説明

ナビゲーション装置

【課題】ナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを有する部分を本体であるベースユニットから着脱可能に構成して使い勝手の良さを上げると共に、ディスプレイの大きさを可能な限り増加させるようにしたナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】車両の運転席のダッシュボードDに固定自在であるベースユニット10と、それに着脱自在で、地図データを表示するディスプレイ(液晶パネル)14bを有するフロントパネルユニット14を備えたナビゲーション装置において、フロントパネルユニットの前面をベースユニットの着脱面と同大に構成すると共に、フロントパネルユニットの一部をダッシュボードの壁面Dwより運転席に位置するユーザの方向に突出させ、さらにフロントパネルユニットの上部を側面視から突出させる一方、着脱ボタンをフロントパネルユニットの下部に配置する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はナビゲーション装置に関し、より具体的には車両に搭載されて目的地に到達するための情報(方向、地図、経路など)を運転者に伝達する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
上記したようなナビゲーション装置は、当初、車両に一体的に固定されるタイプに限られていたが、近時は持ち運びできるポータブルタイプも提案されており、さらにはナビゲーション機能の部分のみを着脱可能にして使い勝手の良さを一層向上させた分離型のナビゲーション装置も提案されている(例えば、特許文献1および非特許文献1参照)。
【0003】
特許文献1記載の技術にあっては、GPSアンテナに接続したGPSレシーバとジャイロセンサと車速信号を含む車両信号処理回路と、地図を表示する表示器と、全体を制御するECUとからなるナビゲーション装置において、車両側に配設される車両側ユニットと車両に対して着脱自在に配設される着脱ユニットとを備えると共に、少なくともジャイロセンサと車両信号処理回路を車両側に配設する一方、表示器とECUとを着脱ユニット内に配設し、車両から外して車外における使用を可能にしている。
【0004】
非特許文献1記載の技術にあっては、オーディオ一体型の本体(車両側ユニット)から着脱可能に構成された部分(着脱側ユニット)を備えると共に、GPS信号と車輪速センサの出力で自車位置を補正可能としている。また、着脱可能に構成された部分は本体から取り外してもナビゲーション機能を有するため、本体を装着している車以外での利用や自宅での目的地探索などを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3376813号
【非特許文献】
【0006】
【非特許文献1】“富士通テン:ECLIPSE(イクリプス)「AVN2227P」発売”、[on line]、平成19年4月19日、富士通テン株式会社、[平成19年4月26日検索]、インターネット<URL:http://www.fujitsu-ten.co.jp/release/2007/04/20070419.html>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1記載の装置の場合、着脱ユニットに配置される表示器(ディスプレイ)は折りたたみ自在に構成されるため、車両側ユニットへの装着や取り外しの度に折りたたむ必要があり、煩瑣であった。
【0008】
非特許文献1記載の装置の場合、ディスプレイは着脱ユニット側に固定されているために上記した不都合から免れているが、着脱ユニット側が車両側ユニットの着脱面に比して比較的狭隘であり、その結果ディスプレイの面積も小さくなって視認性において必ずしも満足し難いものであった。
【0009】
従って、この発明の目的は上記した課題を解決し、ナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを有する部分を車両側ユニットであるベースユニットから着脱可能に構成して使い勝手の良さを上げると共に、ディスプレイの大きさを可能な限り増加させるようにしたナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を解決するために、請求項1にあっては、車両の運転席のダッシュボードに固定自在であるベースユニットと、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイを有するフロントパネルユニットと、前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータとを備えたナビゲーション装置において、前記フロントパネルユニットの前面を前記ベースユニットの着脱面と同大に構成すると共に、前記フロントパネルユニットが前記ベースユニットに装着された装着位置にあるとき、前記フロントパネルユニットの一部が側面視において前記ダッシュボードの面より前記運転席に位置するユーザの方向に突出するように構成され、前記ベースユニットが前記ダッシュボードに形成された凹部に収容されて前記ダッシュボードに固定自在であると共に、前記フロントパネルユニットが前記装着位置にあるとき、前記フロントパネルユニットの上部が側面視において前記ダッシュボードの面よりユーザの方向に突出する一方、ユーザの操作自在に設けられた前記フロントパネルユニットを前記装着位置から取り外し位置に移動させる着脱機構の着脱ボタンを、側面視において前記凹部の内部に位置する前記フロントパネルユニットの下部に配置するように構成した。
【発明の効果】
【0011】
請求項1にあっては、車両の運転席のダッシュボードに固定自在であるベースユニットと、ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイを有するフロントパネルユニットと、地図データ上に測位された車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータとを備えたナビゲーション装置において、フロントパネルユニットがベースユニットに装着された装着位置にあるとき、フロントパネルユニットの一部が側面視においてダッシュボードの面より運転席に位置するユーザの方向に突出するように構成したので、ナビゲーション装置としての外観性を犠牲にすることなく、ベースユニットに対するフロントパネルユニットの着脱の自在性を向上させることができると共に、フロントパネルユニットの前面をベースユニットの着脱面と同大に構成することでディスプレイの大きさを可能な限り増加させることができる。
【0012】
また、ベースユニットがダッシュボードに形成された凹部に収容されてダッシュボードに固定自在であると共に、フロントパネルユニットが装着位置にあるとき、フロントパネルユニットの上部が側面視においてダッシュボードの面よりユーザの方向に突出する一方、ユーザの操作自在に設けられたフロントパネルユニットを装着位置から取り外し位置に移動させる着脱機構の着脱ボタンを、側面視において凹部の内部に位置する、フロントパネルユニットの下部に配置するように構成したので、上記した効果に加え、着脱ボタンを凹部の内部に位置させたことで誤操作を防止できてフロントパネルユニットの不用意な脱落を防止することができる。また、フロントパネルユニットの上部をダッシュボードの面より突出させることで、使用頻度が高い、あるいは重要なスイッチをそこに配置して使い勝手の良さを上げることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の第1実施例に係るナビゲーション装置の内のベースユニットとフロントパネルユニットの正面側の斜視図である。
【図2】図1に示すフロントパネルユニットの背面側の斜視図である。
【図3】図1に示すフロントパネルユニット(背面側)とクレイドルユニットとクレイドルユニット取付用アームの斜視図である。
【図4】図1に示すベースユニットとクレイドルユニットを車両に搭載した状態を示す説明図である。
【図5】(a)は車両の運転席の説明図、(b)はそのステアリングホイール付近の側面図である。
【図6】図1に示すベースユニットとフロントパネルユニットを上方から見たときの断面図で、フロントパネルユニットがベースユニットに装着されつつある状態を示す断面図である。
【図7】図1に示すベースユニットとフロントパネルユニットを上方から見たときの断面図で、フロントパネルユニットがベースユニットに装着された状態を示す断面図である。
【図8】図1に示すベースユニットとフロントパネルユニットを右側面から見たときの部分断面図で、フロントパネルユニットがベースユニットに装着されつつある状態を示す部分断面図である。
【図9】図1に示すベースユニットとフロントパネルユニットを右側面から見たときの部分断面図で、フロントパネルユニットがベースユニットに装着された状態を示す部分断面図である。
【図10】(a)はフロントパネルユニットの側面図、(b)はその断面図、(c)は背面側の正面図である。
【図11】図1に示すフロントパネルユニットが装着された状態のベースユニットの右側面断面図である。
【図12】フロントパネルユニットの上面断面図である。
【図13】図1に示すベースユニットに設置されるコネクタの拡大正面図である。
【図14】図1に示すベースユニットに設置されるコネクタの部分拡大斜視図である。
【図15】(a)は図3に示すクレイドルユニット(およびフロントパネルユニット)を取付用アームに取り付けた状態を示す斜視図、(b)はその部分側面断面図である。
【図16】(a)は図3に示すクレイドルユニット(およびフロントパネルユニット)を取付用アームから外した状態を示す斜視図、(b)は外すときのその部分断面側面図である。
【図17】(a)(b)は図15などに示すアームユニットの構造を示す断面図である。
【図18】図15などに示すアームユニットの軸X回りの回転を示す説明図である。
【図19】図15などに示すアームユニットの軸Y,Z回りの回転を示す説明図である。
【図20】(a)は図15などに示すアームユニットの分解図、(b)は軸X回りの回転を示す説明図である。
【図21】(a)は図15などに示すアームユニットの分解図、(b)は軸Y回りの回転を示す説明図である。
【図22】(a)は図15などに示すアームユニットの分解図、(b)は軸Z回りの回転を示す説明図である。
【図23】図1に示すベースユニットなどの内部構成を示すブロック図である。
【図24】図3に示すクレイドルユニットなどの内部構成を示すブロック図である。
【図25】図1に示すフロントパネルユニットが装着されたときのベースユニットを上方から見た断面図である。
【図26】図25に示すグラウンド端子などの拡大図である。
【図27】図1に示すフロントパネルユニットが装着されつつあるときのベースユニットを上方から見た断面図である。
【図28】図27に示すグラウンド端子などの拡大図である。
【図29】図25と同様、ベースユニットを上方から見た断面図である。
【図30】図29に示すベースユニットの正面図である。
【図31】この発明の第2実施例に係るナビゲーション装置を車両に搭載した状態で示す斜視図である。
【図32】図31からフロントパネルユニットを取り外した状態の正面図である。
【図33】図32に示すフロントパネルユニットの説明横断面図である。
【図34】この発明の第3実施例に係るナビゲーション装置を車両に搭載した状態で示す斜視図である。
【図35】図34に示す状態からフロントパネルユニットを取り外したときの正面図である。
【図36】図34と同様に車両に搭載した状態で示す斜視図である。
【図37】図34と同様に車両に搭載した状態で示す斜視図である。
【図38】図34などに示すに示すフロントパネルユニット、ベースユニット、ダッシュボードとアッパーカバーとの相関を示す説明図である。
【図39】(a)はこの発明の第4実施例に係るナビゲーション装置を車両に搭載した状態で示す斜視図、(b)はフロントパネルユニットの下端付近の側面図である斜視図である。
【図40】この発明の第5実施例に係るナビゲーション装置を車両に搭載した状態で示す斜視図である。
【図41】図40に示すフロントパネルユニットの正面図である。
【図42】この発明の第6実施例に係るナビゲーション装置を車両に搭載した状態で示す正面図である。
【図43】この発明の第7実施例に係るナビゲーション装置の取り外し可能な化粧パネルを取り付けた状態で示す斜視図である。
【図44】図43に示す状態からフロントパネルユニットを取り外したときの斜視図である。
