説明

ナビゲーション装置

【課題】 地図データの書き換え時間を短縮することができ、利便性の向上されたナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】 地図データ用メモリ25には地図データが記憶され、ナビゲーション用外部メモリ33aには地図データ用メモリ25に記憶される地図データが表す地図の少なくとも一部分を、詳細に表す地図データが記憶されている。ナビゲーション用外部メモリ33aを取付部32に装着することによって、ナビ処理部30は、位置情報に応じて、地図データ用メモリ25およびナビゲーション用外部メモリ33aのいずれかの地図データを読み出して、表示部27に地図を表示させることができる。地図データが、2つのメモリに分かれて記憶されているので、地図データを更新するときには、1つメモリに記憶されるデータを更新するよりも短い時間で各メモリに記憶されるデータを更新することができ、総合的に地図データを更新する時間を短縮することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在位置と、メモリに記憶された地図データとに基づいて地図を表示するナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の技術のナビゲーション装置は、たとえばハードディスクなどの1つの記憶媒体に地図データを記憶しておき、現在の位置に関する位置情報に基づいて、地図を表示装置に表示させている(たとえば特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2002−340567号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の技術のナビゲーション装置では、1つの記録媒体にのみ地図データが記憶されており、地図データをバージョンアップするときに、地図データ全体を書き換えるために膨大な時間が必要となっている。
【0005】
したがって本発明の目的は、地図データの書き換え時間を短縮することができ、利便性の向上されたナビゲーション装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明(1)は、現在の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得部と、
地図データを記憶する内蔵メモリと、
前記内蔵メモリに記憶される地図データが表す地図の少なくとも一部分を、詳細に表す地図データが記憶される外部メモリと、
地図データを地図として表示可能な表示部と、
取得した位置情報に応じて、前記内蔵メモリまたは外部メモリから地図データを切替て、表示部に表示させる処理部とを含むことを特徴とするナビゲーション装置である。
【0007】
本発明(5)は、現在の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得部と、
地図データを記憶する内蔵メモリと、
前記内蔵メモリに記憶される地図データとはエリアが異なる地図データが記憶される外部メモリと、
地図データを地図として表示可能な表示部と、
取得した位置情報に応じて、前記内蔵メモリまたは前記取付部に装着された外部メモリから地図データを切替て、表示部に表示させる処理部とを含むことを特徴とするナビゲーション装置である。
【発明の効果】
【0008】
本発明(1)によれば、内蔵メモリには地図データが記憶され、外部メモリには前記内蔵メモリに記憶される地図データが表す地図の少なくとも一部分を、詳細に表す地図データが記憶されている。処理部は、位置情報取得部によって取得した位置情報に応じて、内蔵メモリおよび外部メモリのいずれかの地図データを読み出して、表示部に地図を表示させることができる。地図データが、内蔵メモリと外部メモリとの2つのメモリに分かれて記憶されているので、地図データを更新するときには、1つメモリに記憶されるデータを更新するよりも短い時間で各メモリに記憶されるデータを更新することができ、総合的に地図データを更新する時間を短縮することができる。
【0009】
たとえば、内蔵メモリには国内の全道路地図を表す地図データを記憶させておき、外部メモリには利用者の普段の移動範囲(生活圏)における市街地を表す地図データをのみ記憶させておく。このように、外部メモリには、普段は不必要な地域における市街地を表す地図データについては記憶しないことによって、普段の使用において支障がなく、メモリの全容量を低減することができる。またたとえば、異なる地域に移動したときには、異なる地域における市街地を表す地図データを記憶した外部メモリに交換すればよい。また処理部は、外部メモリを着脱可能に構成した場合、および現在位置が詳細な地図の範囲外の場合には、詳細な地図を表示させることはできないが、内蔵メモリに記憶された地図データを地図として表示させることができるので、詳細な地図が表示されないからといって利便性が低下してしまうことが抑制される。
【0010】
本発明(5)によれば、内蔵メモリには地図データが記憶され、外部メモリには内蔵メモリに記憶される地図データとはエリアが異なる地図データが記憶されている。外部メモリを取付部に装着することによって、処理部は、位置情報取得部によって取得した位置情報に応じて、内蔵メモリおよび外部メモリのいずれかの地図データを読み出して、表示部に地図を表示させることができる。地図データが、内蔵メモリと外部メモリとの2つのメモリに分かれて記憶されているので、地図データを更新するときには、1つメモリに記憶されるデータを更新するよりも短い時間で各メモリに記憶されるデータを更新することができ、総合的に地図データを更新する時間を短縮することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1は、本発明の実施の一形態のナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。図2は、ナビゲーション装置1の外観を示す正面図である。図3は、ナビゲーション装置1の外観を示す右側面図である。なお、図3では、取付部32を保護するカバー体を外した状態を示している。ナビゲーション装置1は、ナビゲーション装置1の現在位置を道路地図などの地図上に表示したり、道路地図などの地図データに基づいて、利用者によって設定される出発地から目的地までの経路を探索し、探索された経路に沿って移動可能にするように、ナビゲーション装置1の現在位置および地図を表示して、経路案内を行ったりする。本実施の形態では、ナビゲーション装置1は、車両などの移動体に設けられて用いられるが、ナビゲーション装置1は利用者に携帯されて用いられてもよい。
