説明

ナビゲーション装置

【課題】近接案内地点間が連続して出現する場合であっても、各近接案内地点までの残距離の案内を行うナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】ナビゲーション装置であって、地図データから互いに近接する近接案内地点を抽出する近接案内地点抽出部と、近接案内地点までの距離に応じて割当てる異なる種類の効果音をグループ化した効果音セットと当該近接案内地点とを関連付けて記憶する効果音セット記憶部と、近接案内地点抽出部が抽出したそれぞれの近接案内地点に対応する効果音セットを、効果音セット記憶部から読み出して割当てる効果音セット割当て部と、効果音セット割当て部が割当てた効果音セットに基づいて、自車位置から該当する近接案内地点までの距離に応じた効果音を再生して案内を行う案内部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関し、より特定的には、音によって案内を行うナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ナビゲーション装置の経路誘導案内において、近接案内地点までの残距離に応じて警告音等を鳴らし、音により近接案内地点までの残距離を提示することができる技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2001−255166号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の技術は、自車が現在差し掛かっている近接案内地点についてのみ、残距離に応じた警告音による案内を行う。そのため、近接案内地点が連続して出現する場合、例えば、近接案内地点間の距離が50m程度の近接交差点が連続する場合、自車が現在差し掛かっている近接案内地点の次以降に差し掛かる近接案内地点についての警告音による案内を充分に行うことができない。
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みてなされた。すなわち、近接案内地点間が連続して出現する場合であっても、各近接案内地点までの残距離の案内を行うナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1の局面は、ナビゲーション装置に向けられている。本発明は、地図データから互いに近接する近接案内地点を抽出する近接案内地点抽出部と、近接案内地点までの距離に応じて割当てる異なる種類の効果音をグループ化した効果音セットと当該近接案内地点とを関連付けて記憶する効果音セット記憶部と、効果音セット記憶部から、近接案内地点抽出部が抽出したそれぞれの近接案内地点に対応する効果音セットを読み出して割当てる効果音セット割当て部と、効果音セット割当て部が割当てた効果音セットに基づいて、自車位置から該当する近接案内地点までの距離に応じた効果音を再生して案内を行う案内部とを備える。
【0006】
また、近接案内地点抽出部は、地図データ中のリンク情報から、リンクの角度を読み出し判定することによって、近接案内地点を抽出することが好ましい。
【0007】
また、近接案内地点抽出部は、地図データ中のリンク情報から、近接しているか否かを表す情報を読み出し判定することによって、近接案内地点を抽出することが好ましい。
【0008】
また、異なる種類の効果音は、音色、音量、高さ、及びテンポのうち、少なくとも1つが異なる効果音であることが好ましい。
【0009】
また、効果音セット記憶部は、近接案内地点までの区間を分割した区間それぞれに、当該近接案内地点までの距離に応じて異なる種類の効果音を割当てた効果音セットと当該近接案内地点とを関連付けて記憶することが好ましい。
【0010】
また、案内部は、近接案内地点までの区間を分割した区間に自車が位置する間は、当該区間に割当てられた効果音を繰り返し再生して案内することが好ましい。
【0011】
また、案内部は、自車位置から近接案内地点までの距離に応じた音像定位に基づいて、案内することが好ましい。
【0012】
また、案内部は、近接案内地点で曲がる方向と同じ方向のスピーカーから前記効果音を再生して案内することが好ましい。
【0013】
本発明の第2の局面は、ナビゲーション方法に向けられている。本発明は、地図データから互いに近接する近接案内地点を抽出する近接案内地点抽出ステップと、近接案内地点抽出ステップで抽出されたそれぞれの近接案内地点に対応する効果音セットであって、効果音セット記憶部から、近接案内地点までの距離に応じて割当てられる異なる種類の効果音をグループ化した効果音セットを読み出して割当てる効果音セット割当てステップと、効果音セット割当てステップで割当てた効果音セットに基づいて、自車位置から該当する近接案内地点までの距離に応じた効果音を再生して案内を行う案内ステップとを備える。
