説明

ナビゲーション装置

【課題】外部機器の機能サポート状況を確認できるナビゲーション装置を提供する。
【解決手段】目的地を入力する入力手段3と、地図データを取得する地図情報取得手段1と、車両の位置を検出する位置方位検出手段2と、前記位置方位検出手段2で検出された位置から前記入力手段3によって入力された目的地までの経路を前記地図情報取得手段1で取得した地図データに基づいて計算する経路探索手段4と、外部機器との間の通信を行う通信手段7と、前記外部機器の機能サポート状況を表示する表示手段5とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば車両に搭載されてユーザを目的地まで案内するナビゲーション装置に関し、特にナビゲーション装置に外部機器を接続するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のナビゲーション装置は、携帯電話に代表されるモバイル機器を接続し、このモバイル機器を介してネットワークにアクセスするように構成されている。このようなモバイル機器は様々なメーカから発売されているが、モバイル機器のインタフェース仕様は、メーカ毎または機種毎に異なっている場合が多い。したがって、ナビゲーション装置は、モバイル機器のすべての機種のすべての機能をサポートすることは困難であり、一部の機能についてのみサポートしているという状況が発生している。
【0003】
一方、ナビゲーション装置がモバイル機器と通信することにより実行できる機能のサポート状況は、モバイル機器の取扱い説明書を参照するか、自宅のパーソナルコンピュータからWEB等を参照するか、または、メーカへ電話等で直接に問い合わせなければ知ることができない。したがって、ユーザは、いずれの方法をとっても、移動中に、ナビゲーション装置から実行できる機能のサポート状況を確認することは困難であった。
【0004】
なお、モバイル機器を複数種類の仕様に対応させる技術として、例えば、特許文献1は、各通信相手先に対して単一の通信相手先情報のみを登録しておいた場合でも通信相手先が同一国内にいてもいなくてもそれを意識させることなくメモリダイヤル機能を用いて自動ダイヤル発信を行うことができる携帯型通信機器を開示している。この携帯型通信機器では、内部メモリには、通信相手先、電話番号および通信相手先所在の国を表す国別フラグを対応付けして登録するためのアドレス帳テーブルが設けられている。発信処理部は、メモリダイヤル機能により選択された通信相手先の国別フラグとRFモジュールから取得した回線接続可能な国とを比較し、一致したときには国内電話と判断してアドレス帳テーブルに登録された電話番号のままダイヤル発信をする。一方、一致しないときには国際電話と判断してアドレス帳テーブルに登録された電話番号に国際番号、国番号を付加してダイヤル発信をする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2001−061000号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述したように、ナビゲーション装置は、外部機器(モバイル機器)のすべての機種のすべての機能をサポートすることは困難であり、一部の機能についてのみサポートしているという状況が発生しているなかで、外部に接続される外部機器への対応を簡単に行わせることができる技術の開発が望まれている。
【0007】
この発明は、上述した要請に応えるためになされたものであり、その課題は、外部機器の機能サポート状況を確認できるナビゲーション装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明に係るナビゲーション装置は、目的地を入力する入力手段と、地図データを取得する地図情報取得手段と、車両の位置を検出する位置方位検出手段と、前記位置方位検出手段で検出された位置から前記入力手段によって入力された目的地までの経路を前記地図情報取得手段で取得した地図データに基づいて計算する経路探索手段と、外部機器との間の通信を行う通信手段と、前記外部機器の機能サポート状況を表示する表示手段とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、表示手段が外部機器の機能サポート状況を表示するように構成したので、外部機器の機能サポート状況を表示させることも可能になっており、この場合は、ユーザは外部機器の機能サポート状況を確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の機能的な構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した各機能を実現するためのナビゲーション装置のハードウェア構成を示すブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用されるテーブルの構造を示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用されるシーケンスの例を示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の通信処理変更手段で実行される通信変更処理を示すフローチャートである。
