々に診断し、別々に施設を検索する。すなわち、運転者用の施設と、他の搭乗者用の施設を別々に検索する。
そして、ナビゲーション制御部10は、運転者用の施設と、他の搭乗者用の施設の両方に存在する施設を最終的な検索施設として液晶ディスプレイ11aに表示する。表示方法は、リスト表示、地図上へのマーク表示のいずれでもよい。
【0077】
また、説明した実施形態では、診断した健康状態A〜Cに対応した健康区分にフラグが付与されている施設を検索するようにした。
これに対してナビゲーション制御部10は、車両現在地又は検索基準点から所定距離範囲内に存在する全施設を(ジャンルが指定されている場合には指定されているジャンルの範囲内で)検索し、検索した施設を近い順にソートして各施設の名称と共にA〜Cの健康区分を表示するようにしてもよい。
そして、ナビゲーション制御部10は、「あなたの健康状態はBです。」と診断した健康状態を併せて表示し、又は/及び、音声により報知する。
【0078】
この場合、「あなたの健康状態はBです。」と健康状態を報知するか否かに関わらず、表示した施設のうち、診断した健康状態に合致した区分の施設に枠付けをし、ハイライト、色を変えるなどして、合致しない施設と識別して表示するようにしてもよい。
【0079】
さらに、説明した実施形態では、運転者の基礎データの測定、基礎データに基づく健康状態の診断処理、及び健康状態の診断結果に対応する施設情報の検索処理について全てナビゲーション装置で行う場合について説明したが、運転者の基礎データの測定を除く他の処理を情報センタが行うようにしてもよい。
【0080】
すなわち、ナビゲーション装置は、情報センタの間で双方向の無線通信を行うための通信手段を備える。
そして、基礎データに基づく健康状態の診断処理、健康状態の診断結果に対応する施設情報の検索処理の一方又は双方を情報センタで行い、その処理結果をナビゲーション装置に送信するようにしてもよい。
具体的には情報センタが(a)基礎データに基づく健康診断処理を行う場合、(b)基礎デー基づく健康診断処理と健康状態の診断結果に対応する施設情報の検索処理の双方を行う場合、又は(c)健康状態の診断結果に対応する施設情報の検索処理を行う場合がある。
【0081】
(a)の場合、ナビゲーション装置は測定した基礎データを情報センタに送信する。
情報センタは受信した基礎データに基づいて健康状態を診断して診断結果をナビゲーション装置に送信する。ナビゲーション装置では、受診した診断結果に応じた施設情報を検索して表示する。
【0082】
(b)の場合、情報センタは、ナビゲーション装置と同様に、図3に示した施設データを記憶しておく。
そして、ナビゲーション装置は測定した基礎データを情報センタに送信する。
情報センタでは、受信した基礎データに基づいて健康状態を診断し、診断結果に応じた施設情報を検索して、検索結果をナビゲーション装置に送信する。ここで送信される検索結果は、検索された施設の識別番号(通し番号、図3参照)である。
一方、ナビゲーション装置では、受信した検索結果に対応する施設情報をデータ記憶部14bの施設データから読み出して表示する。
なお、ナビゲーション装置が施設情報を保持しないようにしても良く、この場合には、情報センタから検索した施設の識別番号ではなく、施設情報そのものが送信される。
【0083】
(c)の場合にも情報センタは、ナビゲーション装置と同様に、図3に示した施設データを記憶しておく。
そして、ナビゲーション装置は、測定した基礎データに基づいて健康状態を診断し、診断結果(説明した実施形態の場合であれば健康状態A〜C)を情報センタに送信する。
情報センタでは、受信した健康状態に対応する施設を検索し、ナビゲーション装置が施設情報を記憶していれば施設の識別番号(通し番号)を送信し、施設情報を記憶していなければ施設情報を送信する。
情報センタでは、受信した識別番号に対応する施設情報を施設データから読み出して表示し、又は受信した施設情報を表示する。
【0084】
なお、以上説明したように情報センタの間で双方向の無線通信を行う場合、情報センタは、施設情報を適宜更新するようにし、ナビゲーション装置か基礎データを受信し、所定の処理を行いその処理結果をナビゲーション装置に送信する際に、最新の施設情報に更新するための更新情報を送信するようにしてもよい。
この場合、ナビゲーション装置は、基礎データを情報センタに送信する際に、自己の施設情報の更新情報(最新の更新日)を送信することで、情報センタは必要な更新情報を特定することが可能になる。
【0085】
また、説明した実施形態及び上記変形例では、施設検索の際に健康状態の診断と診断結果の提示をする場合について説明したが、施設検索以外の操作であっても、両手を使用した基礎データの測定がされる場合には、測定した基礎データに基づく健康診断を行い、その診断結果を表示装置11に表示し、スピーカ12から音声で出力するようにしてもよい。
