説明

ナビゲーション装置

【課題】後席側で経由地の設定が変更されたこと、および、当該経由地の位置の目安を運転者に違和感を与えることなく通知する。
【解決手段】前席側制御装置100で経路誘導処理を行っている際に、後席側制御装置200のスイッチ25からの入力によって経由地が変更されると、変更された経由地の位置の目安を示すステータスバー150を前席表示モニタ14の経路誘導画面上に表示するように構成した。ステータスバー150は、前席表示モニタ14の表示面の下辺に沿って左右に延在するように表示される簡易図形であり、出発地、目的地、自車位置および後席側で変更された経由地の位置関係を示すものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路探索結果に基づいて経路誘導を行うナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、前席モニタと後席モニタにナビゲーション用の地図画面を表示し、後席から仮の目的地を設定すると前席に仮の目的地が表示されるナビゲーション装置が開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−243483号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来のナビゲーション装置では、前席モニタで地図を表示している現在の縮尺では、自車位置を示す自車位置マークと、後席から設定された目的地とを一画面内に表示できない場合には、自車位置マークと新たに設定された目的地とを表示できるように前席モニタにおける地図表示の縮尺が変更されてしまう。そのため、運転者の意志に反して前席モニタの地図表示の縮尺が変更されることとなり、運転者に違和感を与えてしまう。このことは、後席から経由地の設定を変更した場合でも同様である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1) 請求項1の発明によるナビゲーション装置は、各種設定を入力する第1の入力装置と、各種処理を行う第1の制御回路と、第1の制御回路で処理した結果を表示する第1の表示モニタとを有する第1の処理装置と、各種設定を入力する第2の入力装置と、各種処理を行う第2の制御回路と、第2の制御回路で処理した結果を表示する第2の表示モニタとを有する第2の処理装置とを備え、第2の入力装置からの入力によって経由地が変更されると、第1の表示モニタに表示中の経路誘導画面上に、変更された経由地の位置の目安を示す簡易図形を表示することを特徴とする。
(2) 請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、経路誘導画面の表示形態を変更することなく簡易図形を重畳的に表示することを特徴とする。
(3) 請求項3の発明は、請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置において、第2の入力装置からの入力によって経由地が変更されると、第1の表示モニタに表示中の経路誘導画面上に、当該変更された経由地に関する詳細情報の表示を指示するためのボタンを表示することを特徴とする。
(4) 請求項4の発明は、請求項3に記載のナビゲーション装置において、ボタンは、簡易図形上の経由地を示すアイコンであることを特徴とする。
(5) 請求項5の発明は、請求項3に記載のナビゲーション装置において、ボタンは、簡易図形上の経由地を示すアイコンとは別に表示されるボタンであることを特徴とする。
(6) 請求項6の発明は、請求項1〜5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、簡易図形を第2の表示モニタにも表示することを特徴とする。
(7) 請求項7の発明は、請求項6に記載のナビゲーション装置において、経由地の変更が第1の処理装置で許可されるか否かによって、第2の表示モニタに表示される簡易図形の表示形態が異なることを特徴とする。
(8) 請求項8の発明は、請求項1〜7のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、第1の処理装置は、車両の前席側に配設され、第2の処理装置は、車両の後席側に配設されることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、第2の入力装置で経由地の設定が変更されたこと、および、当該経由地の位置の目安を第1の表示モニタを見る者に違和感を与えることなく通知できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1〜8を参照して、本発明によるナビゲーション装置を車載用途のカーナビゲーション装置に適用した一実施の形態を説明する。図1は、本実施の形態のカーナビゲーション装置の全体構成を示す図である。カーナビゲーション装置1は、車両位置周辺の道路地図を表示する機能、出発地から目的地までの推奨経路を演算する機能、演算された推奨経路に基づいて経路誘導を行う機能など、車両の走行に関する情報を提示する機能を兼ね備えている。カーナビゲーション装置1は、いわゆるナビゲーションあるいは道路案内などを行う装置である。
【0008】
図1において、11は車両の現在地を検出する現在地検出装置であり、たとえば車両の進行方位を検出するジャイロセンサ11a、GPS(Global Positioning System)衛星からのGPS信号を検出するGPSセンサ11b、車速を検出する車速センサ11c等から成る。12はナビゲーション処理に使用する道路地図データやPOI情報(Point of Interest 観光地や各種施設の情報)など各種の情報を格納する地図記憶装置であり、ハードディスク装置が用いられている。なお、地図記憶装置12は、ハードディスク装置以外にも、道路地図データが格納されたCD−ROMやDVD、その他の記録媒体、および、その読み出し装置であってもよい。
【0009】
道路地図データは、地図に関する情報であり、地図表示用データ、経路探索用データ、誘導データ(交差点名称・道路名称・方面名称・方向ガイド施設情報など)などから成る。地図表示用データは道路や道路地図の背景を表示するためのデータである。経路探索用データは、道路形状とは直接関係しない分岐情報などから成るデータであり、主に推奨経路を演算(経路探索)する際に用いられる。誘導データは、交差点の名称などから成るデータであり、演算された推奨経路に基づき運転者等に推奨経路を誘導する際に用いられる。
【0010】
100は車両の前席側に設けられた前席側制御装置であり、CPU101およびその周辺回路から成る。CPU101およびその周辺回路は互いにバスで接続されている。周辺回路は、メモリ102、パラレルI/O103、A/D変換器104、シリアルI/O105、カウンタ106、グラフィックコントローラ107、画像メモリ108、1394I/F109等から成る。14は車室内の前席乗員が視認可能な位置に配設されて、地図や各種情報を表示する前席表示モニタである。15は前席側の乗員が車両の目的地等の入力など、各種操作入力を行うためのスイッチである。スイッチ15は、前席表示モニタ14の画面上に設けられたタッチパネルスイッチや、カーソルの移動や画面のスクロールを指示するジョイスティックなどを含む。スイッチ15は、リモコンスイッチであってもよく、表示画面周辺に設けられたスイッチであってもよい。