【0012】
ナビゲーション装置1は、GPS(Global Positioning System)レシーバ21と、プログラム関連メモリ23と、一時記憶メモリ24と、地図データ用メモリ25と、操作部26と、表示部27と、ナビゲーション処理部(以下「ナビ処理部」という)30と、ナビゲーションインタフェース(以下「ナビインタフェース」という)(I/F)部31とを基本的に含んで構成される。また、本実施の形態では、ナビゲーション装置1は、外部メモリ33を含んで構成される。ナビゲーションシステムとしては、ナビゲーション装置1に加えて、GPSアンテナ22と、マイクロフォン28と、スピーカ29とを含んで構成される。本発明の実施の他の形態のナビゲーション装置では、外部メモリ33を含まない構成としてもよい。
【0013】
GPSレシーバ21は、GPSアンテナ22を介して、GPS用衛星から送信される複数の電波信号を受信する。GPSレシーバ21は、受信した複数の電波信号をナビ処理部30に与える。
【0014】
プログラム関連メモリ23は、内蔵メモリであり、たとえばフラッシュROM(Read
Only Memory)などの不揮発性の半導体メモリによって実現される。プログラム関連メモリ23は、ナビゲーション装置1を構成するハードウェア資源を統括的に制御するための制御プログラム、ナビゲーション装置1に設定された設定情報、ならびに予め定める音声に関する音声情報を記憶する。予め定める音声は、たとえば経路案内を行うときにスピーカ29から出力させるビープ音および合成音声である。設定情報は、たとえば、表示される地図のスケールに関する情報、ナビゲーションの出発地および目的地に関する情報などである。またプログラム関連メモリ23は、ナビゲーション装置1に設定された設定情報を記憶することができるので、ラストメモリとしての機能を有する。
【0015】
一時記憶メモリ24は、たとえばSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access
Memory)などの揮発性の半導体メモリによって実現される。一時記憶メモリ24は、ナビ処理部30の処理における演算結果、およびプログラム関連メモリ23から読み出されて実行される制御プログラム、ならびにナビ処理部30によって生成されるナビゲーション装置1の位置情報などを一時的に記憶する。
【0016】
地図データ用メモリ25は、内蔵メモリであり、たとえばフラッシュROMなどの不揮発性の半導体メモリによって実現される。地図データ用メモリ25は、ナビゲーション装置1の利用者が容易に取外すことはできないように、ナビゲーション装置1の筐体または筐体内に設けられる回路基板に固定して設けられる。地図データ用メモリ25は、経路案内をするために用いられる地図を表す地図データを記憶している。ここで、地図データは、線に関するリンク情報および点に関するノード情報を含む。道路は、1または複数のリンクを順次連結して表され、リンクの端点がノードとなる。リンク情報は、たとえばリンクの長さ寸法、ならびに有料道路、高速道路、一般道路などの道路種別を含む。ノード情報は、各ノードの座標情報を含む。本実施の形態では、地図データ用メモリ25に記憶される地図データは、国内の全道路地図を表し、複数のスケールで表された道路地図を表すデータを含んでいる。また地図データ用メモリ25には、地図上における住所を表す住所データが入っている。
【0017】
操作部26は、入力部であって、利用者が操作してナビゲーション装置1に与える指令を含む所定の情報を入力するための操作スイッチを有する。操作部26は、地図データに基づいて現在位置および地図を表示させる地図表示モードで動作する指令をナビ処理部30に与えるための地図表示モードスイッチと、地図データ用メモリ25に記憶される地図データおよびプログラム関連メモリ23に記憶される制御プログラムとの少なくともいずれかを書き換える書換モードで動作する指令をナビ処理部30に与えるための書換えモードスイッチと、出発地および目的地の情報を入力するための複数のキーと、目的地までの経路案内を開始または停止させる指令をナビ処理部30に与えるための経路案内スイッチと、表示部27に表示される地図のスケールを切替るスケール切替スイッチとを少なくとも含んで構成される。利用者によって、操作部26の各スイッチまたはキーが操作されると、操作部26は、ナビゲーション装置1は操作に応じた情報を表す信号を生成してナビ処理部30に与える。
【0018】
表示部27は、たとえばカラー表示可能な液晶ディスプレイ(略称:LCD)または有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイによって実現される。表示部27は、ナビ処理部30から与えられる指令に従って所定の文字および画像を表示する。表示部27に表示される画像は、道路地図、ナビゲーション装置1の位置、経路案内および観光案内などである。
【0019】
