説明

ナビゲーション装置

【課題】 目的地までの経路の周辺に施設が存在することをユーザに知らせること。
【解決手段】
携帯電話機は、現在位置を取得する位置取得部(S03、S09)と、目的地点を設定する目的地設定部(S02)と、出発地点を設定する出発地点設定部(S04)と、地図情報に含まれる施設情報のうちから出発地点から目的地までの経路の周辺に位置する施設の施設情報を抽出する施設抽出部(S08)と、施設抽出部により少なくとも1つの施設情報が抽出される場合、所定のタイミングで報知する発光制御部(S14)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ナビゲーション装置およびナビゲート方法に関し、特にGPS機能を備えたナビゲーション装置およびナビゲート方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、GPS(Global Positioning System)機能を備えた携帯電話機が登場しており、サーバと通信することにより、サーバが出発地点から目的地点までの経路を探索するサービスの提供を受けることができる。ユーザが、このサービスを利用する場合、出発地点から目的地点まで移動する間に、携帯電話機が備える表示装置に表示される地図情報を目視で確認しながら、必要に応じて音声ガイダンス等の支援を受け、目的地へ到達することができる。
【0003】
一方、地図には、路線情報の他に、コンビニエンスストア、ガソリンスタンド等の主要施設が含まれる。携帯電話機でナビゲーション機能を用いて目的地に向かっている途中で、所望の施設に立ち寄りたい場合がある。地図中に含まれる施設を表示する技術が、携帯電話機ではないが、特開2002−328031号公報(特許文献1)に記載されている。特開2002−328031号公報に記載のナビゲーション装置は、周辺施設の所在地や種別を含む施設情報を格納する施設情報格納手段と、ユーザが操作することにより、所定の検索条件を入力する検索条件入力手段と、前記施設情報格納手段に格納された前記施設情報に基づいて、前記検索条件入力手段を用いて入力された前記検索条件を満たす前記周辺施設を検索する検索手段と、前記検索手段による検索によって抽出された所定範囲内の前記周辺施設について、前記種別に対応した種別マークを前記所在地の概略的な位置に対応させて配置した検索結果描画データを生成する検索結果描画手段と、前記検索結果描画手段によって生成された前記検索結果描画データに基づいて検索結果を表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0004】
しかしながら、ユーザは施設の携帯電話機が備える表示装置に表示される地図を見て、施設の位置を目視で確認しながら移動しなければならない。携帯電話機が備える表示装置は、カーナビゲーション装置等が備える表示装置と比較して表示面積が小さいこと、また、表示装置の解像度またはコントラストが制約されること等から、表示される地図や経路途中の主要施設の所在も認識するのが困難であるといった問題がある。このため、ユーザは、主要施設が近くに位置する場合であっても、その存在に気付かずに誤った方向へ進行してしまったり、見落としてしまったりする場合がある。特に、周囲が暗い夜間にあっては、バッテリーの消費を抑えるために表示装置を点灯するバックライトが所定時間経過後に消灯してしまうため、表示装置に表示される地図を確認するのが困難である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−328031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
この発明は上述した問題点を解決するためになされたもので、この発明の目的の1つは、目的地までの経路の周辺に施設が存在することをユーザに知らせることが可能なナビゲーション装置を提供することである。
【0007】
この発明の他の目的は、目的地までの経路の周辺に施設が存在することをユーザに知ら
せることが可能なナビゲート方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した目的を達成するためにこの発明のある局面によれば、ナビゲーション装置は、現在位置を取得する位置取得手段と、目的地点を設定する目的地点設定手段と、出発地点を設定する出発地点設定手段と、地図情報に含まれる施設情報のうちから出発地点から目的地点までの経路の周辺に位置する施設の施設情報を抽出する施設抽出手段と、抽出手段により少なくとも1つの施設情報が抽出される場合、所定のタイミングで報知する報知手段と、を備える。
【0009】
この局面に従えば、地図情報に含まれる施設情報のうちから出発地点から目的地点までの経路の周辺に位置する施設の施設情報が抽出され、少なくとも1つの施設情報が抽出される場合、所定のタイミングで報知される。このため、所定のタイミングで施設の存在が報知されるので、ユーザは地図を見ることなく施設の存在を知ることができる。その結果、目的地までの経路の周辺に施設が存在することをユーザに知らせることが可能なナビゲーション装置を提供することができる。
【0010】
好ましくは、報知手段は、視覚的に報知する。
【0011】
この局面に従えば、所定のタイミングで施設の存在が視覚的に報知されるので、ユーザは施設の存在を視覚的に知ることができる。このため、例えば、音声による報知により周囲の人に影響しないようにすることができる。
【0012】
好ましくは、報知手段は、地図情報に含まれる地図のうち取得された現在位置に基づき定まる領域内に、抽出された施設情報で定まる施設の少なくとも1つが位置することを条件に報知する。
【0013】
この局面に従えば、現在位置に基づき定まる領域内に施設が存在することになったタイミングで報知されるので、ユーザは、近くにある施設に直ちに立ち寄ることができる。
【0014】
好ましくは、報知手段は、抽出された施設情報のうちに所定の条件に該当する施設情報の少なくとも1つが存在することを条件に報知する。
【0015】
この局面に従えば、複数の施設のうちからユーザの所望する施設が存在する場合にのみ報知することができる。
【0016】
好ましくは、ユーザの指示を受け付ける指示受付手段をさらに備え、報知手段は、指示受付手段により第1の指示が受け付けられることに応じて、施設抽出手段により施設情報が抽出されていることを条件に報知する。