【0011】
前席側制御装置100のメモリ102は、制御プログラムを格納するROMおよび作業エリアのRAMを含むメモリである。CPU101は、メモリ102にアクセスして制御プログラムを実行し、各種の制御を行う。パラレルI/O103は、スイッチ15を構成する個別のスイッチ等が接続されるパラレルI/Oポートである。A/D変換器104は、ジャイロセンサ11aのアナログ信号をA/D変換する変換器である。シリアルI/O105は、GPSセンサ11bからのシリアル信号を受信するシリアルI/Oポートである。カウンタ106は、たとえば車軸の回転に伴って車速センサ11cから出力されるパルス信号をカウントするカウンタである。
【0012】
グラフィックコントローラ107は、CPU101から出力される表示データを、画像データとして画像メモリ(ビデオRAM)であるメモリ108に格納し、メモリ108に格納された画像データを前席表示モニタ14に表示するための制御を行う。CPU101から出力される表示データは、各種の文字データや道路地図などの各種の図形データなどから成る。前席側制御装置100は、前席表示モニタ14の表示制御装置として機能する。1394I/F109は、前席側制御装置100を地図記憶装置12、および、後述する後席側制御装置200へ接続するためのインターフェースであり、IEEE1394またはIDB−1394の規格に準拠した通信インターフェースである。1394I/F109は、地図記憶装置12に設けられた不図示のI/F、および、後席側制御装置200に設けられた1394I/F209に接続されている。
【0013】
200は車両の後席側に設けられた後席側制御装置であり、CPU201およびその周辺回路から成る。CPU201およびその周辺回路は互いにバスで接続されている。周辺回路は、メモリ202、パラレルI/O203、グラフィックコントローラ207、画像メモリ208、1394I/F209等から成る。24は車室内の後席乗員が視認可能な位置に配設されて、DVD再生装置26で再生された映像や、前席側制御装置100から送信された地図情報や各種情報などを表示する後席表示モニタである。25は後席側の乗員が各種操作入力を行うためのスイッチである。スイッチ25は、後席表示モニタ24の画面上に設けられたタッチパネルスイッチや、カーソルの移動や画面のスクロールを指示するジョイスティックなどを含む。スイッチ25は、リモコンスイッチであってもよく、表示画面周辺に設けられたスイッチであってもよい。26は映像や楽曲を記録したDVDを再生するDVD再生装置である。
【0014】
後席側制御装置200のメモリ202は、制御プログラムを格納するROMおよび作業エリアのRAMを含むメモリである。CPU201は、メモリ202にアクセスして制御プログラムを実行し、各種の制御を行う。パラレルI/O203は、スイッチ25を構成する個別のスイッチ等が接続されるパラレルI/Oポートである。
【0015】
グラフィックコントローラ207は、DVD再生装置26から出力された映像信号や、前席側制御装置100から送信された表示データ、CPU201から出力される表示データなどを、画像データとして画像メモリ(ビデオRAM)であるメモリ208に格納する。そして、グラフィックコントローラ207は、メモリ208に格納された画像データを後席表示モニタ24に表示するための制御を行う。後席側制御装置200は、後席表示モニタ24の表示制御装置として機能する。1394I/F209は、後席側制御装置200をDVD再生装置26、および、前席側制御装置100へ接続するためのインターフェースであり、IEEE1394またはIDB−1394の規格に準拠した通信インターフェースである。1394I/F209は、DVD再生装置26に設けられた不図示のI/F、および、前席側制御装置100に設けられた1394I/F109に接続されている。
【0016】
このように構成されるカーナビゲーション装置1は、現在地検出装置11により取得した自車位置情報および地図記憶装置12に格納されている道路地図データに基づき各種のナビゲーションを行う。たとえば、前席側制御装置100のCPU101は、自車位置近辺の道路地図および自車位置を前席表示モニタ14に表示し、経路探索によって得られた経路(推奨経路)に沿って運転者を誘導するように各部を制御する。後席側制御装置200のCPU201は、DVD再生装置26から出力された映像や楽曲の信号に基づいて、映像を後席表示モニタ24に表示するように、また、音声を不図示のスピーカから出力するように各部を制御する。
【0017】
本実施の形態のカーナビゲーション装置1では、前席側制御装置100側で演算された推奨経路に基づく経路誘導の最中に、後席乗員が後席側制御装置200側で経由地の変更を入力すると、変更入力された経由地のおおよその位置を示す簡易図形が前席表示モニタ14に表示される。前席乗員による経由地変更の許可が前席側制御装置100側で入力されると、経由地の変更を反映するように前席側制御装置100側で演算された新たな推奨経路に基づいて、経路誘導が開始される。以下、詳述する。
【0018】
図2は、前席側制御装置100のCPU101で演算された推奨経路に基づいて経路誘導処理が行われている最中に、後席側制御装置200側で新たな経由地が追加された際の、各表示モニタ14,24における画面遷移を示した図である。前席側制御装置100のCPU101で演算された推奨経路に基づいて経路誘導処理がなされている場合には、図2(a)の表示画面14aに示すように、前席表示モニタ14には、自車位置付近の地図と、自車位置マーク140と、推奨経路141とが重畳的に表示される。
【0019】
後席側の乗員によってスイッチ25から推奨経路の設定状態を尋ねる旨の指示が入力されると、後席側制御装置200のCPU201は、1394I/F209を介して、設定確認要求信号を前席側制御装置100へ送出する。前席側制御装置100のCPU101は、1394I/F109を介して後席側制御装置200から設定確認要求信号を受信すると、1394I/F109を介して推奨経路情報を後席側制御装置200へ送信する。なお、以下の説明では、それぞれのCPU101,201が行う、1394I/F109,209を介した信号の送受信を単に相手側の制御装置100,200への信号の送信、または、相手側の制御装置100,200からの信号の受信、などと略して記載する。
【0020】
後席側制御装置200のCPU201は、前席側制御装置100から推奨経路情報を受信すると、図2(d)の表示画面24aに示すように、後席表示モニタ24に、自車位置付近の地図と、自車位置マーク240と、推奨経路241と、すでに設定されている経由地(不図示)とを重畳的に表示させる。なお、表示画面24aでは、前席表示モニタ14に表示された地図の表示範囲よりも広い範囲を表示しているが、前席表示モニタ14に表示された地図の表示範囲と同じ範囲(同じ縮尺率)の地図を表示してもよく、異なる表示範囲(異なる縮尺率)の地図を表示してもよい。
【0021】
ここでたとえば後席乗員によって、経由地Aを追加するようにスイッチ25が操作されると、図2(e)の表示画面24bに示すように、後席表示モニタ24には追加された経由地Aが地図画面上に重畳的に表示される。
【0022】
