説明

ナビゲーション装置

【課題】より適切な地図表示を行うことができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】道路特定手段(道路特定プログラム54b等)は、現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいてナビゲーション装置100が位置している道路を特定し、判別手段(判別プログラム54c等)は特定された道路の種類を道路情報に基づいて判別し、移動履歴記憶制御手段は移動した位置に関する情報を当該位置の通過の度に移動履歴として移動履歴記憶部532cに記憶するとともに、記憶後所定期間経過した移動履歴を削除し、判定手段(判定プログラム54e)は現在位置が所定回数以上通過した位置であるか否かを移動履歴に基づいて判定し、表示制御手段(表示制御プログラム54h等)は現在位置が所定回数以上通過した位置でないと判定された場合に道路の種類に応じて表示部3に表示させる地図情報を切り替えて表示させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等を利用して現在位置を測位し、その測位した現在位置を地図情報とともに表示画面上に表示するナビゲーション装置が知られている。
【0003】
また、特許文献1には、移動体の走行道路の種別によって、広域地図と最寄り施設を含む詳細地図を表示する地図表示装置が提案されている。具体的には、移動体が道路に侵入するか、又は所定時間継続して移動速度が低下したことを検知した際に、分割された一つの画面に、直前に表示されていた縮尺の地図をそのまま表示すると共に、移動体の現在位置における住宅地図などの最も詳細な地図を、最寄り施設を伴って他の画面に表示させる。これによれば、移動体が幅の狭い道路を通過した場合に、周辺施設の位置を容易に識別できるとともに移動体の現在位置も容易に識別することができる。
【特許文献1】特開2002−202144号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、現実的には、幅の狭い道路を通過する場合であっても、ユーザが地理を知っており、詳細な地図が不要な場合も考えられる。上記特許文献1の地図表示装置では、このような場合であっても、詳細な地図に切り替えられてしまい、使い勝手が悪いという問題があった。
【0005】
本発明の課題は、より適切な地図表示を行うことができるナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、地図情報を表示する表示手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、を備えるナビゲーション装置において、
道路の種類に関する情報を含む道路情報を記憶する道路情報記憶手段と、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、当該ナビゲーション装置が位置している道路を特定する道路特定手段と、
前記道路特定手段により特定された道路の種類を、前記道路情報記憶手段により記憶される前記道路情報に基づいて判別する判別手段と、
当該ナビゲーション装置が移動した位置に関する情報を、当該位置の通過の度に、移動履歴として記憶手段に記憶させるとともに、記憶後所定期間経過した移動履歴を当該記憶手段から削除する移動履歴記憶制御手段と、
階層分けされた道路の種類と、地図情報の種類及び/又は縮尺と、を対応付けて記憶する対応地図記憶手段と、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置であるか否かを、前記記憶手段により記憶される移動履歴に基づいて判定する判定手段と、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、所定時間以上停止しているか否かを判断する停止判断手段と、
当該ナビゲーション装置が停止している際に前記表示手段に表示させる地図情報の設定を複数の設定条件の中からユーザに選択させる選択手段と、
前記判定手段により、前記現在位置検出手段により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置でないと判定された場合に、前記判別手段により判別される道路の種類に応じて、前記表示手段に表示される地図情報を切り替えて表示させるとともに、前記停止判断手段により、所定時間以上停止していると判断された場合に、前記選択手段により選択された設定条件に従って前記表示手段に地図情報を表示させる表示制御手段と、
を備え、
前記対応地図記憶手段は、上位階層の道路の種類に、より広域な地図情報を対応付けて記憶し、
前記表示制御手段は、前記対応地図記憶手段において、前記判別手段により判別される道路の種類に対応付けられた種類及び/又は縮尺の地図情報に切り替えることにより、前記判別手段により判別される道路の種類がより上位階層に属するほど、より広域な地図情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、地図情報を表示する表示手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、を備えるナビゲーション装置において、
道路の種類に関する情報を含む道路情報を記憶する道路情報記憶手段と、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、当該ナビゲーション装置が位置している道路を特定する道路特定手段と、
前記道路特定手段により特定された道路の種類を、前記道路情報記憶手段により記憶される前記道路情報に基づいて判別する判別手段と、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、当該ナビゲーション装置が位置している道路を特定する道路特定手段と、
前記道路特定手段により特定された道路の種類を判別する判別手段と、
当該ナビゲーション装置が移動した位置に関する情報を、当該位置の通過の度に、移動履歴として記憶手段に記憶させるとともに、記憶後所定期間経過した移動履歴を当該記憶手段から削除する移動履歴記憶制御手段と、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置であるか否かを、前記記憶手段により記憶される移動履歴に基づいて判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記現在位置検出手段により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置でないと判定された場合に、前記判別手段により判別される道路の種類に応じて、前記表示手段に表示される地図情報を切り替えて表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載のナビゲーション装置において、道路の種類と、地図情報の種類及び/又は縮尺と、を対応付けて記憶する対応地図記憶手段を備え、