【図45】この発明の第8実施例に係るナビゲーション装置を車両に搭載した状態で示す斜視図である。
【図46】図45に示す状態からフロントパネルユニットを取り外してカバーを付けたとの斜視図である。
【図47】第8実施例などのさらなる変形例を示す説明図である。
【図48】同様に第8実施例などのさらなる変形例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、添付図面に即してこの発明に係るナビゲーション装置を実施するための形態について説明する。
【実施例1】
【0015】
図1はこの発明の第1実施例に係るナビゲーション装置の内のベースユニットとフロントパネルユニットの正面側の斜視図、図2はフロントパネルユニットの背面側の斜視図、図3はフロントパネルユニット(背面側)とクレイドルユニットとクレイドルユニット取付用アームの斜視図である。図4はそれを車両に搭載した状態を示す説明図、図5(a)は車両の運転席の説明図、図5(b)はそのステアリングホイール付近の側面図である。図6と図7はベースユニット10とフロントパネルユニット14を上方から見たときの断面図、図8と図9はベースユニット10とフロントパネルユニット14を右側面から見たときの部分断面図、図10(a)(b)(c)はフロントパネルユニット14の説明図である。
【0016】
図示の如く、この発明の実施例に係るナビゲーション装置は、車両Aのダッシュボード(インストルメントパネル)Dに固定あるいは内蔵される(固定自在な)と共に、車両Aの電源(バッテリ)から動作電源を供給されるベースユニット10と、車両BのダッシュボードDに固定される(固定自在な)と共に、車両Bの電源(バッテリ)から動作電源を供給されるクレイドルユニット12と、ベースユニット10あるいはクレイドルユニット12に着脱自在なフロントパネルユニット14とを備える。車両Aと車両Bは共に自動車である。
【0017】
この実施例に係るナビゲーション装置においてはベースユニット10とフロントパネルユニット14の組み合わせを基本とする。ただし、応用例としてフロントパネルユニット14をクレイドルユニット12に組み付けるようにしても良い。図4に示す如く、ベースユニット10−1,10−2,10−3,...、あるいはクレイドルユニット12−1,12−2,12−3,...を対応する車両A1,A2,A3,...あるいは車両B1,B2,B3,...に着脱自在にし、さらにユーザはフロントパネルユニット14の画面設定を自分専用に前もって設定し、車両ごとのベースユニット10またはクレイドルユニット12のID番号に合わせて切り替えて使用することで、本装置の利便性を向上させることができる。
【0018】
ベースユニット10は全体としてボックス状を呈すると共に、車両Aのダッシュボードに固定された状態で横長な矩形形状を呈するベースユニットケース10aを備え、その内部には車両Aのオーディオ機器を操作自在なマイクロコンピュータなどを戴置する基板などが収容される。ベースユニットケース10aの前面は2DIN(DIN:ドイツ工業規格)サイズに形成され、その大部分は後退して凹部10bが形成されると共に、その一部はさらに後退して最凹部10b1が形成される。ベースユニットケース10aの前面の残余の凹状部分10a1は、凹部10bより浅く形成される。
【0019】
フロントパネルユニット14はベースユニット10の前面(着脱面)とほぼ同大あるいはそれより若干大きいサイズであると共に、車両AあるいはBのダッシュボードに固定された状態で横長な矩形状を呈するプレート状のフロントパネルユニットケース14aを備える。フロントパネルユニットケース14aの前面にはほぼ全域にわたって地図データを表示する、同様に横長な矩形状を呈する液晶パネル(ディスプレイ)14bが左方向にオフセットされて配置される。このように、フロントパネルユニット14、より具体的にはフロントパネルユニットケース14aをベースユニット10の着脱面とほぼ同大のサイズとすると共に、後述する如く、その横方向の長さの70%以上を液晶パネル14bとし、よって液晶パネル14bの面積を増やして視覚性を上げるようにした。
【0020】
フロントパネルユニット14において液晶パネル14bの側方には幅狭な操作パネル部が配置され、そこにはユーザ(操作者)の操作自在に設けられたスイッチ類、例えば目的地入力スイッチ14c、現在地入力スイッチ14dなどが設けられる。符号14eはiPod(登録商標)に、符号14fはアナログオーディオ機器に接続するためのジャックである。尚、操作パネル部は、右ハンドル車への搭載を予定するとき、図示のように右側に配置される。
【0021】
フロントパネルユニット14は、ベースユニットケース10aの前面の凹状部分10a1と凹部10bに着脱自在(取り付け・取り外し自在)に構成される。その着脱機構の動作の内、先ず装着について説明すると、フロントパネルユニット14の背面には、図2に示す如く、左側に固定爪14gが上下に2箇所形成されると共に、右側に可動のキャッチスライド14hが上下に2個(下側は見えず)配置される。
【0022】
尚、この明細書において「上下」方向はベースユニット10およびフロントパネルユニット14などが車両A,Bに固定された状態における鉛直軸(重力軸)上での上下を意味し、「左右」方向はそれに直交する方向を意味する。
【0023】
ベースユニット10の凹部10bには、右側に可動のロックレバー10cが上下に2個配置されると共に、ベースユニット10の凹状部分10a1を形成する周囲の縁の左側には固定爪10dが上下に2箇所形成され、フロントパネルユニット14が装着されるとき、図6と図7に示す如く、それぞれフロントパネルユニット14の固定爪14gとロックレバー10cが、また固定爪10dとキャッチスライド14hが嵌合する。
【0024】
図1に示す如く、ベースユニット10の凹部10bには中央からオフセットされた下方位置には溝10b2が穿設され、そこにコネクタ10eが設けられる。フロントパネルユニット14は、ベースユニット10に装着されるとき、コネクタ10eを通じ、車両Aの電源(バッテリ)から動作電源を供給されると共に、GPS信号受信装置(後述)を含む各種センサとAV機器のデータや制御信号などが送受される。
【0025】
次いで取り外しについて説明すると、フロントパネルユニット14の前面の操作パネル部、即ち、前面の液晶パネル14bがオフセットされた(左方向)と逆の方向には、ジャック14e,14fの下部に、デタッチボタン(着脱ボタン(機械式ボタン))14iがユーザの操作自在に設けられる。ベースユニット10にはデタッチボタン14iに対応する位置に前記したロックレバー10cが設けられる。
【0026】
ベースユニット10に装着された状態でユーザによってデタッチボタン14iが押されると、その動きはベースユニット10に配置されたデタッチノブ10fを介してロックレバー10cに伝えられ、図6に示す如く、ロックレバー10cが外方に移動されて固定爪14gとの嵌合が解かれる。
【0027】
図6と図7に示す如く、フロントパネルユニット14のキャッチスライド14hはスプリング力で外方(図6などで左側)に付勢されてベースユニット10の固定爪10dと嵌合されているに過ぎないため、反対側(図6などで右側)でロックレバー10cと固定爪14gの嵌合が解かれてユーザによってフロントパネルユニット14がキャッチスライド14hと固定爪10dがオーバラップする分より大きく(図6などで右方向に)移動させられれば、ベースユニット10との嵌合が解かれ、よってフロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外すことができる。
【0028】
尚、ロックレバー10cは、フロントパネルユニット14と係合(装着)されると否とに関わらず、常にベースユニット10の凹部10bの内部にある、換言すれば突出しないことから、他の物に引っ掛かることがない。
【0029】
図1に示す如く、ベースユニット10の前面の凹部10bにはリリースレバー10gが配置される。図8と図9に示す如く、リリースレバー10gはスプリング10i1を弾装されたキックレバー10iを介し、フロントパネルユニット14が装着されるとき、孔14mから侵入してフロントパネルユニット14と係合し、それを押し出す方向に付勢される。リリースレバー10gにはパネルユニット検出スイッチ10jが取り付けられ、リリースレバー10gの位置、即ち、フロントパネルユニット14の着脱に応じた出力、例えばフロントパネルユニット14が装着されるときオン信号、取り外されるときオフ信号を生じる。
【0030】
また、図1に示す如く、ベースユニット10の凹状部分10a1には防振用の弾性材、例えばゴムからなるゴムダンパ10a11が4個設けられる。より具体的には、ゴムダンパ10a11は凹状部分10a1の右側においてロックレバー10cの配置位置の外側に上下2個設けられると共に、左側において固定爪10dの配置位置の外側に上下2個設けられ、ベースユニット10とフロントパネルユニット14の間で振動が伝わるのを防止する。
【0031】
図2と図3に示す如く、フロントパネルユニット14の背面には、クレイドルユニット12がフロントパネルユニット14と着脱自在に取り付けられる。フロントパネルユニット14とクレイドルユニット12の間の着脱機構は図示を省略するが、図1を参照して説明したフロントパネルユニット14とベースユニット10の着脱機構と同様であり、フロントパネルユニット14はロックレバー、キャッチスライドなどを介してクレイドルユニット12に取り外し自在に装着される。クレイドルユニット12にもパネルユニット検出スイッチが配置される。
【0032】
クレイドルユニット12は、クレイドルユニット取付用アーム(以下「取付用アーム」という)16を介して車両Bのダッシュボードに固定される。クレイドルユニット12はフロントパネルユニットケース14aより高さにおいて小さく、奥行きにおいて大きい(深い)クレイドルユニットケース12aを備え、その内部にはマイクロコンピュータなどを戴置する基板などが収容される。尚、符号12a1は開閉蓋を示す。
【0033】
図5に示す如く、この実施例に係るナビゲーション装置は車両AあるいはBの運転席付近、より具体的にはフロントパネルユニット14はダッシュボードDに内蔵されるベースユニット10(図5では見えず)に装着されるか、クレイドルユニット12を介してダッシュボードD上に配置される。フロントパネルユニット14は、いずれの位置であっても、フロントウインドウ18に近い高さに配置される。
【0034】
より具体的には、フロントパネルユニット14はベースユニット10に装着されるとき、フロントパネルユニット14の液晶パネルの長手方向中心線14bcが、(平均的な座高を有する)ユーザから見て、ステアリングホイールSWの回転中心SWcより僅かに、またステアリングシャフトのダッシュボード面位置(ほぼフロントパネルユニット14の前面位置)での回転中心SHcよりかなり高い位置、つまり回転中心SHcはフロントパネルユニット14の下面寄りに配置される。尚、符号SLは変速機のシフトレバーを示す。
【0035】
この実施例に係るナビゲーション装置にあっては、上記した如く、フロントパネルユニット14がベースユニット10あるいはクレイドルユニット12と着脱自在に構成される。図6以降を参照して上記したフロントパネルユニット14とベースユニット10との着脱機構をさらに詳細に説明する。
【0036】
前記した如く、図6と図7はベースユニット10とフロントパネルユニット14を上方から見たときの断面図であり、その内、図6はフロントパネルユニット14がベースユニット10に装着されつつある状態あるいは取り外される状態を、図7はフロントパネルユニット14がベースユニット10に装着された状態を示す。
【0037】
また、図8と図9はベースユニット10とフロントパネルユニット14を右側面から見たときの部分断面図であり、うち図8はフロントパネルユニットがベースユニットに装着されつつある状態を示す部分断面図、図9は装着された状態を示す部分断面図である。
【0038】
図6に示す如く、フロントパネルユニット14は、ベースユニット10に装着されるとき、右側の固定爪14gがロックレバー10cを外側(同図で右方向)に押し拡げて進み、固定爪14gの基端側に形成された凹部(あるいは肩部)14jにロックレバー10cが嵌合することで、(図6において)右側は固定される。ロックレバー10cは、図示しないスプリングによって嵌合方向に付勢される。
【0039】
フロントパネルユニット14の(図6において)左側に設けられるキャッチスライド14hは、図において左右方向に伸縮自在であると共に、スプリングを介して左方向に付勢される。キャッチスライド14hは、ベースユニット10に形成された固定爪10dに接触して押された状態で一旦右側に縮退した後、フロントパネルユニット14がベースユニット10側にさらに進み、固定爪10dを超えると、スプリング力で左側に伸張し(戻り)、図6と図7に示す如く、固定爪10dと係合し、(図において)左側も固定される。