なお、本実施の形態のカーナビゲーション装置1では、各表示モニタ14,24に表示される表示画面について、それぞれの表示モニタ14,24で独立して表示倍率(縮尺)が変更可能に構成されている。また、各表示モニタ14,24に表示される地図のスクロール動作を、それぞれの表示モニタ14,24で独立して実施可能に構成されている。すなわち、本実施の形態のカーナビゲーション装置1では、各表示モニタ14,24についての地図画面の表示に関する操作を、相手側の表示モニタ14,24の表示画面に影響を与えることなく、独立して実施できる。したがって、後席乗員は、前席表示モニタ14の推奨経路の表示や、この推奨経路に基づいた運転者に対する経路誘導に影響を与えることなく、後席表示モニタ24に表示された地図画面を自由にスクロール、拡大/縮小でき、容易に追加する経由地の表示や設定を行うことができる。
【0023】
また、経由地の設定に際して、スイッチ25の操作によって、地図記憶装置12に格納されたPOI情報を読み出して後席表示モニタ24に表示させることもできる。これにより、後席乗員は、後席表示モニタ24に表示されたPOI情報を参照して、経由地を選択できる。POI情報として、たとえば、観光施設の内容や、営業時間、料金などが挙げられる。
【0024】
後席乗員によって、上述のように追加する経由地Aが入力されて、追加経由地の情報を前席側制御装置100へ送信する旨の指示がスイッチ25から入力されると、経由地Aの情報が経由地変更情報(追加経由地設定情報)として前席側制御装置100へ送信される。前席側制御装置100のCPU101は、後席側制御装置200から追加経由地設定情報を受信すると、追加された経由地Aを経由するように新たな推奨経路をバックグラウンドで演算する。すなわち、CPU101は、すでに行われている経路誘導を中断しないように、経由地Aが追加される前の推奨経路に基づいた経路誘導を行いつつ、経由地Aが追加された新たな推奨経路を演算する。この段階では、新たな推奨経路による経路誘導は行われない。
【0025】
そして、CPU101は、演算結果に基づいて、図2(b)の表示画面14bに示すように、自車位置や経由地Aの位置関係を示す、後述するステータスバー150を表示させる。なお、ステータスバー150は、経路誘導を阻害しないように前席表示モニタ14の下端近傍に表示される。ステータスバー150の表示に際して、前席表示モニタ14に表示されている経路誘導画面の表示形態は変更されず、地図表示の縮尺率が自動的に変更されることはない。なお、ステータスバー150が表示される際に、報知音などの音声出力を行うことで、運転者に後席側で経由地を変更したこと報知するようにしてもよい。
【0026】
また、CPU101はバックグラウンドでの演算結果と、ステータスバー150の表示用のデータとを後席側制御装置200へ送信する。後席側制御装置200のCPU201は、前席側制御装置100から演算結果および表示用のデータを受信すると、図2(f)の表示画面24cに示すように、後席表示モニタ24の下端近傍にステータスバー150を表示させる。なお、CPU101で演算された新たな推奨経路に関する演算結果に基づいて、後席表示モニタ24に表示するためのステータスバー150の表示用のデータを後席側制御装置200のCPU201で生成するようにしてもよい。
【0027】
図3にステータスバー150の詳細を示す。ステータスバー150は、前席表示モニタ14の表示面の下辺に沿って左右に延在するように表示される簡易図形であり、出発地、目的地、自車位置および後席側で変更された経由地の位置関係を示すものである。ステータスバー150の一端側の端部は出発地に相当する出発地アイコン151であり、他端側の端部は目的地に相当する目的地アイコン152である。153は、推奨経路表示であって、出発地アイコン151と目的地アイコン152とを結ぶ帯状の図形であり、後席側で入力された経由地の変更が反映された後の推奨経路に相当する。154は自車位置を示す自車位置アイコンであり、155は後席側で変更された経由地を示す経由地アイコンである。
【0028】
自車位置アイコン154および経由地アイコン155は、経由地の変更が反映された後の推奨経路上における自車位置および後席側で変更された経由地の位置(距離)に対応するように、推奨経路表示153上に表示される。たとえば、図3の場合では、出発地から目的地までの距離のおおよそ1/4の距離だけ車両が出発地から走行し、出発地から目的地までの距離のおおよそ1/2の距離だけ出発地から離れた位置に、後席側で変更された経由地が存在する場合を示している。自車位置アイコン154は、推奨経路表示153の約1/4の長さ分だけ出発地アイコン151から離れた位置に表示され、経由地アイコン155は、左右に延在する推奨経路表示153のおおよそ中間位置に表示される。このように、自車位置アイコン154および経由地アイコン155は、自車位置および変更された経由地の位置の目安を示す。
【0029】
自車位置アイコン154は車両の進行に伴って推奨経路表示153上を移動するように表示される。経由地アイコン155は、後述するように、前席側で経由地の変更が許可されるまでは点滅し、前席側で経由地の追加が許可されるか削除が拒否されると点灯し、前席側で経由地の削除が許可されるか追加が拒否されると消灯して表示されなくなる。以下の説明では、経由地アイコン155が消灯して表示されなくなることを単に消灯すると称する。図2(b)の表示画面14bでは、経由地アイコン155が点滅している状態、すなわち、前席側の判断を待っている状態を示している。
【0030】
前席表示モニタ14にステータスバー150が表示された後、所定時間(たとえば20秒)の間に、前席表示モニタ14に表示された経由地アイコン155が押圧されると、図2(c)の表示画面14cに示すように、CPU101は自車位置と後席側で変更された経由地とが同時に1画面表示されるように地図表示の縮尺率を変更する。また、CPU101は、後席側で追加された経由地の詳細情報を示す詳細情報表示160aを地図表示画面に重畳表示させる。
【0031】
図4(a)に、詳細情報表示160aの詳細を示す。詳細情報表示160aには、後席側で変更(追加)された経由地の名称、住所、電話番号、営業時間などの詳細を示す表示161と、前席乗員に対して経由地を追加するか否かを問い合わせる表示162と、許可ボタン163と、拒否ボタン164と、戻るボタン165とが表示される。表示161の表示内容は一例であり、経由地によって適宜変更されていてもよい。
【0032】
なお、図4(b)は、後に述べる、すでに設定されている経由地を後席側で削除した場合に表示される詳細情報表示160bである。詳細情報表示160bでは、上述した詳細情報表示160aと比較して、前席乗員に対して経由地を追加するか否かを問い合わせる表示162の代わりに、経由地を削除するか否かを問い合わせる表示166が表示される。
【0033】
許可ボタン163は、経由地変更を許可することを指示するタッチパネルスイッチである。拒否ボタン164は、経由地変更を拒否することを指示するタッチパネルスイッチである。戻るボタン165は、前画面(図2(b)または後述する図6(b))へ戻ることを指示するタッチパネルスイッチである。
【0034】