前記表示制御手段は、前記対応地図記憶手段において、前記判別手段により判別される道路の種類に対応付けられた種類及び/又は縮尺の地図情報に切り替えることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載のナビゲーション装置において、前記現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、所定時間以上停止しているか否かを判断する停止判断手段と、
当該ナビゲーション装置が停止している際に前記表示手段に表示させる地図情報の設定を複数の設定条件の中からユーザに選択させる選択手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記停止判断手段により、所定時間以上停止していると判断された場合に、前記選択手段により選択された設定条件に従って前記表示手段に地図情報を表示させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、地図情報を表示する表示手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、が備わるとともに、道路情報記憶手段により、道路の種類に関する情報を含む道路情報が記憶され、道路特定手段により、現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、ナビゲーション装置が位置している道路が特定され、判別手段により、道路特定手段により特定された道路の種類が、道路情報記憶手段により記憶される道路情報に基づいて判別され、移動履歴記憶制御手段により、ナビゲーション装置が移動した位置に関する情報が、当該位置の通過の度に、移動履歴として記憶手段に記憶されるとともに、記憶後所定期間経過した移動履歴が記憶手段から削除され、対応地図記憶手段により、階層分けされた道路の種類と、地図情報の種類及び/又は縮尺と、が対応付けられて記憶され、判定手段により、現在位置検出手段により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置であるか否かが、記憶手段により記憶される移動履歴に基づいて判定され、停止判断手段により、現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、所定時間以上停止しているか否かが判断され、選択手段により、ナビゲーション装置が停止している際に表示手段に表示させる地図情報の設定が複数の設定条件の中からユーザにより選択され、表示制御手段により、判定手段により現在位置検出手段により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置でないと判定された場合に、判別手段により判別される道路の種類に応じて、表示手段に表示される地図情報が切り替えられて表示されるとともに、停止判断手段により、所定時間以上停止していると判断された場合に、選択手段により選択された設定条件に従って表示手段に地図情報が表示される。また、対応地図記憶手段により、上位階層の道路の種類に、より広域な地図情報が対応付けられて記憶され、表示制御手段により、対応地図記憶手段において、判別手段により判別される道路の種類に対応付けられた種類及び/又は縮尺の地図情報に切り替えられることにより、判別手段により判別される道路の種類がより上位階層に属するほど、より広域な地図情報が表示手段に表示される。
したがって、過去の所定期間内に所定回数以上通過していない位置においてのみ、表示手段に表示される地図情報が、道路の種類に応じた種類及び/又は縮尺の地図情報に切り替えられるとともに、位置している道路の種類が上位階層に属するほど、より広域な地図情報が表示手段に表示されることとなって、より適切な地図表示を行うことができるナビゲーション装置を提供することができる。また、停止時には、表示手段に、ユーザの所望する設定条件での地図情報が表示されることとなり、ナビゲーション装置の使い勝手を向上させることができる。
【0011】
請求項2に記載の発明によれば、地図情報を表示する表示手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、を備えるナビゲーション装置において、道路情報記憶手段により、道路の種類に関する情報を含む道路情報が記憶され、道路特定手段により、現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、ナビゲーション装置が位置している道路が特定され、判別手段により、道路特定手段により特定された道路の種類が、道路情報記憶手段により記憶される道路情報に基づいて判別され、移動履歴記憶制御手段により、ナビゲーション装置が移動した位置に関する情報が、当該位置の通過の度に、移動履歴として記憶手段に記憶されるとともに、記憶後所定期間経過した移動履歴が当該記憶手段から削除され、判定手段により、現在位置検出手段により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置であるか否かが、記憶手段により記憶される移動履歴に基づいて判定され、表示制御手段により、判定手段により、現在位置検出手段により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置でないと判定された場合に、判別手段により判別される道路の種類に応じて、表示手段に表示される地図情報が切り替えられて表示される。
したがって、過去の所定期間内に所定回数以上通過していない位置においてのみ、表示手段に表示される地図情報が、道路の種類に応じた地図情報に切り替えられることとなって、より適切な地図表示を行うことができるナビゲーション装置を提供することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、対応地図記憶手段により、道路の種類と、地図情報の種類及び/又は縮尺と、が対応付けられて記憶され、表示制御手段により、対応地図記憶手段において、判別手段により判別される道路の種類に対応付けられた種類及び/又は縮尺の地図情報に切り替えられる。
したがって、表示手段に表示される地図情報が、道路の種類に応じた種類及び/又は縮尺の地図情報に切り替えられることとなって、より適切な地図表示が可能となる。
【0013】
請求項4に記載の発明によれば、請求項2又は3に記載の発明の効果が得られるのは無論のこと、停止判断手段により、現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、所定時間以上停止しているか否かが判断され、選択手段により、ナビゲーション装置が停止している際に表示手段に表示させる地図情報の設定が複数の設定条件の中からユーザにより選択され、表示制御手段により、停止判断手段により所定時間以上停止していると判断された場合に、選択手段により選択された設定条件に従って表示手段に地図情報が表示される。
