説明

ナビゲーション装置

【課題】最新の地図データを取得するタイミングを各利用者毎に判断することができる「ナビゲーション装置」を提供すること。
【解決手段】ナビゲーション装置100は、地図データに基づいて所定のナビゲーション動作を行う。ナビゲーション装置100は、道路の新設があったときに、この道路に関する道路形状データをこの道路に関する広告情報とともに取得する道路情報取得部40と、所定の表示タイミングで道路形状データに対応する広告情報を表示する広告情報表示タイミング判定部46、広告情報描画部48、表示処理部70とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格納された地図情報に基づいて自車位置周辺の地図表示等を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、車載用のナビゲーション装置は、車両位置の周辺などの地図を画面上に表示する地図表示機能や、利用者によって指定される目的地や経由地までの経路を探索する経路探索機能、経路探索によって求められた経路に沿って車両の走行を誘導する経路誘導機能、あるいは各種施設の所在地を示すマークを地図上に表示したりそれらの施設に関連する情報の表示等を行う施設案内機能など、各種の機能を備えている。通常、これらの各機能は、DVDやCD等のディスク型記録媒体によって提供される地図データを用いて所定の処理を行うことにより実現される。
【0003】
上述した地図データは、この地図データの作成やメインテナンスを行う特定メーカー等によって適宜最新の内容に更新され、最新の道路事情が反映されるようになっている。この更新された地図データは、最新のDVD等を購入することによって取得することができるが、最近では、通信によって地図データの更新情報やその他の広告情報を取得可能なナビゲーション装置も提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開2002−48566号公報(第4−9頁、図1−16)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1のナビゲーション装置では、通信によって最新の地図データを取得することが可能になるが、更新された情報を全て取得しようとすると情報量が多くなってしまう。例えば、通信時間に応じて課金される移動体電話を用いて通信を行う場合には、取得しようとする情報量が多くなればそれだけ通信時間が長くなって電話料金もかかることになる。また、利用者が全く走行しない道路についての情報を取得してもあまり利用価値はないと考えられる。したがって、各利用者が自分にとって有用な情報であるか否かを判定して取得のタイミングを判断することができれば便利である。
【0005】
また、特許文献1のナビゲーション装置では広告情報の配信も受けることができるため、最新のDVDの販売状況等を広告情報として受け取って、DVD自体を最新版に買い換えることも考えられる。広告情報として、最新版のDVDの販売日、バージョン情報、前回のバージョンに対する更新内容等を含ませた場合には、利用者はこれらの内容を確認することで、最新版のDVDの購入の有無を決定する参考にすることができる。しかし実際には、各利用者は、このような広告情報を見ても自分にどのようなメリットがあるかわからないため、広告情報を見て最新板のDVD購入を決意する利用者は希であり、通常は旧版のDVDを多少の不便を感じながら継続使用する場合がほとんどである。したがって、DVD等の記録媒体を購入して地図データの更新を行う場合にも、各利用者が有用な情報が含まれる最新版のDVD等であるか否かを判定して取得のタイミングを判断することができれば便利である。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みて創作されたものであり、その目的は、最新の地図データを取得するタイミングを各利用者毎に判断することが可能になるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明のナビゲーション装置は、地図データに基づいて所定のナビゲーション動作を行っており、道路の新設があったときに、この道路に関する道路形状データをこの道路に関する広告情報とともに取得する道路情報取得手段と、所定の表示タイミングで道路形状データに対応する広告情報を表示する広告情報表示手段とを備えている。ナビゲーション装置を使用中に、地図データが古くなって最も不便に感じることは、道路形状が現状に合わなくなってくることである。本発明では、道路の新設があったときに、この道路に関する道路形状データと広告情報を取得することができるため、少なくとも最新の道路形状を確認することが可能になり、利用者自身が、新設された道路が含まれる最新の地図データを取得する必要があるか否かを判断することが容易となる。
