説明

ナビゲーション装置

【課題】状況を適切に判断して経路を再探索するナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】一つまたは二つ以上の経路を推奨経路として設定する(ステップS10)。この経路から自車両が逸脱したか否かを判定し(ステップS40)、逸脱したと判定されたときに、自車両の現在位置と経路とを接続する接続経路を探索し(ステップS50)、探索された接続経路に基づいて、経路を再探索するか否かを判定する(ステップS60)。そして、経路を再探索すると判定されたときに、経路を再探索する(ステップS70)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、設定された経路から自車位置が一定距離以上離れると、自車両が経路を離脱したと判断し、リルート処理を実行して目的地までの経路を再探索するナビゲーション装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平10−153446号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される従来のナビゲーション装置は、自車両が経路を離脱したと判断すると、直ちにリルート処理を実行して経路を再探索する。しかし、自車両が経路を離脱しても、その経路に容易に戻ることができる場合などは、必ずしも経路を再探索する必要がない。このように、経路の再探索が不要な状況のときにリルート処理が実行されると、ユーザにとって煩わしい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明によるナビゲーション装置は、一つまたは二つ以上の経路を設定する経路設定手段と、経路設定手段により設定された経路から自車両が逸脱したか否かを判定する逸脱判定手段と、逸脱判定手段により経路から自車両が逸脱したと判定されたときに、自車両の現在位置と経路とを接続する接続経路を探索する接続経路探索手段と、接続経路探索手段により探索された接続経路に基づいて、経路を再探索するか否かを判定する再探索判定手段と、再探索判定手段により経路を再探索すると判定されたときに、経路を再探索する再探索手段とを備えるものである。
請求項2の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、経路設定手段は、複数の経路を設定し、接続経路探索手段は、自車両の現在位置と複数の経路の各々とをそれぞれ接続する複数の接続経路を探索し、再探索判定手段は、接続経路探索手段により探索された複数の接続経路に基づいて、経路を再探索するか否かを判定するものである。
請求項3の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、再探索判定手段は、複数の接続経路のうちいずれか少なくとも一つの長さが所定のしきい値未満である場合は、経路を再探索しないと判定し、複数の接続経路の長さがいずれもしきい値以上である場合は、経路を再探索すると判定するものである。
請求項4の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、再探索判定手段は、接続経路の長さが所定のしきい値未満である場合は、経路を再探索しないと判定し、接続経路の長さがしきい値以上である場合は、経路を再探索すると判定するものである。
請求項5の発明は、請求項3または4に記載のナビゲーション装置において、しきい値を変化させるしきい値変化手段をさらに備えるものである。
請求項6の発明は、請求項5に記載のナビゲーション装置において、しきい値変化手段は、経路が表示されている地図の縮尺に応じてしきい値を変化させるものである。
請求項7の発明によるナビゲーション装置は、複数の経路を設定する経路設定手段と、経路設定手段により設定された複数の経路のいずれかから自車両が逸脱したか否かを判定する逸脱判定手段と、逸脱判定手段により複数の経路のいずれかから自車両が逸脱したと判定されたときに、自車両の現在位置と複数の経路との位置関係に基づいて、経路を再探索するか否かを判定する再探索判定手段と、再探索判定手段により経路を再探索すると判定されたときに、経路を再探索する再探索手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、状況を適切に判断して経路を再探索することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の一実施の形態によるナビゲーション装置について説明する。本実施形態のナビゲーション装置は、車両に搭載されて使用されるものである。ナビゲーション装置に対してユーザが目的地を設定すると、ナビゲーション装置は、その目的地までの推奨経路を一つまたは二つ以上探索する。そして、探索された推奨経路にしたがって自車両を当該目的地へと案内する。なお、この案内により目的地へ向かって自車両が走行している途中で、自車両が推奨経路から逸脱すると、ナビゲーション装置は、自車両の現在位置と推奨経路との位置関係に基づいて、目的地までの経路を再探索するか否かを判定する。そして、経路を再探索すると判定した場合に、リルート演算を行って目的地までの推奨経路を再探索する。
