説明

ナビゲーション装置

【課題】道に迷った場合において、過去に少なくとも一度通った道路までのルートを探索することができ、使い勝手がより向上したナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置100において、現在位置検出手段(現在位置検出部1等)は現在位置を検出し、地図情報取得手段(地図情報取得プログラム54c等)は道路情報を含む地図情報を取得し、道路履歴情報記憶手段(道路履歴記憶部532b、道路履歴情報記憶プログラム54c等)は過去に通過した道路に関する道路情報を記憶し、ルート探索手段(ルート探索プログラム54d)は、現在位置検出手段により検出された現在位置から、道路履歴情報記憶手段により記憶された道路情報における道路までのルートを探索し、提供手段(提供プログラム54e)は、ルート探索手段により探索されたルートに関するルート案内情報を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System:全地球測位システム)等を利用して、現在位置や出発地から目的地までの移動経路を探索し、探索した移動経路に基づいて経路案内情報を提供するナビゲーション装置が実用化されている。
【0003】
また、特許文献1には、過去の走行軌跡データを元に、目的地までの推奨経路を2種類探索し、2つの推奨経路のうちからより使用頻度の高い道路を優先的に選択することにより、案内経路の選択自由度を高めるとともに、使用者の好みに応じた道路を優先的に選択することができるナビゲーションシステムが提案されている。
【特許文献1】特開平9−292252号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、ユーザは、移動中に道に迷った場合等に、過去に通ったことのある道路や、幹線道路等に辿り着くための経路を探索したいと考える場合がある。
しかしながら、上記特許文献1を始めとする従来のナビゲーション装置では、ある目的地までの経路を探索するものであり、過去に通った道路や、幹線道路等までの経路を探索するものではなかった。
【0005】
本発明の課題は、道に迷った場合において、過去に少なくとも一度通った道路までのルートを探索することができ、使い勝手がより向上したナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、現在位置を検出する現在位置検出手段と、道路情報を含む地図情報を取得する地図情報取得手段と、を備えるナビゲーション装置において、
過去に通過した道路に関する前記道路情報を記憶する道路履歴情報記憶手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置から、前記道路履歴情報記憶手段により記憶された前記道路情報における前記道路までのルートを探索するルート探索手段と、
前記ルート探索手段により探索された前記ルートに関するルート案内情報を提供する提供手段と、
を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記ルート探索手段は、前記道路に、最短で到達可能なルートを探索することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のナビゲーション装置において、前記ルート探索手段は、前記地図情報取得手段により取得される前記地図情報に基づいて、所定の階層以上の道路を探索することを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、現在位置を検出する現在位置検出手段と、道路情報を含む地図情報を取得する地図情報取得手段と、を備えるナビゲーション装置において、
過去に通過した道路に関する前記道路情報を記憶する道路履歴情報記憶手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置から、前記道路履歴情報記憶手段により記憶された前記道路情報における前記道路までのルートを探索するルート探索手段と、
前記ルート探索手段により探索された前記ルートに関するルート案内情報を提供する提供手段と、を備え、