【0008】
また、上述した道路形状データは、地図画像の描画処理に用いられる地図データであることが望ましい。あるいは、上述した道路形状データは、地図画像の描画処理と自車位置修正を行うマップマッチング処理に用いられる地図データであることが望ましい。また、車両の走行位置を検出する車両位置検出手段をさらに備え、表示タイミングは、車両位置検出手段によって検出された車両位置が道路形状データで特定された道路上の位置に一致したときであることが望ましい。あるいは、上述した表示タイミングは、道路形状データで特定された道路が、表示対象となる地図画像に含まれたときであることが望ましい。これにより、利用者は、実際に車両走行中に表示された地図画像に含まれる道路形状を見るだけで、最新の地図データを取得する必要があるか否かを判断することができる。
【0009】
また、上述した表示タイミングは、利用者によって広告情報の表示を指示する所定の操作がなされたときであることが望ましい。これにより、利用者は、任意のタイミングで新設された道路に関する広告情報を見て、最新の地図データ取得の必要性の有無を判断することが可能になる。
【0010】
また、上述した広告情報表示手段による広告情報の表示は、同一の道路形状データについては、前回の表示から所定時間経過前には行わないことが望ましい。これにより、頻繁に広告情報が表示される場合の煩わしさを回避することができる。
【0011】
また、無線回線を利用した通信手段をさらに備えており、道路情報取得手段は、所定の配信タイミングで配信される道路形状データと広告情報を通信手段を用いて受信することにより、広告情報を取得することが望ましい。携帯電話や無線LAN等によって無線回線を介して道路形状データや広告情報を取得することにより、常に最新の情報を取得することが可能になる。
【0012】
また、上述した配信タイミングは、車両のキースイッチの投入直後であって通信手段による通信が可能になったときであることが望ましい。これにより、ナビゲーション装置を利用する毎に最新の情報を確実に取得することが可能になる。
【0013】
また、上述した配信タイミングは、利用者によって道路形状データおよび広告情報の取得が指示されたときであることが望ましい。これにより、最新の情報を取得する回数を減らすことができ、情報取得にかかる費用を減らすことができる。
【0014】
また、上述した地図データは、挿抜可能な記録媒体に格納された状態で提供されており、広告情報には、対応する道路形状データが含まれる記録媒体を取得するために必要な情報が含まれていることが望ましい。これにより、利用者は、DVD等の記録媒体の購入タイミングを各自の都合に合わせて的確に判断することができる。
【0015】
また、上述した道路形状データに対応する道路に関して、道路形状データ以外の詳細情報を取得する詳細情報取得手段をさらに備え、詳細情報取得手段は、広告情報表示手段による広告情報の表示が行われた後に、利用者によって詳細情報の取得を指示する所定の操作がなされたときに、詳細情報を取得することが望ましい。これにより、利用者は、必要に応じて、道路形状データ以外の詳細情報を取得タイミングを各自の都合に合わせて的確に判断することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明を適用した一実施形態のナビゲーション装置について、図面を参照しながら説明する。図1は、一実施形態のナビゲーション装置が含まれる地図更新情報配信システムの構成を示す図である。図1に示す地図更新情報配信システムは、各車両に搭載されたナビゲーション装置100と、ナビゲーション装置100が保持する地図データについての更新情報を提供する地図更新情報配信サーバ200とを含んで構成されている。ナビゲーション装置100と地図更新情報配信サーバ200との間は、所定のネットワーク300を介して接続されている。なお、本実施形態におけるネットワーク300は、移動体電話網やインターネットなどの各種の通信網を含んで構成されている。また、ナビゲーション装置100とネットワーク300の間は、例えば、車両に備わった移動体電話としての携帯電話を用いて接続されているものとする。