すなわち、説明した図4において、運転者がステアリングホイルを両手で操作している場合(ステップ11;Y)、走行中でない場合に運転者やそれ以外の者がリモコン20を操作している場合(ステップ12;N)、走行中に運転者以外の者が両手でリモコン20を操作している場合(ステップ13;Y)、においても、操作された操作キーの内容に限られずに、リモコン20又はステアリングホイル30で測定された基礎データに従って、被測定者の健康状態を診断し、その診断結果を提示(報知)するようにしてもよい。
【0086】
また、説明した実施形態では、健康状態の診断結果について液晶ディスプレイ11a及びスピーカ12を使用して提示する場合について説明したが、リモコン20で提示するようにしてもよい。
この場合、リモコン20にも液晶表示部及び/又はスピーカを配置し、リモコン20の操作者の健康状態を診断してその結果を表示又は/及び音声出力するようにする。
このようにリモコン20単独による診断結果の提示をすることで、ハンドルを両手で握っている運転者とリモコン20を操作している運転者以外の者の両者の健康状態を診断して提示することができる。
また、リモコン20に診断結果を表示するので、経路案内用の道路地図等が表示されている液晶ディスプレイ11aの画像表示領域を狭めなくてすむという効果もある。
リモコン20のスピーカを使用して音声による診断結果を出力する場合には、例えば、オーディオを聴いている場合のスピーカ12の出力を止めたり、重超させたりすることがない。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の実施形態におけるナビゲーション装置の構成図である。
【図2】ナビゲーション装置で使用されるリモコンとステアリングホイルの外観構成図である。
【図3】施設データの内容を概念的に表した説明図である。
【図4】操作受付プログラムによる操作受付処理の動作を表したフローチャートである。
【図5】施設検索処理の動作を表したフローチャートである。
【符号の説明】
【0088】
10 ナビゲーション制御部
11 表示装置
11a 液晶ディスプレイ
11b 外側パネル部
11c リモコン受光部
12 スピーカ
13 現在位置検出部
14 記憶部
14a プログラム記憶部
14b データ記憶部
15 停止状態検出部
20 リモコン
21a、21b センサ部
22 カーソル移動キー
23 縮尺選択キー
24 その他の操作キー
25 送信部
30 ステアリングホイル
31a、31b センサ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力装置本体と、
前記入力装置本体に配置された1又は複数の操作キーと、
前記入力装置本体に配置され、搭乗者の健康状態を診断する基礎データを測定する基礎データ測定手段と、
両手を使用した前記基礎データの測定がされない場合には前記操作された操作キーの受付を拒否し、両手を使用した前記基礎データの測定がされる場合には前記操作キーの操作を受け付けて該操作キーに対応する処理を行う制御部と、
前記測定した基礎データに基づいて、前記測定した搭乗者の健康状態を診断する診断手段と、
前記診断結果を提示する健康状態提示手段と、
を具備したことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記基礎データ測定手段は、搭乗者の基礎データとして、体脂肪、血圧、脈拍数、及び体温のうちの少なくとも1つを測定する、ことを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記基礎データ測定手段による測定値に対応する健康状態が規定された健康状態診断テーブルを備え、
前記診断手段は、この健康状態診断テーブルを参照して前記搭乗者の健康状態を診断する、
ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記制御部は、両手を使用した前記基礎データの測定がされない場合には前記操作された特定処理に対応する操作キーの受付を拒否し、両手を使用した前記基礎データの測定がされる場合には全ての操作キーの操作を受け付けて該操作キーに対応する処理を行う
ことを特徴とする請求項1、請求項2、又は請求項3に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記制御部は、車両が走行中でないと判断した場合に、全ての操作キーの操作を受け付けて前記操作キーに対応する処理を行う、
ことを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、又は請求項4に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−46906(P2007−46906A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−228327(P2005−228327)
【出願日】平成17年8月5日(2005.8.5)
【出願人】(000100768)アイシン・エィ・ダブリュ株式会社 (3,717)
【Fターム(参考)】