説明

ナビゲーション装置

【課題】ユーザの操作結果を適切に反映した操作画面とする。
【解決手段】ナビゲーション装置は、複数の階層により構成されて階層ごとに複数種類の操作ボタンが配置された操作画面において、ユーザにより選択された操作ボタンが処理の実行に反映されたときの操作ボタンの選択回数を記録しておく。操作開始時には、過去に記録された選択回数に基づいて、操作ボタンごとに使用頻度を算出し(ステップS40)、算出した使用頻度に基づいて、操作画面における操作ボタンの表示形態を変化させる(ステップS60)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両用のナビゲーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザが頻繁に使用するメニュー画面の切り換えを伴う一連の操作をワンクリックで行うことが出来るように、操作の履歴情報に基づいて算出した頻度が所定値以上であれば、一連の操作をワンクリックで行うためのショートカットを登録する情報処理装置が知られている(特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2005−309618号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示される情報処理装置では、操作の履歴情報に基づいて頻度が算出されるため、ユーザが途中まで操作を進めた後にキャンセルした場合であっても、その操作の頻度が増加してしまう。したがって、車両用のナビゲーション装置において、ユーザの操作結果を適切に反映した操作画面とすることができない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によるナビゲーション装置は、複数の階層により構成されて階層ごとに複数種類の操作ボタンが配置された操作画面を表示モニタに表示し、操作ボタンのいずれかがユーザにより選択されると、選択された操作ボタンに応じて操作画面の階層を順次遷移し、最下位階層の操作画面において選択された操作ボタンに応じた処理を実行するナビゲーション装置であって、操作画面においてユーザにより選択された操作ボタンが処理の実行に反映されたときの操作ボタンの選択回数を記録する記録手段と、記録手段により記録された選択回数に基づいて、操作ボタンごとに使用頻度を算出する算出手段と、算出手段により算出された使用頻度に基づいて、操作画面における操作ボタンの表示形態を変化させる表示変化手段とを備えるものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、ユーザの操作結果を適切に反映した操作画面とすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
図1は、本発明の一実施の形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。図1のナビゲーション装置1は、制御部10、振動ジャイロ11、車速センサ12、GPS受信部13、ハードディスク(HDD)14、表示モニタ15、スピーカ16、および入力装置17を備える。
【0008】
制御部10は、マイクロプロセッサおよびその周辺回路、RAM、ROM等によって構成されており、ROMまたはHDD13に記録されたプログラムやデータ類に基づいて、各種の処理や制御を実行する。振動ジャイロ11は、車両の角速度を検出するためのセンサである。車速センサ12は、車両の走行速度を検出するためのセンサである。振動ジャイロ11により検出された車両の角速度と、車速センサ12により検出された車両の走行速度は、制御部10へ出力される。
【0009】
GPS受信部13は、GPS衛星から送信されるGPS信号を受信して制御部10へ出力する。GPS信号には、車両の位置と現在時刻を求めるための情報が含まれている。車両の現在位置は、振動ジャイロ11から出力された車両の角速度、車速センサ12から出力された車両の走行速度、およびGPS受信部13から出力されたGPS信号に基づいて、制御部10により所定時間毎に求められる。
【0010】
HDD14は、記録されたデータを保持可能な不揮発性の記録媒体である。HDD14には、地図データを含む各種のデータが記録されている。HDD14に記録されているデータは、必要に応じて制御部10の制御により読み出され、制御部10が実行する様々な処理や制御に利用される。HDD14に記録された地図データは、経路計算データ、道路データおよび背景データを含む。経路計算データは、制御部10において目的地までの推奨経路を探索する処理を行う際などに用いられるデータであり、道路毎の通過所要時間などを表す。道路データは、地図を表示する際の道路形状などを表す。背景データは、河川、鉄道、各種施設(ランドマーク)など、道路以外の地図要素の形状を表す。
【0011】
表示モニタ15は、制御部10の制御により、各種の操作画面や地図画面などを表示する。表示モニタ15は、たとえば自車両のダッシュボード上やインストルメントパネル内など、運転席から見やすい位置に設置されている。表示モニタ15には、たとえば液晶ディスプレイなどが用いられる。スピーカ16は、制御部10の制御により、経路案内用の音声などを出力する。
【0012】
入力装置17は、ナビゲーション装置1を動作させるための様々な入力操作をユーザが行うための装置であり、各種の入力スイッチ類を有している。ユーザは、入力装置17を操作することにより、表示モニタ15に表示された操作画面においていずれかの操作ボタンを選択することができる。こうして操作ボタンがユーザにより選択されると、ナビゲーション装置1は、選択された操作ボタンに応じた各種の処理を実行する。たとえば、目的地を設定してその目的地までの経路を探索したり、自車両の周辺に存在する施設を検索したりすることができる。なお、入力装置17は、操作パネルやリモコンなどによって実現される。あるいは、入力装置17を表示モニタ15と一体化されたタッチパネルとしてもよい。
【0013】
次に、ナビゲーション装置1の操作方法について説明する。ナビゲーション装置1において表示モニタ15に表示される操作画面は、複数の階層により構成されており、階層ごとに複数種類の操作ボタンが配置されている。ユーザが入力装置17を操作していずれかの操作ボタンを選択すると、ナビゲーション装置1は、その操作ボタンに対応して、上位の階層から下位の階層へと操作画面を順次遷移していく。そして、最下位階層の操作画面において選択された操作ボタンに応じた処理を実行する。このようにして、ナビゲーション装置1が操作される。