したがって、停止時には、表示手段に、ユーザの所望する設定条件での地図情報が表示されることとなり、ナビゲーション装置の使い勝手を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明を行う。
本実施形態のナビゲーション装置100は、例えば、車両等に搭載されるポータブル型のナビゲーション装置であり、地図情報や、目的地までの経路探索・経路案内等の各種情報を、ユーザに提供する。
【0015】
まず、ナビゲーション装置100の要部構成について、図1を参照しながら説明する。
ナビゲーション装置100は、例えば、現在位置検出手段としての現在位置検出部1、通信部2、表示手段としての表示部3、入力部4、制御部5等を備えて構成されている。
【0016】
現在位置検出部1は、例えば、ナビゲーション装置100の相対座標を検出するジャイロセンサ等の方位センサ・車速センサ等の距離センサや、ナビゲーション装置100の絶対座標を検出するGPS測位部等から構成され、ナビゲーション装置100自身の現在位置情報を検出し、検出した現在位置情報に基づく現在位置検出信号を制御部5に出力する。
具体的には、方位センサは、例えば、光学式の光ファイバジャイロや振動型の圧電振動ジャイロ等であり、ナビゲーション装置100の搭載された車両の進行方位を検出する。また、車速センサは、ナビゲーション装置100の搭載された車両の走行速度を検出する。
GPS測位部は、例えば、位置が既知である複数(例えば、少なくとも3つ)の人工衛星からの電波をGPSアンテナ(図示省略)により受信し、各人工衛星から受信した電波の到達時間から、各人工衛星からのナビゲーション装置100までの距離を算出し、各人工衛星からの距離の交点の緯度・経度データを特定する。
【0017】
通信部2は、例えば、図示しない情報提供装置とネットワーク接続されており、ネットワークを介して情報提供装置から送信された経路案内、地図情報等の各種情報を受信する。
【0018】
表示部3は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを備えて構成され、制御部5からの制御に応じて、地図情報その他の各種情報を当該ディスプレイに表示させる。
【0019】
入力部4は、例えば、文字/数字キー、各種機能キー、表示部3と一体的に構成されたタッチパネル等から構成され、ユーザが、目的地点や出発地点等の各種情報の入力を行う。
具体的には、入力部4は、ユーザによるキーの押下に基づくキー押下信号を制御部5に出力するとともに、タッチパネルにおいてユーザによりタッチ操作が行われると、当該タッチ操作された座標を算出し、算出した座標に基づく押下信号を制御部5に出力する。また、入力部4は、例えば、リモートコントローラ等に備わり、遠隔操作が可能な構成であってもよい。
【0020】
制御部5は、CPU(Central Processing Unit)51、RTC(Real Time Clock)52、メモリ部53、ROM(Read Only Memory)54等を備えて構成されている。
【0021】
CPU51は、ナビゲーション装置100の各部から入力された入力信号等に応じて、ROM54に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、ナビゲーション装置100の動作全般を統括制御する。
【0022】
RTC52は、現在時刻をカウントし、カウントした現在時刻をCPU51に対して出力する。
【0023】
メモリ部53は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリからなるワークエリア531を備えており、CPU51によって各種プログラムが実行される際に生じる処理結果や、入力されたデータ等をこのワークエリア531に記憶させる。
【0024】
また、メモリ部53は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)等の不揮発性メモリからなるデータエリア532を備えている。データエリア532は、例えば、道路情報記憶手段としての地図情報DB532a、エリアコード記憶部532b、記憶手段としての移動履歴記憶部532c、対応地図記憶手段としての対応地図記憶部532d等を記憶している。
【0025】
地図情報DB532aは、例えば、種類や縮尺の異なる地図情報を階層構造で格納する。
具体的には、地図情報DB532aは、例えば、道路種別に応じて、地図情報を第1〜第3階層の3つの階層に分けて記憶している。上位の階層としての第1階層には、例えば、高速自動車国道や一般国道が収録された広域地図が格納され、第2階層には、広域地図で表示される道路に加えて、都道府県道や市町村道が収録された中域地図が格納される。また、下位の階層としての第3階層には、中域地図で表示される道路に加えて、更に、細街路が収録された詳細地図が格納される。
【0026】
ここで、地図情報DB532aに格納される地図情報のデータ構造について説明する。
地図情報は、地表面が所定の面積の矩形領域に分割されたメッシュと呼ばれる単位のデータの集まりであり、地図情報を構成するメッシュデータの各々には、メッシュコード(例えば、標準地域メッシュシステムによるもの等)が付与されている。
さらに、各メッシュデータは、格子状の分割エリアデータに分割されており、各分割エリアには、エリアコードが付与されて、後述するエリアコード記憶部532bに記憶されている。各分割エリアは、例えば、1辺が100m2等の矩形領域である。
【0027】
また、地図情報DB532aに格納される地図情報は道路情報を含んでおり、この道路情報には、道路の種類に関する情報としての道路の幅員情報・道路の車線情報の他、道路の形状情報、道路の種別情報、道路番号、交差点情報、その他のノード情報、リンク情報等が含まれている。当該道路情報は、後述する道路特定プログラム54bの実行に際して、現在位置検出部1により検出される現在位置に基づいて行われるマップマッチング処理による道路の特定に用いられるとともに、判別プログラム54cの実行に際して、特定された道路の種類の判別に用いられることとなる。
【0028】
また、地図情報には、上述の道路情報の他、住所情報や、建物、施設、店舗、公園、鉄道に関する情報、地形情報等が含まれている。さらに、随時、ネットワークを介して情報提供装置(図示省略)からダウンロードした最新の地図情報に更新されるようになっている。
【0029】
なお、地図情報DB532aは、道路種別に応じて階層分けがされたものに限られることなく、例えば、表示可能な縮尺や、道路の幅員、道路種別以外の分類による地図の種類に応じて階層分けされたものであっても良い。
縮尺に応じて階層分けをする場合、例えば、第1階層には、1/5000〜1/25000の表示縮尺に対応する地図情報、第2階層には、1/2500〜1/10000の表示縮尺に対応する地図情報、第3階層には、1/500〜1/1000の表示縮尺に対応する地図情報を格納する。
また、道路の幅員に応じて階層分けをする場合、例えば、第1階層には、幅員20m以上の道路が収録される地図情報、第2階層には、幅員5m以上の道路が収録される地図情報、第3階層には、更に、幅員5m未満の道路も収録される地図情報を格納する。