【図6】図5のステップST17で行われる機種名自動判定処理の詳細を示すフローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置において、ユーザ操作に応じて表示手段で行われる表示処理を示すフローチャートである。
【図8】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で表示されるトップメニュー画面を示す図である。
【図9】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で表示される接続機器一覧画面を示す図である。
【図10】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で表示されるキャリア提供者一覧画面を示す図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で表示されるメーカ一覧画面を示す図である。
【図12】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で表示される機種名一覧画面を示す図である。
【図13】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で表示される機能サポート状況画面を示す図である。
【図14】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で表示される機能サポート状況が表示形態を変更して示される画面を示す図である。
【図15】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で外部機器として携帯電話以外の機器が選択された場合の一覧画面を示す図である。
【図16】この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置で表示されるテロップの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の機能的な構成を示すブロック図である。このナビゲーション装置は、地図情報取得手段1、位置方位検出手段2、入力手段3、経路探索手段4、表示手段5、音声出力手段6、通信手段7および通信処理変更手段8から構成されている。
【0012】
地図情報取得手段1は、地図情報としての地図データを取得する。この地図情報取得手段で取得された地図データは、位置方位検出手段2、経路探索手段4および表示手段5に送られる。位置方位検出手段2は、地図情報取得手段1から送られてくる地図データに基づいて、ナビゲーション装置が搭載された車両の位置および方位を検出する。この位置方位検出手段2で検出された位置および方位を表す位置方位データは、経路探索手段4に送られる。
【0013】
入力手段3は、例えば目的地、経由地といった経路探索用の情報の他に、後述する外部機器207の機種名を入力するために使用される。この入力手段3で入力された情報は、経路探索手段4、表示手段5、通信手段7および通信処理変更手段8に送られる。この入力手段3は、詳細は後述するが、テーブル9に記憶されている機能サポート状況に基づき、外部機器207の各機能に対応して設けられたボタンの押下の有効または無効を設定することができるように構成されている。
【0014】
経路探索手段4は、位置方位検出手段2で検出された位置から、入力手段3によって入力された目的地までの最適経路を、地図情報取得手段1から送られてくる地図データに基づいて計算する。この経路探索手段4で計算された最適経路を表す経路データは、表示手段5に送られる。
【0015】
表示手段5は、地図情報取得手段1から送られてくる地図データおよび経路探索手段4から送られてくる経路データに基づき、車両の現在位置周辺の地図および最適経路等を表示し、また、入力手段3からの入力に応答して各種メニューを表示する。また、表示手段5は、入力手段3から入力された機種名に対応する機能サポート状況または各種メッセージを表示する。この表示手段5で表示される内容については、後に詳細に説明する。音声出力手段6は、表示手段5によって表示される情報またはこの情報に関連する情報を音声で出力する。
【0016】
通信手段7は、例えば携帯電話といった外部機器207との間で行われる通信を制御するための通信処理を実行する。通信処理変更手段8は、通信手段7で行われる通信処理を、外部機器207の各機種に対応する通信処理に変更する。通信処理変更手段8は、外部機器の複数の機種の機能サポート状況を記憶するテーブル9を備えている。このテーブル9の詳細および通信処理変更手段8で行われる処理の詳細は後述する。
【0017】
次に、図1に示した各機能を実現するためのナビゲーション装置のハードウェア構成を、図2に示すブロック図を参照しながら説明する。
【0018】