【0040】
図6に示す如く、フロントパネルユニット14は上方から見て背面が突出すると共に、左側の壁部14klと右の壁部14krがベースユニット10の凹部10bの側壁に対応して全体として台形形状に構成され、フロントパネルユニット14がベースユニット10に装着されるとき、ベースユニット10の方向への移動をガイドして装着を容易にする。
【0041】
また、図7(および図6)に示す如く、フロントパネルユニット14においてフロントパネルユニット14の内側には液晶パネル14bの動作を制御するモニタ用の基板14l1と、ナビゲーション機能を司るマイクロコンピュータなどを搭載するプリント基板14l2が配置される。それら基板14l1,14l2は液晶パネル14bよりも左右方向の長さがLlあるいはLrだけ小さくされ、よって生じたスペースにフロントパネルユニット14のキャッチスライド14hを、前後方向(厚み、奥行き)の位置関係においてオーバーラップさせつつ、収容するように構成される。尚、図7で符号14l3は外付け用RAMを、符号14l4はそのコネクタを示す。
【0042】
即ち、基板14l1,14l2は液晶パネル14bよりも左側でLlだけ短くされ、そこにキャッチスライド14hと、それをその背後から噛み合い方向に押圧するトーションスプリング(図示せず)と、固定爪10dからなる嵌合機構のうち、キャッチスライド14hとトーションスプリングが配置すると共に、右側でLrだけ短くされ、そこにリリースレバー10gを収容するように構成される。このように、前後方向(厚み、奥行き)の位置関係において液晶パネル14bにオーバーラップしてキャッチスライド14hと基板14l1,14l2が収容される。
【0043】
図8と図9を参照してリリースレバー10gについて説明を補足すると、前記した如く、ベースユニット10の凹部10bにはリリースレバー10gがスプリング10i1を弾装されたキックレバー10iを介して配置される。リリースレバー10gは側面視L字状を呈し、その先端側は図において下方に向けて後方に傾斜させられると共に、上端側(ベースユニット10側)にも上方に向けて後方に湾曲させられてフック10g1が形成される。
【0044】
リリースレバー10gの先端側は上記のように形成される結果、図8と図9に示す如く、フロントパネルユニット14がベースユニット10に装着されるとき、フロントパネルユニットケース14aは、フック10g1の高さHだけ(図で)上方にずれ、壁面14a1がフック10g1を越えて図9に示す係止状態となるのを容易とする。
【0045】
尚、取り外しについては前記した如く、ベースユニット10に装着された状態でデタッチボタン14iが押されると、そこを力点として入力された力はベースユニット10に配置されたデタッチノブ10fを介してロックレバー10cを移動させて固定爪14gとの嵌合が解かれる。デタッチボタン14iは、スプリング14i1で外方向に常時付勢される。
【0046】
また(図6において)左側のキャッチスライド14hはスプリング力で左側に付勢されてベースユニット10の固定爪10dと嵌合されているため、支点として作用するが、右側が開放されてフロントパネルユニット14が右方向に少し移動させられれば、ベースユニット10との嵌合が解かれ、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外される。
【0047】
このとき、リリースレバー10gは作用点として機能し、フロントパネルユニット14をベースユニット10から蹴りだすように作用する。
【0048】
即ち、この実施例にあっては、ユーザによってデタッチボタン14iがスプリング14i1に抗して押されるとき、その全ストローク(例えば5mmとする)の適宜な位置、例えば3mm、即ち、60%付近まで押されると、ロックレバー10cと固定爪14gとの係合が解かれ、リリースレバー10gが残りの2mmに相当する距離だけスプリング14ilを押し潰しながら、前方(フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外す方向)に移動するように構成される。
【0049】
具体的には、キックレバー10iを介してリリースレバー10gを前方(取り外し方向)に付勢するスプリング10i1のスプリング力(付勢力)は、デタッチボタン14iの操作によってベースユニット10とフロントパネルユニット14の間の係合が解かれたとき、フロントパネルユニット14の側のデタッチボタン14iのスプリング14i1をさらに圧縮できる強さに設定される。より具体的には、スプリング10i1の付勢力は、デタッチボタン14iのスプリング14i1よりも大きい、例えば3倍以上大きいように設定される。
【0050】
また、図7(および図6)から明らかな如く、フロントパネルユニット14において右側でロックレバー10cに係合する固定爪14gの凹部(あるいは肩部)14jの形成位置を、左側でベースユニット10の固定爪10dと係合するキャッチスライド14hの配置位置よりも奥側(装着されたときベースユニット10側)とした、換言すれば図7において左右の形成位置を相違させるように構成した。これにより、右側においてデタッチボタン14iなどの配置が容易となると共に、フロントパネルユニット14とベースユニット10の着脱、特にベースユニット10からの取り外しが容易となる。
【0051】
また、リリースレバー10gのフック10g1の高さHは、ベースユニットケース10とフロントパネルユニットケース14aの離間距離Diよりも小さく形成されるため、離間距離Diはフック10g1の高さを超える隙間を持つこととなり、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外すのが容易にされる。
【0052】
また、リリースレバー10gはロックレバー10cと移動方向が相違させられるので、相互に干渉することがなく、リリースレバー10gがフロントパネルユニット14を押し出す際に両者の接触点にズレが生じることがない。
【0053】
尚、図8に破線で示す如く、リリースレバー10gの先端は10bの内部にあり、凹状部分10aを越えない、換言すればリリースレバー10gは凹状部分10a1より突出しないように構成されるので、フロントパネルユニット14がベースユニット10に係合すると否とを問わず、他の物に引っ掛かることがなく、邪魔になることがない。
【0054】
ここで、フロントパネルユニット14の重心について説明する。図10(a)はフロントパネルユニット14の側面図、図10(b)はその断面図、図10(c)は背面側の正面図である。
【0055】
図10(c)で符号14hcは上下2個配置されるキャッチスライド14hの上下方向中心線、符号14gcは同様に上下2個配置される固定爪14gの上下方向中心線、14cgはフロントパネルユニット14の重心、14rlcはフロントパネルユニット14の左右方向中心線である。図10(b)に示す如く、固定爪14gの上下方向中心線は液晶パネル14bの上下方向の中心線でもある。
【0056】
図10から明らかな如く、フロントパネルユニット14の重心14cgは2種の上下にある、左右方向に延びる中心線14hc,14gcの間に位置、換言すれば重心14cgは中心線14hc,14gcに近接して位置するように構成されることから、ベースユニット10に装着されたとき、車両Aのどの方向から振れ(振動)を受けても、2種類の異なる中心線14hc,14gcにより、さらにキャッチスライド14hと固定爪14gを段違いに配置したことにより、回転方向の動きが抑制され、安定した保持を維持することができる。
【0057】
また、図10(c)と図8の対比から明らかな如く、上下2個のキャッチスライド14hと固定爪14gのそれぞれのオーバーラップ量(前後方向長さ)は、図8に示す離間距離Diより長く構成される。また、上下2個のキャッチスライド14hと固定爪14gに嵌合される、ベースユニット10側の上下2個の固定爪10dとロックレバー10cのそれぞれのオーバーラップ量(上下方向長さ)も、図8に示す距離Diより長く構成される。これにより、フロントパネルユニット14をベースユニット10に確実に装着でき、さらにフロントパネルユニット14の取り外し時にも、フロントパネルユニット14が安易に脱落することがない。
【0058】
スロット14nは、図1(あるいは図11および後述する図22)に示す如く、フロントパネルユニット14の液晶パネル14bの上部にその長辺側の上端と水平に、操作パネル部に達する前の部位にまで形成され、フロントパネルユニット14がベースユニット10に装着されたとき、スロット14nとベースユニット10の凹状部分10a1に穿設された類似形状のベース側スロット10a1sを通してユーザによってCDあるいはDVD(以下「CD」と総称)20が挿入可能なように構成される。
【0059】
図11は、フロントパネルユニット14が装着された状態のベースユニット10の側面断面図である。
【0060】
図示の如く、フロントパネルユニットケース14aは背面側においてベースユニットケース10aの凹部10bに対応する部位で大きく突出して凹部10bに収容自在とされると共に、上部側を含む周囲側においてベースユニットケース10aの残余の凹状部分10a1に対応して小さく突出し、よってベースユニットケース10aに装着されるように形成される。
【0061】
フロントパネルユニット14に穿設されるスロット14nは、後述する図22に良く示す如く、正面視において中央が両端よりも僅かに膨らむ形状を呈すると共に、側面視において、入口から内側に向けて緩やかに縮径する縮径部14n1と、それに続いてベースユニット10側に向けて緩やかに拡径する拡径部14n2とから構成される。縮径部14n1は、フロントパネルユニットケース14aの前側の壁面14a1に組み付けられる。
【0062】
縮径部14n1に連続する拡径部14n2は、フロントパネルユニット14がベースユニット10に装着されるとき、凹状部分10a1に収容され、凹状部分10a1に穿設されるベース側スロット10a1sに近接するように構成される。
【0063】
スロット14nから挿入されるCD20は、スロット14nとベース側スロット10a1sを通過した後、ベースユニットケース10aの凹部10bの残余の凹状部分10a1からその後端に向けて配置されるCD(あるいはDVD)装置10lに送られる。
【0064】
図示の如く、フロントパネルユニット14に配置される前記した基板14l1,14l2は高さが比較的小さく形成され、CD装置(あるいはDVD装置)10lと干渉しないように構成される。尚、符号10m1はベースユニット10に配置される前記したマイクロコンピュータが搭載される基板、符号10m2はサブ基板である。
【0065】
また、符号10n1は地上デジタル放送受信用の増設モジュールであり、10n2は交通情報受信用の増設モジュールである。増設モジュール10n1,10n2は、最凹部10b1から抜き差し自在に配置される。
【0066】
また、フロントパネルユニット14は、図5(a)に関して示した例ではダッシュボードに内蔵されるベースユニット10に装着されるとき、ダッシュボードDのベースユニット10とフロントパネルユニット14とを収容する凹部24は、フロントパネルユニットケース14aの壁面14a1の前面がダッシュボードの壁面Dwより長さLだけ内側に後退する位置となるように形成される。
【0067】
ここで、縮径部14n1の幅Waは、拡径部14n2の幅Wbよりも大きく形成されると共に、フロントパネルユニットケース14aの背面側カバーの前端面のうち、縮径部14n1と接触する面に対し、外壁14a1と接触する面は、幅Wcだけ前方に形成される。CD20はCD装置10lからエジェクトされるとき、下方にある程度傾斜するが、かかる構成によって傾斜程度を10度以下に規制することができた。
【0068】
即ち、CD20の傾斜程度を規制するには縮径部14n1の幅Waを可能な限り大きくする必要があるため、この実施例のあっては縮径部14n1を、外壁14a1とは別に設けて外壁14a1に組み付け、それによって長さをWcだけ延長するようにした。
【0069】
ベース側スロット10a1sには繊維材からなるスクリーン(ブラシ)10a1ssが設けられ、外部から塵埃などが侵入するのを防止する。また、拡径部14n2に連続する部位には開閉蓋14n21が左右2箇所に設けられ(図2)、その開閉蓋14n21を開け、フロントパネルユニット14の背面側内部に着脱自在に取り付けられるBTモジュール(Bluetooth。2.45GHzの電波を送受信するモジュール)14pと、同周波数帯域を使用する無線モジュール14qや、他の方式の無線モジュールを同様にユーザによって取り出し可能に構成した。