【0017】
この局面に従えば、第1の指示が受け付けられると報知するので、ユーザが所望するタイミングで施設の存在を知らせることができる。特に、ユーザが緊急を要する場合等に、施設の存在を知らせることができる。
【0018】
好ましくは、施設抽出手段により施設情報が抽出されない場合、指示受付手段により第2の指示が受け付けられることに応じて、取得された現在位置と施設とを含む地図情報を取得する施設取得手段と、取得された地図情報に含まれる地図を表示する表示制御手段と、をさらに備える。
【0019】
この局面に従えば、出発地から目的地までの経路の周辺に施設が存在しない場合には、
現在位置の周辺に位置する施設を含む地図情報が取得され、地図が表示される。このため、現在位置から目的地までの経路の周辺に施設が存在しない場合であっても、現在位置から近くにある施設の位置をユーザに知らせることができる。
【0020】
好ましくは、第1の筐体と、第1の筐体と開閉自在に連結された第2の筐体と、第1の筐体と第2の筐体とが開いた状態で取得された現在位置に基づき定まる領域を表示し、第1の筐体と第2の筐体とが閉じた状態で取得された現在位置に基づき定まる領域の表示を中止する表示制御手段と、をさらに備える。
【0021】
この局面に従えば、第1の筐体と第2の筐体とが開いた状態で現在位置に基づき定まる領域が表示されるので、第1の筐体と第2の筐体とが開いた状態に変化させる簡単な操作で、地図を表示させることができる。また、第1の筐体と第2の筐体とが閉じた状態で現在位置に基づき定まる領域の表示が中止されるので、消費電力を低減させることができる。
【0022】
この発明の他の局面によれば、ナビゲート方法は、現在位置を取得するステップと、目的地点を受け付けるステップと、出発地点を設定するステップと、地図情報に含まれる施設情報のうちから出発地点から目的地までの経路の周辺に位置する施設情報を抽出するステップと、抽出の結果、少なくとも1つの施設情報が抽出される場合、所定のタイミングで報知するステップと、を含む。
【0023】
この局面に従えば、目的地までの経路の周辺に施設が存在することをユーザに知らせることが可能なナビゲート方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の実施の形態の1つにおける携帯電話機の外観を示す斜視図である。
【図2】本実施の形態における携帯電話機の機能の一例を示す機能ブロック図である。
【図3】携帯電話機が備える制御部の機能の概要を示す機能ブロック図である。
【図4】施設条件設定画面の一例を示す図である。
【図5】地図情報に含まれる地図と表示領域との関係を説明するための図である。
【図6】ナビゲーション処理の流れの一例を示す第1のフローチャートである。
【図7】ナビゲーション処理の流れの一例を示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下の説明では同一の部材には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
【0026】
図1は、本発明の実施の形態の1つにおける携帯電話機の外観を示す斜視図である。携帯電話機1は、ナビゲーション装置の一例である。図1(A)は、オープンスタイルの携帯電話機の外観を示し、図1(B)はクローズスタイルの携帯電話機の外観を示す。図1(A)および図1(B)を参照して、携帯電話機1は、操作側部3と、表示側部2とを含む。
【0027】
操作側部3は、電源キー14A、テンキーおよび通話キー等を含む操作キー14と、マイクロフォン13とが内側面に配置される。表示側部2は、液晶表示装置(LCD)15と、レシーバを構成する第1スピーカ11と、カメラ24とが内側面に配置され、マルチカラーLED35と、第2スピーカ12とが外側面に配置される。
【0028】
なお、ここでは携帯電話機1がLCD15を備える例を示すが、LCD15に代えて、有機EL(ElectroLumineScence)ディスプレイを用いてもよい。
【0029】
操作側部3と表示側部2とは、ヒンジ機構で回転可能に連結され、操作側部3と表示側部2とは開閉自在である。携帯電話機1を折りたたんで、操作側部3と表示側部2とが閉状態にあるときの携帯電話機1の状態がクローズスタイルであり、携帯電話機1を開いて、操作側部3と表示側部2とが開状態にあるときの携帯電話機1の状態がオープンスタイルである。
【0030】
図2は、本実施の形態における携帯電話機の機能の一例を示す機能ブロック図である。図2を参照して、携帯電話機1は、携帯電話機1の全体を制御するための制御部21と、アンテナ22Aと接続された通信回路22と、音声データを処理するためのコーデック部28と、それぞれがコーデック部28に接続されたマイクロフォン13、第1スピーカ11および第2スピーカ12と、カメラ24と、ユーザの操作の入力を受付ける操作キー14と、制御部21の作業領域として使用されるRAM(Random AcceSS Memory)31と、制御部21で実行するためのプログラム等を記憶するためのEEPROM(Electronically EraSable and Programmable Read Only Memory)33と、カードインターフェース(I/F)27と、GPSセンサ38と、マルチカラーLED(Light Emitting Diode)35と、開スイッチ39と、閉スイッチ40と、を含む。
【0031】
通信回路22は、携帯電話機1をネットワークに接続する。ネットワークは、ここでは、W−CDMA(Wideband Code DiviSion Multiple Access)の通信方式のネットワークである。通信回路22は、W−CDMAのネットワークに接続された基地局装置と無線通信する。基地局装置が送信する無線信号は、アンテナ22Aにより受信される。通信回路22は、アンテナ22Aにより受信された無線信号が入力され、無線信号を復調した信号を制御部21に出力する。また、通信回路22は、制御部21から送信信号が入力されると、その信号を変調した無線信号をアンテナ22Aに出力する。アンテナ22Aから送信される無線信号は、W−CDMAの基地局装置で受信される。
【0032】