前席乗員によって、詳細情報表示160aの許可ボタン163が押圧されると、CPU101は、経由地追加前の推奨経路141を破棄して、図5(a)の表示画面14dに示すように、前席表示モニタ14に、自車位置付近の地図と、自車位置マーク140と、新たな推奨経路142と重畳的に表示させる。なお、CPU101は、経由地アイコン155が押圧される直前の縮尺率と同じ縮尺率で前席表示モニタ14に地図を表示させる。また、CPU101は、推奨経路が再設定された旨を示す表示180を前席表示モニタ14の画面上部に所定時間だけ表示させるとともに、経由地アイコン155の点灯状態を点滅から点灯に変更し、その後、所定時間後にステータスバー150の表示を中止する(不図示)。そして、CPU101は、新たな推奨経路に基づいて経路誘導処理を開始する。
【0035】
また、詳細情報表示160aの許可ボタン163が押圧されると、CPU101は経由地の追加を許可する旨の信号(許可信号)を後席側制御装置200に送信する。後席側制御装置200のCPU201は、前席側制御装置100から許可信号を受信すると、図5(c)の表示画面24dに示すように、経由地追加前の推奨経路241を破棄して、後席表示モニタ24に、出発地、経由地A、および新たな推奨経路242を地図画面とともに重畳的に表示させる。また、CPU201は、推奨経路が再設定された旨を示す表示180を後席表示モニタ24の画面上部に所定時間だけ表示させるとともに、経由地アイコン155の点灯状態を点滅から点灯に変更し、その後、所定時間後にステータスバー150の表示を中止する(不図示)。
【0036】
前席乗員によって、詳細情報表示160aの拒否ボタン164が押圧されると、CPU101は、バックグラウンドで演算した新たな推奨経路を破棄し、図5(b)の表示画面14eに示すように、経由地追加前の推奨経路141に基づいた経路誘導処理を継続する。なお、CPU101は、経由地アイコン155が押圧される直前の縮尺率と同じ縮尺率で前席表示モニタ14に地図を表示させる。また、CPU101は、詳細情報表示160aの表示を中止するとともに、経由地アイコン155の点灯状態を点滅から消灯に変更し、その後、所定時間後にステータスバー150の表示を中止する(不図示)。
【0037】
また、詳細情報表示160aの拒否ボタン164が押圧されると、CPU101は経由地の追加を拒否する旨の信号(拒否信号)を後席側制御装置200に送信する。後席側制御装置200のCPU201は、前席側制御装置100から拒否信号を受信すると、図5(d)の表示画面24eに示すように、経由地の追加が認められなかった旨の表示190を後席表示モニタ24に所定時間だけ表示させる。また、CPU201は、追加された経由地Aを薄い灰色で表示するとともに、経由地アイコン155の点灯状態を点滅から消灯に変更し、その後、所定時間後に経由地Aおよびステータスバー150の表示を中止する(不図示)。なお、後席側制御装置200では、別途新たな経由地をスイッチ25から入力することができ、新たな経由地が入力されると、上述した処理が再び実行されることとなる。
【0038】
前席表示モニタ14でステータスバー150が表示された後、前席乗員によって所定時間(たとえば20秒)の間、経由地アイコン155が押圧されなかった場合、前席乗員によって、詳細情報表示160aの拒否ボタン164が押圧されたときと同様の処理がCPU101,201で実行される。
【0039】
上述の説明では、後席側制御装置200側で新たな経由地が追加された場合について説明したが、すでに設定されている経由地が後席側制御装置200側で削除された場合も同様である。たとえば、図6,7は、前席側制御装置100のCPU101で演算された推奨経路に基づいて経路誘導処理が行われている最中に、すでに設定されている経由地が後席側制御装置200側で削除された際の、各表示モニタ14,24における画面遷移を示した図である。
【0040】
後席側の乗員によってスイッチ25から推奨経路の設定状態を尋ねる旨の指示が入力されると、後席側制御装置200のCPU201は、設定確認要求信号を前席側制御装置100へ送出する。前席側制御装置100のCPU101は、後席側制御装置200から設定確認要求信号を受信すると、推奨経路情報を後席側制御装置200へ送信する。
【0041】
後席側制御装置200のCPU201は、前席側制御装置100から推奨経路情報を受信すると、図6(d)の表示画面24fに示すように、後席表示モニタ24に、自車位置付近の地図と、自車位置マーク240と、推奨経路241と、すでに設定されている経由地(本図では経由地A)とを重畳的に表示させる。ここでたとえば後席乗員によって、経由地Aを削除するようにスイッチ25が操作されると、図6(e)の表示画面24gに示すように、後席表示モニタ24には削除された経由地Aが薄い灰色で表示される。
【0042】
後席乗員によって、上述のように経由地Aの削除をする入力がされて、削除経由地の情報を前席側制御装置100へ送信する旨の指示がスイッチ25から入力されると、経由地Aの情報が経由地変更情報(削除経由地設定情報)として前席側制御装置100へ送信される。前席側制御装置100のCPU101は、後席側制御装置200から削除経由地設定情報を受信すると、削除された経由地Aを経由しないように新たな推奨経路をバックグラウンドで演算する。すなわち、CPU101は、すでに行われている経路誘導を中断しないように、経由地Aが削除される前の推奨経路に基づいた経路誘導を行いつつ、経由地Aを経由しない新たな推奨経路を演算する。この段階では、新たな推奨経路による経路誘導は行われない。
【0043】
そして、CPU101は、図6(b)の表示画面14gに示すように、経由地Aを削除する前の推奨経路における、自車位置や経由地Aの位置関係を示すステータスバー150を表示させる。すなわち、すでに設定されている経由地が後席側制御装置200側で削除された場合には、自車位置アイコン154および経由地アイコン155は、経由地の変更が反映される前の推奨経路における自車位置および後席側で変更(削除)された経由地の位置(距離)に対応するように、推奨経路表示153上に表示される。ステータスバー150の表示に際して、前席表示モニタ14に表示されている経路誘導画面の地図表示の縮尺率が自動的に変更されることはない。
【0044】
また、CPU101はバックグラウンドでの演算結果と、ステータスバー150の表示用のデータとを後席側制御装置200へ送信する。後席側制御装置200のCPU201は、前席側制御装置100から演算結果および表示用のデータを受信すると、図6(f)の表示画面24hに示すように、後席表示モニタ24の下端近傍にステータスバー150を表示させる。
【0045】
前席表示モニタ14にステータスバー150が表示された後、所定時間(たとえば20秒)の間に、前席表示モニタ14に表示された経由地アイコン155が押圧されると、図6(c)の表示画面14hに示すように、CPU101は自車位置と後席側で削除された経由地とが同時に1画面表示されるように地図表示の縮尺率を変更する。また、CPU101は、後席側で削除された経由地の詳細情報を示す詳細情報表示160bを地図表示画面に重畳表示させる。詳細情報表示160bの詳細は図4(b)に示すとおりである。
【0046】
前席乗員によって、詳細情報表示160bの許可ボタン163が押圧されると、CPU101は、経由地削除前の推奨経路141を破棄して、図7(a)の表示画面14iに示すように、前席表示モニタ14に、自車位置付近の地図と、自車位置マーク140と、新たな推奨経路142と重畳的に表示させる。なお、CPU101は、経由地アイコン155が押圧される直前の縮尺率と同じ縮尺率で前席表示モニタ14に地図を表示させる。また、CPU101は、推奨経路が再設定された旨を示す表示180を前席表示モニタ14の画面上部に所定時間だけ表示させるとともに、経由地アイコン155の点灯状態を点滅から消灯に変更し、その後、所定時間後にステータスバー150の表示を中止する(不図示)。そして、CPU101は、新たな推奨経路に基づいて経路誘導処理を開始する。