【0017】
次に、ナビゲーション装置100の詳細構成について説明する。図2は、ナビゲーション装置100の詳細構成を示す図である。図2に示すナビゲーション装置100は、ナビゲーションコントローラ1、DVD2、ディスク読取装置3、リモートコントロール(リモコン)ユニット4、車両位置検出部5、ディスプレイ装置6、オーディオ部7を含んで構成されている。
【0018】
ナビゲーションコントローラ1は、ナビゲーション装置100の全体を制御する。このナビゲーションコントローラ1は、CPU、ROM、RAM等を用いて所定の動作プログラムを実行することによりその機能が実現される。
【0019】
DVD2は、地図表示、施設検索および経路探索など各種のナビゲーション動作を行うために必要な地図データが格納されている情報記録媒体である。図3は、地図データの基本構成を示す図である。図3に示すように、DVD2に記録されている地図データには、管理部データ、地図描画データ、道路形状データ、道路ネットワークデータ、案内データ、POI(Point of Interest)データ、検索データが含まれている。「管理部データ」には、DVD2のバージョン等の管理情報が含まれている。「地図描画データ」には、地図描画に必要なデータが含まれている。「道路形状データ」には、道路の描画や車両位置を修正するマップマッチング処理に用いられるデータが含まれている。「道路ネットワークデータ」には、経路探索処理に必要なデータが含まれている。「案内データ」には、経路誘導時の案内動作に必要なデータが含まれている。「POIデータ」には、周辺施設の検索に必要なデータが含まれている。「検索データ」には、各種の情報検索に必要なデータが含まれている。このDVD2には、経度および緯度で適当な大きさに区切られた矩形形状の図葉を単位とした地図データが格納されている。各図葉の地図データは、図葉番号を指定することにより特定され、読み出すことが可能となる。
【0020】
ディスク読取装置3は、1枚あるいは複数枚のDVD2が装填可能であり、ナビゲーションコントローラ1の制御によっていずれかのDVD2から地図データの読み出しを行う。なお、装填されるディスクは必ずしもDVDでなくてもよく、CDでもよい。また、DVDとCDの双方を選択的に装填可能としてもよい。
【0021】
リモコンユニット4は、上下左右等の方向を指定するジョイスティックと、数字を入力するテンキーや各種の設定などを確定する「決定キー」などの各種の操作キーとを備えており、操作内容に応じた信号をナビゲーションコントローラ1に出力する。
【0022】
車両位置検出部5は、例えば、GPS受信機、方位センサ、距離センサなどを備えており、所定のタイミングで車両位置(経度、緯度)の検出を行い、検出データを出力する。
【0023】
ディスプレイ装置6は、ナビゲーションコントローラ1から出力される描画データに基づいて、自車位置周辺の地図画像や周辺施設の検索結果などの各種画像を表示する。オーディオ部7は、ナビゲーションコントローラ1から入力される音声信号に基づいて生成した案内音声等を車室内に出力する。
【0024】
また、図2に示すように、上述したナビゲーションコントローラ1は、地図バッファ10、地図読出制御部12、地図描画部14、車両位置計算部20、経路探索処理部30、誘導経路描画部32、音声案内部34、検索部36、道路情報取得部40、通信処理部42、道路情報格納部44、広告情報表示タイミング判定部46、広告情報描画部48、入力処理部60、表示処理部70を含んで構成されている。
【0025】
地図バッファ10は、ディスク読取装置3によってDVD2から読み出された地図データを一時的に格納する。地図読出制御部12は、車両位置計算部20により算出される車両位置や入力処理部60からの指示に応じて、所定範囲の地図データの読み出し要求をディスク読取装置3に出力する。地図描画部14は、地図バッファ10に格納された地図データに含まれる地図描画データや道路形状データ(道路情報格納部44に道路形状データが格納されている場合にはこの道路形状データも用いられる)を用いて、地図画像を表示するために必要な描画処理を行って地図画像描画データを作成する。
【0026】
車両位置計算部20は、車両位置検出部5から出力される検出データに基づいて自車位置を計算するとともに、計算した自車位置が地図の道路上にない場合には地図データに含まれる道路形状データで特定される道路形状と走行軌跡とが一致するように自車位置を修正するマップマッチング処理を行う。なお、このマップマッチング処理で、道路情報格納部44に道路形状データが格納されている場合にはこの道路形状データも用いられる。