【0030】
エリアコード記憶部532bは、地図情報DB532aに格納される地図情報を構成する分割エリアの各々に付与されているエリアコードを記憶する。
図2は、エリアコード記憶部532bを例示する図である。図2に示すように、エリアコード記憶部532bは、地図情報における分割エリアのそれぞれに対して、12桁のエリアコードを割り当てるとともに、各分割エリアの位置情報として緯度範囲と経度範囲を記憶している。
【0031】
移動履歴記憶部532cは、後述する移動履歴記憶制御プログラム54dの実行において、ナビゲーション装置100が移動した位置に関する情報を移動履歴として記憶する。
図3は、移動履歴記憶部532cを例示する図である。図3に示すように、移動履歴記憶部532cは、地図情報における分割エリアにそれぞれ割り当てられた各エリアコードに、当該エリアコードが割り当てられている分割エリアの通過回数と、通過時の日付情報を記憶することにより、ナビゲーション装置100が通過した位置を移動履歴として記憶する。例えば、図3の移動履歴記憶部532cの例では、エリアコード「1234-56-10-11-12」の分割エリアの通過回数は「2回」であり、1回目の通過が2007/03/10、2回目の通過が2007/03/11に行われている。
また、当該移動履歴記憶部532cに記憶された移動履歴は、記憶後所定期間(例えば、6ヶ月間)が経過すると削除され、所定期間の移動履歴のみが保持されるようになっている。
【0032】
対応地図記憶部532dは、階層分けされた道路の種類と、地図情報の種類及び/又は縮尺とを対応付けて記憶する。
ここで、「道路の種類」とは、道路の幅員、道路の車線数、道路の種別等、道路を分類するための何らかのファクターであり、本実施形態では、例えば、道路の幅員と、道路の車線数であるものとする。
道路の種類としての道路の幅員・車線数は階層分けされており、道路の幅員が大きい程上位の階層とされ、また、道路の車線数が多いほど上位の階層とされる。例えば、道路の幅員は、幅員20m以上が上位階層、幅員5〜20mが中位階層、幅員5m未満が下位階層とされる。また、例えば、道路の車線数は、5車線以上が上位階層、2〜4車線が中位階層、1車線が下位階層とされる。
図4は、対応地図記憶部532dを例示する図である。図4に示すように、対応地図記憶部532dは、各階層の道路の幅員/車線数に対して、地図情報の種類としての地図情報DB532aにおける階層と、表示縮尺を対応付けて記憶しており、上位階層に属する道路の幅員/車線数に対してより広域な地図情報(地図情報DB532aにおける上位の階層・大きい縮尺)を対応づけている。
例えば、図4の対応地図記憶部532dの例では、上位階層としての幅員20m以上/5車線以上の道路には、地図DBにおける第1階層の広域地図が対応付けられているとともに、表示縮尺として1/10000が対応付けられている。また、中位階層としての幅員5〜20m/2〜4車線の道路には、第2階層の中域地図と1/2500の表示縮尺が対応付けられている。さらに、下位階層としての幅員5m以下/1車線の道路には、第3階層の詳細地図と1/1000の表示縮尺が対応付けられている。
【0033】
ROM54は、例えば、不揮発性メモリから成るプログラム格納エリアを有しており、具体的には、現在位置検出プログラム54a、道路特定プログラム54b、判別プログラム54c、移動履歴記憶制御プログラム54d、判定プログラム54e、停止判断プログラム54f、選択プログラム54g、表示制御プログラム54h等を備えている。
【0034】
現在位置検出プログラム54aは、例えば、CPU51に、ナビゲーション装置100の現在位置を検出する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU51は、方位センサ、車速センサ、GPS測位部等から構成される現在位置検出部1に、ナビゲーション装置100自身の現在位置情報を取得させ、当該現在位置検出部1から出力される現在位置検出信号に基づいて、ナビゲーション装置100の搭載された車両の現在位置としての緯度・経度を特定する。
CPU51は、かかる現在位置検出プログラム54aを実行することにより、現在位置検出部1とともに現在位置検出手段として機能する。
【0035】
道路特定プログラム54bは、例えば、CPU51に、現在位置検出プログラム54aの実行により検出される現在位置に基づいて、ナビゲーション装置100が位置している道路を特定する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU51は、後述する表示制御プログラム54hの実行時等の所定のタイミングで、前述の現在位置検出プログラム54aの実行により検出される現在位置に基づいて、マップマッチング処理を行い、ナビゲーション装置100が搭載された車両が位置している道路を、地図情報DB532aに記憶されている道路情報に基づいて特定する。マップマッチング処理では、例えば、車両の走行軌跡に応じて、マッチング候補となる道路を求め、マッチング候補から最も相関が高い道路を特定して、その道路上に現在位置をマッチングさせるパターンマッチングが行われる。
CPU51は、かかる道路特定プログラム54bを実行することにより、道路特定手段として機能する。
【0036】
判別プログラム54cは、例えば、CPU51に、道路特定プログラム54bの実行により特定された道路の種類を、地図情報DB532aにより記憶される道路情報に基づいて判別する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU51は、前述の道路特定プログラム54bの実行により、現在位置検出プログラム54aの実行により検出される現在位置に基づいてマップマッチング処理が行われてナビゲーション装置100の搭載された車両が位置している道路が特定されると、地図情報DB532aに記憶されている道路情報から、位置していると特定された道路に関する道路の種類に関する情報(道路の幅員情報又は道路の車線情報)を取得し、取得した道路の種類に関する情報に基づいて、道路の種類(幅員/車線数)を判別する。
判別プログラム54cの実行において、CPU51により判別される道路の種類は、道路の幅員と道路の車線数のうちから、図示しないメニュー画面等において予めユーザにより選択されており、CPU51は、ユーザによる設定に基づいて、ナビゲーション装置100が搭載された車両が位置している道路の幅員又は道路の車線数を判別する。
CPU51は、かかる判別プログラム54cを実行することにより、判別手段として機能する。
【0037】
