説明

ナビゲーション装置

【課題】目的地までの個々の特殊道路の使用可否を指定して経路探索ができるナビゲーション装置を提供する
【解決手段】現在位置を算出する現在位置算出手段10,13,14および15と、目的地および経由地を入力する入力手段3と、現在位置算出手段によって算出された現在位置から入力手段によって入力された目的地または経由地までの経路を探索する経路探索部130と、経路探索部によって探索された経路を案内する誘導案内部140とを備えたナビゲーション装置において、経路探索部によって探索された経路に特殊道路が含まれる場合に、該探索された経路に含まれる特殊道路の使用可否を個々に選択させる制御部10を備え、経路探索部は、制御部の制御により使用可が選択された特殊道路を含む経路を再探索する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、現在地から目的地または経由地までの経路探索を行うナビゲーション装置に関し、特に、例えば有料道路のような特殊経路の使用可否の指示にしたがって探索をきめ細かに実施する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、料金を払って走行できる橋、トンネル、有料バイパス道路、高速道路(FWY)、有料専用道路、フェリーといった有料道路または有料特殊道路(以下、「特殊道路」という)が増加している。従来の車載用のナビゲーショシ装置は、目的地または経由地までの経路探索において、経路探索を実施する前に、経路条件として特殊道路の使用可否(「使用する」か「使用しない」)を設定する方式が主流である。この場合、例えば特殊道路を「使用する」と設定すると目的地までの特殊道路の全てを使用して最適経路を算出し、また「使用しない」と設定すると目的地までの特殊道路を全く使用しないで最適経路を算出する。
【0003】
なお、関連する技術として、特許文献1は、意図的に様々な通行料金の経路を利用者に提示でき、利用者の経路選択の自由度を高めるナビゲーション装置を開示している。このナビゲーション装置は、探索部が、有料道路のコストを順次変更して複数の候補経路を探索し、算出部が、探索部によって探索された各候補経路の通行料金を算出し、選択部が、探索部による探索結果および算出部による算出結果に基づいて、探索された複数の候補経路から通行料金の異なる複数の経路を選択し、提示部が、選択部によって選択された複数の経路に関する情報を提示する。
【0004】
【特許文献1】特開2005−017507号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上述した従来のナビゲーション装置では、経路条件として特殊道路の使用可否を設定すると、目的地までの特殊道路の全てを使用するか全てを使用しないかの指定しかできない。利用者は、一般に、目的地までの個々の特殊道路の利用金額または制約時間効率(例えば、通勤時のみ一部の有料道路を使いたい)等といった、特殊道路を使用する価値またはコストパーフォーマンスを考えて個々の特殊道路の使用を選択する。したがって、個々の特殊道路の使用可否を指定できるナビゲーション装置の開発が望まれている。
【0006】
この発明は、上述した要請に応えるためになされたものであり、その課題は、目的地までの個々の特殊道路の使用可否を指定して経路探索ができるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、この発明に係るナビゲーション装置は、現在位置を算出する現在位置算出手段と、目的地および経由地を入力する入力手段と、現在位置算出手段によって算出された現在位置から入力手段によって入力された目的地または経由地までの経路を探索する経路探索部と、経路探索部によって探索された経路を案内する誘導案内部とを備えたナビゲーション装置において、経路探索部によって探索された経路に特殊道路が含まれる場合に、該探索された経路に含まれる特殊道路の使用可否を個々に選択させる制御部を備え、経路探索部は、制御部の制御により使用可が選択された特殊道路を含む経路を再探索する。
【発明の効果】
【0008】
この発明に係るナビゲーション装置によれば、探索された経路に特殊道路が含まれる場合に、該探索された経路に含まれる特殊道路の使用可否を個々に選択させ、使用可が選択された特殊道路を含む経路を再探索するように構成したので、目的地までの個々の特殊道路の使用可否を指定した経路探索が可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。このナビゲーション装置は、ナビゲーションユニット1、地図表示用のモニタ2、リモートコントローラ(以下、「リモコン」と略す)3、オーディオスピーカ4および外部メモリ5から構成されている。