【0014】
上記のような操作の際、ナビゲーション装置1は、各操作画面における操作ボタンの使用頻度に基づいて、操作ボタンの表示形態を変化させるようにする。たとえば、使用頻度が高い操作ボタンを他の操作ボタンよりも大きく表示したり、ユーザが選択しやすい位置に移動したりする。また、ある階層の操作画面において使用頻度が高い操作ボタンを他の階層でも表示するようにして、少ない手順でその操作ボタンを選択できるようにする。これにより、使用頻度の高い操作ボタンをユーザが容易に選択できるようにして、操作性を向上させる。
【0015】
各操作画面における操作ボタンの使用頻度は、過去のユーザの選択回数に基づいて算出される。すなわち、ナビゲーション装置1は、過去にユーザが各操作ボタンを選択した回数を操作履歴情報としてHDD14に記録しておく。そして、操作画面を表示モニタ15に表示する際に、HDD14から操作履歴情報を読み出して操作ボタンごとに使用頻度を算出し、その算出結果に応じた操作画面を表示する。このときの操作画面の表示内容は、ユーザごとに変えることができる。すなわち、ナビゲーション装置1では、複数のユーザを登録可能であり、登録されたユーザごとに操作履歴情報がHDD14に記録される。いずれかのユーザがナビゲーション装置1を使用する際には、そのユーザの操作履歴情報に基づいて使用頻度が算出され、操作画面が表示される。
【0016】
なお、各操作ボタンの選択回数を操作履歴情報として記録する際には、選択された操作ボタンがナビゲーション装置1の処理を実行するために真に使用されたときの選択回数を記録する。すなわち、ナビゲーション装置1が最終的に処理の実行に反映した操作ボタンの選択回数をカウントし、操作履歴情報において記録する。一方、選択された操作ボタンが処理の実行に反映されていない場合、たとえば処理が実行される前にユーザが途中で操作をキャンセルした場合などは、その操作ボタンの選択回数を記録しないようにする。これにより、算出される使用頻度の信頼性を向上させ、ユーザの操作結果を適切に反映した操作画面が得られるようにする。
【0017】
ナビゲーション装置1において表示モニタ15に表示される操作画面の例を図2〜8にそれぞれ示す。図2に示す操作画面は、最上位階層の操作画面として最初に表示されるメインメニュー画面の例である。図2(a)の画面20aは、操作ボタンの表示形態を変化させていない初期状態でのメインメニュー画面の例であり、図2(b)の画面20bは、使用頻度に基づいて操作ボタンの表示形態を変化させたときのメインメニュー画面の例である。
【0018】
メインメニュー画面20aおよび20bには、目的地ボタン21、周辺検索ボタン22、ルートボタン23、情報ボタン24および設定ボタン25が配置されている。目的地ボタン21は、目的地の設定方法を選択するための操作画面である目的地メニュー画面に遷移するための操作ボタンである。周辺検索ボタン22は、検索対象とする周辺施設の種類を選択するための操作画面である周辺検索メニュー画面に遷移するための操作ボタンである。ルートボタン23は、目的地までの間に設定された経路を変更したりするための操作ボタンである。情報ボタン24は、様々な情報を確認するための操作ボタンである。設定ボタン25は、ナビゲーション装置1における各種設定の状態を確認したり変更したりするための操作ボタンである。これらの操作ボタンのうちいずれかがユーザにより選択されると、選択された操作ボタンに応じた下位階層の操作画面へと遷移する。
【0019】
変化前のメインメニュー画面20aと変化後のメインメニュー画面20bとを比較すると、変化後の画面20bでは、目的地ボタン21と周辺検索ボタン22が大きく表示されると共に、画面中央付近に表示位置が変化している。また、目的地ボタン21については大きさに加えて色も変化している。一方、ルートボタン23、情報ボタン24および設定ボタン25は、変化後の画面20bでは小さく表示されると共に、その表示位置が画面下方に変化している。たとえばこのようにして、上記の各操作ボタン21〜25の表示形態を変化させることができる。なお、各操作ボタン21〜25のうち、目的地ボタン21の使用頻度が最も高く、次に周辺検索ボタン22の使用頻度が高く、これらに比べてルートボタン23、情報ボタン24および設定ボタン25の使用頻度が低いものとする。
【0020】
以上説明したように、メインメニュー画面20aにおいて使用頻度の高い2つの操作ボタン、すなわち目的地ボタン21と周辺検索ボタン22とを、メインメニュー画面20bに示すように、画面中央付近に拡大して表示すると共に、最も使用頻度が高い目的地ボタン21の色を変化させる。これにより、使用頻度の高い操作ボタンをユーザが選択しやすいようにすることができる。なお、図2で説明した例以外にも、操作ボタンの表示形態を様々に変化させることができる。たとえば、使用頻度が所定のしきい値以上である操作ボタンを大きく表示したり、反対に使用頻度がしきい値未満である操作ボタンを小さく表示したりしてもよい。
【0021】
さらに、変化後のメインメニュー画面20bには、電話番号ボタン32およびコンビニエンスストアボタン42も表示されている。電話番号ボタン32は、本来は図3に示す目的地メニュー画面30において表示される操作ボタンであり、コンビニエンスストアボタン42は、本来は図4に示す周辺検索メニュー画面40において表示される操作ボタンである。ここで、目的地メニュー画面30の各操作ボタンのうちで電話番号ボタン32の使用頻度が最も高く、また、周辺検索メニュー画面40の各操作ボタンのうちでコンビニエンスストアボタン42の使用頻度が最も高いものとする。このように、階層の異なる操作画面の操作ボタンをその使用頻度に応じてメインメニュー画面20bにも表示することで、使用頻度の高い操作ボタンをユーザが選択する際に、操作画面の遷移回数を少なくすることができる。なお、ここでは、目的地メニュー画面30と周辺検索メニュー画面40においてそれぞれ最も使用頻度が高い操作ボタンを1つずつ、合計2つの操作ボタンをメインメニュー画面20bにも表示することとしたが、3つ以上の操作ボタンを表示してもよいし、他の操作画面の操作ボタンを表示してもよい。
【0022】