【0047】
また、詳細情報表示160bの許可ボタン163が押圧されると、CPU101は経由地の削除を許可する旨の信号(許可信号)を後席側制御装置200に送信する。後席側制御装置200のCPU201は、前席側制御装置100から許可信号を受信すると、図7(c)の表示画面24iに示すように、経由地削除前の推奨経路241を破棄して、後席表示モニタ24に、出発地、経由地A、および新たな推奨経路242を地図画面とともに重畳的に表示させる。なお、経由地Aは、薄い灰色で表示される。また、CPU201は、推奨経路が再設定された旨を示す表示180を後席表示モニタ24の画面上部に所定時間だけ表示させるとともに、経由地アイコン155の点灯状態を点滅から消灯に変更し、その後、所定時間後に経由地Aおよびステータスバー150の表示を中止する(不図示)。
【0048】
前席乗員によって、詳細情報表示160bの拒否ボタン164が押圧されると、CPU101は、バックグラウンドで演算した新たな推奨経路を破棄し、図7(b)の表示画面14jに示すように、経由地削除前の推奨経路141に基づいた経路誘導処理を継続する。なお、CPU101は、経由地アイコン155が押圧される直前の縮尺率と同じ縮尺率で前席表示モニタ14に地図を表示させる。また、CPU101は、詳細情報表示160bの表示を中止するとともに、経由地アイコン155の点灯状態を点滅から点灯に変更し、その後、所定時間後にステータスバー150の表示を中止する(不図示)。
【0049】
また、詳細情報表示160bの拒否ボタン164が押圧されると、CPU101は経由地の追加を拒否する旨の信号(拒否信号)を後席側制御装置200に送信する。後席側制御装置200のCPU201は、前席側制御装置100から拒否信号を受信すると、図7(d)の表示画面24jに示すように、経由地の追加が認められなかった旨の表示190を後席表示モニタ24に所定時間だけ表示させる。また、CPU201は、削除された経由地Aの表示を削除前の元の色で表示するとともに、経由地アイコン155の点灯状態を点滅から点灯に変更し、その後、所定時間後にステータスバー150の表示を中止する(不図示)。なお、後席側制御装置200では、別途新たな経由地の削除をスイッチ25から入力することができ、新たな経由地の削除が入力されると、上述した処理が再び実行されることとなる。
【0050】
前席表示モニタ14でステータスバー150が表示された後、前席乗員によって所定時間(たとえば20秒)の間、経由地アイコン155が押圧されなかった場合、前席乗員によって、詳細情報表示160aの拒否ボタン164が押圧されたときと同様の処理がCPU101,201で実行される。
【0051】
このように、本実施の形態のカーナビゲーション装置1では、前席側制御装置100のCPU101で演算された推奨経路に基づく経路誘導処理の最中であっても、運転者に対する経路誘導を中断することなく、後席側制御装置200側で経由地の変更を設定できる。経由地変更情報を受信したCPU101は、バックグラウンドで新たな推奨経路を演算するとともに、すでに行われている経路誘導を阻害しないように前席表示モニタ14の下端近傍に、出発地、目的地、自車位置および後席側で変更された経由地の位置関係を示すステータスバー150を表示させる。
【0052】
後席側制御装置200側で変更設定された経由地を推奨経路に反映させるか否かは、前席側制御装置100への入力指示によって決定される。経由地の変更を許可する(すなわち新たな推奨経路による経路誘導開始する)指示が前席乗員によって入力されると、CPU101は、新たな推奨経路に基づいて経路誘導処理を開始するよう各部を制御する。また、前席乗員によって経由地の変更を拒否する指示が入力されると、CPU101は、経由地追加前の推奨経路に基づいて経路誘導処理を継続するよう各部を制御する。
【0053】
−−−フローチャート−−−
図8は、経路誘導処理の最中に後席側制御装置200側で経由地を変更設定する際に、各CPU101,201で実行されるプログラムの動作を示すフローチャートを併記した図である。なお、以下の説明では、すでにCPU101で演算された推奨経路に基づいて経路誘導処理が行われていることを前提とする。後席側の乗員によってスイッチ25から推奨経路の設定状態を尋ねる旨の指示が入力されると、以下に説明する処理を行うプログラムが起動されて、後席側制御装置200のCPU201で実行される。ステップS201において、1394I/F209を介して、設定確認要求信号を前席側制御装置100へ送出してステップS203へ進む。ステップS203において、前席側制御装置100から推奨経路情報を受信するまで待機する。
【0054】
ステップS203が肯定判断されるとステップS205へ進み、前席側制御装置100から受信した推奨経路情報に基づいて、図2(d)の表示画面24aまたは図6(d)の表示画面24fに示すように、後席表示モニタ24に、自車位置付近の地図と、自車位置マーク240と、推奨経路241と、すでに設定されている経由地とを重畳的に表示させてステップS207へ進む。ステップS207において、経由地の変更に関する入力がされて、経由地変更情報を前席側制御装置100へ送信する旨の指示がスイッチ25から入力されるまで待機する。ステップS207が肯定判断されるとステップS209へ進み、経由地変更情報を前席側制御装置100へ送信してステップS211へ進む。
【0055】
ステップS211において、前席側制御装置100から新たな推奨経路の情報とステータスバー150の表示用のデータとを受信するまで待機する。ステップS211が肯定判断されるとステップS213へ進み、図2(f)の表示画面24cまたは図6(f)の表示画面24hに示すように、後席表示モニタ24の下端近傍にステータスバー150を表示させてステップS215へ進む。ステップS215において、前席側制御装置100から許可信号または拒否信号を受信するまで待機する。ステップS215が肯定判断されるとステップS217へ進み、受信した信号が許可信号であるか否かを判断する。
【0056】
ステップS217が肯定判断されるとステップS219へ進み、図5(c)の表示画面24dまたは図7(c)の表示画面24iに示すように、経由地追加前の推奨経路241を破棄し、経由地を追加した後の推奨経路242を推奨経路として表示させてステップS221へ進む。ステップS221において、後席表示モニタ24のアイコンの表示状態を変更する。すなわち、経由地追加が許可された場合には経由地アイコン155の点灯状態を点滅から点灯に変更し、経由地削除が許可された場合には経由地アイコン155の点灯状態を点滅から消灯に変更して、ステップS223へ進む。ステップS223において、所定時間後に表示されているステータスバー150を消去してリターンする。
【0057】