マイクロフォン28は、たとえば利用者によって発せられる音声を入力する。マイクロフォン28に入力された音声を表す音声情報は、ナビ処理部30に与えられる。ナビ処理部30は、マイクロフォン28から与えられる予め定める音声情報を認識して、たとえば経路案内処理を行ってもよい。
【0020】
スピーカ29は、プログラム関連メモリ23に記憶されている予め定める音声、具体的にはビープ音および合成音声などのデータが電気信号として与えられると、この電気信号を音響化して出力する。
【0021】
ナビ側インタフェース(I/F)部31は、ナビゲーション装置1と、後述する移動局52とを電気的に接続するためのインタフェースである。
【0022】
取付部32は、外部メモリ33のインタフェースとして機能する。外部メモリ33が装着されると、ナビ処理部30は、外部メモリ33に記憶されている各種データを読み出すことができる。取付部32には、外部メモリ33が着脱可能である。外部メモリ33は、フラッシュROMなどの不揮発性の半導体メモリによって実現される。外部メモリ33の外形は、たとえばSDメモリカードのようなカード状であり、利用者によって携帯が容易な形状に形成されている。取付部32には、ナビゲーション装置1の筐体の外部に露出する開口が形成され、この開口に外部メモリ33が挿入されることによって、外部メモリ33が取付部32に装着される。
【0023】
本実施の形態においては、外部メモリ33としては、ナビゲーション用外部メモリ33aと、更新用外部メモリ33bとが存在する。ナビゲーション用外部メモリ33aには、地図データ用メモリ25に記憶される地図データが表す地図の少なくとも一部分を、詳細に表す地図データ(以下、「詳細地図データ」という)が記憶される。ナビゲーション用外部メモリ33aに記憶される地図データは、たとえば利用者の普段の移動範囲(生活圏)における市街地の地図を表す。本実施の形態では、ナビゲーション用外部メモリ33aには、国内の全道路地図を、複数に分割した地図のうちの1つを表す地図データが記憶される。たとえばナビゲーション装置が、日本国において用いられるのであれば、地図データ用メモリ25には、日本国内の全道路地図を現す地図データが記憶され、ナビゲーション用外部メモリ33aには、日本国を、北海道地方、東北地方、関東地方、中部北陸地方、中国四国地方および九州沖縄地方などの各地方毎に複数に分割した地図のうちのいずれかを表す詳細地図データが記憶される。詳細地図データには、リンク情報およびノード情報が含まれる。またナビゲーション用外部メモリ33aには、詳細地図に表示される施設の電話番号に関する電番号情報が記憶されている。この電話番号情報を用いることによって、電話番号に対応する施設を出発地あるいは目的地に設定することができる。
【0024】
図4は、地図データ用メモリ25に記憶される地図データが表す地図と、ナビゲーション用外部メモリ33aに記憶される詳細地図データ表す地図との関係を、模式的に示す図である。図4において、ナビゲーション装置1の現在位置をPで表す。地図データ用メモリ25には、複数のスケールの地図、すなわちスケールが200km,100km,…,25mである道路地図の地図データが記憶されている。またナビゲーション用外部メモリ33aには、複数のスケールの地図、すなわちスケールが25m,15mである市街地図の地図データが記憶されている。ナビゲーション用外部メモリ33aが取付部32に取付けられると、ナビ処理部30は、地図データ用メモリ25に記憶される地図データと、ナビゲーション用外部メモリ33aに記憶される詳細地図データとを、リンク情報およびノード情報に基づいて、2つの地図の位置が一致する部分をリンクするための処理を行う。
【0025】
図5(1)は、地図データ用メモリ25に記憶される道路地図データを表示部27に道路地図として表示したときの表示画面を示す図であり、図5(2)はナビゲーション用外部メモリ33aに記憶される道路地図データを表示部27に市街地図として表示したときの表示画面を示す図である。地図データ用メモリ25に記憶される道路地図データを表示部27に道路地図として表示させると、図5(1)に示すように、各道路は、線状に表され、主要な施設はその施設を表す記号で表される。一方、ナビゲーション用外部メモリ33aに記憶される道路地図データを表示部27に市街地図として表示させると、各道路(図中の斜線で示す部分)は、線状ではなく、平面形状として表示され、また道路だけではなく、歩道および建物の形状、主要な施設の記号および施設の名称などが表示される。
【0026】
またナビゲーション用外部メモリ33aには、地図データ用メモリ25に記憶される地図データが表す地図のスケールよりも、スケールの小さい地図を表す地図データが少なくとも記憶されている。これによって、利用者は市街地のより詳細な地図を見ることができるようになり、利便性が向上する。
【0027】
更新用外部メモリ33bには、地図データ用メモリ25に記憶される地図データおよびプログラム関連メモリ23に記憶される制御プログラムのうち、少なくともいずれか一方を更新するための更新情報が記憶される。新たな道路形成されたり新たな施設が建設されたりして地図を変更する必要が生じたり、またより適切な制御プログラムが開発されたり、制御プログラムの一部分が修正されたりすると、新たな地図を表す地図データ、新たな制御プログラム、および修正された制御プログラムなどを更新情報として更新用外部メモリ33bに記憶しておく。なおナビゲーション用外部メモリ33aに記憶される地図データは、詳細な地図以外でも、地図データ用メモリ25に記憶された地図データと異なる内容であれば他の地図データでも構わない。
【0028】