図2(a)のメインメニュー画面20aまたは図2(b)のメインメニュー画面20bにおいて、たとえば目的地ボタン21がユーザにより選択されると、図3に示すような目的地メニュー画面が表示される。図3の目的地メニュー画面30には、住所ボタン31、電話番号ボタン32、名称ボタン33、ジャンルボタン34および戻るボタン35が配置されている。住所ボタン31は、住所の入力による目的地の設定方法を選択するための操作ボタンであり、これが選択されると、目的地の住所を入力するための操作画面である住所入力画面に遷移する。電話番号ボタン32は、電話番号の入力による目的地の設定方法を選択するための操作ボタンであり、これが選択されると、目的地の電話番号を入力するための操作画面である電話番号入力画面に遷移する。名称ボタン33は、名称の入力による目的地の設定方法を選択するための操作ボタンであり、これが選択されると、目的地とする施設等の名称を入力するための操作画面である名称入力画面に遷移する。ジャンルボタン34は、ジャンルの入力による目的地の設定方法を選択するための操作ボタンであり、これが選択されると、目的地とする施設等のジャンルを選択するための操作画面であるジャンル入力画面に遷移する。戻るボタン35は、一つ上位階層の操作画面、すなわちメインメニュー画面20aまたは20bに戻るための操作ボタンである。
【0023】
また、図2(a)のメインメニュー画面20aまたは図2(b)のメインメニュー画面20bにおいて、たとえば周辺検索ボタン22がユーザにより選択されると、図4に示すような周辺検索メニュー画面が表示される。図4の周辺検索メニュー画面40には、ガソリンスタンドボタン41、コンビニエンスストアボタン42、飲食店ボタン43、その他ボタン44および戻るボタン45が配置されている。ガソリンスタンドボタン41、コンビニエンスストアボタン42、飲食店ボタン43およびその他ボタン44は、いずれも検索対象とする周辺施設の種類を選択するための操作ボタンであり、それぞれが異なる施設の種類に対応している。すなわち、ガソリンスタンドボタン41が選択された場合は自車両の周辺に存在するガソリンスタンドを検索対象とし、コンビニエンスストアボタン42が選択された場合は自車両の周辺に存在するコンビニエンスストアを検索対象とし、飲食店ボタン43が選択された場合は自車両の周辺に存在する飲食店を検索対象とする。なお、その他ボタン44が選択された場合は、さらに施設の種類を指定するための操作画面が表示される。戻るボタン45は、図3の戻るボタン35と同様に、一つ上位階層の操作画面、すなわちメインメニュー画面20aまたは20bに戻るための操作ボタンである。
【0024】
図3の目的地メニュー画面30において、たとえば電話番号ボタン32がユーザにより選択されると、図5に示すような電話番号入力画面が表示される。図5の電話番号入力画面50には、電話番号入力欄51、確定ボタン52および戻るボタン53が配置されている。電話番号入力欄51は、入力番号表示部とテンキーにより構成されており、ユーザがテンキーを選択して入力した電話番号が入力番号表示部に表示される。確定ボタン52は、入力した電話番号を確定するための操作ボタンであり、これが選択されると、電話番号入力欄51において入力された電話番号が確定されると共に、当該電話番号に該当する施設が地図データに基づいて検索される。そして、検索された施設が目的地に設定され、その目的地までの経路が探索される。こうして目的地が設定されて経路探索が行われると、ナビゲーション装置1は、上位階層の操作画面においてそれまでに選択された各操作ボタン、すなわち目的地ボタン21と電話番号ボタン32とが真に使用されたと判断し、それぞれの選択回数を1つずつカウントアップして操作履歴情報に記録する。戻るボタン53は、前述と同様に一つ上位階層の操作画面、すなわち目的地メニュー画面30に戻るための操作ボタンである。
【0025】
なお、図5の電話番号入力画面50には、図3の目的地メニュー画面30と同様の住所ボタン31も表示されている。ここで、前述のように目的地メニュー画面30の各操作ボタンのうちで電話番号ボタン32の使用頻度が最も高く、また、その次に住所ボタン31の使用頻度が高いものとする。このように、階層の異なる操作画面の操作ボタンをその使用頻度に応じて電話番号入力画面50にも表示することで、目的地メニュー画面30に戻ることなく、電話番号入力画面50から住所入力画面に切り替えることができる。なお、電話番号入力画面50では住所ボタン31を表示することとしたが、目的地メニュー画面30から遷移する他の操作画面では、最も使用頻度が高い電話番号ボタン32を表示することが好ましい。あるいは、使用頻度が高い操作ボタンを2つ以上表示してもよい。
【0026】
一方、図4の周辺検索メニュー画面40において、たとえばガソリンスタンドボタン41がユーザにより選択されると、自車両の周辺に存在するガソリンスタンドが検索され、図6に示すような周辺検索結果画面が表示される。図6の周辺検索結果画面60には、検索結果リスト61および戻るボタン62が配置されている。検索結果リスト61には、検索されたガソリンスタンドのリストが表示されている。このリストのいずれかが選択されると、当該ガソリンスタンド付近の地図画面が表示される。こうして周辺施設の種類が選択されて検索されると、ナビゲーション装置1は、上位階層の操作画面においてそれまでに選択された各操作ボタン、すなわち周辺検索ボタン22とガソリンスタンドボタン41とが真に使用されたと判断し、それぞれの選択回数を1つずつカウントアップして操作履歴情報に記録する。戻るボタン62は、前述と同様に一つ上位階層の操作画面、すなわち周辺検索メニュー画面40に戻るための操作ボタンである。
【0027】
なお、図6の周辺検索結果画面60には、図4の周辺検索メニュー画面40と同様のコンビニエンスストアボタン42も表示されている。ここで、前述したように周辺検索メニュー画面40の各操作ボタンのうちでコンビニエンスストアボタン42の使用頻度が最も高いものとする。このように、階層の異なる操作画面の操作ボタンをその使用頻度に応じて周辺検索結果画面60にも表示することで、周辺検索メニュー画面40に戻ることなく、検索対象をガソリンスタンドからコンビニエンスストアに切り替えて周辺施設を検索することができる。なお、コンビニエンスストアを検索したときの周辺検索結果画面60では、コンビニエンスストアボタン42の次に使用頻度が高い操作ボタンを表示することが好ましい。あるいは、使用頻度が高い操作ボタンを2つ以上表示してもよい。
【0028】
図2(a)のメインメニュー画面20aまたは図2(b)のメインメニュー画面20bにおいて、たとえば設定ボタン25がユーザにより選択されると、図7に示すような設定メニュー画面が表示される。図7の設定メニュー画面70には、地図表示設定ボタン71、ランドマーク表示設定ボタン72、軌跡表示設定ボタン73、ガイド設定ボタン74および戻るボタン75が配置されている。地図表示設定ボタン71は、地図の表示方法を設定するための操作ボタンである。ランドマーク表示設定ボタン72は、地図上にアイコンを表示するランドマーク(施設)の種類を設定するための操作ボタンである。軌跡表示設定ボタン73は、地図上に車両の走行軌跡を表示する方法を設定するための操作ボタンである。ガイド設定ボタン74は、車両の誘導方法を設定するための操作ボタンである。戻るボタン75は、前述と同様に一つ上位階層の操作画面、すなわちメインメニュー画面20aまたは20bに戻るための操作ボタンである。