【0008】
本実施形態のナビゲーション装置の構成を、図1のブロック図に示す。ナビゲーション装置1は、制御部10、振動ジャイロ11、車速センサ12、ハードディスク(HDD)13、GPS受信部14、VICS(Vehicle Information and Communication System)情報受信部15、表示モニタ16、スピーカ17および入力装置18を備えている。
【0009】
制御部10は、マイクロプロセッサや各種周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、HDD13に記録されている制御プログラムや地図データに基づいて、各種の処理を実行する。この制御部10が行う処理により、ユーザの操作に応じて目的地が設定され、その目的地までの推奨経路が探索される。また、推奨経路から自車両が逸脱した場合には、経路を再探索するか否かの判定が行われ、再探索すると判定されたら経路の再探索を行う。このときの具体的な処理内容については、後で図2のフローチャートにより詳しく説明する。
【0010】
振動ジャイロ11は、自車両の角速度を検出するためのセンサである。車速センサ12は、自車両の車速を検出するためのセンサである。これらのセンサを用いて自車両の運動状態を所定の時間間隔ごとに検出することにより、自車両の位置移動量が求められ、それによって自車両の現在位置が検出される。
【0011】
HDD13は不揮発性の記録媒体であり、地図データを含む各種のデータが記録されている。HDD13に記録されているデータは、必要に応じて制御部10の制御により読み出され、制御部10が実行する様々な処理や制御に利用される。
【0012】
なお、HDD13に記録された地図データには、経路計算データと、経路誘導データと、道路データと、背景データとが含まれている。経路計算データは、目的地までの予想所要時間を算出するために用いられるデータである。経路誘導データは、自車両を目的地まで誘導するために用いられるデータであり、たとえば交差点名称や道路名称などを表す。道路データは、道路の形状を表すためのデータである。背景データは、河川や鉄道など道路以外の地図形状を表したり、地図上の各種施設等(ランドマーク)などを表したりするためのデータである。
【0013】
GPS受信部14は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、自車両の位置と現在時刻を求めるための情報として、そのGPS信号を送信したGPS衛星の位置と送信時刻が含まれている。したがって、所定数以上のGPS衛星からGPS信号を受信することにより、これらの情報に基づいて自車両の現在位置と現在時刻を算出することができる。
【0014】
VICS情報受信部15は、VICSセンターからナビゲーション装置1に対して送信されるVICS情報を受信する。このVICS情報により、渋滞情報や通行規制情報、駐車場情報などの様々な道路交通情報がナビゲーション装置1に対して送信される。VICS情報受信部15により受信されたVICS情報は制御部10に出力され、制御部10において推奨経路を探索するときに利用されると共に、その内容が表示モニタ16において表示される。
【0015】
なお、VICSセンターからナビゲーション装置1へのVICS情報の送信は、主に高速道路上に設置されている電波ビーコンや、主に一般道路上に設置されている光ビーコン、またはFM多重放送によって行われる。電波ビーコンや光ビーコンは、その設置地点付近を通過する車両に対して、電波あるいは光(赤外線)により局所的にVICS情報を送信するものである。これに対して、FM多重放送では比較的広い地域に対してVICS情報を送信することができる。
【0016】
表示モニタ16は、様々な画像や映像を表示するための装置であり、液晶ディスプレイ等が用いられる。この表示モニタ16により、自車位置周辺の地図画像などが表示される。なお、表示モニタ16は、たとえば自車両のダッシュボード上やインストルメントパネル内など、運転席から見やすい位置に設置されている。スピーカ17は、制御部10の制御により、経路案内用の音声などが出力される。
【0017】