【0010】
ナビゲーションユニット1は、ナビゲーション装置の中核をなすものであり、地図表示、経路探索、誘導案内などの処理を行う。このナビゲーションユニット1の詳細は後述する。
【0011】
モニタ2は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)から構成されており、ナビゲーションユニット1から送られてくる表示信号に応じて、地図、自車位置マーク、探索された誘導経路、その他の種々のメッセージを表示する。このモニタ2にはリモコン受光部21が設けられている。リモコン受光部21は、リモコン3から送られてくる光信号を受信し、モニタ2を経由してナビゲーションユニット1に送る。
【0012】
リモコン3は、この発明の入力手段に対応し、経路探索時に、利用者が目的地または経由地を入力したり、モニタ2またはオーディオスピーカ4から出力される操作を促すメッセージに応答するために使用される。なお、リモコン3の代わりに、または、リモコン3と併用して、モニタ2の画面に載置されたタッチセンサに直接に触れることにより、各種情報を入力するタッチパネルを設けることもできる。
【0013】
オーディオスピーカ4は、ナビゲーションユニット1から送られてくるオーディオ信号に応じて、誘導案内メッセージを音声で出力する。外部メモリ5はオプションであり、例えばHDD(Hard Disk Drive)から構成されている。この外部メモリ5には、後述するディスクドライブ装置11に挿入される記録媒体に格納される地図データと同様の地図データが記憶される。
【0014】
次に、ナビゲーションユニット1の詳細を説明する。ナビゲーションユニット1は、制御部10、ディスクドライブ装置11、地図データ保管部12、GPS(Global Positioning System)受信機13、車速センサ14、ジャイロセンサ15、道路情報受信機16、ヒューマン・マシン・インタフェース(以下、「HMI」と略す)部100、地図表示部110、マップマッチング部120、経路探索部130および誘導案内部140から構成されている。
【0015】
制御部10は、例えばマイクロコンピュータから構成されており、このナビゲーションユニット1の全体を制御する。HMI部100、地図表示部110、マップマッチング部120、経路探索部130および誘導案内部140は、このマイクロコンピュータの制御の下で動作するアプリケーションプログラムから構成されている。
【0016】
ディスクドライブ装置11は、地図データが記録されたDVD(Digital Versatile Disc)またはCD(Compact Disc)といった記録媒体11aが挿入されることにより、その記録内容を再生する。地図データは、ノードおよび道路リンクなどにより定義されており、特殊道路、つまり、橋、トンネル、有料バイパス道路、高速道路(FWY)、有料専用道路、フェリーといった料金を払って走行できる有料道路または有料特殊道路のリンク情報が含まれている。このディスクドライブ装置11で再生された地図データは、地図データ保管部12に送られる。
【0017】
地図データ保管部12は、ディスクドライブ装置11または外部メモリ5から送られてきた地図データを一時的に保管する。この地図データ保管部12に保管された地図データは、後述する地図表示や経路探索に使用される。
【0018】
GPS受信機13は、GPS衛星からアンテナを介して受信されたGPS信号に基づき車両の現在位置を検出する。このGPS受信機13で検出された車両の現在位置を表す現在位置データは、制御部10に送られる。車速センサ14は、このナビゲーション装置が搭載された車両から送られてくる外部信号に基づき車両の移動速度を検出する。この車速センサ14で検出された車両の移動速度を表す速度データは、制御部10に送られる。
【0019】
ジャイロセンサ15は、車両の進行方位を検出する。このジャイロセンサ15で検出された車両の進行方位を表す方位データは制御部10に送られる。制御部10は、車速センサ14からの速度データおよびジャイロセンサ15からの方位データに基づいて自立航法により車両の現在位置を検出する。例えばトンネル等によりGPS受信機13による車両の現在位置を検出できなくなっても、自立航法によって車両の現在位置を検出できるので、ナビゲーション装置は、常に正しく車両の現在位置を検出できるようになっている。この発明の現在位置算出手段は、GPS受信機13、車速センサ14、ジャイロセンサ15およびこれらからのデータを処理する制御部10から構成されている。
【0020】