【0027】
経路探索処理部30は、地図データに含まれる道路ネットワークデータを用いて、出発地と目的地との間を所定の探索条件にしたがって結ぶ走行経路を誘導経路として探索する。誘導経路描画部32は、経路探索処理部30による探索処理によって得られた誘導経路を地図上に重ねて表示するための誘導経路描画データや右左折交差点を拡大した案内交差点描画データを生成する。音声案内部34は、地図データに含まれる案内データを用いて、経路探索処理部30による探索処理によって得られた誘導経路に沿って車両を誘導するために必要な交差点案内等の音声信号を生成する。検索部36は、地図データに含まれるPOIデータや検索データを用いて、利用者によって指定される検索条件を満足する各種の施設や情報を検索する。
【0028】
道路情報取得部40は、地図更新情報配信サーバ200から地図更新情報を取得する処理を行う。例えば、所定の配信タイミング(取得タイミング)において地図更新情報の取得要求を地図更新情報配信サーバに送り、この要求に応じて地図更新情報配信サーバ200から送られてくる地図更新情報を取得する。配信タイミングの具体例としては、車両のキースイッチが投入された直後であってナビゲーション装置100が携帯電話90を介して通信可能な状態になったときや、利用者によって地図更新情報の取得が指示されたときなどが考えられる。地図更新情報配信サーバ200から送られてくる地図更新情報には、地図データに含まれる道路形状データの最新データと、この道路形状データの内容や取得方法に関する広告情報とが含まれている。道路情報取得部40は、通信処理部42を介して地図更新情報配信サーバ200に向けて地図更新情報の送信要求を送るとともに、この送信要求に応じて送られてくる地図更新情報を受信する。
【0029】
通信処理部42は、ナビゲーション装置100がネットワーク300を介して地図更新情報配信サーバ200から地図更新情報を取得するための各種データ通信に必要な処理を行う。この通信処理部42には、携帯電話90が外付けされている。なお、携帯電話90の代わりに、無線LAN用の送受信機を用いてアクセスポイント経由で地図更新情報配信サーバ200との間で無線通信を行うようにしてもよい。
【0030】
道路情報格納部44は、道路情報取得部40によって取得された道路更新情報を格納する。広告情報表示タイミング判定部46は、道路更新情報として道路形状データとともに取得された広告情報の表示タイミングを判定する。例えば、車両位置計算部20によって計算された車両位置(マップマッチング処理によって補正された後の車両位置)が道路情報格納部44に格納されている道路形状データで特定された道路上の位置に一致したときや、道路情報格納部44に格納されている道路形状データで特定された道路が表示対象となる地図画像に含まれたときや、利用者によって広告情報の表示を指示する所定の操作がなされたときなどが考えられる。なお、道路情報格納部44に格納されている道路形状データで特定された道路が表示対象となる地図画像に含まれたか否かは、現在の自車位置(あるいは任意位置の地図画像を表示させている場合にはその中心位置等)と現在の表示縮尺とに基づいてその時点における表示範囲を計算することで容易に判定することができる。また、同じ広告情報を繰り返し表示しても利用者にとっては煩わしいだけであるため、同一の道路形状データについては、前回の広告情報表示から所定時間経過前には次の広告情報表示は行わないようにしている。広告情報描画部48は、広告情報表示タイミング判定部46によって表示タイミングであると判定された広告情報についてその内容を表示するための広告情報描画データを作成する。
【0031】
入力処理部60は、リモコンユニット4から入力される各種の操作指示に対応する動作を行うための命令をナビゲーションコントローラ1内の各部に向けて出力する。例えば、利用者による地図更新情報の取得指示や広告情報の表示指示はリモコンユニット4を用いて行われ、これらの指示に対応する命令が入力処理部60から道路情報取得部40や広告情報表示タイミング判定部46に送られる。
【0032】
表示処理部70は、地図描画部14によって生成される地図画像描画データが入力されており、この描画データに基づいて所定範囲の地図画像をディスプレイ装置6の画面に表示する。また、誘導経路描画部32によって生成された誘導経路描画データや案内交差点描画データ、広告情報描画部48によって生成された広告情報描画データなどが入力されると、表示処理部70は、これらの描画データを地図画像に重ねてディスプレイ装置6の画面に表示する。