前記ルート探索手段は、前記道路に、最短で到達可能なルートを探索するとともに、前記地図情報取得手段により取得される前記地図情報に基づいて、所定の階層以上の道路を探索することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、現在位置検出手段により現在位置が検出され、地図情報取得手段により、道路情報を含む地図情報が取得され、道路履歴情報記憶手段により、過去に通過した道路に関する道路情報が記憶され、ルート探索手段により、現在位置検出手段により検出された現在位置から、道路履歴情報記憶手段により記憶された道路情報における道路までのルートが探索され、提供手段により、ルート探索手段により探索されたルートに関するルート案内情報が提供される。
したがって、過去に通過した道路までのルートが探索されることとなって、道に迷った場合において、過去に少なくとも一度通った道路までのルートを探索することが可能であり、使い勝手がより向上したナビゲーション装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明を行う。
本実施形態のナビゲーション装置100は、例えば、車両等に搭載されるポータブル型のナビゲーション装置であり、地図情報や、目的地までの経路探索・経路案内等の各種情報を、ユーザに提供する。
【0012】
まず、ナビゲーション装置100の要部構成について、図1を参照しながら説明する。
ナビゲーション装置100は、例えば、装置本体内に、現在位置検出手段としての現在位置検出部1、通信部2、表示部3、入力部4、制御部5等を備えて構成されている。
【0013】
現在位置検出部1は、例えば、ナビゲーション装置100の絶対座標を検出するGPS測位部等から構成され、ナビゲーション装置100自身の現在位置情報を検出し、検出した現在位置情報に基づく現在位置検出信号を制御部5に出力する。
具体的には、GPS測位部は、例えば、位置が既知である複数(例えば、少なくとも3つ)の人工衛星からの電波をGPSアンテナ(図示省略)により受信し、各人工衛星から受信した電波の到達時間から、各人工衛星からのナビゲーション装置100までの距離を算出し、各人工衛星からの距離の交点の緯度・経度データを特定する。
また、角速度を検出するジャイロセンサ等の方位センサ、走行に応じたパルスを計測することにより走行距離を検出する走行距離検出部等により、ナビゲーション装置100の現在位置を検出する構成であっても良い。
【0014】
通信部2は、例えば、図示しない情報提供装置とネットワーク接続されており、ネットワークを介して情報提供装置から送信された経路案内、地図情報等の各種情報を受信する。
【0015】
表示部3は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等のディスプレイを備えて構成され、制御部5からの制御に応じて、地図情報その他の各種情報を当該ディスプレイに表示させる。
【0016】
入力部4は、例えば、文字/数字キー、各種機能キー、表示部3と一体的に構成されたタッチパネル等から構成され、ユーザが、目的地点や出発地点等の各種情報の入力を行う。
具体的には、入力部4は、ユーザによるキーの押下に基づくキー押下信号を制御部5に出力するとともに、タッチパネルにおいてユーザによりタッチ操作が行われると、当該タッチ操作された座標を算出し、算出した座標に基づく押下信号を制御部5に出力する。また、入力部4は、例えば、リモートコントローラ等に備わり、遠隔操作が可能な構成であってもよい。
また、入力部4には、過去に少なくとも一度通った道路までのルートを探索するルート検索ボタンを専用に備えてもよい。これにより、道に迷った場合に、当該ルート検索ボタンを操作するだけで、その位置から過去に通った道までのルートの探索が可能となる。
【0017】
制御部5は、CPU(Central Processing Unit)51、RTC(Real Time Clock)52、メモリ部53、ROM(Read Only Memory)54等を備えて構成されている。
【0018】
CPU51は、ナビゲーション装置100の各部から入力された入力信号等に応じて、ROM54に格納された各種プログラムを実行するとともに、実行にかかるプログラムに基づいて各部に出力信号を出力することにより、ナビゲーション装置100の動作全般を統括制御する。
【0019】
RTC52は、現在時刻をカウントし、カウントした現在時刻をCPU51に対して出力する。
【0020】
メモリ部53は、例えば、RAM(Random Access Memory)等の揮発性メモリからなるワークエリア531を備えており、CPU51によって各種プログラムが実行される際に生じる処理結果や、入力されたデータ等をこのワークエリア531に記憶させる。
【0021】
また、メモリ部53は、例えば、EPROM(Erasable Programmable ROM)等の不揮発性メモリからなるデータエリア532を備えている。データエリア532は、例えば、地図情報DB532a、道路履歴記憶部532b等を記憶している。