入力装置18は、ナビゲーション装置1を動作させるための様々な入力操作をユーザが行うための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザは、入力装置18を操作することにより、たとえば、目的地に設定したい施設や地点の名称等を入力したり、予め登録された登録地の中から目的地を選択したり、地図を任意の方向にスクロールしたりすることができる。この入力装置18は、操作パネルやリモコンなどによって実現することができる。あるいは、入力装置18を表示モニタ16と一体化されたタッチパネルとしてもよい。
【0018】
ユーザが入力装置18を操作して目的地を設定すると、ナビゲーション装置1は、自車両の現在位置を出発地として、前述の経路計算データに基づいて所定のアルゴリズムの演算を行うことにより、出発地から目的地までのルート探索を行う。このルート探索により求められた経路が、目的地までの推奨経路として設定される。こうして推奨経路が設定されると、他の道路とは異なる色を使用するなどの方法により、他の道路とは区別して推奨経路が地図上に表示される。これにより、ユーザは表示モニタ16に表示される地図画面において、推奨経路を容易に認識することができる。また、この推奨経路に従って自車両が走行できるよう、ナビゲーション装置1は、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、自車両を誘導する。このようにして、目的地までのルート案内が行われる。
【0019】
図2は、以上説明したようなルート案内をナビゲーション装置1において行う際に、制御部10によって実行される処理のフローチャートである。このフローチャートについて以下に説明する。
【0020】
ステップS10では、推奨経路の設定を行う。ここでは、目的地を設定し、自車両の現在地からその目的地までの経路を所定の経路探索条件に基づいて探索する。たとえば、自車両の現在地から目的地までの予想所要時間が最も短い経路(最短時間経路)を探索する。こうして探索された経路を、推奨経路として設定する。このようにして、一つの推奨経路を設定することができる。
【0021】
なお、ステップS10では、複数の経路探索条件を設定し、各経路探索条件に合致する経路をそれぞれ探索することにより、二つ以上の推奨経路を設定することもできる。たとえば、前述の最短時間経路と共に、自車両の現在地から目的地までの走行距離が最も短い経路(最短距離経路)と、有料道路を除いて自車両の現在地から目的地までの予想所要時間が最も短い経路(有料回避経路)とを、推奨経路として設定することができる。あるいは、一つの経路探索条件で複数の推奨経路を設定することとしてもよい。たとえば、予想所要時間が短い順に探索された所定数の経路を推奨経路とすることにより、複数の推奨経路を設定することができる。ステップS10では、このようにして一つまたは二つ以上の推奨経路を設定する。
【0022】
ステップS20では、ステップS10で設定された推奨経路を表示する。ここでは前述のように、表示モニタ16に表示されている地図において、推奨経路を他の道路とは異なる色で表示するなどの方法により、推奨経路を地図上に表示する。なお、ステップS10において複数の推奨経路を設定した場合は、それぞれを異なる色で表示するなどの方法により、ユーザが各推奨経路を識別可能とすることが好ましい。
【0023】
ステップS30では、ステップS10で設定した推奨経路に従って、自車両を目的地まで案内するためのルート案内を行う。ここでは、自車両の現在位置に基づいて、ユーザに対して画像や音声などによる進行方向指示を行うことにより、目的地までのルート案内を行う。これにより、自車両が目的地へ向かって走行するのに合わせて様々な進行方向指示が行われる。なお、ステップS10において複数の推奨経路を設定した場合は、そのうち自車両がどの推奨経路上を走行しているかを判断し、その判断結果に基づいて、いずれかの推奨経路に従ってルート案内を行うことが好ましい。
【0024】
ステップS40では、ステップS10で設定した推奨経路から自車両が逸脱したか否かを判定する。推奨経路から自車両が逸脱したと判定した場合はステップS50へ進み、逸脱していないと判定した場合はステップS90へ進む。この判定は、自車両の現在位置と推奨経路との位置関係に基づいて行うことができる。たとえば、自車両の現在位置が推奨経路上にない場合、あるいは推奨経路から所定距離以上離れている場合に、推奨経路から自車両が逸脱したと判定する。なお、ステップS10において複数の推奨経路を設定した場合は、そのうちステップS30においてルート案内の対象とされた推奨経路に対して、自車両が逸脱したか否かを判定する。
【0025】