道路情報受信機16は、例えば、道路交通データ通信システムから発せられる道路情報信号を受信する。この道路情報受信機16で受信された道路情報信号は、制御部10に送られる。制御部10は、この道路情報信号に基づいて道路の渋滞情報を表すメッセージを作成し、モニタ2およびオーディオスピーカ4を介して利用者に知らせる。
【0021】
HMI部100は、図示しない操作パネルが操作されることにより発生される指令またはリモコン3からモニタ2を介して送られてくる指令を処理する。このHMI部100により、ナビゲーション装置と利用者との間のコミュニケーションがとられる。地図表示部110は、モニタ2に地図を表示させるための描画データを生成する。この地図表示部110で生成された描画データがモニタ2に送られることにより、モニタ2の画面に地図が表示される。
【0022】
マップマッチング部120は、GPS受信機13からの現在位置データまたは車速センサ14から送られてくる速度データとジャイロセンサ15から送られてくる方位データとにより生成された現在位置データに基づいて作成された自車位置を、地図データ保管部12から読み出した地図データによって表される地図に対応させ、地図上に自車位置マークを形成する。
【0023】
経路探索部130は、自車の現在位置から目的地までの経路を探索する。この経路探索部130で実行される処理の詳細は後述する。誘導案内部140は、経路探索部130で探索された経路に沿って、車両が移動する際に出力する誘導案内図および音声案内メッセージを生成する。この誘導案内図は、モニタ2に表示され、誘導音声案内メッセージは、オーディオスピーカ4から出力される。
【0024】
次に、上記のように構成されるナビゲーション装置の動作を、出発地(例えば現在地)および目的地を設定して経路探索を行う経路探索処理を中心に、図2に示すフローチャート、図3に示す操作による状態遷移図および図4〜図13に示す画面例を参照しながら説明する。
【0025】
ナビゲーション装置の電源が投入されると、まず、現在位置データおよび地図データの取得が行われる(ステップST11)。すなわち、制御部10は、GPS受信機13から取得した現在位置データまたは自律航法により検出した現在位置データを、マップマッチング部120に送る。また、ディスクドライブ装置11は、セットされた記録媒体から地図データを読み出して地図データ保管部12に格納する。マップマッチング部120は、地図データ保管部12から地図データを読み出し、制御部10から受け取った現在位置データに対応する位置に自車位置マークを重ね合わせるマッチング処理を行う。このマッチング処理が施された地図データは地図表示部110に送られる。地図表示部110は、マップマッチング部120から送られてくる地図データに基づいて描画データを生成し、モニタ2に送る。
【0026】
次いで、現在地画面表示が行われる(ステップST12)。すなわち、モニタ2は、地図表示部110から受け取った描画データに基づき、自車の現在位置を中心とする地図を表示する。次いで、経路条件が設定される(ステップST13)。具体的には、図4に示す経路条件設定画面が表示される。この経路条件設定画面において、矩形で囲った部分はボタンであり、利用者は、リモコン3を用いて選択することにより、そのボタンに割り当てられている機能を実行させることができる。以下に説明する各画面においても同様である。
【0027】
図4に示す経路条件設定画面において、利用者は、経路探索優先条件として、「最速ルート」、「最短ルート」または「容易ルート」のいずれかを選択することができる。また、特殊道路使用抑制、指定区域回避および時間規制道路回避といった項目については、「する」または「しない」のいずれかを選択することができる。以上の選択が完了したら、利用者は、「決定」ボタンを押下する。これにより、経路条件が確定される。なお、図4における「初期値」ボタンは、経路条件を初期値に戻すために使用され、「戻る」ボタンは前画面に戻るために使用される。また、「地図」ボタンは、現在位置の地図画面に戻るために使用され、以下に説明する各画面においても同じである。
【0028】
次いで、特殊道路の使用を抑制するかどうかが調べられる(ステップST14)。すなわち、ステップST13において、図4に示す経路条件設定画面で、特殊道路使用抑制の項目の「する」ボタンが押されたかどうかが調べられる。
【0029】
上記ステップST14において、特殊道路の使用を抑制する、つまり、経路条件設定画面で、特殊道路使用抑制の項目の「する」ボタンが押されたことが判断されると、次いで、目的地設定が行われる(ステップST15)。すなわち、利用者はリモコン3を使用して、モニタ2に表示されている地図上の目的地を指定する。これにより、モニタ2は、リモコン3により指定された目的地を表すデータをナビゲーションユニット1の経路探索部130に送る。