【0033】
次に、地図配信サーバ200の詳細構成について説明する。図1に示すように、地図配信サーバ200は、サーバ制御部210、地図データDB(データベース)220、通信処理部230を含んで構成されている。
【0034】
サーバ制御部210は、ナビゲーション装置100に対して地図更新情報を配信するために地図更新情報配信サーバ200の全体を制御するためのものであり、取得要求受信部212、地図更新情報作成部214、地図更新情報送信部216を備えている。このサーバ制御部210は、CPU、ROM、RAMなどを含むコンピュータとしての構成を有しており、ROMあるいはRAMに格納された所定のプログラムを実行することにより所定の制御動作を行う。
【0035】
取得要求受信部212は、ナビゲーション装置100から送られてくる地図更新情報の取得要求を受信し、この取得要求を分析する処理を行う。例えば、この取得要求には、DVD2のバージョン情報や前回地図更新情報を取得した日時等が含まれている。地図更新情報作成部214は、取得要求の分析結果に基づいて、前回の地図更新情報送信の後に新たに追加された道路形状データと広告情報からなる地図更新情報を作成する。地図更新情報送信部216は、ナビゲーション装置100から送られてきた取得要求に対応する地図更新情報をナビゲーション装置100に向けて送信する処理を行う。
【0036】
地図データDB220は、DVD2の各バージョンに対応する地図データを格納するとともに、各バージョン間で追加された地図更新情報を追加日時とともに格納する。通信処理部230は、地図更新情報配信サーバ200がネットワーク300を介してナビゲーション装置100との間でデータ通信を行うために必要な処理を行う。
【0037】
上述した道路情報取得部40が道路情報取得手段に、広告情報表示タイミング判定部46、広告情報描画部48、表示処理部70が広告情報表示手段に、車両位置検出部5、車両位置計算部20が車両位置検出手段に、通信処理部42、携帯電話90が通信手段にそれぞれ対応している。
【0038】
本実施形態のナビゲーション装置100が含まれる地図更新情報配信システムはこのような構成を有しており、次にその動作を説明する。
【0039】
図4は、ナビゲーション装置100において地図更新情報を取得する動作手順を示す流れ図である。ナビゲーション装置100が動作を開始すると、まず、道路情報取得部40は、地図更新情報の取得タイミングか否かを判定する(ステップ100)。取得タイミングでない場合には否定判断が行われ、次に、広告情報表示タイミング判定部46は、広告情報の表示タイミングか否かを判定する(ステップ101)。広告情報の表示タイミングでない場合には否定判断が行われ、ステップ100に戻って取得タイミングの判定動作が繰り返される。
【0040】
また、車両のキースイッチが投入された直後であって携帯電話90を介して通信可能な状態になったときや、利用者によって地図更新情報の取得が指示されたときには、ステップ100の判定において肯定判断が行われる。この場合には、次に、道路情報取得部40は、通信処理部42から携帯電話90を介して更新地図情報の取得要求を地図更新情報配信サーバ200に向けて送信し(ステップ102)、その後地図更新情報を受信したか否かを判定する(ステップ103)。受信するまで否定判断が行われ、この判定動作を繰り返す受信待ち状態となる。また、地図更新情報配信サーバ200から送られてくる地図更新情報を受信するとステップ103の判定において肯定判断が行われ、道路情報取得部40は、受信した地図更新情報を道路情報格納部44に格納する(ステップ104)。その後、ステップ100に戻って取得タイミングの判定動作が繰り返される。
【0041】
図5は、地図更新情報配信サーバ200から送られてくる地図更新情報に含まれる道路形状データの具体例を示す図である。道路形状データには、前回の地図更新情報の取得以降に新たに追加された複数の道路(更新間隔が短い場合には対象道路が一つあるいは全くない場合もある)のそれぞれに対応する複数の道路形状レコードが含まれている。各道路形状レコードには、座標点列、道路種別、リンク長さ、新規開通路線番号が含まれている。座標点列は、対象道路を特定するために必要な座標の配列データであり、この道路に含まれる各ノードの座標が用いられる。道路種別は、道路の種類を示すデータである。リンク長さは、この道路を構成する複数のリンクのそれぞれの長さを合計したものである。新規開通路線番号は、新たに追加された各道路に対応する通し番号である。なお、新規開通路線番号以外の各データは、DVD2に格納された地図データ内の道路形状データにも同じものが含まれている。また、新規開通路線番号は、対応する広告情報を特定するために今回新たに追加されたものである。