あるいは、ステップS40において、自車両の走行方向と、ステップS30におけるルート案内の内容とに基づいて、推奨経路から自車両が逸脱したか否かを判定することとしてもよい。すなわち、ステップS30においてルート案内した方向と同じ方向に自車両が進んだ場合は、推奨経路から自車両が逸脱していないと判定してステップS90へ進む。一方、ステップS30においてルート案内した方向とは違う方向に自車両が進んだ場合は、推奨経路から自車両が逸脱したと判定してステップS50へ進む。このようにしてステップS40の判定を行ってもよい。
【0026】
ステップS50では、自車位置から各推奨経路までの接続経路を探索する。ここでは、ステップS10において推奨経路が一つしか設定されていない場合は、自車両の現在位置とその推奨経路とを接続する経路を接続経路として探索する。一方、ステップS10において複数の推奨経路を設定した場合は、自車両の現在位置とその複数の推奨経路の各々とをそれぞれ接続する複数の接続経路を探索する。すなわち、推奨経路ごとに自車位置からの接続経路を探索する。
【0027】
なお、ステップS50において、自車両が逸脱前に走行していた推奨経路については、自車両の現在位置からその推奨経路へ戻るのに最も適切な接続経路、たとえば推奨経路までの距離が最短の接続経路や、目的地までの予想所要時間が最も短くなる接続経路を探索する。このとき、必ずしも逸脱した地点に戻る必要はなく、推奨経路上のどの地点に戻ってもよい。一方、複数の推奨経路が設定されている場合、自車両が逸脱前に走行していなかった推奨経路については、自車両の現在位置からその推奨経路へ到達するまでに最も適切な接続経路を探索する。
【0028】
ステップS60では、ステップS50で算出した自車位置から各推奨経路までの接続経路の長さが、いずれも所定のしきい値以上であるか否かを判定する。各接続経路の長さがいずれもしきい値以上である場合、すなわち、設定された全ての推奨経路について自車両の現在位置からの道のりがしきい値以上である場合は、経路の再探索を行うために次のステップS70へと進む。一方、いずれかの接続経路の長さがしきい値未満である場合、すなわち、設定された推奨経路のうち少なくとも一つについて自車両の現在位置からの道のりがしきい値未満である場合は、経路の再探索を行わないとしてステップS90へ進む。このようにして、自車両の現在位置と各推奨経路との位置関係に基づいて、経路を再探索するか否かを判定する。
【0029】
以上説明したようにして経路を再探索するか否かを判定する具体例を図3に示す。この図3の例では、出発地Oから目的地Dまでの間に、合計3本の推奨経路R1、R2およびR3が設定されている。なお、推奨経路R1とR2は、一部分において重複している。自車両は、この3本の推奨経路のうち真ん中の推奨経路R2から逸脱して、自車位置20にいるとする。
【0030】
図3のような場合、ステップS50において、自車位置20から各推奨経路までの接続経路C1、C2およびC3がそれぞれ探索される。なお、接続経路C2は、接続経路C1の一部分と重複している。この複数の接続経路C1〜C3の長さがいずれも所定のしきい値以上である場合は、ステップS60において経路を再探索すると判定して、ステップS70へ進む。一方、複数の接続経路C1〜C3のうちいずれか少なくとも一つの長さが所定のしきい値未満である場合は、ステップ60において経路を再探索しないと判定して、ステップS90へ進む。このようにして、ステップS60の判定を行う。
【0031】
なお、推奨経路が一つしか設定されていない場合は、自車両の現在位置とその推奨経路とを接続する接続経路の長さにより、ステップS60の判定を行う。すなわち、当該接続経路の長さが所定のしきい値以上である場合は、経路を再探索すると判定してステップS70へ進む。一方、当該接続経路の長さがしきい値未満である場合は、経路を再探索しないと判定してステップS90へ進む。
【0032】
ステップS70では、目的地までの経路を再探索するためのリルート演算を実行する。これにより、自車両の現在位置から目的地までの推奨経路が新たに再探索される。次のステップS80では、ステップS70でリルート演算を実行する前に設定されていた推奨経路を消去して、ステップS70において再探索された新たな推奨経路を設定する。これにより、設定された新たな推奨経路が表示モニタ16において地図上に表示されると共に、設定された新たな推奨経路に従って、ステップS30のルート案内が実行される。ステップS80を実行したら、ステップS90へ進む。
【0033】
ステップS90では、自車両が目的地に到着したか否かを判定する。まだ目的地に到着していない場合はステップS30へ戻り、上記のような処理を繰り返す。一方、自車両が目的地に到着した場合は、図2のフローチャートを終了する。このようにして、目的地までのルート案内が行われる。