【0014】
本発明の第3の局面は、ナビゲーション装置のコンピュータで実行されるナビゲーションプログラムに向けられている。本発明は、コンピュータに、地図データから互いに近接する近接案内地点を抽出する近接案内地点抽出ステップと、効果音セット記憶部から、近接案内地点抽出ステップで抽出されたそれぞれの近接案内地点に対応する効果音セットであって、近接案内地点までの距離に応じて割当てられる異なる種類の効果音をグループ化した効果音セットを読み出して割当てる効果音セット割当てステップと、効果音セット割当てステップで割当てた効果音セットに基づいて、自車位置から該当する近接案内地点までの距離に応じた効果音を再生して案内を行う案内ステップとを実行させる。
【発明の効果】
【0015】
以上説明したように、本発明の各局面によれば、近接案内地点間が連続して出現する場合であっても、各近接案内地点までの残距離の案内を行うナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置について詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の実施形態に係るナビゲーション装置100の全体構成を示すブロック図である。図1において、ナビゲーション装置100は、入力部101、位置検出部102、データ記憶部103、演算処理部104、及び出力部105を備える。
【0018】
入力部101は、ナビゲーション装置を操作するための専用リモコン、音声を収集するマイク、IrDA(赤外線通信)機能を搭載した携帯電話、及び携帯情報端末(PDA)等である。これらコントローラを用いた操作によって、目的地設定等の各種の操作が行われる。入力部101からの情報や操作要求は、演算処理部104に伝えられる。
【0019】
位置検出部102は、速度センサ、ジャイロセンサ、及び/又はGPS受信機によって構成される。これらのセンサ及び受信機が2つ以上組み合わさって、位置検出部102が構成される場合がある。速度センサは車両の移動速度を検出する。ジャイロセンサは車両の進行方位を検出する。GPS受信機は車両の地球上における絶対位置を検出する。これらのセンサ及び受信機によって検出された情報は、演算処理部104において、現在位置を道路上に補正するマップマッチング処理等に使用される。
【0020】
データ記憶部103はCD−ROM、DVD−ROM、HDD(ハードディスクドライブ)、又はメモリ等から構成されている。データ記憶部103には地図データや検索用のデータが格納されている。地図データには、演算処理部104において経路探索処理、誘導案内処理、及びマップマッチング処理等で使用される道路ネットワークデータ、及び地図表示で使用される背景データが記録されている。一般的に、地図データは、主に交差点を現すノードと呼ばれるデータと、ノード間を結ぶ道路を意味するリンクと呼ばれるデータによって、道路ネットワークが構成されている。また、経路探索処理によって求められる推奨経路も、ノードとリンクによって構成されている。なお、地図データや検索用のデータが、例えば、携帯電話等の通信部(図示せず)によって、センター設備から適宜ダウンロードされ、データ記憶部103に記憶される構成であってもよい。また、データ記憶部103には、効果音セットテーブル131が格納されている。効果音セットテーブル131は、近接案内地点に接近する際、その残距離について、効果音を用いて案内するために使用されるテーブルである。効果音セットテーブル131のデータ構造及び詳細については後述する。
【0021】
演算処理部104は、誘導案内部141、効果音情報生成部142、効果音案内部143、及び近接案内点抽出部144から構成される。これらの構成により、経路探索処理、誘導案内処理、マップマッチング処理、及び近接案内点抽出処理等の各種処理が行われる。経路探索処理では、車両の現在位置から入力部101によって設定された目的地までの推奨経路が求められる。誘導案内処理では、先の経路探索によって求められた推奨経路に沿って走行する車両に対して、交差点等で誘導案内が行われる。また、誘導案内処理では、誘導案内部141において、車両の現在位置に基づいてユーザに案内情報が提示される。また、効果音情報生成部142は、近接案内地点となる交差点などにどのような効果音を用いた案内をすべきかの情報を付与する。効果音案内部143は、交差点等に接近したときに、その残距離に応じた効果音による案内を実施する。マップマッチング処理では、前述のように位置検出部102が検出した情報を基に車両の現在位置が道路上から外れていた場合に位置が補正される。近接案内点抽出処理では、ノードに接続するリンクの角度によって、推奨経路が交差点を曲がっているかどうかを判断して誘導案内が必要な案内地点として抽出し、抽出した案内地点間の距離が所定値以下である場合にそれらの案内地点が近接案内地点として抽出される。なお、案内地点として抽出されるパターンとしては、交差点を曲がるパターンの他に、例えばY字路等の分岐点、高速道路の入口、及び出口、高速道路のジャンクションでの分岐等がある。高速道路の入口や出口などは、リンクの属性情報を参照し、一般道路や高速道路などリンク属性が変化する地点から判断する。料金所が予めデータ記憶部103の道路ネットワークに記録されている場合は、それを参照することで近接案内地点とするようにしてもよい。