ナビゲーション装置は、メディア201、ドライブ202、GPS(Global Positioning System)受信機203、ジャイロ204、車速信号取得部205、操作部206、外部機器(携帯電話)207、インタフェース回路208、ナビECU(Electronic Control Unit;電子制御装置)209、メモリ210、ディスプレイ211およびスピーカ212から構成されている。
【0019】
メディア201は、例えばDVD(Digital Versatile Disk)またはハードディスク(Hard disk)といった記憶媒体から構成されている。このメディア201に記憶されている地図データは、ドライブ202によって読み出される。ドライブ202は、メディア201に記憶されている地図データを読み出し、インタフェース回路208を介してナビECU209に送る。上述した地図情報取得手段1は、主としてメディア201およびドライブ202から構成されている。
【0020】
GPS受信機203は、自己の絶対位置や絶対方位を検出する。このGPS受信機203で検出された絶対位置および絶対方位は、位置方位データとして、インタフェース回路208を介してナビECU209に送られる。ジャイロ204は、車両の旋回時の角速度を検出する。このジャイロ204で検出された角速度は、角速度データとして、インタフェース回路208を介してナビECU209に送られる。
【0021】
車速信号取得部205は、図示しない車両から所定走行距離毎に送られてくる車速信号(車速パルス)を取得する。この車速信号取得部205で取得された車速信号は、速度データとして、インタフェース回路208を介してナビECU209に送られる。上述した位置方位検出手段2は、主としてGPS受信機203、ジャイロ204および車速信号取得部205から構成されている。
【0022】
操作部206は、ユーザ操作の入力を受付けるためのリモートコントローラ、ボタンまたはタッチパネルなどから構成されている。この操作部206から入力された情報は、操作データとして、インタフェース回路208を介してナビECU209に送られる。上述した入力手段3は、主として操作部206から構成されている。
【0023】
外部機器207は、図1に示す通信手段7に対応し、例えば携帯電話から構成されている。この外部機器207は、図示しない情報センタから交通情報を取得し、インタフェース回路208を介してナビECU209に送る。
【0024】
インタフェース回路208は、ナビECU209からの制御信号にしたがって、ドライブ202から読み出した地図データ、GPS受信機203から送られてきた位置方位データ、ジャイロ204から送られてくる角速度データ、車速信号取得部205から送られてくる角速度データおよび操作部206から送られてくる操作データをナビECU209に送るための制御を行う。
【0025】
ナビECU209は、インタフェース回路208から送られてくる地図データ、位置方位データ、角速度データ、車速データおよび操作データをメモリ210に書き込むとともに、これらのデータをメモリ210から読み出し、この読み出したデータを用いて各種処理を実行する。上述した経路探索手段4、表示手段5の一部、通信手段7および通信処理変更手段8は、主としてナビECU209およびメモリ210から構成されている。また、テーブル9は、メモリ210に格納される。
【0026】
ディスプレイ211は、例えば液晶ディスプレイから構成されており、ナビECU209から送られてくるデータにしたがって、地図、最適経路、自車マーク、案内メッセージ、メニュー画面などを表示する。ディスプレイ211は、表示手段5の他の一部を構成する。スピーカ212は、ナビECU209から送られてくるデータにしたがって、ディスプレイ211に表示されるメッセージまたは該メッセージに関連するメッセージを音声で出力する。上述した音声出力手段6は、主としてスピーカ212から構成されている。
【0027】
図3は、実施の形態1に係るナビゲーション装置で使用されるテーブル9の構造を示す図である。このテーブル9は、通信処理変更手段8の内部に形成されており、テーブル9には、機種依存リストが格納されている。
【0028】
機種依存リストは、「機器」、「大分類」、「中分類」、「小分類」、「機能サポート」、「制限事項」および「シーケンス対応番号」という項目から構成されている。「機器」は外部機器の種類を示し、携帯電話、メモリカード、携帯型AV(Audio Visual)機器または記憶媒体(メディア)、およびこれらに記憶される楽曲ファイル、画像・動画ファイルなどが指定される。
【0029】
以下、機器が例えば携帯電話の場合を例に挙げると、「大分類」には、キャリアの提供者A1、A2、・・・が記憶される。「中分類」には、携帯電話のメーカB1、B2、・・・が記憶される。「小分類」には、携帯電話の機種名C1、C2、・・・が記憶される。「機能サポート」には、機能サポートの状況が機種毎に記憶される。「制限事項」では、ユーザに注意を促す制限事項が機種毎に記憶される。なお、これら「機器」、「大分類」、「中分類」、「小分類」、「機能サポート」および「制限事項」は、表示手段5により表示させることができる。
【0030】