制御部21は、通信回路22から入力される無線信号を復調した信号が音声信号の場合、音声信号をコーデック部28に出力する。また、制御部21は、コーデック部28から音声信号が入力されると、音声信号を通信回路22に出力する。
【0033】
コーデック部28は、制御部21から入力される音声信号を復号し、復号したデジタルの音声信号をアナログに変換し、増幅し、第1スピーカ11または第2スピーカ12に出力する。また、コーデック部28は、マイクロフォン13からアナログの音声信号が入力され、音声信号をデジタルに変換し、符号化し、そして符号化した音声信号を制御部21に出力する。
【0034】
カードI/F27には、着脱可能なフラッシュメモリ27Aが装着される。制御部21は、カードI/F27を介して、フラッシュメモリ27Aにアクセスが可能である。なお、ここでは制御部21が実行するためのプログラムをEEPROM33に記憶しておく例を説明するが、プログラムをフラッシュメモリ27Aに記憶しておき、フラッシュメモリ27Aからプログラムを読み出して、制御部21が実行するようにしてもよい。プログラムを記憶する記録媒体としては、フラッシュメモリ27Aに限られず、フレキシブルディスク、カセットテープ、光ディスク(CD−ROM(Compact DiSc−ROM)/MO(Magnetic Optical DiSc)/MD(Mini DiSc)/DVD(Digital VerSatile DiSc))、ICカード、光カード、マスクROM、EPROM(EraSable Programmable ROM)、EEPROM(Electronically EPROM)などの半導体メモリ等でもよい。
【0035】
また、携帯電話機1をインターネットに通信回路22を介して接続し、インターネットに接続されたコンピュータからプログラムをダウンロードして、制御部21が実行するようにしてもよい。ここでいうプログラムは、制御部21が直接実行可能なプログラムだけでなく、ソースプログラム、圧縮処理されたプログラム、暗号化されたプログラム等を含む。
【0036】
カメラ24は、レンズおよびCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサ等の光電変換素子を備え、レンズで集光した光をCMOSセンサに結像し、CMOSセンサは受光した光を光電変換して画像データを制御部21に出力する。カメラ24は、制御部21により制御され、制御部21からの指示により撮像を開始して、得られる静止画データまたは動画データを制御部21に出力する。
【0037】
GPSセンサ38は、全地球測位システム(GPS)におけるGPS衛星からの電波を受信し、現在の地図上の位置を示す信号を制御部21に出力する。
【0038】
マルチカラーLED35は、複数色を発光可能であり、制御部21により制御され、制御部21からの指示に従って所定の色を発光する。マルチカラーLED35は、表示側部2の外側面に配置されるため、携帯電話機1がクローズスタイル(閉じた状態)の場合、携帯電話機1の外部に露出する。このため、携帯電話機1が搬送のためにクローズスタイルの場合であっても、マルチカラーLED35が発光すると、ユーザはその光を視認することができる。
【0039】
開スイッチ39は、携帯電話機1が開いた状態(オープンスタイル)のときにONとなり、開いた状態でないときにOFFとなる。閉スイッチ40は、携帯電話機1が閉じた状態(クローズスタイル)のときにONとなり、閉じた状態でないときにOFFとなる。開スイッチ39および閉スイッチ40は、制御部21に接続されており、制御部21は開スイッチ39および閉スイッチ40それぞれの状態を検出することにより、携帯電話機1の状態を検出する。なお、開スイッチ39と閉スイッチ40とを1つのスイッチで兼用するようにしてもよい。
【0040】
図3は、携帯電話機1が備える制御部の機能の概要を示す機能ブロック図である。図3を参照して、現在の位置を取得する現在位置取得部101と、出発地点を設定するための出発地点設定部105と、目的地点を設定するための目的地点設定部103と、出発地点から目的地点までの経路を含む地図情報を取得する地図情報取得部107と、地図情報から施設情報を抽出する施設抽出部109と、処理対象とする施設を抽出する条件を設定する施設条件設定部111と、現在位置から施設までの距離を算出する距離算出部117と、地図情報に含まれる地図からLCD15に表示するための表示領域を抽出する表示領域抽出部113と、表示領域の地図を表示する表示制御部121と、携帯電話機1の状態を検出する状態検出部125と、判定部115と、ユーザによる指示を受け付ける指示受付部127と、マルチカラーLED35を制御する発光制御部119と、判定部115による判定結果に基づいて新たな地図情報を取得する施設取得部129と、を含む。
【0041】
現在位置取得部101は、GPSセンサ38が衛星から受信する信号に基づいて、現在位置を取得する。現在位置取得部101は、取得した現在位置を出発地点設定部105、距離算出部117および表示領域抽出部113に出力する。現在位置は、たとえば緯度と
経度とを含む。なお、現在位置取得部101は、GPSセンサ38が衛星から受信する信号から緯度と経度とを算出してもよいし、GPSセンサ38が出力する信号を、インターネットに接続されたサーバに送信し、サーバが返信する緯度と経度とを受信するようにしてもよい。
【0042】
目的地点設定部103は、目的地点を設定し、出発地点設定部105は、出発地点を設定する。具体的には、ユーザが、携帯電話機1にナビゲーション機能を実行するためのアプリケーションプログラムを実行させると、携帯電話機1は、現在位置を中心とした地図をサーバより受信し、LCD15に表示する。目的地点設定部103は、ユーザが、操作キー14を操作してLCD15に表示された地図内の任意の地点を指定すると、指定された時点を目的地点に設定する。目的地点設定部103は、設定された目的地点を地図情報取得部107に出力する。出発地点設定部105は、現在位置取得部101から入力される現在位置を、出発地点に設定する。出発地点設定部105は、設定された出発地点を地図情報取得部107に出力する。
【0043】