【0022】
出力部105は、ディスプレイ装置、及びスピーカから構成される。ディスプレイ装置には、地図と現在位置が表示されたり、誘導案内情報が表示される。スピーカは、誘導案内時等において、音声によりドライバに情報を提供する。
【0023】
以下、本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置100の動作について図2のフロー図に従って説明する。
【0024】
まず、ユーザは、入力部101を操作して、目的地の設定に必要な情報(郵便番号及び住所、又は電話番号)を入力したり、ディスプレイに表示される地図上をタッチすることにより目的地を入力する。この入力に応答して、演算処理部104は、経路探索に必要な目的地を設定する(ステップS101)。
【0025】
次に、演算処理部104は、位置検出部102から現在位置を取得した後、取得した現在位置から、設定された目的地まで経路探索を行う。なお、演算処理部104は、ユーザが入力部101を操作して入力した出発地を使って経路探索を行ってもよい。その結果、演算処理部104は、現在位置から目的地までの推奨経路を取得する(ステップS102)。経路探索のアルゴリズムとしては、例えば、周知のダイクストラ法が用いられる。また、探索経路の実行前に、ユーザが、入力部101を操作することで、一般道を優先するか、高速道路(又は有料道路)を優先するかを指定可能な場合、演算処理部104は、ユーザの指定に沿った経路探索を行ってもよい。また、演算処理部104は、現在位置から目的地までの複数本の経路を実質的に同時に求め、求めた複数の経路の1本を推奨経路として、ユーザに選択させてもよい。また、以上の経路探索については、本ナビゲーションシステム上で行わなくともよい。例えば、携帯電話又は内蔵の通信モジュールを用いて、外部のネットワーク上のサーバにアクセスした後、ナビゲーションシステムは、現在位置及び目的地の双方をアクセス中のサーバに送る。サーバは、受信した現在位置から目的地までの推奨経路を算出して、ナビゲーションシステムに送り返す。以上のようにして、演算処理部104は、推奨経路を取得してもよい。
【0026】
経路探索を実行し、推奨経路を選出後に、経路誘導案内を開始する。次に、位置検出部102は、車両の走行に応じて、車両の現在位置を算出する(ステップS103)。具体的には、演算処理部104は、位置検出部102から得られる移動速度、進行方位及び車両の絶対位置と、データ記憶部103に格納される地図データとを使ってマップマッチングを行い、車両の現在位置を算出する。
【0027】
効果音案内部143は、車両の現在位置と近接案内地点との位置関係から、案内すべきタイミングであれば、効果音セットテーブルを参照し、音声により案内情報を提供する(ステップS104)。図3を用いて、効果音セットテーブルのデータフォーマットについて説明する。効果音セットテーブルは、近接案内地点までの距離に応じて割当てられる異なる種類の効果音をグループ化した効果音セットと当該近接案内地点とを関連付けて記憶する、すなわち、各近接案内地点においてどの効果音による案内を実行するかを決定するためのテーブルである。
【0028】
図3の例では、セット1は、Sound001、Sound002、及びSound003の3つの効果音データを有する。また距離L1〜L2というのは、近接案内地点までの距離がL1〜L2の場合という意味である。例えば、図4に示すように、効果音案内部143は、ある近接案内地点をセット1の効果音を用いて案内する場合は、近接近接案内地点までの距離がL1〜L2の場合はSound001を再生し、近接案内地点までの距離がL2〜L3の場合はSound002を再生し、近接案内地点までの距離がL3〜L4の場合はSound003を再生する。より具体的には、L1を150m、L2を100m、L3を50m、L4を0mとすると、効果音案内部143は、近接案内地点までの距離が150m〜100mの場合はSound001を再生し、近接案内地点までの距離が100m〜50mの場合はSound002を再生し、近接案内地点までの距離が50m〜0mの場合はSound003を再生する。
【0029】