また、「シーケンス対応番号」には、各機種で使用される通信手順(シーケンス)を実現するためのプログラムに付された番号、つまりシーケンス対応番号が記憶される。プログラムは、通信処理変更手段8に格納されている。これにより、機種が特定された場合は、その機種に対応付けられたシーケンス対応番号から該当するプログラムによる処理に変更することができる。
【0031】
図4(a)〜図4(d)は、通信処理変更手段8に格納されているプログラムによって実現されるシーケンスの例を示す図である。シーケンス対応番号1〜4に対応するシーケンスは、いずれも詳細な点で相違しており、この相違は機種またはメーカ等に依存して生じる。例えば、図3に示すテーブル9のシーケンス対応番号と照らし合わせて機能サポート状況を確認すると、シーケンス対応番号4の小分類「C2」のみが、3者通話ができないことを示している。
【0032】
具体的には、図4(d)に示すシーケンス対応番号4において、携帯電話から「データ送信コマンド:yyy」が通知されたことに応答して、ナビゲーション装置はデータ通信モードに移行するが、このデータ通信モードにおいては携帯電話から続いて送信される「3者通話コマンド:@@@」を処理することができず、ナビゲーション装置は「失敗コマンド:eee」を携帯電話に通知する。その結果、ユーザから見れば3者通話の機能を実行できないことになり、ユーザは、図3に示す機能サポートの状況「△」と、制限事項の「3者通話ができません」という失敗コマンドを受け取った原因を認識することができる。なお、このような制限事項には、例えば、あるモードから他のモードへ遷移することができないといったメニュー操作等による制約、未対応の機能などが含まれるが、制限事項の内容や理由は任意に決定することができる。
【0033】
次に、上記のように構成される、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置の動作を、通信処理変更手段8で実行される通信変更処理を中心に、図5に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0034】
通信変更処理では、まず、外部機器207が接続されているかどうかの検知が行われる(ステップST11)。このステップST11において、外部機器207の接続が検知されなければ、図5では図示を省略しているが、ステップST12以下の処理は実行されず、通信変更処理は終了する。一方、ステップST11において、外部機器207の接続が検知されると、次いで、外部機器207の機種名が入力されているかどうかが調べられる(ステップST12)。機種名の入力は、ユーザが入力手段3を操作して直接に入力することもできるし、後述するメニュー画面(図8〜図12)から入力することもできる。
【0035】
このステップST12において、外部機器207の機種名が入力されていないことが判断されると、ステップST17の処理に進む。一方、ステップST12において、外部機器207の機種名が入力されていることが判断されると、次いで、入力されている機種名がテーブル9に存在するかどうかが調べられる(ステップST13)。
【0036】
このステップST13において、入力されている機種名がテーブル9に存在しないことが判断されると、ステップST17の処理に進む。一方、ステップST13において、入力されている機種名がテーブル9に存在することが判断されると、テーブル9のシーケンス対応番号は有効であるかどうかが調べられる(ステップST14)。具体的には、入力されている機種名に対応するシーケンス対応番号がテーブル9の「シーケンス対応番号」の欄に記憶されているかどうかが調べられる。
【0037】
このステップST14において、シーケンス対応番号は有効でない、つまり無効であることが判断されると、ステップST17の処理に進む。一方、ステップST14において、シーケンス対応番号は有効であることが判断されると、通信手段7における通信処理は、そのシーケンス対応番号に対応するプログラムによる処理に切り換えられる(ステップST15)。
【0038】
次いで、シーケンス対応番号のシーケンス通りであるかどうかが調べられる(ステップST16)。すなわち、外部機器207との間の通信を、シーケンス対応番号によって示されるシーケンス(図4に示すシーケンス)の通りに実行できるかどうかが調べられる。このステップST16において、シーケンス対応番号のシーケンス通りでないことが判断されると、ステップST17の処理に進む。一方、ステップST16において、シーケンス対応番号のシーケンス通りであることが判断されると、通信変更処理は終了する。
【0039】
ステップST17においては、外部機器207の機種名を自動的に判定する機種名自動判定処理が行われる。また、このステップST17においては、入力された機種名がテーブル9に存在しない場合、または、入力された機種名のシーケンスと接続されている外部機器207のシーケンスとが一致しない場合は、その旨が、通信手段7を経由して表示手段5に通知される。これにより、例えば図16(a)に示すように、表示手段5によって、『接続機器の機種の特定を行います』という文言から成るテロップが表示される。このステップST17において行われる処理の詳細は後述する。