【0042】
図6は、地図更新情報配信サーバ200から送られてくる地図更新情報に含まれる広告情報の具体例を示す図である。広告情報には、ヘッダ、複数の更新広告レコード(新規に追加された道路が一つしかない場合には更新広告レコードは一つとなる)が含まれている。ヘッダには、バージョン情報、販売店、問い合わせ先が含まれている。バージョン情報は、最新の地図データに対応するDVD2を購入する場合にこのDVD2のバージョンに対応している。販売店は、最新バージョンのDVD2を購入可能な販売店のショップ名等の情報であり、問い合わせ先はその連絡電話番号等を示している。なお、ナビゲーション装置100から地図更新情報配信サーバ200に送られる取得要求に、ナビゲーション装置100が搭載された車両の位置情報を含ませておいて、地図更新情報配信サーバ200において地図更新情報を作成する際に、最寄りの販売店を抽出して広告情報のヘッダに含ませることが望ましい。
【0043】
また、更新広告レコードには、新規開通路線番号、路線名称、開通年月日、更新バージョンが含まれている。新規開通路線番号は、図3に示した道路形状データ内の各道路形状レコードに含まれるものと同一であり、同一道路についての道路形状データと広告情報とを対応付けるために用いられる。広告情報の表示タイミングとなる道路が特定されると、この道路に対応する新規開通路線番号を検索キーとして広告情報内の更新広告レコードが抽出される。
【0044】
図7〜図9は、表示タイミングの一例を示す図である。図7には、地図更新情報を取得する前の地図画像の表示例が示されている。また、図8には地図更新情報を取得した後の地図画像の表示例が示されている。図9には新規開通道路に車両が進入した場合の表示例が示されている。図8に示す道路Aが新規に開通したものとする。この道路Aに対応する道路形状データが取得されて道路情報格納部44に格納されると、地図描画部14は、道路Aが描画範囲に含まれたときに、道路情報格納部44に格納された道路Aに対応する道路形状レコード内の座標点列を用いて道路Aの画像を描画する。これにより、図8に示すような新規開通の道路Aが含まれる地図画像が表示される。なお、この新規開通の道路Aは、他の道路と識別可能な状態で、例えば色や表示態様(ハイライト表示や点滅等)を変更して表示することが望ましい。その後、自車両が走行して道路Aに進入すると、車両位置計算部20は、この新規開通の道路Aの形状(座標点列)に基づいてマップマッチング処理を行って、道路A上の位置に車両位置を修正する。このようにして、道路情報格納部44に格納されている道路形状データで特定された道路上の位置に車両位置が一致したときステップ101の表示タイミング判定において肯定判断が行われる。なお、上述したように、それ以外の場合であっても、道路情報格納部44に格納されている道路形状データで特定された道路が表示対象となる地図画像に含まれたときや、利用者によって広告情報の表示を指示する所定の操作がなされたときはステップ101の表示タイミング判定において肯定判断が行われる。
【0045】
次に、広告情報描画部48は広告情報を描画し(ステップ105)、表示処理部70によってディスプレイ装置6に広告情報が表示される(ステップ106)。図10は、広告情報の表示例を示す図である。広告情報内のヘッダおよび更新広告レコードに含まれる各種情報に基づいて、図10に示すような広告情報の表示が行われる。広告情報表示の後、ステップ100に戻って取得タイミングの判定動作が繰り返される。
【0046】
このように、本実施形態のナビゲーション装置100では、道路の新設があったときに、この道路に関する道路形状データと広告情報を取得することができるため、少なくとも最新の道路形状を確認することが可能になり、利用者自身が、新設された道路が含まれる最新の地図データを取得する必要があるか否かを判断することが容易となる。特に、利用者は、実際に車両走行中に表示された地図画像に含まれる道路形状を見るだけで、最新の地図データを取得する必要があるか否かを判断することが可能となる。あるいは、利用者は、任意のタイミングで新設された道路に関する広告情報を見て、最新の地図データ取得の必要性の有無を判断することが可能になる。また、広告情報の表示を、同一の道路形状データについては、前回の表示から所定時間経過前には行わないこととすることにより、頻繁に広告情報が表示される場合の煩わしさを回避することができる。