Sound001等で表している効果音データは、例えばwavファイル等で録音したサウンドデータである。サウンドデータは曲のように長い音楽データであってもよいし、また0.5秒〜1秒程度の短いサウンドデータを、同一区間にいる間は繰り返し再生するようにしてもよい。セット1の例では、Sound001よりSound002を、Sound002よりSound003を、テンポの速い効果音にすることにより、近接案内地点に近づいていることを直感的に示すことができる。また、Sound001より、Sound002やSound003の音の高さを高くしたり、音量を大きくしたりする等の変化が行われてもよい。このように各セットにおいて複数の効果音データを持つのは、効果音を変化させることで近接案内地点に近づいていることをわかりやすく示すためである。なお、図3の例のようにセット内の効果音数は3つに限らず、1つのみや2つのみであってもよいし、4つ以上の構成によってより細かく分類するようにしてもよい。
【0030】
また、セット1だけでなくセット2やセット3が存在するのは、近接案内地点ごとに異なるセットを設定することで、異なる効果音を用いた案内をするためである。例えば、セット1とセット2は異なる効果音で構成してあると仮定し、図4のN1、及びN2が近接案内地点である場合に、効果音情報生成部142は、近接案内地点N1にはセット1を設定し、近接案内地点N2にはセット2を設定することで、セット1の効果音とセット2の効果音が同時に鳴る場合であっても、各近接案内地点N1、及びN2について、異なる効果音で案内するため、その違いをユーザは聞き分けることができる。各セット間の効果音の特徴としては、例えば、Sound001よりSound0011を、テンポを速くしたり、音の高さを高くしたりするようにする。またセット間において音色を変えて、セット1とセット2およびセット3は明らかに異なる音色の効果音の組み合わせとなるようにしてもよい。なお、効果音情報生成部142は、近接案内地点に設定されるセットをランダムに設定してもよいし、優先順位を付けて設定してもよい。
【0031】
複数の効果音セットが存在するのは、近接案内地点に関する効果音案内が重なって同時に再生される可能性があるからであり、従って近接案内地点間の距離が、予め設定しておいた閾値以下になった場合に、それぞれの近接案内地点に対して異なる効果音セットを割り当てるようにする。例えば、図5の例では、効果音情報生成部142は、近接案内地点N1とN2の距離が近いため、N1にはセット1をN2にはセット2を割当てる。また、効果音情報生成部142は、近接案内地点N2とN3は十分に離れているため、N3にはセット1を設定し、その後N4、N5が近接しているため、それぞれセット2、セット3を設定するようにする。効果音セットの数は図3の例に限らず、さらに多くのセットを用意しておいてもよい。また、図3の例では、どのセットも共通の距離区間(L1〜L2など)に対して効果音を定義しているが、セットごとに異なる距離区間を設定するようにしてもよい。近接案内地点となり得るのは、右折や左折をすべき交差点や、高速道路の出入口等である。
【0032】
近接案内地点までの距離が所定の値になったタイミングで案内を実行する。一般的には、近接案内地点までの距離が、700m、300m、100mの地点で案内を実行し、例えば「およそ700m先、○○交差点を右方向です。」と音声案内を実行する。
【0033】
そして近接案内地点に接近した場合、近接案内地点に近づいていることや近接案内地点までの残りの距離感を音のみでドライバーが理解できるようするために、効果音案内部143は、近接案内地点について効果音による案内を実施する(ステップS105)。
【0034】
このステップS105の効果音案内処理の詳細について図6に従って説明する。
【0035】
まず、所定範囲内の全ての近接案内地点に関して以下の処理を繰り返す(ステップS201)。所定範囲内とは、例えば所定範囲を10kmとすれば、現在位置からルート上をたどり、道のりで10kmまでの範囲のことである。現在位置から距離の近い近接案内地点から順に処理をすればよい。
【0036】
演算処理部104は、各近接案内地点に対して効果音セットが割り当てられているか否かを判定する(ステップS202)。
【0037】
ステップS202において、効果音セットが割当てられている場合、演算処理部104は、ステップS206に処理を移す。効果音セットが割当てられていない場合、演算処理部104は、一つ前の近接案内地点までの距離を取得し、その距離が閾値以下か否かを判定する(ステップS203)。
【0038】
ステップS203において、閾値以下であると判定された場合、効果音を再生したときに一つ前の近接案内地点の効果音と重なって再生される可能性があるので、効果音情報生成部142は、一つ前の近接案内地点の効果音セット番号をインクリメントした次の効果セット番号の効果音セットを該当する近接案内地点に割当てる(ステップS204)。