【0029】
図7の設定メニュー画面70において、たとえばランドマーク表示設定ボタン72がユーザにより選択されると、図8に示すようなランドマーク表示設定画面が表示される。図8のランドマーク表示設定画面80には、ランドマーク選択欄81、地図表示ボタン82および戻るボタン83が配置されている。ランドマーク選択欄81は、地図上にアイコンを表示するランドマークの種類を選択するための部分である。このランドマーク選択欄81においてユーザがいずれかのランドマークの種類を選択すると、そのランドマークの種類にチェックマークが付されると共に、地図画面においてアイコンが表示されるようになる。図8の例では、ガソリンスタンドとコンビニエンスストアにチェックマークが付されており、地図画面ではこれらのアイコンが表示される。地図表示ボタン82は、ランドマーク表示設定画面の表示を終了して地図画面に戻るための操作ボタンである。ランドマーク選択欄81において地図上にアイコンを表示するランドマークの種類が選択された後、地図表示ボタン82が選択されると、他の操作画面に遷移することなく直ちに地図画面が表示モニタ15に表示される。こうしてユーザにより地図表示ボタン82が選択されて地図画面に戻ると、ナビゲーション装置1は、上位階層の操作画面においてそれまでに選択された各操作ボタン、すなわち設定ボタン25とランドマーク表示設定ボタン72とが真に使用されたと判断し、それぞれの選択回数を一つずつカウントアップして操作履歴情報に記録する。戻るボタン83は、前述と同様に一つ上位階層の操作画面、すなわち設定メニュー画面70に戻るための操作ボタンである。
【0030】
以上説明した図2〜8の各操作画面間の画面遷移図を図9に示す。この画面遷移図において、符号91に示す枠はメインメニュー画面20aおよび20bを表し、符号92、93に示す枠は目的地メニュー画面30と周辺検索メニュー画面40をそれぞれ表している。また、符号94に示す枠はルートボタン23が選択されたときの画面を表し、符号95に示す枠は情報ボタン24が選択されたときの画面を表している。符号96に示す枠は、設定メニュー画面70を表している。
【0031】
さらに、符号97〜100に示す枠は、目的地メニュー画面30において、住所ボタン31、電話番号ボタン32、名称ボタン33またはジャンルボタン34が選択されたときに表示される入力画面をそれぞれ表している。符号101〜104に示す枠は、周辺検索メニュー画面40において、ガソリンスタンドボタン41、コンビニエンスストアボタン42、飲食店ボタン43またはその他ボタン44が選択されたときに表示される周辺検索結果画面をそれぞれ表している。
【0032】
図9の画面遷移図において、枠98から枠97に向かう矢印は、電話番号入力画面50において住所ボタン31が選択されると、一階層上の目的地メニュー画面30に戻ることなく、電話番号入力画面50から直接住所入力画面に遷移することを示している。また、枠101から枠102に向かう矢印は、ガソリンスタンドの周辺検索結果画面60においてコンビニエンスストアボタン42が選択されると、一階層上の周辺検索メニュー画面40に戻ることなく、その画面から直接コンビニエンスストアの周辺検索結果を表す画面に遷移することを示している。さらに、枠91から枠98と枠102にそれぞれ向かう矢印は、メインメニュー画面20bにおいて電話番号ボタン32またはコンビニエンスストアボタン42が選択されると、一階層下の目的地メニュー画面30または周辺検索メニュー画面40をスキップして、電話番号入力画面50またはコンビニエンスストアの周辺検索結果の画面に遷移することをそれぞれ示している。ナビゲーション装置1は、このようにして操作手順を簡略化している。
【0033】
なお、以上説明した図2〜8の各操作画面は、いずれも一例である。したがって、これ以外の操作画面としてもよい。たとえば、図3の目的地メニュー画面30や、図4の周辺検索メニュー画面40、図7の設定メニュー画面70においても、図2(b)のメインメニュー画面20bと同様に、使用頻度に応じて各操作ボタンの表示形態を変化させてもよい。また、各操作画面における操作ボタンの種類は図2〜8に示したものに限らない。ナビゲーション装置1が実行する処理の内容に応じて、様々な種類の操作ボタンを各操作画面において表示することができる。
【0034】
ナビゲーション装置1において以上説明したような操作方法を実現するために、制御部10によって実行される処理のフローチャートを図10に示す。このフローチャートについて以下に説明する。
【0035】
ステップS10では、ユーザ認証を行うためのユーザ認証情報を取得する。ここでは、たとえばID番号とパスワードをユーザに入力させることにより、ユーザ認証情報を取得する。ステップS20では、ステップS10で取得したユーザ認証情報に基づいて、現在のユーザが登録済みのユーザであるか否かを判定する。登録済みユーザである場合はステップS30へ進み、未登録のユーザである場合はステップS50へ進む。なお、ステップS10で一度取得したユーザ認証情報は、ナビゲーション装置1において一時的に記憶しておくことが好ましい。これにより、次回ステップS20を実行するときに、ステップS10を省略してユーザにID番号やパスワードを入力させないようにすることができる。ナビゲーション装置1の電源が切断されて所定時間が経過すると、一時的に記憶されたユーザ認証情報が消去される。
【0036】
ステップS30では、ステップS10で取得したユーザ認証情報に対応するユーザの操作履歴情報をHDD14から読み出す。この操作履歴情報には、過去に当該ユーザによって選択された操作ボタンごとの選択回数が記録されている。なお、操作ボタンごとの選択回数は、後で説明するステップS80の操作処理において求められる。
【0037】
ステップS40では、ステップS30で読み出した操作履歴情報に基づいて、操作ボタンごとに使用頻度を算出する。このとき、古すぎて使用頻度を算出するのに適当ではない選択結果を除外するため、操作履歴情報のうち過去の所定期間内において記録された選択回数のみに基づいて使用頻度を算出してもよい。なお、その場合は選択回数の記録日時を判別するための情報を操作履歴情報に含ませることが好ましい。ステップS40を実行したら、ステップS60へ進む。
