説明

ナビゲーション装置

【課題】ナビゲーション機能起動中にナビゲーションの処理負担が大きくなっても支障のないようにナビゲーションの地図画像を表示する。
【解決手段】ナビゲーション機能起動中に、ナビゲーション処理負担判定手段18は、地図画像更新時点のナビゲーション機能の処理負担の大きさを判定し、処理負担が大きい場合には、画像描画手段19によりナビゲーション機能に用いる地図画像についてピクセル数を下げて描画する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のコンテンツを処理する機能を備えたナビゲーション装置に関するもので、特に、ナビゲーション機能を起動して経路案内などのために地図コンテンツを表示しながら同時に他のAVコンテンツの再生処理を可能とするナビゲーション装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、車載用ナビゲーション装置の性能は飛躍的に向上し、多機能化が進んでいる。ナビゲーション装置は、出発地点から指定された目的地点までの最適経路を探索してLCD等の表示装置に表示して経路案内するという本来の機能に加えて、外部メモリから音楽データを読み取ってスピーカに出力する音楽視聴機能や映像を受信して表示するテレビ受信機能等、AVコンテンツの再生機能を備えたナビゲーション装置も広く普及している。
【0003】
かかるナビゲーション装置において、当該装置の飛躍的な性能向上やAVコンテンツ処理量の増大に伴い、処理負担も大幅に増大し、それに伴った円滑な処理が求められている。
【0004】
例えば、下記の特許文献1(特開2004−126685号公報)には、ナビゲーション用等のコンテンツデータを読み出しながら利用すると同時に、オーディオ用等の連続再生が必要なコンテンツデータを途切れなく再生すべく、それぞれのデータを一時的に記憶する分離したバッファと、かかるデータの授受を制御する制御部を有し、連続再生するコンテンツを途切れなく再生しながら別のコンテンツをも同時に利用することを可能とする情報処理装置が開示されている。
【0005】
また、特許文献2(特開2008−152207号公報)には、車載用ナビゲーション装置のような地図表示装置において、地図スクロール処理における制御手段の負荷を軽減するために、地図表示処理時の描画負荷を描画時間として算出し、該描画負荷が所定の負荷を超える場合に、建物画像のデータや特定の場所を示すアイコン画像のデータなどの重要でないデータを間引いて処理することにより、スクロールの負荷を軽減し、スクロール速度が低下することなく、地図画像をスムーズにスクロールすることを可能とする地図表示装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−126685号公報(段落[0005]〜段落[0006]、段落[0023]〜段落[0030]、図2)
【特許文献2】特開2008−152207号公報(段落[0036]〜段落[0039])
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示された情報処理装置では、新たなバッファや制御部を設けることにより異なる2つのコンテンツを同時に且つ円滑に処理するものであり、新たな構成を付加しなければならないという問題がある。
【0008】
また、特許文献2に開示された地図表示装置では、経路案内するために地図をスクロール表示する際に速度を低下させることなく円滑に処理するために不要なデータを間引くというものであるが、常に特定のデータが間引かれてしまうという問題がある。
【0009】
特に、ナビゲーション機能と音楽再生機能を同時に処理する場合で且つ音楽再生機能を優先させる場合に、優先する音楽再生機能に影響を与えるような処理負担の大きいナビゲーション機能を実行しようとした場合に充分な対応ができないという問題があった。
【0010】
よって、本願発明者は、上記の問題点を解消すべく種々検討を重ねた結果、ナビゲーション機能起動中に、ナビゲーション処理負担が大きくなった場合、または、同時に再生処理されるAVコンテンツの処理負担が大きいときに、該AVコンテンツの再生時点のナビゲーションの処理負担が大きくなった場合、ナビゲーション機能である経路案内などに支障のない範囲内で描画精度を下げて表示するようになせば上記問題を解消しうることを想到して本発明を完成するに至ったものである。
【0011】
すなわち、本発明は、上記の問題点を解消することを課題とし、ナビゲーション機能起動中にナビゲーション処理負担が大きくなった場合、ナビゲーション内容に影響を与えることなく、ナビゲーション機能を円滑に実行できるようにしたナビゲーション装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