【0047】
また、携帯電話90や無線LAN等によって無線回線を介して道路形状データや広告情報を取得することにより、常に最新の情報を取得することが可能になる。
【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、上述した実施形態では、新設道路に対応する道路形状データと広告情報とを地図更新情報配信サーバ200から配信して、利用者に最新版のDVD2の購入を促すようにしたが、広告情報を見た利用者の更新指示に応じて、道路形状データを含む詳細データ(図3に示す地図描画データや道路ネットワークデータ、案内データ、POIデータ、検索データが含まれる)を含む更新地図情報を地図更新情報配信サーバ200から取得するようにしてもよい。
【0049】
図11は、道路形状データを含む詳細情報を取得する場合のナビゲーション装置100の動作手順を示す図である。図11に示す動作手順は、図4に示した動作手順に対してステップ107〜110の各動作が追加されている。広告情報が表示された後(ステップ1076、道路情報取得部40(詳細情報取得手段に対応する)は、詳細情報の取得指示ありか否かを判定する(ステップ107)。例えば、広告情報の表示画面内に「更新」ボタンや「詳細」ボタンが表示されており、これらのボタンを選択することで(例えば、リモコンユニット4を用いてこれらのボタンにカーソルを合わせた後に「決定キー」を押下することで選択することができる)、詳細情報の取得指示が行われる。取得指示が行われない場合にはステップ107の判定において否定判断が行われ、ステップ100に戻って取得タイミングの判定動作が繰り返される。また、詳細情報の取得指示が行われた場合にはステップ107の判定において肯定判断が行われ、次に、道路情報取得部40は、詳細情報の取得要求を地図更新情報配信サーバ200に向けて送信した後(ステップ108)、詳細情報を受信したか否かを判定する受信待ちの状態になる(ステップ109)。地図更新情報配信サーバ200では、この詳細情報の取得要求を取得要求受信部212で受け取ると、地図更新情報作成部214は送信対象となる詳細情報を作成し、地図更新情報送信部216はこの作成された詳細情報をナビゲーション装置100に向けて送信する。道路情報取得部40は、このようにして地図更新情報配信サーバ200から送られてきた詳細情報を受信するとステップ109の判定において肯定判断を行い、受信した詳細情報を道路情報格納部44に格納する。このように、新設道路に対応する広告情報を表示することで、利用者は、必要に応じて、道路形状データ以外の詳細情報を取得タイミングを各自の都合に合わせて的確に判断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】一実施形態のナビゲーション装置が含まれる地図更新情報配信システムの構成を示す図である。
【図2】ナビゲーション装置の詳細構成を示す図である。
【図3】地図データの基本構成を示す図である。
【図4】ナビゲーション装置において地図更新情報を取得する動作手順を示す流れ図である。
【図5】地図更新情報配信サーバから送られてくる地図更新情報に含まれる道路形状データの具体例を示す図である。
【図6】地図更新情報配信サーバから送られてくる地図更新情報に含まれる広告情報の具体例を示す図である。
【図7】表示タイミングの一例を示す図である。
【図8】表示タイミングの一例を示す図である。
【図9】表示タイミングの一例を示す図である。
【図10】広告情報の表示例を示す図である。
【図11】道路形状データを含む詳細情報を取得する場合のナビゲーション装置の動作手順を示す図である。
【符号の説明】
【0051】
1 ナビゲーションコントローラ
2 DVD
3 ディスク読取装置
4 リモコンユニット
5 車両位置検出部
6 ディスプレイ装置
7 オーディオ部
10 地図バッファ
12 地図読出制御部
14 地図描画部
20 車両位置計算部
30 経路探索処理部
32 誘導経路描画部
34 音声案内部
40 道路情報取得部
42、230 通信処理部
44 道路情報格納部
46 広告情報表示タイミング判定部
48 広告情報描画部
60 入力処理部
