説明

ナビゲーション装置

【課題】 不要なときは表示を消すことで消費電力を低減させることができるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 現在位置を検出する現在位置検出手段と、出発地と目的地の入力を行う入力手段と、該入力手段により入力された前記出発地から前記目的地までの経路を算出する経路設定手段と、該経路設定手段により算出された経路に対応した地図データを地図データ記憶手段から読み出す設定経路抽出手段と、該設定経路抽出手段により読み出された地図データを表示する表示手段と、前記現在位置検出手段により検出した現在位置と前記設定経路抽出手段により読み出された地図データとに基づいて、現在位置から経路案内を必要とする地点までの距離を検出する経路状況検出手段と、該経路状況検出手段により前記経路案内を必要とする地点まで所定距離離れていることが検出されると前記表示手段に対して電源の供給を遮断する電源制御手段とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、ナビゲーション装置の消費電力を軽減するために、不要な部分の機能には電源の供給を停止できるようにすることで、ナビゲーション装置の消費電力を低減することが提案されている(特許文献1参照)。また、特許文献1には、表示手段に電源が供給されていないときでも、現在位置を検出する認識手段には常時電源が供給されているので現在地の認識を行うことができるとしている。
【特許文献1】特開平10−30930号公報(段落番号0013,図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、表示手段に対して選択的に電源を提供するものであるが、この選択はユーザの意思によって行われるものであるため、走行中に操作すると危険であり、また、安全のため、車を一旦停止してから操作を行うようにすると快適な運転が損なわれるといった問題があった。
【0004】
本願発明は、上記課題に鑑み、経路案内不要な経路を走行しているときは、表示画面への電源の供給を自動的に遮断し、音声案内による経路案内のみとすることで消費電力を低減させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明のナビゲーション装置は、請求項1に係る発明において、
経路案内に必要な地図データを記憶した地図データ記憶手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、出発地と目的地の入力を行う入力手段と、該入力手段により入力された前記出発地から前記目的地までの経路を算出する経路設定手段と、該経路設定手段により算出された経路に対応した地図データを前記地図データ記憶手段から読み出す設定経路抽出手段と、該設定経路抽出手段により読み出された地図データを表示する表示手段と、を備えたナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、更に、前記現在位置検出手段により検出した現在位置と前記設定経路抽出手段により読み出された地図データとに基づいて、現在位置から経路案内を必要とする地点までの距離を検出する経路状況検出手段と、該経路状況検出手段により前記経路案内を必要とする地点まで所定距離離れていることが検出されると前記表示手段に対して電源の供給を遮断する電源制御手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
また、本発明のナビゲーション装置は、請求項2に係る発明において、
前記設定経路抽出手段により読み出された経路を音声により案内する音声案内手段を備え、該音声案内手段は、前記経路状況検出手段により検出された現在位置から経路案内を必要とする地点までの距離を一定距離間隔で案内することを特徴とする。
【0007】
また、本発明のナビゲーション装置、請求項3に係る発明において、
前記電源制御手段は、前記経路状況検出手段により前記経路案内が必要な地点に所定距離近づいたことが検出されると前記表示手段に対して電源の供給を行うことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明は、経路案内不要な経路を走行しているときは、表示画面への電源の供給を自動的に遮断し、音声案内による経路案内のみとすることで消費電力を低減させるナビゲーション装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態のナビゲーション装置について、図面を参照しながら説明する。
【0010】
図1は、本発明のナビゲーション装置の全体構成を示すブロック図である。
【0011】
ナビゲーション装置1は、現在位置検出手段10と、入力手段11と、表示手段12と、スピーカ13と、地図データ記憶手段14と、ROM15と、RAM16と、制御手段17と、設定経路抽出手段18と、経路状況検出手段19と、電源制御手段20と、音声案内手段21と、で構成されている。
【0012】