前記課題を解決するため、本願の請求項1にかかる発明は、ナビゲーション機能の処理負担を判定するナビゲーション処理負担判定手段(例えば下記実施例では、ナビゲーション処理負担判定手段18に相当する)と、ナビゲーション機能に用いる地図画像を処理するための画像処理手段(例えば下記実施例では、画像処理手段19に相当する)と、副機能にかかるコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段(例えば下記実施例では、AVコンテンツ記憶手段20に相当する)と、前記コンテンツの処理負担を判定するためのコンテンツ処理負担判定手段(例えば下記実施例では、コンテンツ処理負担判定手段21に相当する)と、前記副機能において処理を予定しているコンテンツの処理時点を算出する処理時点算出手段(例えば下記実施例では、再生時点算出手段22に相当する)と、を有し、前記コンテンツ処理負担判定手段は、前記副機能において処理を予定しているコンテンツの処理負担の大きさを判定し、当該コンテンツの処理負担が大きい場合、前記処理時点算出手段は、当該コンテンツの処理時点を算出し、前記ナビゲーション処理負担判定手段は、前記算出された処理時点でのナビゲーション機能の処理負担の大きさを判定し、該ナビゲーション機能の処理負担が大きい場合、前記画像処理手段は、算出された前記処理時点において前記地図画像を処理する際に当該地図画像の処理にかかる処理負担を下げることを特徴とする。
【0013】
また、本願の請求項2にかかる発明は、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記画像処理手段は、算出された前記処理時点以降の地図画像の更新時点において前記地図画像を処理する際に当該地図画像の処理にかかる処理負担を下げることを特徴とする。
【0014】
また、本願の請求項3にかかる発明は、請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、前記コンテンツ記憶手段に記憶された副機能にかかるコンテンツは、音楽、映像または写真に係るAVコンテンツであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
請求項1にかかる発明においては、ナビゲーション機能の処理負担を判定するナビゲーション処理負担判定手段と、ナビゲーション機能に用いる地図画像を処理するための画像処理手段と、副機能にかかるコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、前記コンテンツの処理負担を判定するためのコンテンツ処理負担判定手段と、前記副機能において処理を予定しているコンテンツの処理時点を算出する処理時点算出手段と、を有し、前記コンテンツ処理負担判定手段は、前記副機能において処理を予定しているコンテンツの処理負担の大きさを判定し、当該コンテンツの処理負担が大きい場合、前記処理時点算出手段は、当該コンテンツの処理時点を算出し、前記ナビゲーション処理負担判定手段は、前記算出された処理時点でのナビゲーション機能の処理負担の大きさを判定し、該ナビゲーション機能の処理負担が大きい場合、前記画像処理手段は、算出された前記処理時点おいて前記地図画像を処理する際に当該地図画像の処理にかかる処理負担を下げるようにした。
【0016】
このような構成によれば、副機能にかかるコンテンツの処理負担の大きさおよび該コンテンツ処理時点でのナビゲーション機能の処理負担の大きさの両方を考慮のうえ、コンテンツの処理に影響を与えることなく、且つ、ナビゲーション機能に用いる地図画像を経路案内などに支障のない範囲内で処理負担を下げて表示することが可能となる。
【0017】
また、請求項2にかかる発明においては、請求項1に記載のナビゲーション装置において、前記画像処理手段は、算出された前記処理時点以降の地図画像の更新時点において前記地図画像を処理する際に当該地図画像の処理にかかる処理負担を下げるようにした。
【0018】
このような構成によれば、副機能にかかるコンテンツの処理負担の大きさおよび該コンテンツ処理時点でのナビゲーション機能の処理負担の大きさの両方を考慮のうえ、コンテンツの処理に影響を与えることなく、且つ、ナビゲーション機能に用いる地図画像を経路案内などに支障のない範囲内で処理負担を下げて表示することが可能となる。
【0019】
また、請求項3にかかる発明においては、請求項1または2に記載のナビゲーション装置において、前記コンテンツ記憶手段に記憶された副機能にかかるコンテンツは、音楽、映像または写真に係るAVコンテンツとする。
【0020】