地図情報取得部107は、サーバに経路探索を依頼し、サーバから地図情報を受信する。サーバは、経路探索処理を実行するために予め定められたサーバであり、携帯電話機1にサーバのURL(Uniform ReSource Locator)が予め記憶されている。具体的には、地図情報取得部107は、出発地点設定部105から入力される出発地点と目的地点設定部103から入力される目的地点とをサーバに通信回路22を介して送信し、通信回路22がサーバから地図情報を受信すると、通信回路22から地図情報を取得する。地図情報は、出発地点から目的地点までの経路を含む地図と、経路を示す情報と、その地図内に存在する施設に関する施設情報とを含む。したがって、地図情報は、出発地点から目的地点までの経路の周辺に位置する施設の施設情報を含む。施設情報は、例えば、施設の名称、施設の種類、施設の位置とを含む。地図情報取得部107は、取得した地図情報を施設抽出部109および表示領域抽出部113に出力する。なお、ここでは、サーバから地図情報を一度に取得する場合を例に説明するが、地図情報を部分的にサーバから取得するようにしてもよい。この場合であっても、出発地点から目的地点までの経路の周辺に位置する施設の施設情報はすべて取得される。また、ここでは経路探索を予め定められたサーバで実行する例を示すが、たとえばEEPROM33に地図情報予め記憶するようにしておき、制御部21が経路探索を実行するようにしてもよい。
【0044】
施設条件設定部111は、LCD15に施設条件設定画面を表示し、ユーザが操作キー14を操作して入力する操作に従って、施設条件を設定する。施設条件設定部111は、施設条件をEEPROM33に一時記憶するとともに、施設条件を施設抽出部109に出力する。施設条件は、ここでは、施設の種類と発光色とを含む。
【0045】
図4は、施設条件設定画面の一例を示す図である。図4を参照して、施設条件設定画面は、施設の種類のリストと、施設の種類ごとに左側に配置されたチェックボックスと、右側に配置された発光色とを含む。発光色は、施設の種類に対応して予め定められており、この施設条件設定画面において変更することが可能である。ここでは、施設の種類と発光色との組として、「コンビニエンスストア」と赤色との組と、病院を示す施設の種類「病院」と青色との組と、「ガソリンスタンド」と緑色との組と,「飲食店」と黄色との組とを含む例を示している。また、図4においては施設の種類「コンビニエンスストア」の左側に配置されたチェックボックスがチェックされた例を示している。この場合、施設の種類「コンビニエンスストア」が施設条件として設定されていることを示す。以下の説明においては、施設条件として施設の種類「コンビニエンスストア」が設定される場合を例に説明する。
【0046】
図3に戻って、施設条件設定部111は、施設条件として、施設の種類とに加えて、目
的地点または出発地点のいずれかから所定の範囲内に存在する施設を選択する条件を設定することが可能である。この場合、施設条件設定部111は、目的地点または出発地点のいずれかの選択を受け付け、施設条件を施設抽出部109に出力する。なお、ここでは施設条件設定画面を用いて施設条件を設定するようにしたが、施設条件をデフォルトで定めておくようにしてもよいし、施設条件を施設条件設定画面で設定した後にEEPROM33に施設条件を記憶するようにし、施設条件を設定した後はEEPROM33から施設条件を読み出すようにしてもよい。
【0047】
施設抽出部109は、施設条件設定部111から入力される施設条件に基づいて、地図情報取得部107から入力される地図情報に含まれる施設情報のうちから施設条件に合致する施設情報を抽出する。ここでは、施設の種類に「コンビニエンスストア」が設定されている施設情報を抽出する。なお、施設条件に、目的地点または出発地点のいずれかから所定の範囲内に存在する施設を選択する条件が設定されている場合には、抽出された施設の種類が「コンビニエンスストア」の施設情報のうちから、目的地または出発地点のうち施設条件に設定された方から予め定められた距離の範囲内に位置する施設の施設情報を抽出する。施設抽出部109は、抽出された施設情報を距離算出部117、判定部115および表示制御部121が備える明示部123に出力する。
【0048】
表示領域抽出部113は、地図情報取得部107から地図情報が入力され、現在位置取得部101から現在位置が入力される。表示領域抽出部113は、地図情報に含まれる地図のうちから現在位置を中心とした所定の範囲を表示領域として抽出する。所定の範囲は、LCD15に表示するための領域として予め定められたサイズである。また、表示するための縮尺が設定されている場合には、その縮尺に応じた範囲を表示領域として抽出する。表示領域抽出部113は、現在位置取得部101から所定の時間間隔で現在位置が入力され、現在位置取得部101から現在位置が入力されるごとに表示領域を抽出する。表示領域抽出部113は、表示領域を抽出する毎に、抽出された表示領域を表示制御部121および判定部115に出力する。
【0049】
表示制御部121は、LCD15を制御し、LCD15に画像を表示させる。表示制御部121は、表示領域抽出部113から表示領域が入力されると、入力される表示領域をLCD15に出力し、表示させる。表示領域抽出部113は、現在位置取得部101から現在位置が入力されるごとに表示領域を抽出し、表示制御部121に出力するので、LCD15には、所定の時間間隔で表示領域が表示される。このため、ユーザが携帯電話機1を携帯して移動する場合、その移動に伴ってユーザの位置を中心とした地図がLCD15に表示される。
【0050】
また、表示制御部121は、明示部123を含む。明示部123は、表示領域内に存在する施設が配置される位置に予め定められた印を付す。LCD15に表示される表示領域の画像に予め定められた印が付されるので、LCD15に表示された地図の画像を見るユーザは、現在位置を中心とした所定の範囲内に施設が存在することを知ることができる。
【0051】
状態検出部125は、開スイッチ39と閉スイッチ40それぞれの状態を検出し、携帯電話機1の状態を検出する。具体的には、開スイッチ39がONならば携帯電話機1がオープンスタイルであることを検出し、閉スイッチ40がONならば携帯電話機1がクローズスタイルであることを検出する。状態検出部125は、検出した状態を表示制御部121に出力する。
【0052】
表示制御部121は、状態検出部125により携帯電話機1の状態がクローズスタイルであることが検出されると、LCD15の駆動を停止し、状態検出部125により携帯電話機1の状態がオープンスタイルであることが検出されると、LCD15を駆動させる。