【0040】
なお、上述した通信変更処理においては、通信処理変更手段8は、実行できるシーケンスと、実行できないシーケンスとを選別し、この選別結果を、通信手段7を経由して表示手段5に通知し、表示手段5は、受け取った選別結果に基づき、画面に表示するボタンの有効または無効を設定するように構成することができる。
【0041】
次に、上述した通信変更処理のステップST17で行われる機種名自動判定処理の詳細を、図6に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0042】
機種名自動判定処理では、まず、現時点までに実行したシーケンスが一致する機種の機種名が設定される(ステップST21)。なお、デフォルトでは、全てのシーケンスに対応する機種名が設定されているものとする。次いで、外部機器207との間で実行される1つのシーケンスが発生される(ステップST22)。次いで、ステップST22で発生されたシーケンスと一致するシーケンスを有する機種であるかどうかが調べられる(ステップST23)。
【0043】
このステップST23において、発生されたシーケンスと一致するシーケンスを有する機種であることが判断されると、次いで、シーケンスが一致した機種の機種名が設定される(ステップST24)。一方、ステップST23において、発生されたシーケンスと一致するシーケンスを有する機種でないことが判断されると、ステップST24の処理はスキップされる。次いで、シーケンスを有するすべての機種に対する処理が終了したかどうかが調べられる(ステップST25)。このステップST25において、シーケンスを有するすべての機種に対する処理が終了していないことが判断されると、ステップST23の処理に戻り、次の機種に対する処理が行われる。
【0044】
一方、ステップST25において、シーケンスを有するすべての機種に対する処理が終了したことが判断されると、次いで、シーケンスが一致した機種が1つ存在するかどうかが調べられる(ステップST26)。このステップST26において、シーケンスが一致した機種が存在することが判断されると、その機種が接続された機種であると推測され、その機種に対応したプログラムに切り換えられる(ステップST27)。なお、シーケンスが一致した機種が複数ある場合は、任意の1機種に対応したプログラムに切り換えられる。
【0045】
また、このステップST26においては、切り換えられたプログラムに対応する機種の機種名が、通信手段7を経由して表示手段5に通知される。これにより、例えば図16(b)に示すように、表示手段5によって、『機種をT31Wと推測して動作します』という文言から成るテロップが表示される。なお、ステップST27において、1つの機種しか推測できなかった場合は、図16(d)に示すように、『機種をT31Wとして動作します』というテロップを流し、機種を特定したかの如くの表示することもできる。この場合、表示手段5は、テーブル9を参照して機能サポート状況を確認し、図16(d)に示すように、例えば『この機種ではデータ通信ができません』という文言を追加したテロップを流すこともできる。さらに、動作させることができない機能に対しては、その機能に対応するボタンを無効化するように構成することもできる。
【0046】
上記ステップST26において、シーケンスが一致した機種が存在しないことが判断されると、その機種に対して機能サポートできないと判断され、その旨が出力される(ステップST28)。すなわち、その機種に対して機能サポートできない旨が、通信手段7を経由して表示手段5に通知される。これにより、例えば図16(c)に示すように、表示手段5によって、『接続機器の機能を動作させることはできません』という文言から成るテロップが表示される。
【0047】
なお、ステップST28が実行された後に、入力手段3から最新のテーブル9を入手するよう指示があれば、外部機器207がデータ通信を行うことができる場合は、この外部機器207を介してサーバまたはホスト等にアクセスすることによりテーブル9の最新バージョンを確認し、保持しているテーブル9のバージョンが更新されていれば、最新バージョンのテーブル9をサーバまたはホスト等から取得して、保持しているテーブル9を最新に書き替えるように構成することができる。
【0048】
この場合、表示手段5は、例えば図16(e)に示すように、『最新情報の入手を試みます』という文言を追加的に流すように構成することができる。このとき、無条件に通信手段7に対し、後述する図7のステップST37に示すように、最新のテーブル9入手の要求を通知するように構成することもできるし、例えば『最新情報の入手』といったボタンを押下するユーザ操作を経てから最新のテーブル9入手の要求を通知するように構成することもできる。
【0049】
次に、ユーザ操作に応じて表示手段5で行われる表示処理を、図7に示すフローチャートを参照しながら説明する。
【0050】