こうすることにより、ナビゲーション機能起動中であっても、同時に他の音楽、映像または写真を視聴することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施例におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施例における処理の手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施例における副機能にかかるコンテンツの一例を示す図であり、図2(a)は、コンテンツの圧縮方法により処理負担の大きさを判定する場合のAVコンテンツ再生リストの一例であり、図2(b)は、コンテンツのビットレートにより処理負担の大きさを判断する場合のAVコンテンツ再生リストの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の具体例を実施例および図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するためのナビゲーション装置を例示するものであって、本発明をこのナビゲーション装置に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のナビゲーション装置にも等しく適用し得るものである。
【実施例】
【0023】
図1は本発明の実施例におけるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。ナビゲーション装置1は、自動車等の車両に搭載されることにより車載用として使用される装置であってもよく、車両から取外されユーザが携帯し使用できるタイプのものであってもよい。以下の説明においては、これらを総称してナビゲーション装置という。
【0024】
ナビゲーション装置1は、制御手段10、現在位置検出手段11、経路探索手段12、経路案内手段13、地図記憶手段14、表示手段15、音声出力手段16、入力手段17、ナビゲーション処理負担判定手段18、画像描画手段19、コンテンツ処理負担判定手段21、再生時点算出手段21などを備えて構成されている。
【0025】
制御手段10は、図示しないCPU、RAM、ROMからなるプロセッサで構成され、RAM、ROMに記録された制御プログラムに従ってナビゲーション装置1の各部の動作を制御する。
【0026】
現在位置検出手段11は、例えばGPS受信機等で構成され、地球上空を周回している複数のGPS衛星からの時刻情報を含む電波を受信し、それをもとに現在位置情報を算出するものである。さらに、現在位置検出手段11は、操角センサ、加速度センサ、距離センサや方位センサなどからなる自立航法手段を併用するようにしてもよい。
【0027】
経路探索手段12は、入力手段17の操作により出発地点や目的地点が指定されると、地図記憶手段14に記憶されている道路データを参照し、出発地点から目的地点に至るまでの最適経路を探索し、案内経路データを作成するものである。
【0028】
経路探索手段12によって探索された案内経路は、画像描画手段19によって、表示手段15に現在位置周辺の地図画像と共に表示され、目的地点までの案内に用いられる。
【0029】
経路案内手段13は、経路探索手段12によって探索された案内経路データと、現在位置検出手段11によって検出された現在位置とを比較し、現在位置において必要とされるガイダンスを音声出力手段16から音声出力する。
【0030】
地図記憶手段14には、各道路の交差点や分岐点などの結節点をノードとし、それぞれのノード間を結ぶ経路をリンクとした道路ノードデータと道路リンクデータを含む道路データが記憶されている。道路ノードデータには、道路ノードの番号、位置座標、接続リンク本数、交差点名称などが含まれる。また、道路リンクデータには起点および終点となる道路ノードの番号、道路種別、リンク長(リンクコスト)、所要時間、車線数、車道幅などが含まれる。道路リンクデータにはさらに、リンク属性として橋、トンネル、踏切、料金所などのデータが付与される。道路種別は、高速道路や有料道路の別および国道や都道府県道などの別を含む情報である。
【0031】
また、地図記憶手段14には、道路データや背景データの他、地図画像を見やすく表示するためにベクター形式で記憶された地図画像データを含んでいてもよい。これらの道路データと背景データおよび地図画像データは、画像描画手段19により、ナビゲーション装置1を使用する際に、ナビゲーション装置1の現在位置を含む所定範囲の地図が地図記憶手段14から抽出され、現在位置を示す現在位置マークや案内経路の画像が重ね合わされてVRAMなどの画像メモリ(図示せず)に描画されることにより表示手段15に表示される。
【0032】