70 表示処理部
90 携帯電話
100 ナビゲーション装置
200 地図更新情報配信サーバ
210 サーバ制御部
212 取得要求受信部
214 地図更新情報作成部
216 地図更新情報送信部
220 地図データDB
300 ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図データに基づいて所定のナビゲーション動作を行うナビゲーション装置であって、
道路の新設があったときに、この道路に関する道路形状データをこの道路に関する広告情報とともに取得する道路情報取得手段と、
所定の表示タイミングで前記道路形状データに対応する前記広告情報を表示する広告情報表示手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記道路形状データは、地図画像の描画処理に用いられる前記地図データであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1において、
前記道路形状データは、地図画像の描画処理と自車位置修正を行うマップマッチング処理に用いられる前記地図データであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
車両の走行位置を検出する車両位置検出手段をさらに備え、
前記表示タイミングは、前記車両位置検出手段によって検出された車両位置が前記道路形状データで特定された道路上の位置に一致したときであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記表示タイミングは、前記道路形状データで特定された道路が、表示対象となる地図画像に含まれたときであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜3のいずれかにおいて、
前記表示タイミングは、利用者によって前記広告情報の表示を指示する所定の操作がなされたときであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかにおいて、
前記広告情報表示手段による前記広告情報の表示は、同一の前記道路形状データについては、前回の表示から所定時間経過前には行わないことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれかにおいて、
無線回線を利用した通信手段をさらに備えており、
前記道路情報取得手段は、所定の配信タイミングで配信される前記道路形状データと前記広告情報を前記通信手段を用いて受信することにより、前記広告情報を取得することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項8において、
前記配信タイミングは、車両のキースイッチの投入直後であって前記通信手段による通信が可能になったときであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項8において、
前記配信タイミングは、利用者によって前記道路形状データおよび前記広告情報の取得が指示されたときであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれかにおいて、
前記地図データは、挿抜可能な記録媒体に格納された状態で提供されており、
前記広告情報には、対応する前記道路形状データが含まれる前記記録媒体を取得するために必要な情報が含まれていることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
請求項1〜10のいずれかにおいて、
前記道路形状データに対応する道路に関して、前記道路形状データ以外の詳細情報を取得する詳細情報取得手段をさらに備え、
前記詳細情報取得手段は、前記広告情報表示手段による前記広告情報の表示が行われた後に、利用者によって前記詳細情報の取得を指示する所定の操作がなされたときに、前記詳細情報を取得することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−93552(P2007−93552A)
【公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−286875(P2005−286875)
【出願日】平成17年9月30日(2005.9.30)
【出願人】(000101732)アルパイン株式会社 (2,424)
【Fターム(参考)】