移動履歴記憶制御プログラム54dは、例えば、CPU51に、ナビゲーション装置100が移動した位置に関する情報を、当該位置の通過の度に、移動履歴として移動履歴記憶部532cに記憶させるとともに、記憶後所定期間経過した移動履歴を当該移動履歴記憶部532cから削除する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU51は、ナビゲーション装置100が搭載された車両の走行時に、現在位置検出プログラム54aの実行により検出される現在位置としての緯度・経度が特定されると、当該緯度・経度が含まれる分割エリアを、エリアコード記憶部532bに基づいて特定する。そして、特定される分割エリアに基づいて、ある分割エリアから別の分割エリアに移動したと判断すると、その度に、移動履歴記憶部532cにおいて、特定された分割エリアの通過回数を一回分カウントアップするとともに、通過時の日付情報を記憶する。CPU51は、異なる分割エリアに移動する度にこの処理を行い、分割エリアの通過回数をカウントする。
また、CPU51は、当該移動履歴記憶部532cに、所定期間(例えば、6ヶ月間)以上前に記憶した情報が記憶されている場合には、その移動履歴における日付情報を削除して、当該分割エリアの通過回数をカウントダウンすることにより、移動履歴記憶部532cに所定期間内の移動履歴のみを記憶させる。
CPU51は、かかる移動履歴記憶制御プログラム54dを実行することにより、移動履歴記憶制御手段として機能する。
【0038】
判定プログラム54eは、例えば、CPU51に、現在位置検出プログラム54aの実行により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置であるか否かを、移動履歴記憶部532cにより記憶された移動履歴に基づいて判定する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU51は、ナビゲーション装置100が搭載された車両の走行時に、前述の移動履歴記憶制御プログラム54dの実行において、現在位置検出プログラム54aの実行により検出される現在位置としての緯度・経度が含まれる分割エリアが、エリアコード記憶部532bに基づいて特定され、移動履歴記憶部532cにおける当該分割エリアの通過回数がカウントアップされると、当該分割エリアの通過回数が所定回数以上(例えば、5回以上)であるか否かを判断する。
CPU51は、かかる判定プログラム54eを実行することにより、判定手段として機能する。
【0039】
停止判断プログラム54fは、例えば、CPU51に、現在位置検出プログラム54aの実行により検出される現在位置に基づいて、所定時間以上停止しているか否かを判断する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU51は、前述の現在位置検出プログラム54aの実行により検出される現在位置としての緯度・経度が、所定時間以上(例えば、5秒以上)変わらない場合には、ナビゲーション装置100が所定時間以上停止していると判断する。
CPU51は、かかる停止判断プログラム54fを実行することにより、停止判断手段として機能する。
【0040】
選択プログラム54gは、例えば、CPU51に、ナビゲーション装置100が停止している際に、表示部3に表示させる地図情報の設定を複数の設定条件の中からユーザに選択させる機能を実現させるためのプログラムである。
図5は、選択プログラム54gの実行において、表示部3に表示される地図表示設定画面の例示である。図5に示すように、地図表示設定画面では、ナビゲーション装置100が停止している際に、表示部3に表示される地図情報の設定条件が複数(例えば、3つ)表示されており、入力部4における操作により、ユーザに一つの設定条件を選択させるようになっている。図5の地図表示設定画面では、例えば、現在の表示縮尺より1段階広域の表示縮尺で表示を行う第1の設定条件と、ユーザが設定した表示縮尺で表示を行う第2の設定条件と、現在の表示縮尺を変更しない第3の設定条件の、3つの設定条件から選択できるようになっており、第2の設定条件を選択した場合には、更に、表示縮尺を複数の縮尺(例えば、1/500・1/1000・1/2500・1/5000・1/10000・1/25000等)の中から選択して設定できるようになっている。CPU51は、当該地図表示設定画面において、ユーザにより一の設定条件が選択されると、選択された設定条件を停止時に表示させる地図情報の設定として、メモリ部53における所定の領域に記憶させる。
また、当該設定条件選択画面では、表示部3に表示させる地図情報の表示縮尺の他、地図情報の種類も選択可能であっても良い。
CPU51は、かかる選択プログラム54gを実行することにより、選択手段として機能する。
【0041】
表示制御プログラム54hは、例えば、CPU51に、判定プログラム54eの実行により、現在位置検出プログラム54aの実行により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置でないと判定された場合に、判別プログラム54cにより判別される道路の種類に応じて、表示部3に表示される地図情報を切り替えて表示させる機能を実現させるためのプログラムである。より具体的には、表示制御プログラム54hは、対応地図記憶部532dにおいて、判別プログラム54cの実行により判別される道路の種類としての道路の幅員又は道路の車線数に対応付けられた種類及び/又は縮尺の地図情報に切り替えることにより、判別プログラム54cにより判別される道路の種類(道路の幅員/車線数)が上位階層に属する道路の種類となるにつれて、より広域な地図情報を表示部3に表示させる。
また、当該表示制御プログラム54hは、例えば、CPU51に、停止判断プログラム54fの実行により、所定時間以上停止していると判断された場合に、選択プログラム54gの実行において選択された設定条件に従って、表示部3に地図情報を表示させる機能を実現させるためのプログラムである。
CPU51は、かかる表示制御プログラム54hを実行することにより、表示制御手段として機能する。
【0042】
ここで、まず、走行時における表示制御プログラム54hの実行による地図情報の表示制御について、具体的に説明する。
CPU51は、前述の判定プログラム54eの実行により、移動履歴記憶部532cにおける当該分割エリアの通過回数がカウントアップされて、当該分割エリアの通過回数が所定回数以上(例えば、5回以上)であると判断すると、道路特定プログラム54bを実行してナビゲーション装置100が位置している道路を特定するとともに、判別プログラム54cの実行により、地図情報DB532aに地図情報とともに記憶されている道路情報に基づいて、特定された道路の種類を判別する。そして、対応地図記憶部532dを参照し、判別した道路の種類に対応づけられている地図情報の種類としての地図情報DB532aにおける階層と、縮尺とを取得し、取得した地図情報の種類及び縮尺に基づいて、表示部3に表示される地図情報の種類と縮尺を切り替える。