表示手段15は、LCDなどのディスプレイパネルから構成される表示画面を備えた表示ユニットであり、画像描画手段19によって画像メモリに描画された地図画像や探索経路、現在位置検出手段11で決定した現在位置などを表示する。
【0033】
音声出力手段16は、ナビゲーション装置1における各種音声ガイダンスの報知を行う。入力手段17は、操作ボタンやタッチパネルなどにより構成され、ナビゲーション装置1の各種機能を操作したり、所要の数値や文字を入力したりするものである。
【0034】
ナビゲーション処理負担判定手段18は、ナビゲーションの処理負担の大きさを判定するもので、再生を予定している音楽コンテンツの再生時点でのナビゲーションの処理負担の大きさを判定する。再生予定のコンテンツ再生時点におけるナビゲーションの処理負担の大きさを判定するためには、予めコンテンツ再生時点にナビゲーション機能において処理されるはずの負担量を算出する必要があり、例えば、経路案内中の自車(ナビゲーション装置1を搭載した車両)のように進行方向が分かっていて、次に再生するコンテンツの再生時点における自車の位置情報を経路案内等から算出し、その位置情報に基づいて経路案内される予定の地図コンテンツの大きさ(地図画像データの描画処理量)といったナビゲーションにかかる処理負担量が予め算出できる場合に限られる。
【0035】
ナビゲーションの処理負担を判定する具体的な方法としては、例えば、予め所定の地図画像データを地図記憶手段14から読み込むことにより当該地図画像データのサイズを取得するとともに、この取得したデータサイズの地図画像データに基づく地図画像処理を実行して描画処理の実行時間を計測し、取得した地図画像データのサイズと計測した当該地図画像データの描画処理実行時間との関係を記憶させておく。
【0036】
そして、これから経路案内される予定の地図画像データを地図記憶手段14から読み込むことにより当該地図描画データのサイズを取得し、取得したデータサイズと予め記憶させておいた所定のデータサイズの地図描画データについての描画処理実行時間とに基づいてこれから描画予定の地図画像データの描画処理予測時間を算出する。算出された描画処理予測時間が予め設定されている地図描画の更新周期に占める割合を算出することにより、例えば、描画処理予測時間が地図描画の更新周期の50%以上を占める場合には、これから描画予定の地図画像データの処理負荷は重い、すなわちナビゲーションの処理負担が大きいと判定することができる。なお、本発明におけるナビゲーションの処理負担の判定に当たっては、経路案内中に表示する地図コンテンツの大きさだけでなく、音声ガイダンスのような経路案内の処理なども含み、それらを総合してかかる処理負担の大きさを判定してもよい。
【0037】
画像描画手段19は、表示手段15に表示する画像を展開するVRAMなどの画像メモリ(図示せず)を備え、ナビゲーション起動中に、経路探索手段12により探索された案内経路データや地図記憶手段14に記憶されている地図画像データ等を読み込んで画像メモリに描画するものである。描画に当たっては、ナビゲーションの処理負担の大きさに応じたピクセル数で描画する。例えば、ナビゲーションの処理負担が小さい場合には一画素当たりフルピクセル数で描画し、ナビゲーションの処理負担が大きい場合には、経路案内などに支障のない範囲内で描画精度を下げて、例えば一画素当たりフルピクセルの2/3ピクセル数で描画することができる。
【0038】
AVコンテンツ記憶手段20は、音楽、映像、写真などのコンテンツを記憶しておくもので、入力手段17を通してコンテンツの再生指示があると、制御手段10の制御によりAVコンテンツ記憶手段20に記憶されたコンテンツが読み出され、表示手段15および/または音声出力手段16を介して出力される。また、AVコンテンツ記憶手段20は、後で説明する図3(a)または(b)に示すAVコンテンツ再生リストを記憶している。
【0039】
コンテンツ処理負担判定手段21は、音楽、映像、写真などのAVコンテンツの処理負担の大きさを判定するものである。
【0040】
再生時点算出手段22は、再生を予定している音楽コンテンツの再生時点を算出するものである。例えば、図3に示す再生リストに基づく再生処理の場合には、現在再生中の音楽コンテンツの再生時間から次に再生予定のコンテンツの再生時点を求めることができる。
【0041】
ここで、図3により本発明の実施例におけるAVコンテンツの一例を示すとともに、併せてコンテンツの処理負担の判定方法を説明する。以下、音楽コンテンツを例にとり説明する。コンテンツの処理負担の大きさを判定する場合、二通りの方法が考えられる。
【0042】