【0034】
なお、ステップS60では、自車位置と各推奨経路とを接続する接続経路の長さの代わりに、自車位置から各推奨経路までの距離に基づいて、経路を再探索するか否かを判定することとしてもよい。すなわち、ステップS50において、接続経路を探索する代わりに、自車位置から各推奨経路までの距離を算出する。こうして算出された自車両の現在位置から各推奨経路までの距離が、いずれも所定のしきい値以上であるとステップS60において判定された場合は、リルート演算を実行して推奨経路を再探索するためにステップS70へ進む。一方、算出された自車両の現在位置から各推奨経路までの距離のうち、いずれか少なくとも一つの推奨経路に対する距離が所定のしきい値未満であるとステップS60において判定された場合は、推奨経路を再探索する必要がないのでステップS90へ進む。このようにして、経路を再探索するか否かを判定することとしてもよい。
【0035】
さらに、ステップS60において経路を再探索するか否かを判定する際に用いられるしきい値を変化させるようにしてもよい。たとえば、推奨経路が表示されている地図の縮尺に応じて、このしきい値を変化させることができる。すなわち、地図の縮尺が比較的大きく、そのため表示モニタ16において表示されている地図の範囲が相対的に狭い場合は、その地図縮尺に応じて、ステップS60におけるしきい値を小さな値へと変化させる。これと反対に、地図の縮尺が比較的小さく、そのため表示モニタ16において表示されている地図の範囲が相対的に広い場合は、その地図縮尺に応じて、ステップS60におけるしきい値を大きな値へと変化させる。
【0036】
上記のような処理を行うことで、自車両が推奨経路を逸脱した場合に、その推奨経路が地図画面に表示されている間はリルート演算を実行せず、地図画面の表示範囲から外れたらリルート演算を実行するようにすることができる。これにより、推奨経路へ戻るまでに通るべき経路が地図画面から簡単に分かるような場合は、自車両が推奨経路を逸脱してもリルート演算を行わないようにすることができる。したがって、状況をより一層適切に判断して経路を再探索することができる。
【0037】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)一つまたは二つ以上の経路を推奨経路として設定する(ステップS10)。この経路から自車両が逸脱したか否かを判定し(ステップS40)、逸脱したと判定されたときに、自車両の現在位置と経路とを接続する接続経路を探索し(ステップS50)、探索された接続経路に基づいて、経路を再探索するか否かを判定する(ステップS60)。そして、経路を再探索すると判定されたときに、経路を再探索する(ステップS70)こととした。このようにしたので、状況を適切に判断して経路を再探索することができる。
【0038】
(2)ステップS10では、複数の経路を推奨経路として設定することができる。この場合、ステップS50では、自車両の現在位置とその複数の経路の各々とをそれぞれ接続する複数の接続経路を探索する。そして、ステップS60では、ステップS50で探索された複数の接続経路に基づいて、経路を再探索するか否かを判定することとした。このようにしたので、複数の経路を設定した場合でも、状況を適切に判断して経路を再探索することができる。
【0039】
(3)複数の経路を推奨経路として設定した場合、ステップS60では、ステップS50で探索された複数の接続経路のうちいずれか少なくとも一つの長さが所定のしきい値未満である場合は、経路を再探索しないと判定する。一方、複数の接続経路の長さがいずれもしきい値以上である場合は、経路を再探索すると判定することとした。このようにしたので、複数の経路を設定した場合において、経路を再探索するか否かを適切に判断することができる。
【0040】
(4)また、一つの経路を推奨経路として設定した場合、ステップS60では、ステップS50で探索された接続経路の長さが所定のしきい値未満である場合は、経路を再探索しないと判定する。一方、接続経路の長さがしきい値以上である場合は、経路を再探索すると判定することとした。このようにしたので、一つの経路を設定した場合に、経路を再探索するか否かを適切に判断することができる。
【0041】
(5)ステップS60の判定に用いるしきい値を変化させることができる。このようにすれば、状況をより一層適切に判断して経路を再探索することができる。
【0042】
(6)経路が表示されている地図の縮尺に応じて、ステップS60の判定に用いるしきい値を変化させることができる。このようにすれば、当該経路へ戻るまでに通るべき道路が地図画面から簡単に分かるような場合は、自車両が経路を逸脱してもリルート演算を行わないようにすることができる。
【0043】