そして、現在位置検出手段10は、ナビゲーション装置1が搭載された車両の現在位置を特定するものであり、図示しないGPS受信部と、ジャイロスコープと、車速センサと、地磁気センサと、を備えており、GPS受信部は、GPS衛星からの電波を受信して現在位置を補正し、車両の移動に伴い補正された現在位置に基づいて、ジャイロスコープ、車速センサ、地磁気センサからの出力により車両の現在位置を算出する。
【0013】
入力手段11は、ナビゲーション装置1に設けられ、ユーザの操作によりナビゲーション装置1の各種機能の設定を入力するスイッチである。なお、入力手段11は、スイッチの他に、後述する表示手段12上に設けられたパネルに触れることで入力可能なタッチパネルとしてもよいし、リモコン(図示せず)を介して入力できるようにしてもよい。
【0014】
表示手段12は、液晶ディスプレイ(以後、LCD)12aと、LCD12aの裏面に配置されLCD12aへ光を照射するバックライト12bと、LCD12aを駆動するための半導体であるLCDドライバ12cと、で構成され、LCD12aは地図データ記憶手段13に記憶された地図データやナビゲーション装置1にて視聴するTVチューナ(図示せず)により受信したTV画像、DVD等を再生するプレーヤ(図示せず)により再生されたDVD画像等を表示する。
【0015】
スピーカ22は、後述する音声案内手段21から送られる音声経路案内を出力する他、TV、DVD等の音声を出力する。
【0016】
地図データ記憶手段14は、ナビゲーション装置1において経路案内を行うのに必要な地図データが記憶されているハードディスクである。地図データ記憶手段14に記憶されている地図データは、予め地図データ記憶手段14に記憶しておいてもよく、また、後述する制御手段15により算出された経路に基づき、その都度、外部より自動受信し地図データ記憶手段14に記憶する方法をとってもよい。また、市販されているCD−ROM、又は、DVD−ROMに記憶された地図データを読み取って用いるようにしてもよい。
【0017】
ROM15は、ナビゲーション装置1における各部を制御するための制御プログラムが記憶されている。
【0018】
RAM16は、ユーザが入力手段11を介して入力した出発地から目的地等のナビゲーション装置1における各部の動作に必要な情報を一時的に記憶する記憶媒体である。
【0019】
制御手段17は、ROM15に記憶されている制御プログラムに基づき、ユーザが入力手段11において設定した出発地から目的地までの最適な経路を算出すると共に、ナビゲーション装置1における各部を制御する。
【0020】
設定経路抽出手段18は、制御手段17により算出した出発地から目的地までの経路上の地図データを地図データ記憶手段14から読み出し、読み出した地図データをRAM16に記憶する。
【0021】
経路状況検出手段19は、現在位置検出手段10によって検出された現在位置が制御手段17により算出した経路上にあるとき、現在位置と経路上の前方の曲るべき交差点との距離を算出すると共に、所定距離(例えば300m)以内に曲がるべき交差点があるか否かを判断する。更に、車両の移動に伴い曲がるべき交差点を通過したか否かの判断を行う。
【0022】
電源制御手段20は、制御手段17の指示に基づき表示手段12へ電源を供給したり、或いは電源を遮断したりするスイッチング回路である。
【0023】
なお上記実施例では、電源制御手段20は表示手段12全体への電源の供給を遮断するようにしたが、これに限定されず例えばLCD12a又はバックライト12bのみの電源の供給を停止するようにしてもよい。
【0024】
音声案内手段21は、経路状況検出手段19により算出された現在位置と経路上の前方の曲がるべき交差点までの距離に応じて適時スピーカ13を介して交差点までの距離を報知する。
【0025】
次に、ナビゲーション装置1における電源制御の動作を図2のフローチャートで説明する。
【0026】
ステップS10において、まず、ユーザにより入力手段11を介して出発地と目的地とが入力されると、ステップS11において、制御手段17は地図データ記憶手段14に記憶された地図データを参照して出発地から目的地までの最適経路を算出し、算出された経路を一旦RAM16に記憶する。
【0027】
経路がRAM16に記憶されると、ステップS12において、設定経路抽出手段18はRAM16に記憶されている経路に対応した地図データを地図データ記憶手段14から読み出しRAM16に記憶する。
【0028】
そして、ステップS13において、制御手段17はRAM16に記憶された地図データに現在位置を示すマークを重畳し表示手段21に表示する。
【0029】
なお、表示する地図データは、ユーザにより予め選択された縮尺の地図のうち現在位置を中心とした表示手段11に表示可能な範囲の地図を表示する。そして、ナビゲーション装置1が搭載された車両の移動に伴い、地図をスクロール表示するためにRAM16から逐次地図データを読み出して表示手段12に表示するようにする。
【0030】
その後車両の移動が開始されると、ステップS14において、経路状況検出手段19は、現在位置と経路上の前方の曲がるべき交差点との距離を算出し、ステップS15において、