【0070】
尚、図10(c)に示す如く、上下2個のキャッチスライド14hと固定爪14gをスロット14nの下方に配置したので、スペースを有効に活用することができる。
【0071】
また、BTモジュール14pあるいは無線モジュール14qは、フロントパネルユニットケース14aの背面カバーの凸部に形成される開閉蓋14n21を外してユーザによって上方から挿入されるが、ユーザの挿入を容易にするため、図11に示す如く、背面カバーの拡径部14n2の下部でベースユニットの凹状部分10a1に対面する部分を平面にすると共に、その平面14n22の延長線上に、BTモジュール14pあるいは無線モジュール14qを受けるコネクタが取り付けられる基板14l1を平行に配置したので、同様にスペースを有効に活用することができる。
【0072】
図12はフロントパネルユニット14の上面断面図である。同図から明らかな如く、開閉蓋14n21が設けられる部分の上面に相当する前記した平面14n22は、開閉蓋14n21が形成される位置で後方(液晶パネル14bの方向)に後退させられ、背面カバーの凸部(ベースユニット10の凹部10bに嵌合する部分)の突出を減少させるようにした。
【0073】
また、開閉蓋14n21が設けられる部分の左右方向の幅W21は、拡径部14n2の左右開口端の幅W2より狭く形成されると共に、開閉蓋14n21はその幅W2内に配置される。これらによっても、同様にスペースを有効に活用することができる。
【0074】
また、先に図1と図2で示した通り、背面カバーの凸部(ベースユニット10の凹部10bに嵌合する部分)は平坦面に形成されると共に、CD装置10lの前面を覆う凹状部分10a1も平坦面に形成されることから、フロントパネルユニット14がベースユニット10の中心からずれた位置から装着されるときも、それらの平坦面で一回受けてから取り付けられるので、ベースユニット10の前面の凹部10bにある部品に対して異なった角度から強い力が加わることが少なくなり、それらの耐久性を高めることができる。
【0075】
図13は図1を参照して前記したベースユニット10aに設置されるコネクタ10eの拡大正面図、図14はその部分拡大斜視図である。
【0076】
図13に示す如く、コネクタ10eは凹部10bに穿設された溝10b2(図1)の形状に相似する横長の台座10e1と、台座10e1の上に配置された複数個の独立した電気接点10e21、10e22を備える。同図下部に示す如く、電気接点10e21と10e211、および10e22と10e221は内部で接続される。
【0077】
電気接点10e211と10e221はフロントパネルユニット14のコネクタ14o(図2)に接続されると共に、電気接点10e22と10e21はベースユニット10の内部機器に接続される。電気接点10e21の左右の接点10e211はグラウンド端子であり、残余の接点10e221は通常の通信および電源用の接点である。
【0078】
図13および図14に示す如く、グラウンド接点10e211は通常の接点10e221に比して相手方、即ち、フロントパネルユニット14のコネクタ14oと最初に接触するように数mmの距離だけ突出して配置される。
【0079】
次いで図3に示したクレイドルユニット12の取付用アーム16について説明する。
【0080】
図15(a)はクレイドルユニット12(およびフロントパネルユニット14)を取付用アーム16に取り付けた状態を示す斜視図、図15(b)はその部分側面断面図、図16はクレイドルユニット12(およびフロントパネルユニット14)を取付用アーム16から外した状態を示す斜視図、図16(b)は外すときのその部分側面断面図である。
【0081】
図15(a)と図16(a)に示す如く、取付用アーム16は、円柱状のアームユニット16aと、アームユニット16aの上側部に取り付けられるアームホルダ16bと、アームユニット16aの底部に取り付けられる取付パネル16cと、クレイドルユニットケース12aに取り付けられるボタン16dからなる。アームホルダ16bは、クレイドルユニット12を介してフロントパネルユニット14を中央位置付近において半分程度の高さで保持する。取付パネル16cは、粘着テープ(図示せず)などを介して車両Bのダッシュボード上に貼り付けられて固定される。
【0082】
図15(b)と図16(b)に示す如く、クレイドルユニットケース12aに取り付けられるボタン16dは、図において下方に延長されてレバー16d1が形成される。レバー16d1の先端は、アームホルダ16bに穿設された孔16b1に係合自在とされ、係合されるとき、図15(b)に示す如く、クレイドルユニットケース12aは、アームホルダ16bを介して取付用アーム16に保持される。
【0083】
ボタン16dは、スプリング16eにより図15(b)に示す取り付け位置に付勢されると共に、ユーザによって押されると、スプリング力に抗して前進し、レバー16d1とアームホルダ16bの孔16b1との係合が解かれ、図16(a)に示す如く、クレイドルユニット12は上方にスライドされることにより、取付用アーム16から取り外される。
【0084】
このようにクレイドルユニット12は、アームホルダ16bの孔16b1とボタン16dとレバー16d1とスプリング16eからなる取付用アーム16の着脱機構を介して車両Bのダッシュボード上に取り外し自在に固定される。
【0085】
次いで取付用アーム16の回転構造を説明する。
【0086】
図17(a)(b)は図15などに示すアームユニット16aの構造を示す断面図である。アームユニット16aは、6個のカムケース16ac1,16ac2,16ac3,16ac4,16ac5,16ac6(図22に示す)と、3個のスプリング16as1,16as2,16as3と、ノブ16akとからなり、同図(a)に示す状態においてユーザによってノブ16akが緩められると、同図(b)に示す状態となり、6個のカムケースが開放されてクレイドルユニット12(およびフロントパネルユニット14)の軸X,Y,Z回りの回転が可能となる。図18および図19に軸X,Y,Zを示す。
【0087】
図20(a)は軸X回りの回転を示すアームユニット16aの分解図、同図(b)は軸X回りの回転を示す説明図である。同図(a)に示す如く、カムケース16ac1,16ac2,16ac3,16ac4のカムにより、軸X回りのクレイドルユニット12の回転が可能となる。同図(b)はその回転範囲を示す。
【0088】
図21(a)は軸Y回りの回転を示すアームユニット16aの分解図、同図(b)は軸Y回りの回転を示す説明図である。同図(a)に示す如く、カムケース16ac1,16ac3,16ac5のカムにより、軸Y回りのクレイドルユニット12の回転が可能となる。同図(b)はその回転範囲を示す。
【0089】
図22(a)は軸Z回りの回転を示すアームユニット16aの分解図、同図(b)は軸Z回りの回転を示す説明図である。同図(a)に示す如く、カムケース16ac2,16ac4,16ac6のカムにより、軸Z回りのクレイドルユニット12の回転が可能となる。同図(b)はその回転範囲を示す。
【0090】
上記の如く、クレイドルユニット12(およびフロントパネルユニット14)を軸X,Y,Z回りに回転自在に構成したので、ダッシュボード上に取り付けたときも、図19に示す如く、クレイドルユニット12(およびフロントパネルユニット14)はフロントウインドウ18から離間した位置にあり、ユーザがその操作、例えば、開閉蓋12a1を開閉して増設モジュール10n1などを出し入れするのに支障となることがない。また、前記したようにクレイドルユニット12はフロントパネルユニットケース14aより高さにおいて小さいことから、ユーザの操作に支障となることが一層少ない。
【0091】
図23はフロントパネルユニット14とベースユニット10の内部構成を示すブロック図、図24はフロントパネルユニット14とクレイドルユニット12の内部構成を示すブロック図である。
【0092】
図23に示す如く、フロントパネルユニット14はマイクロコンピュータ(「ナビマイコン」という)を備えると共に、ベースユニット10はマイクロコンピュータ(「システムマイコン」という)を備える。また、図24に示す如く、クレイドルユニット12はマイクロコンピュータ(「クレイドルマイコン」という)を備える。
【0093】
ベースユニット10はGPS(Global Positioning System)信号を受信するGPS信号受信装置(「GPS」と示す)と、車輪速センサ(「SPEED PLS」と示す)と、ジャイロセンサ(「ジャイロ」と示す)と、リバースギアスイッチ(「REVERSE」と示す)を備える。クレイドルユニット12はGPS信号受信装置のみを備える。
【0094】
ナビマイコンは、フロントパネルユニット14がベースユニット10に装着されるとき、GPS信号から得た位置情報を車輪速センサとジャイロセンサの出力で補正する自律航法に基づいて検出された位置に従ってナビゲーションを行う一方、クレイドルユニット12に装着されるとき、GPS信号から得た位置情報から検出される位置に従ってナビゲーションを行う。
【0095】
ここで、この実施例に係るナビゲーション装置における放電機構について説明すると、図1に示す如く、ベースユニット10の凹部10bの下端にはコネクタ10eに並んで銅材などの導電体からなるグラウンド端子10pが複数個、より具体的には10p1,10p2と2箇設けられる。
【0096】
図2に示す如く、フロントパネルユニット14には対応する位置に、前記グラウンド端子と接触する接点14rが複数個、より具体的には14r1,14r2と2箇設けられる。グラウンド端子10pと接点14rは、フロントパネルユニット14の装着方向あるいは取り外し方向に対して交差する方向、より具体的には横方向に並列して設けられる。
【0097】
図25はフロントパネルユニット14が装着されたときのベースユニット10を上方から見た断面図、図26は図25に示すグラウンド端子10pなどの拡大図、図27はフロントパネルユニット14が装着されつつあるときのベースユニット10を上方から見た断面図、図28は図27に示すグラウンド端子10pなどの拡大図、図29は図25と同様、ベースユニット10を上方から見た断面図、図30は図29に示すベースユニット10の正面図である。
【0098】
図25と図27に示す如く、グラウンド端子10pは基端側で鉄片などの導電体10qに固定されて電気的に接続されると共に、図27に良く示すように先端側は凹部10bの壁面から僅かに(例えば3mm程度)突出させられる。対応する接点14r1,14r2はそれぞれ開孔14rqと、導電材から形成される板バネなどの弾性体14rsと、弾性体バネ14rsの両端を固定する固定部14rfからなる。
【0099】
図26と図28に示す如く、装着されるとき、グラウンド端子10pは開孔14r1に侵入して弾性体14rsに接触する。弾性体14rsは両端を固定部14rfで固定されていることから、内側(フロントパネルユニット14の内部側)に撓み、よってグラウンド端子10pの尖端に確実に接触するように構成される。
【0100】
上記した構成において、ユーザが図25に示す装着状態からデタッチボタン14iを押してフロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外そうとするとき、ユーザが静電気を帯電していたとすると、それは接点14rからグラウンド端子10pを介して導電体10qに伝えられ、導電体10qに放電される。
【0101】
その場合、先に述べたように図27において左方のキャッチスライド14hに係合する固定爪10dが支点として機能する結果、右側のグラウンド端子10p2が接点14r2から外れても、左側のグラウンド端子10p1はある角度、即ち、コネクタ10eとコネクタ14oとの接触が解かれた後まで接点14r1と接触し続けるので、ユーザが帯電していた静電気は確実に導電体10qに放電され、コネクタ10eあるいは増設モジュール10n1,10n2に放電されることがない。
【0102】
また、グラウンド端子10pはコネクタ10eあるいは増設モジュール10n1,10n2に近接して位置するので、それらへの放電を効果的に予防することができる。さらに、増設モジュール10n1,10n2は最凹部10b1から挿入自在に配置されるので、一層内側に位置することとなり、増設モジュール10n1,10n2への放電を一層効果的に予防することができる。
【0103】