換言すれば、携帯電話機1がオープンスタイルのときにLCD15に表示領域が表示され、携帯電話機1がクローズスタイルのときにはLCD15に地図が表示されない。このため、LCD15により消費される電力を低減することができる。また、携帯電話機1がクローズスタイルからオープンスタイルに状態が変化すると、LCD15に表示領域の地図が表示されるので、ユーザは、特別な操作をすることなく、携帯電話機1の状態をオープンスタイルに変化させる操作をするだけで地図を見ることができる。
【0053】
判定部115は、表示領域抽出部113から表示領域が入力され、施設抽出部109から施設情報が入力される。判定部115は、表示領域内に施設が存在するか否かを判断する。具体的には、施設抽出部109から入力される施設情報のうちに、表示領域抽出部113から入力される表示領域内に位置する施設を含む施設情報が存在するか否かを判断する。判定部115は、施設抽出部109から入力される施設情報のうちから表示領域内に位置する施設を含む施設情報を抽出する場合、抽出された施設情報に含まれる施設の種類に対応して施設条件により定められた色を決定する。判定部115は、施設情報を抽出する場合、発光制御部119に発光指示を出力するが、そのような施設情報を抽出しない場合、発光制御部119に発光指示を出力しない。発光指示は、発光色を含む。
【0054】
距離算出部117は、現在位置取得部101から入力される現在位置から施設抽出部109から入力される施設情報のうち最も近い施設までの距離を算出する。距離算出部117は、算出した距離を発光制御部119に出力する。距離算出部117は、現在位置と施設までの直線距離を算出するようにしてもよいし、現在位置から施設までの経路の長さを算出するようにしてもよい。
【0055】
発光制御部119は、判定部115から入力される発光指示に従って、マルチカラーLED35を制御し、マルチカラーLED35を発光指示に含まれる発光色で発光させる。また、発光制御部119は、マルチカラーLED35を発光させる際、距離算出部117から入力される距離に対して予め定められた間隔でマルチカラーLED35を点滅させる。マルチカラーLED35が、距離に基づき定まる間隔で点滅するので、ユーザは、マルチカラーLED35が点滅する間隔から施設までの距離を知ることができる。また、マルチカラーLED35が、発光指示で定まる色で点滅するので、ユーザは、施設条件において施設の種類を複数設定した場合であっても、マルチカラーLED35が点滅する色から施設の種類を知ることができる。なお、複数の種類の施設が存在する場合には、色と間隔とを異ならせる点滅を繰り返すようにすればよい。また、マルチカラーLED35を複数設けるようにすれば、複数のマルチカラーLED35それぞれを複数の施設の種類に対応させるようにすればよい。
【0056】
表示制御部121は、状態検出部125により携帯電話機1の状態がクローズスタイルからオープンスタイルに状態が変化したことが検出されると、LCD15に表示領域を表示するが、発光制御部119によりマルチカラーLED35が発光(点滅)していれば、換言すると、表示領域内に施設が存在すれば、表示領域の表示態様を通常とは異なる表示態様にする。例えば、表示領域を立体表示したり、表示領域に含まれる施設の位置の周辺を拡大表示したりする。さらに、施設を撮影した写真をサーバよりダウンロードし、その写真を表示する。表示領域内に施設が存在する場合に、携帯電話機1がクローズスタイルからオープンスタイルに変化すると、施設の周辺の地図が立体表示、拡大表示される、または施設を撮影した写真が表示されるので、それらを参考にして現実の施設を容易に見つけることができる。
【0057】
指示受付部127は、検索指示または探索指示を受け付ける。具体的には、操作キー14が有する複数のキーのいずれかに検索指示および探索指示それぞれが割り当てられており、操作キー14の押下を検出することにより、検索指示または探索指示を受け付ける。ここでは、操作キー14が有するある1つのキーが所定の期間より短い期間押下されると検索指示を受け付け、所定の期間を超えて押下されると探索指示を受け付ける。指示受付部127は、検索指示または探索指示を受け付けると、受付られた検索指示または探索指示を判定部115に出力する。
【0058】
判定部115は、表示領域内に施設が存在しないと判断する場合であって、指示受付部127から検索指示を受け付けると、施設抽出部109から施設情報が入力されているか否かを判断する。施設抽出部109から施設情報が入力されていれば、発光制御部119に発光指示を出力するが、施設情報が入力されていなければ、発光制御部119に発光指示を出力しない。表示領域内に施設が存在しない場合、LCD15に施設を示す印が表示されない。この場合、ユーザが操作キー14を操作して検索指示を入力すれば、目的地点までの間に施設が存在するか否かが判断される。そして、目的地点までの間に施設が存在するならば、マルチカラーLED35が施設までの距離に応じて定まる間隔で点滅する。このため、ユーザはLCD15に表示されている地図内に施設が存在しない場合であっても、目的地までの間に施設が存在することを知ることができる。ユーザは、必要に応じてLCD15に表示させる地図を変更させることにより、目的地までの間に存在する施設の位置を地図で確認することができる。
【0059】
また、判定部115は、施設抽出部109から施設情報が入力されていない場合、指示受付部127から探索指示を受け付けると、施設取得部129に探索指示を出力する。
【0060】
施設取得部129は、判定部115から探索指示が入力されると、現在位置取得部101により取得された現在位置から最も近い施設を取得する。具体的には、現在位置と施設の種類とを含む探索要求をサーバに送信する。サーバにおいては、探索指示を受信すると、現在位置から最も近い施設を検索し、現在位置と検索により抽出された施設の位置とを含む地図と、現在位置から施設までの経路とを含む地図情報を返信する。施設取得部129は、サーバが送信する地図情報を取得する。施設取得部129は、サーバから取得した地図情報を表示制御部121に出力する。表示制御部121においては、施設取得部129から地図情報が入力されると、地図情報に含まれる地図と経路とを含む画像をLCD15に表示させる。これにより、ユーザは、LCD15に表示された地図の画像を見て現在地から最も近い施設の位置とその施設までの経路を確認することができる。