【0030】
次いで、特殊道路を使用しない経路が表示される(ステップST16)。すなわち、経路探索部130は、GPS受信機13から制御部10を介して受け取った現在位置データによって特定される現在位置または自律航法によって検出された現在位置から、ステップST15で設定された目的地までの経路を、特殊道路を使用しないで探索し、探索された経路を表すデータを地図表示部110に送る。これにより、現在地から目的地までの経路が地図上に示された画面がモニタ2に表示される。
【0031】
次いで、特殊道路を最小限使用した経路探索が実施される(ステップST17)。すなわち、経路探索部130は、GPS受信機13から制御部10を介して受け取った現在位置データによって特定される現在位置または自律航法によって検出された現在位置から、ステップST15で設定された目的地までの特殊道路を最小限に使用した経路を探索し、探索された経路を表すデータを地図表示部110に送る。
【0032】
次いで、経路誘導案内が開始される(ステップST18)。すなわち、誘導案内部140は、ステップST16で探索された経路に基づいて、案内メッセージを表す表示データを生成してモニタ2に送るとともに、案内メッセージを表すオーディオ信号を生成してオーディオスピーカ4に送る。これにより、案内メッセージがモニタ2に表示されるとともに、オーディオスピーカ4から音声により発生される。以後は、車両の進行に連れて変化する環境に対応した案内メッセージが順次出力される。
【0033】
上記ステップST14において、特殊道路の使用を抑制しない、つまり、経路条件設定画面で、特殊道路使用抑制の項目の「しない」ボタンが押されたことが判断されると、図5に示す特殊道路条件設定画面が表示される。図5に示す特殊道路条件設定画面において、利用者は、橋使用抑制、トンネル使用抑制、バイパス使用抑制、カープール使用抑制およびフェリー使用抑制といったサブ項目について「する」または「しない」のいずれかを選択する。以上の選択が完了したら、「決定」ボタンを押下する。これにより、特殊道路条件が確定される。
【0034】
なお、図5に示す特殊道路条件設定画面の「初期値」ボタンは、特殊道路条件を初期値に戻すために使用され、「前頁」は前頁の特殊道路条件設定画面(図4では特殊道路条件設定画面が3頁存在する例を示している)に戻るために使用され、「次頁」は次頁の特殊道路条件設定画面に進むために使用される。また、「戻る」ボタンは前画面に戻るために使用される。
【0035】
次いで、特殊道路条件設定画面のサブ項目の1つ以上が選択されたかどうかが調べられる(ステップST19)。すなわち、図5に示す特殊道路条件設定画面で、サブ項目の「する」ボタンが1つ以上押されたかどうかが調べられる。このステップST19において、サブ項目が1つも選択されていないことが判断されると、シーケンスはステップST15に進み、上述した処理が実行される。
【0036】
一方、ステップST19において、サブ項目の1つ以上が選択されたことが判断されると、次いで、目的地設定が行われる(ステップST20)。このステップST20の処理は、上述したステップST15の処理と同じである。
【0037】
次いで、特殊道路を使用した経路探索が実施される(ステップST21)。すなわち、経路探索部130は、GPS受信機13から制御部10を介して受け取った現在位置データで特定される現在位置または自律航法によって検出された現在位置から、ステップST20で設定された目的地までの経路を、図5に示す特殊道路条件設定画面で設定された条件に従って探索し、探索された経路を表す経路データを地図表示部110に送る。
【0038】
次いで、経路確認画面の表示および選択が行われる(ステップST22)。すなわち、地図表示部110は、ステップST21で探索された経路を表す経路データに基づき、図6に示すような経路確認画面をモニタ2に表示する。経路確認画面では、探索された経路を含む地図が表示されるとともに、探索された経路を構成する有料道路および一般道路の各々の距離、通過時間および料金を含む経路情報リストが表示される。
【0039】
図6に示す経路確認画面の「開始」ボタンは、経路誘導案内を開始させるために使用され、「経路アウトライン」は経路アウトライン画面に移行させるために使用され、「旅程リスト」は旅程リスト画面を表示させるために使用される。このステップST22において、「開始」ボタンが押されると、シーケンスはステップST18に進み、上述した経路誘導案内が開始される。
【0040】