ステップS217が否定判断されるとステップS231へ進み、図5(d)の表示画面24eまたは図7(d)の表示画面24jに示すように、経由地の追加が認められなかった旨の表示190を後席表示モニタ24に所定時間だけ表示させてステップS233へ進む。ステップS223において、経由地を変更した後の推奨経路を破棄し、経由地変更前の表示画面を後席表示モニタ24に表示させてステップS235へ進む。ステップS235において、後席表示モニタ24の各アイコンの表示状態を変更する。すなわち、経由地追加が拒否された場合には追加された経由地Aを薄い灰色で表示するとともに、経由地アイコン155の点灯状態を点滅から消灯に変更する。経由地削除が拒否された場合には削除された経由地Aの表示を削除前の元の色で表示するとともに、経由地アイコン155の点灯状態を点滅から消灯に変更する。ステップS235が実行されるとステップS237へ進み、所定時間後に表示されているステータスバー150を消去する。また、経由地追加が拒否された場合には薄い灰色で表示している経由地Aの表示を中止する。ステップS237が実行されるとリターンする。
【0058】
前席側制御装置100では、後席側制御装置200から設定確認要求信号を受信すると、以下に説明する処理を行うプログラムが起動されて、CPU101ですでに実行されている経路誘導演算に割り込んで、経路誘導演算のバックグラウンドで実行される。ステップS101において、すでに演算されている推奨経路の情報を推奨経路情報として後席側制御装置200へ送信してリターンする。
【0059】
また、前席側制御装置100では、後席側制御装置200から経由地変更情報を受信すると、以下に説明する処理を行うプログラムが起動されて、CPU101ですでに実行されている経路誘導演算に割り込んで、経路誘導演算のバックグラウンドで実行される。ステップS111において、経由地の変更を反映した推奨経路を演算するとともにステータスバー150の表示用のデータを生成してステップS113へ進む。ステップS113において、ステップS111で演算した新たな推奨経路の情報と、生成したステータスバー150の表示用のデータとを後席側制御装置200へ送信してステップS115へ進む。
【0060】
ステップS115において、図2(b)の表示画面14bまたは図6(b)の表示画面14gに示すように、前席表示モニタ14の下端近傍にステータスバー150を表示させてステップS117へ進む。ステップS117において、経由地アイコン155が所定時間内に押圧されたか否かを判断する。ステップS117が肯定判断されるとステップS119へ進み、図2(c)の表示画面14cまたは図6(c)の表示画面14hに示すように、自車位置と後席側で変更された経由地とが同時に1画面表示されるように地図表示の縮尺率を変更するとともに詳細情報表示160aまたは160bを地図表示画面に重畳表示させてステップS121へ進む。
【0061】
ステップS121において、戻るボタン165が押圧されたか否かを判断する。ステップS121が否定判断されるとステップS123へ進み、拒否ボタン164が押圧されたか否かを判断する。
【0062】
ステップS123が否定判断されるとステップS125へ進み、許可ボタン163が押圧されたか否かを判断する。ステップS125が否定判断されるとステップS121へ戻る。ステップS125が肯定判断されるとステップS127へ進み、後席側制御装置200に許可信号を送信してステップS129へ進む。ステップS129において、図5(a)の表示画面14dまたは図7(a)の表示画面14iに示すように、経由地アイコン155が押圧される直前の縮尺率と同じ縮尺率で前席表示モニタ14に地図を表示させ、経由地追加前の推奨経路141を破棄して、経由地を変更した後の推奨経路142を推奨経路として前席表示モニタ14に表示させるとともに、新たな推奨経路に基づいた経路誘導処理を開始してステップS133へ進む。
【0063】
ステップS133において、前席表示モニタ14のアイコンの表示状態を変更する。すなわち、経由地追加が許可された場合には経由地アイコン155の点灯状態を点滅から点灯に変更し、経由地削除が許可された場合には経由地アイコン155の点灯状態を点滅から消灯に変更して、ステップS135へ進む。ステップS135において、所定時間後に表示されているステータスバー150を消去してリターンする。
【0064】
ステップS117が否定判断されるかステップS123が肯定判断されるとステップS143へ進み、後席側制御装置200に拒否信号を送信してステップS145へ進む。ステップS145において、図5(b)の表示画面14eまたは図7(b)の表示画面14jに示すように、前席表示モニタ14に、経由地変更前の推奨経路141を表示させるとともに、経由地変更前の推奨経路に基づいた経路誘導処理を継続してステップS147へ進む。ステップS147において、詳細情報表示160aまたは160bを消去してステップS149へ進む。ステップS149において、前席表示モニタ14のアイコンの表示状態を変更する。すなわち、経由地追加が拒否された場合には経由地アイコン155の点灯状態を点滅から消灯に変更し、経由地削除が拒否された場合には経由地アイコン155の点灯状態を点滅から点灯に変更して、ステップS151へ進む。ステップS151において、所定時間後に表示されているステータスバー150を消去してリターンする。
【0065】
ステップS121が肯定判断されるとステップS141へ進み、経由地アイコン155が押圧される直前の縮尺率と同じ縮尺率で前席表示モニタ14に地図を表示させるとともに、詳細情報表示160aまたは160bを消去してステップS117へ戻る。
【0066】
上述したカーナビゲーション装置1では、次の作用効果を奏する。
(1) 前席側制御装置100で経路誘導処理を行っている際に、後席側制御装置200のスイッチ25からの入力によって経由地が変更されると、変更された経由地の位置の目安を示すステータスバー150を前席表示モニタ14の経路誘導画面上に表示するように構成した。これにより、後席側で経由地の設定が変更されたこと、および、当該経由地の位置の目安を運転者に違和感を与えることなく通知できる。また、ステータスバー150が簡易図形であるので、視認性に優れるとともに、前席表示モニタ14に表示される情報量をいたずらに増やすことがないので、すでに表示されている経路誘導画面の視認性にも悪影響を与えることがない。そのため、運転者は必要な情報を容易に取得できる。
【0067】
(2) ステータスバー150の表示に際して、前席表示モニタ14に表示されている経路誘導画面の表示形態が変更されずに、経路誘導画面に重畳的に表示されるように構成した。これにより、経路誘導中には前席表示モニタ14に表示されている経路誘導画面の表示形態を勝手に変更されたくないと考える運転者の意志を尊重できる。また、後席側の乗員も運転者に気兼ねなく経由地の変更を入力できるので、利便性が高い。
【0068】
(3) 後席側制御装置200のスイッチ25からの入力によって経由地が変更されると、当該変更された経由地に関する詳細情報の表示を指示するためのボタンでもある経由地アイコン155を前席表示モニタ14に表示するように構成した。これにより、運転者に都合のよいタイミングで当該変更された経由地に関する詳細情報を前席表示モニタ14に表示させることができるので、運転者の意志を反映できる。
【0069】