【0039】
一方、ステップS203において、距離が閾値よりも大きいと判定された場合、効果音情報生成部142は、効果音が重なって再生されることはないので、改めて効果音セット番号1の効果音セットを該当する近接案内地点に割当てる(ステップS205)。
【0040】
以上、ステップS202からS205までの処理を、所定範囲内の全ての近接案内地点に対して実行する。なお、ステップS201からS205までの処理は、ナビゲーション処理実行時のメモリ等の消費量を考慮して、車両が移動するに伴って所定範囲内のみの処理に抑えてあるが、メモリ等の容量に余裕がある場合は、例えば経路探索が終了した直後に、推奨経路上の全ての近接案内地点に対して、一度に実行するようにしてもよい。
【0041】
次に、所定範囲内の全ての近接案内地点に対して以下の処理を実行する(ステップS206)。演算処理部104は、現在位置から該当する近接案内地点までのルート上の道のりを算出する(ステップS207)。次に、演算処理部104は、各近接案内地点に設定された効果音セットを参照し、ステップS207で算出した道のりの値に該当する効果音データが割り当てられているか否かを判定する(ステップS208)。
【0042】
ステップS208において、該当する効果音データが割り当てられていないと判定された場合、効果音案内部143は処理を終了する。
【0043】
一方、ステップS208において、該当する効果音データが割り当てられていると判定された場合、効果音案内部143は、スピーカ等から効果音を再生して案内を行う(ステップS209)。なお、効果音の再生については、曲がる方向にあるスピーカから聞こえるように再生してもよい。例えば、右に曲がる場合は右のスピーカから効果音が再生され、左に曲がる場合は左のスピーカから効果音が再生されるようにしてもよい。また、音像定位を用いて、同時に2つ以上の近接案内地点の効果音を再生する場合は、2つ目以降の近接案内地点の効果音を、近接案内地点間の距離に応じて遠くから聞こえるようにしてもよいし、また、一つ目の近接案内地点との相対的な位置関係に応じて、右方向、或いは左方向から聞こえるようにしてもよい。また、近接案内地点までの区間を分割した区間に自車が位置する間は、当該区間に割当てられた効果音を繰り返し再生して案内してもよい。
【0044】
次に、演算処理部104は、車両が目的地に到着したか否かを判定する(ステップS106)。
【0045】
ステップS106において、目的地に到着したと判定された場合、演算処理部104は、目的地に到着したことをユーザに知らせる情報を提供し(ステップS107)、処理を終了する。
【0046】
一方、ステップS106において、目的地に到着していないと判定された場合、演算処理部104は、ステップS103に処理を戻す。
【0047】
なお、本発明は、上述した実施の形態を実現するソフトウェアのプログラム(実施の形態では図に示すフロー図に対応したプログラム)が装置に供給され、その装置のコンピュータが、供給されたプログラムを読出して、実行することによっても達成させる場合を含む。したがって、本発明の機能処理をコンピュータで実現するために、コンピュータにインストールされるプログラム自体も本発明を実現するものである。つまり、本発明は、本発明の機能処理を実現させるためのナビゲーションプログラムも含む。
【0048】
このように、本発明によれば、近接案内地点間が連続して出現する場合であっても、各近接案内地点までの残距離の案内を行うナビゲーション装置、ナビゲーション方法、及びナビゲーションプログラムを提供することができる。
【0049】
上記実施の形態で説明した構成は、単に具体例を示すものであり、本願発明の技術的範囲を制限するものではない。本願の効果を奏する範囲において、任意の構成を採用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明にかかるナビゲーション装置は、近接案内地点が連続して出現する複雑な場所においても、効果音のみで各近接案内地点までの残距離を分かりやすく提示することができるナビゲーション装置等として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図
【図2】本発明の実施の形態に係るナビゲーション装置の動作を示すフロー図
【図3】効果音セットテーブルを示す図
【図4】効果音セットテーブルの使用例を示す図
【図5】効果音セットテーブルの具体的な使用例を示す図
【図6】効果音案内処理の流れを示すフロー図
【符号の説明】
【0052】
100 ナビゲーション装置
101 入力部
102 位置検出部
103 データ記憶部
131 効果音セットテーブル
104 演算処理部
141 誘導案内部