さらに、グラウンド端子10p(と接点14r)を2個としたので、ユーザに帯電した静電気を確実に放電することができる。尚、グラウンド端子10p(と接点14r)の個数はそれに限られるものではなく、1個であっても良く、あるいは3個以上であっても良い。
【0104】
また、図29に示す如く、グラウンド端子10pの突出量は、矩形で広い面を持つコネクタ10eの突出量より小さく形成され、よってコネクタ10eがフロントパネルユニット14の接点と接触するときに支障となることがない。
【0105】
また、図30に示す如く、グラウンド端子10pはコネクタ10eよりも上下方向において僅かのオフセットをもって配置される。
【0106】
第1実施例においては、上記の如く、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータを少なくとも有するベースユニット10と、ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイ(液晶パネル)14bと地図データ上に測位された車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを少なくとも有するフロントパネルユニット14を備えたナビゲーション装置において、フロントパネルユニット14の前面をベースユニット10の着脱面と同大に構成すると共に、フロントパネルユニット14の横方向の長さの70%以上、具体的にはフロントパネルユニット14の横方向と縦方向の長さの70%以上を前記液晶パネル14bとした。
【0107】
即ち、図7に示す如く、フロントパネルユニット14の横方向の長さをLhfとし、液晶パネル14bの同じ方向の長さをLhpとするとき、LhpがLhfの70%以上、より具体的には72%程度となるようにした。また、図11に示す如く、フロントパネルユニット14の縦方向の長さをLvfとし、液晶パネル14bの同じ方向の長さをLvpとするとき、LvpがLvfの70%以上、より具体的には72%程度とした。従って、面積比で示せば、フロントパネルユニット14の前面の面積の半分以上、より正確には前記前面の面積の52.8%を液晶パネル14bとした。
【0108】
これにより、ナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを有するフロントパネルユニット14をベースユニット10から着脱可能に構成して使い勝手の良さを上げることができると共に、フロントパネルユニット14に形成される液晶パネル(ディスプレイ)14bの大きさ(面積)を増加させることができ、視認性を上げることができる。
【0109】
また、フロントパネルユニット14の前面の目的地入力スイッチ14c、現在地入力スイッチ14dなどが配置される右側に、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外すためのユーザの操作自在なデタッチボタン(着脱ボタン)14iを配置すると共に、デタッチボタン14iによって取り外し方向に移動可能なロックレバー10cを、液晶パネル14bの横方向に直交する縦方向に複数個、具体的には2個配置する如く構成したので、上記した効果に加え、上記した効果に加え、フロントパネルユニット14の着脱の容易性を保ちながら液晶パネル14bの面積を増加させることができる。
【0110】
また、フロントパネルユニット14の着脱が容易となると共に、液晶パネル14bの大きさを増加させるときも、フロントパネルユニット14を安定に把持しつつ、ベースユニット10に容易に装着(係合)することができる。
【0111】
また、液晶パネル14bがフロントパネルユニット14の前面において横方向にオフセットされると共に、デタッチボタン14iをオフセットされる方向と逆方向に配置し、スプリング14i1によってフロントパネルユニット14の前面に向けて付勢させる如く構成したので、上記した効果に加え、ユーザによってデタッチボタン14iが操作されるまでフロントパネルユニット14をベースユニット10に確実に保持できると共に、操作されると容易に取り外すことができる。
【0112】
また、液晶パネル14bがフロントパネルユニット14の前面において横方向にオフセットされると共に、デタッチボタン14iをオフセットされる方向と逆方向に配置するように構成したことで、液晶パネル14bが大きくなった分フロントパネルユニット14の重量が増したとしても、液晶パネル14bから離れた側にデタッチボタン14iとそのスプリング14iが配置されるので、例えばフロントパネルユニット14をベースユニット10から押し出すように作用するリリースレバー10gのスプリング10i1との力関係を調整、具体的にはそれより僅かに弱い設定にすることで、良好な操作感を与えることも可能となる。
【0113】
また、フロントパネルユニット14に配置される固定爪14gと、フロントパネルユニット14と係合すると否とに関わらず、固定爪14gと係合自在にベースユニット10の前面の凹部10bに位置させられるロックレバー10cを備えると共に、デタッチボタン14iはロックレバー10cを移動させて固定爪14gとの嵌合を解くことでフロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外させる如く構成したので、上記した効果に加え、同様にユーザによってデタッチボタン14iが操作されるまでフロントパネルユニット14をベースユニット10に確実に保持できると共に、操作されると容易に取り外すことができる。
【0114】
また、ロックレバー10cが、フロントパネルユニット14と係合すると否とに関わらず、ベースユニット10の凹部10bに位置させられる、換言すれば突出しないように構成されることで、着脱操作のとき、他の物に引っ掛って破損するおそれがない。
【0115】
また、フロントパネルユニット14と係合すると否とに関わらず、ベースユニットの10前面の凹部10bに位置させられると共に、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外す方向に作用するリリースレバー10gと、リリースレバー10gを取り外す方向に付勢するリリースレバー10gのスプリング10i1を備える如く構成したので、上記した効果に加え、リリースレバー10gを介することで、フロントパネルユニット14をベースユニット10から一層確実かつ容易に取り外すことができる。
【0116】
また、リリースレバー10gが、フロントパネルユニット14と係合すると否とに関わらず、ベースユニット10の凹部10bに位置させられる、換言すれば突出しないように構成されることで、着脱操作のとき、他の物に引っ掛って破損するおそれがない。
【0117】
また、ベースユニット10において液晶パネル14の縦方向に複数個、具体的には2個配置されたロックレバー10cのうち、デタッチボタン14iから遠い側に配置されたロックレバー10cの付近にリリースレバー10gとリリースレバースプリング10i1を備えると共に、リリースレバー14gのスプリング10i1は、デタッチボタン14iの操作によってフロントパネルユニット14とベースユニット10の係合が解かれるとき、デタッチボタン14iのスプリング14i1をさらに圧縮できる押圧力に設定される如く構成したので、上記した効果に加え、フロントパネルユニット14のデタッチボタン側が力点、フロントパネルユニット14の他端が支点として作用するとき、リリースレバー10gを作用点とすることができ、よってフロントパネルユニット14をベースユニット10から一層確実かつ容易に取り外すことができる。
【0118】
また、リリースレバー10gが液晶パネル14bの縦方向に複数個配置されたロックレバーの10cうち、着脱ボタンから遠い側に配置されたロックレバー10cの付近に配置することで、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外すのが一層容易となる。
【0119】
また、ロックレバー10cとリリースレバー10gは移動方向が相違させられると共に、リリースレバー10gのスプリング10i1の押圧力がデタッチボタン14iのスプリング14i1のそれよりも大きく設定される如く構成したので、上記した効果に加え、同様にフロントパネルユニット14をベースユニット10から一層確実かつ容易に取り外すことができる。
【0120】
また、ロックレバー10cとリリースレバー10gの移動方向が相違させられることで、リリースレバー10gがフロントパネルユニット14を押し出す際に両者の接触点にずれが生じることがないので、フロントパネルユニット14を安定して押し出すことができる。
【0121】
また、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータを少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイ(液晶パネル)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを少なくとも有するフロントパネルユニット14を備えたナビゲーション装置において、前記フロントパネルユニット14の前面の側部の一方に着脱ボタン(デタッチボタン)14iを配置すると共に、前記ベースユニットの、前記着脱ボタンの配置位置に対応する位置に可動爪(ロックレバー10c)を配置し、さらに前記フロントパネルユニットケース14aに前記可動爪を受ける凹部14jを形成するように構成したので、上記した効果に加え、フロントパネルユニット14をベースユニット10に簡易な機構で固定することができる。
【0122】
また、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータを少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイ(液晶パネル)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを少なくとも有するフロントパネルユニット14を備えたナビゲーション装置において、前記フロントパネルユニット14を固定保持する可動爪(ロックレバー10c、キャッチスライド14h)を両側部に設けるようにしたので、簡易な機構でありながら、どのような方向からでもフロントパネルユニット14をベースユニット10に取り付けることができる。
【0123】
また、前記可動爪の一方(ロックレバー10c)は前記着脱ボタン14iの動作を受けてベースユニット10の方向の移動のみを許容すると共に、他方(キャッチスライド14h)は固定方向に付勢されるように構成される。
【0124】
また、前記フロントパネルユニット14は上方から見て背面が突出すると共に、左側の壁部14klと右の壁部14krがベースユニット10の凹部10bの側壁に対応して全体として台形形状に構成されるので、フロントパネルユニット14がベースユニット10に装着されるとき、ベースユニット10の方向への移動をガイドして装着を容易にする。
【0125】
また、フロントパネルユニット14において液晶パネル14bの後方に配置される基板(14l1,14l2)を液晶パネル14bよりも左右方向の長さを小さくし、よって生じたスペースにフロントパネルユニット14のキャッチスライド14hを収容するように構成したので、簡易な構造でありながら、キャッチスライド14hなどをフロントパネルユニット14の前面に近づけることができ、固定部分を重心位置に近づけることができるので、振動に対してフロントパネルユニット14の回転方向の動きを抑制することができる。さらに、フロントパネルユニット14に増設ユニットを設けるのが容易となる。
【0126】
また、図8で示したDiの幅より、キャッチスライド14hと固定爪10dのラップ幅の方が広くなるように構成したので、フロントパネルユニット14とベースユニット15が独りでに外れることがない。
【0127】
また、ベースユニット10において可動爪(ロックレバー10c)が配置される位置の内側に、フロントパネルユニット14の取出し時に、フロントパネルユニット14を取り外し方向に蹴り出すキックレバー10iを配置したので、フロントパネルユニット14の背面の基板収納空間を広くとることができ、回路設計の自由度を増加させることができる。
【0128】
また、キックレバー10iを可動爪の付近に配置すれば、反対側の固定部分を支点にすることができ、少ない力でフロントパネルユニット14を取り外す方向に移動させることができる。
【0129】
また、スロット14nは、フロントパネルユニット14の液晶パネル14bの上部にその長辺の上端と水平に形成され、フロントパネルユニット14がベースユニット10に装着されたとき、そこからユーザによってCD20が挿入自在に構成されると共に、フロントパネルユニットケース14aは背面側の上部において小さく突出し、ベースユニットケース10aの残余の凹状部分10a1に収容自在なように形成されるように構成したので、前方の化粧部分などが不要となってフロントパネルユニット14のスロット14n付近の奥行きが小さくなり、その結果、CD20の挿入や排出が安定すると共に、フロントパネルユニット14の剛性を高めることができる。