ステップST22において、「経路アウトライン」ボタンが選択されると、経路アウトライン表示および変更が行われる(ステップST23)。すなわち、地図表示部110は、図7、図8または図9に示すような経路アウトライン画面をモニタ2に表示する。経路アウトライン画面において、「全体」ボタンは、図7に示すような経路の全体を表示させるために使用され、「一般」ボタンは、図9に示すような経路の一般道路のみを表示させるために使用され、「有料」ボタンは、図8に示すような経路の有料道路のみを表示させるために使用される。
【0041】
図7に示す経路の全体を示す画面では、経路情報リスト(図5に示した経路情報リストと同じ)が表示されるとともに、探索された経路を構成する個々の道路(以下、「個別道路」という)がリスト形式で表示される。これら個別道路が表示されたリストを、「個別道路リスト」という。同様に、図8に示す経路の有料道路を示す画面では、有料道路である個別道路のみが個別道路リストに表示される。また、図9に示す経路の一般道路を示す画面では、一般道路である個別道路のみが個別道路リストに表示される。これら図7、図8および図9に示す経路アウトライン画面は、個別道路リストの内容が異なるだけであり、他の部分は共通である。したがって、以下では、図6に示す経路アウトライン画面を参照しながら説明する。
【0042】
経路アウトライン画面の個別道路リストを形成する各個別道路の先頭には、チェックボタンが設けられており、利用者は、このチェックボタンにチェックを入れることにより、その個別道路を使用するかどうかを指定できるようになっている。
【0043】
また、各個別道路には「情報」ボタンが設けられており、この「情報」ボタンを押すことにより、その「情報」ボタンに対応する個別道路の詳細を知ることができるようになっている。例えば、個別道路の「フェリーターミナル」を押すと、図10に示すような、詳細情報の画面がモニタ2に表示される。この詳細情報には、道路名(施設名)、通行料金、使用長さまたは全長、通行時間帯、道路(施設)種別等が含まれる。この詳細情報の画面の「戻る」ボタンは、経路アウトライン画面に戻るために使用される。
【0044】
また、経路アウトライン画面の個別道路リストの右端にはスクロールバーと送りボタンが設けられている。スクロールバーは、個別道路リストの全体を上下方向にスクロールさせるために使用される。また、送りボタンは、個別道路リストを個別道路単位で上または下方向に送り、または、個別道路リストの先頭または最後尾から順番に個別道路を表示させるために使用される。
【0045】
また、経路アウトライン画面の「代替経路」ボタンは、個別道路の代替経路を探索するために使用される。この「代替経路」ボタンが押されると、代替経路が探索され、経路が変更された後に、図11に示すような、代替経路を含む代替経路選択画面が表示される。この代替経路選択画面において、「前候補」ボタンは、前の代替経路を選択するために使用され、「次候補」ボタンは、次の代替経路を選択するために使用される。この「前候補」ボタンまたは「次候補」ボタンにより1つの代替経路が選択された後に「決定」ボタンが押されることにより、設定が代替経路に変更され、経路アウトライン画面に戻る。
【0046】
また、代替経路選択画面の「全体経路」ボタンは、図12に示すような、代替経路の変更を反映した全体経路を表示するために使用される。これにより、利用者は、一時的に全体の経路を確認することができる。この図12に示す画面の「戻る」ボタンが押されると、代替経路選択画面に戻る。また、代替経路選択画面の「戻る」ボタンは、経路アウトライン画面に戻るために使用される。
【0047】
また、経路アウトライン画面の「決定」ボタンは、経路アウトライン画面で設定された内容を確定させるために使用される。この「決定」ボタンが押されることにより、設定が経路アウトライン画面で設定された内容に変更され、経路確認画面に戻る。
【0048】
ステップST23において、経路アウトライン画面のチェックボタンのチェックが変更された後に「決定」ボタンが押されると、シーケンスはステップST21に戻り、ステップST23で変更された条件に従って、再度経路探索が実施される。一方、経路アウトライン画面のチェックボタンのチェックが変更されることなく「決定」ボタンが押されると、シーケンスはステップST22に戻り、図6に示す経路確認画面が表示される。そして、この経路確認画面で「開始」ボタンが押されると、シーケンスはステップST18に進み、経路誘導案内が開始される。
【0049】