ナビ処理部30は、CPU(Central Processing Unit)などの処理回路によって実現される。ナビ処理部30は、GPSレシーバ21から与えられた複数の電波信号に基づいて、ナビゲーション装置1の位置を測位し、位置を表す位置情報を生成する。したがって、ナビ処理部30は、位置情報取得部を構成する。ナビ処理部30は、生成した位置情報を一時記憶メモリ24に記憶させる。またナビ処理部30は、位置情報に基づいて、地図データ用メモリ25または取付部32に装着されたナビゲーション用外部メモリ33aから読み出した地図データを表示部27に表示させる。またナビ処理部30は、経路案内処理を行う。具体的には地図データ用メモリ25または取付部32に装着されたナビゲーション用外部メモリ33aからの地図データを切替え、すなわち地図データ用メモリ25または取付部32に装着されたナビゲーション用外部メモリ33aから地図データを読出して、利用者によって設定される出発地から目的地までの経路を探索し、探索された経路に沿ってナビゲーション装置1が移動可能なように、ナビゲーション装置1の現在位置およびその周辺の地図などを表示部27に表示して経路案内を行う。
【0029】
図6〜図8は、ナビ処理部30の動作処理を示すフローチャートである。図6は、起動時におけるナビ処理部30の動作処理を示すフローチャートである。地図表示モードスイッチが操作されて、地図表示モードで動作する指令がナビ処理部30に与えられると、ステップa1に移り、処理動作を開始する。なおナビ処理部30の起動と同時にステップa1の処理を開始してもよい。ナビ処理部30は、予め定める時間間隔で、予めGPSレシーバ21からの電波信号に基づいて、ナビゲーション装置1の位置を測位し、位置を表す位置情報を生成する。ナビ処理部30は、生成した位置情報を一時記憶メモリ24に更新して記憶させている。ステップa1では、ナビ処理部30は、取付部32に外部メモリ33が接続されているか否かを判断する。ナビ処理部30は、取付部32に制御信号を与え、取付部32に外部メモリ33が装着されている場合と、離脱している場合とにおいて変化する前記制御信号から、取付部32に外部メモリ33が接続されているか否かを判断することができる。ステップa1において、取付部32に外部メモリ33が接続されていると判断すると、ステップa2に移る。
【0030】
次にステップa2では、ナビ処理部30は、外部メモリ33に記憶されているデータが、詳細地図データであるか否かを判断する。外部メモリ33には、詳細地図データであるのか、更新情報であるのかを表す識別情報が記憶されている。ナビ処理部30は、この識別情報を読み出すことによって、外部メモリ33に記憶されているデータの種類を判断する。ステップa2で、外部メモリ33に記憶されているデータが、詳細地図データであると判断すると、ステップa3に移る。またステップa2の処理によって、外部メモリ33が、ナビゲーション用外部メモリ33aであるのか否かが判断される。
【0031】
ステップa3では、ナビ処理部30は、現在のスケールを読込む。なおこのスケールは、前回画面表示時のラストメモリに記憶されたスケールである。すなわちナビ処理部30は、プログラム関連メモリ23に記憶されている現在のスケールに関する情報を読み出して、ステップa4に移る。
【0032】
ステップa4では、ナビ処理部30は、ステップa3で読み出した現在のスケールに関する情報から、現在のスケールが道路図のスケールであるか否かを判断する。ここで道路図のスケールとは、地図データ用メモリ25に記憶されている地図データが表す地図のスケールを表す。ステップa4で、道路図のスケールであると判断すると、ステップa5に移る。ステップa4では、地図データ用メモリ25に記憶されている地図データが表す地図と、外部メモリ33に記憶されている地図データが表す地図とに、同じスケールのものが存在する場合には、道路図のスケールではないと判断する。
【0033】
ステップa5では、ナビ処理部30は、一時記憶メモリ24に記憶される位置情報が表す位置に応じて、地図データ用メモリ25から現在のスケールの地図を表す地図データを読み出してステップa6に移る。
【0034】
ステップa6では、ナビ処理部30は、表示部27を制御して、読み出した地図データを地図として表示部27に表示させ、また前記位置情報が表す位置を地図に重ねて表示部27に表示させて、動作処理を終了する。
【0035】
前述したステップa4において、道路図のスケールではないと判断すると、ステップa7に移り、一時記憶メモリ24に記憶される位置情報が表す位置に応じて、外部メモリ33から現在のスケールの地図を表す地図データを読み出してステップa6に移る。
【0036】
前述したステップa1において、取付部32に外部メモリ33が接続されていないと判断すると、ステップa8に移る。ステップa8では、ナビ処理部30は、表示部27に外部メモリ33が接続されていないことを表す情報を表示して、ステップa9に移る。
【0037】
ステップa9では、ナビ処理部30は、現在のスケールを読込む。すなわちナビ処理部30は、プログラム関連メモリ23に記憶されている現在のスケールに関する情報を読み出して、ステップa10に移る。
【0038】
ステップa10では、ナビ処理部30は、ステップa9で読み出した現在のスケールに関する情報から、現在のスケールが道路図のスケールであるか否かを判断する。ステップa10で、道路図のスケールであると判断すると、ステップa5に移る。ステップa10では、地図データ用メモリ25に記憶されている地図データが表す地図と、外部メモリ33に記憶されている地図データが表す地図とに、同じスケールのものが存在する場合には、道路図のスケールであると判断する。
【0039】
またステップa10において、道路図のスケールではないと判断すると、ステップa11に移り、現在のスケールをデフォルトのスケールとなるように、プログラム関連メモリ23に記憶されている現在のスケールに関する情報を変更して記憶させて、ステップa3に移る。デフォルトのスケールは、道路図のスケールのうち、たとえば最小のスケールに選ばれる。
【0040】
前述したステップa2において、外部メモリ33に記憶されているデータが、詳細地図データではないと判断すると、ステップa12に移る。ステップa12では、ナビ処理部30は、表示部27に外部メモリ33に記憶されているデータが、詳細地図データではないことを表す情報を表示して、ステップa9に移る。