【0130】
また、取付用アーム16は、アームユニット16aと、アームユニット16aの側部に取り付けられるアームホルダ16bと、アームユニット16aの底部に取り付けられる取付パネル16cと、クレイドルユニットケース12aに取り付けられるボタン16dからなると共に、クレイドルユニット12を介してアームホルダ16bでフロントパネルユニット14を中央位置付近において半分程度の高さで保持するように構成した。
【0131】
図19に示す如く、車両のフロントウインドウは後方(座席側)に向かって傾いているが、アームホルダをこのように構成することで、車両Bのダッシュボードに固定するのが容易となると共に、フロントパネルユニット14、クレイドルユニット12、取付用アーム16の順で段階的に高さが減少するようになるため、増設モジュール10n1を抜き差しする場合などユーザの操作に支障となることが一層少ない。
【0132】
また、アームホルダ16bは、アームホルダ16bの孔16b1とボタン16dとレバー16d1とスプリング16eからなる取付用アーム16の着脱機構を介して車両Bのダッシュボードに取り外し自在に固定されるように構成したので、着脱が容易となる。
【0133】
また、アームユニット16aは複数個のカムケースを備えて軸X,Y,Z回りの回転が可能となるように構成されるので、視覚性が向上する。
【0134】
また、コネクタ10eは、グラウンド接点10e211が通常の接点10e221に比して相手方、即ち、フロントパネルユニットのコネクタと最初に接触するように突出して配置されるように構成したので、接続される電子回路が保護されると共に、その動作が安定する。また、ベースユニット10の凹部10bに中央からオフセット位置に配置されるので、着脱時、グラウンド接点が最初に接触あるいは最後まで接触することとなり、同様に電子回路の動作を安定させることができる。
【0135】
また、車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータを少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイ(液晶パネル)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを少なくとも有するフロントパネルユニット14を備えたナビゲーション装置において、前記フロントパネルユニットと前記ベースユニットの一方にグラウンド端子10pを設けると共に、他方に前記グラウンド端子10pに接触される接点14rを設けるように構成したので、ユーザがフロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外そうとするとき、ユーザが静電気を帯電していたとすると、それは接点14rからグラウンド端子10pを介して放電、より具体的には導電体10qに伝えられて導電体10qに放電される。
【0136】
また、前記接点14rが弾性体からなる如く構成したので、グラウンド端子10pに確実に接触して放電することができる。
【0137】
また、前記グラウンド端子10pと前記接点を複数個設けるように構成したので、一つのグラウンド端子10p2が接点14r2から外れても、他のグラウンド端子10p1はある角度までは接点14r1と接触し続けるので、ユーザが帯電していた静電気は確実に導電体10qに放電される。
【0138】
また、グラウンド端子10pはコネクタ10eあるいは増設モジュール10n1,10n2に近接して位置するように構成したので、それらへの放電を効果的に予防することができる。
【実施例2】
【0139】
図31はこの発明の第2実施例に係るナビゲーション装置を車両に搭載した状態で示す斜視図、図32は図31からフロントパネルユニット14を取り外した状態の正面図、図33は図32の説明横断面図である。
【0140】
図5および図11などに示す第1実施例と相違する点に焦点をおいて説明すると、第2実施例にあっては、図32に示すようにベースユニット10はダッシュボードDに形成された矩形状の凹部24の内部に完全に埋没するように収容されると共に、フロントパネルユニット14が装着されたとき、図31に示すようにフロントパネルユニット14、より具体的にはフロントパネルユニットケース14aは上部がダッシュボードDの壁面Dwから突出するように構成される。
【0141】
即ち、ベースユニット10が車両の運転席のダッシュボードDに固定自在、より具体的にはダッシュボードDに形成された凹部24に収容されてダッシュボードDに固定自在であると共に、フロントパネルユニット14がベースユニット10に装着された装着位置にあるとき、フロントパネルユニット14の一部(上部)が側面視においてダッシュボードDの壁面(面)Dwより運転席に位置するユーザの方向に突出するように構成される。これにより、ナビゲーション装置としての外観を犠牲にすることなく、ベースユニット10に対するフロントパネルユニット14の着脱の自在性を向上させることができる。
【0142】
また、ダッシュボードDに形成された凹部24の両側面24sは、図32と図33に示す如く、フロントパネルユニット14、より具体的にはフロントパネルユニットケース14aの側面と平行ではなく、上面視において開口側に向けて広がるように形成、より正確にはテーパ状に形成される。尚、前面24fはフロントパネルユニットケース14aの底面と平行に形成される。
【0143】
尚、図32などで符号26はエアコンディショナの吹き出し口、28はその風量調整ダイアル、30はその操作パネル、32はその温度調整ダイアル、34はハザード点灯スイッチである。
【0144】
このように、凹部24においてフロントパネルユニット14、より具体的にはそのケース14aなどとの間に間隙24gが設けられると共に、上部側では図31に示す如く、フロントパネルユニットケース14aがダッシュボードDの壁面Dwから半分以上突出しつつ下方に向かって徐々に壁面Dwと側面視で重なり合い、最下部では図31に示すように凹部24に全て沈み込む一方、フロントパネルユニット14が取り外し状態にあっては、右側の最上部は全て凹部24と側面視で重ならない程度に前方に移動するように構成したことから、ユーザがフロントパネルユニットケース14aを手で把持し、ベースユニット10に装着したり、それから取り外したりするのが容易となる。
【0145】
即ち、ユーザによるデタッチボタン14iの操作に応じてフロントパネルユニット14が装着位置から取り外し位置に移動させられたとき、フロントパネルユニット14の下部(一部)が凹部24の内部にあるように構成したので、フロントパネルユニット14の下部を凹部24の内部に残すことで、フロントパネルユニット14の不用意な脱落を防止できると共に、残部、即ち、最上部などを凹部24から突出させることでユーザが把持して取り外すのが容易となり、フロントパネルユニット14の着脱の自在性を一層向上させることができる。尚、側面24sは上面視において開口側に広がれば良いので、テーパ状に限らず、湾曲状などであっても良い。
【0146】
また、フロントパネルユニット14の最下部は少なくとも壁面Dwと一部が側面視で重なりが残る程度となるように壁面Dwの深さを設定すると共に、前面24fを水平な面としたことから、フロントパネルユニット14が安易かつ不用意に外れるのが防止できる。さらに、フロントパネルユニット14の前面右側のスイッチ類に関しては、目的地入力スイッチ14c、現在地入力スイッチ14dなど、使用頻度が高い、あるいは重要なスイッチをそこに配置すると共に、壁面Dwより突出させたことで、スイッチ類の操作にあたって壁面Dwが邪魔になることがないと共に、使い勝手の良さも上げることができる。
【0147】
このように、フロントパネルユニット14がベースユニット10に装着される装着位置にあるとき、フロントパネルユニット14の上部(最上部)は側面視においてダッシュボードDの壁面Dwよりユーザの方向に突出する一方、ユーザの操作自在に設けられたデタッチボタン14iを側面視において凹部24の内部に位置するフロントパネルユニット14の下部に配置するようにした。
【0148】
また、ジャック14e,14fあるいはデタッチボタン14iは壁面Dwで囲われることから、ジャック14eなどに無理な力が加わることが少なく、フロントパネルユニット14の下部近くにエアコンディショナの風量ダイアル28、操作パネル30などの操作機器が配置されるような構造であっても、不用意な操作を防止することができる。残余の構成は第1実施例と異ならない。
【0149】
第2実施例においては、上記の如く、車両のダッシュボードDに形成された凹部24に固定自在であると共に、マイクロコンピュータを少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイ(液晶パネル)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを少なくとも有するフロントパネルユニット14を備えたナビゲーション装置あるいはナビゲーション装置の取付構造において、前記フロントパネルユニット14の前面を前記ベースユニット10の着脱面と同大に構成すると共に、前記ダッシュボードDに形成された凹部24は、前記ベースユニット10に取り付けられるとき、前記フロントパネルユニット14が前記ダッシュボードDの壁面Dwからその一部、より具体的には上部を側面視において突出させる如く構成したので、第1実施例で述べた効果に加え、ユーザがフロントパネルユニット14をベースユニット10に装着したり、それから取り外したりするのが容易となる。
【0150】
さらに、前記凹部24は側面24sが上面視において開口側に広がるように形成、より具体的にはテーパ状に形成されるので、ユーザがフロントパネルユニット14をベースユニット10に装着したり、それから取り外したりするのが一層容易となる。
【0151】
第2実施例にあっては、また、車両の運転席のダッシュボードDに固定自在であるベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイ(液晶パネル)14bを有するフロントパネルユニット14と、前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータ(ナビマイコン)とを備えたナビゲーション装置において、前記フロントパネルユニット14が前記ベースユニット10に装着された装着位置にあるとき、前記フロントパネルユニット14の一部が側面視において前記ダッシュボードDの面(壁面Dw)より前記運転席に位置するユーザの方向に突出するように構成したので、ナビゲーション装置としての外観性を犠牲にすることなく、ベースユニット10に対するフロントパネルユニット14の着脱の自在性を向上させることができる。
【0152】
また、前記ベースユニット10が前記ダッシュボードDに形成された凹部24に収容されて前記ダッシュボードDに固定自在であると共に、ユーザによる着脱機構の着脱ボタン(デタッチボタン)14iの操作に応じ、前記フロントパネルユニット14が前記装着位置から取り外し位置に移動させられたとき、前記フロントパネルユニット14の一部が側面視において前記凹部24の内部にあるように構成したので、上記した効果に加え、フロントパネルユニット14の一部を凹部24の内部に残すことでフロントパネルユニット14の不用意な脱落を防止できると共に、残部を凹部24から突出させることで、ユーザが把持して取り外すのが容易となり、フロントパネルユニット14の着脱の自在性を一層向上させることができる。
【0153】
また、前記ベースユニット10が前記ダッシュボードDに穿設された凹部24に収容されて前記ダッシュボードDに固定自在であると共に、前記フロントパネルユニット14が前記装着位置にあるとき、前記フロントパネルユニット14の上部が側面視において前記ダッシュボードDの面(壁面Dw)よりユーザの方向に突出する一方、ユーザの操作自在に設けられた、前記フロントパネルユニット14を前記装着位置から取り外し位置に移動させる着脱機構の着脱ボタン(デタッチボタン)14iを、側面視において前記凹部の24内部に位置する前記フロントパネルユニット25の下部に配置するように構成したので、上記した効果に加え、着脱ボタン(デタッチボタン)14iを凹部24の内部に位置させたことで誤操作を防止できてフロントパネルユニット14の不用意な脱落を防止することができる。また、フロントパネルユニット14の上部をダッシュボードDの壁面Dwより突出させることで、使用頻度が高い、あるいは重要なスイッチをそこに配置して使い勝手の良さを上げることも可能となる。