(4) 変更された経由地に関する詳細情報の表示を指示するためのボタンを、ステータスバー150上の経由地アイコン155としたので、詳細情報の表示を指示するためのボタンを他に設ける必要がなくなり、前席表示モニタ14の表示領域を有効に利用できる。また、変更された経由地を示す経由地アイコン155が、推奨経路上の経由地の位置を示す役割と、詳細情報を表示させるためのボタンとしての役割とを果たす。これにより、前席表示モニタ14に表示させる情報量を削減できるので(すなわち、余計なものを表示しなくて済むので)、表示画面全体の表示形態を複雑化することがなく、視認性に優れる。
【0070】
(5) 後席表示モニタ24にもステータスバー150を表示するように構成したので、変更された経由地の位置の目安が後席乗員も把握でき、経由地変更の妥当性を距離の観点から検討できるなど、利便性が高い。
【0071】
(6) 経由地の変更が前席側で許可されたか否かによって、後席表示モニタ24に表示されるステータスバー150の表示形態が異なるように構成した。これにより、経由地変更が許可されたか否かが後席乗員が一目で分かるので、視認性、利便性が高い。
【0072】
(7) 前席表示モニタ14でステータスバー150が表示された後、前席乗員によって所定時間(たとえば20秒)の間、経由地アイコン155が押圧されなかった場合、前席乗員によって、詳細情報表示160aの拒否ボタン164が押圧されたときと同様の処理が行われるように構成した。これにより、経由地変更を許可しないときの運転者の操作の手間を省くことができ、運転者に対する利便性が向上できる。
【0073】
−−−変形例−−−
(1) 上述の説明では、前席表示モニタ14に表示されたステータスバー150上の経由地アイコン155が押圧されると、たとえば図2(c)の表示画面14cに示すように、自車位置と後席側で変更された経由地とが同時に1画面表示されるように地図表示の縮尺率を変更するように構成した。また、このとき、後席側で追加された経由地の詳細情報を示す詳細情報表示160aを地図表示画面に重畳表示させるように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、図9(a)の表示画面14kに示ように、前席表示モニタ14にステータスバー150が表示された後、ステータスバー150上の経由地アイコン155が押圧されると、図9(b)の表示画面14lに示すように、変更された経由地に関して前席乗員が指示をするためのボタン143〜145,146bを表示するように構成してもよい。
【0074】
図9(b)の表示画面14lにおいて、たとえば広域表示ボタン143が押圧されると、図9(c)の表示画面14mに示すように、自車位置と後席側で変更された経由地Aとが同時に1画面表示されるように地図表示の縮尺率を変更するとともに、変更された経由地に関して前席乗員が指示をするためのボタン146c〜148cを表示するように構成してもよい。
【0075】
図9(c)の表示画面14mにおいて、たとえば許可ボタン146cが押圧されると、経由地の変更が許可され、拒否ボタン147cが押圧されると、経由地の変更が拒否されるように構成してもよい。また、戻るボタン148cが押圧されると、当該画面(表示画面14m)の1つ上の階層の画面(表示画面14l)に戻るように構成してもよい。地図表示画面上の経由地Aのアイコンが押圧されると、図9(e)の表示画面14oに示すように、経由地Aの詳細情報を表示するとともに、変更された経由地に関して前席乗員が指示をするためのボタン146e〜148eを表示するように構成してもよい。
【0076】
図9(e)の表示画面14oにおいて、たとえば許可ボタン146eが押圧されると、経由地の変更が許可され、拒否ボタン147eが押圧されると、経由地の変更が拒否されるように構成してもよい。また、図9(c)の表示画面14mから表示画面14oに遷移した後に戻るボタン148eが押圧されると、表示画面14mに戻るように構成してもよい。後述するように図9(d)の表示画面14nから表示画面14oに遷移した後に戻るボタン148eが押圧されると、表示画面14nに戻り、図9(b)の表示画面14lから表示画面14oに遷移した後に戻るボタン148eが押圧されると、表示画面14lに戻るように構成してもよい。
【0077】
図9(b)の表示画面14lにおいて、たとえば周辺表示ボタン144が押圧されると、図9(d)の表示画面14nに示すように、経由地Aとその周辺の地図をするとともに、変更された経由地に関して前席乗員が指示をするためのボタン146d〜148dを表示するように構成してもよい。
【0078】
図9(d)の表示画面14nにおいて、たとえば許可ボタン146dが押圧されると、経由地の変更が許可され、拒否ボタン147dが押圧されると、経由地の変更が拒否されるように構成してもよい。また、戻るボタン148dが押圧されると、当該画面(表示画面14n)の1つ上の階層の画面(表示画面14l)に戻るように構成してもよい。地図表示画面上の経由地Aのアイコンが押圧されると、図9(e)の表示画面14oに遷移するように構成してもよい。
【0079】
図9(b)の表示画面14lにおいて、たとえば施設ボタン145が押圧されると、図9(e)の表示画面14oに遷移するように構成し、許可ボタン146bが押圧されると、経由地の変更が許可されるように構成してもよい。
【0080】
このように構成することで、後席側で変更された経由地に関する情報を、運転者が希望する形態で表示できるので、運転者に対する利便性が向上する。
【0081】
(2) 上述の説明では、ステータスバー150は、表示モニタ14,24の画面下側に表示されるように構成しているが、本発明はこれに限定されない。ステータスバー150を表示モニタ14,24の画面右側や左側、上側に表示するように構成してもよい。ステータスバー150が前席表示モニタ150にのみ表示されるように構成してもよい。なお、上述したステータスバー150の表示形態は一例であり、本発明は、上述したステータスバー150の表示形態に限定されない。また、ステータスバー150の経由地アイコン155や、目的地アイコン152の近傍に到着予定時刻や自車位置からの距離などを表示するようにしてもよい。
【0082】
(3) 上述の説明では、変更される経由地が1つであるが、変更される経由地の数は複数であってもよい。変更される経由地が複数の場合、ステータスバー150には複数の経由地に対応する複数の経由地アイコン155が表示されるように構成することが望ましい。そして任意の1つの経由地アイコン155が押圧されると、当該経由地アイコン155が示す経由地についての情報を表示するように構成することが望ましい。
【0083】
(4) 上述の説明では、後席側のスイッチ25によって変更が入力された経由地の情報に基づいて、前席側制御装置100のCPU101で推奨経路を演算するように構成したが、本発明はこれに限定されない。たとえば、後席側のスイッチ25によって変更が入力された経由地の情報と、前席側制御装置100から受信した、すでに設定されている出発地、経由地、目的地の情報とに基づいて、後席側制御装置200のCPU201で新たな推奨経路を演算するように構成してもよい。そして、CPU201で演算した新たな推奨経路と、ステータスバー150の表示用のデータとを前席側制御装置100に送信するように構成してもよい。
【0084】