初期状態においては、図8に示すようなトップメニュー画面が表示される。このトップメニュー画面および以降で順次に表示される画面において、リスト表示を指示するキー操作が行われる(ステップST31)。次いで、ステップST31で行われたキー操作に応じて、階層構造を有するテーブル9から該当項目が読み出され、ツリー構造のリスト形式で表示される(ステップST32)。このように、表示すべき項目をツリー構造のリスト形式で表示することにより、表示画面のスペースを有効に利用できるようになっている。次いで、リスト表示を指示するキー操作が終了したかどうかが調べられる(ステップST33)。このステップST33において、リスト表示を指示するキー操作が終了していないことが判断されると、ステップST31の処理に戻り、上述した処理が繰り返される。
【0051】
上記ステップST31〜ST33の繰り返しにより、以下のようなリスト表示が行われる。すなわち、図8に示すようなメニュー画面において、「接続機器一覧」を選択するキー操作が行われると、図9に示すような、接続機器一覧画面が表示される。この接続機器一覧画面は、テーブル9の「機器」の項目に記憶されているデータに基づいて作成される。この接続機器一覧画面では、ユーザは、外部機器207として、携帯電話、メモリカード、楽曲ファイル、画像・動画ファイルまたはメディアの中から1つのボタンをキー操作により選択することができる。以下では、外部機器207として「携帯電話」が選択される場合を例に挙げて説明する。
【0052】
図9に示す接続機器一覧画面において、「携帯電話」を選択するキー操作が行われると、図10に示すような、携帯電話のキャリア提供者を表すキャリア提供者一覧画面が表示される。このキャリア提供者一覧画面は、テーブル9の「大分類」の項目に記憶されているデータに基づいて作成される。このキャリア提供者一覧画面では、ユーザは、携帯電話のキャリア提供者として、A1、A2およびA3の中から1つのボタンをキー操作により選択することができる。
【0053】
図10に示すキャリア提供者一覧画面において、1つのキャリア提供者、例えばA1を選択するキー操作が行われると、図11に示すような、選択されたキャリア提供者が提供するキャリアに対応した携帯電話のメーカを表すメーカ一覧画面が表示される。このメーカ一覧画面は、テーブル9の「中分類」の項目に記憶されているデータに基づいて作成される。このメーカ一覧画面では、ユーザは、携帯電話のメーカとして、B1〜B5の中から1つのボタンをキー操作により選択することができる。
【0054】
図11に示すメーカ一覧画面において、1つのメーカ、例えばB1を選択するキー操作が行われると、図12に示すような、選択されたメーカが提供する携帯電話の機種名を表す機種名一覧画面が表示される。この機種名一覧画面は、テーブル9の「小分類」の項目に記憶されているデータに基づいて作成される。この機種名一覧画面では、ユーザは、携帯電話の機種名として、C1〜C5の中から1つのボタンをキー操作により選択することができる。
【0055】
次いで、キー操作は機種名入力であるかどうかが調べられる(ステップST34)。すなわち、図12に示すような機種名一覧画面において、携帯電話の機種名C1〜C5の中から1つのボタンを選択するキー操作が行われたかどうかが調べられる。
【0056】
このステップST34において、キー操作は機種名入力であることが判断されると、入力された機種の機能サポート状況が表示される(ステップST35)。機能サポート状況は、図14に示すように、ボタンの表示形態を変更してユーザに入力完了であることを知らせるとともに、サポートされていない機能のボタンが無効化するように構成できる。この図14に示す画面は、テーブル9の「制限事項」の項目に記憶されているデータに基づいて作成される。なお、図14に示す画面の例では、「ハンズフリー」、「データ通信」および「電話帳転送」の機能がサポートされており、「割り込み着信」および「キャッチホン」の機能がサポートされておらず、無効化されていることを示している。また、ステップST35においては、入力された機種名は、通信手段7を経由して通信処理変更手段8に通知される。通信処理変更手段8は、通信手段7を経由して機種名の通知を受けると、図5のフローチャートに示す通信変更処理を実行する。
【0057】
なお、図12に示す機種名一覧画面において、1つの機種が選択された場合に、図13に示すような機能サポート状況画面を表示するように構成することもできる。図13に示す例は、機種名一覧画面においてC1が選択された場合に表示される画面であり、「ハンズフリー」、「データ通信」および「電話帳転送」の機能がサポートされており、「割り込み着信」および「キャッチホン」の機能がサポートされていないことを示している。また、図13に示す機能サポート状況画面は、例えばサポートされていない機能が使用されようとした時に、例えばキャッチホンの信号が受信された時に表示するように構成することもできる。
【0058】