142 効果音案内部
143 効果音案内部
144 近接案内地点抽出部
105 出力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置であって、
地図データから互いに近接する近接案内地点を抽出する近接案内地点抽出部と、
近接案内地点までの距離に応じて割当てられる異なる種類の効果音をグループ化した効果音セットと当該近接案内地点とを関連付けて記憶する効果音セット記憶部と、
前記効果音セット記憶部から、前記近接案内地点抽出部が抽出したそれぞれの近接案内地点に対応する効果音セットを読み出して割当てる効果音セット割当て部と、
前記効果音セット割当て部が割当てた効果音セットに基づいて、自車位置から該当する近接案内地点までの距離に応じた効果音を再生して案内を行う案内部とを備える、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記近接案内地点抽出部は、前記地図データ中のリンク情報から、リンクの角度を読み出し判定することによって、前記近接案内地点を抽出することを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記近接案内地点抽出部は、前記地図データ中のリンク情報から、近接しているか否かを表す情報を読み出し判定することによって、前記近接案内地点を抽出することを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記異なる種類の効果音は、音色、音量、高さ、及びテンポのうち、少なくとも1つが異なる効果音であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記効果音セット記憶部は、前記近接案内地点までの区間を分割した区間それぞれに、当該近接案内地点までの距離に応じて異なる種類の効果音を割当てた効果音セットと当該近接案内地点とを関連付けて記憶することを特徴とする、請求項1〜4のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記案内部は、前記近接案内地点までの区間を分割した区間に自車が位置する間は、当該区間に割当てられた効果音を繰り返し再生して案内することを特徴とする、請求項5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記案内部は、自車位置から前記近接案内地点までの距離に応じた音像定位に基づいて、案内することを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記案内部は、前記近接案内地点で曲がる方向と同じ方向のスピーカーから前記効果音を再生して案内することを特徴とする、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
ナビゲーション方法であって、
地図データから互いに近接する近接案内地点を抽出する近接案内地点抽出ステップと、
効果音セット記憶部から、前記近接案内地点抽出ステップで抽出されたそれぞれの近接案内地点に対応する効果音セットであって、近接案内地点までの距離に応じて割当てられる異なる種類の効果音をグループ化した効果音セットを読み出して割当てる効果音セット割当てステップと、
前記効果音セット割当てステップで割当てた効果音セットに基づいて、自車位置から該当する近接案内地点までの距離に応じた効果音を再生して案内を行う案内ステップとを備える、ナビゲーション方法。
【請求項10】
ナビゲーション装置のコンピュータで実行されるナビゲーションプログラムであって、
前記コンピュータに、
地図データから互いに近接する近接案内地点を抽出する近接案内地点抽出ステップと、
効果音セット記憶部から、前記近接案内地点抽出ステップで抽出されたそれぞれの近接案内地点に対応する効果音セットであって、近接案内地点までの距離に応じて割当てられる異なる種類の効果音をグループ化した効果音セットを読み出して割当てる効果音セット割当てステップと、
前記効果音セット割当てステップで割当てた効果音セットに基づいて、自車位置から該当する近接案内地点までの距離に応じた効果音を再生して案内を行う案内ステップとを実行させる、ナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−286749(P2008−286749A)
【公開日】平成20年11月27日(2008.11.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−134458(P2007−134458)
【出願日】平成19年5月21日(2007.5.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】