例えば、ナビゲーション装置100が、ある分割エリアから別の分割エリアに移動すると、CPU51は、移動履歴記憶部532cにおいて、移動先の分割エリアのエリアコードに対応付けられている通過回数を一回分カウントアップする。そして、分割エリアの通過回数が所定回数以上(例えば、5回以上)であるか否かを判断して、所定回数以上でないと判断すると、道路特定プログラム54bの実行によりナビゲーション装置100の位置している道路を特定するとともに、判別プログラム54cの実行により、当該特定された道路の種類としての道路の幅員/車線数を、地図情報DB532aの道路情報に含まれる道路の種類に関する情報(道路の幅員情報/道路の車線情報)に基づいて判別する。そして、対応地図記憶部532dにおいて道路の種類としての道路の幅員/車線数に対応付けられた地図情報の種類と縮尺を取得して、これに基づいて表示部3に表示された地図情報を切り替える。また、CPU51は、分割エリアの通過回数が所定回数以上(例えば、5回以上)であると判断した場合には、表示部3に表示される地図情報の切り替えは行わない。
【0043】
例えば、図3の移動履歴記憶部532cの例では、エリアコード「1234-56-10-11-13」の分割エリアに移動した場合には、通過回数が所定回数以上(例えば、5回以上)であるため、ユーザにとって不案内なエリアである可能性は低いとされて、表示部3の地図情報は変更されない。一方、エリアコード「1234-56-10-11-11」の分割エリアに移動した場合には、通過回数が所定回数以上(例えば、5回以上)でないため、ユーザにとって不案内なエリアである可能性が高いとされて、対応地図記憶部532dにおいて道路の種類としての道路の幅員/車線数に対応付けられている地図情報の種類と縮尺に基づいて、表示部3の地図情報が、ナビゲーション装置100の位置している道路の幅員又は車線数に応じて、自動的に変更される。
例えば、予めユーザにより道路の幅員に応じて地図情報の自動切替を行う設定がなされている場合には、判別プログラム54cの実行により判別されたナビゲーション装置100の位置している道路の幅員が22mである場合、CPU51は、地図情報DB532aから第1階層の広域地図を取得して、表示部3に、取得した広域地図を表示させるとともに、当該広域地図の縮尺を1/10000とする。また、例えば、判別プログラム54cの実行により判別されたナビゲーション装置100の位置している道路の幅員が4mである場合、CPU51は、地図情報DB532aから第3階層の詳細地図を取得して、表示部3に、取得した詳細地図を表示させるとともに、当該詳細地図の縮尺を1/1000とする。
また、例えば、予めユーザにより道路の車線数に応じて地図情報の自動切替を行う設定がなされている場合には、判別プログラム54cの実行により判別されたナビゲーション装置100の位置している道路の車線数が4車線である場合、CPU51は、地図情報DB532aから第2階層の中域地図を取得して、表示部3に、取得した中域地図を表示させるとともに、当該中域地図の縮尺を1/2500とする。また、例えば、判別プログラム54cの実行により判別されたナビゲーション装置100の位置している道路の車線数が1車線である場合、CPU51は、地図情報DB532aから第3階層の詳細地図を取得して、表示部3に、取得した詳細地図を表示させるとともに、当該詳細地図の縮尺を1/1000とする。
これにより、過去の所定期間内に所定回数以上通過したことのない分割エリアのみにおいて、道路の幅員/車線数に応じて地図情報が切り替えられることとなる。さらに、幅員が大きい又は車線数が多い程、より広域な地図情報が表示部3に表示されるとともに、幅員が小さい又は車線数が少ない程、より詳細な地図情報が表示部3に表示されることとなる。
【0044】
次に、停止時における表示制御プログラム54hの実行による地図情報の表示制御について、具体的に説明する。
CPU51は、前述の停止判断プログラム54fの実行により、所定時間以上停止していると判断されると、選択プログラム54gの実行により、地図表示設定画面において選択された設定条件に従って、表示部3に地図情報を表示させる。
例えば、ナビゲーション装置100が走行中に所定時間以上停止すると、CPU51は、停止と判断し、地図表示設定画面においてユーザの選択した設定条件を、メモリ部53の所定の領域から読み出して、読み出した設定条件に基づいて、表示部3に表示されている地図情報を切り替える。例えば、現在の表示縮尺より1段階広域の表示縮尺で表示を行う第1の設定条件が設定されている場合、CPU51は、現在の表示縮尺より1段階広域の縮尺に切り替える(例えば、1/10000→1/25000)。また、例えば、ユーザが設定した表示縮尺で表示を行う第2の設定条件が設定されている場合、CPU51は、ユーザの設定した表示縮尺(例えば、1/1000)に切り替える。また、例えば、現在の表示縮尺を変更しない第3の設定条件が設定されている場合、CPU51は、現在の表示縮尺を変更しない。
これにより、停止時には、表示部3にユーザ所望の地図情報が表示されることとなる。
【0045】
次に、図6のフローチャートを参照しながら、地図表示切替処理について説明する。
まず、ステップS1において、CPU51は、現在位置検出部1から出力される現在位置検出信号に基づいて、ナビゲーション装置100の現在位置としての緯度・経度を特定する。ステップS2において、CPU51は、特定した現在位置に基づいて、エリアコード記憶部532bを参照し、ある分割エリアから別の分割エリアに移動したか否かを判断する。CPU51は、ステップS2において、別の分割エリアに移動したと判断すると(ステップS2;Yes)、ステップS3において、移動履歴記憶部532cにおいて、現在位置している移動先の分割エリアのエリアコードに対応付けられている当該分割エリアの通過回数を一回分カウントアップするとともに、日付情報を記憶する。さらに、ステップS4において、移動履歴記憶部532cに、所定期間(例えば、6ヶ月間)以上前に記憶した移動履歴がある場合には、その移動履歴を削除し、移動履歴記憶部532cを更新する。
【0046】
ステップS5において、CPU51は、現在位置している分割エリアの通過回数が所定回数以上であるか否かを判断する。CPU51は、現在位置している分割エリアの通過回数が所定回数以上であると判断すると(ステップ5;Yes)、ステップS1に戻って以上の処理を繰り返す。一方、CPU51は、現在位置している分割エリアの通過回数が所定回数未満であると判断すると(ステップS5;No)、ステップS6において、現在位置検出部1により検出される現在位置と、地図情報DB532aに格納されている地図情報に基づいてマップマッチング処理を行い、ナビゲーション装置100の位置している道路を特定する。さらに、ステップS7において、ナビゲーション装置100が位置している分割エリアにおける、ステップS6において特定された道路の種類としての、階層分けされた道路の幅員/車線数を、地図情報から取得した道路情報に含まれる道路の種類に関する情報(道路の幅員情報/道路の車線情報)に基づいて判別する。
【0047】