現在位置が案内ポイントか否かを判断する。経路状況検出手段19は、現在位置と曲るべき交差点との距離が例えば50m,100m,300m,500m,1kmを案内ポイン
トとして判別する。
【0031】
そして、ステップS15において、案内ポイントであると判断されると(ステップS15のY)、音声案内手段21はスピーカ13を介して曲るべき交差点までの距離と曲る方向
とを報知する(ステップS16)
次に、ステップS17において、経路状況検出手段19は曲るべき交差点までの距離が300m以内か否かを判断する。
【0032】
ステップS17において、300m以内であると判断されると(ステップS17のY)、
制御手段17は電源制御手段20に対し表示手段12への電源の供給を行うように指示し、
電源制御手段20は、表示手段12へ電源を供給する(ステップS18)。
【0033】
そしてその後、経路状況検出手段20により曲るべき交差点を通過したか否かが判別され(ステップS19)、通過していない場合は(ステップS19のN)、ステップS14に戻り現在位置と曲るべき交差点までの距離が算出される。
【0034】
ステップS19において曲るべき交差点を通過したと判別されると(ステップS19のY)、制御手段17は電源制御手段20に対し表示手段12への電源供給の遮断を指示し、電源制御手段20は表示手段12への電源供給を遮断する(ステップS20)。
【0035】
一方、ステップS17において、経路状況検出手段19により現在位置から曲るべき交差点までの距離が300m以内でないことが判断されると(ステップS17のN)、ステップS20に進み、制御手段17は、電源制御手段20に対し表示手段12への電源の供給を遮断するように指示し、電源制御手段20は、表示手段12への電源の供給を遮断する。
【0036】
なお、上記実施例では現在位置から曲るべき交差点までの距離が300m以内のとき表示手段12への電源の供給を行うようにし、現在位置から曲るべき交差点までの距離が50m,100m,300m,500m,1km,のときに音声案内を行うようにしたが、
この距離に限定することはなくユーザによって自由に変更可能としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明のナビゲーション装置1の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本発明のナビゲーション装置1における電源制御の動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0038】
1・・・・ナビゲーション装置
10・・・現在位置検出手段
11・・・入力手段
12・・・表示手段
13・・・スピーカ
14・・・地図データ記憶手段
15・・・ROM
16・・・RAM
17・・・制御手段
18・・・設定経路抽出手段
19・・・経路状況検出手段
20・・・電源制御手段
21・・・音声案内手段




【特許請求の範囲】
【請求項1】
経路案内に必要な地図データを記憶した地図データ記憶手段と、現在位置を検出する現在位置検出手段と、出発地と目的地の入力を行う入力手段と、該入力手段により入力された前記出発地から前記目的地までの経路を算出する経路設定手段と、該経路設定手段により算出された経路に対応した地図データを前記地図データ記憶手段から読み出す設定経路抽出手段と、該設定経路抽出手段により読み出された地図データを表示する表示手段と、を備えたナビゲーション装置において、
前記ナビゲーション装置は、更に、前記現在位置検出手段により検出した現在位置と前記設定経路抽出手段により読み出された地図データとに基づいて、現在位置から経路案内を必要とする地点までの距離を検出する経路状況検出手段と、該経路状況検出手段により前記経路案内を必要とする地点まで所定距離離れていることが検出されると前記表示手段に対して電源の供給を遮断する電源制御手段と、を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記設定経路抽出手段により読み出された経路を音声により案内する音声案内手段を備え、該音声案内手段は、前記経路状況検出手段により検出された現在位置から経路案内を必要とする地点までの距離を一定距離間隔で案内することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記電源制御手段は、前記経路状況検出手段により前記経路案内が必要な地点に所定距離近づいたことが検出されると前記表示手段に対して電源の供給を行うことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のナビゲーション装置。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−8838(P2008−8838A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−181482(P2006−181482)
【出願日】平成18年6月30日(2006.6.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】