【0022】
地図情報DB532aは、例えば、種類や縮尺の異なる地図情報を階層構造で格納する。例えば、高速自動車国道や一般国道が収録された広域地図や、広域地図で表示される道路に加えて、都道府県道や市町村道が収録された中域地図、中域地図で表示される道路に加えて、更に、細街道が収録された詳細地図等が格納される。
この地図情報には、道路情報の他、住所情報や、建物、施設、店舗、公園、鉄道に関する情報、地形情報等が含まれる。また、随時、通信部2により、ネットワークNを介して情報提供装置(図示省略)からダウンロードした最新の地図情報に更新されるようになっている。
【0023】
地図情報DB532aに含まれる道路情報は、ノード情報及びリンク情報から構成される。
リンク情報は、ノードとノードを結ぶ線分であるリンク(道路)を規定するものである。リンク情報は、例えば、各リンク固有のリンクID、リンクの端点(始点・終点)であるノードの座標、リンクの長さを示すリンク長、道路名称、道路種別、幅員、車線数、交通規制、リンクの端点であるノードに接続されるリンクのリンクID、リンクの平均通過時間等から構成される。
また、ノード情報は、リンクの交点(交差点)・リンクの端点(行き止まり)・リンクの属性が変わる点(例えば、高速自動車国道→都道府県道)を規定するものであり、例えば、各ノード固有のノードID、ノードの座標、交差点名称、ノードに接続されるリンクのリンクID等から構成される。
【0024】
道路履歴記憶部532bは、後述する道路履歴情報記憶プログラム54cの実行において、ナビゲーション装置100が通過した道路に関する道路情報の履歴を記憶する。
図2は、道路履歴記憶部532bを例示する図である。図2に示すように、道路履歴記憶部532bは、履歴毎に、履歴ID、出発地の座標情報・日時情報、目的地の座標情報・日時情報、出発地を出発してから目的地に到達するまでに通過したリンクのリンクIDを記憶している。また、当該道路履歴記憶部532bに記憶された道路履歴は、記憶後所定期間(例えば、6ヶ月間)が経過すると削除され、所定期間の移動履歴のみが保持されるようになっている。
例えば、図2の道路履歴記憶部532bにおける履歴ID「001」の道路履歴には、出発地Aから出発し、リンクb、リンクc、リンクd、リンクe、リンクf、リンクgをそれぞれ通過して、目的地Bに到達した旨が記憶されている。
【0025】
ROM54は、不揮発性メモリから成るプログラム格納エリアを有しており、具体的には、現在位置検出プログラム54a、地図情報取得プログラム54b、道路履歴情報記憶プログラム54c、ルート探索プログラム54d、提供プログラム54e等を備えている。
【0026】
現在位置検出プログラム54aは、例えば、CPU51に、現在位置を検出する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU51は、GPS測位部等から構成される現在位置検出部1に、ナビゲーション装置100自身の現在位置情報を取得させ、当該現在位置検出部1から出力される現在位置検出信号に基づいて、ナビゲーション装置100の現在位置としての座標(緯度・経度)を特定する。さらに、特定される現在位置に基づいて、マップマッチング処理を行い、ナビゲーション装置100が搭載された車両が位置している道路を、データエリア532等の所定の領域に記憶されているマッチングデータ(図示省略)に基づいて特定する。マップマッチング処理には、例えば、車両の走行軌跡に応じて、マッチング候補となる道路を求め、マッチング候補から最も相関が高い道路を特定して、その道路上に現在位置をマッチングさせるパターンマッチング等を用いる。
CPU51は、かかる現在位置検出プログラム54aを実行することにより、現在位置検出部1とともに現在位置検出手段として機能する。
【0027】
地図情報取得プログラム54bは、例えば、CPU51に、地図情報を取得する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU51は、後述のルート探索プログラム54dの実行によるルート探索処理や、後述の提供プログラム54eの実行によるルート案内情報の提供に際して、現在位置検出プログラム54aの実行により特定されるナビゲーション装置100の現在位置を含む地図情報を、地図情報DB532aから検索し、検索された地図情報を取得する。
CPU51は、かかる地図情報取得プログラム54bを実行することにより、地図情報取得手段として機能する。