そして、ステップS8において、対応地図記憶部532dを参照し、判別した道路の幅員/車線数に対応付けられている地図情報の種類としての地図情報DB532aにおける階層と、地図情報の表示縮尺とを取得し、ステップS9において、表示部3に現在表示している地図情報の種類・縮尺は、判別した道路の幅員/車線数に対応付けられている地図情報の種類・縮尺と異なるか否かを判断する。CPU51は、ステップS9において、表示部3に現在表示している地図情報の種類・縮尺は、判別した道路の幅員/車線数に対応付けられている地図情報の種類・縮尺と同一であると判断すると(ステップS9;No)、ステップS10において、現在位置検出部1から出力される現在位置検出信号に基づいて、ナビゲーション装置100の現在位置としての緯度・経度を特定する。そして、ステップS11において、CPU51は、特定した現在位置に基づいて、エリアコード記憶部532bを参照し、別の分割エリアに移動したか否かを判断する。CPU51は、ステップS11において、別の分割エリアに移動したと判断すると(ステップS11;Yes)、ステップS3に戻って以上の処理を繰り返し、一方、別の分割エリアに移動していないと判断すると(ステップS11;No)、ステップS6に戻って以上の処理を繰り返す。
【0048】
一方、CPU51は、ステップS9において、表示部3に現在表示している地図情報の種類・縮尺は、判別した道路の幅員/車線数に対応付けられている地図情報の種類・縮尺と異なると判断すると(ステップS9;Yes)、ステップS12に進む。
ステップS12において、CPU51は、地図情報DB532aから、判別した道路の幅員/車線数に対応する種類の地図情報を取得して、表示部3の地図情報を、取得した地図情報に切り替えるとともに、縮尺を切り替えて、ステップS10に戻って以上の処理を繰り返す。
【0049】
以上説明した本実施形態におけるナビゲーション装置100によれば、地図情報を表示する表示部3が備わるとともに、CPU51による現在位置検出プログラム54aの実行により現在位置が検出され、地図情報DB532aにより、道路の種類に関する情報を含む道路情報が記憶され、道路特定プログラム54bの実行により、現在位置検出プログラム54aの実行により検出される現在位置に基づいて、ナビゲーション装置100が位置している道路が特定され、判別プログラム54cの実行により、道路特定プログラム54bの実行により特定された道路の種類が、地図情報DB532aにより記憶される道路情報に基づいて判別され、移動履歴記憶制御プログラム54dの実行により、ナビゲーション装置100が移動した位置に関する情報が、当該位置の通過の度に、移動履歴として移動履歴記憶部532cに記憶されるとともに、記憶後所定期間経過した移動履歴が移動履歴記憶部532cから削除され、対応地図記憶部532dにより、階層分けされた道路の種類と、地図情報の種類及び/又は縮尺と、が対応付けられて記憶され、判定プログラム54eの実行により、現在位置検出プログラム54aの実行により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置であるか否かが、移動履歴記憶部532cにより記憶される移動履歴に基づいて判定され、停止判断プログラム54fの実行により、現在位置検出プログラム54aの実行により検出される現在位置に基づいて、所定時間以上停止しているか否かが判断され、選択プログラム54gの実行により、ナビゲーション装置100が停止している際に表示部3に表示させる地図情報の設定が複数の設定条件の中からユーザにより選択され、表示制御プログラム54hの実行により、判定プログラム54eの実行により現在位置検出プログラム54aの実行により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置でないと判定された場合に、判別プログラム54cの実行により判別される道路の種類に応じて、表示部3に表示される地図情報が切り替えられて表示されるとともに、停止判断プログラム54fの実行により、所定時間以上停止していると判断された場合に、選択プログラム54gの実行により選択された設定条件に従って表示部3に地図情報が表示される。また、対応地図記憶部532dにより、上位階層の道路の種類に、より広域な地図情報が対応付けられて記憶され、表示制御プログラム54hの実行により、対応地図記憶部532dにおいて、判別プログラム54cの実行により判別される道路の種類に対応付けられた種類及び/又は縮尺の地図情報に切り替えられることにより、判別プログラム54cの実行により判別される道路の種類がより上位階層に属するほど、より広域な地図情報が表示部3に表示される。
したがって、過去の所定期間内に所定回数以上通過していない位置においてのみ、表示部3に表示される地図情報が、道路の種類に応じた種類及び/又は縮尺の地図情報に切り替えられるとともに、位置している道路の種類が上位階層に属するほど、より広域な地図情報が表示部3に表示されることとなって、より適切な地図表示を行うことができるナビゲーション装置100を提供することができる。また、停止時には、表示部3に、ユーザの所望する設定条件での地図情報が表示されることとなり、ナビゲーション装置100の使い勝手を向上させることができる。
【0050】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、上記実施形態では、格子状に分割される分割エリアごとに、通過回数をカウントしたが、例えば、道路毎に通過回数をカウントし、移動履歴記憶部532cに記憶された通過回数が所定回数以下の道路において、地図情報の表示切替を行うように構成しても良い。
また、例えば、地図情報DB532a、エリアコード記憶部532b、移動履歴記憶部532c、対応地図記憶部532d等の記憶媒体は、ハードディスク(Hard Disc)や、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)等、光学的、磁気的、半導体メモリ等の何れの記憶媒体で構成しても良い。また、固定的に設けたもの(例えば、磁気テープ、ハードディスク等)でも良く、着脱自在に設けたもの(例えば、FD、MO、DVD等)であっても良い。
また、例えば、選択プログラム54gの実行において地図表示設定画面において選択可能な設定条件は、上記実施の形態で例示したものに限られることなく、例えば、現在表示中の縮尺よりも詳細な縮尺に変更する設定条件や、表示部3に表示中の地図情報の種類・縮尺を所定の時間間隔で切り替える設定条件等が選択可能であっても良い。
また、対応地図記憶部532dにおいて、道路の幅員/車線数に対応づける地図情報の種類・縮尺を、ユーザが設定可能な構成であっても良い。
また、上記実施形態では、道路の幅員又は道路の車線数の何れか一方に基づいて、地図情報の表示切替を行う場合について説明したが、幅員と車線数の両方に基づいて、地図情報の表示切替を行う構成であっても良い。
また、上記実施形態では、道路の種類を、道路の幅員・道路の車線数であるものとして説明したが、道路の種類は、道路種別や道路の形状等、道路の分類に関する何らかの要素であれば良い。
また、道路の幅員・車線数等の道路の種類は、幾つの階層に階層分けされて良い。
また、ナビゲーション装置100が位置している道路を特定するためのマップマッチング処理は、上記実施形態で例示したものに限られることなく、例えば、投影法によるものであっても良い。