【実施例3】
【0154】
図34はこの発明の第3実施例に係るナビゲーション装置を車両に搭載した状態で示す斜視図、図35はその状態からフロントパネルユニット14を取り外したときの正面図、図36と図37は同様に車両に搭載した状態で示す斜視図、図38は図34などに示すフロントパネルユニット14、ベースユニット10、ダッシュボードDと後述するアッパーカバーとの相関を示す説明図である。
【0155】
従前の実施例と相違する点に焦点をおいて説明すると、第3実施例にあっては、図34に示すような側面視において緩慢に傾斜するダッシュボードDに形成された、図35に示す収容部38の内部にベースユニット10を収容すると共に、ベースユニット10、より具体的にはベースユニットケース10aの開口付近までを化粧パネル40で囲むようにした。
【0156】
化粧パネル40の開口端はベースユニットケース10aの開口端と同一にされる。従って、ベースユニット10にフロントパネルユニット14が装着されたとき、フロントパネルユニット14、より具体的にはフロントパネルユニットケース14aは図34に示す如く、化粧パネル40から側面視において突出する。
【0157】
収容部38の上方にはアッパーカバー42が設けられる。図34と図35に示す如く、アッパーカバー42は上面視においてフロントパネルユニット14の前端を越えて運転席(図示せず)に延びると共に、幅方向においてもフロントパネルユニット14、より具体的にはフロントパネルユニットケース14aのそれよりも大きいように形成される。
【0158】
ユーザによってフロントパネルユニット14のデタッチボタン14iが押され、図36と図37に示す如く、フロントパネルユニット14がユーザに把持されるとき、アッパーカバー42とフロントパネルユニット14の間にはユーザの指が入る大きさの間隙42aが形成される。また、図38に示す如く、フロントパネルユニット14の下部には、ユーザの指が入る程度の間隙Dac1が形成される。
【0159】
より具体的には、図38に示す如く、アッパーカバー42の下面はフロントパネルユニット14、より具体的にはフロントパネルユニットケース14aから開口側に向かって徐々に離間し、その離間距離Dacも開口側に向かって拡大、換言すれば間隙42aも拡大するように形成される。
【0160】
尚、図8を参照して先に説明したようにフロントパネルユニット14がベースユニット10から取り外されるとき、リリースレバー10gのフック10g1の高さHを少なくとも超えて上方にフロントパネルユニット14を移動させる必要があるが、離間距離Dacは、フロントパネルユニットケース14aの前端付近にあっても、その高さHとユーザの指を十分に超える大きさに形成される。
【0161】
さらに、図35に示すようにアッパーカバー42は両端側が中央に比して低い山形に形成されると共に、図36、図38に示すようにフロントパネルユニット14が取り外された状態にあっては、右側の角がアッパーカバー42と上面視で少なくとも一部は重なる程度にアッパーカバー42を突出させている。
【0162】
第3実施例にあっては、図38に示す如く、水平面に対してベースユニット10の取り付け角度Ds1は僅かに上方に傾き、ダッシュボードDのフロントパネルユニット14の直下の平面は僅かに下方にDs3だけ傾き、さらに変曲点より先のダッシュボードDはより下方にDs4だけ傾き、傾きの大きい面の先にAV、通信、ナビゲーションなどの制御用のスイッチあるいはダイアル(符号43で示す)を配置した。
【0163】
また、アッパーカバー42の上方への傾きDs2はDs1より大きく、それらの角度はDs3<Ds1<Ds2<Ds4の順とした。尚、変曲点位置より僅かに前方が、フロントパネルユニット14が取り外される位置である。尚、図38において線14vucは、デタッチボタン14iが押されてフロントパネルユニット14がベースユニット10から蹴り出された取り外し位置にあるときの、フロントパネルユニット14の前端を示す線である。それを考慮し、湾曲形状を呈するアッパーカバー42の最前端42cの基端42d(湾曲開始点。フロントパネルユニット14の右端相当部位)からの突出度合いを決定した。第3実施例の残余の構成は、従前の実施例と異ならない。
【0164】
第3実施例においては、上記の如く、車両のダッシュボードDに形成された収容部38に収容自在であると共に、マイクロコンピュータを少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイ(液晶パネル)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを少なくとも有するフロントパネルユニット14を備えたナビゲーション装置あるいはナビゲーション装置の取付構造において、前記フロントパネルユニット14の前面を前記ベースユニット10の着脱面と同大に構成すると共に、前記ダッシュボードDに形成された収容部28の上部に上面視においてフロントパネルユニット14の前端を越えて運転席に延びるアッパーカバー42を設ける如く構成したので、第1実施例で述べた効果に加え、フロントパネルユニット14の液晶パネル14bに外光などが写りこむのを防止することができると共に、フロントパネルユニット14を取り外すときにユーザの指のガイドにもなり、取り外しが容易となる。さらに、アッパーカバー42は上部に設けたので、両側面と下面は自由となり、比較的大柄なユーザでも容易にフロントパネルユニット14をベースユニット10に装着したり、それから取り外したりすることができる。
【0165】
さらに、アッパーカバー42とフロントパネルユニット14の間にはユーザの指が入る大きさの間隙42aが形成されるようにしたので、取り外しが一層容易となると共に、間隙42aは開口側に向かって拡大するように形成されるので、取り外しがなお一層容易となる。
【実施例4】
【0166】
図39(a)はこの発明の第4実施例に係るナビゲーション装置を車両に搭載した状態で示す斜視図、(b)はフロントパネルユニット14の下端付近の凹部の側面図である。
【0167】
第4実施例は2段水平面を持つダッシュボードDに形成された収容部44の内部に収容されたベースユニット10(図示せず)にフロントパネルユニット14を装着すると共に、フロントパネルユニット14を側面視において車両進行方向に向けて大きく傾斜させつつ、フロントパネルユニット14の下端を下げ、フロントパネルユニット14の上方への突出を可能な限り回避するようにした。
【0168】
第3実施例と同様、ベースユニット10、より具体的にはベースユニットケース10a(図示せず)の開口付近までを化粧パネル40で囲むと共に、化粧パネル40の開口端はベースユニットケース10aのそれとほぼ同一にされるように構成した。ベースユニット10にフロントパネルユニット14が装着されたとき、フロントパネルユニット14、より具体的にはフロントパネルユニットケース14aは図示の如く、化粧パネル40から側面視において突出する。
【0169】
ダッシュボードDにはフロントパネルユニット14の下部において凹部48が形成され、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外すとき、ユーザが指を入れることができるようにされる。
【0170】
尚、同図(b)に示す如く、凹部48の縁はフロントパネルユニット14の角部を超えてデタッチボタン14iの中程の高さにされるが、同図に想像線で示す如く、デタッチボタン14iの上端付近の高さとしても良い。要は、それを超えてジャック14e(14f)にケーブルを差し込むのに支障となる高さ以下であれば良い。尚、残余の構成は従前の実施例と異ならない。符号14iwはデタッチボタン14iのストローク幅を示す。
【0171】
第4実施例においては、上記の如く、車両のダッシュボードDに形成された収容部44に収容自在であると共に、マイクロコンピュータを少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイ(液晶パネル)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを少なくとも有するフロントパネルユニット14を備えたナビゲーション装置あるいはナビゲーション装置の取付構造において、前記フロントパネルユニット14の前面を前記ベースユニット10の着脱面と同大に構成すると共に、前記ダッシュボードDに凹部を形成する如く構成したので、第1実施例で述べた効果に加え、フロントパネルユニット14の取り外しが容易となる。
【0172】
尚、第4実施例においてフロントパネルユニット14の下端にあるデタッチボタン14iの少なくとも一部を凹部48の内部まで下げ、フロントパネルユニット14の上方への突出をさらに回避するようにし、さらにデタッチボタン14iの誤操作を防止するようにしても良い。
【実施例5】
【0173】
図40はこの発明の第5実施例に係るナビゲーション装置を車両に搭載した状態で示す斜視図、図41はその状態の正面図である。
【0174】
第5実施例は取り外し可能な化粧パネル50を設け、それをダッシュボードDに取り付けるようにした。
【0175】
図40に示す如く、化粧パネル50はベースユニット10、より具体的にはベースユニットケース10a(図示せず)の開口付近を越え、フロントパネルユニット14、より具体的にはフロントパネルユニットケース14aまでを部分的に囲むように形成される。従って、第5実施例にあっては、図40に示す如く、側面視においてフロントパネルユニット14の化粧パネル50からの突出感が低減するように構成される。
【0176】
ダッシュボードDにはフロントパネルユニット14の下部において傾斜部52が形成され、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外すとき、ユーザが指を入れることができるようにされる。残余の構成は第2実施例と異ならない。
【0177】
尚、スロット14nと目的地入力スイッチ14cと現在地入力スイッチ14dはフロントパネルユニット14の最上部に配置されており、現在地入力スイッチ14dが配置されるフロントパネルユニット14の上部はダッシュボードDより突出させられる。尚、符号14ddはボリュームスイッチを示す。
【0178】
第5実施例においては、上記の如く、車両のダッシュボードDに収容自在であると共に、マイクロコンピュータを少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイ(液晶パネル)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを少なくとも有するフロントパネルユニット14を備えたナビゲーション装置あるいはナビゲーション装置の取付構造において、前記フロントパネルユニット14の前面を前記ベースユニット10の着脱面と同大に構成すると共に、前記ダッシュボードDに取り外し可能であると共に、前記ベースユニット10に前記フロントパネルユニット14が装着されるとき、前記フロントパネルユニット14を部分的に囲む化粧パネル50を設け、前記化粧パネル50を介して前記ダッシュボードDに収容する如く構成したので、第1実施例で述べた効果に加え、夜間にスピードメータなどの、走行時に必要な表示装置の光が回り込まないように、その表示装置よりユーザ側にせり出すようにフロントパネルユニット14を配置することで、フロントパネルユニット14を凹部に深く収容するようにレイアウトする必要がなく、フロントパネルユニット14の取り外しに必要な傾斜部52を長く設ける必要もなくなると共に、突出感を低減することができる。
【実施例6】
【0179】
図42はこの発明の第6実施例に係るナビゲーション装置を車両に搭載した状態で示す正面図である。
【0180】
第6実施例は、上記とほぼ同様の構成であり、フロントパネルユニット14の取り付け角度をユーザの目線に合わせるため、スピードメータ55を寝かせる一方、ダッシュボードDの面より立たせた角度とした。
【0181】
化粧パネル56の開口端はベースユニットケース10a(図示せず)のそれと同一にされ、ベースユニット10にフロントパネルユニット14が装着されたとき、フロントパネルユニット14、より具体的にはフロントパネルユニットケース14aは化粧パネル56から側面視において上部が突出する。
【0182】