【0041】
図6に示す起動時における動作処理が終了すると、表示部27に地図と、地図上における現在位置とが表示される。取付部32が外部メモリ33が接続されており、かつ、外部メモリ33に記憶されているデータが、詳細地図データであるときは、起動時における動作処理が終了し、表示部27に地図と、地図上における現在位置とが表示されると、図7のフローチャートのステップb1に移る。ステップb1では、ナビ処理部30は、操作部26のスケール切替スイッチが操作されて、表示されている地図のスケールを変更する指令が入力されたか否かを判断する。ステップb1において、地図のスケールを変更する指令が入力されたと判断すると、ステップb2に移る。
【0042】
ステップb2では、ナビ処理部30は、地図のスケールを変更する指令に応じて、変更されたスケールを現在のスケールとなるように、プログラム関連メモリ23に記憶されている現在のスケールに関する情報を変更して記憶させて、ステップa3に移る。
【0043】
ステップb3では、ナビ処理部30は、ステップb2で記憶した現在のスケールに関する情報から、現在のスケールが道路図のスケールであるか否かを判断する。ステップb3で、道路図のスケールであると判断すると、ステップb4に移る。ステップb3では、地図データ用メモリ25に記憶されている地図データが表す地図と、外部メモリ33に記憶されている地図データが表す地図とに、同じスケールのものが存在する場合には、道路図のスケールではないと判断する。
【0044】
ステップb4では、ナビ処理部30は、一時記憶メモリ24に記憶される位置情報が表す位置に応じて、地図データ用メモリ25から現在のスケールの地図を表す地図データを読み出してステップb5に移る。
【0045】
ステップb5では、ナビ処理部30は、表示部27を制御して、読み出した地図データを地図として表示部27に表示させ、また前記位置情報が表す位置を地図に重ねて表示部27に表示させて、ステップb6に移る。
【0046】
ステップb6では、ナビ処理部30は、外部メモリ33が取り除かれたか否かを判断する。ナビ処理部30は、取付部32に制御信号を与え、取付部32に外部メモリ33が装着されている場合と、離脱している場合とにおいて変化する前記制御信号から、取付部32に外部メモリ33が取り除かれたか否かを判断することができる。ステップb6で、外部メモリ33が取り除かれた、すなわち離脱したと判断すると、ステップb7に移る。
【0047】
ステップb7では、ナビ処理部30は、表示部27に外部メモリ33が取り除かれたことを表す警告情報を表示して、ステップb8に移る。ステップb8では、ナビ処理部30は、再起動処理を行い、すなわち図6のフローチャートのステップa1に移って、前述した起動処理を行う。
【0048】
前述したステップb1において、地図のスケールを変更する指令が入力されていないと判断すると、ステップb9に移る。ステップb9では、ナビ処理部30は、一時記憶メモリ24に記憶される位置情報が表す位置に応じて、現在のスケールの地図を表示部27に表示させて表示ステップb6に移る。ステップb9では、一時記憶メモリ24に記憶される位置情報が表す位置が移動すると、この位置の移動に合わせて、現在読み出しているメモリから、現在のスケールの地図を表す地図データを読出しながら、表示部27に表示させてもよい。
【0049】
前述したステップb3において、道路図のスケールではないと判断すると、ステップb10に移り、一時記憶メモリ24に記憶される位置情報が表す位置に応じて、外部メモリ33から現在のスケールの地図を表す地図データを読み出してステップa5に移る。
【0050】
図8は、書換モード時におけるナビ処理部30の動作処理を示すフローチャートである。書換えモードスイッチが操作されて、書換えモードで動作する指令がナビ処理部30に与えられると、ステップc1に移り、動作処理を開始する。ステップc1では、ナビ処理部30は、取付部32に外部メモリ33が接続されたか否かを判断する。ステップc1において、取付部32に外部メモリ33が接続されるまでは、ステップc1を繰り返し、取付部32に外部メモリ33が接続されたと判断するとステップc2に移る。ステップc1では、予め定める時間を設定しておき、ナビ処理部30が、前記予め定める時間内に外部メモリ33の接続を検出することができない場合に、図8に示すフローチャートの動作処理を終了してもよい。
【0051】
ステップc2では、ナビ処理部30は、外部メモリ33に記憶されているデータが、更新情報か否かを判断する。ステップc2において、更新情報であると判断すると、ステップc3に移る。ステップc2の処理によって、外部メモリ33が、更新用外部メモリ33bであるのか否かが判断される。
【0052】
ステップc3では、ナビ処理部30は、外部メモリ33に記憶されている更新情報が、制御プログラムであるか否かを判断する。ステップc3において、制御プログラムであると判断すると、ステップc4に移る。
【0053】
ステップc4では、ナビ処理部30は、プログラム関連メモリ23に記憶される制御プログラムを、外部メモリ33に記憶されている制御プログラムに書き換えて、動作処理を終了する。
【0054】
前述したステップc2において、ナビ処理部30は、外部メモリ33に記憶されているデータが、更新情報ではないと判断すると、動作処理を終了する。
【0055】
前述したステップc3において、ナビ処理部30は、外部メモリ33に記憶されている更新情報が、制御プログラムではないと判断すると、ステップc5に移る。ステップc5では、ナビ処理部30は、外部メモリ33に記憶されている更新情報が、地図データ用メモリ25に記憶される地図データを更新するための地図データであるか否かを判断する。ステップc5において、更新情報が、地図データ用メモリ25に記憶される地図データを更新するための地図データであると判断すると、ステップc6に移り、地図データ用メモリ25に記憶される地図データを更新するための地図データではないと判断すると、動作処理を終了する。