【0061】
図5は、地図情報に含まれる地図と表示領域との関係を説明するための図である。図5を参照して、地図情報は、出発地点213と目的地点221とを含む地図201と、出発地点213から目的地点221までの経路230と、施設217に関する施設情報と、を含む。まず、現在位置が出発地点213の場合、表示領域211が設定され、LCD15には表示領域211が表示される。表示領域211には施設217が存在しないので、マルチカラーLED35は発光しない。ユーザが経路230に沿って進行し、位置215に到達したとき表示領域211Aが設定され、LCD15には表示領域211Aが表示される。表示領域211Aには施設217が存在するので、マルチカラーLED35が現在位置215と施設217の位置との間の距離によって定まる間隔で点滅する。また、LCD15には、施設を示す印として*印が表示される。このため、ユーザは、*印を見ることによって施設の存在を直ちに知ることができる。*印を、赤色などの予め定められた色で表示するようにすれば、地図内の施設を容易に見つけ出すことができる。
【0062】
図6および図7は、ナビゲーション処理の流れの一例を示すフローチャートである。ナビゲーション処理は、制御部21がナビゲーションプログラムを実行することにより、制御部21により実行される処理である。図6および図7を参照して、制御部21は、目的地点を受け付けたか否かを判断する(ステップS01)。目的地点を受け付けるまで待機状態となり(ステップS01でNO)、目的地点を受け付けたならば(ステップS01で
YES)、処理をステップS02に進める。LCD15に地図と、ポインターを表示させ、ユーザが操作キー14を操作して入力する操作に応じてポインターを移動させ、また必要に応じて表示する地図を切り換え、地図内の位置を受け付ける。
【0063】
ステップS02においては、ステップS01において受けつけられた位置を目的地点に設定する。そして、現在位置を取得する(ステップS03)。GPSセンサ38が衛星から受信する信号に基づいて現在位置を取得する。次のステップS04においては、ステップS03において取得された現在位置を出発地点に設定する。次のステップS05においては、サーバに経路探索の要求を送信する。経路探索の要求は、目的地点と出発地点とを含む。そして、サーバが返信する地図情報を受信するまで待機状態となり(ステップS06でNO)、地図情報を受信したならば(ステップS06でYES)、処理をステップS07に進める。
【0064】
ステップS07においては、施設条件を受け付ける。そして、ステップS06において受信された地図情報に含まれる施設情報で特定される施設のうちからステップS07において受け付けられた施設条件に合致する施設を対象施設に設定する(ステップS08)。施設条件は、施設の種類と、出発地点または目的地点のいずれかから所定の範囲内に存在すること、との少なくとも1つを含む。ここでは、施設条件として、施設の種類「コンビニエンスストア」が設定されている場合を例に説明する。この場合、施設情報のうち施設の種類が「コンビニエンスストア」に設定されている施設情報が抽出され、抽出された施設情報で特定される施設が対象施設に設定される。
【0065】
次のステップS09においては、ステップS03と同様にして現在位置を取得する。そして、ステップS06において受信された地図情報に含まれる地図のうちから現在位置を含む表示領域を抽出する(ステップS10)。現在位置を含む表示領域は、現在位置に基づき定まる領域であり、例えば、現在位置を中心とし、現在位置から所定の距離にある領域である。そして、抽出された表示領域にステップS08において設定された対象施設が存在するか否かを判断する(ステップS11)。表示領域に対象施設が存在するならば処理をステップS12に進め、存在しなければ処理をステップS15に進める。
【0066】
ステップS12においては、ステップS09において取得された現在位置からステップS10において抽出された対象施設までの距離を算出する。そして、施設条件で定められた施設の種類に対応して予め定められた発光色を決定する(ステップS13)。さらに、ステップS12において算出された距離に応じた間隔で、ステップS13において決定された発光色でマルチカラーLED35を点滅させる(ステップS14)。
【0067】
ステップS15においては、携帯電話機1の状態を検出する。携帯電話機1の状態がオープンスタイルで開いた状態であれば処理をステップS16に進め、携帯電話機1の状態がクローズスタイルで閉じた状態であれば処理をステップS17に進める。ステップS16においては、ステップS10において抽出された表示領域をLCD15に表示し、処理をステップS18に進める。この場合、マルチカラーLED35が発光(点滅)していなければ、表示領域をそのまま表示し、マルチカラーLED35が発光(点滅)していれば、換言すると、表示領域内に施設が存在すれば、表示領域の表示態様を通常とは異なる表示態様にする。通常とは異なる表示態様は、表示領域中の施設の位置に*印を重畳して表示する。また、表示領域を立体表示してもよいし、表示領域に含まれる施設の位置の周辺を拡大表示してもよいし、さらに、施設を撮影した写真をサーバよりダウンロードし、その写真を表示するようにしてもよい。表示領域内に施設が存在する場合に、携帯電話機1がクローズスタイルからオープンスタイルに変化すると、施設の周辺の地図が立体表示、拡大表示される、または施設を撮影した写真が表示されるので、ユーザに施設が存在することを分かり易く報知することができる。このため、ユーザはLCD15に表示される画像を参考にして現実の施設を容易に見つけることができる。一方、ステップS17においては、LCD15の表示を中止し、処理をステップS18に進める。
【0068】
ステップS18においては、検索指示を受け付けたか否かを判断する。検索指示を受け付けたならば処理をステップS19に進めるが、そうでなければ処理をステップS27に進める。ステップS19においては、ステップS06において受信された地図情報が施設条件として設定されている施設の種類が定義されている施設情報を含むか否かを判断する。換言すれば、地図情報に含まれる地図内に施設条件として設定されている施設の種類に該当する施設が存在するか否かを判断する。地図情報が施設条件として設定されている施設の種類に該当する施設が定義された施設情報を1つでも含むならばその施設情報抽出し、処理をステップS20に進めるが、そうでなければ処理をステップS22に進める。