【0038】
ステップS50では、新規ユーザの登録を行う。ここでは、たとえばユーザのID番号とパスワードを新たに登録することにより、新規ユーザを登録する。こうして未登録のユーザを新規ユーザとして登録することにより、ナビゲーション装置1に複数のユーザが登録される。ステップS50を実行したら、ステップS60へ進む。
【0039】
ステップS60では、操作画面の設定を行う。ここでは、登録済みユーザについては、ステップS40で算出した使用頻度に基づいて、操作画面の各階層における操作ボタンの表示形態をそれぞれ変化させる。すなわち、前述のように使用頻度に応じて各操作ボタンの位置、大きさ、色などを変えたり、使用頻度が高い操作ボタンを異なる階層の操作画面においても表示したりして、ユーザの操作性を向上させるようにする。一方、ステップS50で新規に登録したユーザについては、まだ操作履歴情報が記録されていないため、操作画面を初期設定状態とする。
【0040】
ステップS70では、ナビゲーション装置1の操作を実現するための操作処理を実行する。この操作処理の具体的な内容については、後述する。ステップS70の操作処理を実行したら、図10のフローチャートを終了する。
【0041】
次に、ステップS70で実行する操作処理の内容について説明する。図11は、制御部10によって実行される操作処理のフローチャートである。ステップS71では、最上位階層の操作画面であるメインメニュー画面を表示モニタ15に表示する。ここでは、図10のステップS60で設定された表示形態によりメインメニュー画面を表示する。これにより、たとえば図2(a)のメインメニュー画面20a、または図2(b)のメインメニュー画面20bが表示される。
【0042】
ステップS72では、ステップS71で表示したメインメニュー画面において、いずれかの操作ボタンがユーザにより選択されたか否かを判定する。いずれかの操作ボタンが選択されると、ステップS73へ進む。
【0043】
ステップS73では、ステップS72においてユーザに選択された操作ボタンのカウント値を1つアップする。このカウント値は、操作ボタンごとに設定されており、図10のステップS30でHDD14から読み出した操作履歴情報に基づいて初期値が設定される。なお、ステップS50で新規ユーザ登録を行った場合は、初期値に0が設定される。ステップS74では、ステップS72においてユーザに選択された操作ボタンに対応する操作画面を表示モニタ15に表示する。これにより、たとえばメインメニュー画面20aまたは20bにおいて、目的地ボタン21が選択された場合は図3のような目的地メニュー画面30が、周辺検索ボタン22が選択された場合は図4のような周辺検索メニュー画面40が、設定ボタン25が選択された場合は図7のような設定メニュー画面70が、それぞれ表示される。
【0044】
ステップS75では、ステップS74で表示した操作画面において、いずれかの操作ボタンがユーザにより選択されたか否かを判定する。いずれかの操作ボタンが選択されると、ステップS76へ進む。
【0045】
ステップS76では、ステップS75においてユーザに選択された操作ボタンが戻るボタンであるか否かを判定する。戻るボタンであった場合はステップS77へ進み、戻るボタン以外の操作ボタンであった場合はステップS79へ進む。
【0046】
ステップS77では、現在の操作画面よりも一階層上の操作画面を表示モニタ15に表示して、当該操作画面に戻る。次のステップS78では、ステップS76で戻るボタンが選択される直前に当該操作画面において選択された操作ボタンのカウント値を1つダウンする。たとえば、目的地メニュー画面30が表示されているときに戻るボタン35が選択されてメインメニュー画面20aまたは20bに戻った場合は、その直前にメインメニュー画面20aまたは20bにおいて選択された操作ボタン、すなわち目的地ボタン21のカウント値を1つダウンする。また、周辺検索メニュー画面40が表示されているときに戻るボタン45が選択されてメインメニュー画面20aまたは20bに戻った場合は、その直前にメインメニュー画面20aまたは20bにおいて選択された操作ボタン、すなわち周辺検索ボタン22のカウント値を1つダウンする。設定メニュー画面70が表示されているときに戻るボタン75が選択されてメインメニュー画面20aまたは20bに戻った場合は、その直前にメインメニュー画面20aまたは20bにおいて選択された操作ボタン、すなわち設定ボタン25のカウント値を1つダウンする。これにより、当該操作ボタンのカウント値に対するステップS73のカウントアップ分がキャンセルされる。その結果、当該操作ボタンの選択回数は、後述するステップS82において操作履歴情報を更新する際の記録対象から除外される。ステップS78を実行したらステップS75へ戻り、前述のような処理を繰り返す。このようにして、ユーザにより戻るボタンが選択されて上位階層の操作画面に戻った場合は、その操作画面において直前にユーザにより選択された操作ボタンの選択回数をHDD14に記録する操作履歴情報の対象から除外する。
【0047】
ステップS79では、現在表示されている操作画面が最下位階層の操作画面であるか否かを判定する。最下位階層の操作画面である場合、すなわちステップS75で選択された操作ボタンに対応する下位階層の操作画面が存在しない場合は、ステップS80へ進む。一方、最下位階層の操作画面でない場合はステップS73へ戻り、ユーザに選択された操作ボタンのカウント値をステップS73において1つアップすると共に、その操作ボタンに対応する下位階層の操作画面をステップS74において表示モニタ15に表示する。これにより、たとえば目的地メニュー画面30において電話番号ボタン32が選択された場合は図5のような電話番号入力画面50が表示され、周辺検索メニュー画面40においてガソリンスタンドボタン41が選択された場合は図6のような周辺検索結果画面60が表示され、設定メニュー画面70においてランドマーク表示設定ボタン72が選択された場合は図8のようなランドマーク表示設定画面80が表示される。
【0048】
ステップS80では、ステップS75で選択された操作ボタンに応じた処理を実行する。たとえば、電話番号入力画面50では、選択されたテンキーに応じた電話番号を入力し、確定ボタン52が選択されたら、入力された電話番号に該当する施設を検索して目的地に設定する。また、周辺検索結果画面60では、検索結果リスト61で選択された施設付近の地図画面を表示する。ランドマーク表示設定画面80では、ランドマーク選択欄81で選択されたランドマークのアイコンを地図画面において表示する。これ以外にも、選択された操作ボタンに応じて様々な処理がナビゲーション装置1において実行される。