以上説明した各実施の形態や各種の変形例は、あくまで一例である。したがって、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。
【0044】
以上説明した実施の形態では、特許請求の範囲に記載された各手段を、ナビゲーション装置1の制御部10において実行される処理によりそれぞれ実現することとした。すなわち、ナビゲーション装置1の制御部10は、経路設定手段、逸脱判定手段、接続経路探索手段、再探索判定手段、再探索手段、およびしきい値変化手段として機能することができる。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施の形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】ルート案内を行う際に実行される処理のフローチャートである。
【図3】経路を再探索するか否かを判定する具体例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1:ナビゲーション装置 10:制御部
11:振動ジャイロ 12:車速センサ
13:HDD 14:GPS受信部
15:VICS情報受信部 16:表示モニタ
17:スピーカ 18:入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一つまたは二つ以上の経路を設定する経路設定手段と、
前記経路設定手段により設定された前記経路から自車両が逸脱したか否かを判定する逸脱判定手段と、
前記逸脱判定手段により前記経路から前記自車両が逸脱したと判定されたときに、前記自車両の現在位置と前記経路とを接続する接続経路を探索する接続経路探索手段と、
前記接続経路探索手段により探索された前記接続経路に基づいて、経路を再探索するか否かを判定する再探索判定手段と、
前記再探索判定手段により経路を再探索すると判定されたときに、経路を再探索する再探索手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記経路設定手段は、複数の経路を設定し、
前記接続経路探索手段は、前記自車両の現在位置と前記複数の経路の各々とをそれぞれ接続する複数の接続経路を探索し、
前記再探索判定手段は、前記接続経路探索手段により探索された前記複数の接続経路に基づいて、経路を再探索するか否かを判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記再探索判定手段は、前記複数の接続経路のうちいずれか少なくとも一つの長さが所定のしきい値未満である場合は、経路を再探索しないと判定し、前記複数の接続経路の長さがいずれも前記しきい値以上である場合は、経路を再探索すると判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記再探索判定手段は、前記接続経路の長さが所定のしきい値未満である場合は、経路を再探索しないと判定し、前記接続経路の長さが前記しきい値以上である場合は、経路を再探索すると判定することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載のナビゲーション装置において、
前記しきい値を変化させるしきい値変化手段をさらに備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項5に記載のナビゲーション装置において、
前記しきい値変化手段は、前記経路が表示されている地図の縮尺に応じて前記しきい値を変化させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
複数の経路を設定する経路設定手段と、
前記経路設定手段により設定された前記複数の経路のいずれかから自車両が逸脱したか否かを判定する逸脱判定手段と、
前記逸脱判定手段により前記複数の経路のいずれかから前記自車両が逸脱したと判定されたときに、前記自車両の現在位置と前記複数の経路との位置関係に基づいて、経路を再探索するか否かを判定する再探索判定手段と、
前記再探索判定手段により経路を再探索すると判定されたときに、経路を再探索する再探索手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−224362(P2008−224362A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−61718(P2007−61718)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(591132335)株式会社ザナヴィ・インフォマティクス (745)
【Fターム(参考)】