ステップST22において、経路確認画面の「旅程リスト」ボタンが選択されると、図2に示すフローチャートでは記載を省略しているが、図13に示すような旅程リスト画面が表示される。この旅程リスト画面には、中央に目的地および経由地の一覧が表示されるとともに、画面右側に「経路アウトライン」ボタン、「並び替え」ボタン、「追加」ボタン、「削除」ボタン、「オプション」ボタンおよび「戻る」ボタンが表示される。
【0050】
この旅程リスト画面において、「経路アウトライン」ボタンが押されると、経路アウトライン画面に戻る。「並び替え」ボタンが押されると、目的地および経由地の一覧の並び替えが行われる。「追加」ボタンが押されると目的地および経由地の追加が行われる。「削除」ボタンが押されると目的地および経由地が削除される。「オプション」ボタンが押されると、その他の機能が実行される。「戻る」ボタンが押されると前画面に戻る。
【0051】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置によれば、利用者が、目的地までの経路に存在する個々の特殊道路の使用価値およびコストパーフォーマンスを考えて該特殊道路の使用可否が選択でき、利用者の意図に沿った特殊道路を使用した経路を簡単な操作で提示することができる。
【0052】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置は、経路探索の前に経路条件として特殊道路の使用可否を設定することなく、目的地までの経路探索を行うようにしたものである。このナビゲーション装置の構成は、図1に示した実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成と同じである。
【0053】
以下、実施の形態2に係るナビゲーション装置の動作を、出発地(例えば現在地)および目的地を設定して経路探索を行った後に個々の特殊道路を選択する処理を中心に、図14に示すフローチャートを参照しながら説明する。なお、図2に示したフローチャートと同一または相当する処理を行うステップには、図2で使用した符号と同一の符号を付して説明を簡略化する。
【0054】
ナビゲーション装置の電源が投入されると、まず、現在位置データおよび地図データの取得が行われる(ステップST11)。次いで、現在地画面表示が行われる(ステップST12)。すなわち、モニタ2は、地図表示部110から受け取った描画データに基づき、自車の現在位置を中心とする地図を表示する。次いで、目的地設定が行われる(ステップST20)。
【0055】
次いで、特殊道路を使用した経路探索が実施される(ステップST31)。すなわち、経路探索部130は、GPS受信機13から制御部10を介して受け取った現在位置データで特定される現在位置または自律航法で検出された現在位置から、ステップST20で設定された目的地までの経路を、特殊道路を無条件に使用して探索し、探索された経路を表すデータを地図表示部110に送る。
【0056】
次いで、経路確認画面の表示および選択が行われる(ステップST32)。すなわち、地図表示部110は、ステップST31で探索された経路を表すデータに基づき、図6に示すような経路確認画面をモニタ2に表示する。このステップST32において、「開始」ボタンが押されると、シーケンスはステップST18に進み、経路誘導案内が開始される。一方、ステップST32において、経路確認画面の「経路アウトライン」ボタンが選択されると、経路アウトライン表示および変更が行われる(ステップST33)。すなわち、地図表示部110は、図7、図8または図9に示すような経路アウトライン画面をモニタ2に表示する。
【0057】
ステップST33において、経路アウトライン画面のチェックボタンのチェックが変更された後に「決定」ボタンが押されると、シーケンスはステップST31に戻り、ステップST33で変更された条件に従って、再度経路探索が実施される。一方、経路アウトライン画面のチェックボタンのチェックが変更されることなく「決定」ボタンが押されると、シーケンスはステップST32に戻り、図6に示す経路確認画面が表示される。そして、この経路確認画面で「開始」ボタンが押されると、シーケンスはステップST18に進み、経路誘導案内が開始される。これにより、以降は車両の進行に連れて変化する環境に対応した案内メッセージが順次出力される。
【0058】
なお、経路確認画面で再度「経路アウトライン」ボタンが押されると、シーケンスはステップST33に進み、再度、上述した経路アウトライン表示および変更が行われる。また、経路確認画面で「旅程リスト」ボタンが押された場合の動作は、上述した実施の形態1の場合と同じである。
【0059】
実施の形態3.