【0049】
ステップS81では、地図画面に戻るか否かを判定する。ここでは、操作画面ごとに予め定められた所定の地図画面表示条件を満たしているか否かを判定することにより、地図画面に戻るか否かを判定する。たとえば、電話番号入力画面50では、確定ボタン52が選択された後、入力された電話番号に対して検索された施設が目的地に設定されて経路探索が行われたときに、地図画面表示条件を満たしたと判定する。また、周辺検索結果画面60では、検索結果リスト61でいずれかの施設が選択されたときに、地図画面表示条件を満たしたと判定する。ランドマーク表示設定画面80では、地図表示ボタン82が選択されたときに、地図画面表示条件を満たしたと判定する。このような地図画面表示条件を満たしていなければステップS75へ戻り、満たしたらステップS82へ進む。
【0050】
ステップS82では、ステップS73でカウントアップまたはステップS78でカウントダウンされた各操作ボタンのカウント値に基づいて、HDD14に記録された操作履歴情報を更新する。これにより、各操作画面で選択された操作ボタンの選択回数が操作履歴情報に反映される。たとえば、電話番号入力画面50から地図画面に戻る場合は、メインメニュー画面20aまたは20bの目的地ボタン21と、目的地メニュー画面30の電話番号ボタン32について、操作履歴情報に記録された選択回数がそれぞれ1つずつカウントアップされる。また、ガソリンスタンドが検索された周辺検索結果画面60から地図画面に戻る場合は、メインメニュー画面20aまたは20bの周辺検索ボタン22と、周辺検索メニュー画面40のガソリンスタンドボタン41について、操作履歴情報に記録された選択回数がそれぞれ1つずつカウントアップされる。ランドマーク表示設定画面80から地図画面に戻る場合は、メインメニュー画面20aまたは20bの設定ボタン25と、設定メニュー画面70のランドマーク表示設定ボタン72について、操作履歴情報に記録された選択回数がそれぞれ1つずつカウントアップされる。これにより、最下位階層の操作画面を除いた各操作画面においてユーザにより選択された操作ボタンが処理の実行に反映されたとき操作ボタンの選択回数がHDD14に記録される。なお、最下位階層の操作画面については、選択されると必ず処理の実行に反映されるとして、その選択回数を操作履歴情報において記録してもよいし、記録しなくてもよい。ステップS82を実行したら図11のフローチャートを終了する。
【0051】
以上説明した実施の形態によれば、次の作用効果を奏する。
(1)ナビゲーション装置1は、複数の階層により構成されて階層ごとに複数種類の操作ボタンが配置された操作画面を表示モニタ15に表示し、操作ボタンのいずれかがユーザにより選択されると、選択された操作ボタンに応じて操作画面の階層を順次遷移し、最下位階層の操作画面において選択された操作ボタンに応じた処理を実行する。このようなナビゲーション装置1において、各操作画面においてユーザにより選択された操作ボタンが処理の実行に反映されたときの操作ボタンの選択回数を操作履歴情報としてHDD14に記録しておく(ステップS82)。その後、操作開始時には、制御部10の処理により、HDD14に記録された操作履歴情報が表す各操作ボタンの選択回数に基づいて、操作ボタンごとに使用頻度を算出し(ステップS40)、算出した使用頻度に基づいて、操作画面における操作ボタンの表示形態を変化させる(ステップS60)。このようにしたので、ユーザの操作結果を適切に反映した操作画面とすることができる。
【0052】
(2)メインメニュー画面20aまたは20bにおいて、ユーザにより目的地ボタン21が選択された場合、目的地メニュー画面30において選択された設定方法で目的地が選択され、その目的地までの経路が探索されたときに、目的地ボタン21が処理の実行に反映されたと判断する。すなわち、目的地メニュー画面30において、ユーザにより住所ボタン31、電話番号ボタン32、名称ボタン33またはジャンルボタン34のいずれかが選択された後、当該選択された操作ボタンに対応する設定方法で目的地が設定され、その目的地までの経路が探索されたときに、当該選択された操作ボタンと目的地ボタン21とが処理の実行に反映されたと判断する。このようにしたので、ユーザにより目的地ボタン21が選択された場合に、その目的地ボタン21が処理の実行に反映されたか否かを正しく判断することができる。
【0053】
(3)また、メインメニュー画面20aまたは20bにおいて、ユーザにより周辺検索ボタン22が選択された場合、周辺検索メニュー画面40において選択された種類の周辺施設が検索され、検索された周辺施設のいずれかが選択されたときに、周辺検索ボタン22が処理の実行に反映されたと判断する。すなわち、周辺検索メニュー画面40において、ユーザによりガソリンスタンドボタン41、コンビニエンスストアボタン42、飲食店ボタン43またはその他ボタン44のいずれかが選択された後、当該選択された操作ボタンに対応する種類の周辺施設が検索されたときに、当該選択された操作ボタンと周辺検索ボタン22とが処理の実行に反映されたと判断する。このようにしたので、ユーザにより周辺検索ボタン22が選択された場合に、その周辺検索ボタン22が処理の実行に反映されたか否かを正しく判断することができる。
【0054】
(4)最下位階層の操作画面であるランドマーク表示設定画面80において、ユーザにより地図表示ボタン82が選択されて地図画面に戻った場合、地図表示ボタン82が表示されているランドマーク表示設定画面80よりも上位階層の操作画面においてそれまでにユーザにより選択された操作ボタンが処理の実行に反映されたと判断する。すなわち、メインメニュー画面20aまたは20bの設定ボタン25と、設定メニュー画面70のランドマーク表示設定ボタン72とが、処理の実行に反映されたと判断する。このようにしたので、処理の終了後に地図表示ボタン82が選択されることで地図画面に戻った場合に、どの操作ボタンが処理の実行に反映されたかを正しく判断することができる。
【0055】