【0069】
ステップS20においては、現在位置からステップS19において抽出された施設情報の施設までの間の距離を算出する。そして、ステップS19において抽出された施設情報に対して施設条件で定められた施設の種類に対応して予め定められた発光色を決定する(ステップS21)。さらに、ステップS20において算出された距離に応じた間隔で、ステップS21において決定された発光色でマルチカラーLED35を点滅させる(ステップS22)。一方、ステップS23においては、探索指示を受け付けたか否かを判断する。探索指示を受け付けたならば処理をステップS24に進めるが、そうでなければ処理をステップS27に進める。
【0070】
ステップS27においては、終了指示を受け付けたか否かを判断する。ユーザが、操作キー14に予め定められた終了キーを押下すると、終了指示を受け付ける。終了指示を受け付けたならば処理を終了し、そうでなければ処理をステップS09に戻す。
【0071】
一方、ステップS24においては、サーバに探索要求を送信する。探索要求は、現在位置と施設の種類とを含む。サーバにおいては、探索要求を受信すると、現在位置から最も近い施設を検索し、現在位置と施設の位置とを含む地図と、現在位置から施設までの経路とを含む地図情報を返信する。ステップS25においては,サーバが送信する地図情報を受信する。そして、サーバから受信した地図情報の地図をLCD15に表示させ(ステップS26)、処理を終了する。この場合、施設を明示する*印と、施設までの経路とが地図に重畳して表示される。
【0072】
なお、本実施の形態においては、ネットワークの一例として、W−CDMAについて説明したが、PDC(PerSonal Digital Cellular)方式、GSM(Global SyStem for Mobile)方式、CDMA(Code DiviSion Multiple Access)方式のネットワーク、PHS(PerSonal Handyphone SyStem)のネットワークであってもよい。
【0073】
以上説明したように本実施の形態における携帯電話機1は、ナビゲーション装置として機能し、経路探索を実行するサーバより取得された、または自機が実行する経路探索により取得された地図情報に含まれる施設情報のうちから出発地点から目的地点までの経路の周辺に位置する施設情報を抽出し、LCD15に表示される表示領域に少なくとも1つの施設情報が存在する場合、マルチカラーLED35を発光させることにより、施設の存在を報知する。このため、ユーザの現在位置から所定の範囲内に施設が存在することになると、マルチカラーLED35が発光するので、ユーザは、LCD15に表示された地図を見ることなく施設の存在を知ることができる。また、マルチカラーLED35は、表示側部2の外側面に備えられるので、ユーザは、携帯電話機1がクローズスタイルのときでもマルチカラーLED15が発光するのを視認することができ、施設の存在を知ることがで
きる。さらに、マルチカラーLED15が発光するので、例えば、音声による報知の場合のように周囲の人に聞こえてしまうことがないので、周囲の人に影響しないようにすることができる。
【0074】
また、ユーザが施設条件として施設の種類を設定すれば、その種類の施設がユーザの現在位置から所定の範囲内に存在するときに、マルチカラーLED35が点滅するので、ユーザが所望する種類の施設がユーザの現在位置から所定の範囲内に存在するときのみユーザに知らせることができる。さらに、ユーザが施設条件として出発地点または目的地点のいずれかを設定すれば、出発地点または目的地点のうち設定された地点から所定の範囲内にある施設が、ユーザの現在位置から所定の範囲内(表示領域内)に存在するときのみユーザに知らせることができる。このため、ユーザは、出発地点の近く、または、目的地点の近くのいずれかに近い施設の存在を知ることができる。
【0075】
また、ユーザが検索指示を携帯電話機1に入力すると、ユーザの現在位置から所定の範囲内(表示領域内)に施設が存在しない場合であっても、出発地点から目的地点までの経路の周辺に施設が存在すれば、マルチカラーLED35を点滅させる。このため、ユーザが所望するタイミングで、出発地点から目的地点まで移動する途中に施設が存在することを知らせることができる。特に、ユーザは、緊急を要する場合等に施設の存在を知ることができる。
【0076】
さらに、出発地点から目的地点までの経路の周辺に施設が存在しない場合であっても、ユーザが探索指示を携帯電話機1に入力すると、現在位置の周辺に位置する施設を含む地図情報が取得され、地図が表示される。このため、ユーザは、目的地とは関係なく、現在位置の周辺に存在する施設を知ることができる。
【0077】
さらに、ユーザが、携帯電話機1をクローズスタイルからオープンスタイルに状態を変化させる簡単な操作をすれば、表示領域の地図の画像がLCD15に表示されるので、特別な操作をする必要がなく、操作を簡略にすることができる。また、クローズスタイルのとき、LCD15の駆動が停止されるので、消費電力を低減することができる。また、携帯電話機1は、表示領域をLCD15に表示する際、マルチカラーLED35が発光(点滅)していなければ、目的地までの経路を含む表示領域を表示し、マルチカラーLED35が発光(点滅)していれば、換言すると、表示領域内に施設が存在すれば、表示領域の表示態様を通常とは異なる表示態様にする。通常とは異なる表示態様は、表示領域中の施設の位置に*印を重畳して表示する。また、二次元表示ではなく、立体表示にしたり、表示領域に含まれる施設の位置の周辺を拡大表示したり、さらに、施設を撮影した写真をサーバよりダウンロードし、その写真を表示するようにしてもよい。このため、ユーザに施設が存在することを分かり易く報知することができる。さらに、ユーザに対して、施設の位置を容易に把握させることができるので、ユーザは、現実の施設を容易に見つけ出すことができる。
【0078】