この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置は、特殊道路を含む経路探索が完了した後に、経路確認および変更ができるようにしたものである。このナビゲーション装置の構成は、図1に示した実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成と同じである。
【0060】
以下、実施の形態3に係るナビゲーション装置の動作を、図15に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0061】
まず、特殊道路を含んで目的地までの経路探索が行われる(ステップST41)。すなわち、上述した実施の形態1または実施の形態2に係るナビゲーション装置と同様の経路探索が行われる。次いで、探索された特殊道路を含む経路が、図6に示すような経路確認画面として表示される(ステップST42)。この経路確認画面において、利用者は、特殊道路を含んだ探索経路を変更しない場合、「開始」ボタンを押す。これにより、ステップST42において、「開始」ボタンが押された旨が判断され、経路誘導案内が開始される(ステップST43)。このステップST43の処理は、上述した実施の形態1に係るナビゲーション装置において行われる図2のステップST18の処理と同じである。
【0062】
この経路確認画面において、利用者は、特殊道路を含んだ探索経路を変更する場合、「経路アウトライン」ボタンを押す。これにより、ステップST42において、「経路アウトライン」ボタンが押された旨が判断され、図7に示すような経路の全体を表示する経路アウトライン画面の表示が行われる(ステップST44)。この経路アウトライン画面において、「一般」ボタンまたは「有料」ボタンが押されると、図9に示すような一般道路のみ、または、図8に示すような有料道路のみを含む経路アウトライン画面が表示される(ステップST45)。以下、「全体」ボタン、「一般」ボタンまたは「有料」ボタンが押される度に、ステップST44の処理とステップST45の処理とが遷移する。
【0063】
次いで、経路アウトライン画面で設定変更、つまりチェックボタンのチェックの変更がなされたかどうかが調べられる(ステップST46)。このステップST46において、設定変更がなされていないことが判断されると、シーケンスはステップST42に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0064】
一方、ステップST46において、設定変更がなされたことが判断されると、図11に示す代替経路選択画面が表示される(ステップST47)。利用者は、この代替経路選択画面の「前候補」ボタン、「次候補」ボタンおよび「全体経路」ボタンを操作することにより、代替経路案を表示させて確認し、所望の経路が決定したら「決定」ボタンを押す。これにより、シーケンスはステップST42に戻り、経路確認画面が表示され、上述した処理が繰り返される。
【0065】
以上説明したように、この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置によれば、実施の形態1または実施の形態2で説明したような特殊道路を含む経路探索が完了した後に、再度、実施の形態1または実施の形態2と同様の手順で経路確認および変更ができるので、利用者の経路選択効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置において、操作によって状態が変化する様子を示す状態遷移図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用される経路条件設定画面の例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用される特殊道路条件設定画面の例を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用される経路確認画面の例を示す図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用される、全経路を表示する経路アウトライン画面の例を示す図である。