(5)ユーザにより戻るボタン35、45、53、62、75または83が選択されて上位階層の操作画面に戻った場合、その操作画面において直前にユーザにより選択された操作ボタンの選択回数をHDD14に操作履歴情報として記録する対象から除外する(ステップS78)。たとえば、目的地メニュー画面30が表示されているときに戻るボタン35が選択されてメインメニュー画面20aまたは20bに戻った場合は、その直前にメインメニュー画面20aまたは20bにおいて選択された目的地ボタン21を記録対象から除外する。このようにしたので、処理が実行される前にユーザが途中で操作をキャンセルしたために選択された操作ボタンが処理の実行に反映されていない場合、その操作ボタンの選択回数が操作履歴情報としてHDD14に記録されるのを防ぐことができる。その結果、操作履歴情報に基づいて算出する使用頻度の信頼性を向上させることができる。
【0056】
(6)ステップS40では、HDD14に記録された操作履歴情報のうち、所定期間内に記録された選択回数に基づいて、操作ボタンごとの使用頻度を算出してもよい。このように、使用頻度を算出するのに適当ではない選択結果を除外して使用頻度を算出することにより、操作画面における操作ボタンの表示形態の変化に用いるものとして相応しい使用頻度を算出することができる。
【0057】
(7)ナビゲーション装置1は、制御部10の処理により、未登録のユーザを新規ユーザとして登録することで複数のユーザを登録する(ステップS50)。ステップS40では、こうして登録されたユーザごとに操作ボタンごとの使用頻度を算出する。このようにしたので、ユーザごとに最適な操作画面を表示することができる。
【0058】
(8)ステップS60では、目的地ボタン21、周辺検索ボタン22、ルートボタン23、情報ボタン24および設定ボタン25の位置、大きさおよび色のいずれか少なくとも一つを、各操作ボタンの使用頻度に応じてメインメニュー画面20aから20bのように変化させることができる。また、各操作ボタンの使用頻度に応じて、目的地メニュー画面30の住所ボタン31および電話番号ボタン32と、周辺検索メニュー画面40のコンビニエンスストアボタン42とを、他の階層の操作画面である電話番号入力画面50、メインメニュー画面20b、周辺検索結果画面60においてもそれぞれ表示することができる。このようにして各操作ボタンの表示形態を変化させることで、使用頻度の高い操作ボタンをユーザが容易に選択できるようにして、操作性を向上させることができる。
【0059】
(9)周辺検索メニュー画面40において使用頻度が最も高いコンビニエンスストアボタン42を、周辺検索メニュー画面40よりも一階層下の周辺検索結果画面60においても表示する。このようにしたので、上位階層の操作画面に戻ることなく、下位階層の操作画面から使用頻度が最も高い操作ボタンに対応する操作画面に直接遷移することができる。その結果、操作手順を簡略化することができる。
【0060】
(10)また、目的地メニュー画面30において使用頻度が最も高い電話番号ボタン32がユーザにより選択されたときには、電話番号ボタン32に替えて、目的地メニュー画面30において使用頻度が2番目に高い住所ボタン31を、目的地メニュー画面30よりも一階層下の電話番号入力画面50において表示する。このようにしたので、使用頻度が最も高い操作ボタンが選択されたときの遷移後の操作画面において当該操作ボタンが再び表示されてしまうのを防いで、適切な操作ボタンを表示することができる。
【0061】
なお、以上説明した実施の形態では、HDD14に操作履歴情報を記録することとしたが、不揮発性の記録媒体であれば、どのようなものに操作履歴情報を記録してもよい。たとえば、フラッシュメモリを使用したSSD(Solid State Drive)などをHDDの代わりに使用することができる。
【0062】
以上説明した実施の形態や各種の変形例は、あくまで一例である。したがって、発明の特徴が損なわれない限り、本発明はこれらの内容に限定されるものではない。また、本発明は上記実施の形態に限定されず、実施形態と変形例の一つ、もしくは複数を組み合わせることも可能である。
【0063】
以上説明した実施の形態では、特許請求の範囲に記載された各手段のうち、記録手段をHDD14により実現し、それ以外をナビゲーション装置1の制御部10において実行される処理により実現することとした。すなわち、ナビゲーション装置1の制御部10は、算出手段、表示変化手段および登録手段として機能する。なお、以上の説明はあくまで一例であり、発明を解釈する際、実施の形態の記載事項と特許請求の範囲の記載事項の対応関係には何ら限定も拘束もされない。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】一実施形態によるナビゲーション装置の構成を示すブロック図である。
【図2】一実施の形態によるナビゲーション装置において表示される操作画面の一例であるメインメニュー画面を示す図である。
【図3】一実施の形態によるナビゲーション装置において表示される操作画面の一例である目的地メニュー画面を示す図である。
【図4】一実施の形態によるナビゲーション装置において表示される操作画面の一例である周辺検索メニュー画面を示す図である。
【図5】一実施の形態によるナビゲーション装置において表示される操作画面の一例である電話番号入力画面を示す図である。
【図6】一実施の形態によるナビゲーション装置において表示される操作画面の一例である周辺検索結果画面を示す図である。
【図7】一実施の形態によるナビゲーション装置において表示される操作画面の一例である設定メニュー画面を示す図である。
【図8】一実施の形態によるナビゲーション装置において表示される操作画面の一例であるランドマーク表示設定画面を示す図である。
【図9】一実施の形態によるナビゲーション装置において表示される各操作画面間の画面遷移図である。
【図10】一実施の形態によるナビゲーション装置において実行される処理のフローチャートである。
【図11】操作処理のフローチャートである。
【符号の説明】
【0065】
1:ナビゲーション装置 10:制御部
11:振動ジャイロ 12:車速センサ
13:GPS受信部 14:HDD
15:表示モニタ 16:スピーカ
17:入力装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の階層により構成されて前記階層ごとに複数種類の操作ボタンが配置された操作画面を表示モニタに表示し、前記操作ボタンのいずれかがユーザにより選択されると、選択された操作ボタンに応じて前記操作画面の階層を順次遷移し、最下位階層の操作画面において選択された操作ボタンに応じた処理を実行するナビゲーション装置であって、
前記操作画面において前記ユーザにより選択された操作ボタンが前記処理の実行に反映されたときの前記操作ボタンの選択回数を記録する記録手段と、
前記記録手段により記録された選択回数に基づいて、前記操作ボタンごとに使用頻度を算出する算出手段と、