【0028】
道路履歴情報記憶プログラム54cは、例えば、CPU51に、過去に通過した道路に関する道路情報を記憶する機能を実現させるためのプログラムである。
【0029】
ここで、例えば、ナビゲーション装置100が搭載された車両が、図3において太線で示す点AB間のルートを移動する際に、この移動に基づいて、通過した道路に関する道路情報を、図2の道路履歴記憶部532bに記憶させる処理について説明する。
CPU51は、例えば、ナビゲーション装置100が、リンクの端点である2つのノードを通過した場合に、これらのノード間のリンクを通過したと判断する。
まず、ユーザは、出発地として設定した点Aから出発し、リンクaを通過し、図2において白丸で示すノード1に到達(通過)する。次に、リンクbを通過して、ノード2に到達すると、CPU51は、ノード1及びノード2の間のリンクbを通過したと判断して、リンクbを通過したとして、道路履歴記憶部532bに記憶させる。そして、ユーザが、リンクcを通過して、ノード3に到達すると、CPU51は、ノード2及びノード3の間のリンクcを通過したと判断して、リンクcを道路履歴記憶部532bに記憶させる。さらに、ユーザが、リンクd、e、f、gを通過すると、ノード4、5、6、7の各地点において、リンクd〜gが通過した道路として、道路履歴記憶部532bに記憶されることととなる。
その後、ユーザが目的地Bに到着して走行が終了すると、CPU51は、図2に示すように、出発地Aから出発して目的地Bに到達するまでの間に通過したリンク(例えば、リンクb〜g)に関するリンク情報が記憶された道路履歴に、道路履歴ID(例えば、「001」)付して、一つのレコードとする。
CPU51は、かかる道路履歴情報記憶プログラム54cを実行することにより、道路履歴記憶部532bとともに道路履歴情報記憶手段として機能する。
【0030】
ルート探索プログラム54dは、例えば、CPU51に、現在位置検出プログラム54aの実行により検出された現在位置から、道路履歴情報記憶プログラム54cの実行により記憶された道路情報における道路までのルートを探索する機能を実現させるためのプログラムである。当該ルート探索プログラム54dは、道路に、最短で到達可能なルートを探索するとともに、地図情報取得プログラム54bの実行により取得される地図情報に基づいて、所定の階層以上の道路を探索する。
CPU51は、かかるルート探索プログラム54dを実行することにより、ルート探索手段として機能する。
【0031】
ここで、例えば、ナビゲーション装置100が搭載された車両が、図4のXにおいて、道に迷った場合に、ルート探索プログラム54dの実行により、過去に通過したことのある道路までのルートを探索する場合について説明する。
まず、ユーザによる入力部4の操作により過去に通った道路までのルート探索が指示されると、CPU51は、表示部3に、図5に例示する探索道路指定画面を表示させ、探索対象とする道路の階層をユーザに指定させる。道路は、道路種別、道路の幅員、道路の通過回数等に応じて予め階層分けがなされ、当該階層分けに関するデータが所定の記憶領域に記憶されている。
当該探索道路指定画面において、例えば、ユーザが、探索対象とする道路を、「都道府県道以上の道路」と指定した場合には、都道府県道の下位階層に存在する市町村道や細街路は探索対象とされず、都道府県道と、当該都道府県道の上位階層に存在する高速自動車国道や一般国道が、探索対象とされることとなる。また、例えば、当該探索道路指定画面において、ユーザが探索対象とする道路の階層を指定しない場合には、過去に一度でも通ったことのある全道路が探索対象とされる。さらに、道路種別、道路の幅員、道路の通過回数の組み合わせにより、探索対象とする道路を指定することも可能である。
【0032】
上述の探索道路指定画面において、ユーザにより、探索対象とする道路の階層(例えば、「幅員10m以上の道路」)が選択されると、次に、CPU51は、現在位置検出プログラム54aを実行して、ナビゲーション装置100の現在位置Xの特定と、現在位置している道路の特定(例えば、リンクr)を行う。そして、ナビゲーション装置100の現在位置Xから所定の範囲内(例えば、半径5km内)における過去に通過したリンクを、道路履歴記憶部532bに基づいて検出する。これにより、例えば、リンクb〜g、m〜pが、過去に通過したリンクとして検出される。なお、CPU51は、所定の範囲内に、過去に通過したリンクが無い場合には、検出可能なリンクが存在する範囲まで検出範囲を広げる。