(5) 上述の説明では、経由地変更情報が前席側制御装置100へ送信されると、経由地変更後の新たな推奨経路を演算してステータスバー150を前席表示モニタ14に表示するように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、後席側制御装置200から送信された経由地変更情報に基づいて、前席側制御装置100のCPU101で推奨経路を演算した後、ステータスバー150を前席表示モニタ14に表示する前に、新たに算出された推奨経路に関する情報を後席側制御装置200に送信するように構成してもよい。そして、新たな推奨経路を確認した後席乗員が、経由地の変更を取りやめたり、他の経由地についての変更を希望した場合、再び前席側制御装置100のCPU101で推奨経路を演算できるように構成してもよい。このようにして、経由地の変更内容に納得した後席乗員によって、ステータスバー150を前席表示モニタ14に表示させるようにスイッチ25が操作されたときに初めて、ステータスバー150を前席表示モニタ14に表示するように構成してもよい。
【0085】
(6) 上述の説明では、前席側制御装置100側で経由地変更の可否が入力されるように構成しているが、本発明はこれに限定されない。たとえば、カーナビゲーション装置1の設定を変更することで、前席側制御装置100側で入力された経由地の変更を許可するか否かを後席側制御装置200側で指示できるように構成してもよい。これにより、前席乗員よりも後席乗員の意志を尊重できる。
(7) 上述した各実施の形態および変形例は、それぞれ組み合わせてもよい。
【0086】
以上の実施の形態およびその変形例において、たとえば、第1の入力装置はスイッチ15に、第1の制御回路はCPU101に、第1の表示モニタは前席表示モニタ14にそれぞれ対応する。第2の入力装置はスイッチ25に、第2の制御回路はCPU201に、第2の表示モニタは後席表示モニタ24にそれぞれ対応する。第1の処理装置は、前席側制御装置100とスイッチ15と前席表示モニタ14とによって実現される。第2の処理装置は、後席側制御装置200とスイッチ25と後席表示モニタ24とによって実現される。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、上記の実施形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係になんら限定も拘束もされない。
【0087】
なお、本発明は、上述した実施の形態のものに何ら限定されず、各種設定を入力する第1の入力装置と、各種処理を行う第1の制御回路と、第1の制御回路で処理した結果を表示する第1の表示モニタとを有する第1の処理装置と、各種設定を入力する第2の入力装置と、各種処理を行う第2の制御回路と、第2の制御回路で処理した結果を表示する第2の表示モニタとを有する第2の処理装置とを備え、第2の入力装置からの入力によって経由地が変更されると、第1の表示モニタに表示中の経路誘導画面上に、変更された経由地の位置の目安を示す簡易図形を表示することができる各種構造のナビゲーション装置を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0088】
【図1】カーナビゲーション装置1の全体構成を示す図である。
【図2】経路誘導処理が行われている最中に、後席側制御装置200側で新たな経由地が追加された際の、各表示モニタ14,24における画面遷移を示した図である。
【図3】ステータスバー150の詳細を示す図である。
【図4】詳細情報表示160a,160bの詳細を示す図である。
【図5】経路誘導処理が行われている最中に、後席側制御装置200側で新たな経由地が追加された際の、各表示モニタ14,24における画面遷移を示した図である。
【図6】経路誘導処理が行われている最中に、後席側制御装置200側ですでに設定されている経由地が削除された際の、各表示モニタ14,24における画面遷移を示した図である。
【図7】経路誘導処理が行われている最中に、後席側制御装置200側ですでに設定されている経由地が削除された際の、各表示モニタ14,24における画面遷移を示した図である。
【図8】経路誘導処理の最中に後席側制御装置200側で経由地を変更設定する際に、各CPU101,201で実行されるプログラムの動作を示すフローチャートを併記した図である。
【図9】各表示モニタ14,24における画面遷移の変形例を示す図である。
【符号の説明】
【0089】
1 カーナビゲーション装置 11 現在地検出装置
12 地図記憶装置 14 前席表示モニタ
15,25 スイッチ 24 後席表示モニタ
100 前席側制御装置 101,201 CPU
150 ステータスバー 155 経由地アイコン
200 後席側制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種設定を入力する第1の入力装置と、各種処理を行う第1の制御回路と、前記第1の制御回路で処理した結果を表示する第1の表示モニタとを有する第1の処理装置と、
各種設定を入力する第2の入力装置と、各種処理を行う第2の制御回路と、前記第2の制御回路で処理した結果を表示する第2の表示モニタとを有する第2の処理装置とを備え、
前記第2の入力装置からの入力によって経由地が変更されると、前記第1の表示モニタに表示中の経路誘導画面上に、変更された経由地の位置の目安を示す簡易図形を表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記経路誘導画面の表示形態を変更することなく前記簡易図形を重畳的に表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記第2の入力装置からの入力によって経由地が変更されると、前記第1の表示モニタに表示中の経路誘導画面上に、当該変更された経由地に関する詳細情報の表示を指示するためのボタンを表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記ボタンは、前記簡易図形上の前記経由地を示すアイコンであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項3に記載のナビゲーション装置において、
前記ボタンは、前記簡易図形上の前記経由地を示すアイコンとは別に表示されるボタンであることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記簡易図形を前記第2の表示モニタにも表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項6に記載のナビゲーション装置において、
前記経由地の変更が前記第1の処理装置で許可されるか否かによって、前記第2の表示モニタに表示される前記簡易図形の表示形態が異なることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記第1の処理装置は、車両の前席側に配設され、
前記第2の処理装置は、前記車両の後席側に配設されることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−170206(P2008−170206A)
【公開日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−2116(P2007−2116)
【出願日】平成19年1月10日(2007.1.10)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】