上記ステップST34において、キー操作は機種名入力でないことが判断されると、次いで、キー操作は最新テーブル入手であるかどうかが調べられる(ステップST36)。このステップST36において、キー操作は最新テーブル入手であることが判断されると、該当ボタンの表示形態を変更してユーザに入力完了であることを知らしめるとともに、通信手段7に最新テーブル入手の要求を通知する(ステップST37)。通信手段7は、最新テーブル入手の要求の通知を受けると、サーバやホスト等から最新のテーブル9を入手して更新する。上記ステップST36において、キー操作は最新テーブル入手でないことが判断されると、他の処理、つまり、キー操作に応じた処理が実行される(ステップST38)。その後、表示処理は終了する。
【0059】
なお、表示手段5において行われるリスト表示またはテロップ表示の文言を別途テーブル等に保持しておき、表示手段5によってその文言が表示される際に、音声出力手段6により、保持されている文言をそのまま音声で出力する、または、保持されている文言に関連する最適化された文言を音声で出力するように構成することができる。
【0060】
また、上述した実施の形態1に係るナビゲーション装置では、外部に接続される外部機器207として携帯電話が使用される場合について説明したが、携帯電話の他に、メモリカード、携帯型AV機器またはメディア(記憶媒体)、およびこれらに記憶される楽曲ファイル、画像ファイル、動画ファイルなどを使用するように構成することができる。
【0061】
この場合、図9に示す接続機器一覧画面において、「メモリカード」を選択するキー操作が行われると、図15(a)に示すような、メモリカードの種類を表すメモリ一覧画面が表示され、「楽曲ファイル」を選択するキー操作が行われると、図15(b)に示すような、音楽データの圧縮の種類を表す圧縮形式一覧画面が表示され、「画像・動画ファイル」を選択するキー操作が行われると、図15(c)に示すような、画像または動画ファイルの圧縮の種類を表す圧縮形式一覧画面が表示され、「メディア」を選択するキー操作が行われると、図15(d)に示すような、メディアの種類を表すメディア一覧画面が表示される。これら図15(a)〜図15(d)に示す画面では、各項目について、機能サポートの状況が「○」、「△」および「×」で表示されるので、ユーザは、外部機器の機能のサポート状況を容易に知ることができる。
【0062】
以上説明したように、この発明の実施の形態1に係るナビゲーション装置によれば、外部機器の各機種の機能のサポート状況を表示することができるので、ユーザは、使用する外部機器207の機能サポート状況を確認することができる。また、機種を特定して最も適した通信処理への変更を試み、その変更が不可能である場合は、ユーザに当該機種が使えない旨を知らしめることができる。
【符号の説明】
【0063】
1 地図情報取得手段、2 位置方位検出手段、3 入力手段、4 経路探索手段、5 表示手段、6 音声出力手段、7 通信手段、8 通信処理変更手段、9 テーブル、201 メディア、202 ドライブ、203 GPS受信機、204 ジャイロ、205 車速信号取得部、206 操作部、207 外部機器、208 インタフェース回路、209 ナビECU、210 メモリ、211 ディスプレイ、212 スピーカ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地を入力する入力手段と、
地図データを取得する地図情報取得手段と、
車両の位置を検出する位置方位検出手段と、
前記位置方位検出手段で検出された位置から前記入力手段によって入力された目的地までの経路を前記地図情報取得手段で取得した地図データに基づいて計算する経路探索手段と、
外部機器との間の通信を行う通信手段と、
前記外部機器の機能サポート状況を表示する表示手段
とを備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
外部機器の複数の機種の機能サポート状況を記憶するテーブルを有する通信処理変更手段を備え、
表示手段は、前記テーブルの記憶内容に基づき、接続された外部機器の機種の機能サポート状況を表示することを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
表示手段によって表示される情報または該情報に関連する情報を音声で出力する音声出力手段
を備えたことを特徴とする請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
外部機器は、楽曲ファイル、画像ファイルまたは動画ファイルを記憶した携帯電話、メモリカード、携帯型AV機器または記憶媒体を含む
ことを特徴とする請求項1記載のナビゲーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2010−249829(P2010−249829A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−124405(P2010−124405)
【出願日】平成22年5月31日(2010.5.31)
【分割の表示】特願2006−287796(P2006−287796)の分割
【原出願日】平成18年10月23日(2006.10.23)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】