【0056】
ステップc6では、ナビ処理部30は、地図データ用メモリ25に記憶される地図データを、外部メモリ33に記憶されている地図データに書き換えて、動作処理を終了する。
【0057】
本実施の形態では、外部メモリ33には、更新情報として制御プログラムと地図データとのうちいずれか一方が記憶されているが、本発明の実施の他の形態では、外部メモリ33には、更新情報として制御プログラムと地図データとが記憶されていてもよく、この場合には、ナビ処理部30が、更新情報として制御プログラムと地図データとの両方が記憶されていると判断すると、プログラム関連メモリ23に記憶される制御プログラムを、外部メモリ33に記憶されている制御プログラムに書き換え、また、地図データ用メモリ25に記憶される地図データを、外部メモリ33に記憶されている地図データに書き換える。
【0058】
以上のように、ナビゲーション装置1では、地図データ用メモリ25には地図データが記憶され、ナビゲーション用外部メモリ33aには地図データ用メモリ25に記憶される地図データが表す地図の少なくとも一部分を、詳細に表す地図データが記憶されている。ナビゲーション用外部メモリ33aを取付部32に装着することによって、ナビ処理部30は、GPSレシーバ21によって取得した位置情報に応じて、地図データ用メモリ25およびナビゲーション用外部メモリ33aのいずれかの地図データを読み出して、表示部27に地図を表示させることができる。地図データが、地図データ用メモリ25およびナビゲーション用外部メモリ33aとの2つのメモリに分かれて記憶されているので、地図データを更新するときには、1つメモリに記憶されるデータを更新するよりも短い時間で各メモリに記憶されるデータを更新することができ、総合的に地図データを更新する時間を短縮することができる。
【0059】
本実施の形態のように、地図データ用メモリ25には国内の全道路地図を表す地図データを記憶させておき、ナビゲーション用外部メモリ33aには利用者の普段の移動範囲(生活圏)における市街地を表す地図データをのみ記憶させておく。このように、ナビゲーション用外部メモリ33aには、普段は不必要な地域における市街地を表す地図データについては記憶しないことによって、普段の使用において支障がなく、メモリの全容量を低減することができる。また、異なる地域に移動したときには、異なる地域における市街地を表す地図データを記憶した外部メモリを装着すればよい。またナビ処理部30は、ナビゲーション用外部メモリ33aを取付部32から離脱しているとき、および現在位置が詳細な地図の範囲外のときには、詳細な地図を表示させることはできないが、地図データ用メモリ25に記憶された地図データを地図として表示させることができるので、詳細な地図が表示されないからといって利便性が低下してしまうことが抑制される。
【0060】
また、更新用外部メモリ33bを取付部32に装着することによって、地図データ用メモリ25に記憶される地図データ、およびプログラム関連メモリ23に記憶される制御プログラムの少なくともいずれか一方を書き換えることができる。このようにナビゲーション用外部メモリ33aも装着可能な取付部32に、更新用外部メモリ33bを装着することによって、地図データ用メモリ25に記憶される地図データ、およびプログラム関連メモリ23に記憶される制御プログラムの書き換えを行うことができるので、地図データ用メモリ25およびプログラム関連メモリ23が取り出せない状態で設けられていても、別途にこれらのメモリに記憶される地図データおよび制御プログラムの書き換えを行うための特別の接続端子を設ける必要がない。
【0061】
また地図データ用メモリ25に記憶される地図データ、およびプログラム関連メモリ23に記憶されるプログラムの書き換えは、操作部26からの書換モードで動作する指令を入力することによって、ナビ処理部30において行われる。このように動作モードを変更しなければ、地図データ用メモリ25に記憶される地図データ、およびプログラム関連メモリ23に記憶されるプログラムの書き換えが行われない。すなわちナビ処理部30は、書換モードで動作する指令が与えられないときには、取付部32に装着される更新用外部メモリ33bからの更新情報の読出しを禁止するので、取付部32に不所望に更新用外部メモリ33bを装着してしまった場合であっても、自動的にデータの書き換えが行われることを防止することができる。
【0062】
またナビ処理部30は、書換モードで動作する指令が与えられたときに、取付部32にナビゲーション用外部メモリ33aが装着されているときは、前述したステップc2の判断によって、ナビゲーション用外部メモリ33aからの地図データの読出しを禁止するので、地図データ用メモリ25に詳細地図データが書き込まれてしまうことが防止され、書換モードで動作中に、取付部32に不所望にナビゲーション用外部メモリ33aを装着してしまった場合であっても、自動的にデータの書き換えが行われることを防止することができる。
【0063】
またナビゲーション用外部メモリ33aから地図データを読み出して、表示部27に表示させているときであっても、利用者がナビゲーション用外部メモリ33aを取付部32から離脱させてしまう場合があるが、このような場合には、ナビ処理部30が、GPSレシーバ21が取得した位置情報に応じて、地図データ用メモリ25から地図データを読み出して表示部27に表示させることができるので、急にナビゲーション用外部メモリ33aを離脱した場合であっても、地図の表示を行うことができる。
【0064】