一つはコンテンツの圧縮方法に基づいて処理負担を判定するもので、処理負担の大きさを定性的に判定する。コンテンツの圧縮方法には、AAC(MPEG2/Advanced Audio Coding)、WMA(Windows (登録商標) Media Audio)、MP3(MPEG-1 Audio Laye3)などの複数の方法があり、図3(a)は、コンテンツの圧縮方法により処理負担の大きさを判定する場合のAVコンテンツ再生リストの一例である。
【0043】
AACは、高音質で高圧縮な圧縮方法であるため、WMAやMP3に比較してコンテンツを再生する際の再生処理負担が大きいと言える。WMAとMP3との間ではそれ程の差異は認められない。従って、コンテンツの圧縮方法により処理負担の大小を判定する場合、AAC形式のコンテンツの処理負担を「大」、WMAまたはMP3形式のコンテンツの処理負担を「小」と定義することができる。
【0044】
もう一つはコンテンツを再生する際のビットレートに基づいて処理負担を判定するもので、処理負担の大きさを定数的に判定する。ビットレートは1秒当たりの情報量で表現されるものであり、図3(b)は、コンテンツのビットレートにより処理負担の大きさを判定する場合のAVコンテンツ再生リストの一例である。処理負担の大小を判定するビットレートの閾値を、例えば128kbpsとし、このレートを超える場合を処理負担が大きいと定義することができる。
【0045】
次に、図3により本発明の実施例における処理の手順を説明する。図3に示す処理は、制御手段10がROMに記憶されている制御プログラムを実行することで実現される。以下、音楽コンテンツを例にとり、ナビゲーション機能が起動中に図3に示す再生リストに基づき音楽コンテンツの再生処理を行う場合について説明する。
【0046】
まず、ステップS501の処理において、ユーザにより入力手段17からナビゲーション機能の起動要求の指示がなされると、制御手段10によりナビゲーション機能が起動される。
【0047】
ナビゲーション機能が起動されると、ステップS502の処理において、ユーザにより入力手段17から音楽コンテンツの再生要求があり、コンテンツ再生機能が起動されているか否かが判定される。コンテンツ再生機能が起動されている場合(ステップS502のYES)、ステップS503の処理に進み、一方、コンテンツ再生機能が起動されていない場合(ステップS502のNO)、ステップS508の処理に進み、制御手段10の制御により所定のタイミング、例えば次のナビゲーションの地図画像更新時点に画像描画手段19が次のナビゲーションの地図画像をフルピクセル数で画像メモリに描画する。
【0048】
ステップS502において音楽コンテンツの再生機能が起動されていると(ステップS502のYES)、ステップS503の処理において、制御手段10の制御によりコンテンツ処理負担判定手段21が再生リストに従って再生予定の音楽コンテンツの処理負担の大きさを判定する。音楽コンテンツの処理負担が大きいと判定された場合(ステップS503のYES)、ステップS504の処理に進み、一方、音楽コンテンツの処理負担が小さいと判定された場合(ステップS503のNO)、ステップS508の処理に進み、制御手段10の制御により所定のタイミング、例えば次のナビゲーションの地図画像更新時点に画像描画手段19が次のナビゲーションの地図画像をフルピクセル数で画像メモリに描画する。
【0049】
音楽コンテンツの処理負担が大きいと判定されると(ステップS503のYES)、ステップS504の処理において、制御手段10の制御により再生時点算出手段22が再生リストに従って再生を予定している音楽コンテンツの再生時点を算出し、ステップS505の処理に進む。再生リストに基づく再生処理の場合には、次に再生予定の音楽コンテンツの再生時点は現在再生中の音楽コンテンツの再生終了時点となるので、現在再生中の音楽コンテンツの再生時間から算出することができる。なお、再生リストの最初の音楽コンテンツをこれから再生する場合には、再生時点算出手段22は、すでに現在再生中の音楽コンテンツがないため、現時点を再生リストに従って再生を予定しいている最初の音楽コンテンツの再生時点とみなすこととする。
【0050】
ステップS504の処理において次に再生予定の音楽コンテンツの再生時点が算出されると、ステップS505の処理において、制御手段10の制御によりナビゲーション処理負担判定手段18が算出された再生時点におけるナビゲーション装置1の位置情報を案内経路等から算出し、算出した位置情報に基づきナビゲーションの処理負担を判定する。算出された再生時点におけるナビゲーションの処理負担が大きいと判定された場合(ステップS505のYES)、ステップS506の処理に進み、一方、算出された再生時点におけるナビゲーションの処理負担が小さいと判定された場合(ステップS505のNO)、ステップS508の処理において、制御手段10の制御により所定のタイミング、例えば次のナビゲーションの地図画像更新時点に画像描画手段19が次のナビゲーションの地図画像をフルピクセル数で画像メモリに描画する。