なお、本実施の形態においては、ナビゲーション装置の一例として携帯電話機1を例に説明したが、現在位置を取得し、サーバと通信可能な機器であれば、例えばPDA(PerSonal Digital ASSiStantS)、車載用ナビゲーション装置であってもよい。また、図6および図7に示したナビゲーション処理を実行するためのナビゲート方法、またはナビゲート方法をコンピュータに実行させるためのナビゲートプログラムとして発明を捉えることができるのは言うまでもない。
【0079】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【0080】
<付記>
(1) 前記表示制御手段は、前記開いた状態において前記取得された現在位置に基づき定まる領域を所定の表示態様で表示する、請求項7に記載のナビゲーション装置。
(2) 前記所定の表示態様は、立体表示、拡大表示、写真を含む、(1)に記載のナビゲーション装置。
(3) 前記報知手段は、光を発する発光手段と、
前記取得された現在位置と、前記施設抽出手段により抽出された前記施設情報で定まる施設との間の距離に基づいて定まる間隔で前記発光手段を点滅させる発光制御手段と、を含む請求項2または5に記載のナビゲーション装置。
(4) 前記報知手段は、前記表示手段とは別に設けられ、複数色の光を発することが可能な発光手段と、
前記施設抽出手段により抽出された前記施設情報で定まる施設の種類に対して予め定められた色で前記発光手段を発光させる発光制御手段と、を含む請求項2または5に記載のナビゲーション装置。
(5) 前記取得された現在位置と、前記施設抽出手段により抽出された前記施設情報で定まる施設との間の距離に基づいて定まる間隔で前記発光手段を点滅させる発光制御手段と、を含む(4)に記載のナビゲーション装置。
(4) 前記取得された現在位置に基づき定まる領域を表示する表示制御手段をさらに備え、
前記発光手段は、前記表示手段とは別に設けられる、(3)または(4)に記載のナビゲーション装置。
(6) 前記所定の条件は、前記出発地点または前記目的地点のいずれかから所定の範囲に位置することである、請求項4に記載に記載のナビゲーション装置。
(7) 前記表示制御手段は、前記少なくとも1つの施設を明示する明示手段を含む、請求項7に記載のナビゲーション装置。
【符号の説明】
【0081】
1 携帯電話機、2 表示側部、3 操作側部、11 第1スピーカ、12 第2スピーカ、13 マイクロフォン、21 制御部、22 通信回路、22A アンテナ、24 カメラ、27 カードI/F、27A フラッシュメモリ、28 コーデック部、37 マルチカラーLED、38 GPSセンサ、39 開スイッチ、40 閉スイッチ、101 現在位置取得部、101 取得部、101 現在位置取得部、103 目的地点設定部、105 出発地点設定部、107 地図情報取得部、109 施設抽出部、111 施設条件設定部、113 表示領域抽出部、115 判定部、117 距離算出部、119 発光制御部、121 表示制御部、123 明示部、125 状態検出部、127 指示受付部、129 施設取得部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の筐体と、
前記第1の筐体と開閉自在に連結された第2の筐体と、
現在位置を取得する位置取得手段と、
目的地点を設定する目的地点設定手段と、
出発地点を設定する出発地点設定手段と、
地図情報に含まれる施設情報のうちから前記出発地点から前記目的地点までの経路の周辺に位置する施設の施設情報を抽出する施設抽出手段と、
前記抽出手段により少なくとも1つの施設情報が抽出される場合、所定のタイミングで報知する報知手段と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが開いた状態で前記取得された現在位置に基づき定まる領域を表示し、前記第1の筐体と前記第2の筐体とが閉じた状態で前記取得された現在位置に基づき定まる領域の表示を中止する表示制御手段と、を備え、
前記報知手段は、前記第1の筐体及び第2の筐体の少なくともいずれかの外側面に形成され、視覚的に報知する、ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記報知手段は、前記地図情報に含まれる地図のうち前記取得された現在位置に基づき定まる領域内に、前記抽出された施設情報で定まる施設の少なくとも1つが位置することを条件に報知する、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記報知手段は、前記抽出された施設情報のうちに所定の条件に該当する施設情報の少なくとも1つが存在することを条件に報知する、請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
ユーザの指示を受け付ける指示受付手段をさらに備え、
前記報知手段は、前記指示受付手段により第1の指示が受け付けられることに応じて、前記施設抽出手段により前記施設情報が抽出されていることを条件に報知する、請求項1から3のいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記施設抽出手段により前記施設情報が抽出されない場合、前記指示受付手段により第2の指示が受け付けられることに応じて、前記取得された現在位置と該現在位置からもっとも近い施設とを含む地図情報を取得する施設取得手段を備え、
前記表示制御手段は、前記取得された地図情報に含まれる地図を表示する、請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか1項に記載のナビゲーション装置を備えた携帯電話機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−249830(P2010−249830A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128541(P2010−128541)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【分割の表示】特願2008−67882(P2008−67882)の分割
【原出願日】平成20年3月17日(2008.3.17)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】