さらに、CPU51は、検出したリンクのうち、探索対象となる幅員10m以上のリンクを、リンク情報における各リンクの幅員情報に基づいて抽出する。これにより、例えば、リンクb〜gが、幅員10m以上の道路として抽出される。
【0033】
ナビゲーション装置100の現在位置Xから所定範囲内に存在する所定階層以上のリンクが特定されると、CPU51は、現在位置Xを出発地点として、各リンクを構成するノードに到達するルートを、リンク情報及びノード情報に基づいて検出する。図4の例では、リンクrの途中に存在する現在位置Xから、リンクr、リンクtを通過してリンクbの端点であるノード1に到達する第1のルートと、リンクrの途中に存在する現在位置Xから、リンクr、リンクu、リンクv、リンクwを通過して、リンクc及びリンクdの端点であるノード3に到達する第2のルートと、リンクrの途中に存在する現在位置Xから、リンクr、リンクs、リンクyを通過して、リンクf及びリンクgの端点であるノード6に到達する第3のルートとが、過去に通過した所定階層以上の道路に到達するルートとして検出される。
【0034】
さらに、CPU51は、過去に通過した所定階層以上の道路までの各ルートの走行時間又は走行距離をリンク情報に基づいて算出し、算出されたルートの中から、最短時間又は最短距離のルートを決定する。例えば、図4の例において、最短距離のルートを特定する場合、第1のルートの走行距離は700m、第2のルートの走行距離は1200m、第3のルートの走行距離は1500mと算出され、第1のルートが最短距離のルートとして決定されることとなる。
【0035】
提供プログラム54eは、例えば、CPU51に、ルート探索プログラム54dの実行により探索されたルートに関するルート案内情報を提供する機能を実現させるためのプログラムである。
具体的には、CPU51は、前述のルート探索プログラム54dの実行により、過去に通過した所定の階層以上の道路に、最短で到達するルートが決定されると、地図情報取得プログラム54bの実行により、現在位置及び決定されたルートを含む地図情報を地図情報DB532aから読み出す。そして、地図上におけるナビゲーション装置100の現在位置にマークを表示させるとともに、探索されたルートを他の道路とは異なる色で表示させ、当該地図情報をルート案内情報として表示部3に表示させて、進むべきルートをユーザに報知する。また、車両の走行に沿って、音声ガイダンスによるルート案内情報を提供しても良い。
CPU51は、かかる提供プログラム54eを実行することにより、提供手段として機能する。
【0036】
以上説明した本実施形態におけるナビゲーション装置100によれば、CPU51による現在位置検出プログラム54aの実行により、現在位置が検出され、地図情報取得プログラム54bの実行により、道路情報を含む地図情報が取得され、道路履歴情報記憶プログラム54cの実行により、過去に通過した道路に関する道路情報が記憶され、ルート探索プログラム54dの実行により、現在位置検出プログラム54aの実行により検出された現在位置から、道路履歴情報記憶プログラム54cの実行により記憶された道路情報における道路までのルートが探索され、提供プログラム54eの実行により、ルート探索プログラム54dの実行により探索されたルートに関するルート案内情報が提供される。
したがって、過去に通過した道路までのルートが探索されることとなって、道に迷った場合において、過去に少なくとも一度通った道路までのルートを探索することが可能であり、使い勝手がより向上したナビゲーション装置100を提供することができる。
【0037】
また、CPU51によるルート探索プログラム54dの実行により、道路に、最短で到達可能なルートが探索されるため、ユーザは、過去に少なくとも一度通った道路に、最も早いルートを通って到達することができる。
【0038】
さらに、CPU51によるルート探索プログラム54dの実行により、地図情報取得プログラム54bの実行により取得される地図情報に基づいて、所定の階層以上の道路が探索されるため、ユーザは、所定の道路種別の道路や、所定の幅員を有する道路、所定の回数以上通過した道路等へ到達することができる。
【0039】
なお、本発明は、上記実施の形態に限られることなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の改良並びに設計の変更を行っても良い。
例えば、地図情報DB532a、道路履歴記憶部532b等の記憶媒体は、ハードディスク(Hard Disc)や、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)等、光学的、磁気的、半導体メモリ等の何れの記憶媒体で構成しても良い。また、固定的に設けたもの(例えば、磁気テープ、ハードディスク等)でも良く、着脱自在に設けたもの(例えば、FD、MO、DVD等)であっても良い。