【0051】
算出された再生時点におけるナビゲーションの処理負担が大きいと判定された場合(ステップS505のYES)、ステップS506の処理において、制御手段10の制御により画像描画手段19が算出された再生時点にナビゲーションの地図画像をフルピクセルの2/3ピクセル数で画像メモリに描画する。
【0052】
ステップS506およびステップS508の処理において、地図画像が描画された後は、ステップS507の処理において、制御手段10は、所定の目的地へ到着するなどしてナビゲーション機能が終了したか判定し、ナビゲーション機能が終了していない場合にはステップ502の処理に戻り(ステップS507のNO)、ナビゲーション機能が終了している場合には処理を終了する(ステップS507のYES)。
【0053】
以上説明したように、本発明にかかるナビゲーション装置によれば、ナビゲーション機能の処理負担の大きさに応じて、ナビゲーションに用いる地図画像を経路案内などに支障のない範囲内で地図画像の処理負担を下げて表示することが可能となるとともに、副機能であるコンテンツの再生処理も同時に処理することができる。
【0054】
なお、上記実施例では、ナビゲーションの処理負担が大きい場合、地図画像の処理にかかる処理負担を下げて処理を行う一例として、一画素当たりフルピクセルの2/3ピクセル数で地図描画を行っているが、本発明はこれに限らず、地図データのサイズを小さくしたり、フルカラー表示をモノクロ表示に変更したりすることにより地図画像の処理にかかる処理負担を下げてもよい。
【0055】
なお、上記実施例では、ナビゲーションの処理負担が大きい場合、ナビゲーションの地図画像をフルピクセルの2/3ピクセル数で画像メモリに描画するタイミングの一例として、算出されたコンテンツ再生時点に行っているが、本発明はこれに限らず、算出されたコンテンツ再生時点以降であって次のナビゲーションの地図画像更新時点から描画ピクセル数をフルピクセルから下げてもよい。
【符号の説明】
【0056】
1 :ナビゲーション装置
10 :制御手段
11 :現在位置検出手段
12 :経路探索手段
13 :経路案内手段
14 :地図記憶手段
15 :表示手段
16 :音声出力手段
17 :入力手段
18 :ナビゲーション処理負担判定手段
19 :画像描画手段
20 :AVコンテンツ記憶手段
21 :コンテンツ処理負担判定手段
22 :再生時点算出手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション機能の処理負担を判定するナビゲーション処理負担判定手段と、
ナビゲーション機能に用いる地図画像を処理するための画像処理手段と
副機能にかかるコンテンツを記憶するコンテンツ記憶手段と、前記コンテンツの処理負担を判定するためのコンテンツ処理負担判定手段と、前記副機能において処理を予定しているコンテンツの処理時点を算出する処理時点算出手段と、を有し、
前記コンテンツ処理負担判定手段は、前記副機能において処理を予定しているコンテンツの処理負担の大きさを判定し、当該コンテンツの処理負担が大きい場合、前記処理時点算出手段は、当該コンテンツの処理時点を算出し、前記ナビゲーション処理負担判定手段は、算出された前記処理時点でのナビゲーション機能の処理負担の大きさを判定し、該ナビゲーション機能の処理負担が大きい場合、前記画像処理手段は、算出された前記処理時点において前記地図画像を処理する際に当該地図画像の処理にかかる処理負担を下げることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記画像処理手段は、算出された前記処理時点以降の地図画像の更新時点において前記地図画像を処理する際に当該地図画像の処理にかかる処理負担を下げることを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記コンテンツ記憶手段に記憶された副機能にかかるコンテンツは、音楽、映像または写真に係るAVコンテンツであることを特徴とする請求項1または2に記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−236901(P2010−236901A)
【公開日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−82508(P2009−82508)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】