前記算出手段により算出された使用頻度に基づいて、前記操作画面における前記操作ボタンの表示形態を変化させる表示変化手段とを備えることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
請求項1に記載のナビゲーション装置において、
前記操作ボタンは、前記操作画面のうち目的地の設定方法を選択するための目的地メニュー画面に遷移するための目的地ボタンを含み、
前記ユーザにより前記目的地ボタンが選択された場合、前記目的地メニュー画面において選択された設定方法で目的地が設定され、その目的地までの経路が探索されたときに、前記目的地ボタンが前記処理の実行に反映されたと判断することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
請求項2に記載のナビゲーション装置において、
前記目的地メニュー画面には、前記操作ボタンとして、住所の入力による目的地の設定方法を選択するための住所ボタンと、電話番号の入力による目的地の設定方法を選択するための電話番号ボタンと、名称の入力による目的地の設定方法を選択するための名称ボタンと、ジャンルの入力による目的地の設定方法を選択するためのジャンルボタンとのいずれか少なくとも一つが配置されており、
前記ユーザにより前記目的地ボタンが選択された場合、前記目的地メニュー画面において前記ユーザにより前記住所ボタン、前記電話番号ボタン、前記名称ボタンまたは前記ジャンルボタンのいずれかが選択された後、当該選択された操作ボタンに対応する設定方法で目的地が設定され、その目的地までの経路が探索されたときに、当該選択された操作ボタンと前記目的地ボタンとが前記処理の実行に反映されたと判断することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記操作ボタンは、前記操作画面のうち検索対象とする周辺施設の種類を選択するための周辺検索メニュー画面に遷移するための周辺検索ボタンを含み、
前記ユーザにより前記周辺検索ボタンが選択された場合、前記周辺検索メニュー画面において選択された種類の周辺施設が検索され、検索された周辺施設のいずれかが選択されたときに、前記周辺検索ボタンが前記処理の実行に反映されたと判断することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
請求項4に記載のナビゲーション装置において、
前記周辺検索メニュー画面には、異なる施設の種類にそれぞれ対応する複数の操作ボタンが配置されており、
前記ユーザにより前記周辺検索ボタンが選択された場合、前記周辺検索メニュー画面において前記ユーザにより前記複数の操作ボタンのいずれかが選択された後、当該選択された操作ボタンに対応する種類の周辺施設が検索されたときに、当該選択された操作ボタンと前記周辺検索ボタンとが前記処理の実行に反映されたと判断することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記操作ボタンは、前記操作画面の表示を終了して地図画面に戻るための地図表示ボタンを含み、
前記地図表示ボタンは、前記最下位階層の操作画面において表示され、
前記処理が実行された後に前記ユーザにより前記地図表示ボタンが選択されて前記地図画面に戻った場合、前記地図表示ボタンが表示されている操作画面よりも上位階層の操作画面においてそれまでに前記ユーザにより選択された操作ボタンが前記処理の実行に反映されたと判断することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記操作ボタンは、上位階層の操作画面に戻るための戻るボタンを含み、
前記ユーザにより前記戻るボタンが選択されて上位階層の操作画面に戻った場合、その操作画面において直前に前記ユーザにより選択された操作ボタンの選択回数を前記記録手段の記録対象から除外することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記算出手段は、前記記録手段により所定期間内に記録された選択回数に基づいて、前記使用頻度を算出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
複数の前記ユーザを登録する登録手段をさらに備え、
前記算出手段は、前記登録手段により登録されたユーザごとに前記使用頻度を算出することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項10】
請求項1〜9のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記表示変化手段は、前記操作画面における操作ボタンの位置、大きさおよび色のいずれか少なくとも一つを前記使用頻度に応じて変化させることを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項11】
請求項1〜10のいずれか一項に記載のナビゲーション装置において、
前記表示変化手段は、前記使用頻度に応じて、いずれかの階層の操作画面において表示される操作ボタンを他の階層の操作画面においても表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項12】
請求項11に記載のナビゲーション装置において、
前記表示変化手段は、前記操作画面において前記使用頻度が最も高い操作ボタンを前記操作画面よりも一階層下の操作画面においても表示することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項13】
請求項12に記載のナビゲーション装置において、
前記使用頻度が最も高い操作ボタンが前記ユーザにより選択されたときに、前記表示変化手段は、前記使用頻度が最も高い操作ボタンに替えて、前記操作画面において前記使用頻度が2番目に高い操作ボタンを前記操作画面よりも一階層下の操作画面において表示することを特徴とするナビゲーション装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate


【公開番号】特開2010−38620(P2010−38620A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−199500(P2008−199500)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【出願人】(000001487)クラリオン株式会社 (1,722)
【Fターム(参考)】