また、例えば、各リンクを通過した際に、当該リンクの通過に要した時間を道路履歴記憶部532bに記憶させ、当該実際の通過に基づいて記憶された通過時間及びリンク情報に含まれるリンクの平均通過時間に基づいて、過去に通過した道路までの時間を算出しても良い。
また、通過した道路に関する道路情報を記憶する道路履歴記憶部532bは、上記実施形態で示したものに限られない。
また、過去に通過した道路に到達するルートを複数提示して、所望のルートをユーザに選択させる構成であっても良い。
さらに、ルート探索プログラム54dの実行において、道路の種別、道路の幅員、過去の通過回数以外に、道路名、道路番号等をユーザにより指定させて、ルート探索を行うことができる構成であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0040】
【図1】本実施形態におけるナビゲーション装置の要部構成を例示するブロック図である。
【図2】道路履歴記憶部を例示する図である。
【図3】ナビゲーション装置の移動したルートを説明するための図である。
【図4】現在位置から過去に通過した道路までのルートを説明するための図である。
【図5】表示部に表示される探索道路指定画面を例示する図である。
【符号の説明】
【0041】
100 ナビゲーション装置
1 現在位置検出部(現在位置検出手段)
51 CPU(現在位置検出手段、地図情報取得手段、道路履歴情報記憶手段、ルート探索手段、提供手段)
532b 道路履歴記憶部(道路履歴情報記憶手段)
54a 現在位置検出プログラム(現在位置検出手段)
54b 地図情報取得プログラム(地図情報取得手段)
54c 道路履歴情報記憶プログラム(道路履歴情報記憶手段)
54d ルート探索プログラム(ルート探索手段)
54e 提供プログラム(提供手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を検出する現在位置検出手段と、道路情報を含む地図情報を取得する地図情報取得手段と、を備えるナビゲーション装置において、
過去に通過した道路に関する前記道路情報を記憶する道路履歴情報記憶手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置から、前記道路履歴情報記憶手段により記憶された前記道路情報における前記道路までのルートを探索するルート探索手段と、
前記ルート探索手段により探索された前記ルートに関するルート案内情報を提供する提供手段と、
を備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記ルート探索手段は、前記道路に、最短で到達可能なルートを探索することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記ルート探索手段は、前記地図情報取得手段により取得される前記地図情報に基づいて、所定の階層以上の道路を探索することを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
現在位置を検出する現在位置検出手段と、道路情報を含む地図情報を取得する地図情報取得手段と、を備えるナビゲーション装置において、
過去に通過した道路に関する前記道路情報を記憶する道路履歴情報記憶手段と、
前記現在位置検出手段により検出された現在位置から、前記道路履歴情報記憶手段により記憶された前記道路情報における前記道路までのルートを探索するルート探索手段と、
前記ルート探索手段により探索された前記ルートに関するルート案内情報を提供する提供手段と、を備え、
前記ルート探索手段は、前記道路に、最短で到達可能なルートを探索するとともに、前記地図情報取得手段により取得される前記地図情報に基づいて、所定の階層以上の道路を探索することを特徴とするナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2008−286688(P2008−286688A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−132915(P2007−132915)
【出願日】平成19年5月18日(2007.5.18)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】