またナビ処理部30は、GPSレシーバ21が取得した位置情報に応じて、地図データ用メモリ25から地図データを読み出して表示部27に表示させているときに、取付部32に外部メモリ33が装着された場合、外部メモリ33からのデータの読出しを禁止する。このように、取付部32に装着されるナビゲーション用外部メモリ33aを、このナビゲーション用外部メモリ33aとは異なる他のナビゲーション用外部メモリ33aに変えたときに、地図データ用メモリの地図データと、ナビゲーション用外部メモリ33aの地図データとがリンクされていないことも考えられるので、途中の外部メモリ33の装着よっては、外部メモリ33を認識させないようにしている。これによって、ナビ処理部30が地図データを認識することができないことによって、ナビ処理部30に不所望な処理負荷が与えられることを抑制することができる。
【0065】
さらにナビゲーション用外部メモリ33aには、地図データ用メモリ25に記憶される地図データが表す地図のスケールよりも、スケールの小さい地図を表す地図データが少なくとも記憶されるので、利便性を向上させることができる。
【0066】
さらに操作部26のスケール切替スイッチを操作することによって、地図データ用メモリ25およびナビゲーション用外部メモリ33aのうち地図データを読み出すメモリを切替ることができ、利便性を向上させることができる。
【0067】
地図データ用メモリ25は、半導体メモリによって構成されるので、ハードディスク装置などの他のメモリと比較して振動に対して耐性を向上させることができ、ナビゲーション装置1を車両などの移動体に取付けて用いる場合、およびナビゲーション装置1を携帯して用いる場合などにおいて、ナビゲーション装置1の故障による不具合を低減することができる。また地図データ用メモリ25と、プログラム関連メモリ23とは、別々のメモリによって実現されてもよいし、1つのメモリによって実現し、地図データと制御プログラムとを個別に記憶する記憶領域を複数設ける構成としてもよい。
【0068】
図9は、前述した実施の形態のナビゲーション装置1を含む無線通信システム50の構成を示すブロック図である。無線通信システム50としては、タクシー等の配車システム(Automatic Vehicle Monitoring System:略称AVM)が挙げられる。無線通信システム50は、基地局51と、移動局52とを含んで構成される。ナビゲーション装置1は、移動局52と電気的に接続され、移動局52と協働して動作する。
【0069】
基地局51は、配車センターに設置される端末として、移動局52は各タクシーに搭載される車載端末として実現される。図9には、1つの移動局52が描かれるが、通常、1つの基地局51に対し、複数の移動局52が存在する。基地局51からの通信範囲は、たとえば、半径5キロメートル程度である。
【0070】
基地局51は、信号線55を介して互いに接続される基地局制御部56、基地局RAM(Random Access Memory)57、基地局記憶部58、そして通信機能を備える基地局通信部59を含む。基地局制御部56は、図示省略されたCPUを含み、基地局RAM57に格納される制御プログラムを実行し、基地局51に含まれる各部を制御する。基地局RAM57は、基地局51での処理における演算結果、およびプログラムが一時的に格納される記憶手段である。基地局記憶部58は、ハードディスクなどの不揮発性記憶媒体によって構成され、各種データおよび基地局RAM57へ読み出される前の制御プログラムを格納している。
【0071】
基地局通信部59は、移動局52との交信を可能にする無線装置であって、基地局アンテナ61を介して無線電波を送受信することによって、移動局52からの情報を受信し、移動局52に情報を送信する。
【0072】
移動局52は、信号線62を介して互いに接続される移動局制御部63、移動局RAM64、不揮発性の記憶手段である移動局メモリ(NonVolatile MEMory、以下「NV−MEM」という)65、不揮発性の記憶手段である移動局フラッシュメモリ(Flash Memory、以下「F−MEM」という)66、センサ信号処理部67、通信機能を備える移動局通信部68、移動局側インタフェース(I/F)部69を含む。
【0073】
移動局制御部63は、図示省略されたCPUを含み、移動局RAM64に格納される制御プログラムを実行し、移動局52に含まれる各部を制御する。移動局RAM64は、移動局52の処理における演算結果およびプログラムが一時的に格納される記憶手段である。
【0074】
NV−MEM65は、不揮発性の記憶手段であるため、移動局52の電源をオフにしても記憶内容が保持されるメモリであり、基地局51から送信される情報を格納するために使用される。
【0075】
F−MEM66は、各種データおよび移動局RAM64へ読み出される前の制御プログラムを格納する。センサ信号処理部67は、各種センサからの信号を処理してそれを移動局制御部63に与える。各種センサには、移動局52の現在位置を計測するためのGPS(Global Positioning System)センサ、車輪の回転数に応じて発生する車速パルスに基づき走行距離を算出する距離センサ、進行方向を検出するジャイロセンサ、移動局52の移動速度を検出する速度センサ、ナビゲーション装置1において目的地が設定されたことを検知する目的地設定センサなどが含まれる。
【0076】
移動局通信部68は、基地局51との交信を可能にする無線装置であって、移動局アンテナ71を介して無線電波を送受信することによって、基地局51からの情報を受信し、基地局51に情報を送信する。
【0077】
移動局側インタフェース(I/F)部69は、ナビゲーション装置1と、移動局52とを電気的に接続するためのインタフェースであり、ナビゲーションインタフェース部31と配線を介して接続される。移動局52は、基地局51から受信した情報を、移動局側インタフェース(I/F)部69を介してナビゲーション装置1に送信し、ナビゲーション装置1は、ナビ側インタフェース(I/F)部31を介して受信した情報を、表示部27に表示させることができる。