【図8】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用される、有料道路のみを表示する経路アウトライン画面の例を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用される、一般道路のみを表示する経路アウトライン画面の例を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用される個別道路の詳細情報を表示する画面の例を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用される代替経路選択画面の例を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用される、代替経路の変更を反映した全体経路を表示する画面の例を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用される旅程リスト画面の例を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態2に係るナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【図15】この発明の実施の形態3に係るナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0067】
1 ナビゲーションユニット、2 モニタ、3 リモコン、4 オーティオスピーカ、5 外部メモリ、10 制御部、11 ディスクドライブ装置、11a 記録媒体、12 地図データ保管部、13 GPS受信機、14 車速センサ、15 ジャイロセンサ、16 道路情報受信機、21 リモコン受光部、100 HMI部、110 地図表示部、120 マップマッチング部、130 経路探索部、140 誘導案内部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を算出する現在位置算出手段と、
目的地および経由地を入力する入力手段と、
前記現在位置算出手段によって算出された現在位置から前記入力手段によって入力された目的地または経由地までの経路を探索する経路探索部と、
前記経路探索部によって探索された経路を案内する誘導案内部
とを備えたナビゲーション装置において、
前記経路探索部によって探索された経路に特殊道路が含まれる場合に、該探索された経路に含まれる特殊道路の使用可否を個々に選択させる制御部を備え、
前記経路探索部は、前記制御部の制御により使用可が選択された特殊道路を含む経路を再探索する
ナビゲーション装置。
【請求項2】
制御部は、経路探索部によって探索された経路に特殊道路が含まれる場合に、該探索された経路に含まれる特殊道路を表示し、各特殊道路の使用可否を選択させる
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
制御部は、前記経路探索部による経路探索の前に、経路条件として特殊道路の使用可否を設定させ、
経路探索部は、前記制御部によって特殊道路の使用可が設定された場合に、現在位置算出手段によって算出された現在位置から入力手段によって入力された目的地または経由地までの経路を探索する
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
制御部は、経路探索部によって探索された経路に特殊道路が含まれる場合に、該探索された経路に含まれる特殊道路を表示し、各特殊道路の使用可否を選択させる
ことを特徴とする請求項3記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
経路探索部は、経路探索の前に制御部の制御によって経路条件として特殊道路の使用可否が設定されなくても、現在位置算出手段によって算出された現在位置から入力手段によって入力された目的地または経由地までの経路を探索し、
前記制御部は、前記経路探索部によって探索された経路に特殊道路が含まれる場合に、該探索された経路に含まれる特殊道路を表示し、各特殊道路の使用可否を選択させる
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
制御部は、経路探索部による探索の後に、推奨経路を表示し、その中から1つの経路を選択させる
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
制御部は、表示される特殊道路に関連付けて情報ボタンを表示し、該情報ボタンが選択された場合に該情報ボタンに関連付けられている特殊道路の詳細情報を表示する
ことを特徴とする請求項4記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−122199(P2008−122199A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−305584(P2006−305584)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】