上記した実施例においては、収容部54の上方にアッパーカバー58を設けるようにした。第3実施例と同様、アッパーカバー58は上面視においてフロントパネルユニット14の前端を越えて運転席に延びると共に、幅方向においてもフロントパネルユニット14、より具体的にはフロントパネルユニットケース14aのそれよりも大きいように形成されるので、液晶パネル14bがより傾いても、走行時に液晶パネル14bの画面がフロントウインドウ18に映ることがない。
【0183】
また、アッパーカバー58とフロントパネルユニット14の間にはユーザの指が入る大きさの間隙58aが形成されると共に、アッパーカバー58の下面がフロントパネルユニット、より具体的にはフロントパネルユニットケース14aから開口側に向かって徐々に離間し、その離間距離も開口側に向かって拡大、換言すれば間隙58aも拡大するように形成されることも同様である。
【0184】
第6実施例において特徴的なことは、化粧パネル56の図において右側面には仕切板が一体的に形成される。即ち、化粧パネル56の右側面は仕切り56aとして機能させられる。ステアリングホイール側にある仕切り56aは、反対側の仕切りよりフロントパネルユニット14に対して多く突出するように仕切り56aを高く形成するか、ベースユニット10をダッシュボードDに対して少し傾けて取り付けるようにした。
【0185】
尚、他の図では図示は省略するが、図42および第1実施例の図5から明らかな如く、ナビゲーション装置、より具体的にはフロントパネルユニット14の図において右側にはスピードメータ55などの表示機器が隣接して配置される。
【0186】
第6実施例の残余の構成は、従前の実施例と異ならない。
【0187】
第6実施例においては、上記の如く、車両のダッシュボードDに形成された収容部54に収容自在であると共に、マイクロコンピュータを少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイ(液晶パネル)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを少なくとも有するフロントパネルユニット14を備えたナビゲーション装置あるいはナビゲーション装置の取付構造において、前記フロントパネルユニット14の前面を前記ベースユニット10の着脱面と同大に構成すると共に、仕切り56aを設ける如く構成したので、第1実施例で述べた効果に加え、フロントパネルユニット14の液晶パネル14bからの光が隣接する表示機器に写りこむのを防止することができる。
【実施例7】
【0188】
図43はこの発明の第7実施例に係るナビゲーション装置の取り外し可能な化粧パネルを取り付けた状態で示す斜視図、図44はフロントパネルユニットを取り外したときの斜視図である。
【0189】
第7実施例にあっても、第5実施例と同様、取り外し可能な化粧パネル60を設け、化粧パネル60を通してフロントパネルユニット14をダッシュボードDに取り付け自在とした。
【0190】
図43に示す如く、フロントパネルユニット14は化粧パネル60の内部に収容されると共に、ベースユニット10にフロントパネルユニット14が装着されたとき、フロントパネルユニット14、より具体的にはフロントパネルユニットケース14aは下部が側面視において化粧パネル60から突出するように構成される。フロントパネルユニット14の前面に配置されるデタッチボタン14iは、少なくとも前記したストローク分(例えば5mm)だけ化粧パネル60の前端から突出するように構成される。
【0191】
また、図44に示す如く、化粧パネル60とフロントパネルユニット14の間に上下左右に間隙60aが形成され、フロントパネルユニット14をベースユニット10から取り外すとき、即ち、デタッチボタン14iを操作してフロントパネルユニット14の右側が取り外し位置まで出た状態では、少なくともフロントパネルユニット14の上下を容易に大人の指で掴めるように形成する。残余の構成は従前の実施例と異ならない。
【0192】
第7実施例においては、上記の如く、車両のダッシュボードDに収容自在であると共に、マイクロコンピュータを少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイ(液晶パネル)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを少なくとも有するフロントパネルユニット14を備えたナビゲーション装置あるいはナビゲーション装置の取付構造において、前記フロントパネルユニット14の前面を前記ベースユニット10の着脱面と同大に構成すると共に、前記ダッシュボードDに収容自在な化粧パネル60は、前記ベースユニット10に取り付けられるとき、前記フロントパネルユニット14がその一部、より具体的には下部を側面視において突出させる如く構成したので、第1実施例で述べた効果に加え、ユーザがフロントパネルユニット14をベースユニット10に装着したり、それから取り外したりするのが容易となる。
【実施例8】
【0193】
図45はこの発明の第8実施例に係るナビゲーション装置を車両に搭載した状態で示す斜視図、図46はそれからフロントパネルユニットを取り外してカバーを付けたとの斜視図である。
【0194】
第8実施例にあっては、ダッシュボードDの一部に凹部62を形成し、そこにベースユニット10(図示せず)とフロントパネルユニット14を収容するようにした。凹部62の縁部には左右と下方位置に傾斜面62aが形成され、ユーザが指を入れるのを容易とする。
【0195】
第8実施例にあっては、フロントパネルユニット14の前面を凹部62より一部突出させた配置にしてあるので、その上部にある空気吹き出し口26の風向きを調整するときや、他のスイッチ類を操作するとき、フロントパネルユニット14の角にユーザの袖などが引っ掛かることのないように、凹部62の左右下角を丸くしてフロントパネルユニット14の左右下角に接近させた外形形状、即ち、U字形状とすることで、フロントパネルユニット14と凹部62の左右下角との間の隙間をほとんどなくし、よって袖などとの干渉を防止した。
【0196】
フロントパネルユニット14の右側が取り外し位置まで出た状態でも、両角が接近して一部でも重なっていれば、袖などの引っ掛かりを防止でき、フロントパネルユニット14が誤って外れることもなく、特に右下角にデタッチボタン14iを配置した場合、より好ましい。
【0197】
図46はカバー64を示す。即ち、ベースユニットからフロントパネルユニット14が取り外されたとき、図44などに示す如く、ベースユニット10が剥き出しとなる。そこで、カバー64を設けてベースユニット10を体裁良く、遮蔽するようにした。カバー64は、従前の実施例にも適用可能である。残余の構成は従前の実施例と異ならない。
【0198】
第8実施例においては、上記の如く、車両のダッシュボードDに収容自在であると共に、マイクロコンピュータを少なくとも有するベースユニット10と、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイ(液晶パネル)14bと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを少なくとも有するフロントパネルユニット14を備えたナビゲーション装置あるいはナビゲーション装置の取付構造において、前記フロントパネルユニット14の前面を前記ベースユニット10の着脱面と同大に構成すると共に、前記ダッシュボードDの表面に正面視においてU字形状の凹部62を形成し、そこに横長矩形状のベースユニット10を収容し、そのベースユニット10にフロントパネルユニット14が取り付け可能とし、さらにU字形状の凹部62の縁部に傾斜面62aが形成される如く構成したので、第1実施例で述べた効果に加え、取り外しの容易性を犠牲にすることなく、ユーザの袖などが引っ掛かるのを防止することができる。
【0199】
尚、ダッシュボードDと装着時のフロントパネルユニット14との位置関係、特に側面視においてフロントパネルユニット14が下部から突出する構造は図示のものに止まらず、例えば図47に示すような構造であっても良い。さらには、図48に示すように、フロントパネルユニット14が中央部分で突出するような構造であっても良い。
【0200】
尚、上記した実施例においては、ベースユニット10とクレイドルユニット12とフロントパネルユニット14を説明したが、請求項1において、「車両に固定自在であると共に、マイクロコンピュータを少なくとも有するベースユニットと、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイと前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータを少なくとも有するフロントパネルユニットを備えたナビゲーション装置において」と記載した如く、請求項1に係る発明はクレイドルユニット12がなくても成立する。
【0201】
また、上記においてベースユニット10あるいはクレイドルユニット12が複数個ある場合を説明したが、ベースユニット10あるいはクレイドルユニット12は1個であっても良いことはいうまでもない。
【符号の説明】
【0202】
10 ベースユニット、10a ベースユニットケース、10b 凹部、10c ロックレバー、10e コネクタ、10i キックレバー、12 クレイドルユニット、12a クレイドルユニットケース、14 フロントパネルユニット、14a フロントパネルユニットケース、14b 液晶パネル、14i デタッチボタン(着脱ボタン)、16 クレイドルユニット取付用アーム、24 凹部、38,44,54,62 収容部、40,50,56,60 化粧パネル、42,58 アッパーカバー、64 カバー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の運転席のダッシュボードに固定自在であるベースユニットと、前記ベースユニットに着脱自在であると共に、地図データを表示するディスプレイを有するフロントパネルユニットと、前記地図データ上に測位された前記車両の位置を表示させるナビゲーション機能を奏するマイクロコンピュータとを備えたナビゲーション装置において、前記フロントパネルユニットの前面を前記ベースユニットの着脱面と同大に構成すると共に、前記フロントパネルユニットが前記ベースユニットに装着された装着位置にあるとき、前記フロントパネルユニットの一部が側面視において前記ダッシュボードの面より前記運転席に位置するユーザの方向に突出するように構成され、前記ベースユニットが前記ダッシュボードに形成された凹部に収容されて前記ダッシュボードに固定自在であると共に、前記フロントパネルユニットが前記装着位置にあるとき、前記フロントパネルユニットの上部が側面視において前記ダッシュボードの面よりユーザの方向に突出する一方、ユーザの操作自在に設けられた前記フロントパネルユニットを前記装着位置から取り外し位置に移動させる着脱機構の着脱ボタンを、側面視において前記凹部の内部に位置する前記フロントパネルユニットの下部に配置したことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【図42】
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【図43】
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【図44】
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【図45】
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【図46】
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【図47】
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【図48】
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【公開番号】特開2009−196634(P2009−196634A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−43844(P2009−43844)
【出願日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【分割の表示】特願2007−274506(P2007−274506)の分割
【原出願日】平成19年10月22日(2007.10.22)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(390005430)株式会社ホンダアクセス (205)
【Fターム(参考)】