【0078】
本実施の形態のような無線通信システム50を、AVMに用いる場合には、タクシー会社ごとに基本的な営業範囲が決まっているので、ナビゲーション用外部メモリ33aには、営業範囲の地図データのみを記憶させておく。またナビゲーション装置1を搭載したタクシーが、営業範囲を超えて移動する場合では、地図データ用メモリ25に記憶される地図データを用いることができる。これによって、普段は用いない地図データ分のデータ量を削減することができるので、メモリの容量を低減することができ、ナビゲーション装置1およびナビゲーション用外部メモリ33aを含んだシステムの生産コストの低減を図ることができる。
【0079】
前述したナビゲーション装置1では、ナビゲーション用外部メモリ33aには、詳細地図データが記憶されるが、本発明の実施のさらに他の形態では、ナビゲーション用外部メモリ33aには、地図データ用メモリ25に記憶された地図データとはエリアが異なる地図データが記憶されていてもよく、すなわち地図データ用メモリ25に記憶された地図データが表す地図とは異なるエリアの地図を表す地図データが記憶されていてもよい。本実施の形態では、ナビゲーション用外部メモリ33aを取付部32に装着することによって、ナビ処理部30は、取得した位置情報に応じて、地図データ用メモリ25およびナビゲーション用外部メモリ33bのいずれかの地図データを読み出して、表示部27に地図を表示させる。
【0080】
本実施の形態では、エリアの異なる地図データが、地図データ用メモリ25およびナビゲーション用外部メモリ33bとの2つのメモリに分かれて記憶されているので、地図データを更新するときには、1つメモリに記憶されるデータを更新するよりも短い時間で各メモリに記憶されるデータを更新することができ、総合的に地図データを更新する時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の実施の一形態のナビゲーション装置1の構成を示すブロック図である。
【図2】ナビゲーション装置1の外観を示す正面図である。
【図3】ナビゲーション装置1の外観を示す右側面図である。
【図4】地図データ用メモリ25に記憶される地図データが表す地図と、ナビゲーション用外部メモリ33aに記憶される詳細地図データ表す地図との関係を、模式的に示す図である。
【図5】図5(1)は、地図データ用メモリ25に記憶される道路地図データを表示部27に道路地図として表示したときの表示画面を示す図であり、図5(2)はナビゲーション用外部メモリ33aに記憶される道路地図データを表示部27に市街地図として表示したときの表示画面を示す図である。
【図6】ナビ処理部30の動作処理を示すフローチャートである。
【図7】ナビ処理部30の動作処理を示すフローチャートである。
【図8】ナビ処理部30の動作処理を示すフローチャートである。
【図9】前述した実施の形態のナビゲーション装置1を含む無線通信システム50の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0082】
1 ナビゲーション装置
21 GPSレシーバ
22 GPSアンテナ
23 プログラム関連メモリ
24 一時記憶メモリ
25 地図データ用メモリ
26 操作部
27 表示部
30 ナビゲーション処理部
32 取付部
33 外部メモリ
33a ナビゲーション用外部メモリ
33b 更新用外部メモリ
50 無線通信システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得部と、
地図データを記憶する内蔵メモリと、
前記内蔵メモリに記憶される地図データが表す地図の少なくとも一部分を、詳細に表す地図データが記憶される外部メモリと、
地図データを地図として表示可能な表示部と、
取得した位置情報に応じて、前記内蔵メモリまたは外部メモリから地図データを切替て、表示部に表示させる処理部とを含むことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記外部メモリには、前記内蔵メモリに記憶される地図データが表す地図のスケールよりも、スケールの小さい地図を表す地図データが少なくとも記憶されることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記表示部に表示される地図のスケールを切替る指令を入力する入力部をさらに含み、
前記処理部は、前記入力部から入力される指令に応じて、内蔵メモリおよび外部メモリのうち地図データを読み出すメモリを切替ることを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記内蔵メモリは、半導体メモリによって構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
現在の位置に関する位置情報を取得する位置情報取得部と、
地図データを記憶する内蔵メモリと、
前記内蔵メモリに記憶される地図データとはエリアが異なる地図データが記憶される外部メモリと、
地図データを地図として表示可能な表示部と、
取得した位置情報に応じて、前記内蔵メモリまたは前記取付部に装着された外部メモリから地図データを切替て、表示部に表示させる処理部とを含むことを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−85792(P2009−85792A)
【公開日】平成21年4月23日(2009.4.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−256558(P2007−256558)
【出願日】平成19年9月28日(2007.9.28)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】