また、移動履歴記憶制御プログラム54dの実行による移動履歴を記憶するための方法は上記実施形態で示した方法に限られない。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本実施形態におけるナビゲーション装置の要部構成を例示するブロック図である。
【図2】エリアコード記憶部を例示する図である。
【図3】移動履歴記憶部を例示する図である。
【図4】対応地図記憶部を例示する図である。
【図5】選択プログラムの実行において、表示部に表示される地図表示設定画面の例示である。
【図6】地図表示切替処理を例示するフローチャートである。
【符号の説明】
【0052】
100 ナビゲーション装置
1 現在位置検出部(現在位置検出手段)
3 表示部(表示手段)
51 CPU(現在位置検出手段、道路特定手段、判別手段、移動履歴記憶制御手段、判定手段、停止判断手段、選択手段、表示制御手段)
532a 地図情報DB(道路情報記憶手段)
532c 移動履歴記憶部(記憶手段)
532d 対応地図記憶部(対応地図記憶手段)
54a 現在位置検出プログラム(現在位置検出手段)
54b 道路特定プログラム(道路特定手段)
54c 判別プログラム(判別手段)
54d 移動履歴記憶制御プログラム(移動履歴記憶制御手段)
54e 判定プログラム(判定手段)
54f 停止判断プログラム(停止判断手段)
54g 選択プログラム(選択手段)
54h 表示制御プログラム(表示制御手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図情報を表示する表示手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、を備えるナビゲーション装置において、
道路の種類に関する情報を含む道路情報を記憶する道路情報記憶手段と、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、当該ナビゲーション装置が位置している道路を特定する道路特定手段と、
前記道路特定手段により特定された道路の種類を、前記道路情報記憶手段により記憶される前記道路情報に基づいて判別する判別手段と、
当該ナビゲーション装置が移動した位置に関する情報を、当該位置の通過の度に、移動履歴として記憶手段に記憶させるとともに、記憶後所定期間経過した移動履歴を当該記憶手段から削除する移動履歴記憶制御手段と、
階層分けされた道路の種類と、地図情報の種類及び/又は縮尺と、を対応付けて記憶する対応地図記憶手段と、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置であるか否かを、前記記憶手段により記憶される移動履歴に基づいて判定する判定手段と、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、所定時間以上停止しているか否かを判断する停止判断手段と、
当該ナビゲーション装置が停止している際に前記表示手段に表示させる地図情報の設定を複数の設定条件の中からユーザに選択させる選択手段と、
前記判定手段により、前記現在位置検出手段により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置でないと判定された場合に、前記判別手段により判別される道路の種類に応じて、前記表示手段に表示される地図情報を切り替えて表示させるとともに、前記停止判断手段により、所定時間以上停止していると判断された場合に、前記選択手段により選択された設定条件に従って前記表示手段に地図情報を表示させる表示制御手段と、
を備え、
前記対応地図記憶手段は、上位階層の道路の種類に、より広域な地図情報を対応付けて記憶し、
前記表示制御手段は、前記対応地図記憶手段において、前記判別手段により判別される道路の種類に対応付けられた種類及び/又は縮尺の地図情報に切り替えることにより、前記判別手段により判別される道路の種類がより上位階層に属するほど、より広域な地図情報を前記表示手段に表示させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
地図情報を表示する表示手段と、
現在位置を検出する現在位置検出手段と、を備えるナビゲーション装置において、
道路の種類に関する情報を含む道路情報を記憶する道路情報記憶手段と、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、当該ナビゲーション装置が位置している道路を特定する道路特定手段と、
前記道路特定手段により特定された道路の種類を、前記道路情報記憶手段により記憶される前記道路情報に基づいて判別する判別手段と、
当該ナビゲーション装置が移動した位置に関する情報を、当該位置の通過の度に、移動履歴として記憶手段に記憶させるとともに、記憶後所定期間経過した移動履歴を当該記憶手段から削除する移動履歴記憶制御手段と、
前記現在位置検出手段により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置であるか否かを、前記記憶手段により記憶される移動履歴に基づいて判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記現在位置検出手段により検出される現在位置が、所定回数以上通過した位置でないと判定された場合に、前記判別手段により判別される道路の種類に応じて、前記表示手段に表示される地図情報を切り替えて表示させる表示制御手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
道路の種類と、地図情報の種類及び/又は縮尺と、を対応付けて記憶する対応地図記憶手段を備え、
前記表示制御手段は、前記対応地図記憶手段において、前記判別手段により判別される道路の種類に対応付けられた種類及び/又は縮尺の地図情報に切り替えることを特徴とする請求項2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記現在位置検出手段により検出される現在位置に基づいて、所定時間以上停止しているか否かを判断する停止判断手段と、
当該ナビゲーション装置が停止している際に前記表示手段に表示させる地図情報の設定を複数の設定条件の中からユーザに選択させる選択手段と、を備え、
前記表示制御手段は、前記停止判断手段により、所定時間以上停止していると判断された場合に、前記選択手段により選択された設定条件に従って前記表示手段に地図情報を表示させることを特徴とする請求項2又は3に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−261804(P2008−261804A)
【公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−106315(P2007−106315)
【出願日】平成19年4月13日(2007.4.13)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】